JPH099086A - 色変換方法 - Google Patents

色変換方法

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JPH099086A
JPH099086A JP7156555A JP15655595A JPH099086A JP H099086 A JPH099086 A JP H099086A JP 7156555 A JP7156555 A JP 7156555A JP 15655595 A JP15655595 A JP 15655595A JP H099086 A JPH099086 A JP H099086A
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signal
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color signal
cmy
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    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/46Colour picture communication systems
    • H04N1/56Processing of colour picture signals
    • H04N1/60Colour correction or control
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    • H04N1/6033Colour correction or control controlled by characteristics of the picture signal generator or the picture reproducer using test pattern analysis

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  • Color Image Communication Systems (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】色信号を第1表色系から第2表色系に高精度に
変換することのできる色変換方法を提供する。 【構成】段階的に色の異なる複数のカラーパッチを測色
することで、色信号CMYと刺激値信号XYZとの関係
を求めるS11、関係に最小自乗法を適用して第1仮想
色信号CMY1* と第1仮想刺激値信号XYZ1* との
関係を求めS12、これらの関係を順変換テーブルとし
て設定しS13、次いで、ニュートン法を用いて順変換
テーブルから第1逆変換テーブルを生成しS14、さら
に、第1逆変換テーブルにおける第1仮想色信号CMY
* と第1仮想刺激値信号XYZ1* との関係を物理的
に整合性のある第2仮想色信号CMY2* と第2仮想刺
激値信号XYZ2* との関係に置き換えることによりS
15、第1逆変換テーブルから第2逆変換テーブルを生
成するS16。第2逆変換テーブルをマッピングして得
られた逆変換テーブルを用いてS17、刺激値信号XY
Zを色信号CMYに変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色信号を第1表色系か
ら第2表色系に変換する色変換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラープリンタ等の出力装置を用いてカ
ラー画像の記録を行う場合、例えば、C、M、Yに係る
色信号を操作することで所望の色を有したカラー画像を
実現することが可能である。しかしながら、前記色信号
は、出力装置の出力特性に依存するため、特性の異なる
外部装置から供給された色信号は、前記出力特性を考慮
して色変換処理を行う必要がある。
【0003】そこで、当該出力装置を用いて色の異なる
複数の既知のカラーパッチを作成し、前記カラーパッチ
を測色することにより、例えば、前記カラーパッチの既
知の色信号CMYを出力装置に依存しない刺激値信号X
YZに変換する変換関係(以下、この変換関係を「順変
換関係」という)を得、次いで、前記順変換関係から、
