JPH0988846A - ベーンポンプ - Google Patents

ベーンポンプ

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JPH0988846A
JPH0988846A JP27500695A JP27500695A JPH0988846A JP H0988846 A JPH0988846 A JP H0988846A JP 27500695 A JP27500695 A JP 27500695A JP 27500695 A JP27500695 A JP 27500695A JP H0988846 A JPH0988846 A JP H0988846A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプ室への流入量を減少させずに、流入・
流出を円滑にして、振動,騒音の発生を防止し、ポンプ
効率の優れたベーンポンプを供する。 【解決手段】 放射状に複数形成されたベーン溝にそれ
ぞれ出没自在にベーンが嵌装されたロータ60と、同ロー
タ60外周面に対向してカム面が形成されたカムリング50
と、ロータ60およびカムリング50の前後両側面に添設さ
れロータ60とカムリング50との間にポンプ室を形成する
前後のサイドプレート40,70とを備え、前後のサイドプ
レート40,70の双方に吸込ポート42,73が設けられてい
るベーンポンプにおいて、前記ロータ60の外周面と前記
カムリング50の内周面の少なくとも一方を円錐面状に形
成し、ポンプ室Piの一方の吸込ポート42に対向する吸
込口面積を他方の吸込ポート73に対向する吸込口面積よ
り大きくしたベーンポンプ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のパワース
テアリング装置等に加圧流体を供給するのに適したベー
ンポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】ベーンポンプのうち一般に丸形ポンプと
呼ばれるビッカース形は、ロータ外周面とカムリング内
周面との間で前後のサイドプレートに挟まれた空間をベ
ーンで仕切られてポンプ室が形成され、一般に楕円状を
なすカムリング内周面に沿って出没するベーンによりロ
ータの回転に伴い吸込ポートでポンプ室が膨張して流体
を吸込み、吐出ポートでポンプ室が収縮して流体を吐き
出す。
【0003】一般にロータは偏平円筒状をなし、中央を
駆動軸が嵌合して一体に回転するようになっており、ポ
ンプ室が膨張する過程で吸込ポートからポンプ室に流体
が吸い込まれる際、相対的に断面積の大きい吸込ポート
から断面積の小さいポンプ室の吸込口に急激に縮小した
通路を流入することになり、ポンプ室への流入抵抗が増
大してポンプ室への流入量が減少し、結果的にポンプと
しての体積効率を低下させる等の問題があった。
【0004】そこで円筒状ロータの外周面の側端角部を
全周に亘って面取りしたり、ポンプ室に対応する部分の
み面取りした例(実公昭62−15506号公報)があ
る。すなわちロータの外周面の側端角部を面取りするこ
とで、吸込ポートからポンプ室に徐々に通路断面積を変
化させることができ流入抵抗を減少させて流入量の減少
を防止するようにしたものである。
【0005】ポンプ室には前後の吸込ポートの双方から
流体が流入するので、ロータの外周面の側端角部の面取
りは、前後両側面について形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに吸込位置にお
いて密閉ポンプ室の同じ面積の前後吸込口には、前後か
ら同量の高速流体が流入して激しく合流し、また吐出位
置においてポンプ室から両側に流体が高速に流出してポ
ンプ室内で局部的な圧力変化を起こす。このようなポン
プ室への両側からの流入および流出により送流量が変化
し、これに伴い振動,騒音が生じ、またポンプ効率の低
