JPH0994053A - 2枚貝生剥方法および装置ならびに分離前加熱装置 - Google Patents

2枚貝生剥方法および装置ならびに分離前加熱装置

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JPH0994053A
JPH0994053A JP8091414A JP9141496A JPH0994053A JP H0994053 A JPH0994053 A JP H0994053A JP 8091414 A JP8091414 A JP 8091414A JP 9141496 A JP9141496 A JP 9141496A JP H0994053 A JPH0994053 A JP H0994053A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2枚貝からなる原貝の貝殻から食する部位を
生食に用いるための品質を保持させた状態で効率よく分
離すること。 【解決手段】 2枚貝からなる原貝2の一方の貝殻2A
の表面を原貝2の食する部位2aが生の状態を保持する
ように加熱する加熱手段6を有することを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2枚貝からなる原
貝の食する部位を生の状態で貝殻から効率よく分離する
ことのできる2枚貝生剥方法および装置ならびに分離前
加熱装置に係り、特に、帆立貝の閉殻筋を生の状態で貝
殻から効率よく分離するのに好適な2枚貝生剥方法およ
び装置ならびに分離前加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、2枚貝からなる原貝の食する部
位、例えば帆立貝の貝柱および小柱からなる閉殻筋を生
の状態で貝殻から取り出す(分離する)には、貝おこし
と称される薄いナイフ状の道具を用いて、手作業により
帆立貝の2枚の貝殻を閉じている閉殻筋の貝殻との接合
部位を切断することにより行われている。
【0003】しかしながら、手作業により帆立貝の閉殻
筋を貝殻から切断して分離するのでは、能率が低く、多
大な労力と時間とを要し、一度に大量の帆立貝が水揚げ
された場合等には、数多くの人員を投入して素早く処理
しないと帆立貝の鮮度が低下するという問題点があっ
た。
【0004】そこで、従来から2枚貝からなる原貝の食
する部位を貝殻から効率よく分離するために各種の提案
がなされている。
【0005】これらの従来例としては、例えば特開昭6
3−87937号(特公平2−14014号)公報に記
載されているように、帆立貝の先端をカッター等で切断
して帆立貝の先端部に開口部を形成し、この開口部から
挿入した刃物を一方の貝殻の内面を滑らせながら進行さ
せることにより、2枚の貝殻を閉じている閉殻筋の一方
の貝殻との接合部位を切断して貝殻を拡開(貝の口を開
ける)するものがある。
【0006】また、他の例としては、例えば、特開昭5
0−3899号公報、特開昭52−13900号公報、
特開平5−3751号公報に記載されているように、加
熱手段をもって帆立貝を加熱することにより貝殻を拡開
し、その後貝柱を他方の貝殻から分離するようにしたも
のがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の帆立貝の先端をカッター等で切断するものにお
いては、食する部位たる閉殻筋を生食に用いる生の状態
で貝殻から取り出すことはできるものの、切断屑が閉殻
筋に付着したりして、傷ついた閉殻筋を取り除いたり、
閉殻筋から切断屑を取り除いたりする等の後処理に多大
な労力と時間とを要するという問題点があった。さら
に、閉殻筋を貝殻から分離するのは、貝殻と閉殻筋との
接合部位を切断する手作業等によって行われており、貝
柱を貝殻から分離するのに多大な労力を必要とし、帆立
貝の閉殻筋を生の状態で貝殻から効率よく分離すること
ができないという問題点もあった。
【0008】また、従来の帆立貝の貝殻を加熱手段によ
り加熱して貝殻を拡開するものにおいては、貝の口を容
易に開くことはできるものの、閉殻筋の表面、特に加熱
側に位置する閉殻筋の表面が白く変色して、いわゆる煮
えた状態となり、外観品質が低下し、生食に用いるため
の品質を保持させることができないものが多い、すなわ
ち、従来の加熱手段を用いたものにおいては、実際に
は、帆立貝から取り出した閉殻筋の内から生食用として
供給することのできるものが少ないという問題点があっ
た。また、貝殻を拡開した後に閉殻筋を貝殻から分離す
るのは手作業により行われており、閉殻筋を貝殻から分
離するのに多大な労力を必要とし、閉殻筋を貝殻から効
率よく分離することができないという問題点もあった。
【0009】さらにまた、拡開した後の貝殻から閉殻筋
を貝おこしと称されるナイフ状の道具などを用いて分離
すると、手作業であろうと自動機械による機械作業であ
ろうと、貝殻と閉殻筋との接合部位を切断することにな
り、分離した閉殻筋の表面がギザギザの切断面となり外
観品質が低下するとともに、例えナイフ状の道具の刃先
を貝殻の凹凸に沿って動作させたとしても、貝殻の凹凸
に完全に倣うことができず貝殻の凹部に閉殻筋の一部が
残留して歩留まりがよくないという問題点があった。
【0010】さらにまた、貝殻と閉殻筋との接合部位を
切断することにより、貝殻から分離した閉殻筋は、切断
面から水分を吸水しやすく、貝殻から分離した後の閉殻
筋をトリミング(食品とするために閉殻筋に付着してい
る微細な内臓などの付着物を除去するための洗浄作業)
に用いた水分が閉殻筋の内部に吸収されて食味が低下し
たり、閉殻筋を冷凍保存した場合には、解凍した際に、
ドリップと称される吸収した水分とともにうまみ成分が
流出してしまうという問題点があった。
【0011】そこで、閉殻筋を生食に用いるための品質
を保持させた状態で効率よく貝殻から分離することので
きるものが求められている。
【0012】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、2枚貝からなる原貝の貝殻から食する部位を生
食に用いるための品質を保持させた状態で効率よく分離
することのできる2枚貝生剥方法および装置ならびに分
離前加熱装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため、本発明者らは、2枚貝からなる原貝の貝殻から食
する部位を生食に用いるための品質を保持させた状態で
効率よく分離することのできる2枚貝生剥方法および装
置を得るべく鋭意研究を行った結果、2枚貝からなる原
貝を帆立貝とした場合に、帆立貝の貝殻の表面に高温の
水蒸気あるいは温水を短時間付与することにより、食す
る部位に生の状態を保持させて貝殻を容易に拡開するこ
とができる(貝の口を容易に開くことができる)、つま
り、食する部位と貝殻との接合部位がゲル状となるよう
に加熱することができ、その結果、食する部位と貝殻と
の接合部位の接合力を弱体化させて食する部位を貝殻か
ら容易に剥離できることを見い出し本発明を完成したも
のである。
【0014】すなわち、特許請求の範囲の請求項1に記
載の本発明の2枚貝生剥方法の特徴は、2枚貝からなる
原貝の一方の貝殻の表面を原貝の食する部位が生の状態
を保持し、かつ、食する部位の貝殻との接合部位がゲル
状となるように加熱する点にある。
【0015】そして、このような構成を採用したことに
より、生食に用いるための品質を保持させた状態で食す
る部位の貝殻との接合部位の接合力を弱体化させること
ができる。ここでいう、原貝の食する部位が生の状態を
保持し、かつ、食する部位の貝殻との接合部位がゲル状
となるように加熱するとは、食する部位が変色しなで、
かつ、2枚貝の口が閉じた状態を保持するように加熱す
ることであり、具体的には、加熱源として高温の水蒸気
あるいは温水を用いて原貝の一方の貝殻の表面に加熱源
の熱エネルギを短時間付与するいう加熱手段によって達
成することができる。さらに、このような加熱手段をも
って原貝の一方の貝殻の表面を加熱することにより、加
熱側に位置する貝殻と食する部位との間の接合力の弱体
化が可能となり、その結果、例えば、人の手の力でもっ
て原貝の貝殻を強制的に拡開させることが可能となる。
【0016】また、特許請求の範囲の請求項2に記載の
本発明の2枚貝生剥方法の特徴は、2枚貝からなる原貝
の一方の貝殻の表面を原貝の食する部位が生の状態を保
持し、かつ、食する部位の貝殻との接合部位がゲル状と
なるように加熱し、その後加熱された原貝の各貝殻を強
制的に拡開し、その後原貝の貝殻から食する部位を分離
する点にある。
【0017】そして、このような構成を採用したことに
より、原貝の食する部位が生の状態を保持した状態で原
貝の各貝殻を強制的に容易に拡開させることができ、食
する部位を加熱側に位置する貝殻との接合部位から強制
的に容易に剥離分離させて貝殻に食する部位が残留しな
いようにすること、つまり、食する部位の歩留まり(回
収率)を向上させることができる。
【0018】また、特許請求の範囲の請求項3に記載の
本発明の2枚貝生剥方法の特徴は、請求項1または請求
項2において、2枚貝からなる原貝の貝殻から食する部
位を分離する前に、原貝の食する部位が生の状態を保持
し、かつ、食する部位の貝殻との接合部位がゲル状とな
るようにして原貝の食する部位が付着している貝殻の表
面を加熱する点にある。
【0019】そして、このような構成を採用したことに
より、生食に用いるための品質を保持させた状態で食す
る部位の貝殻との接合部位の接合力の弱体化が可能とな
り、その結果、例えば、人の手の力でもって食する部位
を貝殻から容易に剥離させて分離することができる、す
なわち、食する部位を加熱側に位置する貝殻との接合部
位から剥離分離させて貝殻に食する部位が残留しないの
で、食する部位の歩留まりを向上させることができる。
【0020】また、特許請求の範囲の請求項4に記載の
本発明の2枚貝生剥方法の特徴は、2枚貝からなる原貝
の一方の貝殻の表面を原貝の食する部位が生の状態を保
持し、かつ、食する部位の貝殻との接合部位がゲル状と
なるように加熱し、加熱された原貝の各貝殻を強制的に
拡開し、加熱された一方の貝殻を分離し、一方の貝殻が
分離された後の他方の貝殻から食する部位以外の非可食
部を分離して他方の貝殻に食する部位を残し、他方の貝
殻の食する部位が生の状態を保持し、かつ、食する部位
の貝殻との接合部位がゲル状となるようにして他方の貝
殻の表面を加熱し、加熱された他方の貝殻から食する部
位を分離する点にある。
【0021】そして、このような構成を採用したことに
より、貝殻から食する部位を生食に用いるための品質を
保持させた状態でより効率よく分離することができると
ともに、貝殻に食する部位が残留しないので、食する部
位の歩留まりを向上させることができる。
【0022】また、特許請求の範囲の請求項5に記載の
本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、2枚貝からなる原貝
の一方の貝殻の表面を原貝の食する部位が生の状態を保
持するように加熱する加熱手段を有する点にある。
【0023】また、特許請求の範囲の請求項6に記載の
本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項5において、
前記加熱手段は、前記原貝の口が閉じた状態を保持する
ように加熱する点にある。
【0024】また、特許請求の範囲の請求項7に記載の
本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、求項5または請求項
6において、前記加熱手段は、前記原貝の食する部位が
変色しないように加熱する点にある。
【0025】また、特許請求の範囲の請求項8に記載の
本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項5乃至請求項
7の何れか1項において、前記加熱手段は、水蒸気を加
熱源としている点にある。
【0026】また、特許請求の範囲の請求項9に記載の
本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項5乃至請求項
7の何れか1項において、前記加熱手段は、温水を加熱
源としている点にある。
【0027】また、特許請求の範囲の請求項10に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項5乃至請求
項9の何れか1項において、前記加熱手段は、前記原貝
の一方の貝殻の表面を加熱するための加熱ノズルを有す
る点にある。
【0028】また、特許請求の範囲の請求項11に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項10におい
て、前記加熱手段は、前記原貝の一方の貝殻の表面を多
段階加熱するための複数の加熱ノズルを有する点にあ
る。
【0029】また、特許請求の範囲の請求項12に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項10または
請求項11において、前記加熱手段の加熱ノズルは、そ
の先端に前記原貝の一方の貝殻の少なくとも食する部位
が接合している部位の表面を囲繞するように当接可能な
カップ体を有する点にある。
【0030】そして、これらのような構成の加熱手段を
本発明の2枚貝生剥方法に沿って動作させることによ
り、生食に用いるための品質を保持させた状態で食する
部位の貝殻との接合部位の接合力を弱体化させることが
できる。ここでいう、原貝の食する部位が生の状態を保
持するように加熱するとは、食する部位の貝殻との接合
部位がゲル状となるように加熱し、かつ、食する部位が
変色しないように2枚貝の口が閉じた状態を保持するよ
うに加熱することであり、具体的には、加熱源として高
温の水蒸気あるいは温水を加熱ノズルから原貝の一方の
貝殻の表面に噴射して原貝の一方の貝殻の表面に加熱源
の熱エネルギを短時間付与するいう加熱手段によって達
成することができる。さらに、このような加熱手段をも
って原貝の一方の貝殻の表面を加熱することにより、加
熱側に位置する貝殻と食する部位との間の接合力の弱体
化が可能となり、その結果、例えば、人の手の力でもっ
て原貝の貝殻を強制的に容易に拡開させることが可能と
なる。さらにまた、多段階加熱するための複数の加熱ノ
ズルは、1回の加熱時間を長くすることなく貝殻の表面
を効率よく加熱することができる。また、加熱ノズルの
カップ体は、貝殻の表面をより効率よく加熱することが
できる。
【0031】また、特許請求の範囲の請求項13に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項5乃至請求
項12の何れか1項において、2枚貝からなる原貝を支
持して搬送する搬送手段と、この搬送手段が支持してい
る前記原貝の位置決めを行うための原貝位置決め手段と
を有する点にある。
【0032】そして、このような構成を採用したことに
より、搬送手段は原貝を効率的に搬送することができ、
原貝位置決め手段は搬送手段に支持した原貝を適正な位
置に位置決めすることができ、原貝の加工を効率よく行
うことができる。
【0033】また、特許請求の範囲の請求項14に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項5乃至請求
項13の何れか1項において、2枚貝からなる原貝の貝
殻を強制的に拡開する強制殻開手段を有する点にある。
【0034】また、特許請求の範囲の請求項15に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項14におい
て、前記強制殻開手段は、前記原貝の各貝殻に負圧をも
って吸着可能に形成された1対の吸着パッドと、この1
対の吸着パッドを原貝の口が開くように動作させるパッ
ド駆動手段とを有する点にある。
【0035】また、特許請求の範囲の請求項16に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項15におい
て、前記吸着パッドの少なくとも貝殻との当接部位がス
チレン系熱可塑性樹脂によって形成されている点にあ
る。
【0036】また、特許請求の範囲の請求項17に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項14乃至請
求項16の何れか1項において、前記強制殻開手段に水
抜き手段を設けた点にある。
【0037】また、特許請求の範囲の請求項18に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項17におい
て、前記水抜き手段は、前記吸着パッドに対して負圧と
正圧との何れか一方を選択的に切り換えて作用させる切
換バルブと、この切換バルブと前記吸着パッドとの間に
配設され前記吸着パッドから前記切換バルブに向かう液
分を捕捉するとともに正圧が作用した際に捕捉した液分
を外部に排出する排出弁を具備するエアフィルタとを有
する点にある。
【0038】そして、こられのような構成を採用したこ
とにより、強制殻開手段は、原貝の貝殻を強制的かつ容
易に拡開させることができるとともに、食する部位を加
熱側に位置する貝殻との接合部位から容易に剥離して分
離することかでき、加熱側に位置する貝殻に食する部位
が残留しないようにすること、つまり、食する部位の歩
留まりを向上させることができる。さらに、吸着パッド
の少なくとも貝殻との当接部位をスチレン系熱可塑性樹
脂によって形成することにより、貝殻の表面に対する吸
着パッドの密着性を向上させることができる。さらにま
た、水抜き手段は、貝殻の表面に吸着した吸着パッドが
貝殻の表面に付着している液分を吸引した際に、その液
分の捕捉と、捕捉した液分の排出を行うことができる。
【0039】また、特許請求の範囲の請求項19に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項5乃至請求
項18の何れか1項において、拡開された2枚貝からな
る原貝から一方の貝殻を脱殻して食する部位が接合して
いる貝殻を残す殻分離手段を有する点にある。
【0040】そして、このような構成を採用したことに
より、殻分離手段は、拡開された原貝から一方の貝殻を
容易に脱殻(分離)することができる。
【0041】また、特許請求の範囲の請求項20に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項5乃至請求
項19の何れか1項において、拡開された2枚貝からな
る原貝の食する部位が接合している貝殻の内面に水分を
供給する水分供給手段を有する点にある。
【0042】そして、このような構成を採用したことに
より、水分供給手段は、貝殻に付着している食する部位
および非食部ならびに砂などの異物を水分で濡らすこと
ができ、貝殻から非食部を分離する際の分離効率を向上
させることができる。
【0043】また、特許請求の範囲の請求項21に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項5乃至請求
項20の何れか1項において、拡開された2枚貝からな
る原貝の貝殻から食する部位以外の非食部を分離する非
食部分離手段を有する点にある。
【0044】そして、このような構成を採用したことに
より、非食部分離手段は、非食部を効率よく分離するこ
とができる。さらに、この非食部分離手段は、本発明の
2枚貝生剥装置ばかりでなく、従来の2枚貝生剥装置に
も適用することができる。
【0045】また、特許請求の範囲の請求項22に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項21におい
て、前記非食部分離手段は、食する部位の外径寸法より
大きい内径寸法の吸引孔を具備し負圧が作用可能とされ
た吸引ノズルと、前記吸引ノズルの吸引孔の先端を食す
る部位が接合している貝殻の内面に対して接離させるノ
ズル接離手段とを有する点にある。
【0046】そして、このような構成を採用したことに
より、非食部分離手段は、貝殻から非食部をより効率よ
く分離することができる。さらに、この非食部分離手段
は、本発明の2枚貝生剥装置ばかりでなく、従来の2枚
貝生剥装置にも適用することができる。
【0047】また、特許請求の範囲の請求項23に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項22におい
て、前記吸引ノズルを食する部位が接合している貝殻の
内面に対して接離するように振動させるノズル振動付与
手段を設けた点にある。
【0048】そして、このような構成を採用したことに
より、非食部分離手段のノズル振動付与手段は、貝殻か
ら非食部をさらにより効率よく分離することができる。
さらに、この非食部分離手段は、本発明の2枚貝生剥装
置ばかりでなく、従来の2枚貝生剥装置にも適用するこ
とができる。
【0049】また、特許請求の範囲の請求項24に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項21におい
て、前記非食部分離手段は、負圧が作用可能とされた吸
引ノズルの先端に非食部を分離するための吸引板を装着
し前記吸引板に食する部位が遊嵌される凹部およびこの
凹部の外周側の底壁に形成されこの凹部と前記吸引ノズ
ルとを連通する吸引孔を設けてなる吸引部材と、前記吸
引部材の吸引孔が貝殻に接合している食する部位の外周
の外側を食する部位の周方向に沿って回転するように前
記吸引部材および食する部位が接合している貝殻の少な
くとも一方を回転させる回転駆動手段とを有する点にあ
る。
【0050】そして、このような構成を採用したことに
より、非食部分離手段は、貝殻から食する部位を損傷さ
せることなく非食部を効率よく分離することができる。
さらに、この非食部分離手段は、本発明の2枚貝生剥装
置ばかりでなく、従来の2枚貝生剥装置にも適用するこ
とができる。
【0051】また、特許請求の範囲の請求項25に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項24におい
て、前記非食部分離手段は、前記非食部を分離する際
に、前記吸引板の凹部の底壁が食する部位の上面に対し
て当接可能なように構成されている点にある。
【0052】そして、このような構成を採用したことに
より、非食部分離手段は、貝殻から食する部位をより損
傷させることなく非食部を効率よく分離することができ
る。さらに、この非食部分離手段は、本発明の2枚貝生
剥装置ばかりでなく、従来の2枚貝生剥装置にも適用す
ることができる。
【0053】また、特許請求の範囲の請求項26に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項21におい
て、前記非食部分離手段は、負圧が作用可能とされた吸
引ノズルと、前記吸引ノズルの先端に固着されたケース
体と、このケース体に設けられ前記吸引ノズルの内部に
連通し前記吸引ノズルの内部に負圧が作用した際に食す
る部位以外の非食部の一部を食する部位が接合している
貝殻の内面から離間する方向に吸引する吸引孔と、前記
ケース体の内部に配設され前記吸引ノズルに負圧が作用
した際に前記吸引孔に作用する負圧を損なわずに吸引し
た非食部が前記吸引孔を通過可能な通過状態と吸引した
非食部が前記吸引孔の部位で停止する非通過状態とを選
択的に切り換えるように前記吸引孔を開閉する吸引孔開
閉手段とを備えた吸引体と、前記吸引ノズルおよび吸引
体が食する部位の上面に沿って移動するように前記吸引
ノズルおよび吸引体と前記貝殻との少なくとも一方を移
動させる移動手段とを有する点にある。
【0054】そして、このような構成を採用したことに
より、非食部分離手段は、貝殻から食する部位をよりさ
らに損傷させることなく非食部をより効率よく分離する
ことができる。
【0055】また、特許請求の範囲の請求項27に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項21乃至請
求項26の何れか1項において、前記非食部分離手段
に、前記原貝の貝殻から食する部位以外の非食部を分離
する際の前記貝殻の浮き上がりを防止する浮上防止手段
を設けた点にある。
【0056】そして、このような構成を採用したことに
より、非食部分離手段の浮上防止手段は、貝殻から食す
る部位を分離する際の貝殻の浮き上がりを確実に防止し
て貝殻の位置ずれを防止することができる。
【0057】また、特許請求の範囲の請求項28に記載
の本発明の分離前加熱装置の特徴は、拡開された2枚貝
からなる原貝の貝殻から食する部位を分離する前に、食
する部位が接合している貝殻の表面を食する部位が生の
状態を保持するように加熱する加熱手段を設けた点にあ
る。
【0058】また、特許請求の範囲の請求項29に記載
の本発明の分離前加熱装置の特徴は、請求項28におい
て、前記加熱手段は、前記原貝の食する部位が変色しな
いように加熱する点にある。
【0059】また、特許請求の範囲の請求項30に記載
の本発明の分離前加熱装置の特徴は、請求項28または
請求項29において、前記加熱手段は、水蒸気を加熱源
としている点にある。
【0060】また、特許請求の範囲の請求項31に記載
の本発明の分離前加熱装置の特徴は、請求項28または
請求項29において、前記加熱手段は、温水を加熱源と
している点にある。
【0061】また、特許請求の範囲の請求項32に記載
の本発明の分離前加熱装置の特徴は、請求項28乃至請
求項31の何れか1項において、前記加熱手段は、前記
原貝の食する部位が付着している貝殻の表面を加熱する
ための加熱ノズルを有する点にある。
【0062】また、特許請求の範囲の請求項33に記載
の本発明の分離前加熱装置の特徴は、請求項32におい
て、前記加熱手段は、前記原貝の食する部位が付着して
いる貝殻の表面を多段階加熱するための複数の加熱ノズ
ルを有する点にある。
【0063】また、特許請求の範囲の請求項34に記載
の本発明の分離前加熱装置の特徴は、請求項32または
請求項33において、前記加熱手段は、前記原貝の食す
る部位が付着している貝殻の表面を加熱する際に、前記
貝殻の少なくとも食する部位が接合している部位の表面
を囲繞する閉空間を有する点にある。
【0064】そして、これらのような構成を採用するこ
とにより、分離前加熱装置は、生食に用いるための品質
を保持させた状態で食する部位の貝殻との接合部位の接
合力を弱体化させることができる。ここでいう、原貝の
食する部位が生の状態を保持するように加熱するとは、
食する部位の貝殻との接合部位がゲル状となるようにし
て食する部位が変色しないように加熱することであり、
具体的には、加熱源として高温の水蒸気あるいは温水を
加熱ノズルから原貝の食する部位が接合している貝殻の
表面に噴射して原貝の食する部位が接合している貝殻の
表面に加熱源の熱エネルギを短時間付与するいう加熱手
段によって達成することができる。さらに、このような
加熱手段をもって食する部位が接合している貝殻の表面
を加熱することにより、加熱側に位置する貝殻と食する
部位との間の接合力の弱体化が可能となり、その結果、
例えば、人の手の力でもって食する部位を貝殻から容易
に剥離させて分離することが可能となる。また、食する
部位を加熱側に位置する貝殻との接合部位から剥離して
分離することができるので、貝殻に食する部位が残留せ
ず、食する部位の歩留まりを向上させることができる。
さらにまた、多段階加熱するための複数の加熱ノズル
は、1回の加熱時間を長くすることなく貝殻の表面を効
率よく加熱することができる。また、閉空間は、貝殻の
表面をより効率よく加熱することができる。さらにま
た、この分離前加熱装置は、従来の2枚貝生剥装置にも
適用することができる。
【0065】また、特許請求の範囲の請求項35に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項5乃至請求
項27の何れか1項において、拡開された2枚貝からな
る原貝の食する部位が接合している貝殻の表面を原貝の
食する部位が生の状態を保持するように加熱する分離前
加熱手段を有する点にある。
【0066】また、特許請求の範囲の請求項36に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項35におい
て、前記分離前加熱手段は、請求項28乃至請求項34
の何れか1項に記載の分離前加熱装置である点にある。
【0067】そして、これらのような構成を採用するこ
とにより、分離前加熱手段は、生食に用いるための品質
を保持させた状態で食する部位の貝殻との接合部位の接
合力を弱体化させることができる。ここでいう、原貝の
食する部位が生の状態を保持するように加熱するとは、
食する部位の貝殻との接合部位がゲル状となるようにし
て食する部位が変色しないように加熱することであり、
具体的には、加熱源として高温の水蒸気あるいは温水を
加熱ノズルから原貝の食する部位が接合している貝殻の
表面に噴射して原貝の食する部位が接合している貝殻の
表面に加熱源の熱エネルギを短時間付与するいう加熱手
段によって達成することができる。さらに、このような
加熱手段をもって食する部位が接合している貝殻の表面
を加熱することにより、加熱側に位置する貝殻と食する
部位との間の接合力の弱体化が可能となり、その結果、
例えば、人の手の力でもって食する部位を貝殻から容易
に剥離させて分離することが可能となる。また、食する
部位を加熱側に位置する貝殻との接合部位から剥離して