刺激値信号XYZを色信号CMYに変換する変換関係
(以下、この変換関係を「逆変換関係」という)を求
め、この逆変換関係を用いて前記色変換処理を行う方法
がある。
【0004】ここで、図9は、規則的な格子間隔で作成
したカラーパッチにおける既知の色信号CMYと刺激値
信号XYZとの順変換関係および逆変換関係を便宜的に
2次元表示したもので、CMY表色系での各格子点の色
信号CMYが、XYZ表色系での各格子点の刺激値信号
XYZに対応している。この場合、XYZ表色系では、
非常に不規則な格子間隔となるため、例えば、A点の刺
激値信号XYZに対する色信号CMYを求める際、A
1、A2、A3、A4点の色信号CMYを用いて補間計
算を行うべきところ、A点に近いA3、A4、A5、A
6点の色信号CMYを用いて補間計算を行ってしまうお
それがある。このように、逆変換を行う場合、任意の刺
激値信号XYZを囲む格子点を求めることは、極めて困
難である。
【0005】ところで、前記刺激値信号XYZから色信
号CMYを求める方法として、例えば、4点の刺激値信
号XYZを頂点とする四面体を設定し、この四面体によ
り刺激値信号XYZの空間を分割するとともに、色信号
CMYの空間も同様にして四面体で分割し、対応する四
面体中の任意の刺激値信号XYZに対する色信号CMY
を線形演算によって求める方法がある(特開平3−18
179号公報参照)。また、ニュートン法(Newton's m
ethod )を用いて、任意の刺激値信号XYZに対応する
色信号CMYを繰り返し演算によって求める方法がある
(PHOTOGRARHICSCIENCE AND ENGINEERING・ Volume 16,
Number 2. March-April 1972 pp136-143 "Metameric
color matching in subtractive color photography"
参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法では、刺激値信号XYZの空間が歪んでいればいる
ほど、四面体を構成する4点の刺激値信号XYZの選択
が不適切となるおそれが増大するため、対応する正確な
色信号CMYを探索することが困難となってしまう。
【0007】また、後者の方法では、カラーパッチから
得られる順変換関係の範囲が制限されているため、繰り
返し演算が演算途中において不可能となるおそれがあ
る。なお、この対策として、演算途中で算出される演算
値が必ず前記範囲内となるようにダンピング係数を導入
することが考えられるが、この方法では、前記ダンピン
グ係数を試行錯誤して設定しなければならないだけでな
く、前記範囲の境界近傍で演算が収束しなくなるおそれ
もある。また、前記範囲外に仮想的な刺激値信号XYZ
および色信号CMYを設定することで演算の続行を可能
とすることが考えられるが、その設定の仕方によっては
正確な色信号CMYが得られなくなるおそれもある。
【0008】本発明は、前記の不具合を解消するもので
あって、第2表色系から第1表色系への順変換関係を用
いて、色信号を第1表色系から第2表色系に高精度に変
換することのできる色変換方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、色信号を第1表色系から第2表色系に
変換する色変換方法において、前記第2表色系の既知の
実色信号から得られる前記第1表色系の実色信号の関係
を第1順変換関係として求める第1ステップと、前記第
1順変換関係を単調関数で近似して、前記実色信号から
なる領域外に仮想色信号を設定する第2ステップと、前
記第2表色系における前記実色信号および前記仮想色信
号より構成される色信号から得られる前記第1表色系の
当該色信号の関係を第2順変換関係として求める第3ス
テップと、前記第2順変換関係から、繰り返し演算法を
用いて、前記第1表色系の色信号から得られる前記第2
表色系の色信号の関係を逆変換関係として求める第4ス
テップと、からなり、前記逆変換関係を用いて色信号を
第1表色系から第2表色系に変換することを特徴とす
る。
【0010】
【作用】本発明の色変換方法では、第2表色系の既知の
実色信号(例えば、色信号CMY)に対応する第1表色
系の実色信号(例えば、刺激値信号XYZ)を求めた
後、これらの実色信号間における第1順変換関係を単調