下を引き起こしていた。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、ポンプ室への流入量を減少さ
せずに、流入・流出を円滑にして、振動,騒音の発生を
防止し、ポンプ効率の優れたベーンポンプを供する点に
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、放射状に複数形成されたベーン溝にそれ
ぞれ出没自在にベーンが嵌装されたロータと、同ロータ
外周面に対向してカム面が形成されたカムリングと、前
記ロータおよび前記カムリングの前後両側面に添設され
前記ロータと前記カムリングとの間にポンプ室を形成す
る前後のサイドプレートとを備え、前後のサイドプレー
トの双方に吸込ポートが設けられているベーンポンプに
おいて、前記ロータの外周面と前記カムリングの内周面
の少なくとも一方を円錐面状に形成し、前記ポンプ室の
一方の吸込ポートに対向する吸込口面積を他方の吸込ポ
ートに対向する吸込口面積より大きくしたベーンポンプ
とした。
【0009】ロータの外周面とカムリングの内周面の少
なくとも一方が円錐面状に形成されて、ポンプ室の前後
吸込口の一方が他方より大きく、ポンプ室への流入量が
前後で差があり、大きい吸込口からの流入が主流とな
り、互いに高速の流体が同じ量で激しく合流することは
なく流入が円滑に行われ、送流量の変化はなく、振動や
騒音が抑制され、ポンプ効率の向上を図ることができ
る。
【0010】なお吸込ポートからポンプ室に流体が吸い
込まれる際、主流となる流入側のポンプ室の吸込口面積
は大きく、その対向する吸込ポートと相対的に差がな
く、主流の流入抵抗が小さいので、ポンプ室への流入量
が減少することは防止され体積効率が低下することはな
い。
【0011】前記前後のサイドプレートの双方に吐出ポ
ートを形成し、前記ポンプ室の一方の吐出ポートに対向
する吐出口面積を他方の吐出ポートに対向する吐出口面
積より大きくした請求項1記載のベーンポンプとするこ
とで、吐出口面積が大きい方の吐出口からの流出が主流
となり、他方の副流を主流が制して、同量の流体が両側
に高速に流出してポンプ室内で局部的な圧力変化を生じ
させることはなく、流出が円滑に行われる。
【0012】前記ポンプ室の前後の吐出口のうち面積の
小さい吐出口に対向する吐出ポートと前記ベーン溝の底
部とを連通する連通路を設けた請求項2記載のベーンポ
ンプとすることで、ポンプ室からの吐出の主流でない副
流側が連通路を介してベーン溝の底部に連通しているの
で、常に安定した突出圧をベーンに与え、カムリングと
の接触を適切に保つことができる。
【0013】前記ロータの円錐面状外周面または前記カ
ムリングの円錐面状内周面の母線は、直線である請求項
1,2または3記載のベーンポンプとすることで、ロー
タの加工がし易く製作コストを下げることができる。前
記ロータの円錐面状外周面または前記カムリングの円錐
面状内周面の母線は、曲線である請求項1,2または3
記載のベーンポンプとすることで、ポンプ室への流体の
流入・流出をより円滑にすることが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る一実施の形態に
ついて図1ないし図23に図示し説明する。本実施の形
態におけるベーンポンプ1は、図1および図2に断面図
で示すようにポンプハウジング30の円筒部32内にインナ
サイドプレート70,カムリング50およびロータ60,アウ
タサイドプレート40を順に嵌装し、ハウジングプレート
20で覆いポンプハウジング30とともにハウジングを構成
し、ハウジング内にはポンプハウジング30の円筒部32の
底壁31側から駆動軸5が挿入されロータ60にスプライン
嵌合しており、ハウジングプレート20にはオイルの流入
口・流出口を有するカバープレート10が添設され、ハウ
ジングとともにボルト6により一体に共締めされてい
る。
【0015】いまポンプハウジング30側を前方、カバー
プレート10側を後方として以下説明することとし、まず
後方のオイルの流入口・流出口を有するカバープレート