分離することができるので、貝殻に食する部位が残留せ
ず、食する部位の歩留まりを向上させることができる。
さらにまた、多段階加熱するための複数の加熱ノズル
は、1回の加熱時間を長くすることなく貝殻の表面を効
率よく加熱することができる。また、閉空間は、貝殻の
表面をより効率よく加熱することができる。さらにま
た、この分離前加熱手段は、本発明の2枚貝生剥装置ば
かりでなく、従来の2枚貝生剥装置にも適用することが
できる。
【0068】また、特許請求の範囲の請求項37に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項5乃至請求
項27,請求項35,請求項36の何れか1項におい
て、拡開された2枚貝からなる原貝の貝殻から食する部
位を分離する可食部分離手段を有する点にある。
【0069】また、特許請求の範囲の請求項38に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項37におい
て、前記可食部分離手段は、負圧が作用可能とされ貝殻
に付着している食する部位を吸引するための吸引ノズル
と、貝殻に付着している食する部位の少なくとも一部を
強制的に剥離するための剥離プレートとを有する点にあ
る。
【0070】また、特許請求の範囲の請求項39に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項37または
請求項38において、前記可食部分離手段は、貝殻から
分離した食する部位の損傷を防止する損傷防止部材を有
する点にある。
【0071】そして、これらのような構成を採用したこ
とにより、可食部分離手段は、貝殻から食する部位を損
傷させることなく効率よく分離することができる。さら
に、剥離プレートは、貝殻から食する部位を分離する際
の食する部位の損傷をより確実に防止することができ
る。また、損傷防止部材は貝殻から分離した食する部位
の損傷を防止することができる。
【0072】また、特許請求の範囲の請求項40に記載
の本発明の2枚貝生剥装置の特徴は、請求項5乃至請求
項12の何れか1項に記載の加熱手段と、原貝の貝殻の
表面を洗浄する貝洗浄手段と、請求項13に記載の搬送
手段および原貝位置決め手段と、請求項14乃至請求項
18の何れか1項に記載の強制殻開手段と、請求項19
に記載の殻分離手段と、請求項20に記載の水分供給手
段と、請求項21乃至請求項26の何れか1項に記載の
非食部分離手段と、請求項27に記載の浮上防止手段
と、請求項35または請求項36に記載の分離前加熱手
段と、請求項37乃至請求項39の何れか1項に記載の
可食部分離手段とを有する点にある。
【0073】そして、このような構成を採用したことに
より、原貝の食する部位を生の状態で貝殻からよりさら
に効率よく分離することができる。
【0074】また、本発明の2枚貝生剥方法を適用した
本発明の2枚貝生剥装置によれば、貝殻から分離した食
する部位の貝殻との2カ所の接合面(接合部位)は、両
者とも膜があって円滑でつやつやして光沢を有してお
り、食する部位の外観品質を向上させることができると
ともに、貝殻から食する部位のすべてを剥離して分離す
ることができる(貝殻に食する部位が残留しない)の
で、食する部位を貝殻から分離する際の歩留まりを向上
させることができる。そして、貝殻から分離した食する
部位の貝殻との接合面の縁には、しこしこ(こりこり)
した食感の部位(従来の切断による分離では貝殻に残留
し得られなかった)を有しており、この部位は歯ごたえ
がよく、食感および食味を向上させることができる。
【0075】さらに、貝殻から剥離させて分離した食す
る部位の貝殻との接合面は、膜があって吸水しないの
で、貝殻から分離した後の食する部位にトリミング(食
品とするために食する部位に付着している微細な内臓な
どの付着物を除去するための洗浄作業)に用いた水分が
接合面から食する部位の内部に吸収されて食味が低下し
たり、冷凍保存した食する部位を解凍した際に、ドリッ
プと称される吸収した水分とともにうまみ成分が流出し
てしまうという不都合を確実に防止することができる。
【0076】よって、本発明の2枚貝生剥装置を本発明
の2枚貝生剥方法に沿って動作させることにより、2枚
貝の貝殻から食する部位を生食に用いるための品質を確
実に保持させた状態で効率よく分離することができる。
【0077】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0078】図1は本発明に係る2枚貝生剥方法を適用
する本発明に係る2枚貝生剥装置の第1の実施の形態の
要部を示す正面図である。
【0079】本実施の形態における2枚貝生剥装置1
は、2枚貝からなる原貝を生きた帆立貝2とし、この帆
立貝2から生食に用いる食する部位(可食部)としての
貝柱2aaおよび小柱2abからなる閉殻筋2aを一体
とした状態で貝殻2Aから効率よく取り出すようにした
ものである。
【0080】図1に示すように、本実施の形態の2枚貝
生剥装置1は、図1において矢印Aにて示すように、帆
立貝2を左方から右方に向かって略水平に移送するため
の搬送手段3を有している。この搬送手段3は、各部の
動作を制御する制御部を備えたメインフレーム(共に図
示せず)に配設されており、搬送手段3の図1において
上方左方に示す位置が原貝選別機(図示せず)により大
きさ毎に選別されて原貝供給コンベア4から供給される
生きた帆立貝2を人手あるいはロボット等によって移載
する投入位置SPとされ、図1において上方右方に示す
位置が閉殻筋2aを分離(除去)した後の貝殻2Aを外
部へ排出する排出位置OPとされている。
【0081】そして、帆立貝2が搬送手段3によって投
入位置SPから排出位置OPへ向かう図1に矢印Aにて
示す貝移送方向へ移送される途中に、図1において左方
上方に示す貝移送方向の上流側から順に、貝洗浄手段
5、加熱手段6、強制殻開手段7、殻分離手段8、非食
部分離手段としての内臓分離手段9、分離前加熱手段1
0、可食部分離手段としての貝柱分離手段11が配設さ
れている。また、貝洗浄手段5、加熱手段6、強制殻開
手段7、内臓分離手段9、分離前加熱手段10および貝
柱分離手段11は、略同一間隔を隔てて配設されてお
り、殻分離手段8は、強制殻開手段7と内臓分離手段9
との間に配設されている。
【0082】さらに、殻分離手段8の下方には、殻分離
手段8により分離された一方の貝殻2A、本実施の形態
においては上殻2AAを排出するための殻排出コンベア
12が配設されている。
【0083】また、搬送手段3の排出位置OPの右方に
は、排出シュート13が配設されており、この排出シュ
ート13の右方下方には、貝柱分離手段11により閉殻
筋2aを分離した後の他方の貝殻2A、本実施の形態に
おいては下殻2ABを排出するための殻排出コンベア1
4が配設されている。さらにまた、排出シュート13の
長手方向の略中央部位の下方には、貝柱分離手段11に
より閉殻筋2aが分離されずに残った下殻2AB’を回
収するための回収コンベア15が配設されている。
【0084】前記搬送手段3について図1から図5によ
りさらに説明する。
【0085】図2は図1の搬送手段を示す平面図であ
り、図3は図2の原貝搭載板の平面図であり、図4は図
3の拡大側断面図であり、図5は図1の搬送手段の原貝
搭載板の走行を感知するセンサの取着状態を示す要部の
説明図である。
【0086】前記搬送手段3は、帆立貝2を図1に矢印
Aにて示す左方から右方に向かう貝移送方向に搬送(移
送)するためのものであり、図1および図2に示すよう
に、無端環状に形成されたチェーンコンベア16を有し
ている。このチェーンコンベア16は、図1に示すよう
に、上部の左右2箇所と下部の左右2箇所との総計4箇
所に配置された各スプロケット17の外周面に接触する
ようにして巻回されている。そして、4個のスプロケッ
ト17の内の何れか1個は、駆動モータの(図示せず)
の駆動力をもって回転駆動可能とされている。つまり、
駆動モータの駆動力によりチェーンコンベア16が図1
において時計方向に回転駆動可能となっている。また、
チェーンコンベア16は、メインフレームの適宜箇所に
配設されたチェーン案内ガイド(共に図示せず)に案内
されて所定の経路を走行するようになっている。
【0087】図2に示すように、チェーンコンベア16
には、平面略平板状に形成された複数の原貝搭載板18
が適宜な間隔を隔てて取着されている。この原貝搭載板
18は、その長手方向が図2に矢印Aにて示す貝移送方
向に対して直交するようにして相互に平行に配設されて
おり、原貝搭載板18の長手方向の両端部近傍が取付部
材16aを介してチェーンコンベア16に取着されてい
る。
【0088】図3および図4に示すように、各原貝搭載
板18は、帆立貝2を下方から支持するようにして載置
するための板厚方向に貫通する複数、本実施の形態にお
いては6つの貝嵌合孔19が原貝搭載板18の長手方向
に適宜な間隔を隔てて形成されている。この貝嵌合孔1
9は、貝殻2Aより小さく形成されている。そして、原
貝搭載板18に形成された各貝嵌合孔19の図3および
図4に矢印Aにて示す貝移送方向の上流側には、ストッ
パ20がそれぞれ取着されている。このストッパ20
は、帆立貝2の厚さ程度の高さをもって形成され、帆立
貝2を搬送する際等に、帆立貝2の位置ずれや脱落を防
止できるようになっている。
【0089】すなわち、本実施の形態においては、図2
に示すように、図2に矢印Aにて示す貝移送方向に対し
て、6列に整列配置された帆立貝2が同時に搬送可能と
されている。
【0090】前記原貝搭載板18の図1に矢印Aにて示
す貝移送方向への走行は、図5(a)から(c)に示す
ように、1対のセンサ92,92により感知されるよう
になっている。このセンサ92,92は、メインフレー
ム(図示せず)に支持されたサブフレーム93に取着さ
れた支持ステー94に取着部材97を介して取着されて
いる。そして、搬送手段3は、1対のセンサ92,92
の内の図5(a)および(b)に矢印Aにて示す貝走行
方向の上流側(左側)に位置するセンサ92が原貝搭載
板18を感知すると、このセンサ92は、原貝搭載板1
8の検出信号を制御部(図示せず)に送出し、制御部
は、駆動モータ(図示せず)を走行している原貝搭載板
18の走行速度を減速するように制御するようになって
いる。
【0091】また、図5(a)および(b)に矢印Aに
て示す貝走行方向の下流側(右側)に位置するセンサ9
2が原貝搭載板18を感知すると、このセンサ92は、
原貝搭載板18の検出信号を制御部(図示せず)に送出
し、制御部は、駆動モータ(図示せず)を減速走行して
いる原貝搭載板18が停止するように制御するようにな
っている。
【0092】さらにまた、制御部は、原貝搭載板18が
停止した後に、予め設定された時間を経過すると駆動モ
ータ(図示せず)を駆動し、原貝搭載板18が再び走行
を開始するように制御するようになっている。
【0093】そして、搬送手段3は、原貝搭載板18が
貝洗浄手段5、加熱手段6、強制殻開手段7、内臓分離
手段9、分離前加熱手段10および貝柱分離手段11の
位置でそれぞれ停止可能なように間欠的に駆動されるよ
うになっている。
【0094】なお、前記センサ92としては、非接触式
の光センサ、接触式のリミットスイッチなどの各種の公
知のものから選択することができる。
【0095】前記貝洗浄手段5について図6によりさら
に説明する。
【0096】図6は図1の貝洗浄手段の要部を貝移送方
向の下流側から見て示す側面図である。
【0097】前記貝洗浄手段5は、帆立貝2の貝殻2A
の表面に付着している付着物を除去し、貝殻2Aの表面
を清浄にするためのものであり、図6に示すように、水
あるいは温水等の洗浄液Wを、原貝搭載板18に載置さ
れた各帆立貝2の上殻2AAおよび下殻2ABの表面に
向かって噴射する洗浄液噴射ノズル21を有している。
この各洗浄液噴射ノズル21は、図1に矢印Aにて示す
貝移送方向に対して直交するようにして配設された上下
1対の洗浄液供給パイプ22に接続されている。そし
て、洗浄液供給パイプ22には、制御バルブ(図示せ
ず)を介して所定圧力の洗浄液Wが所定時間だけポンプ
(図示せず)によって供給されるようになっている。
【0098】すなわち、本実施の形態における貝洗浄手
段5は、図6に示すように、原貝搭載板18に載置され
た各帆立貝2の上殻2AAの表面を洗浄するためにチェ
ーンコンベア16の上方に配置された6個の洗浄液噴射
ノズル21と、各帆立貝2の下殻2ABの表面を洗浄す
るためにチェーンコンベア16の下方に配置された6個
の洗浄液噴射ノズル21とを備えている。
【0099】前記加熱手段6について図7によりさらに
説明する。
【0100】図7は図1の加熱手段の要部を貝移送方向
の下流側から見て示す側面図である。
【0101】前記加熱手段6は、2枚貝からなる原貝と
しての帆立貝2の一方の貝殻2Aの表面を帆立貝2の食
する部位としての閉殻筋2aが生の状態を保持し、か
つ、閉殻筋2aの一方の貝殻2Aとの接合部位がゲル状
となるように加熱するためのものであり、本実施の形態
の前記加熱手段6は、帆立貝2の一方の貝殻2Aである
上殻2AAの表面を、閉殻筋2aが変色せずに、かつ、
帆立貝2の口が閉じている状態を保持するようにして加
熱することができるようになっている。
【0102】本実施の形態の加熱手段6は、図7に示す
ように、原貝搭載板18に載置された各帆立貝2の上方
に位置する上殻2AAの表面に向かって加熱源としての
水蒸気Hを噴射する加熱ノズルとしての6個の水蒸気噴
射ノズル23を有している。この各水蒸気噴射ノズル2
3は、図1に矢印Aにて示す貝移送方向に対して直交す
るようにして配設された水蒸気供給パイプ24に接続さ
れている。そして、水蒸気供給パイプ24には、制御バ
ルブ(図示せず)を介して水蒸気Hが所定時間だけポン
プ(図示せず)などによって供給されるようになってい
る。
【0103】すなわち、本実施の形態における加熱手段
6は、原貝搭載板18に載置された帆立貝2の上殻2A
Aの表面に、加熱源としての高温の水蒸気を短時間、例
えば100℃の水蒸気を4秒程度噴射するように構成さ
れており、これにより閉殻筋2aが変色せずに生の状態
を保持するように帆立貝2の口が閉じている状態を保持
し、かつ、閉殻筋2aの上殻2AAとの接合部位をゲル
状とすることができるようになっている。この水蒸気H
の温度および噴射時間は、帆立貝2の大きさや体温等に
基づいて調節すればよく、特に、本実施の形態の温度お
よび時間に限定されるものではない。また、加熱源とし
ては、高温の温水(最大100℃)を用いてもよい。
【0104】前記強制殻開手段7について図8から図1
2によりさらに説明する。
【0105】図8は図1の強制殻開手段の吸着状態にお
ける要部を貝移送方向の下流側から見て示す側面図であ
り、図9は図8の強制殻開手段の密着状態における部分
拡大正面図であり、図10は図8の強制殻開手段のパッ
ド駆動手段の要部を示す部分拡大正面図であり、図11
は図10の部分側面図であり、図12は図8の強制殻開
手段の密着状態における上駆動シリンダの配設状態を示
す部分拡大正面図である。
【0106】前記強制殻開手段7は、2枚貝からなる原
貝としての帆立貝2の貝殻2Aを強制的に拡開するため
のものであり、本実施の形態における強制殻開手段7
は、加熱手段6により閉殻筋2aの上殻2AAとの接合
部位をゲル状とした帆立貝2を、蝶番部2Bを中心とし
て上殻2AAを下殻2ABから強制的に拡開する、すな
わち、口が閉じている2枚の貝殻2Aの内の上殻2AA
を加熱側に位置する閉殻筋2aとの接合部位から剥離し
て離間させて貝の口(2枚の貝殻2A)を強制的に開け
ることができるようになっている。
【0107】本実施の形態における強制殻開手段7は、
図8に示すように、チェーンコンベア16の移送面を間
にして、帆立貝2の各貝殻2Aの表面に吸着可能とされ
た6組の上下1対の吸着パッド25と、この上下1対の
各吸着パッド25を駆動するための上下1対のパッド駆
動手段26とを有している。
【0108】図8において上方に示す一方の吸着パッド
25は、帆立貝2の上殻2AAの表面に負圧をもって密
着可能な上吸着パッド25Aとされており、図8におい
て下方に示す他方の吸着パッド25は、帆立貝2の下殻
2ABの表面に負圧をもって密着可能な下吸着パッド2
5Bとされている。
【0109】図9に示すように、上吸着パッド25A
は、略円柱状に形成された基部27を有しており、この
基部27の上殻2AAと対向する端面(下端面)には、
樹脂あるいはゴム等の弾性体により形成されたパッド体
28が固着されている。そして、基部27とパッド体2
8との軸芯部を貫くようにしてパッド体28の下端面が
開放の有底の連通孔29が形成されており、基部27の
外周面には、連通孔29に連通するようにしてホース3
0の一端が接続されている。このホース30の他端は、
三方電磁弁を介して真空ポンプ(共に図示せず)に接続
されており、連通孔29には、負圧と正圧とが選択的に
供給されるようになっている。
【0110】なお、パッド体28としては、凹凸のある
貝殻2Aの表面に密着させるうえで、比較的軟らかいス
チレン系熱可塑性樹脂あるいはシリコーンゴムを素材と
して形成することが好ましい。
【0111】図10および図11に示すように、上吸着
パッド25Aの基部27の上端面には、ジョイント31
の一端が取着されており、ジョイント31の他端は、上
吸着パッド25Aの上方に配設されたパッドホルダ32
に取着されている。このパッドホルダ32は、図11に
示すように、上吸着パッド25Aの上方に位置する平板
部32aを有している。この平板部32aの両端には、
それぞれ下方に向かって延出された延出部32bが相互
に平行にして設けられており、パッドホルダ32は、全
体として下向きコ字状に形成されている。また、パッド
ホルダ32の各延出部32bは、上吸着パッド25Aの
外周面の軸方向略中央部位に位置するようにして上吸着
バッド25Aの外周面と対向するように配設されてい
る。さらに、各延出部32bの先端部の近傍には、延出
部32bを板厚方向の外側に向かって突出する回転支軸
33がそれぞれ配設されている。さらにまた、パッドホ
ルダ32は、作動板34によって支持されている。
【0112】前記作動板34は、図10において右方に
向かって略水平に延出され先端が二股とされた水平アー
ム35と、図10において右斜め下方に向かって延出さ
れ先端が二股とされるとともに先端部が水平とされた支
持アーム36と、図10において左方に向かって略水平
に延出された連結アーム37とを有している。そして、
水平アーム35の先端部の近傍には、図11に示すよう
に、それぞれスプリング38の一端が係止されており、
スプリング38の他端は、パッドホルダ32の平板部3
2aの両端部の近傍に係止されている。さらに、支持ア
ーム36の先端部は、パッドホルダ32の延出部32b
の外側に位置するようにして、パッドホルダ32の延出
部32bの先端部の近傍に配設された回転支軸33に回
動自在に支持されている。
【0113】すなわち、パッドホルダ32は、作動板3
4の支持アーム36に回転支軸33を中心として回動自
在に支持されるとともに、スプリング38の付勢力をも
って平板部32aが作動板34の水平アーム35の先端
部の近傍に向かって常に付勢されるようにされており、
回転支軸33およびスプリング38によってパッドホル
ダ32の自由状態における位置および姿勢が制御される
ようになっている。
【0114】そして、パッドホルダ32の自由状態にお
ける位置および姿勢の制御を行うことにより、上吸着パ
ッド25Aの自由状態における位置および姿勢を、上吸
着パッド25Aのパッド体28の下端面が常に下方に向
くように制御可能になっている。
【0115】また、図10に示すように、連結アーム3
7の先端部および基端部には、それぞれリンク板39の
一端部が回動自在に取着されており、各リンク板39の
他端部は、連結アーム37の下方に配設された固定板4
0に回動自在に取着されている。つまり、固定板40お
よび各リンク板39により、作動板34の移動軌跡が図
10に両矢印Bにて示すように略円弧状となるように拘
束するようになっている。この作動板34の移動軌跡
は、帆立貝2の貝殻2Aを拡開した際の口開き円弧と略
同様とされている。
【0116】図10および図11に示すように、作動板
34の水平アーム35の上辺と連結アーム37の上辺と
の交点近傍には、作動板34を板厚方向に貫通する支軸
41が配設されている。この支軸41には、作動板34
を板厚方向の両側から挟み込むように介装可能な先端部
が二股とされた連結部材42が回動自在に取着されてい
る。そして、連結部材42の図10において左斜め上方
に位置する上端部は、図10において左斜め上方に向か
うように斜めに配設されたロッド43の図10において
下方に示す下端部に取着されている。このロッド43の
上部には、ロッド43の外周面が摺動自在に嵌合される
軸受ブロック44が配設されており、ロッド43の上端
部には、ロッド43の外径寸法より大径とされたストッ
パ体45が配設されている。
【0117】すなわち、ロッド43は、軸受ブロック4
4により、図10に両矢印Cにて示すように、左斜め上
と右斜め下との間を斜めに進退自在とされている。
【0118】また、ロッド43の外周面の下部には圧縮
コイルばね46が外嵌されており、この圧縮コイルばね
46の図10において左斜め上方に示す上端面は、軸受
ブロック44の下端面に当接され、圧縮コイルばね46
の図10において右斜め下方に示す下端面は、連結部材
42の上端面に当接されている。
【0119】前記軸受ブロック44は、略平板状の上支
持フレーム47に取着されている。この上支持フレーム
47は、図10に示すように、ロッド43に対して平行
に延在するようにして斜めに配設されており、図8に示
すように、その長手方向が貝移送方向に対して直交する
ようにして配置されている。そして、図8に示すよう
に、上支持フレーム47の長手方向の両端部の近傍に
は、上駆動シリンダ(往復動シリンダ)48の出力軸4
8aの先端がそれぞれ取着されている。この上駆動シリ
ンダ48は、図8および図12に示すように、チェーン
コンベア16の外側に配設されたサイドフレーム49の
外側に取着されている。また、上駆動シリンダ48の出
力軸48aは、図12に両矢印Dにて示すように、左斜
め上と右斜め下との間を斜めに進退自在とされている。
【0120】すなわち、上駆動シリンダ48を駆動する
ことにより、上駆動シリンダ48の出力軸48aが上支
持フレーム47を図12に両矢印Dにて示すように斜め
に進退させ、この上支持フレーム47の進退運動は、軸
受ブロック44を図10に両矢印Cにて示すように斜め
に進退させるようになっている。そして、軸受ブロック
の図10に両矢印Cにて示す進退運動は、圧縮コイルば
ね46を介してロッド43に伝達し、ロッド43を、図
10に両矢印Cにて示すように、左斜め上方と右斜め下
方との間を移動させるようになっている。さらに、ロッ
ド43の図10に両矢印Cにて示す進退運動は、作動板
37に伝達し、作動板37を図10に両矢印Bにて示す
ように、固定板40と各リンク板39との取付部位を中
心として略円弧状に回動運動させるようになっており、
作動板37の略円弧状の回動運動は、パッドホルダ32
を介して上吸着パッド25Aに伝達するようになってい
る。
【0121】前記パッドホルダ32、作動板34、ロッ
ド43、軸受ブロック44、上支持フレーム47および
上駆動シリンダ48により本実施の形態の上パッド駆動
手段26Aが構成されている。
【0122】図9に戻って、下吸着パッド25Bは、略
円柱状に形成された基部50を有しており、この基部5
0の下殻2ABと対向する端面(上端面)には、樹脂あ
るいはゴム等の弾性体により形成されたパッド体51が
固着されている。そして、基部50とパッド体51との
軸芯部を貫くようにして両端が開放の連通孔52が形成
されており、基部50の下端面には、ホース30の一端
が接続されている。このホース30の他端は、三方電磁
弁を介して真空ポンプ(共に図示せず)に接続されてお
り、負圧と正圧とが選択的に供給されるようになってい
る。
【0123】なお、パッド体51としては、前記パッド
体28と同様に、凹凸のある貝殻2Aの表面に密着させ
るうえで、比較的軟らかいスチレン系熱可塑性樹脂ある
いはシリコーンゴムを素材として形成することが好まし
い。
【0124】すなわち、吸着パッド25の少なくとも貝
殻2Aとの当接部位をスチレン系熱可塑性樹脂やシリコ
ーンゴムにより形成するとよい。
【0125】前記各下吸着パッド25Bの基部50の下
端面は、図8および図9に示すように、ホース30およ
びホース30との接続部位が干渉しないようにして下支
持フレーム53に取着されている。この下支持フレーム
53は、その長手方向が図9に矢印Aにて示す貝移送方
向に対して直交するようにして配置されている。そし
て、下支持フレーム53の長手方向の両端部の近傍に
は、下駆動シリンダ(往復動シリンダ)54の出力軸5
4aの先端部がそれぞれ取着されており、下駆動シリン
ダ54を駆動することによりその出力軸54aが上下方
向に進退し、下支持フレーム53が上下方向に移動可能
となっている。さらに、各下駆動シリンダ54は、図8
に示すように、チェーンコンベア16の外側に配設され
たサイドフレーム49の内側に取着されている。
【0126】すなわち、下駆動シリンダ54を駆動する
ことにより下支持フレーム53が上下運動し、この下支
持フレーム53の上下運動により各下吸着パッド25B
が各下殻2ABの表面に接離するようになっている。
【0127】前記下支持フレーム53および下駆動シリ
ンダ54により本実施の形態の下パッド駆動手段26B
が構成されている。
【0128】前記殻分離手段8について図2および図1
3によりさらに説明する。
【0129】図13は図1の殻分離手段の要部を示す拡
大正面図である。
【0130】前記殻分離手段8は、拡開された2枚貝か
らなる原貝としての帆立貝2から一方の貝殻2Aを脱殻
して食する部位としての閉殻筋2aが接合している貝殻
2Aを残すためのものであり、本実施の形態の殻分離手
段8は、前記強制殻開手段7により貝の口を強制的に開
かせた帆立貝2を内臓分離手段9に移送する途中で、帆
立貝2の上殻2AAを閉殻筋2aが接合している下殻2
ABから分離することができるようになっている。
【0131】本実施の形態の殻分離手段8は、図2およ
び図13に示すように、原貝搭載板18に載置されると
ともに、前記強制殻開手段7により口が開いた各帆立貝
2の上殻2AAの内面に先端が当接可能とされた6個の
略平板状の分離板55を有している。この分離板55
は、図2および図13に矢印Aにて示す貝移送方向に対
して直交するようにして整列配置されており、それぞれ
がチェーンコンベア16の上方を横架するようにして配
設された支持部材56の下面に取着されている。そし
て、分離板55は、図13に矢印Aにて示す貝移送方向
の上流側に位置する先端が上方に位置するように正面略
逆への字状に形成されている。また、支持部材56の両
端は、取付部材57に回動自在に取着されるとともに、
スプリング95(図13)により保持されており、これ
により原貝搭載板18に載置された帆立貝2の異常姿勢
や帆立貝2の厚さが厚く上殻2AAの上部がストッパ2
0の上端部より高い位置に位置する場合等に分離板55
が可動するようになっている。また、取付部材57は、
チェーンコンベア16の外側に配設された取付フレーム
(図示せず)に取着されている。
【0132】なお、各分離板55は、下殻2ABから上
殻2AAを分離する際の負荷を少なくするため等の必要
に応じて、各列で貝移送方向に少しずつ位相をずらして
配置してもよい。
【0133】さらにまた、図13において想像線にて示
すように、分離板55の後端に略下方に一端が延出する
ようにして図13において破線両矢印にて示すように回
動可能な蝶番96を設け、この蝶番96により上殻2A
Aを分離した後の下殻2ABの姿勢制御を行なうように
してもよい。
【0134】前記内臓分離手段9について図1および図
14から図16によりさらに説明する。
【0135】図14は図1の非食部分離手段たる内臓分
離手段の要部を貝移送方向の下流側から見て示す側面図
であり、図15は図14の一部拡大図側面図であり、図
16は図14の一部拡大正面図である。
【0136】前記内臓分離手段9は、拡開された2枚貝
からなる原貝としての帆立貝2の貝殻2Aから食する部
位としての閉殻筋2a以外の非食部としての内臓2bを
分離するためのものであり、本実施の形態の内臓分離手
段9は、帆立貝2の下殻2ABに残した閉殻筋2a以外
の非食部たるウロ、ヒモ等の内臓2bを負圧を用いて吸
引することにより分離(除去)することができるように
なっている。
【0137】本実施の形態の内臓分離手段9は、図14
から図16に示すように、各帆立貝2の下殻2ABの内
面と対向するようにして配設された6個の吸引ノズル5
8を有している。この各吸引ノズル58は、図15に詳
示するように、略円筒形に形成されており、帆立貝2の
閉殻筋2aと対向する下端面が帆立貝2の閉殻筋2aの
外径寸法より大きい内径寸法の吸引孔59とされ、下殻
2ABの内面に接離可能とされている。この吸引ノズル
58の上部には、略円筒形に形成された基体部60が取
着されている。そして、基体部60の外周面の下部およ
び軸方向略中央部位には、円筒形に形成された摺動リン
グ61がそれぞれ軸方向に摺動可能に嵌合されており、
基体部60の外周面の上部には平板状のプレート62が