関数で近似し、前記実色信号で構成される領域外に仮想
色信号を設定する。そして、前記実色信号および前記仮
想色信号からなる第2表色系と第1表色系との間の第2
順変換関係より、ニュートン法に代表される繰り返し演
算により前記第1表色系を前記第2表色系に変換する逆
変換関係を求め、この逆変換関係を用いて色変換処理を
行う。この場合、前記順変換関係は実色信号で構成され
る領域外の仮想色信号の関係を含んでいるため、前記繰
り返し演算での繰り返し計算中に解が色再現域外に出る
ことがあっても、当該演算を収束させて演算値を確実に
求めることができ、これによって、高精度な色変換処理
が可能となる。
【0011】
【実施例】図1は、本実施例の色変換方法によって作成
された逆変換テーブル(逆変換関係)が適用される画像
出力装置の構成ブロックを示す。この装置は、C(シア
ン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の組み合わせか
らなるカラー画像を記録する装置であり、カラー原稿を
読み取って色信号を生成し、あるいは、外部装置から供
給される色信号を受信する画像入力部10と、前記画像
入力部10からの色信号を当該画像出力装置の出力特性
に依存しない共通色空間の色信号である刺激値信号XY
Zに変換する共通色空間変換部12と、前記刺激値信号
XYZに対して所望の画像処理を施す画像処理部14
と、画像処理された前記刺激値信号XYZを、後述する
変換テーブル作成装置において求めた逆変換テーブルを
用いて当該画像出力装置の固有の色信号CMYに変換す
る色変換部16と、前記色信号CMYに基づく画像を出
力する画像出力部18とを備える。
【0012】なお、本実施例では、色信号CMYと刺激
値信号XYZとの間での変換処理について説明するが、
他の表色系、例えば、Lab表色系、Luv表色系、R
GB表色系等の間での変換処理にも同様にして適用する
ことができることは勿論である。
【0013】図2は、変換テーブル作成装置の構成ブロ
ックを示す。この装置は、測色計20、刺激値信号算出
部22、色信号供給部24、第1仮想色信号生成部2
6、順変換テーブル生成部28、第1逆変換テーブル生
成部30、第2仮想色信号生成部32、第2逆変換テー
ブル生成部34およびマッピング部36を備える。
【0014】測色計20は、図1に示す画像出力装置を
用いて作成したカラーパッチの反射光の分布を測定す
る。刺激値信号算出部22は、前記反射光の分布と与え
られた観察光源の分光分布から刺激値信号XYZを算出
する。色信号供給部24は、前記カラーパッチを生成す
るための色信号CMYを第1仮想色信号生成部26およ
び順変換テーブル生成部28に供給する。第1仮想色信
号生成部26は、前記色信号供給部24から供給される
色信号CMYと、前記刺激値信号算出部22からの刺激
値信号XYZとに基づき、最小自乗法を用いて、前記色
信号CMYおよび刺激値信号XYZにより構成される領
域外の十分広い領域において、第1仮想色信号である第
1仮想色信号CMY1* およびそれに対応する第1仮想
刺激値信号XYZ1* を設定する。順変換テーブル生成
部28は、色信号供給部24からの色信号CMYおよび
刺激値信号算出部22からの刺激値信号XYZ(以下、
これらを「実色信号」という)と、前記第1仮想色信号
生成部26からの前記第1仮想色信号CMY1* とに基
づき、前記第1仮想色信号CMY1* を含む色信号CM
Yから前記第1仮想刺激値信号XYZ1* を含む刺激値
信号XYZを得る順変換テーブルを生成する。第1逆変
換テーブル生成部30は、前記順変換テーブルより、繰
り返し演算法であるニュートン法を用いて、第1仮想刺
激値信号XYZ1* を含む刺激値信号XYZから第1仮
想色信号CMY1* を含む色信号CMYを得る第1逆変
換テーブルを生成する。第2仮想色信号生成部32は、
前記第1逆変換テーブルから第1仮想色信号CMY1*
および第1仮想刺激値信号XYZ1* の関係を除去した
第1逆変換テーブルを用いて、前記色信号CMYおよび
刺激値信号XYZにより構成される領域外の十分広い領
域において、第2仮想色信号CMY2* およびそれに対
応する第2仮想刺激値信号XYZ2* を設定する。第2
逆変換テーブル生成部34は、前記第2仮想刺激値信号
XYZ2* を含む刺激値信号XYZから前記第2仮想色
信号CMY2* を含む色信号CMYを得るための第2逆