10から説明する。
【0016】図1,図2および図4,図5を参照して、
カバープレート10は、周縁が所定形状をした偏平板状を
なし、後面(図4参照)において左右に前後面を貫通す
る大径円孔の流入口11と流出口12が形成され、前面は図
5に示すように流出口12を端部に含んで略三角形状の流
出凹部13(格子状部分)が形成されている。その他カバ
ープレート10には、複数の周縁膨出部等に取付孔14が形
成されている。
【0017】このカバープレート10が重ねられるハウジ
ングプレート20は、図6ないし図7を参照して、後面
(図6参照)にはカバープレート10の流入口11に連なる
円孔である流入通路21が穿設され、さらにカバープレー
ト10の略三角形状の流出凹部13の上下端部に連なる矩形
孔である流出通路22,23が穿設され、前面(図8参照)
は、流入通路21を端部に含んで略横長矩形の流入凹部24
(格子状部分)が形成されている。
【0018】この流入凹部24は中央を左右に長く延び、
その中央上下位置に流出通路22,23が形成されている。
ハウジングプレート20の前面には、中心対称位置に小円
形の位置決め用凹部25,26が設けられ、その他複数の周
縁膨出部等に取付孔27が形成されている。
【0019】このハウジングプレート20とともにハウジ
ングを構成するポンプハウジング30は、図1,図2,図
9,図10を参照して、底壁部31を前方に有する円筒部
32の後方の開口周縁が外周方向へ延出してフランジ部33
を有し、底壁31には中央に軸受円孔31aを有し、軸方向
内側に向かって軸受円筒部31bが突出している。
【0020】ポンプハウジング30の後面を示す図9を参
照して、円筒部32の内周面32aの左右箇所に円弧状の凹
みである流入迂回凹路34,35が形成され、一方の流入迂
回凹路34には流入凹部36が設けられている。フランジ部
33には、複数の取付孔37が設けられている。
【0021】ハウジングプレート20に蓋をされる形のポ
ンプハウジング30の円筒部32の内部には、インナサイド
プレート70,カムリング50およびロータ60,アウタサイ
ドプレート40が順次嵌装されるが、まずハウジングプレ
ート20に接するアウタサイドプレート40から説明する。
【0022】図11,図12に示すようにアウタサイド
プレート40は、円板の円周部の左右位置に大きく切り欠
かれた吸込ポート41,42が形成され、同吸込ポート41,
42は、これと接するハウジングプレート20の横長矩形の
流入凹部24の左右端部に対応して連通している。また円
板の上下位置に略矩形の吐出ポート43,44が穿設され、
同吐出ポート43,44は、ハウジングプレート20の上下の
流出通路22,23とそれぞれ対応して連通している。
【0023】このアウタサイドプレート40の前面(図1
1参照)には、前記吸込ポート41,42,吐出ポート43,
44より内周に所定半径で環状凹部45が形成されている。
その他アウタサイドプレート40には、ハウジングプレー
ト20の位置決め用凹部25,26に対応して位置決め用円孔
46,47が穿設されている。
【0024】上記のアウタサイドプレート40に接するカ
ムリング50は、図13ないし図15に図示するように、
外周が円形をなし内周が略楕円形の環状体であり、左右
が外周部とこれに連続する前後面において切り欠かれて
流入欠損部51,52を形成しており、同流入欠損部51,52
は、アウタサイドプレート40の前記吸込ポート41,42に
連通し、流入オイルはアウタサイドプレート40の前記吸
込ポート41,42からカムリング50の流入欠損部51,52に
入り、外周側に迂回するのと内周側のポンプ室に吸い込
まれるのとに分流する。
【0025】一方カムリング50の環状体の上下にはある
程度幅のある略円弧状の流出迂回貫通路53,54が穿設さ
れ、同流出迂回貫通路53,54は、アウタサイドプレート
40の前記略矩形の吐出ポート43,44の外周側半部と連通
し、同流出迂回貫通路53,54の内周側のポンプ室はアウ
タサイドプレート40の同じ吐出ポート43,44の内周側半