止め輪63によって取着されている。さらに、基体部6
0の上端部には、図1に示すように、内臓移送ホース6
4の一端が接続されている。この内臓移送ホース64の
他端は、図1に示すように、チャンバ65に接続されて
いる。
【0138】前記チャンバ65の上部には、三方電磁弁
を介して真空ポンプ(共に図示せず)が接続されてお
り、チャンバ65を介して内臓移送ホース64に負圧と
正圧とを選択的に供給することができるようになってい
る。また、チャンバ65の下部には、開閉自在な開閉扉
66が配設されており、内臓移送ホース64を通過した
内臓2bをその都度開閉扉66を開閉して容器あるいは
搬送コンベア(図示せず)に排出できるようにされてい
る。
【0139】なお、内臓移送ホース64には、内臓分離
手段9の駆動時に、常に負圧を供給する構成としてもよ
い。
【0140】また、吸引ノズル58の下殻2ABとの当
接部位のサイズは、原貝選別機(図示せず)により選別
された帆立貝2の閉殻筋2aの大小に対応するサイズの
ものが使用されるようになっている。
【0141】さらにまた、吸引ノズル58の少なくとも
下殻2ABの内面に当接する当接部位は、下殻2ABの
内面に当接した場合に、下殻2ABの内面と密着可能な
素材、例えば、樹脂あるいはゴム等の弾性体等により形
成することが負圧による吸引力を効果的に作用させるう
えで好ましい。
【0142】前記基体部60の下部に位置する摺動リン
グ61は、図15に詳示するように、その外周面が下フ
レーム67に止め輪68によって取着されている。この
下フレーム67は、図16に示すように、下向きコ字状
に形成されており、その長手方向が貝移送方向に対して
直交するようにして配置されている。そして、下フレー
ム67の両端には、図14および図15に示すように、
下フレーム駆動シリンダ(往復動シリンダ)69の出力
軸69aの先端が取着されている。この下フレーム駆動
シリンダ69は、チェーンコンベア16の外側に配設さ
れたサイドフレーム70の外側にその出力軸69aを上
方に向けて取着されている。
【0143】前記基体部60の長手方向の略中央部に位
置する摺動リング61は、図15に詳示するように、そ
の外周面が下フレーム67の上方に配設された平板状の
中フレーム71に止め輪72によって取着されている。
この中フレーム71は、下フレーム67と同様にその長
手方向が貝移送方向に対して直交するようにして配置さ
れている。そして、中フレーム71は、各基体部60の
両側に平行に配置された両端が小径の段付き円筒形の支
持パイプ73によって下フレーム67の上方に支持され
ている。
【0144】前記支持パイプ73には、支持パイプ73
の軸心部を貫通するようにして摺動ロッド74が嵌合さ
れている。そして、摺動ロッド74の上端部には、支持
パイプ73の上端面と当接する頭部材75が取着されて
いる。さらに、摺動ロッド74の下端面には、各吸引ノ
ズル58に隣位する2個の摺動ロッド74を1組とし
て、下殻2ABの縁部を上方から押圧するための殻押さ
え76が取付部材77を介して取着されている。この殻
押さえ76の内径寸法は、吸引ノズル58の外径寸法よ
り大きく形成されている。また、摺動ロッド74の外周
面の下部には、圧縮コイルばね78が装着されている。
この圧縮コイルばね78の一端(上端)は、支持パイプ
73の下端面に当接されており、圧縮コイルばね78の
他端(下端)は、取付部材77の上端面に当接されてい
る。
【0145】すなわち、摺動ロッド74は、圧縮コイル
ばね78の付勢力をもって常に下方に向かって付勢され
るようになっており、これにより、殻押さえ76は、圧
縮コイルばね78の付勢力をもって下殻2ABの縁に当
接可能とされている。
【0146】なお、殻押さえ76の少なくとも下殻2A
Bとの当接部位は、下殻2ABと当接した場合に下殻2
ABを破損しない素材、例えば、樹脂あるいはゴム等の
弾性体等により形成したり、弾性体を介して薄い金属プ
レートとする構成等が好ましい。
【0147】前記プレート62は、図15に詳示するよ
うに、中フレーム71の上方に配設された上フレーム7
9の上面に立設された支持ピン80に摺動自在に嵌合さ
れている。そして、支持ピン80の外周面には、圧縮コ
イルばね81が装着されている。この圧縮コイルばね8
1の一端(上端)は、支持ピン80の上端に取着された
支持ピン80の外径寸法より大径の円盤状の支持体82
の下端面に当接されており、圧縮コイルばね81の他端
(下端)は、プレート62の上面に当接されている。
【0148】すなわち、プレート62は、圧縮コイルば
ね81の付勢力をもって常に上フレーム79の上面に向
かって付勢されるようになっており、これにより、吸引
ノズル58は、圧縮コイルばね81の付勢力をもって下
殻2ABの内面に当接可能とされている。
【0149】また、上フレーム79は、図16に示すよ
うに、ほぼ下向きコ字状に形成されており、その長手方
向が貝移送方向に対して直交するようにして配置されて
いる。そして、上フレーム79の両端には、図14およ
び図15に示すように、上フレーム駆動シリンダ(往復
動シリンダ)83の出力軸83aの先端が取着されてい
る。この上フレーム駆動シリンダ83は、図15に示す
ように、下フレーム67の両端部の近傍にその出力軸8
3aを上方に向けて取着されている。
【0150】すなわち、本実施の形態における内臓分離
手段9は、下フレーム駆動シリンダ69を駆動すること
により、下フレーム駆動シリンダ69の出力軸69aが
下フレーム67を、図15および図16に両矢印Eにて
示す上下方向に昇降させ、この下フレーム67の昇降運
動は、吸引ノズル58および殻押さえ76を下殻2AB
に対して接離させるように昇降させるようになってお
り、上フレーム駆動シリンダ83を駆動することによ
り、上フレーム駆動シリンダ83の出力軸83aが上フ
レーム79のみを、図15および図16に両矢印Fにて
示す上下方向に昇降させ、この上フレーム79の昇降運
動は、プレート62を介して基体部60に伝達し、吸引
ノズル58のみを下殻2ABに対して接離させるように
昇降させるようになっている。
【0151】前記下フレーム67、下フレーム駆動シリ
ンダ69、上フレーム79および上フレーム駆動シリン
ダ83により本実施の形態の吸引ノズル58の吸引孔5
9の先端を他方の貝殻2Aたる下殻2ABの内面に対し
て接離させるノズル接離手段98が構成されている。ま
た、前記上フレーム79および上フレーム駆動シリンダ
83により本実施の形態の吸引ノズル58を下殻2AB
の内面に対して接離するように振動させるノズル振動付
与手段99が構成されている。
【0152】前記分離前加熱手段10についてさらに説
明する。
【0153】前記分離前加熱手段10は、拡開された2
枚貝からなる原貝としての帆立貝2の食する部位として
の閉殻筋2aが接合している貝殻2Aの表面を原貝とし
ての帆立貝2の食する部位としての閉殻筋2aが生の状
態を保持するように加熱するためのものであり、本実施
の形態における分離前加熱手段10は、下殻2ABの内
面と閉殻筋2aとの接合部位の接合力を弱体化するため
に、加熱源としての水蒸気Hを上方に向かって噴射する
ことにより、帆立貝2の下殻2ABの表面を閉殻筋2a
が変色せずに生の状態を保持し、かつ、閉殻筋2aの下
殻2ABとの接合部位がゲル状となるように加熱するこ
とができるようになっており、前記加熱手段6と同様の
構成とされている。よって、詳細な説明は省略する。ま
た、本実施の形態の分離前加熱手段10は、本発明に係
る分離前加熱装置の第1の実施の形態を示すものでもあ
る。よって、本発明に係る分離前加熱装置の説明は省略
する。
【0154】前記貝柱分離手段11についてさらに説明
する。
【0155】前記貝柱分離手段11は、拡開された2枚
貝からなる原貝としての帆立貝2の貝殻2から食する部
位としての閉殻筋2aを分離するためのものであり、本
実施の形態における貝柱分離手段11は、下殻2ABの
内面から食する部位(可食部)としての貝柱2aaおよ
び小柱2abからなる閉殻筋2aを剥離して分離するこ
とができるようになっており、前記内臓分離手段9と同
様の構成とされている。つまり、貝柱分離手段11の各
吸引ノズル58は、閉殻筋2aを吸引するように形成さ
れている。よって、本実施の形態における貝柱分離手段
11の詳細な説明は省略する。
【0156】なお、貝柱分離手段11の基体部60の上
端部には、図1に示すように、貝柱移送ホース84の一
端が接続されている。この貝柱移送ホース84の他端
は、チャンバ85に接続されている。そして、チャンバ
85の上部には、三方電磁弁を介して真空ポンプ(共に
図示せず)が接続されており、貝柱移送ホース84に負
圧と正圧とを選択的に供給することができるようになっ
ている。また、チャンバ85の下部には、開閉自在な開
閉扉86が配設されており、貝柱移送ホース84を通過
した閉殻筋2aをその都度開閉扉86を開閉して容器あ
るいは排出コンベア(図示せず)に排出できるようにさ
れている。
【0157】なお、貝柱移送ホース84には、貝柱分離
手段11の駆動時に、常に負圧を供給する構成としても
よい。
【0158】さらにまた、貝柱移送ホース84の途中に
は、閉殻筋2aの通過を検出するために光スイッチ等か
らなるセンサ87が配設されており、このセンサ87の
検出結果に基づいて貝回収手段88が作動可能とされて
いる。
【0159】前記貝回収手段88は、図1に示すよう
に、排出シュート13の下殻走行面の中間位置にそれぞ
れが駆動シリンダ(往復動シリンダ)89により独立的
に開閉可能な6組の回収用開閉弁90(図1において1
組のみ図示する)を有しており、この回収用開閉弁90
は、常には閉状態とされており、センサ87の検出結果
に基づいて開動作されるようになっている。つまり、閉
殻筋2aが貝柱移送ホース84を通過した場合には、回
収用開閉弁90が閉じた閉状態を保持するようになって
おり、下殻2ABが排出シュート13を通過して排出シ
ュート13の右方下方に配設された殻排出コンベア14
に排出されるようになっている。そして、閉殻筋2aが
貝柱移送ホース84を通過しない場合には、駆動シリン
ダ89により回収用開閉弁90が開いた開状態とされ、
閉殻筋2aの付いた下殻2AB’は、排出シュート13
を通過する途中で排出シュート13の下方に配設された
回収コンベア15に排出されるようになっている。
【0160】ここで、本実施の形態の2枚貝生剥装置1
における帆立貝2の加工手順を図17により説明する図
17は本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する本発明に
係る2枚貝生剥装置の第1の実施の形態における2枚貝
の加工手順の一例を工程順に説明するブロック図であ
る。
【0161】図17に示すように、本実施の形態の2枚
貝生剥装置1を用いて帆立貝2から食する部位としての
閉殻筋2aを生の状態で分離(取り出す)する加工手順
は、予め原貝選別機により選別され原貝供給コンベア4
により供給される帆立貝2を搬送手段3に移載する供給
工程170と、搬送手段3により搬送される帆立貝2の
貝殻2Aの表面を貝洗浄手段5をもって洗浄する洗浄工
程171と、洗浄した帆立貝2の貝殻2Aの上殻2AA
の表面を加熱手段6をもって閉殻筋2aが生の状態を保
持し、かつ、閉殻筋2aの上殻2AAとの接合部位がゲ
ル状となるように加熱する加熱工程172と、上殻2A
Aを加熱した帆立貝2を強制殻開手段7をもって蝶番部
2Bを中心として上殻2AAを下殻2ABから強制的に
拡開する、すなわち、口が閉じている貝殻2Aの上殻2
AAを加熱側に位置する閉殻筋2aとの接合部位から強
制的に剥離して離間させて帆立貝2の口を強制的に開け
る殻開工程173と、口を開けた帆立貝2の上殻2AA
を殻分離手段8をもって帆立貝2から除去(分離:脱
殻)する脱殻工程174と、上殻2AAを分離した後の
帆立貝2の下殻2ABに残った閉殻筋2a以外の非食部
たるウロ、ヒモ等の内臓2bを内臓分離手段9をもって
分離(除去)する非食部除去工程175と、内臓2bを
分離(除去)した後の帆立貝2の下殻2ABの表面を分
離前加熱手段10をもって閉殻筋2aが生の状態を保持
し、かつ、閉殻筋2aの下殻2ABとの接合部位がゲル
状となるように加熱する分離前加熱工程176と、下殻
2ABを加熱した帆立貝2の下殻2ABから食する部位
としての貝柱2aaおよび小柱2abからなる閉殻筋2
aを貝柱分離手段11をもって剥離して分離する可食部
分離工程177とを順に行うようになっている。
【0162】つぎに、前述した構成からなる本実施の形
態の作用について図1から図23により加工工程順に説
明する。
【0163】図18は図1の強制殻開手段の待機状態に
おける要部を示す図10と同様の図であり、図19は図
1の強制殻開手段の待機状態における要部を示す図12
と同様の図であり、図20は図1の強制殻開手段の拡開
状態における要部を示す図10と同様の図であり、図2
1は図1の殻分離手段の作用を説明する説明図であり、
図22は図1の殻分離手段により一方の貝殻が分離され
た状態を示す説明図であり、図23は図1の非食部分離
手段たる内臓分離手段の吸引ノズルおよび殻押えリング
が下殻の内面に当接した当接状態を示す説明図である。
【0164】本実施の形態の2枚貝生剥装置1によれ
ば、まず最初に、帆立貝2の供給工程170が行われ
る。
【0165】前記供給工程170によれば、予め原貝選
別機により選別された帆立貝2は、原貝供給コンベア4
によって2枚貝生剥装置1の搬送手段3の投入位置SP
の近傍へ順次供給される。そして、投入位置SPの近傍
へ供給された帆立貝2は、搬送手段3の一部を構成する
原貝搭載板18が投入位置SPにおいて停止している間
に、人手あるいはロボットをもって原貝搭載板18に載
置され供給工程170が終了する。この際、各帆立貝2
は、図4に示すように、2枚の貝殻2Aの内の略平板状
の一方の貝殻2Aである上殻2AAを上にし、略凸状の
他方の貝殻である下殻2ABを下にして、各貝嵌合孔1
9に嵌合されるようになっている。つまり、帆立貝2
は、各貝嵌合孔19の外周の縁部によって座りのよい下
殻2ABが下方から支持されるように嵌合されて原貝搭
載板に18に載置される。また、各貝嵌合孔19に嵌合
された帆立貝2の蝶番部2Bは、ストッパ20に当接す
るようになっている。さらに、搬送手段3は各原貝搭載
板18が 貝洗浄手段5、加熱手段6、強制殻開手段
7、内臓分離手段9、分離前加熱手段10および貝柱分
離手段11の配設位置で、例えば10秒程度停止するよ
うに間欠的に駆動するようになっている。
【0166】なお、帆立貝2は、原貝選別機により選別
する前に、貝殻2Aの表面に付着している海草、海藻、
ふじつぼなどの付着物をブラシ、砥石、高圧水などを単
独あるいは組み合わせた付着物除去装置(図示せず)を
用いて除去するとよい。
【0167】また、当日貝と称される水揚げされたばか
りの帆立貝2を用いる場合と、翌日貝と称されるプール
等で1日保存した帆立貝2を用いる場合とでは、帆立貝
2の体温が異なる場合の生じることがあるので、付着物
を洗浄する際に、例えば35℃程度の温水を用い、これ
により貝殻2Aの全体の比熱を向上させたり、帆立貝2
を原貝供給コンベア4に供給する前に35℃程度の低温
の温水による予熱を行って2枚貝生剥装置1に供給する
帆立貝2の体温(比熱)を一定とするとよい。さらに、
冬場の帆立貝2のように帆立貝2の体温が低い場合に
も、例えば35℃程度の温水を用い、これにより貝殻2
Aの全体の比熱を向上させたり、帆立貝2を原貝供給コ
ンベア4に供給する前に35℃程度の低温の温水による
予熱を行って2枚貝生剥装置1に供給する帆立貝2の体
温を一定とするとよい。
【0168】ついで、供給工程170を終了し、搬送手
段3の原貝載置板18に載置された帆立貝2は、搬送手
段3の駆動により、図1に矢印Aにて示す貝移送方向に
移送されて貝洗浄手段5の配設位置で停止し、停止して
いる時間内に洗浄工程171が行われる。
【0169】前記洗浄工程171によれば、帆立貝2が
載置された原貝載置板18が貝洗浄手段5の配設位置で
停止すると、洗浄液Wが、洗浄液噴射ノズル21から原
貝搭載板18に載置された各帆立貝2の上殻2AAおよ
び下殻2ABの表面に向かってシャワーの如く噴射さ
れ、貝殻2Aの表面の洗浄が行われ洗浄工程171が終
了する。この際、洗浄液Wの噴射タイミングは、帆立貝
2が原貝載置板18の貝嵌合孔19から脱落しないよう
に、上殻2AAの表面に対する洗浄液Wの噴射を先に
し、その後、下殻2ABの表面に対する洗浄液Wの噴射
を開始するようにされている。また、洗浄液Wの停止タ
イミングは、下殻2ABの表面に対する洗浄液Wの噴射
の停止を先にし、その後、上殻2AAの表面に対する洗
浄液Wの噴射の停止を行うようになっている。さらに、
洗浄液Wとしては、水あるいは温水等が用いられるよう
になっている。また、冬場の帆立貝2のように帆立貝2
の体温が低い場合には、洗浄液Wとして例えば35℃程
度の温水を用い、これにより貝殻2Aの全体の比熱を向
上させるとよい。なお、上殻2AAの表面に対する洗浄
液Wの圧力を下殻2ABの表面に対する洗浄液Wの圧力
より大きくすることなどにより洗浄液Wを常に噴射する
ようにしてもよい。
【0170】ついで、洗浄工程171を終了し、貝洗浄
手段5によって貝殻2Aの表面が洗浄された帆立貝2
は、搬送手段3の駆動により、図1に矢印Aにて示す貝
移送方向に移送されて加熱手段6の配設位置で停止し、
停止している時間内に加熱工程172が行われる。
【0171】前記加熱工程172によれば、帆立貝2が
載置された原貝載置板18が加熱手段6の配設位置で停
止すると、上殻2AAの上方に配置された加熱ノズルと
しての水蒸気噴射ノズル23から帆立貝2の上殻2AA
の表面に向かって水蒸気Hが噴射され、上殻2AAの表
面が加熱され加熱工程172が終了する。この際、加熱
手段6は、上殻2AAの表面に向かって高温の水蒸気H
を短時間、例えば100℃の水蒸気Hを4秒程度噴射す
るようにされており、上殻2AAの表面に高温の水蒸気
Hを短時間付与することにより、従来と異なり、加熱側
に位置する閉殻筋2aが変色せずに確実に生の状態を保
持し、かつ、閉殻筋2aの上殻2AAとの接合部位がゲ
ル状となるとともに、帆立貝2の口が閉じている状態を
保持することができるようになっている。そして、この
ような加熱方法をもって上殻2AAの表面を加熱するこ
とにより、加熱側に位置する上殻2AAと閉殻筋2aと
の間の接合部位の接合力を弱体化することができる。
【0172】すなわち、加熱側に位置する上殻2AAの
内面と閉殻筋2aとの接合部位が単なる密着状態とな
り、例えば、人の手の力でもって帆立貝2の口を強制的
に拡開させることが可能になる。
【0173】なお、水蒸気Hの温度および噴射時間は、
帆立貝2の大きさや体温等に基づいて、貝柱2aが白く
変色せずに生の状態を保持するとともに強制殻開手段7
による拡開ができるように調節すればよく、特に、本実
施の形態の温度および噴射時間に限定されるものではな
い。
【0174】さらに、帆立貝2の大きさが大きい場合や
帆立貝2の体温が低い場合には、水蒸気Hの噴射時間を
長くするとよいが、水蒸気Hの噴射時間を長くするため
には搬送手段3の停止時間を長くせざるを得ない。とこ
ろが、搬送手段3の停止時間を長くすると加工に要する
時間が長くり、単位時間当たりの生産数量が少なくなっ
てしまうので、これを回避するため加熱ノズルとしての
水蒸気噴射ノズル23を貝移送方向に沿って複数設けて
多段階加熱するようにしている。例えば、加熱ノズルた
る水蒸気噴射ノズル23を貝移送方向に沿って間隔を隔
てて2個設けて、加熱工程172を2回繰り返す構成、
例えば100℃の水蒸気Hを4秒程度噴射する加熱工程
172と、例えば100℃の水蒸気Hを2秒程度噴射す
る加熱工程172とを繰り返すために、加熱手段6を貝
移送方向に沿って原貝搭載板18が停止する位置の間の
間隔を隔てて2カ所配設する(製造タクトが変わらな
い)構成にするとよい。
【0175】なお、加熱手段6を貝移送方向に沿って2
カ所配設する構成は、本実施の形態の2枚貝生剥装置1
の搬送手段3の貝移送方向の長さ、詳しくは、投入位置
SPと排出位置OPとの距離を長くして加熱手段6を貝
移送方向に沿って2カ所配設するだけなのでその詳しい
説明は省略する。
【0176】また、本実施の形態においては、加熱源と
して水蒸気Hを用いたが、加熱源としては高温の温水
(最大100℃)を用いてもよく、特に本実施の形態に
限定されるものではない。
【0177】また、バーナー等の火炎やレーザ光、赤外
光、ハロゲン光等のより高温の加熱源を用いた場合に
は、加熱側に位置する上殻2AAと閉殻筋2aとの接合
力を弱体化させることはできるものの、閉殻筋2aが白
く変色して閉殻筋2に生の状態を保持することが極めて
困難で、閉殻筋2aに対して確実に生の状態を保持させ
るという観点から見た場合に好ましくない。さらに、加
熱源としてマイクロ波を用いた場合には、閉殻筋2aの
全体が加熱されることになり、これも好ましくはない。
さらにまた、特開平5−3751号公報に記載されてい
るように、上殻2AAの表面の部位により加熱温度を異
ならせる必要がないので、加熱手段6の構成を簡単にす
ることができる。
【0178】ついで、加熱工程172を終了し、搬送手
段3の原貝載置板18に載置された上殻2AAが加熱さ
れた帆立貝2は、搬送手段3の駆動により、図1に矢印
Aにて示す貝移送方向に移送されて待機状態とされた強
制拡開手段7の配設位置で停止し、停止している時間内
に殻開工程173が行われる。
【0179】前記殻開工程173によれば、強制殻開手
段7は、待機状態においては、図17に示すように、上
吸着パッド25Aおよび下吸着パッド25Bが原貝搭載
板18の移送面から離間した状態を保持するようになっ
ている。
【0180】すなわち、待機状態における強制拡開手段
7は、図19に示すように、上パッド駆動手段26Aの
上駆動シリンダ48の出力軸48aが前進した前進端に
位置しており、上駆動シリンダ48の出力軸48aによ
って、上支持フレーム47は、図19において左斜め上
方へ前進した前進位置に位置している。この上支持フレ
ーム47の前進により、軸受ブロック44は、図18お
よび図19において左斜め上方に位置している。そし
て、軸受ブロック44の前進により、圧縮コイルばね4
6を介してロッド43は、図18において左斜め上方へ
前進した前進位置に位置し、作動板34を固定板40と
各リンク板39との取付部位を中心として略円弧状に反
時計方向へ回動させ、図18に示すように、パッドホル
ダ32とともに上吸着パッド25Aを原貝搭載板18の
上方へ位置させるようになっている。この時、パッドホ
ルダ32は、回転支軸33およびスプリング38によっ
て上吸着パッド25Aのパッド体28が原貝搭載板18
と対向するように自由状態における位置および姿勢が制
御されるようになっている。
【0181】また、図18に示すように、下パッド駆動
手段26Bの下駆動シリンダ54は、その出力軸54a
が後退した後退端に位置しており、下駆動シリンダ54
の出力軸54aによって、下支持フレーム53は、図1
8において下方へ後退した後退位置に位置している。そ
して、下支持フレーム53の後退により、下吸着パッド
25Bを原貝搭載板18の下方へ位置させるようになっ
ている。
【0182】そして、待機状態とされた強制拡開手段7
の配設位置で帆立貝2が載置された原貝載置板18が停
止すると、強制拡開手段7が駆動し、強制殻開手段7
は、まず、図8から図12に示す密着状態とされる。
【0183】すなわち、強制拡開手段7は、上パッド駆
動手段26Aの上駆動シリンダ48の出力軸48aが図
18において右斜め下方に後退し、これにより、図12
に示すように、上パッド駆動手段26Aの上駆動シリン
ダ48の出力軸48aが後退した後退端に位置する。そ
して、上駆動シリンダ48の出力軸48aによって、上
支持フレーム47は、図12において右斜め下方へ後退
した後退位置に位置し、この上支持フレーム47の後退
に連動して軸受ブロック44が右斜め下方に位置する。
さらに、軸受ブロック44の後退に連動して、圧縮コイ
ルばね46を介してロッド43が右斜め下方へ後退し、
作動板34を固定板40と各リンク板39との取付部位
を中心として略円弧状に時計方向へ回動させ、図10に
示すように、パッドホルダ32を上殻2AAの表面に向
かって移動させ、上吸着パッド25Aのパッド体28を
圧縮コイルばね46の付勢力をもって加熱された上殻2
AAの表面に押圧する。この際、帆立貝2の大きさによ
って原貝搭載板18の上面に対する上殻2AAの表面の
高さ位置が異なるが、この上殻2AAの表面の高さ位置
の違いは、圧縮コイルばね46の伸縮により吸収するこ
とができるようになっている。つまり、圧縮コイルばね
46を伸縮させることにより、上殻2AAの表面に大き
な押圧力が加わって上殻2AAが破損するのを確実に防
止することができるようになっている。
【0184】また、図18に示す下パッド駆動手段26
Bの下駆動シリンダ54の出力軸54aは、上方に向か
って前進し、これにより、下支持フレーム53は、図9
に示すように、上方に位置し、この下支持フレーム53
の前進により、下吸着パッド25Bのパッド体51を下
殻2ABの表面に押圧する。
【0185】そして、上吸着パッド25Aおよび下吸着
パッド25Bのそれぞれのパッド体28,51が上殻2
AAおよび下殻2ABの表面に押圧されると、三方電磁
弁(図示せず)を介して負圧が各ホース30(図9参
照)に供給され、これにより、上吸着パッド25Aのパ
ッド体28が上殻2AAの表面に、下吸着パッド25B
のパッド体51が下殻2ABの表面にそれぞれ確実に密
着し、図8から図12に示す強制殻開手段7の密着状態
が形成される。この時、各パッド体28,51を比較的
軟らかいスチレン系熱可塑性樹脂あるいはシリコーンゴ
ムを素材として形成することにより、凹凸のある貝殻2
Aの表面により確実に密着させて負圧をより効率よく用
いることができる。また、スチレン系熱可塑性樹脂を用
いると、各パッド体28,51の製造が容易となる。
【0186】そして、強制殻開手段7が密着状態とされ
ると、負圧により各吸着パッド25が上殻2AAおよび
下殻2ABの表面に密着した状態で、上駆動シリンダ4
8の出力軸48aを前進させて上パッド駆動手段26を
待機状態に復帰させる。すると、作動板34が固定板4
0と各リンク板39との取付部位を中心として略円弧状
に反時計方向へ回動する。そして、作動板34の反時計
方向への回動動作により、帆立貝2の上殻2AAのみ
が、蝶番部2Bを中心として反時計方向に回動して強制
的に拡開するとともに、上殻2AAと貝柱2aとが剥離
して分離する。
【0187】つまり、加熱手段6をもって加熱された上
殻2AAの内面と加熱側に位置する閉殻筋2aとの接合
部位が密着状態とされているので、作動板34の反時計
方向への回動動作によって上殻2AAと閉殻筋2aとが
容易に剥離して分離するので帆立貝2の口を容易に強制
的に拡開することができ、その結果、閉殻筋2aは下殻
2ABに残る。この拡開状態を図20に示す。また、上
殻2AAから剥離した閉殻筋2aの上面(上殻2AAと
の接合面)は、円滑でつやつやしており、閉殻筋2aの
外観品質を向上させることができるとともに、上殻2A
Aから閉殻筋2aの上面を上殻2AAの内周面の凹凸に
倣った状態で分離することができる(上殻2AAに閉殻
筋2aの一部が残留しない)ので、閉殻筋2aを貝殻2
Aから分離する際の歩留まりを向上させることができ
る。
【0188】そして、帆立貝2の口が開いたら、三方電
磁弁(図示せず)を介して負圧のかわりに正圧を各ホー
ス30(図9参照)に供給して、各吸着パッド25と上
殻2AAおよび下殻2ABとの密着状態を解除するとと
もに、下駆動シリンダ54の出力軸54aを後退させる
ことにより、強制殻開手段7の各部は待機状態に復帰
し、殻開工程172が終了する。
【0189】なお、前記加熱工程172においては、加
熱手段6をもって加熱された上殻2AAの内面と加熱側
に位置する閉殻筋2aとの接合部位が密着状態とされて
いるので、従来と異なり、強制的に貝殻2Aを拡開させ
ることができるので、強制殻開手段7としては、例え
ば、ロボットアームに開閉自在な複数の爪を設けて帆立
貝2の口を強制的に拡開する構成などの各種の構成のも
のを用いることができる。
【0190】ついで、殻開工程173を終了し、搬送手
段3の原貝載置板18に載置された上殻2AAの開いた
帆立貝2は、搬送手段3の駆動により、図1に矢印Aに
て示す貝移送方向に搬送されて内臓分離手段9の配設位
置において停止する途中で、殻分離手段8による脱殻工
程174が行われる。
【0191】前記脱殻工程174によれば、強制殻開手
段7によって口が開かれた帆立貝2は、原貝載置板18
が搬送手段3によって図1に矢印Aにて示す貝移送方向
に移送されて内臓分離手段9の配設位置において停止す
る途中で、図13に示すように、上殻2AAの内面が殻
分離手段8の分離板55の先端に当接する。そして、原
貝載置板18の移動にともなって、下殻2ABは、蝶番
部2Bがストッパ20に当接することにより原貝搭載板
18に載置された位置を保持し、図20に示すように、
上殻2AAのみが蝶番部2Bを中心としてさらに反時計
方向へ回動して押し拡げられる。さらに、原貝載置板1
8の移動にともなって、上殻2AAが限界以上に押し拡
げられると、上殻2AAは下殻2ABから分離されて脱
落し脱殻工程174が終了する。そして、脱殻工程17
4を終了した帆立貝2は、図22に示すように、2枚の
貝殻2Aのうちの閉殻筋2aなどの身の付いた下殻2A