変換テーブルを生成する。マッピング部36は、前記第
2逆変換テーブルを図1に示す画像出力装置で表現可能
な固有の色空間の範囲の逆変換テーブルにマッピングす
る。
【0015】本実施例の色変換方法が適用される画像出
力装置および変換テーブル作成装置は、基本的には以上
のように構成される。次に、図3に示すフローチャート
に従って、逆変換テーブルを作成する方法について説明
する。
【0016】先ず、画像出力装置を構成する画像出力部
18に対して、規則的な間隔からなる複数の色信号CM
Yを与えることにより、C、M、Yの濃度および混合割
合が段階的に変化するカラーパッチを作成する(ステッ
プS10)。次いで、図2に示す変換テーブル作成装置
を用いて前記各カラーパッチの測色を行う(ステップS
11)。
【0017】すなわち、各カラーパッチの分光分布が測
色計20により読み取られ、刺激値信号算出部22にお
いて、前記分光分布と与えられた観察光源の分光分布か
ら刺激値信号XYZが算出される。なお、前記刺激値信
号XYZは、観察光源の分光分布をS(λ)(λは光の
波長)、物体の分光反射率分布をρ(λ)、人間の目に
対する等色関数をx(λ)、y(λ)、z(λ)、可視
光の範囲を380nm〜780nmとして、
【0018】
【数1】
【0019】の関係から導き出すことができる。ここ
で、基準化係数Kは、
【0020】
【数2】
【0021】で与えられる。
【0022】この場合、C、M、Yの各色のカラーパッ
チの最小濃度および最大濃度を0および255に規格化
して8段階に分割して出力すると、図4に示す512
(=8×8×8)のカラーパッチを得ることができる。
そして、各カラーパッチの色信号CMYに対応する刺激
値信号XYZの関係である第1順変換テーブルを得るこ
とができる。
【0023】次に、本実施例では、前記カラーパッチに
よる色再現域(図4の斜線で示す部分)外の十分離れた
位置に第1仮想色信号CMY1* を設定し、前記第1仮
想色信号CMY1* に対応する第1仮想刺激値信号XY
Z1* を求める(ステップS12)。
【0024】第1仮想色信号生成部26は、刺激値信号
算出部22からの刺激値信号XYZと、色信号供給部2
4からの前記刺激値信号XYZに対応する色信号CMY
との関係が単調性を持つことを仮定し、最小自乗法を用
いて前記第1仮想刺激値信号XYZ1* を求める。この
場合、「単調性を持つ」という前記の仮定は、色信号C
MYが増加するに従ってカラーパッチからの反射光量が
減少し、(1)〜(3)式から得られる刺激値信号XY
Zが単調に減少する、という事実に基づいて保証され
る。
【0025】そこで、カラーパッチから得られる色信号
CMYおよび刺激値信号XYZの全てのデータセット
(Ci,Mi,Yi,Xi,Yi,Zi)(iはカラー
パッチの番号)を用いて最小自乗法によりX−CMY、
Y−CMY、Z−CMYの4次元平面を求める。この場
合、前記4次元平面を、 T=A・D …(5) と定義する。なお、前記(5)式は、次の(6)式の関
係を表すものとする。
【0026】
【数3】
【0027】そして、前記(5)式の関係を満たす係数
Aを、次の(7)式に示すEが最小となるように、最小
自乗法を用いて求める。なお、(7)式において、iは
カラーパッチの番号を表し、また、上付記号のTはマト
リクスの行と列を入れ換えた転置を表す。
【0028】
【数4】
【0029】(7)式から係数Aが求められると、各4
次元平面X−CMY、Y−CMY、Z−CMYが決定す
る。次に、このようにして求められた4次元平面X−C
MY、Y−CMY、Z−CMY上において、カラーパッ
チの色信号CMYから十分に遠い位置にある第1仮想色
信号CMY1* およびそれに対応した第1仮想刺激値信
号XYZ1* を求める。
【0030】図5は、色信号CMYおよび第1仮想色信
号CMY1* と、刺激値信号XYZおよび前記のように
して生成された第1仮想刺激値信号XYZ1* との関係
を2次元的模式図として示したものである。すなわち、
カラーパッチから得られる色信号CMYと刺激値信号X
YZとの関係は、前述した知見から、例えば、点a1〜
a4に示すように、単調減少の関係にある。そして、こ
れらの点a1〜a4を用いて最小自乗法により算出され
た4次元平面を点線で示すと、前記4次元平面上の第1
仮想色信号CMY1* に対応する第1仮想刺激値信号X