部と連通しており、したがって同ポンプ室から吐出ポー
ト43,44へ吐出したオイルに流出迂回貫通路53,54を迂
回してきたオイルが吐出ポート43,44で合流する。その
他カムリング50には、位置決め用円孔55および位置決め
用切欠き56を有する。
【0026】このカムリング50の楕円状の内周面内側に
配設されるロータ60は、図16ないし図18に図示する
ようにカムリング50と同じ厚みで偏平円錐台状をなし、
外周面の母線がロータ中心線に対し傾斜した円錐面61を
なし、中央に駆動軸5がスプライン嵌合する嵌合孔62が
形成されている。
【0027】そして放射状に8条のベーン溝63が等間隔
に前後を貫通して形成され、同ベーン溝63のそれぞれに
矩形板状のベーン64が出没自在に嵌装され、突出したベ
ーン64の先端がカムリング50の楕円状の内周面に接して
ベーン64,64間にポンプ室を形成する。
【0028】かかるロータ60を円錐面61の母線がアウタ
サイドプレート40側に傾斜した姿勢すなわち円錐台の小
径面が後面(アウタサイドプレート40側)とし、大径面
が前面(インナサイドプレート70側)とした姿勢で嵌装
される。なお各ベーン溝63の中心側の底部63aは、同心
円上にあって断面円形に若干膨らんでおり、前記アウタ
サイドプレート40の環状凹部45に対応している。
【0029】これらカムリング50とロータ60の前面に接
するインナサイドプレート70は、図19ないし図21に
図示するように、偏平円板状をなし、中央にポンプハウ
ジング30の内部に突出した円筒部31bに嵌合する円孔71
を有し、後面(図19参照)において左右に吸込ポート
72,73が形成され、同吸込ポート72,73は、カムリング
50の流入欠損部51,52およびポンプハウジング30の流入
迂回凹路34,35にそれぞれ連通し、吸込ポート72,73か
らカムリング50の内周のポンプ室にオイルが吸い込まれ
る流入迂回路が形成される。
【0030】またインナサイドプレート70の上下位置に
は、略矩形の吐出ポート74,75が形成され、同吐出ポー
ト74,75は、前記カムリング50の流出迂回貫通路53,54
とその内周側のポンプ室とに連通し、ポンプ室から吐出
ポート74,75に吐出したオイルが流出迂回貫通路53,54
を迂回して後方の吐出ポート43,44に至る流出迂回路が
形成される。
【0031】そしてインナサイドプレート70には、左右
の吸込ポート72,73の内周側で所定半径位置に円弧状の
圧油導入貫通孔76,77が穿設され、また上下の吐出ポー
ト74,75の内周側で圧油導入貫通孔76,77と同じ半径位
置に圧油導入凹部78,79が形成されており、これら同心
円上にある圧油導入貫通孔76,77,圧油導入凹部78,79
は、ロータ60のベーン溝63の底部63aに対応している。
なおインナサイドプレート70の後面には、その他外周面
に沿って位置決め用切欠き80,81が設けられている。
【0032】一方インナサイドプレート70の前面(図2
1参照)には、吐出ポート74,75のポート周縁部82,83
が凹んでおり、インナサイドプレート70の外周縁部84と
内周縁部85が全周に亘って切り欠かれ、同インナサイド
プレート70をオープンハウジング30に嵌装する際、外周
縁部84と内周縁部85にOリング90,91を当てがってお
き、ポンプハウジング30の内部に突出した円筒部31bに
円孔71を嵌合して円筒部32内に嵌装すると、ポンプハウ
ジング30の底壁部31の内面とインナサイドプレート70の
前面との間に環状の圧油導入空間92が液密に形成される
(図1および図2参照)。
【0033】したがって前記ポンプ室から前方の吐出ポ
ート74,75に吐出した圧油は、圧油導入空間92を経てイ
ンナサイドプレート70の左右の圧油導入孔76,77に入
り、ロータ60の左右吸込位置にあるベーン溝63の底部63
aに導入され同位置のベーン64を突出させ、さらに該ベ
ーン溝63の底部63aを通過した圧油はアウタサイドプレ