Bのみが原貝搭載板18によって内臓分離手段9の配設
位置へ移送される。また、分離された上殻2AAは、図
1に示すように、殻排出コンベア12上に落下して搬送
され、所望の容器(図示せず)に回収される。
【0192】ついで、脱殻工程174を終了し、殻分離
手段8によって上殻2AAが分離された帆立貝2(閉殻
筋2aなどの身の付いた下殻2AB)が載置された原貝
載置板18は、搬送手段3によって図1に矢印Aにて示
す貝移送方向に搬送されて内臓分離手段9の配設位置で
停止し、停止している時間内に非食部除去工程175が
行われる。
【0193】前記非食部除去工程175によれば、原貝
載置板18が内臓分離手段9の配設位置で停止すると、
内臓分離手段9の下フレーム駆動シリンダ69が駆動さ
れ、下フレーム駆動シリンダ69の出力軸69aが収縮
して後退し、下フレーム67を図15において下方に向
かって降下する。この下フレーム67の降下により、吸
引ノズル58および殻押さえ76がともに降下して、吸
引ノズル58は、圧縮コイルばね81の付勢力をもって
下殻2ABの内面に当接して吸引口59が閉殻筋2aの
周囲を囲繞し、殻押さえ76は、圧縮コイルばね78の
付勢力をもって下殻2ABの縁に当接する。この際、吸
引ノズル58および殻押さえ76は、ともに圧縮コイル
ばね81,78の付勢力をもって下殻2ABと当接され
るので、下殻2ABに過剰な当接力が加わることによる
下殻2ABの破損を防止することができる。この吸引ノ
ズル58および殻押さえ76が下殻2ABの内面に当接
した当接状態を図23に示す。
【0194】また、下フレーム67の降下に連動して、
内臓移送ホース64に負圧が供給され、吸引ノズル58
の吸引口59に囲繞された閉殻筋2aの周囲に接合して
いるウロ、ヒモなどの内臓2bが負圧によって吸引され
ようとする。この時、上フレーム駆動シリンダ83がそ
の出力軸83aを上下方向に昇降するように伸縮駆動さ
れ、これにより、吸引ノズル58が上下方向に振動する
ように運動し、吸引ノズル58の先端は、下殻2Abの
内面に対して接離運動する。そして、吸引ノズル58の
下殻2ABの内面に対する接離運動により、閉殻筋2a
の周囲に対する吸引力が変化し、これにより閉殻筋2a
の周囲に接合している内臓2bに振動を付与することが
できる、すなわち、内臓2bが運動するので、内臓2b
に対して一定の吸引力を付与した場合に比べて、閉殻筋
2aから内臓2bをより容易に分離することができる。
また、閉殻筋2aから分離された内臓2bは、吸引ノズ
ル58の吸引口59から吸引されて、内臓移送ホース6
4を介してチャンバ65に搬送される。つまり、内臓分
離手段9により、閉殻筋2aの周囲の内臓2bを吸引し
て分離し、閉殻筋2aのみを下殻2ABの内面に残すこ
とができる。
【0195】そして、閉殻筋2aから内臓2bが分離さ
れると、内臓移送ホース64に対する負圧の供給を停止
するとともに、上フレーム駆動シリンダ83の駆動を停
止する。そして、下フレーム駆動シリンダ69を駆動し
て下フレーム駆動シリンダ69の出力軸69aを上昇さ
せることにより、各部がもとの状態に復帰し、非食部除
去工程175が終了する。また、内臓移送ホース64に
対する負圧の供給が停止されると、チャンバ65に正圧
が供給されるとともに開閉扉66が開閉動作してチャン
バ65内の内臓2bを容器あるいは搬送コンベア(図示
せず)に排出するようになっている。
【0196】なお、吸引ノズル58の先端を下殻2Ab
の内面に対して接離運動させずに、吸引ノズル58の先
端を単に下殻2Abの内面に当接させて、内臓2bに対
して一定の吸引力を付与する構成としてもよい。
【0197】ついで、非食部除去工程175を終了し、
搬送手段3の原貝載置板18に載置された上殻2AAお
よび内臓2bが除去された帆立貝2は、搬送手段3の駆
動により、図1に矢印Aにて示す貝移送方向に搬送され
て分離前加熱手段10の配設位置で停止し、停止してい
る時間内に分離前加熱工程176が行われる。この分離
前加熱工程176は、前記加熱工程172と同様に帆立
貝2の貝殻Aの表面を加熱するものである。
【0198】前記分離前加熱工程176によれば、上殻
2AAおよび内臓2bが除去された帆立貝2が分離前加
熱手段10の配設位置で停止すると、下殻2ABの下方
に配置された加熱ノズルとしての水蒸気噴射ノズル23
から下殻2ABの表面に向かって水蒸気Hが噴射され、
下殻2ABの表面が加熱され分離前加熱工程176が終
了する。この際、分離前加熱手段10は、前記加熱手段
6と同様に、下殻2ABの表面に向かって高温の水蒸気
Hを短時間、例えば100℃の水蒸気Hを4秒程度噴射
するようにされており、これにより加熱側に位置する閉
殻筋2aが変色せずに確実に生の状態を保持し、かつ、
閉殻筋2aの下殻2ABとの接合部位がゲル状とするこ
とができるようになっている。そして、このような加熱
方法をもって下殻2ABの表面を加熱することにより、
加熱側に位置する下殻2ABと閉殻筋2aとの間の接合
部位の接合力を弱体化することができる。すなわち、加
熱側に位置する下殻2ABの内面と閉殻筋2aとの接合
部位が単なる密着状態となり、例えば、人の手の力でも
って閉殻筋2aを下殻2ABから強制的に容易に剥離し
て分離させることが可能になる。
【0199】なお、水蒸気Hの温度および噴射時間は、
帆立貝2の大きさや体温等に基づいて、貝柱2aが白く
変色せずに生の状態を保持するとともに閉殻筋2aを下
殻2ABから強制的に容易に剥離できるように調節すれ
ばよく、特に、本実施の形態の温度および噴射時間に限
定されるものではない。
【0200】また、水蒸気の圧力を、例えば、2重量キ
ログラム毎平方センチメートル程度とすることにより、
下殻2ABが原貝搭載板18から浮き上がるのを防止す
ることができる。なお、この水蒸気の圧力は、帆立貝2
の大きさや、産地による閉殻筋2aおよび内臓2bの重
量等により、下殻2ABが原貝搭載板18から浮き上が
るのを防止することができるように調節すればよい。
【0201】ついで、分離前加熱工程176を終了し、
搬送手段3の原貝載置板18に載置された下殻2ABが
加熱された帆立貝2(下殻2ABと閉殻筋2aとの間の
接合力を弱体化した帆立貝2)は、搬送手段3の駆動に
より、図1に矢印Aにて示す貝移送方向に移送されて貝
柱分離手段11の配設位置で停止し、停止している時間
内に可食部分離工程177が行われる。
【0202】前記可食部分離工程177によれば、原貝
載置板18が貝柱分離手段11の配設位置で停止する
と、前記内臓分離手段9と同様の構成とされた貝柱分離
手段11によって下殻2ABの内面に残った貝柱2aa
および小柱2abからなる閉殻筋2aを下殻2ABから
自動的に剥離して分離することができる。そして、下殻
2ABから分離された閉殻筋2aは、吸引ノズル58の
吸引口59から吸引されて、図1に示すように、貝柱移
送ホース84を介してチャンバ85に搬送される。つま
り、貝柱分離手段11により、下殻2ABから閉殻筋2
aを容易に吸引して剥離分離することができる。そし
て、閉殻筋2aから内臓2bが分離されると、貝柱分離
手段11の各部がもとの状態に復帰し、可食部分離工程
177が終了する。また、貝柱移送ホース84に対する
負圧の供給が停止されると、チャンバ85に正圧が供給
されるとともに開閉扉86が開閉動作してチャンバ85
内の閉殻筋2bを容器あるいは搬送コンベア(図示せ
ず)に排出するようになっている。
【0203】なお、チャンバ85の内部には、図1にお
いて想像線にて示すように、貝柱移送ホース84を通過
した閉殻筋2aがチャンバ85の内部の側壁に衝突する
ことによる閉殻筋2aの損傷を防止するために、貝柱移
送ホース84を通過した閉殻筋2aを受けるようにほぼ
カーテン状に形成した損傷防止部材91を設けることが
好ましい。この損傷防止部材91としては、食品衛生上
安全なふっ素樹脂、シリコーンゴムなどからなるフィル
ム状、シート状、板状、スポンジ状の素材を用いるとよ
い。
【0204】また、下殻2ABから剥離して分離した閉
殻筋2aの下面(下殻2ABとの接合面)は、円滑でつ
やつやしており、閉殻筋2aの外観品質を向上させるこ
とができるとともに、下殻2ABから閉殻筋2aの下面
を下上殻2ABの内周面の凹凸に倣った状態で分離する
ことができる(下殻2ABに閉殻筋2aの一部が残留し
ない)ので、閉殻筋2aを貝殻2Aから分離する際の歩
留まりを向上させることができる。
【0205】また、本実施の形態においては、前記貝柱
移送ホース84の途中に閉殻筋2aの通過を検出するセ
ンサ87が配設されており、このセンサ87が閉殻筋2
aの通過を検出しない場合には、貝回収手段88の駆動
シリンダ89を駆動して、図1に示すように回収用開閉
弁90を開状態とし、閉殻筋2aの残った下殻2AB’
を排出シュート13を通過する途中で排出シュート13
の下方に配設された回収コンベア15に排出することが
できるようになっている。これは、帆立貝2の産地(収
穫地域)、鮮度等の特性により、下殻2ABから閉殻筋
2aを100%分離することができなかった場合のため
に設けられている。すなわち、本実施の形態において
は、何らかの要因で閉殻筋2aを分離できなかった下殻
2AB’を区分して回収することができるようになって
いる。
【0206】ついで、可食部分離工程177を終了し、
搬送手段3の原貝載置板18に載置された下殻2ABの
みとなった帆立貝2は、搬送手段3の駆動により、図1
に矢印Aにて示す貝移送方向に移送され、排出位置OP
において、原貝載置板18の貝嵌合孔19から離脱し排
出シュート13を通過して殻排出コンベア14上に排出
される。
【0207】したがって、本実施の形態の2枚貝生剥装
置1によれば、加熱手段6をもって帆立貝2の上殻2A
Aの表面を、閉殻筋2aが生の状態を保持するように加
熱することができるので、閉殻筋2aの変色を確実に防
止して生食に用いるための品質を確実に保持することが
できるとともに、このような加熱手段6をもって上殻2
AAの表面を加熱することにより、上殻2AAと閉殻筋
2aとの間の接合力を弱体化させる、すなわち、加熱側
に位置する上殻2AAの内面と閉殻筋2aとの接合部位
が単なる密着状態となり、その結果、帆立貝2の口を強
制殻開手段7をもって強制的にかつ自動的に容易に拡開
させることができる。
【0208】また、分離前加熱手段10をもって閉殻筋
2aが生の状態を保持するようにして加熱することによ
り、下殻2ABと閉殻筋2aとの間の接合力を弱体化さ
せる、すなわち、加熱側に位置する下殻2ABの内面と
閉殻筋2aとの接合部位が単なる密着状態となり、下殻
2ABから閉殻筋2aを強制的かつ自動的に容易に分離
することができる。よって、帆立貝2の閉殻筋2aを生
食に用いるための品質を保持させた状態で効率よく分離
することができる。
【0209】すなわち、本実施の形態の2枚貝生剥装置
1は、2枚の貝殻2Aの口を開ける(拡開)前、およ
び、貝殻2Aから食する部位としての閉殻筋2aを取り
出す(分離する)前に、閉殻筋2aが確実に生の状態を
保持するようにして貝殻2Aと閉殻筋2aとの接合部位
の接合力の弱体化を確実に施すことができる。
【0210】さらに、貝殻2Aから分離した閉殻筋2a
の貝殻2Aとの接合面は、円滑でつやつやしており、閉
殻筋2aの外観品質を向上させることができるととも
に、貝殻2Aから閉殻筋2aのすべてを分離することが
できる(貝殻2Aに閉殻筋2aの一部が残留しない)の
で、閉殻筋2aを貝殻2Aから分離した際の歩留まり
(回収率)を確実に向上させる、すなわち、歩留まりを
100%にすることができる。なお、従来の閉殻筋2a
の歩留まりは実験によると98%程度であり、2%程度
のロスが生じていた。
【0211】また、貝殻2Aから分離した閉殻筋2aの
貝殻2Aとの接合面の縁には、従来得られなかったしこ
しことした部位を残すことができ、生食に用いる閉殻筋
2aの食感および食味を向上させることができる。
【0212】さらにまた、貝殻2Aから分離した閉殻筋
2aの貝殻2Aとの接合面は、吸水しないので、貝殻2
Aから分離した後の閉殻筋2aにトリミング(食品とす
るために食する部位に付着している微細な内臓などの付
着物を除去するための洗浄作業)に用いた水分が閉殻筋
2aの接合面から内部に吸収されて食味が低下したり、
冷凍保存した閉殻筋2aを解凍した際に、ドリップ称さ
れる吸収した水分とともにうまみ成分が流出してしまう
という不都合を確実に防止することができ、閉殻筋2a
の商品価値を確実に向上させることができる。
【0213】また、本実施の形態の2枚貝生剥装置1に
おいては、閉殻筋2aを下殻2ABから自動的に分離す
ることができるので、閉殻筋2aの分離に要する人員の
削減を図ることができるとともに、帆立貝2が大量に水
揚げされた場合においても帆立貝2の処理を迅速に行う
ことができる。
【0214】なお、本実施の形態においては、2枚貝と
して帆立貝2を用いこの帆立貝2から生食に用いる閉殻
筋2aを分離するものについて説明したが、2枚貝とし
ては例えば赤貝の身、カキの身等の各種の2枚貝の食す
る部位の分離に応用することができる。
【0215】図24から図26は本発明に係る2枚貝生
剥方法を適用する本発明に係る2枚貝生剥装置の第2の
実施の形態の要部を示すものであり、図24は原貝位置
決め手段の要部を示す正面図であり、図25は図24の
原貝位置決め手段の要部を貝移送方向の上流側から見て
示す側面図であり、図26は図25の一部拡大側面図で
ある。
【0216】本実施の形態における2枚貝生剥装置1A
は、前述した第1の実施の形態の2枚貝生剥装置1の搬
送手段3が支持している原貝たる帆立貝2の位置決めを
行うための原貝位置決め手段140を配設したものであ
り、その他の構成は前述した第1の実施の形態の2枚貝
生剥装置1と同様の構成とされている。よって、本実施
の形態の2枚貝生剥装置1Aにおいては、原貝位置決め
手段140の要部についてのみ説明し、その他の構成の
説明は省略する。また、前述した実施の形態のものと同
一ないし相当する構成については、図面中に同一の符号
を付し、その詳しい説明は省略する。
【0217】本実施の形態の2枚貝生剥装置1Aの原貝
位置決め手段140は、貝嵌合孔19の中心に対して帆
立貝2の中心ををほぼ一致させることにより、貝嵌合孔
19の中心に対して帆立貝2の中心を所定の位置に位置
決めし、以後の各工程をより円滑に行うようにするため
のものである。すなわち、帆立貝2は、投入位置SPに
おいて人手あるいはロボットをもって搬送手段3の一部
を構成する原貝搭載板18の貝嵌合孔19に嵌合し、下
方から貝嵌合孔19の外周部位の原貝搭載板18により
支持されるが、この貝嵌合孔19に嵌合している帆立貝
2の、特に、貝移送方向に対して直交する左右方向の中
心を原貝位置決め手段140により貝嵌合孔19の中心
に対してほぼ一致させるためのものである。
【0218】図24から図26に示すように、本実施の
形態の2枚貝生剥装置1Aの原貝位置決め手段140
は、前述した第1の実施の形態の2枚貝生剥装置1の貝
洗浄手段5に併設されており、貝洗浄手段5の一部を構
成する上方に位置する洗浄液供給パイプ22の図24に
矢印Aにて示す貝移送方向の上流側の面に取着された平
板状の支持板141を有している。そして、支持板14
1の貝移送方向の上流側に位置する前面には、図25お
よび図26に詳示するように、相互に対向するようにし
て左右1対の貝把持爪142が配設されている。この各
貝把持爪は、図26に詳示するように、略ベルクランク
状に形成されており、前記支持板141の所望の位置に
立設させた適宜な回動支軸143に枢着されている。そ
して、各貝把持爪142の下端部には、それぞれ貝移送
方向と平行に延在する平板状の爪部142aが配設され
ている。
【0219】前記貝把持爪142の図26において右方
に示す一方は、駆動貝把持爪142Aとされ、図26に
おいて左方に示す他方は、駆動貝把持爪142Aと当接
部が噛合することにより駆動貝把持爪142Aに対して
相対運動する従動貝把持爪142Bとされている。そし
て、駆動貝把持爪142Aの上部には、上方に向かって
延出された駆動腕142bが配設されており、この駆動
腕142bの上端部近傍の前面には、ピン144が立設
されている。このピン144には、リターンスプリング
145の一端が係止されている。そして、図25および
図26に示す待機状態(初期状態)における各貝把持爪
142の下端部に配設された各爪部142aは、リター
ンスプリング145の付勢力をもって、相互間が最も離
間した開状態とされている。
【0220】前記リターンスプリング145の他端は、
図26に詳示するように、支持板141の上方に支持板
141に対して平行に配設された略平板状の移動板14
6の所望の位置に立設されたピン146Aに係止されて
いる。この移動板146の両端部には、移動板146の
長手方向に平行部が位置する長孔146aが形成されて
いる。チェーンコンベア16の外側に配設された貝洗浄
手段5を支持しているサイドフレーム139には取付板
147が取着されており、この取付板147に配設され
た支持ピン147aが前記長孔146aに嵌合されい
る。したがって、この支持ピン147aにより移動板1
46の移動軌跡が拘束されるとともに、移動板146が
取付板147から脱落するのを防止するように構成され
ている。また、支持板146の左端近傍には、支持板1
46の上方に向かって支持板146の上端縁より上方に
突出した略L字形状の作動板148が取着されている。
この作動板148の上端部近傍は、サイドフレーム13
9に取着された往復動シリンダ149の出力軸149a
の先端部が取着されている。
【0221】すなわち、往復動シリンダ149を駆動す
ることにより、往復動シリンダ149の出力軸149a
が移動板146を図25および図26において両矢印に
て示すように貝移送方向に対して直交する左右方向に移
動させ、この移動板146の左右方向への移動は、リタ
ーンスプリング145を介して駆動貝把持爪142Aに
伝達し、各貝把持爪142の先端部に配設された爪部1
42aを離接させるようにして貝把持爪142を開閉動
作させるようになっている。
【0222】このような構成の本実施の形態の2枚貝生
剥装置1Aによれば、前述した第1の実施の形態の2枚
貝生剥装置1と同様の効果を奏することができる。
【0223】また、本実施の形態の2枚貝生剥装置1A
の原貝位置決め手段140によれば、供給工程170を
終了し、搬送手段3の原貝載置板18に載置された帆立
貝2が搬送手段3の駆動により、図1に矢印Aにて示す
貝移送方向に移送されて貝洗浄手段5の配設位置で停止
した際、貝洗浄手段5の洗浄液噴射ノズル21から洗浄
液Wが貝殻2Aの表面に向かって噴射される前に、往復
動シリンダ149の出力軸149aが図26において右
方へ向かうように前進し、リターンスプリング145を
介して駆動貝把持爪142Aを回動支軸143を中心と
して図26において時計方向へ回転させる。そして、駆
動貝把持爪142Aの時計方向への回転は、駆動貝把持
爪142Aと噛合している従動貝把持爪142Bを回動
支軸143を中心として図26において反時計方向へ回
転させ、その結果、各貝把持爪142の先端部に配設さ
れた各爪部142aを図26において矢印にて示すよう
に相互に接近させることができる。この各貝把持爪14
2の先端部に配設された各爪部142aの接近により、
貝把持爪142の先端部に配設された爪部142aは、
貝移送方向に対して直交する方向から原貝搭載板18の
貝嵌合孔19に嵌合された帆立貝2の貝殻2Aの縁(貝
殻2Aの合わせ目)に向かって移動して、貝移送方向に
対して直交する左右方向から帆立貝2を把持し、帆立貝
2を、貝嵌合孔19の中心に対して帆立貝2の中心、特
に、貝移送方向に対して直交する方向に位置する左右方
向の中心をほぼ一致させるようにして帆立貝2を適正な
位置に位置決めし、以後の各工程をより円滑に行うよう
にすることができる。
【0224】すなわち、帆立貝2の位置決めは、図1に
矢印Aにて示す貝移送方向に対して平行な前後方向につ
いては、前述したように帆立貝2を貝嵌合孔19に嵌合
する際に帆立貝2の蝶番部2Bをストッパ20に当接さ
せることにより行われ、図1に矢印Aにて示す貝移送方
向に対して直交する左右方向については、本実施の形態
の原貝位置決め手段140によって行われる。
【0225】また、貝把持爪142の爪部142aが帆
立貝2を把持した際に、貝把持爪142の爪部142a
は、リターンスプリング145の付勢力をもって帆立貝
2の縁を把持するようにされているので、帆立貝2を一
定の力で把持することができ、帆立貝2に過剰な力が加
わることによる帆立貝2の貝殻2Aの破損を確実に防止
することができる。
【0226】さらにまた、本実施の形態によれば、原貝
位置決め手段140の貝把持爪142の爪部142aが
帆立貝2の貝殻2Aの縁を把持した状態で、貝洗浄手段
5による貝殻2Aの表面の洗浄が行われるので、洗浄工
程171において帆立貝2が原貝載置板18の貝嵌合孔
19から脱落するのをより確実に防止することができ
る。
【0227】そして、原貝位置決め手段140の貝把持
爪142の爪部142aは、貝洗浄手段5による貝殻2
の表面の洗浄が終了すると、往復動シリンダ149の出
力軸149aが図26において左方へ向かうように後退
し、リターンスプリング145を介して貝把持爪142
の先端部に配設された爪部142aを離間させて開状態
とし、貝把持爪142の先端部に配設された爪部142
aは、帆立貝2の把持状態を解いて待機状態に復帰し、
その結果、原貝位置決め手段140は、帆立貝2を貝嵌
合孔19の中心に対して帆立貝2の中心、特に、貝移送
方向に対して直交する方向に位置する左右方向の中心を
ほぼ一致させるようにして帆立貝2をより適正な位置に
位置決めする位置決め動作を終了し、以後の各工程をよ
り円滑に行うことができる。
【0228】すなわち、このような構成の本実施の形態
の2枚貝生剥装置1Aによれば、前述した第1の実施の
形態の2枚貝生剥装置1と同様の効果を奏することがで
きる。
【0229】また、この2枚貝生剥装置1Aの原貝位置
決め手段140によって原貝載置板18に対する帆立貝
2の位置決めをより適正に行うことにより、強制殻開手
段7の吸着パッド25による貝殻2Aの表面への吸着位
置、殻分離手段8の分離板55の上殻2AAの内面に対
する当接位置、加熱手段6および分離前加熱手段10の
加熱ノズルたる水蒸気噴射ノズル23に対する閉殻筋2
aの位置、ならびに内臓分離手段9および貝柱分離手段
11の吸引孔59に対する閉殻筋2aの位置をより適正
に位置決めすることができる。
【0230】なお、原貝位置決め手段140を貝洗浄手
段5に併設せずに単独で設けたり、原貝位置決め手段1
40を投入位置SPに設ける構成としてもよい。
【0231】図27から図29は本発明に係る2枚貝生
剥方法を適用する本発明に係る2枚貝生剥装置の第3の
実施の形態の要部を示すものであり、図27は加熱手段
の要部を示す正面図であり、図28は図27の加熱手段
の要部を示す平面図であり、図29は図27の加熱手段
の要部を貝移送方向の下流側から見て示す側面図であ
る。
【0232】本実施の形態における2枚貝生剥装置1B
は、前述した第1の実施の形態の2枚貝生剥装置1の加
熱手段6による上殻2AAの表面への熱伝達効率を向上
させたものであり、その他の構成は前述した第1の実施
の形態の2枚貝生剥装置1と同様の構成とされている。
よって、本実施の形態の2枚貝生剥装置1Bにおいて
は、加熱手段6Aの要部についてのみ説明し、その他の
構成の説明は省略する。また、前述した実施の形態のも
のと同一ないし相当する構成については、図面中に同一
の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0233】図27から図29に示すように、本実施の
形態の2枚貝生剥装置1Bの加熱手段6Aは、原貝搭載
板18に載置された帆立貝2の上方に位置する上殻2A
Aの表面に向かって加熱源としての水蒸気Hを噴射する
加熱ノズルとしての水蒸気噴射ノズル23aそのものが
カップ体202により形成されている。このカップ体2
02は、上殻2AAの表面に対して当接する下面が開口
とされた中空の略お椀状に形成されている。そして、カ
ップ体202の図27において上方に示す略頂部には、
蛇腹状などの伸縮性および可撓性を備えた供給ホース2
03の一端が接続されている。この供給ホース203の
他端は、水蒸気供給パイプ24に接続されている。そし
て、供給ホース203のカップ体202に対する接続位
置は、原貝搭載板18が加熱手段6Aの配設位置で停止
した際に、閉殻筋2bの略直上に位置するようにされて
いる。
【0234】前記カップ体202の開口のサイズは、搬
送手段3の原貝搭載板18に載置されて図27および図
28に矢印Aにて示す貝移送方向に搬送される帆立貝2
の上殻2AAの大きさより小さくかつ閉殻筋2aより大
きく形成されており、すなわち、原貝搭載板18が加熱
手段6Aの配設位置で停止した際に、上殻2AAの表面
の少なくとも閉殻筋2aが接合している部位を囲繞する
ことができるようになっている。
【0235】また、カップ体202の開口の縁の外周に
は、略円環状のフランジ体204が配設されている。こ
のフランジ体204の図27および図28に矢印Aにて
示す貝移送方向の上流側に位置する左端縁は、貝移送方
向に対して平行に配設された平板状の支持プレート20
5の右端に接続されている。そして、支持プレート20
5の左端は、貝移送方向に対して直交するようにして配
設された支持ステー206に取着されている。さらに、
支持ステー206と支持プレート205とは、蝶番20
7によって接続されている。
【0236】すなわち、本実施の形態の加熱手段6Aの
加熱ノズルとしての水蒸気噴射ノズル23aたるカップ
体202は、その自重によって、支持プレート205を
蝶番207を中心として時計方向に撓ませるようにして
下方に位置するように配設されている。このカップ体2
02の下面の位置は、搬送手段3の原貝搭載板18に取
着されたストッパ20の上端より下方に位置するように
されている。
【0237】そして、加熱手段6Aのカップ体202
は、原貝搭載板18が加熱手段6Aの配設位置に接近す
るに伴って帆立貝2の蝶番部2Bと反対側に位置する上
殻2AAの貝移送方向の下流側の表面に当接する。つい
で、原貝搭載板18の加熱手段6Aへのさらなる接近に
伴って、上殻2AAの表面は、カップ体202の下面に
沿って滑りながら貝移送方向の下流側に向かって移動
し、カップ体202は、上殻2AAの表面によって上昇
する。ついで、原貝搭載板18が加熱手段6Aの配設位
置に到達すると、図27から図29に詳示するように、
カップ体202の下面は、上殻2AAの表面の少なくと
も閉殻筋2aが接合している部位を囲繞し、供給ホース
203のカップ体202に対する接続位置が閉殻筋2b
の略直上に位置する。そして、原貝搭載板18が加熱手
段6Aの配設位置で停止すると、加熱源としての高温の
水蒸気を短時間、例えば100℃の水蒸気を4秒程度噴
射するように構成されている。
【0238】なお、加熱手段6Aによる上殻2AAの表
面への加熱が終了すると、原貝搭載板18の貝移送方向
の下流側に向かう移動に伴って、ストッパ20の上端が
支持プレート205およびフランジ204の下面に順次
当接し、その結果、カップ体202が上方に押し上げら
れるので、原貝搭載板18は、容易に加熱手段6Aを通
過することができるようになっている。
【0239】このような構成の本実施の形態の2枚貝生
剥装置1Bによれば、前述した第1の実施の形態の2枚
貝生剥装置1と同様の効果を奏することができる。
【0240】また、本実施の形態の2枚貝生剥装置1B
の加熱手段6Aは、加熱源としての高温の水蒸気Hを上
殻2AAの表面へ噴射した際に、水蒸気Hがカップ体2
02の内部に溜まるので、上殻2AAの表面への熱伝達
効率をより向上させることができる。
【0241】図30は本発明に係る2枚貝生剥方法を適
用する本発明に係る2枚貝生剥装置の第4の実施の形態
の強制殻貝手段の要部を貝移送方向の下流側から見て示
す側断面図である。
【0242】本実施の形態における2枚貝生剥装置1C
は、前述した第1の実施の形態の2枚貝生剥装置1の強
制殻貝手段7による貝殻2Aへの密着性、特に、湾曲し
た下殻2ABの表面に対する密着性を向上させたもので
あり、その他の構成は前述した第1の実施の形態の2枚
貝生剥装置1の強制殻貝手段7と同様の構成とされてい
る。よって、本実施の形態の2枚貝生剥装置1Cにおい
ては、強制殻貝手段7Aの要部についてのみ説明し、そ
の他の構成の説明は省略する。また、前述した実施の形
態のものと同一ないし相当する構成については、図面中
に同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0243】図30に示すように、本実施の形態の2枚
貝生剥装置1Cの強制殻貝手段7Aの吸着パッド25の
下吸着パッド25BAは、略円柱状に形成された基部5
0Aを有しており、この基部50Aの下殻2ABと対向
する端面(上端面)には、樹脂あるいはゴム等の弾性体
によりほぼ円筒形状に形成されたパッド体51Aが取着
されている。そして、基部50Aの外周面には基部50
Aの内外を連通する連通孔140が形成されており、こ
の連通孔140にホース30の一端が接続されるように
なっている。
【0244】前記基部50Aの下端面には、上被軸受体
180の一端が螺合されている。この上被軸受体180
の下端は、略球形に形成された球状部181とされてお