YZ1* を表す点b1、b2と、点a1〜a4とを結ぶ
面は、実線で示すように単調減少の関係となる。従っ
て、前記のようにして、最小自乗法を用いて第1仮想色
信号CMY1* に対する第1仮想刺激値信号XYZ1*
を生成することにより、第1仮想色信号CMY1* を含
む色信号CMYと、第1仮想刺激値信号XYZ1* を含
む刺激値信号XYZとの間で単調関係を維持することが
できる。
【0031】以上のようにして第1仮想色信号CMY1
* に対する第1仮想刺激値信号XYZ1* を求めた後、
順変換テーブル生成部28において、第1仮想色信号C
MY1* を含む色信号CMYを、第1仮想刺激値信号X
YZ1* を含む刺激値信号XYZに変換するための第2
順変換テーブルを求める(ステップS13)。
【0032】次に、第1逆変換テーブル生成部30にお
いて、前記第2順変換テーブルを用いて、ニュートン法
により、第1仮想刺激値信号XYZ1* を含む刺激値信
号XYZを、第1仮想色信号CMY1* を含む色信号C
MYに変換するための第1逆変換テーブルを求める(ス
テップS14)。
【0033】この場合、CMY色空間は、図4に示すよ
うに、格子状に配列された第1仮想色信号CMY1*
含む色信号CMYによって構成されているため、前記第
2順変換テーブルを用いて、任意の色信号CMYに対す
る刺激値信号XYZを補間によって求めることができ
る。一方、前記CMY色空間から得られるXYZ色空間
は、図9に示すように歪んでいるため、任意の刺激値信
号XYZに対する色信号CMYを求めることは困難であ
る。そのため、前記XYZ色空間に、図9の点線で示す
ように規則的な間隔で配列した刺激値信号XYZを設定
し、前記刺激値信号XYZに対する色信号CMYをニュ
ートン法を用いて算出することにより第1逆変換テーブ
ルを求める。
【0034】図6は、前記第1逆変換テーブルを求める
処理のサブルーチンである。そこで、XYZ色空間の格
子上における目標値を(X0,Y0,Z0)とし、繰り
返し演算での許容誤差をΔEmin に設定する(ステップ
S20)。次いで、CMY色空間での既知の初期値(C
1,M1,Y1)を設定し(ステップS21)、前記第
2順変換テーブルを用いて、前記初期値(C1,M1,
Y1)に対する刺激値(X1,Y1,Z1)を求める
(ステップS22)。そして、目標値(X0,Y0,Z
0)と前記刺激値(X1,Y1,Z1)との誤差量ΔE
を求め(ステップS23)、前記誤差量ΔEと許容誤差
ΔEmin とを比較する(ステップS24)。なお、前記
許容誤差ΔEmin は、例えば、Lab表色系における色
差式に従って算出された色差として設定することができ
る。この場合、|ΔE|<ΔEminでなければ、修正値
(ΔC,ΔM,ΔY)を算出し(ステップS25)、初
期値(C1,M1,Y1)を前記修正値(ΔC,ΔM,
ΔY)だけ修正した後(ステップS26)、ステップS
22〜S24の処理を繰り返す。
【0035】ここで、前記修正値(ΔC,ΔM,ΔY)
は、次のようにして求められる。すなわち、任意の色信
号CMYが与えられたとき、この色信号CMY(点aで
示す)に対する刺激値信号XYZは、図7に示すよう
に、8つの格子点c0〜c7における色信号(c0、m
0、y0)〜(c7、m7、y7)に対応する刺激値信
号(x0、y0、z0)〜(x7、y7、z7)、格子
点c0〜c7で囲まれる直方体の体積V、前記直方体内
の任意の補間点cにより8分割された体積V0〜V7を
用いて、
【0036】
【数5】
【0037】として求めることができる。この場合、
(8)〜(10)式の関係において、色信号CMYに対
する刺激値信号XYZが微小範囲内で線形であると仮定
すると、前記色信号CMYの微小変化量である修正値
(ΔC,ΔM,ΔY)と前記刺激値信号XYZの微小変
化量(ΔX,ΔY,ΔZ)とは、ニュートン法から、
【0038】
【数6】
【0039】の関係を満たすことになる。なお、Jはヤ
コビアン行列であり、また、Dc、Dm、DyはC、
M、Yを表し、XYZのYとCMYのYとの混同を避け
るために表記を変えたものである。(11)式におい
て、ヤコビアン行列Jが求まれば、色信号CMYの修正
値(ΔC,ΔM,ΔY)に対する刺激値信号XYZの微
小変化量(ΔX,ΔY,ΔZ)を予測することができ
る。この場合、前記ヤコビアン行列Jは、(8)〜(1