ート40の環状凹部45に広がって、今度はロータ60の上下
吐出位置にあるベーン溝63の底部63aに導入され同位置
のベーン64を突出させ、最後にインナサイドプレート70
の圧油導入凹部78,79に至る。
【0034】以上の圧油導入経路の上流側で吸込位置に
あるベーン64が突出圧を受け、下流側で吐出位置にある
ベーン64が突出圧を受けるので、ポンプ室を膨張させる
ため突出していく吸込位置にあるベーン64の方がより大
きい突出圧により確実に突出させ、ポンプ室を縮小させ
るため引き込んでいく吐出位置にあるベーン64はより小
さい突出圧により円滑にベーン64の引き込みがなされ
る。
【0035】以上の各部材の組付けられた状態で、まず
オイルの流入経路について説明すると、図2を参照し
て、カバープレート10の流入口から入ったオイルは、ハ
ウジングプレート20の流入通路21を通り、略横長矩形の
流入凹部24に広がり、左側においてポンプハウジング30
の流入凹部36,流入迂回凹路34に進入し、右側において
流入迂回凹路35に進入するとともに、アウタサイドプレ
ート40の左右の後方吸込ポート41,42およびカムリング
50の流入欠損部51,52に至る。流入欠損部51,52の外周
の流入迂回凹路34,35を迂回したオイルはインナサイド
プレート70の前方吸込ポート72,73に至る。
【0036】したがってポンプ室が膨張してオイルを吸
い込む吸込位置における吸込ポンプ室Piには、図22
を参照して後方吸込ポート41,42から吸い込まれるオイ
ル流入Ia(図2および図22に実線矢印)と、迂回し
て前方吸込ポート72,73から吸い込まれるオイル流入I
b(図2に破線矢印)との前後からの流入がある。
【0037】該吸込ポンプ室Piは、ロータ60の円錐面
61が後方吸込ポート41,42側に傾斜した母線を有するの
で、後方吸込ポート41,42側の吸込口面積が大きく、前
方吸込ポート72,73側の吸込口面積が小さい。そのため
後方吸込ポート41,42から吸い込まれるオイル流入Ia
が流入抵抗が小さく流入量の大きい主流となり、前方吸
込ポート72,73から吸い込まれるオイル流入Ibが流入
抵抗が大きく流入量の小さい副流となり、両者の流入量
に差が生じる。
【0038】したがって主流Iaが副流Ibを制して吸
込ポンプ室Piへの流入を円滑にし、吸込ポンプ室Pi
への吸い込みに際し、従来のように互いに同量の高速オ
イルが前後からポンプ室に流入してポンプ室内で激しく
合流し、流れが乱されて振動や騒音を発生したりするこ
とはなく、また流れが乱されることによる送流量の変化
がポンプ効率を低下させるといったことも防止でき、振
動,騒音を抑制し、高いポンプ効率のベーンポンプを実
現できる。また主流Iaの流入する吸込ポンプ室Piの
吸込口は、大きく対向する後方吸込ポート41,42からの
流入通路が急激に狭くなることはなく、流入抵抗は小さ
く流入量を増加させ体積効率を向上させることができ、
ベーンポンプの小型軽量化を図ることができる。
【0039】次にオイルの流出経路について説明する
と、図1および図23を参照して、ポンプ室が収縮して
オイルを吐き出す吐出位置における吐出ポンプ室Poか
らは、特に図23を参照して後方のアウタサイドプレー
ト40の後方吐出ポート43,44に吐出するオイル流出Oa
(図1および図23の実線矢印)と、前方のインナサイ
ドプレート70の前方吐出ポート74,75に吐出するオイル
流出Ob(図1および図23の破線矢印)との前後から
の流出がある。
【0040】前方吐出ポート74,75に吐出した圧油は、
その一部が圧油導入空間92に流出し前記したベーン64の
突出圧に供給されるが、他は前方吐出ポート74,75から
カムリング50の流出迂回貫通路53,54に流れ、アウタサ
イドプレート40の後方吐出ポート43,44に迂回して直接
後方吐出ポート43,44に吐出するオイル流出Oaと合流
し、ハウジングプレート20の流出通路22,23を経て、カ
バープレート10の流出凹部13に至り、流出口12より流出
して、各種機器にオイルが供給される。