り、この球状部181は、上下1対の軸受体182によ
り回転可能に支持されている。そして、図30において
上方に示す一方の軸受体182Aは略環状に形成されて
おり、その下端部に球状部181を上方から支持する摺
動部182aが形成されている。さらに、図30におい
て下方に示す他方の軸受体182Bは、上部が大径の大
径部183とされ下部が小径の小径部184とされた段
付きの円筒形状に形成されている。また、軸受体182
Bの上端側には、球状部181より大きい大径の内孔1
85が形成されており、軸受体182Bの下端側には、
球状部181より小さい小径の内孔186が形成されて
いる。そして、軸受体182Bの小径の内孔186の上
端部には、球状部181を下方から支持する摺動部18
2bが形成されており、軸受体182Bの上部の大径の
内孔185には、軸受体143Aが取着されている。す
なわち、前記上被軸受体180と1対の軸受体182と
により第1の自在継手が形成されている。
【0245】前記軸受体143Bの大径部183の外周
面には、上スリーブ187が上下方向に摺動自在に配設
されている。この上スリーブ187の下端部には、内向
きのフランジ187aが形成されており、このフランジ
187aにより軸受体182Bに対する上スリーブ18
7の上方への最大移動位置が拘束されている。さらにま
た、上スリーブ187のフランジ187aの下端面に
は、軸受体182Bの小径部184の外周面に装着され
た圧縮コイルばね188の一端が当接されており、圧縮
コイルばね188の他端は、軸受体182Bの小径部1
84の外周面の下端部近傍に取着された止め輪189に
当接されている。つまり、上スリーブ187は、圧縮コ
イルばね188の付勢力をもって常に上方に向かって付
勢されており、上スリーブ187の上端は、プレート1
89を介して基部50Aの下端面に圧縮コイルばね18
8の付勢力をもって当接されている。
【0246】前記軸受体182Bの小径部186の下部
には、連結部材190の一端が螺合されている。この連
結部材190の下端部は、上スリーブ187より大径と
されており、上スリーブ187の下方に位置する下スリ
ーブ191の上部の大径の内孔192に止め輪199に
よって取着されている。また、下スリーブ191の下端
面には、内向きのフランジ191aが形成されている。
【0247】前記下スリーブ191の小径の内孔193
の上部には、下支持フレーム53に一端が螺合された下
被軸受体194の他端に形成された球状部195を回転
自在に支持する上下1対の軸受体196の一方が上下方
向に摺動自在に配設されている。この一方の軸受体19
6Aは、球状部195を上方から支持するものであり、
下スリーブ191より短くされるとともに、軸受体19
6Aの上部の小径の内孔187の下端部には、球状部1
95を上方から支持する摺動部196aが形成されてお
り、軸受体196Aの下部の大径の内孔198の下端部
近傍には、球状部195を下方から支持する環状の他方
の軸受体196Bが取着されている。この軸受体196
Bの上端部には、球状部195を下方から支持する摺動
部196bが形成されている。すなわち、前記下被軸受
体194と1対の軸受体196とにより第2の自在継手
が形成されている。
【0248】前記下スリーブ191の小径の内孔193
の内周面の下部には、圧縮コイルばね200が装着され
ている。この圧縮コイルばね200の図30において上
方に示す上端は、一方の軸受体196の下端面に当接さ
れており、圧縮コイルばね200の図30において下方
に示す下端は、下スリーブ191の下端に形成された内
向きのフランジ191aに当接されている。つまり、軸
受体196Aは、圧縮コイルばね200の付勢力をもっ
て常に上方に向かって付勢されており、下スリーブ19
1の下端は、プレート201を介して下支持フレーム5
3に圧縮コイルばね200の付勢力をもって当接されて
いる。
【0249】このような構成の本実施の形態の2枚貝生
剥装置1Cによれば、前述した第1の実施の形態の2枚
貝生剥装置1と同様の効果を奏することができる。ま
た、本実施の形態の2枚貝生剥装置1Cの強制殻貝手段
7Aによれば、下吸着パッド25BAを湾曲した下殻2
ABの表面に密着させる際に、第1の自在継手および第
2の自在継手により、下吸着パッド25BAが湾曲した
下殻2ABの表面に倣うように自動的に姿勢を制御する
ことができるので、湾曲した下殻2ABの表面に対する
下吸着パッド25BAの密着性をより確実に向上させる
ことができる。
【0250】図31は本発明に係る2枚貝生剥方法を適
用する本発明に係る2枚貝生剥装置の第5の実施の形態
の強制殻貝手段に適用した水抜き手段の要部を示す模式
図である。
【0251】本実施の形態における2枚貝生剥装置1D
は、前述した第1の実施の形態の2枚貝生剥装置1の強
制殻貝手段7に、吸着パッド25を貝殻2A密着させて
吸引した際にホース30を通過する貝殻2Aの表面に残
っている前記洗浄工程171において用いた液分たる洗
浄液Wを捕捉し、この捕捉した洗浄液Wを外部に排出す
る水抜き手段210を配設したものであり、その他の構
成は前述した第1の実施の形態の2枚貝生剥装置1と同
様の構成とされている。よって、本実施の形態の2枚貝
生剥装置1Dにおいては、水抜き手段210の要部につ
いてのみ説明し、その他の構成の説明は省略する。ま
た、前述した実施の形態のものと同一ないし相当する構
成については、図面中に同一の符号を付し、その詳しい
説明は省略する。
【0252】図31に示すように、本実施の形態の2枚
貝生剥装置1Dは、強制殻貝手段7に水抜き手段210
が付設されている。この水抜き手段210は、強制殻貝
手段7の各吸着パッド25に対して負圧と正圧との何れ
か一方を選択的に切り換えて作用させる切換バルブ21
1を有している。そして、切換えバルブ211の右端に
は、図示しない真空ポンプに接続されたホース212の
一端が接続されており、切換えバルブ211の下端に
は、図示しないコンプレッサに接続されたホース213
の一端が接続されている。また、切換えバルブ211の
左端には、エアフィルタ214を介して各吸着パッド2
5に接続されたホース30が接続されている。
【0253】すなわち、切換バルブ211と各吸着パッ
ド25とを接続するホース30の途中には、各吸着パッ
ド25から切換バルブ211に向かう液分たる洗浄液W
を捕捉するとともに、切換えバルブ211にコンプレッ
サからの正圧が作用した際(コンプレッサからの圧力が
切換えバルブ211を通過した際)に捕捉した洗浄液W
を外部に排出する排出弁215を具備するエアフィルタ
214が配設されている。この排出弁215は、常に
は、スプリング216の付勢力によって弁座217に対
して当接しているボール体218を有しており、吸着パ
ッド25に負圧を供給した際にはエアフィルタ214に
負圧が供給され、弁座217に対してボール体218が
当接した閉状態を保持することができるようになってい
る。また、エアフィルタ214にコンプレッサからの圧
力(正圧)が供給された際には、コンプレッサからの圧
力がスプリング216の付勢力に抗してボール体218
を図31において下方に移動させ、弁座217からボー
ル体218が離間し、その結果、エアフィルタ214に
捕捉した洗浄液Wを外部に排出することができるように
なっている。
【0254】このような構成の本実施の形態の2枚貝生
剥装置1Dによれば、前述した第1の実施の形態の2枚
貝生剥装置1と同様の効果を奏することができる。
【0255】また、本実施の形態の2枚貝生剥装置1D
の水抜き手段210は、強制殻貝手段7の各吸着パッド
25を貝殻2Aに吸着させた際に、貝殻2Aの表面に残
っている液分たる洗浄液Wを真空ポンプに到達する前に
外部に排出することができる。
【0256】図32から図40は本発明に係る2枚貝生
剥方法を適用する本発明に係る2枚貝生剥装置の第6の
実施の形態の要部を示すものであり、図32は非食部分
離手段たる内臓分離手段の待機状態における要部を示す
正面図であり、図33は図32の内臓分離手段の要部を
貝移送方向の下流側から見て示す側面図であり、図34
は図33の内臓分離手段の要部の部分拡大図であり、図
35は図32の内臓分離手段の要部の部分拡大背面図で
あり、図36は図32の内臓分離手段の吸引板を示すも
ので(a)は拡大平面図(b)は(a)のA−A線に沿
った断面図であり、図37は図34のB−B線に沿った
矢視図であり、図38は図32の内臓分離手段の吸引板
と帆立貝の下殻の内面に位置する閉殻筋および内臓との
位置関係を示す説明図であり、図39は図32の内臓分
離手段の分離可能状態における要部を示す図34と同様
の図であり、図40は図32の内臓分離手段の分離可能
状態における要部を示す図35と同様の図である。
【0257】本実施の形態における2枚貝生剥装置1E
は、前述した第1の実施の形態の2枚貝生剥装置1の非
食部分離手段たる内臓分離手段9による内臓2bの分離
効率を向上させたものであり、その他の構成は前述した
第1の実施の形態の2枚貝生剥装置1と同様の構成とさ
れている。よって、本実施の形態の2枚貝生剥装置1E
においては、内臓分離手段9Aについてのみ説明し、そ
の他の構成の説明は省略する。また、前述した実施の形
態のものと同一ないし相当する構成については、図面中
に同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0258】図32に示すように、本実施の形態におけ
る2枚貝生剥装置1Eの非食部分離手段たる内臓分離手
段9Aは、下殻2ABから閉殻筋2a以外の非食部たる
内臓2bを分離するための分離本体100を有してい
る。この分離本体100は、帆立貝2の下殻2ABに付
着している、詳しくは閉殻筋2aの外周の外側に環状に
なって接合しているウロ、ヒモ等の内臓2bを負圧を用
いて吸引することにより分離(吸引除去)するための吸
引部材101を有している。この吸引部材101は、図
33に示すように、各帆立貝2の下殻2ABの内面と対
向するようにして配設された6個の吸引ノズル101A
と、この吸引ノズル101Aの図33において下方に示
す先端に装着された吸引板101Bとを具備している。
そして、各吸引ノズル101Aは、図34および図35
に詳示するように、略円筒形に形成された基体101a
と、この基体101aの下端に固着された下方に向かっ
て拡径されたラッパ状の拡径体101bとを具備してお
り、この拡径体101bの下端に吸引板101Bが装着
されている。また、本実施の形態における吸引部材10
1を構成する吸引ノズル101Aと吸引板101Bと
は、それぞれ個別に形成された後に、溶着、接合等によ
り一体化されている。
【0259】図36に示すように、吸引板101Bの外
周面は、下方に向かって小径とされた3段形状とされて
おり、吸引板101Bの下殻2ABに対向する先端面た
る下面には、板厚の半分程度の深さとされるとともに帆
立貝2の閉殻筋2aの外径より大きい内径の平面円形に
形成された有底の凹部102が形成されている。つま
り、凹部102は、閉殻筋2aを遊嵌することができる
ようになっている。そして、吸引板101Bの上面に
は、閉殻筋2aの外周の外側に位置するようにして板厚
の半分程度の深さとされた平面略楕円形の有底の連通穴
103が形成されている。この連通穴103の底壁の軸
芯側の一部は、凹部102の外周側の底壁に重なってお
り、この重なった部位は、吸引板101Bの凹部102
と吸引ノズル101Aの内部とを連通し、内臓2bを吸
引ノズル101Aの内部に吸引するための吸引孔104
とされている。つまり、吸引孔104は、閉殻筋2aの
外周の外側に位置するように形成されている。
【0260】なお、凹部102の内径のサイズは、原貝
選別機(図示せず)により選別された帆立貝2(閉殻筋
2a)の大小に対応するサイズのものが使用されるよう
になっている。
【0261】図34および図35に戻って、吸引ノズル
101Aの基体101aの略中央部位から先端側たる下
端部近傍に至る外周面には、吸引ノズル101Aを上下
方向に摺動可能に支持するスリーブ105が配設されて
いる。このスリーブ105の外周面の上端部近傍には、
円環状のフランジ106が固着されている。そして、ス
リーブ105の上部には、断面略倒立L字形状に形成さ
れた筒状のプーリ取付部材107が配設されており、こ
のプーリ取付部材107の外周面の小径部には、プーリ
108が配設されている。さらに、スリーブ105の外
周面の上端部近傍に設けられたフランジ106およびプ
ーリ108ならびにプーリ取付部材107は、それぞれ
を軸方向に貫通するようにして配設された複数のボルト
109により締結されて一体化されている。また、プー
リ取付部材107の内周面には、キーみぞ(図示せず)
が形成されており、図34に想像線にて示す吸引ノズル
101Aの基体101aの外周面に軸方向に平行に配設
されたすべりキー110により、プーリ108の回転力
が吸引ノズル101Aに伝達可能とされるとともに、ス
リーブ105およびプーリ取付部材107に対して吸引
ノズル101Aが相対的に上下方向へ移動可能な構成と
されている。
【0262】図34および図35に示すように、スリー
ブ105の外周面には、例えば、樹脂によって製せられ
たインナーケーシング111が上下1対の軸受体112
を介して取着されている。この軸受体112は、スリー
ブ105の外周面に配設されるボールベアリング112
aと、このボールベアリング112aの外周面とインナ
ーケーシング111の内周面との間に配設される断面略
L字状の摺動軸受112bとから構成されている。そし
て、インナーケーシング111の下部には、吸引部材1
01を構成する吸引板101Bの周囲を取り囲むように
拡径されて下方へ延出された押さえガイド113が形成
されており、この押さえガイド113の先端(下端)に
は、径方向外側に延出された殻押さえ取着部114が設
けられている。この殻押さえ取着部114の先端側は、
内臓2bを分離する際に搬送手段3のストッパ20と干
渉するのを防止するために、帆立貝2と略同様の平面略
D字状に形成されており、その先端面には、平面略D字
状の有底の取付凹部115が形成されている。そして、
取付凹部115には、下殻2ABの縁と当接可能とされ
た外周面が平面略D字状に形成された殻押さえリング1
16が装着されており、この殻押さえリング116の下
殻2ABと対向し、下殻2ABの縁と当接可能な当接面
には、図37に詳示するように、殻押さえリング116
の摩耗による損傷を防止するために、例えば金属により
製せられた薄い平板状の損傷防止プレート117が取着
されている。
【0263】前記インナーケーシング111の外周面の
上部には、インナーケーシング111を上下方向に摺動
可能に支持するための軸方向の外周面の両端が小径の段
付き円筒形に形成されたアウターケーシング118が配
設されている。このアウターケーシング118の下端部
に形成された段部は、下フレーム67に形成された板厚
方向に貫通する貫通孔67aに嵌合されて下方から支持
されており、アウターケーシング118の上端部に形成
された段部は、下フレーム67の上方に、下フレーム6
7と平行に延在する中フレーム71に形成された板厚方
向に貫通する貫通孔71aに嵌合されている。つまり、
アウターケーシング118は、吸引部材101を構成す
る吸引ノズル101Aの先端側に位置する下方に配設さ
れた下フレーム67と、その上方に配設された中フレー
ム71とにより狭持されるようにして支持されている。
また、アウターケーシング118の上端部に形成された
段部には、下プーリ受け119が配設されている。この
下プーリ受け119の下端面は、中フレーム71の上面
に当接されており、下プーリ受け119の上端面は、ス
リーブ105の上端部近傍に固着されたフランジ106
の下面の外周近傍に当接されている。
【0264】前記下フレーム67の両端には、図33お
よび図34に示すように、下フレーム67を上下方向に
移動可能とするための下フレーム駆動シリンダ(往復動
シリンダ)69の出力軸69aの先端が取着されてい
る。この下フレーム駆動シリンダ69は、チェーンコン
ベア16の外側に配設されたサイドフレーム70の外側
にその出力軸69aを下方に向けて取着されている。さ
らに、下フレーム67の両端の下面には、下フレーム6
7が上下方向に移動する際の移動軌跡を拘束するための
パイプ体120が取着されており、このパイプ体120
の下端部は、サイドフレーム70に取着された断面L字
状のパイプガイド121を板厚方向に貫通するようにし
て配設されている。また、パイプ体120の下フレーム
28とパイプガイド121との間の外周面には、圧縮コ
イルばね122が装着されており、この圧縮コイルばね
122の付勢力をもって下フレーム駆動シリンダ69に
よる下フレーム67の急激な移動を緩衝し、下フレーム
67の上下方向への移動動作を円滑にすることができる
ようになっている。
【0265】また、下フレーム67とインナーケーシン
グ111の下部に形成された殻押さえ取付部114の上
面との間には、上部が小径とされた段付きのロッド体1
23が各殻押さえ取付部114の両側に平行にして配設
されている。このロッド体123の小径部は、下フレー
ム67を下方から板厚方向に貫通するようにして下フレ
ーム67に対して移動自在に配設されており、ロッド体
123の小径部の外周面には、圧縮コイルばね78が装
着されている。そして、ロッド体123の小径部に装着
された圧縮コイルばね78の上端は、下フレーム67の
下面に当接されており、圧縮コイルばね78の下端は、
小径部と大径部との段部に当接されている。
【0266】つまり、ロッド体123の小径部に装着さ
れた圧縮コイルばね78の付勢力により、ロッド体12
3は、下フレーム67の下面に対して常に離間する方向
に付勢されており、ロッド体123の下フレーム67の
下面に対する最大離間位置は、ロッド体123の小径部
の上端面に取着されたロッド体123の小径部の外径よ
り大きい外径とされたボルト124の頭部124aの下
面を下フレーム67の上面に当接させることにより拘束
可能になっている。
【0267】したがって、ロッド体123の小径部に装
着された圧縮コイルばね78は、インナーケーシング1
11を常に下フレーム67の下方に向かって付勢するこ
とになり、インナーケーシング111の下端に配設され
た殻押さえリング116を常に下フレーム67の下方に
向かって付勢し、これにより、殻押さえリング116
は、圧縮コイルばね78の付勢力をもって下殻2ABの
縁に当接可能とされている。
【0268】前記中フレーム71は、各アウターケーシ
ング118の周囲に平行に配置された複数の円筒形の支
持パイプ125によって下フレーム67の上方に支持さ
れている。そして、中フレーム71の上方には、図35
に示すように、下向きコ字状に形成されたモータ取着プ
レート126が配設されており、このモータ取着プレー
ト126とプーリ取付部材107の上面との間には、環
状の上プーリ受け127が配設されている。
【0269】すなわち、本実施の形態においては、下プ
ーリ受け119および上プーリ受け127により、スリ
ーブ105およびプーリ108の上下方向の位置決めが
施されている。なお、下プーリ受け119および上プー
リ受け127は、必要に応じて配設すればよく、本質的
にはなくてもよい。
【0270】前記モータ取着プレート126は、各プー
リ108の周囲に配置された円筒形の支持パイプ128
によって中フレーム71の上方に支持されており、この
モータ取着プレート126には、図35に詳示するよう
に、プーリ108を回転駆動する駆動源としてのプーリ
駆動モータ129がその出力軸129aを下方に向けて
配設されている。そして、プーリ駆動モータ129の出
力軸129aには、駆動用プーリ130が取着されてい
る。また、図34および図35に示すように、中フレー
ム71を下フレーム67の上方に支持する支持パイプ1
25とモータ取着プレート126を中フレーム71の上
方に支持する支持パイプ128とは、下フレーム67お
よび中フレーム71ならびにモータ取着プレート126
を貫通する通しボルト131(図35)によって同軸上
に取着されている。さらにまた、各吸引ノズル101A
の間には、図34に示すように、回転自在なテンショナ
132が配設されている。このテンショナ132は、中
フレーム71とモータ取着プレート126とにより両端
が支持された支持ロッド133に回転自在にして取着さ
れている。そして、プーリ駆動用モータ129の出力軸
129aに取着された駆動用プーリ130および各吸引
ノズル101Aの外周面に取着された各プーリ108の
外周面に接触するようにして環状のベルト134(図3
5に一部のみ図示)が巻回されており、各吸引ノズル1
01Aの間に配設された各テンショナ12は、ベルト1
34の外周面に接触可能とされている。すなわち、本実
施の形態においては、1個のプーリ駆動用モータ129
により6個の吸引ノズル101Aを同時に回転させるこ
とができるようになっている。
【0271】また、モータ取着プレート126の上面に
は、図34に示すように、各吸引ノズル101Aの回転
位置および回転量等を検出するセンサ135が配設され
ている。
【0272】前記プーリ108、プーリ駆動モータ12
9、駆動用プーリ130およびベルト134により、本
実施の形態の回転駆動手段136が構成されている。
【0273】また、上フレーム駆動シリンダ83を駆動
することにより、上フレーム駆動シリンダ83の出力軸
83aが上フレーム79を単独で上下方向に昇降させ、
この上フレーム79の昇降運動は、プレート62を介し
て吸引部材101を構成する吸引ノズル101Aに伝達
され、吸引ノズル101Aおよび吸引板101B、すな
わち、吸引部材101のみを単独で下殻2ABの内面に
対して接離させることができるようになっている。
【0274】図34および図35に示すように、吸引ノ
ズル101Aの外周面の後端たる上端には、略円筒形に
形成されたカラー137が図示しない止め輪によって取
着されている。このカラー137は、吸引ノズル101
Aに対して相対回転可能とされており、その下端面がプ
レート62の上面に当接するようにされている。そし
て、カラー137の外周面には、図32に示すように、
内臓移送ホース64の一端が接続されている。つまり、
カラー137は、吸引ノズル101Aを回転させた際
に、吸引ノズル101Aの回転を吸収し、これにより、
吸引ノズル101Aの回転が内臓移送ホース64へ伝達
して内臓移送ホース64が捩れるのを防止することがで
きるようになっている。
【0275】なお、内臓移送ホース64に対する負圧の
供給は、装置を駆動させた際に、常に、負圧を供給する
構成としてもよい。
【0276】また、本実施の形態においては、回転駆動
手段136により、吸引部材101を回転させる構成と
したが、吸引部材101と下殻2ABとが相対的に回転
する構成、例えば、吸引部材101を固定して下殻2A
Bを回転させる構成としてもよく、特に、本実施の形態
の構成に限定されるものではない。
【0277】つぎに、前述した構成からなる本実施の形
態の内臓分離手段9Aの作用について説明する。
【0278】前述したように、殻分離手段8によって上
殻2AAが分離された帆立貝2(閉殻筋2aおよび内臓
2bなどの身の付いた下殻2AB)が載置された原貝載
置板18は、搬送手段3によって図1に矢印Aにて示す
貝移送方向に移送されて本実施の形態の内臓分離手段9
Aの配設位置で停止し、停止している時間内に非食部除
去工程175Aが行われる。
【0279】本実施の形態の内臓分離手段9Aの非食部
除去工程175Aによれば、原貝載置板18は、内臓分
離手段9Aの待機状態とされた分離本体100、すなわ
ち、下殻2ABの内面に付着した閉殻筋2aが吸引部材
101の吸引板101Bの凹部102と対向する位置で
停止する。この分離本体100は、待機状態において
は、図34に示すように、下フレーム駆動シリンダ69
の出力軸69aが後退(収縮)した後退端(上方)に位
置しており、下フレーム駆動シリンダ69の出力軸69
aによって、分離本体100の各部は、原貝搭載板18
から最も離間した上昇端に位置している。また、上フレ
ーム駆動シリンダ83の出力軸83aは、前進(伸張)
した前進端(上方)に位置しており、上フレーム駆動シ
リンダ83の出力軸83aによって、吸引部材101の
先端、すなわち、吸引板101Bが殻押さえリング11
6の上面から離間した状態で、原貝搭載板18から最も
離間した上昇端に位置している。
【0280】そして、原貝載置板18が内臓分離手段9
Aの配設位置で停止すると、所定のタイミングで下フレ
ーム駆動シリンダ69が駆動し、下フレーム駆動シリン
ダ69の出力軸69aが伸張して前進し、下フレーム6
7を図34において下方に向かって降下させる。この下
フレーム67の降下は、分離本体100の全体を降下さ
せる。
【0281】ついで、下フレーム駆動シリンダ69の出
力軸69aが前進端、すなわち、分離本体100が降下
端に達する前に、殻押さえリング116(詳しくは、殻
押さえリング116の下面に取着した損傷防止プレート
117)が下殻2ABの縁に当接し、殻押さえリング1
16およびインナーケーシング111の降下は、この殻
押さえリング116が下殻2ABの縁に当接した位置で
停止する。
【0282】そして、下フレーム駆動シリンダ69の出
力軸69aが前進端、すなわち、分離本体100が降下
端に達すると、殻押さえリング116は、ロッド体12
3の小径部の外周面に装着された圧縮コイルばね78の
付勢力をもって下殻2ABの縁を押さえ、その結果、下
殻2ABは、殻押さえリング116と原貝搭載板18と
の間に圧縮コイルばね78の付勢力をもって挟持されて
固定される。この際、殻押さえリング116は、圧縮コ
イルばね78の付勢力をもって下殻2ABと当接される
ので、下殻2ABに過剰な当接力が加わることによる下
殻2ABの破損を確実に防止することができる。
【0283】したがって、本実施の形態における下フレ
ーム駆動シリンダ69は、分離本体100を下殻2AB
に対して接離させるとともに、下フレーム駆動シリンダ
69の出力軸69aが前進端に達した際に、殻押さえリ
ング116と原貝搭載板18とにより下殻2ABを挟持
固定する機能を有している。
【0284】ついで、下フレーム駆動シリンダ69の出
力軸69aが前進端に達すると、図示しないセンサによ
り、下フレーム駆動シリンダ69の出力軸69aが前進
端に達したことが検出され、この検出信号に基づいて、
上フレーム駆動シリンダ83が駆動し、上フレーム駆動
シリンダ83の出力軸83aが収縮して後退し、上フレ
ーム79を図35において下方に向かって降下させる。
この上フレーム79の降下は、プレート62を介して吸
引部材101を降下させる。
【0285】ついで、上フレーム駆動シリンダ83の出
力軸83aが後退端、すなわち、上フレーム79が降下
端に達する前に、吸引部材101の先端に配設された吸
引板101Bの外周面の中径面が殻押さえリング116
の内周面に進入した後に、吸引板101Bの外周面の大
径面と中径面との段部が殻押さえリング116の内周面
側の上面に当接し、この殻押さえリング116に当接し
た位置で、上フレーム79とプレート62とが離間を開
始し、吸引部材101の吸引ノズル101Aの降下が停
止するとともに、吸引部材101の吸引板101Bの凹
部102が閉殻筋2aを遊嵌、すなわち、凹部102が
閉殻筋2aと接触せずに蓋をするが如く囲繞する。この
際、吸引板101Bの吸引孔104を内臓2bのうちの
ウロ(肝臓)と対向させることが内臓2bを効率よく分
離させるうえで好ましい。すなわち、内臓2bは、ウロ
に他の部位がつながっているので、最初にウロを閉殻筋
2aから分離することにより、内臓2b全体をより容易
に分離させることができる。この下殻2ABの内面に位
置する閉殻筋2aおよび内臓2bに対する吸引板101
Bの位置関係を図38に示す。
【0286】そして、上フレーム駆動シリンダ83の出
力軸83aが後退端、すなわち、上フレーム79が降下
端に達すると、上フレーム79とプレート62とがより
離間し、吸引部材101を構成する吸引板101Bは、
支持ピン80の外周面に装着された圧縮コイルばね81
の付勢力をもって殻押さえリング116と当接する。こ
の際、吸引板101Bは、圧縮コイルばね81の付勢力
をもって殻押さえリング116と当接されるので、吸引
部材101を回転させた際に、吸引板101Bの先端面
と殻押さえリング116の上面との当接面に過剰な当接
力が加わることによる、プーリ駆動モータ129に対す
る負荷の増加および当接面の摩耗や発熱を確実に防止す
ることができる。この分離装置100および吸引部材1
01が降下した分離可能状態を図39および図40に示
す。
【0287】すなわち、上フレーム駆動シリンダ83
は、吸引部材101を下殻2ABの内面に対して接離さ
せ、上フレーム駆動シリンダ83の出力軸83aが後退
端に達した際に、吸引板101Bの凹部102が閉殻筋
2aを上方から囲繞するようにして閉殻筋2aおよび内
臓2bに対向可能とする機能を有している。
【0288】なお、吸引板101Bの先端面と殻押さえ
リング116の上面との当接面に周知の摺動部材を配設
してもよい。
【0289】ついで、上フレーム駆動シリンダ83の出
力軸83aが後退端に達すると、図示しないセンサによ
り、上フレーム駆動シリンダ83の出力軸83aが後退
端に達したことが検出され、この検出信号に基づいて、
回転駆動手段136のプーリ駆動モータ129が駆動
し、吸引部材101が回転を開始するとともに、内臓移