0)式を色信号CMYで偏微分することで求められる。
従って、色信号CMYの修正値(ΔC,ΔM,ΔY)
は、
【0040】
【数7】
【0041】として求められる。
【0042】以上のようにして得られるヤコビアン行列
Jを用いて繰り返し計算を行うことにより、任意の目標
値(X0,Y0,Z0)に対する色信号CMYを求める
ことができる。同様の処理をXYZ色空間における格子
上の全目標値に対して行い、刺激値信号XYZを色信号
CMYに変換するための第1逆変換テーブルが生成され
る(ステップS14)。
【0043】ここで、ニュートン法では、収束の条件と
して、求める解を有する方程式が単調関数であることが
必要である。この場合、第1仮想色信号CMY1* を含
む色信号CMYと第1仮想刺激値信号XYZ1* を含む
刺激値信号XYZとの間には、単調関係が成立し、しか
も、CMY色空間およびXYZ色空間が仮想色信号の部
分にまで拡大されており、繰り返し演算中において算出
される全ての色信号CMYおよび刺激値信号XYZが存
在するため、発散することなく確実に繰り返し演算を実
行し、正確な値を得ることができる。
【0044】ところで、前記のようにして生成された第
1逆変換テーブルには、第1仮想色信号CMY1* およ
び第1仮想刺激値信号XYZ1* から導かれた関係が含
まれている。これらの信号は、ニュートン法による処理
に際して確実に解が得られるようにするために、図5に
示すように、最小自乗法を用いて設定されたものであ
り、実際の物理特性とは異なっている。実際の物理特性
を加味した仮想色信号は、図5に一点鎖線で示すよう
に、点a1〜a4の関係に対して滑らかに連結するよう
な点b1* 、b2* として設定すべきである。しかしな
がら、図8に示すように、前記点b1* 、b2* を、例
えば、X−CM色空間で表した場合、単調関係を維持し
ていないことがあるため、ニュートン法による処理には
適用できない。
【0045】そこで、点b1、b2のデータを用いてニ
ュートン法を実行した後、第2仮想色信号生成部32に
おいて、前記一点鎖線で示す関係を得るため、例えば、
点b1* に近い点a1、a2のみを用いて、最小自乗法
により点b1* における第2仮想色信号CMY2* およ
び第2仮想刺激値信号XYZ2* を求め、また、点b2
* に近い点a3、a4のみを用いて、最小自乗法により
点b1* における第2仮想色信号CMY2* および第2
仮想刺激値信号XYZ2* を求める(ステップS1
5)。そして、第2逆変換テーブル生成部34におい
て、前記第2仮想色信号CMY2* および第2仮想刺激
値信号XYZ2* を第1仮想色信号CMY1*および第
1仮想刺激値信号XYZ1* と置き換え、これらの第2
仮想色信号CMY2* および第2仮想刺激値信号XYZ
* を含む色信号CMYおよび刺激値信号XYZの関係
を第2逆変換テーブルとして設定する(ステップS1
6)。
【0046】最後に、前記のようにして設定された第2
逆変換テーブルを当該画像出力装置における色信号CM
Yの再現可能範囲にマッピング(Gamut Mapping )する
ことで、刺激値信号XYZから色信号CMYに変換する
ことのできる所望の逆変換テーブルを得ることができる
(ステップS17)。
【0047】以上のようにして生成された逆変換テーブ
ルは、画像出力装置の色変換部16に設定される。そこ
で、当該画像出力装置において、画像入力部10で読み
込まれた画像信号は、共通色空間変換部12において刺
激値信号XYZに変換された後、画像処理部14で所望
の画像処理が施される。次いで、色変換部16におい
て、体積補間を用いて、前記刺激値信号XYZが前記逆
変換テーブルに従って色信号CMYに変換されると同時
に、マッピング処理が施される。そして、前記色信号C
MYは、画像出力部18より可視画像として出力され
る。
【0048】なお、前記逆変換テーブルには、当該画像
出力装置において再現可能なCMY色空間よりも広範囲
の色信号CMYに対する刺激値信号XYZが第2仮想刺
激値信号XYZ2* として設定されている。従って、例
えば、前記刺激値信号XYZが当該画像出力装置におい
て再現可能な領域の境界近傍にある場合であっても、前
記第2仮想刺激値信号XYZ2* を用いて体積補間によ
り高精度に色信号CMYを求めることができる。
【0049】ここで、前記逆変換テーブルでは、色信号