【0041】該吐出ポンプ室Poは、ロータ60の円錐面
61が後方吐出ポート43,44側に傾斜した母線を有するの
で、後方吐出ポート43,44側の吐出口面積が大きく、前
方吐出ポート74,75側の吐出口面積が小さく、よって後
方吐出ポート43,44に吐出するオイル流出Oaが流出抵
抗が小さく主流となり、前方吐出ポート74,75に吐出す
るオイル流出Obが流出抵抗が大きく副流となり、両者
の流出量に差が生じる。
【0042】したがって主流Oaが副流Obを制して吐
出ポンプ室Poからの流出を円滑にし、ポンプ効率を向
上させることができるとともに、吐出ポンプ室から両側
に同量の流体が高速に流出してポンプ室内で局部的な圧
力変化を起こし振動や騒音を生じ、ポンプ効率を低下さ
せるようなことは防止できる。
【0043】副流Obの一部が、前記したベーン64の突
出圧に供給されるので、適当な圧油により適切で安定し
た突出圧をベーン64に与えることができ、ベーン64のカ
ムリング50の内周面との接触圧を適切に保つことがで
き、ロータ60の回転を円滑にし、耐久性も向上させるこ
とができる。
【0044】なお以上の実施の形態では、ロータ60の円
錐面61は、その母線が直線をなすもので、ロータの加工
がし易く製作コストを下げることができる。なお円錐面
の母線は、必ずしも直線ではなく曲線で構成してもよ
く、ポンプ室への流入・流出をより円滑にすることが可
能である。
【0045】また前記実施の形態では、ロータ60の外周
面を円錐面61としたが、ロータの外周面に対向するカム
リングの内周面を円錐面状に形成して前後の吸込口面積
および前後の吐出口面積に差を設けるようにしてもよ
く、さらにロータの外周面とカムリングの内周面をとも
に円錐面状に形成してもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明は、ロータの外周面とカムリング
の内周面の少なくとも一方が円錐面状に形成されて、ポ
ンプ室の前後吸込口の一方が他方より大きく、ポンプ室
への流入量が前後で差があり、大きい吸込口からの流入
が主流となり、互いに高速の流体が同じ量で激しく合流
することはなく流入が円滑に行われ、送流量の変化はな
く、振動や騒音が抑制され、ポンプ効率の向上を図るこ
とができる。
【0047】吸込ポートからポンプ室に流体が吸い込ま
れる際、主流となる流入側のポンプ室の吸込口面積は大
きく、その対向する吸込ポートと相対的に差がなく、主
流の流入抵抗が小さいので、ポンプ室への流入量が減少
することは防止され体積効率が低下することはなく、ベ
ーンポンプの小型軽量化が図れる。
【0048】前後のサイドプレートの双方に吐出ポート
を形成し、ポンプ室の一方の吐出ポートに対向する吐出
口面積を他方の吐出ポートに対向する吐出口面積より大
きくしたベーンポンプとすることで、吐出口面積が大き
い方の吐出口からの流出が主流となり、他方の副流を主
流が制して、同量の流体が両側に高速に流出してポンプ
室内で局部的な圧力変化を生じさせることはなく、流出
が円滑に行われる。
【0049】ポンプ室の前後の吐出口のうち面積の小さ
い吐出口に対向する吐出ポートと前記ベーン溝の底部と
を連通する連通路を設けたベーンポンプとすることで、
ポンプ室からの吐出の主流でない副流側が連通路を介し
てベーン溝の底部に連通しているので、圧力変化を抑制
でき常に安定した突出圧をベーンに与え、カムリングと
の接触を適切に保つことができ、ロータの回転を円滑に
するとともに、耐久性を向上させることができる。
【0050】ロータの円錐面状外周面またはカムリング
の円錐面状内周面の母線を直線とすることで、ロータの
加工がし易く製作コストを下げることができる。ロータ
の円錐面状外周面またはカムリングの円錐面状内周面の
母線を曲線とすることで、ポンプ室への流体の流入・流
出をより円滑にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るベーンポンプの図
3におけるI−O−I線で切断した断面図である。