送ホース64を介して吸引ノズル101Aの内部に負圧
が供給される。すると、吸引板101Bが閉殻筋2aを
中心として回転するとともに、吸引板101Bの吸引孔
104が下殻2ABに付着している閉殻筋2aの外周の
外側を閉殻筋2aの周方向に沿うようにして回転し、か
つ、吸引孔104の下方に閉殻筋2aの軸方向(繊維方
向)に対して平行な方向の吸引力が生じ、吸引孔104
の下方に位置する閉殻筋2aの周囲の空気が閉殻筋2a
の軸方向(繊維方向)に対して平行に移動して吸引ノズ
ル101Aの内部に吸引される。その結果、閉殻筋2a
の周囲に接合して下殻2ABの内面に付着している内臓
2bは、ウロから順に吸引孔104を通過して吸引ノズ
ル101Aの内部に順次吸引される。
【0290】また、吸引部材101は、回転駆動手段1
36により、例えば、3〜5秒程度で1回転するように
されており、吸引部材101が1回転すると、センサ1
35が吸引部材101の吸引ノズル101Aの回転量と
回転位置を検出し、この検出結果に基づいて、吸引部材
101の回転を、常に、前記吸引孔104が内臓2bの
ウロに対向する位置で停止させて、内臓2bの分離を終
了するようになっている。
【0291】つまり、吸引板101Bの凹部102の底
を閉殻筋2aの上方に位置させるとともに、貝柱2bの
外周の外側に位置する吸引孔104を内臓2bのウロに
対向するように位置させたうえで、吸引ノズル101A
の内部に負圧を供給しながら吸引孔104を貝柱2bの
外周の外側を閉殻筋2aの周方向に沿うように回転させ
ることによって、負圧による吸引力を閉殻筋2aの軸方
向(繊維方向)に対して平行に付与することができ、そ
の結果、閉殻筋2aに与える負圧の影響を確実に低減し
て閉殻筋2aの損傷(閉殻筋2aが閉殻筋2aの軸方向
たる繊維方向に裂ける、あるいは、閉殻筋2aの接合部
位の一部が下殻2ABと接合していないことに起因して
生じる閉殻筋2aの一部が吸引されて欠落する)を防止
するとともに、閉殻筋2aの周囲に付着している閉殻筋
2a以外の内臓2bを効率よく、かつ、確実に分離する
(吸引除去する)ことができる。
【0292】なお、吸引部材101の回転速度および回
転量は、必要に応じて増減することができる。
【0293】また、吸引部材101を構成する吸引ノズ
ル101Aの内部に吸引された内臓2bは、内臓移送ホ
ース64を通過してチャンバ65に移送される。
【0294】ついで、吸引部材101の回転が停止して
内臓2bの分離が終了すると、内臓移送ホース64に対
する負圧の供給が停止し、上フレーム駆動シリンダ83
および下フレーム駆動シリンダ69は順次逆動作し、分
離本体100および吸引部材101が待機状態に復帰す
る。そして、分離本体100および吸引部材101が待
機状態に復帰すると、移送手段3が稼動し、つぎに内臓
2bを分離する下殻2Aを搭載した原貝搭載板18が、
待機状態とされた分離本体100の配設位置へ搬送さ
れ、内臓2bが分離されて貝柱2bのみが付着した下殻
2ABを搭載した原貝搭載板18は、分離本体100か
ら離間するように搬送される。
【0295】したがって、本実施の形態の2枚貝生剥装
置1Eによれば、前述した第1の実施の形態の2枚貝生
剥装置1と同様の効果を奏することができる。
【0296】また、本実施の形態の2枚貝生剥装置1E
の内臓分離手段9Aによれば、閉殻筋2aを損傷させる
ことなく、下殻2ABから閉殻筋2a以外の内臓2bを
より効率よく、かつ、確実により容易に分離する(吸引
除去する)ことができる。
【0297】なお、本実施の形態の内臓分離手段9A
は、従来の2枚貝生剥装置の内臓分離手段として用いた
り、内臓2bを分離する単機能の内臓分離装置として用
いたりすることもできる。
【0298】図41は本発明に係る2枚貝生剥方法を適
用する本発明に係る2枚貝生剥装置の第7の実施の形態
の非食部分離手段たる内臓分離手段の分離可能状態にお
ける要部を示す部分拡大断面図である。
【0299】本実施の形態における2枚貝生剥装置1F
は、内臓2bの分離効率をより向上させたものであり、
その他の構成は前述した第6の実施の形態の2枚貝生剥
装置1Eの内臓分離手段9Aと同様の構成とされてい
る。よって、本実施の形態の2枚貝生剥装置1Fにおい
ては、内臓分離手段9Bの要部についてのみ説明し、そ
の他の構成の説明は省略する。また、前述した実施の形
態のものと同一ないし相当する構成については、図面中
に同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0300】図41に示すように、本実施の形態におけ
る2枚貝生剥装置1Fの非食部分離手段たる内臓分離手
段9Bは、内臓2bを吸引する分離可能状態、すなわ
ち、下殻2ABから内臓2bのみを分離する際に、吸引
板101Bの凹部102の底壁が閉殻筋2aの上面に当
接するように構成されている。
【0301】すなわち、上フレーム駆動シリンダ83に
よる吸引ノズル101Aのストロークは、上フレーム駆
動シリンダ83の出力軸83aが後退端に達した際に、
凹部102の底壁が閉殻筋2aの上面に当接するように
されている。なお、凹部102の底壁が閉殻筋2aの上
面に当接した際に、吸引板101Bの図41において下
方に示す下殻2ABの内面と最も接近する下端面が下殻
2ABの内面に当接させないようにすることが好まし
い。
【0302】このような構成の本実施の形態の2枚貝生
剥装置1Fの内臓分離手段9Bによれば、前述した第6
の実施の形態の2枚貝生剥装置1Eの内臓分離手段9A
と同様の効果を奏することができる。
【0303】また、本実施の形態の2枚貝生剥装置1F
の内臓分離手段9Bは、内臓2bを分離する分離可能状
態において、閉殻筋2aの上面を押さえることができる
ので、内臓2bを吸引する際に、下殻2ABと閉殻筋2
aとの接合部位の一部が下殻2ABと接合していないこ
とに起因する閉殻筋2aの損傷をより確実に防止するこ
とができ、商品価値の高い閉殻筋2aの歩留まりをより
向上させることができる。
【0304】なお、内臓2bを吸引する際に、凹部10
2の底壁の閉殻筋2aの上面に当接する部位は、閉殻筋
2aの上面と摺動するので、摺動抵抗を低減させるとと
もに、摺動抵抗により閉殻筋2aのねじれ、および、こ
の閉殻筋2aのねじれによる閉殻筋2aの損傷を防止す
るうえで、摩擦係数が低く食品衛生上安全なふっ素樹脂
などのシートあるいはフィルム状の樹脂を固着したり、
樹脂コーティングを施すことが好ましい。
【0305】図42から図55は本発明に係る2枚貝生
剥方法を適用する本発明に係る2枚貝生剥装置の第8の
実施の形態を示すものであり、図42は非食部分離手段
たる内臓分離手段の要部を示す正面図であり、図43は
図42の内臓分離手段の要部を貝移送方向の下流側から
見て示す部分拡大側面図であり、図44は図43の要部
の縦断面図であり、図45は図42の内臓分離手段の吸
引手段の要部を示す正面図であり、図46は図45のA
−A線に沿った平面図であり、図47は図45のB−B
線に沿った平面図であり、図48は図45の要部の拡大
縦断面図であり、図49は図42の殻押さえの要部を示
す正面図であり、図50は図49の平面図であり、図5
1は図42の内臓分離手段の吸引体と殻押えとの位置関
係を示す説明図であり、図52は図42の内臓分離手段
の吸引体による内臓の固定状態を示す要部の拡大縦断面
図であり、図53は図42の内臓分離手段の吸引体によ
る内臓の保持状態を示す要部の拡大縦断面図であり、図
54は図42の内臓分離手段の吸引体による内臓の分離
状態の途中経過を示す要部の拡大縦断面図であり、図5
5は図42の内臓分離手段の吸引体による内臓の通過状
態を示す要部の拡大縦断面図である。
【0306】本実施の形態における2枚貝生剥装置1G
は、前述した第1の実施の形態の2枚貝生剥装置1の内
臓分離手段9による内臓2bの分離効率をよりさらに向
上させたものであり、その他の構成は前述した第1の実
施の形態の2枚貝生剥装置1と同様の構成とされてい
る。よって、本実施の形態の2枚貝生剥装置1Gにおい
ては、内臓分離手段9Cについてのみ説明し、その他の
構成の説明は省略する。また、前述した実施の形態のも
のと同一ないし相当する構成については、図面中に同一
の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0307】図42に示すように、本実施の形態におけ
る2枚貝生剥装置1Gの非食部分離手段たる内臓分離手
段9Cは、下殻2ABから閉殻筋2a以外の内臓2bを
分離するための分離本体230を有している。この分離
本体230は、帆立貝2の下殻2ABの内面に付着して
いる、詳しくは閉殻筋2aの外周の外側に環状になって
接合しているウロと称される肝臓やヒモと称される外套
膜などの内臓2bを負圧を用いて吸引することにより分
離(吸引除去)するための吸引手段231を有してい
る。この吸引手段231は、帆立貝2の下殻2ABの内
面と対向するようにして配設された複数、例えば6個の
吸引ノズル232(一部のみ図示)と、この吸引ノズル
232の図43において下方に示す先端に溶接などによ
り固着された略箱形の吸引体233とを具備している。
そして、本実施の形態における吸引手段231を構成す
る吸引ノズル232と吸引体233とは、それぞれ個別
に形成された後に、溶着、接合等により一体化されてい
る。
【0308】前記吸引ノズル232の下部の外周面に
は、図45および図46に示すように、矢印Aにて示す
貝移送方向に対して直交する方向に軸芯を有する1対の
ローラ234,234が回転自在に配設されている。こ
のローラ234,234は、後述する殻押さえ235の
上面に常に当接するようにされている。
【0309】前記吸引体233は、図46に示すよう
に、所望の間隔を隔てて相互に対向するようにして配設
された平面矩形形状の天板236aと底板236bとの
周囲を側板236cにて覆ってなる中空の箱形に形成さ
れたケース体236を有している。このケース体236
は、図46から図48に示すように、その長手方向が矢
印Aにて示す貝移送方向に対して平行に延在するように
して配設されており、ケース体236の天板236aの
左端近傍が、吸引ノズル232の先端に固着されてい
る。そして、ケース体236の吸引ノズル232との固
着位置には、図48において上下方向に示す板厚方向に
貫通する吸引孔237が設けられている。この吸引孔2
37は、図46および図47に示すように、ケース体2
36の天板236aおよび底板236bに、相互に対向
するようにして形成された上下1対の右側が欠けた平面
略三日月形の開口237a,237bにより形成されて
おり、この吸引孔237は、吸引ノズル232の内部に
連通されている。さらに、吸引孔237は、帆立貝2の
閉殻筋2aの外周の外側に接合している内臓2bの内の
ウロの部位と対向するように配設されており、吸引孔2
37は、吸引ノズル232に負圧が作用した際に、吸引
孔237の下方に位置する内臓2bの内のウロを吸引可
能に形成されている。
【0310】前記ケース体236の内部には、図47お
よび図48に示すように、往復動シリンダ238がその
出力軸238aを貝移送方向の上流側に向けて配設され
ている。そして、往復動シリンダ238の出力軸238
aには、吸引孔237の軸方向に対して直交する方向に
櫛の歯状に整列配置された複数のピン239を具備する
フォーク体240が各ピン239の先端を貝移送方向の
上流側に位置するようにして配設されている。そして、
往復動シリンダ238は、フォーク体240の各ピン2
39が吸引孔237を塞ぐようにして閉じることができ
るように常にはその出力軸238aが前進端に位置して
おり、往復動シリンダ238の出力軸238aを後退さ
せることにより、フォーク体240の各ピン239は、
貝移送方向の下流側に向かって移動して吸引孔237を
上下方向に解放することができるようになっている。
【0311】前記往復動シリンダ238およびフォーク
体240により、本実施の形態の吸引ノズル232に負
圧が作用した際に、吸引孔237に作用する負圧を損な
わずに吸引した内臓2bが吸引孔237を通過可能な通
過状態と、吸引した内臓2bが吸引孔237の部位で停
止する非通過状態とを選択的に切り換えるように吸引孔
237を開閉する吸引孔開閉手段241が構成されてい
る。
【0312】図3に戻って、吸引ノズル232の軸方向
の略中央部位の外周面には、吸引ノズル232を上下方
向に摺動可能に支持するスリーブ242が装着されてい
る。このスリーブ242の上端面は、スリーブ242の
上方に位置するようにして吸引ノズル232の外周面に
装着された上圧縮コイルばね243の下端が当接されて
おり、この上圧縮コイルばね243の上端は、吸引ノズ
ル232の上方の外周面に取着された止め輪244に当
接されている。また、スリーブ242の下端面は、スリ
ーブ242の下方に位置するようにして吸引ノズル23
2の外周面に装着された下圧縮コイルばね245の上端
が当接されており、この下圧縮コイルばね245の下端
は、吸引ノズル232の下部の外周面に突設されたばね
受部246に当接されている。
【0313】すなわち、吸引ノズル232は、上圧縮コ
イルばね243および下圧縮コイルばね245の付勢力
をもってスリーブ242に対して上下方向へ移動自在に
形成されており、吸引ノズル232の各ローラ234,
234は、上圧縮コイルばね243および下圧縮コイル
ばね245の付勢力をもって殻押さえ235の上面に当
接されるようになっている。
【0314】前記スリーブ242は、軸方向の外周面の
両端が小径の段付き円筒形に形成されており、このスリ
ーブ242の上部に形成された段部は、最も上方に位置
する上フレーム247に形成された板厚方向に貫通する
貫通孔247aに嵌合されて上方から支持されており、
スリーブ242の下部に形成された段部は、上フレーム
247の下方に、上フレーム247と平行に延在する中
フレーム248に形成された板厚方向に貫通する貫通孔
248aに嵌合されている。
【0315】前記上フレーム247は、図42に示すよ
うに、略下向きコ字状に形成されており、中フレーム2
48は、図42に示すように、略平板状に形成されてい
る。そして、上フレーム247および中フレーム248
は、図44に示すように、それぞれの長手方向が貝移送
方向に対して直交するようにして配置されている。ま
た、上フレーム247と中フレーム248とは、上フレ
ーム247と中フレーム248とを着脱自在に締結す
る、ボルト、ナットおよびパイプ状のスリーブなどから
なる複数の締結部材249により、スリーブ242の外
周面の両段部の間隔をもって平行に固定されている。
【0316】すなわち、スリーブ242は、上フレーム
247と、その下方に配設された中フレーム248とに
より狭持されるようにして支持されている。
【0317】また、中フレーム248の長手方向の両端
部近傍の上面には、図42から図44に示すように、上
フレーム247および中フレーム248を図1に矢印B
にて示すように、矢印Aにて示す貝移送方向の下流側に
向かって平行移動させるための駆動源としての移動用往
復動シリンダ250がその出力軸250aの先端を図1
に矢印Aにて示す貝移送方向の上流側に向かうようにし
て配設されている。
【0318】前記スリーブ242の下端部近傍の外周面
には、図44に示すように、中フレーム248の下方に
平行に延在する下フレーム251に形成された板厚方向
に貫通する貫通孔251aが嵌合されている。この下フ
レーム251は、図42に示すように、略下向きコ字状
に形成されており、その長手方向が貝移送方向に対して
直交するようにして配置されている。そして、下フレー
ム251の長手方向の両端近傍の上面には、図42から
図44に示すように、中フレーム248を、図42に矢
印Bにて示すように、図42に矢印Aにて示す貝移送方
向に対して平行移動させるためのリニアシャフト252
aおよびこのリニアシャフト2523aに装着されリニ
アシャフト252aに沿って移動自在に配設された2個
のリニアガイド252bを有する左右1対の公知の直動
機構252(一方のみ図示)が配設されている。
【0319】図42に示すように、前記リニアシャフト
252aの両端部は、下フレーム251の両端部に図4
2にて矢印Aにて示す貝移送方向に対して直交するよう
にして立設された前後1対の支持板253,253に取
着されている。そして、図42に矢印Aにて示す貝移送
方向の上流側に位置する支持板253の上端は、前記移
動用往復動シリンダ250の出力軸250aより上方に
位置しており、前記移動用往復動シリンダ250の出力
軸250aの先端は、この支持板253の上部に取着さ
れている。
【0320】前記移動用往復動シリンダ250および直
動機構252により、吸引ノズル232および吸引体2
33が閉殻筋2aの上面に沿って移動するように吸引ノ
ズル232および吸引体233と2枚貝としての帆立貝
2の少なくとも一方を移動させる移動手段254が構成
されている。
【0321】前記下フレーム251の両端縁には、図4
3および図44に示すように、下フレーム251を上下
方向に移動可能とするための下フレーム駆動シリンダ
(往復動シリンダ)255が取付部材256を介して取
着されている。この下フレーム駆動シリンダ255は、
その出力軸255aの先端を下方に向けて取付部材25
6に取着されている。さらに、下フレーム駆動シリンダ
255は、その上部に貝移送方向の上流側および下流側
に向かって延出されたフランジ257を有している。ま
た、下フレーム駆動シリンダ255は、図44に示すよ
うに、チェーンコンベア16の外側に配設されたサブフ
レーム258の外側に取着されている支持ステー259
にその出力軸255aを下方に向けて取着されている。
【0322】すなわち、下フレーム駆動シリンダ255
は、その出力軸255aを進退させることにより、下フ
レーム駆動シリンダ255それ自身が上下方向に移動し
て、下フレーム251を上下方向に移送させることがで
きるようになっている。さらに詳しく説明すると、本実
施の形態においては、下フレーム駆動シリンダ255を
駆動することにより、下フレーム駆動シリンダ255の
出力軸255aが下フレーム駆動シリンダ255を上下
方向に昇降させ、この下フレーム駆動シリンダ255の
昇降運動は、分離本体230の全体を昇降させ、これに
より、分離本体230を下殻2に対して接離させること
ができるようになっている。
【0323】前記支持ステー259には、図43に示す
ように、下フレーム駆動シリンダ255を両側から挟む
ようにして、下フレーム駆動シリンダ255が上下方向
に移動する際の移動軌跡を規制するための前後1対のパ
イプ体260(一方のみ図示)が所望の間隔を隔てて配
設されており、このパイプ体260の上端部は、下フレ
ーム駆動シリンダ255のフランジ257を板厚方向に
貫通するようにして配設されている。また、パイプ体2
60のフランジ257と支持ステー259との間の外周
面には、圧縮コイルばね261が装着されており、この
圧縮コイルばね261の付勢力をもって下フレーム駆動
シリンダ255の急激な移動を緩衝し、下フレーム25
1の上下方向への移動動作を円滑にすることができるよ
うになっている。
【0324】前記下フレーム251の各吸引ノズル23
2の配設位置の周囲には、それぞれ下部が小径とされた
3個の段付きスリーブ262が取着されている。この各
段付きスリーブ262の内部には、図44に示すよう
に、断面略L形状の上下1対の軸受部材263,263
を介して上下方向に摺動自在とされた摺動ロッド264
が配設されている。この摺動ロッド264の上端部に
は、摺動ロッド264の下方への最大移動位置を規制す
るために位置決め部材265が取着されている。さら
に、摺動ロッド264の下端面には、下殻2ABの縁部
を上方から押圧するための殻押さえ235が防振ゴムな
どからなる取付部材266を介して取着されている。ま
た、摺動ロッド264の外周面の下部には、圧縮コイル
ばね267が装着されている。この圧縮コイルばね26
7の一端(上端)は、段付きスリーブ262の下部に装
着された軸受部材263の下端面に当接されており、圧
縮コイルばね267の他端(下端)は、取付部材266
の上端面に当接されている。
【0325】すなわち、摺動ロッド264は、圧縮コイ
ルばね267の付勢力をもって常に下方に向かって付勢
されるようになっており、これにより、殻押さえ235
は、圧縮コイルばね267の付勢力をもって下殻2AB
の縁に当接可能とされている。
【0326】また、摺動ロッド264の上方に位置する
中フレーム248には、摺動ロッド264が上方へ移動
した際に、摺動ロッド264の上端部に配設した位置決
め部材265が中フレーム248に衝突して干渉するの
を防止することができる貫通孔268が設けられてい
る。
【0327】図49および図50に示すように、殻押さ
え235は、図49に矢印Aにて示す貝移送方向の上流
側の下面が貝移送方向に対して直交する方向に凹んだ凹
溝269が設けられた正面略矩形形状で、図50に矢印
Aにて示す貝移送方向の下流側が開口270とされた平
面略コ字形状の嵌合溝271が設けられた全体として平
面略コ字形状に形成されている。そして、図42および
図51に示すように、殻押さえ235の嵌合溝271の
内部には、前記吸引体233が貝移送方向に対して平行
な方向へ摺動自在にして嵌合されている。また、殻押さ
え235の嵌合溝271の内部に対する吸引体233の
嵌合状態における位置関係は、殻押さえ235と吸引体
233との両者の下面が略同一平面上に位置し、殻押さ
え235の右端より吸引体233の右端が貝移送方向の
下流側に突出するようにされている。さらに、吸引体2
33の各ローラ15は、殻押さえ235の上面に当接す
るようにされている。
【0328】図42に戻って、前記各吸引ノズル232
の上端には、蛇腹状などの伸縮性および可撓性を備えた
内臓移送ホース272の一端が接続されている。この内
臓移送ホース272の他端は、チャンバ65に接続され
ている。そして、チャンバ65には、三方電磁弁を介し
て真空ポンプ(共に図示せず)が接続されており、内臓
移送ホース272に負圧と正圧とを必要に応じて選択的
に供給することができるようになっている。また、チャ
ンバ65の下部には、開閉自在な開閉扉66が配設され
ており、内臓移送ホース272を通過した内臓2bを、
その都度、開閉扉66を開閉して容器あるいは排出コン
ベア(図示せず)に排出できるようにされている。
【0329】つぎに、前述した構成からなる本実施の形
態の作用について説明する。
【0330】前述したように殻分離手段8によって上殻
2AAが分離された帆立貝2(閉殻筋2aおよび内臓2
bなどの身の付いた下殻2AB)が載置された原貝載置
板18は、搬送手段3によって図1に矢印Aにて示す貝
移送方向に移送されて本実施の形態の内臓分離手段9C
の配設位置で停止し、停止している時間内に非食部除去
工程175Bが行われる。
【0331】本実施の形態の内臓分離手段9Cの非食部
除去工程175Bによれば、原貝載置板18は、内臓分
離手段9Cの待機状態とされた分離本体230、すなわ
ち、下殻2ABの内面に接合して付着している閉殻筋2
aの中心と吸引手段231の吸引ノズル232の軸芯と
が略一致するように対向する位置で停止する。この分離
本体230は、待機状態においては、図44に示すよう
に、下フレーム駆動シリンダ255の出力軸255aが
下方に向かって前進(伸張)した前進端(下方)に位置
しており、下フレーム駆動シリンダ255の出力軸25
5aによって、下フレーム駆動シリンダ255、すなわ
ち、分離本体230の各部は、原貝搭載板18から最も
離間した上昇端に位置している。
【0332】なお、下殻2ABが待機状態とされた分離
本体230の配設位置で停止した際に、吸引体233の
吸引孔237を内臓2bのうちのウロ(肝臓:図38参
照)と対向させることが内臓2bを効率よく確実に分離
させるうえで最も好ましい。さらに説明すると、吸引孔
237は、閉殻筋2aおよび内臓2bのすべてと対向す
るのではなく、吸引孔237の最も幅の広い部位が内臓
2bのうちのウロ(肝臓)の部位と対向し、閉殻筋2a
の上方を吸引体233の下面が覆うように位置させるこ
とが閉殻筋2aの破損を防止するうえで好ましい。
【0333】また、図42に示すように、移動手段25
4を構成する移動用往復動シリンダ250の出力軸25
0aは、後退(収縮)した後退端(左方)に位置してお
り、移動用往復動シリンダ250の出力軸250aおよ
び直動機構252によって上フレーム247および中フ
レーム248、すなわち、図42に示すように、吸引手
段231は左方に位置し、図51に示すように、吸引手
段231の吸引体233は殻押さえ235の嵌合溝27
1の左方に位置している。
【0334】さらにまた、図47および図48に示すよ
うに、吸引体233の内部に配設された吸引孔開閉手段
241を構成する往復動シリンダ238の出力軸238
aは、前進(伸張)した前進端(左方)に位置してお
り、往復動シリンダ238の出力軸238aによってフ
ォーク体240の各ピン239が吸引体233の吸引孔
237を塞ぐように閉じた非通過状態を保持して左方に
位置している。
【0335】そして、原貝載置板18が分離本体230
の配設位置で停止すると、所定のタイミングで下フレー
ム駆動シリンダ255が駆動し、下フレーム駆動シリン
ダ255の出力軸250aが収縮して後退し、下フレー
ム駆動シリンダ255それ自身を図44において下方に
向かって降下させる。この下フレーム駆動シリンダ25
5の降下は、分離本体230の全体を降下させる。
【0336】ついで、下フレーム駆動シリンダ255の
出力軸255aが後退端、すなわち、分離本体7が降下
端に達する前に、殻押さえ235の下面が下殻2ABの
縁に当接し、殻押さえ235および吸引手段231の降
下は、この殻押さえ235が下殻2ABの縁に当接した
位置で停止する。また、殻押さえ235が下殻2ABの
縁に当接した位置で停止するのにともなって吸引手段2
31も停止する。
【0337】そして、下フレーム駆動シリンダ255の
出力軸255aが後退端、すなわち、分離本体230が
降下端に達すると、殻押さえ235は、摺動ロッド26
4の下部の外周面に装着された圧縮コイルばね267の
付勢力をもって下殻2ABの縁を押さえ、その結果、下
殻2ABは、殻押さえ235と原貝搭載板18との間に
圧縮コイルばね267の付勢力をもって挟持されて固定
され、各部は固定状態とされる。この際、殻押さえ23
5は、圧縮コイルばね267の付勢力をもって下殻2A
Bと当接されるので、下殻2ABに過剰な当接力が加わ
ることによる下殻2ABの破損を確実に防止することが
できる。
【0338】したがって、本実施の形態における下フレ
ーム駆動シリンダ255は、分離本体230を下殻2A
Bに対して接離させるとともに、下フレーム駆動シリン
ダ255の出力軸255aが後退端に達した際に、殻押
さえ235と原貝搭載板18とにより下殻2ABを固定
する機能を有している。
【0339】また、吸引手段231の一部を構成する吸
引体233の各ローラ234,234は、吸引ノズル2
32の外周面の上下にスリーブ242を介して装着され
た上圧縮コイルばね243および下圧縮コイルばね24
5の付勢力をもって殻押さえ235の上面と当接される
ので、各ローラ234,234と殻押さえ235との当
接状態を確実に保持することができる。
【0340】前記殻押さえ235が下殻2ABの縁を押
さえた固定状態における吸引手段231の要部を図52
に示す。
【0341】ついで、下フレーム駆動シリンダ255の
出力軸255aが後退端に達すると、図示しないセンサ
により、下フレーム駆動シリンダ255の出力軸255
aが後退端に達したことが検出され、この検出信号に基
づいて、内臓移送ホース272を介して吸引ノズル23
2の内部に負圧が供給される。すると、吸引体233の
吸引孔237を介して下殻2ABの内面に対して、内臓
2bを下殻2ABから離間する方向に負圧が作用し、閉
殻筋2aの周囲に環状になって接合している内臓2bの
内のウロが閉殻筋2aから離間して吸引孔237の内部
に吸引される。そして、吸引孔237の内部に吸引され
た内臓2bの内のウロは、吸引孔237に作用する負圧
を損なわずに吸引孔237を塞ぐように閉状態を保持し
ている吸引孔開閉手段241を構成するフォーク体24
0の複数のピン239により、吸引孔237の内部に保
持される。
【0342】すなわち、吸引ノズル232の内部に作用
した負圧によって、内臓2bの内の一部たるウロの部位
は、下殻2ABの内面から離間する方向に持ち上げられ
て吸引孔237の内部に保持されることになる。この吸
引ノズル232の内部に作用した負圧によって内臓2b
の内のウロの部位が下殻2ABの内面から離間する方向
に持ち上げられて保持された保持状態を図53に示す。
【0343】ついで、移動手段254の一部を構成する
移動用往復動シリンダ250が、吸引ノズル232の内
部に作用した負圧によって内臓2bの内のウロの部位を
下殻2ABの内面から離間する方向に持ち上げたタイミ
ングで駆動し、移動用往復動シリンダ250の出力軸2
50aが前進(伸張)し、直動機構252を介して下フ
レーム251の上方に支持された上フレーム247およ
び中フレーム248を図42に矢印Bにて示すように、
図42に矢印Aにて示す貝移送方向の下流側たる右方に
向かって平行に移動させる。この上フレーム247およ
び中フレーム248の移動は、吸引手段231を図42
に矢印Bにて示すように、図42に矢印Aにて示す貝移