CMYへの変換処理とマッピング処理とを同時に行うよ
うにしているため、所望の色信号CMYを高速に得るこ
とができる。これに対して、マッピング処理を行った
後、刺激値信号XYZから色信号CMYへの変換処理を
行うようにすると、色信号CMYに対応する刺激値信号
XYZの精度を維持することができるため、変換処理の
精度をより向上させることができる。また、刺激値信号
XYZから色信号CMYに変換を行った後、マッピング
処理を行うようにすると、色再現可能な領域の境界近傍
で変換処理の精度が上記実施例の場合よりも向上すると
ともに、マッピング処理が容易となる効果がある。
【0050】なお、上述した実施例では、単調関数によ
る近似法として最小自乗法を用いているが、他の近似法
として重回帰分析の手法や重み付き最小自乗法を用いる
ことができる。また、繰り返し演算法として、ニュート
ン法を用いる代わりに、最急降下法、準ニュートン法等
を用いることができる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明では、第1表色系
と第2表色系との関係を単調関数で近似することによ
り、前記第2表色系の既知の実色信号で構成される領域
外に仮想色信号を設定し、前記仮想色信号を含む順変換
関係を求め、前記順変換関係から繰り返し演算法を用い
て、前記第1表色系を前記第2表色系に変換する逆変換
関係を求めている。この場合、前記逆変換関係は実色信
号で構成される領域外の仮想色信号の関係を含んでいる
ため、繰り返し演算において演算値を確実に求めること
ができ、これによって、高精度な色変換処理が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像出力装置の構成ブロック図である。
【図2】変換テーブル作成装置の構成ブロック図であ
る。
【図3】変換テーブルの作成処理のフローチャートであ
る。
【図4】仮想色信号を含む色信号CMYの説明図であ
る。
【図5】最小自乗法による仮想色信号生成の説明図であ
る。
【図6】ニュートン法による色信号算出処理のフローチ
ャートである。
【図7】体積補間の説明図である。
【図8】X−CM色空間で表した色信号および仮想色信
号の説明図である。
【図9】CMY色空間とXYZ色空間の変換関係の説明
図である。
【符号の説明】
10…画像入力部 12…共通色空
間変換部 14…画像処理部 16…色変換部 18…画像出力部 20…測色計 22…刺激値信号算出部 24…色信号供
給部 26…第1仮想色信号生成部 28…順変換テ
ーブル生成部 30…第1逆変換テーブル生成部 32…第2仮想
色信号生成部 34…第2逆変換テーブル生成部 36…マッピン
グ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】色信号を第1表色系から第2表色系に変換
    する色変換方法において、 前記第2表色系の既知の実色信号から得られる前記第1
    表色系の実色信号の関係を第1順変換関係として求める
    第1ステップと、 前記第1順変換関係を単調関数で近似して、前記実色信
    号からなる領域外に仮想色信号を設定する第2ステップ
    と、 前記第2表色系における前記実色信号および前記仮想色
    信号より構成される色信号から得られる前記第1表色系
    の当該色信号の関係を第2順変換関係として求める第3
    ステップと、 前記第2順変換関係から、繰り返し演算法を用いて、前
    記第1表色系の色信号から得られる前記第2表色系の色
    信号の関係を逆変換関係として求める第4ステップと、 からなり、前記逆変換関係を用いて色信号を第1表色系
    から第2表色系に変換することを特徴とする色変換方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、 第2ステップにおける前記仮想色信号は、最小自乗法を
    用いて設定されることを特徴とする色変換方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法において、 第4ステップにおける前記繰り返し演算法は、ニュート
    ン法であることを特徴とする色変換方法。
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