送方向の下流側たる右方に向かって平行に移動させる。
【0344】そして、吸引手段231の移動は、吸引手
段231の吸引ノズル232の下部の外周面に配設され
た各ローラ234,234が回転しながら殻押さえ23
5の上面に当接することにより円滑に行われるととも
に、吸引手段231の移動は、吸引体233の吸引孔2
37の内部に内臓2bの内のウロの部位を保持した状態
で行われる。
【0345】すなわち、移動手段254は、吸引孔23
7の内部に内臓2bの内のウロ4aの部位を保持した状
態で吸引体233を閉殻筋2aの上面に沿って貝移送方
向の下流側に向かって移動する。
【0346】そして、吸引孔237の内部に保持された
内臓2bの内のウロが閉殻筋2aの上面に沿って貝移送
方向の下流側に向かって移動する途中で、ウロに隣位す
る部位から順に内臓2bの他部が繋がって閉殻筋2aか
ら分離する。つまり、移動手段254により吸引手段2
31を移動させることにより、内臓2bの他部をウロに
隣位する部位から順に繋がって閉殻筋2aから分離する
ことができる。この移動手段254による吸引手段23
1の移動途中における内臓2bの分離状態の途中経過を
図54に示す。
【0347】また、吸引孔237の内部に保持された内
臓2bの内のウロを閉殻筋2aの上面に沿って貝移送方
向の下流側に向かって移動する際に、閉殻筋2aの上面
は、吸引体233の下面および吸引孔237の内部に保
持したウロ4aで覆うことができるので、閉殻筋3に負
圧が強く作用して閉殻筋2aが繊維方向に裂けたり、閉
殻筋2aを構成する貝柱2aaと小柱2abとが分離し
たりするなどの閉殻筋2aの損傷を確実に防止すること
ができる。
【0348】ついで、移動手段254を構成する移動用
往復動シリンダ250の出力軸250aが前進端に達す
ると、図示しないセンサにより、移動用往復動シリンダ
250の出力軸250aが前進端に達したことが検出さ
れ、この検出信号に基づいて、吸引孔開閉手段22の一
部を構成する往復動シリンダ238が駆動し、往復動シ
リンダ238の出力軸238aが収縮して後退する。こ
の往復動シリンダ238の出力軸238aの後退によ
り、吸引孔237内に位置するフォーク体240の各ピ
ン体239が吸引孔237の内部から離間するように移
動し、フォーク体240の各ピン239が吸引体233
の吸引孔237を分離した内臓2bが通過可能なように
開いた通過状態となって右方に位置する。そして、吸引
孔開閉手段241の一部を構成するフォーク体240の
各ピン239が吸引体233の吸引孔237を開けた通
過状態になると、吸引孔237の内部に保持されていた
内臓2bは、吸引孔237を介して吸引ノズル232の
内部に吸引されて下殻2ABから除去される。この吸引
孔開閉手段241の内臓2bが吸引孔237を通過可能
な通過状態を図55に示す。
【0349】そして、吸引手段231を構成する吸引ノ
ズル232の内部に吸引された内臓2bは、内臓移送ホ
ース272を通過してチャンバ65に回収される。
【0350】また、吸引孔開閉手段241が通過状態と
されて下殻2ABの内面(詳しくは、閉殻筋2a)から
の内臓2bの分離(除去)が終了すると、内臓移送ホー
ス272に対する負圧の供給を停止し、開閉扉66を開
閉してチャンバ65に回収した内臓2bを容器あるいは
排出コンベア(図示せず)に排出するとともに、往復動
シリンダ238および移動用往復動シリンダ250なら
びに下フレーム駆動シリンダ255は順次逆動作し、吸
引孔開閉手段241および移動手段254ならびに下フ
レーム251などの分離本体230の各部は、それぞれ
待機状態に復帰する。
【0351】そして、分離本体230が待機状態に復帰
すると、移送手段3が稼動し、つぎに内臓2bを分離す
る下殻2ABを搭載した原貝搭載板18が、待機状態と
された分離本体230の配設位置へ搬送され、内臓2b
が分離されて閉殻筋2aのみが付着した下殻2ABを搭
載した原貝搭載板18は、分離本体230から離間する
ように搬送される。
【0352】したがって、本実施の形態の2枚貝生剥装
置1Gによれば、前述した第1の実施の形態の2枚貝生
剥装置1と同様の効果を奏することができる。
【0353】また、本実施の形態の2枚貝生剥装置1G
の内臓分離手段9Cによれば、閉殻筋2aから内臓2b
を分離する際に、閉殻筋2aの上面を吸引体233の下
面および上方に保持した内臓2bで覆うことができるの
で、閉殻筋2aに負圧が加わって、閉殻筋2aが繊維方
向に裂けたり、閉殻筋2aを構成する貝柱2aaと小柱
2abとが分離したりするなどの閉殻筋2aの破損をよ
りさらに確実に防止することができ、商品とすることの
できる閉殻筋2aの歩留まりをより確実に向上させると
ともに、閉殻筋2a以外の内臓2bをより効率よく、か
つ、確実により容易に分離することができる。つまり、
労力をかけずに、帆立貝2の大量処理を短時間で可能と
することができる。
【0354】なお、本実施の形態の内臓分離手段9C
は、非食部分離装置として単独で用いてもよい。そし
て、本実施の形態の内臓分離手段9cを非食部分離装置
として単独で用いる場合には、搬送手段3を設けずに、
吸引ノズル232の下方に下殻2ABを下方から支持す
る支持部材を配設し、人手あるいはロボットを用いて下
殻を2aを支持部材に供給する構成としてもよい。
【0355】さらにまた、本実施の形態の吸引体233
の内部に、吸引孔237の内部に保持した内臓2bの内
のウロをケース体236の図53において左方に示す左
側板236cとの間に挟持するようにして把持する図示
しない把持手段を設けてもよい。この把持手段として
は、吸引体233の内部の移動用往復動シリンダ250
の下部に移動用往復動シリンダ250と同様の往復動シ
リンダを移動用往復動シリンダ250と同様にして配設
するとともに、この往復動シリンダの出力軸の先端に複
数のロッド体を取着する構成などが例示される。
【0356】図56および図57は本発明に係る2枚貝
生剥方法を適用する本発明に係る2枚貝生剥装置の第9
の実施の形態を示すものであり、図56は浮上防止手段
および水分供給手段の要部を示す正面図であり、図57
は図56の浮上防止手段の要部を示す平面図である。
【0357】本実施の形態における2枚貝生剥装置1H
は、前述した第1の実施の形態の2枚貝生剥装置1の食
する部位としての閉殻筋2aが接合している貝殻2Aと
しての下殻2ABから閉殻筋2b以外の非食部としての
内臓2bを分離する際に、下殻2ABの浮き上がりを防
止して殻押さえ76と下殻2ABの縁との接離動作を円
滑に行うための浮上防止手段220および内臓2bの分
離効率をより向上させるための水分供給手段225を設
けたものであり、その他の構成は前述した第1の実施の
形態の2枚貝生剥装置1と同様の構成とされている。よ
って、本実施の形態の2枚貝生剥装置1Hにおいては、
浮上防止手段220および水分供給手段225について
のみ説明し、その他の構成の説明は省略する。また、前
述した実施の形態のものと同一ないし相当する構成につ
いては、図面中に同一の符号を付し、その詳しい説明は
省略する。
【0358】図56および図57に示すように、本実施
の形態の2枚貝生剥装置1Gの浮上防止手段220は、
内臓分離手段9による内臓2bの分離の際に、殻押さえ
76と下殻2ABの縁との接離動作を円滑に行うための
のものであり、この浮上防止手段220は、図56およ
び図57に矢印Aにて示す貝移送方向に対して略水平に
配設された略平板状の基板221を有している。この基
板221は、図57に示すように、図57に矢印Aにて
示す貝移送方向の上流側に位置する基体部222と、基
体部222の貝移送方向の下流側に位置する縁の貝移送
方向に対して直交する方向の両端から貝移送方向の下流
側に向かって相互に平行に延出された左右1対の押さえ
プレート223とを有している。
【0359】前記基板221の基体部222は、図56
および図57に示すように、蝶番224を介して前述し
た殻分離手段8の分離板55の貝移送方向の下流側に取
着されている。そして、基板221の押さえプレート2
23の先端は、図56に示すように、基体部222より
下方に位置するようにして前述した内臓分離手段9の吸
引ノズル58より貝移送方向の下流側へ延出されてい
る。さらに、押さえプレート223の先端近傍は、内臓
分離手段9の殻押さえ76の下方に位置している。さら
にまた、両押さえプレート223は、図57に示すよう
に、図57において想像線にて示す下殻2ABの縁を上
方から自重による付勢力をもって原貝搭載板18に向か
って付勢するようにされている。
【0360】図56に示すように、本実施の形態の2枚
貝生剥装置1Gの水分供給手段225は、2枚貝からな
る原貝としての帆立貝2の食する部位としての閉殻筋2
aが接合している貝殻2Aたる下殻2ABの内面に食品
衛生上安全な水分(飲料水)を供給するためのものであ
り、図56に示すように、殻分離手段8の分離板55に
取着された供給ノズル226を有している。この供給ノ
ズル226は、その先端を下殻2ABの内面と対向する
ようにして配設されている。そして、供給ノズル226
には、所望のホース227が接続されており、このホー
ス227には、所定のタイミングで開閉自在とされた制
御バルブ229を介して図56に矢印Aにて示す貝移送
方向に対して直交するようにして配設された水分供給パ
イプ228が接続されている。そして、洗浄液供給パイ
プ22には、主制御バルブ(図示せず)を介して所定圧
力の洗浄液Wがポンプ(図示せず)によって供給される
ようになっている。
【0361】このような構成の本実施の形態の2枚貝生
剥装置1Hによれば、前述した第1の実施の形態の2枚
貝生剥装置1と同様の効果を奏することができる。
【0362】また、本実施の形態の2枚貝生剥装置1H
の浮上防止手段220は、内臓2bを分離する分離状態
において、内臓分離手段9の殻押さえ76が浮上防止手
段220の押さえプレート223を介して下殻2ABの
縁を押さえることができるので、内臓分離手段9の殻押
さえ76を待機状態に復帰させる際に、殻押さえ19と
原貝搭載板18との間に挟持された下殻2ABが殻押さ
え235に付着して、原貝搭載板18から下殻2ABが
浮き上がる、つまり、下殻2ABが殻押さえ76に吸着
して浮上するのを確実に防止することができ、かつ、原
貝搭載板18に載置した下殻2ABの位置ずれを確実に
防止することができる。
【0363】また、殻分離手段8によって上殻2AAが
分離された下殻2ABは、搬送手段3をもって殻分離手
段8から内臓分離手段9へ搬送される際に、下殻2AB
の貝移送方向に対して直交する方向の縁が押さえプレー
ト223によって上方から付勢することができるので、
上殻2AAを分離した後の下殻2ABの姿勢制御を行う
こともできる。
【0364】さらにまた、本実施の形態の2枚貝生剥装
置1Hの水分供給手段225は、制御バルブ229を所
定のタイミングで開閉することにより、下殻2ABの内
面に水分を供給することができるので、下殻2ABの内
面に付着している閉殻筋2a、内臓2bおよび砂などの
異物を十分に濡らす(下殻2ABの内面に水分を溜め
る)ことができ、内臓分離手段9によって内臓2bを分
離する際に、内臓2bおよび砂などの異物とともに水分
を容易に吸引することができ、内臓2bの分離効率をよ
り向上させることができる。つまり、内臓分離手段9に
よって内臓2bを吸引して分離する際に、下殻2ABの
内面に接合している閉殻筋2aおよび閉殻筋2aに接合
している内臓2bならびに砂などの異物が乾燥している
と、内臓2bならびに砂などの異物が閉殻筋2aや下殻
2ABの内面にこびりついた状態になり、閉殻筋2aか
ら内臓2bおよび異物を分離しづらいが、水分で閉殻筋
2a、内臓2bおよび砂などの異物を十分に濡らすこと
により、閉殻筋2aから内臓2bとともに砂などの異物
をより確実に吸引分離し易くすることができる。
【0365】なお、下殻2ABの内面に供給する水分と
しては、低温の温水であってもよい。
【0366】図58から図61は本発明に係る2枚貝生
剥方法を適用する本発明に係る2枚貝生剥装置の第10
の実施の形態を示すものであり、図58は分離前加熱手
段の要部を示す正面図であり、図59は図58のA−A
線に沿った要部の平面図であり、図60は図58の分離
前加熱手段の要部を貝移送方向の下流側から見て示す側
面図であり図61は図58の分離前加熱手段を用いた原
貝搭載板を示す要部の平面図である。
【0367】本実施の形態における2枚貝生剥装置1I
は、前述した第1の実施の形態の2枚貝生剥装置1の分
離前加熱手段10による下殻2ABの表面への熱伝達効
率を向上させたものであり、その他の構成は前述した第
1の実施の形態の2枚貝生剥装置1と同様の構成とされ
ている。よって、本実施の形態の2枚貝生剥装置1Iに
おいては、分離前加熱手段10Aの要部についてのみ説
明し、その他の構成の説明は省略する。また、前述した
実施の形態のものと同一ないし相当する構成について
は、図面中に同一の符号を付し、その詳しい説明は省略
する。また、本実施の形態の分離前加熱手段10Aは、
本発明に係る分離前加熱装置の第2の実施の形態を示す
ものでもある。よって、本発明に係る分離前加熱装置の
説明は省略する。
【0368】図58から図60に示すように、本実施の
形態における2枚貝生剥装置1Iの分離前加熱手段10
Aは、後述する原貝搭載板18aに下方から支持するよ
うにして載置された下殻2ABの表面に向かって加熱源
としての水蒸気Hを噴射する加熱ノズルとして筒状の水
蒸気噴射ノズル23bを有している。この水蒸気噴射ノ
ズル23bは、図58に矢印Aにて示す貝移送方向に対
して直交する方向に対して6個、図58に矢印Aにて示
す貝移送方向に対して平行する貝移送方向に沿った方向
に対して2個の総計12個(一部のみ図示)が適宜な間
隔を隔てて配設されている。そして、各水蒸気噴射ノズ
ル23bは、図58に矢印Aにて示す貝移送方向に対し
て直交する列毎に、図58に矢印Aにて示す貝移送方向
に対して直交するようにして配設された蒸気分配管28
0に立設されている。さらに、蒸気分配管280は、図
58に矢印Aにて示す貝移送方向に対して直交するよう
にして蒸気分配管280に対して平行に配設された水蒸
気供給パイプ24にそれぞれ接続されている。また、水
蒸気分配管280には、必要に応じて水蒸気分配管28
0の内部に溜まった水分を排出するためのドレン281
が適宜な位置に配設されている。
【0369】前記各蒸気分配管280および水蒸気供給
パイプ24は、図59に詳示するように、図59に矢印
Aにて示す貝移送方向に対して直交する方向の両端側に
配設された連結ステー282により一体とされている。
そして、水蒸気供給パイプ24には、制御バルブ(図示
せず)を介して水蒸気Hが所定時間だけポンプ(図示せ
ず)などによって供給されるようになっている。
【0370】図58から図60に示すように、前記各蒸
気分配管280および水蒸気供給パイプ24の上には、
下向きコの字形状に形成された取着体283がその長手
方向を貝移送方向に対して平行にして取着されている。
この取着体283の上面には、貝移送方向に移動する原
貝搭載板18aの走行経路を規制するための、例えば樹
脂により形成された摺動板284が取着されている。す
なわち、本実施の形態の原貝搭載板18aは、摺動板2
84の上面に当接しながら移動可能にされている。ま
た、摺動板284の図59に矢印Aにて示す貝移送方向
の上流側の上部角部には、貝移送方向に移動する摺動板
284を摺動板284の上面へ円滑に案内するための面
取りが施されている。
【0371】前記取着板283および摺動板284に
は、それぞれを板厚方向に貫通するようにして水蒸気噴
射ノズル23bが嵌合されている。この水蒸気噴射ノズ
ル23bの先端は、摺動板284の上面と同一位置もし
くは摺動板284の上面より若干低い位置となるように
されている。
【0372】図58および図60ならびに図61に示す
ように、本実施の形態の原貝搭載板18aには、各貝嵌
合孔19(図61)を下方から取り囲むようにして原貝
搭載板18aを平面矩形形状に区分するための平面コ字
形状の仕切り板285が配設されている。
【0373】すなわち、図58に示すように、分離前加
熱手段10Aの配設位置で原貝搭載板18aが停止する
と、原貝搭載板18a、仕切り板285および摺動板2
82の上面により、下殻2ABの表面を加熱する際に、
下殻2ABの少なくとも閉殻筋2aが接合している部位
の表面を囲繞する閉空間286を形成することができる
ようになっている。
【0374】このような構成の本実施の形態の2枚貝生
剥装置1Iによれば、前述した第1の実施の形態の2枚
貝生剥装置1と同様の効果を奏することができる。
【0375】また、本実施の形態の2枚貝生剥装置1I
の分離前加熱手段10Aは、加熱源としての高温の水蒸
気Hを下殻2ABの表面へ噴射した際に、水蒸気Hを閉
空間286の内部に溜める(保持する)ことができるの
で、下殻2ABの表面への熱伝達効率をより向上させる
ことができる。また、水蒸気Hを閉空間286の内部に
溜めることにより、水蒸気Hが下殻2ABの表面から内
面に回り込んで、下殻2ABの内面に接合している閉殻
筋2aに直接触れるのを防止することもできる。
【0376】なお、本実施の形態においては、加熱ノズ
ルとしての水蒸気噴射ノズル23bを貝移送方向に沿っ
て複数(2個)設けて多段階加熱する、すなわち、加熱
ノズルたる水蒸気噴射ノズル23Bを貝移送方向に沿っ
て原貝搭載板18が停止する位置の間の間隔を隔てて2
個設けて、加熱工程172を2回繰り返す構成、例えば
100℃の水蒸気Hを4秒程度噴射する加熱工程172
と、例えば100℃の水蒸気Hを2秒程度噴射する加熱
工程172とを繰り返す構成としたが、熱ノズルとして
の水蒸気噴射ノズル23bを貝移送方向に沿って1個だ
け設ける構成としてもよい。この加熱ノズルたる水蒸気
噴射ノズル23Bを貝移送方向に沿って1個とするか複
数とするかは、産地、季節による帆立貝2の体温の違い
や製造タクト等を勘案して決定すればよく、特に、本実
施の形態の分離前加熱手段10Aの構成に限定されるも
のではない。なお、水蒸気噴射ノズル23bを貝移送方
向に沿って2カ所配設する構成は、搬送手段3の貝移送
方向の長さ、詳しくは、投入位置SPと排出位置OPと
の距離を長くすることになる。
【0377】図62から図68は本発明に係る2枚貝生
剥方法を適用する本発明に係る2枚貝生剥装置の第11
の実施の形態の要部を示すものであり、図62は可食部
分離手段たる貝柱分離手段の待機状態における要部を示
す正面図であり、図63は図62の貝柱分離手段の要部
を貝移送方向の下流側から見て示す側面図であり、図6
4は図63の貝柱分離手段の要部の部分拡大側面図であ
り、図65は図62の貝柱分離手段の要部の部分拡大背
面図であり、図66は図62の剥離プレートの取着状態
を示す拡大平面図であり、図67は図62の剥離プレー
ト近傍の拡大側面図であり、図68は図62の剥離プレ
ートの移動が終了した移動終了状態を示す要部の拡大側
面図である。
【0378】本実施の形態における2枚貝生剥装置1J
は、前述した第1の実施の形態の2枚貝生剥装置1の貝
柱分離手段11による閉殻筋2bの分離効率を向上させ
たものであり、その他の構成は前述した第1の実施の形
態の2枚貝生剥装置1と同様の構成とされている。よっ
て、本実施の形態の2枚貝生剥装置1Jにおいては、貝
柱分離手段11Aについてのみ説明し、その他の構成の
説明は省略する。また、前述した実施の形態のものと同
一ないし相当する構成については、図面中に同一の符号
を付し、その詳しい説明は省略する。
【0379】図62に示すように、本実施の形態におけ
る2枚貝生剥装置1Jの可食部分離手段たる貝柱分離装
置11Aは、帆立貝2の下殻2ABに付着している閉殻
筋2aを負圧を用いて吸引することにより剥離して分離
(吸引除去)するための分離本体150を有している。
この分離本体150は、帆立貝2の下殻2ABに付着し
ている閉殻筋2aを負圧を用いて吸引することにより下
殻2ABから剥離して分離(吸引除去)するための吸引
ノズル151を有している。この吸引ノズル151は、
図63に示すように、各帆立貝2の下殻2ABの内面と
対向するように、図62に矢印Aにて示す貝移送方向に
対して直交する方向に整列配置されている。
【0380】図64および図65に示すように、各吸引
ノズル151は、略円筒形に形成されており、図64お
よび図65において下方に示す下殻2ABの内面と対向
する先端たる下端部は、帆立貝2の閉殻筋2aの外径よ
り大きい内径の吸引孔152が形成されたノズル部15
3とされ、下殻2ABの内面に対して接離可能とされて
いる。このノズル部153の上部の外周面にはフランジ
154が形成されている。また、吸引ノズル151の上
部は、略円筒形に形成された基体部155とされてお
り、基体部155の外周面の下部および軸方向略中央部
位の2カ所には、円筒形に形成された摺動リング61が
それぞれ軸方向に摺動可能に嵌合されている。さらにま
た、基体部155の外周面の上部には平板状のプレート
62が止め輪63(図示せず)によって取着されてお
り、基体部155の上端部には、図62に示すように、
貝柱移送ホース84の一端が接続されている。
【0381】なお、貝柱移送ホース84には、装置の駆
動時に、常に負圧を供給する構成としてもよい。
【0382】さらにまた、吸引ノズル151の吸引孔1
52のサイズは、原貝選別機(図示せず)により選別さ
れた帆立貝2の閉殻筋2aの大小に対応するサイズのも
のが使用されるようになっている。
【0383】図63および図64に示すように、下フレ
ーム67の両端には、下フレーム駆動シリンダ(往復動
シリンダ)69の出力軸69aの先端が取着されてい
る。この下フレーム駆動シリンダ69は、チェーンコン
ベア16の外側に配設されたサイドフレーム70の外側
にその出力軸69aを下方に向けて取着されている。
【0384】また、摺動ロッド74の下端部には、各吸
引ノズル151に隣位する2個の摺動ロッド74を1組
として、下殻2ABの縁部を上方から押圧するための略
井桁状に形成された殻押さえ156が取付部材77を介
して取着されている。この殻押さえ156の中央部は、
吸引ノズル151のノズル部153の外径寸法より大き
く形成されている。そして、摺動ロッド74は、圧縮コ
イルばね78の付勢力をもって常に下方に向かって付勢
されるようになっており、これにより、殻押さえ156
は、圧縮コイルばね78の付勢力をもって下殻2ABの
縁に当接可能とされている。
【0385】なお、殻押さえ156の少なくとも下殻2
ABとの当接部位は、下殻2ABと当接した場合に下殻
2ABを破損しない素材、例えば、樹脂あるいはゴム等
の弾性体等により形成してもよい。
【0386】図64および図65に示すように、吸引ノ
ズル151のノズル部153の外周面には、ブラケット
157が摺動可能に配設されている。このブラケット1
57は、吸引ノズル151のノズル部153の外周面の
上部に配設された圧縮コイルばね158により支持され
ている。そして、ブラケット157は、図66に詳示す
るように、吸引ノズル151のノズル部153の外周面
に遊嵌される平面円形の板厚方向に貫通する内孔159
を有する基部160と、この基部160から図66にお
いて左方に延出された先端部161とを有している。そ
して、先端部161には、ブラケット157の回転を防
止するための図64において左方に位置する摺動ロッド
74の外周面に装着された圧縮コイルばね78の外周面
が遊嵌可能な板厚方向に貫通する平面略U字状の切欠溝
162が形成されている。
【0387】図67に示すように、ブラケット157の
基部160の内孔159の上部には、吸引ノズル151
のノズル部153の外周面に装着された圧縮コイルばね
158の下端部が取着されるとともに、この圧縮コイル
ばね158を軸方向に最も収縮、すなわち、ブラケット
157の上面に吸引ノズル151のフランジ154の下
面を当接させた場合に、収縮させた圧縮コイルばね15
8を収納可能な凹溝163が形成されている。そして、
圧縮コイルばね158の上端が吸引ノズル151のノズ
ル部153のフランジ154の下面に取着され、圧縮コ
イルばね158の下端がブラケット157の基部160
に形成された凹溝163の底部に取着されており、これ
により、ブラケット157は、吸引ノズル151のノズ
ル部153の外周面に圧縮コイルばね158の付勢力を
もって下殻2ABに接近するように付勢されているとと
もに、吸引ノズル151に連動して昇降可能とされてい
る。また、ブラケット157の最大降下位置は、図67
に詳示する殻押さえ156に配設した位置決め板164
により拘束されるようになっている。
【0388】図64から図67に示すように、ブラケッ
ト157の基部160の側面には、前記分離前加熱手段
10によって加熱された下殻2ABと閉殻筋2aとの接
合部位の少なくとも一部を強制的に剥離(離間)するた
めのナイフ状または刃物状あるいはへら状に形成された
可撓性を有する剥離プレート165が取着されている。
この剥離プレート165は、例えば、ステンレスにより
製せらており、下方に示す先端縁を下殻2ABの内面と
対向するように下方に向けて配設されている。そして、
剥離プレート165は、殻押さえ156に配設された案
内板166により、略くの字形状となるようにして配設
されており、ブラケット157の昇降動作に連動して下
殻2ABの内面に接離可能とされている。また、剥離プ
レート165の先端の配設位置は、図64に示すよう
に、貝柱2aaおよび小柱2abからなる閉殻筋2aの
外周の外側で、かつ、小柱2abの外側の上方に位置す
るようにされている。
【0389】図63および図64に示すように、上フレ
ーム79の両端には、上フレーム駆動シリンダ(往復動
シリンダ)83の出力軸83aの先端が取着されてい
る。この上フレーム駆動シリンダ83は、図64に示す
ように、下フレーム67の両端部の近傍にその出力軸8
3aを上方に向けて取着されている。
【0390】すなわち、下フレーム駆動シリンダ69を
駆動することにより、下フレーム駆動シリンダ69の出
力軸69aが下フレーム67を、図64および図65に
おいて上下方向に昇降させ、この下フレーム67の昇降
運動により、分離本体150の全体を上下方向に昇降さ
せて、殻押さえ156を下殻2ABに対して接離させる
ようにして昇降させるようになっている。
【0391】さらに、上フレーム駆動シリンダ83を駆
動することにより、上フレーム駆動シリンダ83の出力
軸83aが上フレーム79のみを、図64および図65
において上下方向に昇降させ、この上フレーム79の昇
降運動は、プレート62を介して吸引ノズル151に伝
達し、吸引ノズル151の吸引孔152を閉殻筋2aに
対して接離するように昇降させ、また、剥離プレート1
65の先端縁を下殻2ABの内面に対して接離するよう
に昇降可能になっている。この時、剥離プレート165
は、吸引ノズル151の昇降動作に連動して昇降運動す
るようになっている。
【0392】つぎに、前述した構成からなる本実施の形
態の貝柱分離手段11Aの作用について説明する。
【0393】前述したように、分離前加熱手段10によ
って下殻2ABの表面が加熱され内面に食する部位(可
食部)たる閉殻筋2aを有する下殻2ABが載置された
原貝載置板18は、搬送手段3によって図1に矢印Aに
て示す貝移送方向に移送されて本実施の形態の貝柱分離
手段11Aの配設位置で停止し、停止している時間内に
可食部分離工程177Aが行われる。
【0394】なお、帆立貝2は、前述した供給工程17
0において、原貝載置板18の貝嵌合孔19に下殻2A
Bを下方から支持されるように嵌合されるとともに、帆
立貝2の蝶番部2Bがストッパ20に当接するようにし
て原貝載置板18に載置されている(図65)。この蝶
番部2Bをストッパ20に当接させることにより、閉殻
筋2aの小柱2abを剥離プレート165側に確実に位
置させることができる。
【0395】そして、本実施の形態の貝柱分離手段11
Aの可食部分離工程177Aによれば、原貝載置板18
は、貝柱分離手段11Aの待機状態とされた分離本体1
50、すなわち、下殻2ABの内面に付着した閉殻筋2
aが吸引ノズル151の吸引孔152と対向する位置で
停止する。この分離本体150は、待機状態において
は、図64に示すように、下フレーム駆動シリンダ69
の出力軸69aが後退(収縮)した後退端(上方)に位
置しており、下フレーム駆動シリンダ69の出力軸69
aによって、分離本体150の各部は、原貝搭載板18
から最も離間した上昇端に位置している。また、上フレ
ーム駆動シリンダ83の出力軸83aは、前進(伸張)
した前進端(上方)に位置しており、上フレーム駆動シ
リンダ83の出力軸83aによって、吸引ノズル151
の吸引孔152が殻押さえ156の上方に離間した状態
で、原貝搭載板18から最も離間した上昇端に位置して
いる。
【0396】前記原貝載置板18が分離本体150の配
設位置で停止すると、所定のタイミングで下フレーム駆
動シリンダ69が駆動し、下フレーム駆動シリンダ69
の出力軸69aが伸張して前進し、下フレーム67を図
64において下方に向かって降下させる。この下フレー
ム67の降下は、分離本体150を降下させる。
【0397】ついで、下フレーム駆動シリンダ69の出
力軸69aが前進端に達する前、すなわち、分離本体1
50が降下端に達する前に、殻押さえ156が下殻2A
Bの縁に当接し、この下殻2ABの縁に当接した位置
で、殻押さえ156の降下は停止する。また、剥離プレ
ート165の先端縁が下殻2ABの内面に当接し、この
下殻2ABの内面に当接した位置で、剥離プレート16
5の降下は停止する。
【0398】そして、下フレーム駆動シリンダ69の出
力軸69aが前進端、すなわち、分離本体150が降下
端に達すると、殻押さえ156は、摺動ロッド74の下
部の外周面に装着された圧縮コイルばね78の付勢力を
もって下殻2ABの縁を押さえ、その結果、下殻2AB
は、殻押さえ156と原貝搭載板18との間に圧縮コイ
ルばね78の付勢力をもって挟持固定される。この際、
殻押さえ156は、圧縮コイルばね78の付勢力をもっ
て下殻2ABと当接されるので、下殻2ABに過剰な当
接力が加わることによる下殻2ABの破損を確実に防止
することができる。
【0399】すなわち、本実施の形態における下フレー
ム駆動シリンダ69は、分離本体150を下殻2ABに
対して接離させるとともに、下フレーム駆動シリンダ6
9の出力軸69aが前進端に達した際に、殻押さえ15
6と原貝搭載板18とにより下殻2ABを挟持固定する
機能を有している。
【0400】ついで、下フレーム駆動シリンダ69の出
力軸69aが前進端に達すると、図示しないセンサによ
り、下フレーム駆動シリンダ69の出力軸69aが前進
端に達したことが検出され、この検出信号に基づいて、
上フレーム駆動シリンダ83が駆動し、上フレーム駆動
シリンダ83の出力軸83aが収縮して後退し、上フレ
ーム79を図64において下方に向かって降下させる。
この上フレーム79が降下することにより、プレート6
2を介して吸引ノズル151を降下させる。
【0401】また、吸引ノズル151の降下に連動して
ブラケット157が降下し、このブラケット157の降
下により剥離プレート165を降下させ、剥離プレート
165の先端縁は、下殻2ABの内面に沿って中心方向
へ移動して、下殻2ABと閉殻筋2aとの接合部位の一
部、すなわち、下殻2ABと小柱2abとの接合部位に
外側から当接して接合方向に対して略直交する方向(閉
殻筋2aの周方向の外側から内側)への圧力を付与する
ことができる。
【0402】さらに、上フレーム駆動シリンダ83の出
力軸83aが後退端に達する前、すなわち、上フレーム
79が降下端に達する前に、吸引ノズル151とともに
連動して降下するブラケット157は、その下面が殻押
さえ156に配設された位置決め板164の上端面に当
接し、ブラケット157の降下は、ブラケット157の
下面が殻押さえ156に配設された位置決め板164の
上端面に当接した位置で停止し、剥離プレート165の
先端縁の移動も停止する。この剥離プレート165の移
動が終了した移動終了状態を図68に示す。
【0403】また、閉殻筋2aと下殻2ABとの接合力
は、前記分離前加熱手段10をもって下殻2ABの表面
を閉殻筋2aが生の状態を保持するように加熱すること
により弱体化されて単なる密着状態とされているので、
剥離プレート165の先端縁を閉殻筋2aが下殻2AB
と密着している小柱2abの接合部位(小柱2abの側
壁の下部)に当接させて移動する(押す)ことにより、
下殻2ABから閉殻筋2aの全体が容易に剥離(分離)
させることができる。
【0404】すなわち、前記分離前加熱手段10をもっ
て加熱されて下殻2ABに残留している閉殻筋2aと下
殻2ABとが密着状態となって剥がれやすくなった接合
部位に対して、接合方向に対して直交する方向の圧力を
小柱2abへ加えることにより、少なくとも剥離プレー
ト165が移動を終了する迄に、剥離プレート165に
よって下殻2ABから閉殻筋2aをより容易に剥離する
ことができる。言い替えると、閉殻筋2aの一部である
小柱2abの周壁の側面の下部を押すことにより、閉殻
筋2a全体を下殻2ABから容易に剥離することができ
る。
【0405】なお、本実施の形態の剥離プレート165
は、閉殻筋2aを分離する際に下殻2ABと閉殻筋2a
との接合部位を強制的に剥離するが如く動作するが、剥
離プレート165を閉殻筋2aの小柱2abの周壁の側
面(横)を押すような構成としてもよい。
【0406】そして、上フレーム駆動シリンダ83の出
力軸83aがより降下すると、ブラケット157の上面
と吸引ノズル151のフランジ154の下面と当接し、
上フレーム79とプレート62とが離間を開始して吸引
ノズル151の降下が停止するとともに、吸引ノズル1
51の吸引孔152が閉殻筋2aを遊嵌、すなわち、下
殻2ABと接触せずに閉殻筋2aの上部を蓋をするが如
く囲繞する。
【0407】ついで、上フレーム駆動シリンダ83の出
力軸83aが後退端、すなわち、上フレーム79が降下
端に達すると、図示しないセンサにより、上フレーム駆
動シリンダ83の出力軸83aが後退端に達したことが
検出され、この検出信号に基づいて、貝柱移送ホース8
4を介して吸引ノズル151の内部に負圧が供給され
る。すると、吸引ノズル151は、先端の吸引孔152
の下方に位置する空気が吸引孔152を介して吸引ノズ
ル151の内部に吸引され、その結果、剥離プレート1
65により下殻2ABから剥離した閉殻筋2aが吸引孔
152を通過して吸引ノズル151の内部に吸引され
る。
【0408】すなわち、剥離プレート165により少な
くとも下殻2ABから剥がれにくい小柱2abを押圧す
ることにより、閉殻筋2aの全体を下殻2ABから剥離
させて分離したうえで、吸引ノズル151により、閉殻
筋2aを負圧をもって吸引することによって、単に、吸
引ノズル151により下殻2ABから閉殻筋2aを吸引
分離させる際に、下殻2ABと閉殻筋2aとの密着部位
の密着力が部位により異なることに起因して、密着力の
弱い部位が先に吸引されることにより生じる閉殻筋2a
の損傷をより確実に防止するとともに、閉殻筋2aを効
率よく、かつ、確実に下殻2ABから分離することがで
きる。
【0409】また、吸引ノズル151の内部に吸引され
た閉殻筋2aは、貝柱移送ホース84を通過してチャン
バ85に移送される。
【0410】ついで、閉殻筋2aの分離が終了すると、
貝柱移送ホース84に対する負圧の供給を停止し、上フ
レーム駆動シリンダ83および下フレーム駆動シリンダ
69を順次逆動作させることにより、分離本体150が
待機状態に復帰する。そして、分離本体150が待機状
態に復帰すると、移送手段3が駆動し、次に閉殻筋2a
を分離するための下殻2ABを搭載した原貝搭載板18
が、待機状態とされた分離本体150の配設位置へ搬送
され、閉殻筋2aが分離された下殻2ABを搭載した原
貝搭載板18は、貝柱分離手段11Aから離間するよう
に排出位置OPに向かって搬送される。
【0411】したがって、本実施の形態の2枚貝生剥装
置1Jによれば、前述した第1の実施の形態の2枚貝生
剥装置1と同様の効果を奏することができる。
【0412】また、本実施の形態の2枚貝生剥装置1J
の貝柱分離手段11Aによれば、閉殻筋2aの分離効率
をより向上させ、かつ、商品価値の高い閉殻筋2aの歩
留まりをより確実に向上させることができる。
【0413】なお、貝柱移送ホース84に、装置の駆動
時に、常に負圧を供給する構成とすると、貝柱移送ホー
ス84に負圧と正圧とを選択的に供給する機構およびそ
の供給タイミングを制御する必要がないので、装置を簡
単にすることができる。
【0414】さらに、本実施の形態の貝柱分離手段11
Aを従来の2枚貝生剥装置の貝柱分離手段として用いた
り、閉殻筋2aを分離する単機能の貝柱分離装置として
用いたりすることも可能である。
【0415】また、本発明は、前記各実施の形態の構成
に限定されるものではなく、各実施の形態の各部の構成
を組み合わせて用いてもよい。
【0416】さらにまた、本発明は、前記各実施の形態
に限定されるものではなく、必要に応じて変更すること
ができる。
【0417】
【発明の効果】以上説明したように本発明の2枚貝生剥
方法および装置ならびに分離前加熱装置によれば、2枚
貝の貝殻から商品価値の高い高品質の食する部位を生食
に用いるための品質を保持させた状態で効率よく、か
つ、歩留まりよく分離することができるという極めて優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する本発
明に係る2枚貝生剥装置ならびに本発明に係る本発明に
係る分離前加熱装置の第1の実施の形態の要部を示す正
面図
【図2】 図1の搬送手段を示す平面図
【図3】 図2の原貝搭載板の平面図
【図4】 図3の拡大側断面図
【図5】 (a)から(c)は図1の搬送手段の原貝搭
載板の走行を感知するセンサの取着状態を示すものであ
り、(a)は要部の平面図、(b)は要部の正面図、
(c)は要部の側面図
【図6】 図1の貝洗浄手段の要部を貝移送方向の下流
側から見て示す側面図
【図7】 図1の加熱手段の要部を貝移送方向の下流側
から見て示す図6と同様の図
【図8】 図1の強制殻開手段の吸着状態における要部
を貝移送方向の下流側から見て示す側面図
【図9】 図8の強制殻開手段の密着状態における部分
拡大正面図
【図10】 図8の強制殻開手段のパッド駆動手段の要
部を示す部分拡大正面図
【図11】 図10の要部の部分側面図
【図12】 図8の強制殻開手段の密着状態における上
駆動シリンダの配設状態を示す部分拡大正面図
【図13】 図1の殻分離手段の要部を示す拡大正面図
【図14】 図1の非食部分離手段たる内臓分離手段の
要部を貝移送方向の下流側から見て示す図6と同様の図
【図15】 図14の一部拡大側面図
【図16】 図14の一部拡大正面図
【図17】 本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する本
発明に係る2枚貝生剥装置の第1の実施の形態における
2枚貝の加工手順の一例を工程順に説明するブロック図
【図18】 図1の強制殻開手段の待機状態における要
部を示す図10と同様の図
【図19】 図1の強制殻開手段の待機状態における要
部を示す図12と同様の図
【図20】 図1の強制殻開手段の拡開状態における要
部を示す図10と同様の図
【図21】 図1の殻分離手段の作用を説明する説明図
【図22】 図1の殻分離手段により一方の貝殻が分離
された状態を示す説明図
【図23】 図1の非食部分離手段たる内臓分離手段の
吸引ノズルおよび殻押えリングが下殻の内面に当接した
当接状態を示す説明図
【図24】 本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する本
発明に係る2枚貝生剥装置の第2の実施の形態の原貝位
置決め手段の要部を示す正面図
【図25】 図24の原貝位置決め手段の要部を貝移送
方向の上流側から見て示す側面図
【図26】 図25の一部拡大側面図
【図27】 本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する本
発明に係る2枚貝生剥装置の第3の実施の形態の加熱手
段の要部を示す正面図
【図28】 図27の加熱手段の要部を示す平面図
【図29】 図27の加熱手段の要部を貝移送方向の下
流側から見て示す側面図
【図30】 本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する本
発明に係る2枚貝生剥装置の第4の実施の形態の強制殻
貝手段の要部を貝移送方向の下流側から見て示す側断面
【図31】 は本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する
本発明に係る2枚貝生剥装置の第5の実施の形態の強制
殻貝手段に適用した水抜き手段の要部を示す模式図
【図32】 本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する本
発明に係る2枚貝生剥装置の第6の実施の形態の非食部
分離手段たる内臓分離手段の待機状態における要部を示
す正面図
【図33】 図32の内臓分離手段の要部を貝移送方向
の下流側から見て示す側面図
【図34】 図33の内臓分離手段の要部の部分側面図
【図35】 図32の内臓分離手段の要部の部分拡大背
面図
【図36】 (a)および(b)は図32の内臓分離手
段の吸引板を示すものであり、(a)は拡大平面図、
(b)は(a)のA−A線に沿った断面図
【図37】 図34のB−B線に沿った矢視図
【図38】 図32の内臓分離手段の吸引板と帆立貝の
下殻の内面に位置する閉殻筋および内臓との位置関係を
示す説明図
【図39】 図32の内臓分離手段の分離可能状態にお
ける要部を示す図34と同様の図
【図40】 図32の内臓分離手段の分離可能状態にお
ける要部を示す図35と同様の図
【図41】 本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する本
発明に係る2枚貝生剥装置の第7の実施の形態の非食部
分離手段たる内臓分離手段の分離可能状態における要部
を示す部分拡大断面図
【図42】 本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する本
発明に係る2枚貝生剥装置の第8の実施の形態の非食部
分離手段たる内臓分離手段の要部を示す正面図
【図43】 図42の内臓分離手段の要部を貝移送方向
の下流側から見て示す部分拡大側面図
【図44】 図43の要部の縦断面図
【図45】 図42の内臓分離手段の吸引手段の要部を
示す正面図
【図46】 図45のA−A線に沿った平面図
【図47】 図45のB−B線に沿った平面図
【図48】 図45の要部の拡大縦断面図
【図49】 図42の殻押さえの要部を示す正面図
【図50】 図49の平面図
【図51】 図42の内臓分離手段の吸引体と殻押えと
の位置関係を示す説明図
【図52】 図42の内臓分離手段の吸引体による内臓
の固定状態を示す要部の拡大縦断面図
【図53】 図42の内臓分離手段の吸引体による内臓
の保持状態を示す要部の拡大縦断面図
【図54】 図42の内臓分離手段の吸引体による内臓
の分離状態の途中経過を示す要部の拡大縦断面図
【図55】 図42の内臓分離手段の吸引体による内臓
の通過状態を示す要部の拡大縦断面図
【図56】 本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する本
発明に係る2枚貝生剥装置の第9の実施の形態の浮上防
止手段および水分供給手段の要部を示す正面図
【図57】 図56の浮上防止手段の要部を示す平面図
【図58】 本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する本
発明に係る2枚貝生剥装置の第10の実施の形態の分離
前加熱手段および本発明に係る分離前加熱装置の第2の
実施の形態の要部を示す正面図
【図59】 図58のA−A線に沿った要部の平面図
【図60】 図58の分離前加熱手段の要部を貝移送方
向の下流側から見て示す側面図
【図61】 図58の分離前加熱手段を用いた原貝搭載
板を示す要部の平面図
【図62】 本発明に係る2枚貝生剥方法を適用する本
発明に係る2枚貝生剥装置の第11の実施の形態の可食
部分離手段たる貝柱分離手段の待機状態における要部を
示す正面図
【図63】 図62の貝柱分離手段の要部を貝移送方向
の下流側から見て示す側面図
【図64】 図63の貝柱分離手段の要部の部分拡大側
面図
【図65】 図62の貝柱分離手段の要部の部分拡大背
面図
【図66】 図62の剥離プレートの取着状態を示す拡
大平面図
【図67】 図62の剥離プレート近傍の拡大側面図
【図68】 図62の剥離プレートの移動が終了した移
動終了状態を示す図64と同様の図
【符号の説明】 1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1
H、1I、1J 2枚貝生剥装置 2 (2枚貝としての)帆立貝 2A 貝殻 2AA 上殻 2AB 下殻 2a 閉殻筋 2aa 貝柱 2ab 小柱 2b 内臓 2B 蝶番部 3 搬送手段 5 貝洗浄手段 6、6A 加熱手段 7、7A 強制殻開手段 8 殻分離手段 9、9A、9B、9C (非食部分離手段としての)内
臓分離手段 10、10A 分離前加熱手段 11、11A (可食部分離手段としての)貝柱分離手
段 140 原貝位置決め手段 202 カップ体 210 水抜き手段 220 浮上防止手段 225 水分供給手段 289 閉空間 A 貝移送方向 SP 投入位置 OP 排出位置 H 水蒸気 W 洗浄液

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚貝からなる原貝の一方の貝殻の表面
    を原貝の食する部位が生の状態を保持し、かつ、食する
    部位の貝殻との接合部位がゲル状となるように加熱する
    ことを特徴とする2枚貝生剥方法。
  2. 【請求項2】 2枚貝からなる原貝の一方の貝殻の表面
    を原貝の食する部位が生の状態を保持し、かつ、食する
    部位の貝殻との接合部位がゲル状となるように加熱し、
    その後加熱された原貝の各貝殻を強制的に拡開し、その
    後原貝の貝殻から食する部位を分離することを特徴とす
    る2枚貝生剥方法。
  3. 【請求項3】 2枚貝からなる原貝の貝殻から食する部
    位を分離する前に、原貝の食する部位が生の状態を保持
    し、かつ、食する部位の貝殻との接合部位がゲル状とな
    るようにして原貝の食する部位が付着している貝殻の表
    面を加熱することを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の2枚貝生剥方法。
  4. 【請求項4】 2枚貝からなる原貝の一方の貝殻の表面
    を原貝の食する部位が生の状態を保持し、かつ、食する
    部位の貝殻との接合部位がゲル状となるように加熱し、
    加熱された原貝の各貝殻を強制的に拡開し、加熱された
    一方の貝殻を分離し、一方の貝殻が分離された後の他方
    の貝殻から食する部位以外の非可食部を分離して他方の
    貝殻に食する部位を残し、他方の貝殻の食する部位が生
    の状態を保持し、かつ、食する部位の貝殻との接合部位
    がゲル状となるようにして他方の貝殻の表面を加熱し、
    加熱された他方の貝殻から食する部位を分離することを
    特徴とする2枚貝生剥方法。
  5. 【請求項5】 2枚貝からなる原貝の一方の貝殻の表面
    を原貝の食する部位が生の状態を保持するように加熱す
    る加熱手段を有することを特徴とする2枚貝生剥装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱手段は、前記原貝の口が閉じた
    状態を保持するように加熱することを特徴とする請求項
    5に記載の2枚貝生剥装置。
  7. 【請求項7】 前記加熱手段は、前記原貝の食する部位
    が変色しないように加熱することを特徴とする請求項5
    または請求項6に記載の2枚貝生剥装置。
  8. 【請求項8】 前記加熱手段は、水蒸気を加熱源として
    いることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1
    項に記載の2枚貝生剥装置。
  9. 【請求項9】 前記加熱手段は、温水を加熱源としてい
    ることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項
    に記載の2枚貝生剥装置。
  10. 【請求項10】 前記加熱手段は、前記原貝の一方の貝
    殻の表面を加熱するための加熱ノズルを有することを特
    徴とする請求項5乃至請求項9の何れか1項に記載の2
    枚貝生剥装置。
  11. 【請求項11】 前記加熱手段は、前記原貝の一方の貝
    殻の表面を多段階加熱するための複数の加熱ノズルを有
    することを特徴とする請求項10に記載の2枚貝生剥装
    置。
  12. 【請求項12】 前記加熱手段の加熱ノズルは、その先
    端に前記原貝の一方の貝殻の少なくとも食する部位が接
    合している部位の表面を囲繞するように当接可能なカッ
    プ体を有することを特徴とする請求項10または請求項
    11に記載の2枚貝生剥装置。
  13. 【請求項13】 2枚貝からなる原貝を支持して搬送す
    る搬送手段と、 この搬送手段が支持している前記原貝の位置決めを行う
    ための原貝位置決め手段と、を有することを特徴とする
    請求項5乃至請求項12の何れか1項に記載の2枚貝生
    剥装置。
  14. 【請求項14】 2枚貝からなる原貝の貝殻を強制的に
    拡開する強制殻開手段を有することを特徴とする請求項
    5乃至請求項13の何れか1項に記載の2枚貝生剥装
    置。
  15. 【請求項15】 前記強制殻開手段は、 前記原貝の各貝殻に負圧をもって吸着可能に形成された
    1対の吸着パッドと、 この1対の吸着パッドを原貝の口が開くように動作させ
    るパッド駆動手段と、を有することを特徴とする請求項
    14に記載の2枚貝生剥装置。
  16. 【請求項16】 前記吸着パッドの少なくとも貝殻との
    当接部位がスチレン系熱可塑性樹脂によって形成されて
    いることを特徴とする請求項15に記載の2枚貝生剥装
    置。
  17. 【請求項17】 前記強制殻開手段に水抜き手段を設け
    たことを特徴とする請求項14乃至請求項16の何れか
    1項に記載の2枚貝生剥装置。
  18. 【請求項18】 前記水抜き手段は、 前記吸着パッドに対して負圧と正圧との何れか一方を選
    択的に切り換えて作用させる切換バルブと、 この切換バルブと前記吸着パッドとの間に配設され前記
    吸着パッドから前記切換バルブに向かう液分を捕捉する
    とともに正圧が作用した際に捕捉した液分を外部に排出
    する排出弁を具備するエアフィルタと、を有することを
    特徴とする請求項17に記載の2枚貝生剥装置。
  19. 【請求項19】 拡開された2枚貝からなる原貝から一
    方の貝殻を脱殻して食する部位が接合している貝殻を残
    す殻分離手段を有することを特徴とする請求項5乃至請
    求項18の何れか1項に記載の2枚貝生剥装置。
  20. 【請求項20】 拡開された2枚貝からなる原貝の食す
    る部位が接合している貝殻の内面に水分を供給する水分
    供給手段を有することを特徴とする請求項5乃至請求項
    19の何れか1項に記載の2枚貝生剥装置。
  21. 【請求項21】 拡開された2枚貝からなる原貝の貝殻
    から食する部位以外の非食部を分離する非食部分離手段
    を有することを特徴とする請求項5乃至請求項20の何
    れか1項に記載の2枚貝生剥装置。
  22. 【請求項22】 前記非食部分離手段は、 食する部位の外径寸法より大きい内径寸法の吸引孔を具
    備し負圧が作用可能とされた吸引ノズルと、 前記吸引ノズルの吸引孔の先端を食する部位が接合して
    いる貝殻の内面に対して接離させるノズル接離手段と、
    を有することを特徴とする請求項21に記載の2枚貝生
    剥装置。
  23. 【請求項23】 前記吸引ノズルを食する部位が接合し
    ている貝殻の内面に対して接離するように振動させるノ
    ズル振動付与手段を設けたことを特徴とする請求項22
    に記載の2枚貝生剥装置。
  24. 【請求項24】 前記非食部分離手段は、 負圧が作用可能とされた吸引ノズルの先端に非食部を分
    離するための吸引板を装着し前記吸引板に食する部位が
    遊嵌される凹部およびこの凹部の外周側の底壁に形成さ
    れこの凹部と前記吸引ノズルとを連通する吸引孔を設け
    てなる吸引部材と、 前記吸引部材の吸引孔が貝殻に接合している食する部位
    の外周の外側を食する部位の周方向に沿って回転するよ
    うに前記吸引部材および食する部位が接合している貝殻
    の少なくとも一方を回転させる回転駆動手段と、を有す
    ることを特徴とする請求項21に記載の2枚貝生剥装
    置。
  25. 【請求項25】 前記非食部分離手段は、前記非食部を
    分離する際に、前記吸引板の凹部の底壁が食する部位の
    上面に対して当接可能なように構成されていることを特
    徴とする請求項24に記載の2枚貝生剥装置。
  26. 【請求項26】 前記非食部分離手段は、 負圧が作用可能とされた吸引ノズルと、 前記吸引ノズルの先端に固着されたケース体と、このケ
    ース体に設けられ前記吸引ノズルの内部に連通し前記吸
    引ノズルの内部に負圧が作用した際に食する部位以外の
    非食部の一部を食する部位が接合している貝殻の内面か
    ら離間する方向に吸引する吸引孔と、前記ケース体の内
    部に配設され前記吸引ノズルに負圧が作用した際に前記
    吸引孔に作用する負圧を損なわずに吸引した非食部が前
    記吸引孔を通過可能な通過状態と吸引した非食部が前記
    吸引孔の部位で停止する非通過状態とを選択的に切り換
    えるように前記吸引孔を開閉する吸引孔開閉手段とを備
    えた吸引体と、 前記吸引ノズルおよび吸引体が食する部位の上面に沿っ
    て移動するように前記吸引ノズルおよび吸引体と前記貝
    殻との少なくとも一方を移動させる移動手段と、を有す
    ることを特徴とする請求項21に記載の2枚貝生剥装
    置。
  27. 【請求項27】 前記食する部位が接合している貝殻か
    ら食する部位以外の非食部を分離する際に、前記貝殻の
    浮き上がりを防止する浮上防止手段を設けたことを特徴
    とする請求項21乃至請求項26の何れか1項に記載の
    2枚貝生剥装置。
  28. 【請求項28】 拡開された2枚貝からなる原貝の貝殻
    から食する部位を分離する前に、食する部位が接合して
    いる貝殻の表面を食する部位が生の状態を保持するよう
    に加熱する加熱手段を設けたことを特徴とする分離前加
    熱装置。
  29. 【請求項29】 前記加熱手段は、前記原貝の食する部
    位が変色しないように加熱することを特徴とする請求項
    28に記載の分離前加熱装置。
  30. 【請求項30】 前記加熱手段は、水蒸気を加熱源とし
    ていることを特徴とする請求項28または請求項29に
    記載の分離前加熱装置。
  31. 【請求項31】 前記加熱手段は、温水を加熱源として
    いることを特徴とする請求項28または請求項29に記
    載の分離前加熱装置。
  32. 【請求項32】 前記加熱手段は、前記原貝の食する部
    位が付着している貝殻の表面を加熱するための加熱ノズ
    ルを有することを特徴とする請求項28乃至請求項31
    の何れか1項に記載の分離前加熱装置。
  33. 【請求項33】 前記加熱手段は、前記原貝の食する部
    位が付着している貝殻の表面を多段階加熱するための複
    数の加熱ノズルを有することを特徴とする請求項32に
    記載の分離前加熱装置。
  34. 【請求項34】 前記加熱手段は、前記原貝の食する部
    位が付着している貝殻の表面を加熱する際に、前記貝殻
    の少なくとも食する部位が接合している部位の表面を囲
    繞する閉空間を有することを特徴とする請求項32また
    は請求項33に記載の分離前加熱装置。
  35. 【請求項35】 拡開された2枚貝からなる原貝の食す
    る部位が接合している貝殻の表面を原貝の食する部位が
    生の状態を保持するように加熱する分離前加熱手段を有
    することを特徴とする請求項5乃至請求項27の何れか
    1項に記載の2枚貝生剥装置。
  36. 【請求項36】 前記分離前加熱手段は、請求項28乃
    至請求項34の何れか1項に記載の分離前加熱装置であ
    ることを特徴とする請求項35に記載の2枚貝生剥装
    置。
  37. 【請求項37】 拡開された2枚貝からなる原貝の貝殻
    から食する部位を分離する可食部分離手段を有すること
    を特徴とする請求項5乃至請求項27,請求項35,請
    求項36の何れか1項に記載の2枚貝生剥装置。
  38. 【請求項38】 前記可食部分離手段は、 負圧が作用可能とされ貝殻に付着している食する部位を
    吸引するための吸引ノズルと、 貝殻に付着している食する部位の少なくとも一部を強制
    的に剥離するための剥離プレートと、を有することを特
    徴とする請求項37に記載の2枚貝生剥装置。
  39. 【請求項39】 前記可食部分離手段は、貝殻から分離
    した食する部位の損傷を防止する損傷防止部材を有する
    ことを特徴とする請求項37または請求項38に記載の
    2枚貝生剥装置。
  40. 【請求項40】 請求項5乃至請求項12の何れか1項
    に記載の加熱手段と、 原貝の貝殻の表面を洗浄する貝洗浄手段と、 請求項13に記載の搬送手段および原貝位置決め手段
    と、 請求項14乃至請求項18の何れか1項に記載の強制殻
    開手段と、 請求項19に記載の殻分離手段と、 請求項20に記載の水分供給手段と、 請求項21乃至請求項26の何れか1項に記載の非食部
    分離手段と、 請求項27に記載の浮上防止手段と、 請求項35または請求項36に記載の分離前加熱手段
    と、 請求項37乃至請求項39の何れか1項に記載の可食部
    分離手段と、を有することを特徴とする2枚貝生剥装
    置。
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