【図2】図3におけるII−O−II線で切断した断面図で
ある。
【図3】図1におけるIII −III 線で切断した断面図で
ある。
【図4】カバープレートの後面図である。
【図5】同前面図である。
【図6】ハウジングプレートの後面図である。
【図7】図6におけるVII −VII 線で切断した断面図で
ある。
【図8】同前面図である。
【図9】ポンプハウジングの後面図である。
【図10】図9におけるX−X線で切断した断面図であ
る。
【図11】アウタサイドプレートの前面図である。
【図12】図11におけるXII −XII 線で切断した断面
図である。
【図13】カムリングの後面図である。
【図14】図13におけるXIV −XIV 線で切断した断面
図である。
【図15】同前面図である。
【図16】ロータの後面図である。
【図17】図16におけるXVII−XVII線で切断した断面
図である。
【図18】同前面図である。
【図19】インナサイドプレートの後面図である。
【図20】図19におけるXX−XX線で切断した断面図で
ある。
【図21】同前面図である。
【図22】吸込ポンプ室周辺の要部拡大断面図である。
【図23】吐出ポンプ室周辺の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1…ベーンポンプ、5…駆動軸、6…ボルト、10…カバ
ープレート、11…流入口、12…流出口、13…流出凹部、
14…取付孔、20…ハウジングプレート、21…流入通路、
22,23…流出通路、24…流入凹部、25,26…位置決め用
凹部、27…取付孔、30…ポンプハウジング、31…底壁
部、32…円筒部、33…フランジ部、34,35…流入迂回凹
路、36…流入凹部、37…取付孔、40…アウタサイドプレ
ート、41,42…吸込ポート、43,44…吐出ポート、45…
環状凹部、46,47…位置決め用円孔、50…カムリング、
51,52…流入欠損部、53,54…流出迂回貫通路、55…位
置決め用円孔、56…位置決め用切欠き、60…ロータ、61
…円錐面、62…嵌合孔、63…ベーン溝、64…ベーン、70
…インナサイドプレート、71…円孔、72,73…吸込ポー
ト、74,75…吐出ポート、76,77…圧油導入貫通路、7
8,79…圧油導入凹部、80,81…位置決め用切欠き、8
2,83…貫通路周縁部、84…外周縁部、85…内周縁部、9
0,91…Oリング、92…圧油導入空間。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射状に複数形成されたベーン溝にそれ
    ぞれ出没自在にベーンが嵌装されたロータと、同ロータ
    外周面に対向してカム面が形成されたカムリングと、前
    記ロータおよび前記カムリングの前後両側面に添設され
    前記ロータと前記カムリングとの間にポンプ室を形成す
    る前後のサイドプレートとを備え、前後のサイドプレー
    トの双方に吸込ポートが設けられているベーンポンプに
    おいて、 前記ロータの外周面と前記カムリングの内周面の少なく
    とも一方を円錐面状に形成し、前記ポンプ室の一方の吸
    込ポートに対向する吸込口面積を他方の吸込ポートに対
    向する吸込口面積より大きくしたことを特徴とするベー
    ンポンプ。
  2. 【請求項2】 前記前後のサイドプレートの双方に吐出
    ポートを形成し、前記ポンプ室の一方の吐出ポートに対
    向する吐出口面積を他方の吐出ポートに対向する吐出口
    面積より大きくしたことを特徴とする請求項1記載のベ
    ーンポンプ。
  3. 【請求項3】 前記ポンプ室の前後の吐出口のうち面積
    の小さい吐出口に対向する吐出ポートと前記ベーン溝の
    底部とを連通する連通路を設けたことを特徴とする請求
    項2記載のベーンポンプ。
  4. 【請求項4】 前記ロータの円錐面状外周面または前記
    カムリングの円錐面状内周面の母線は、直線であること
    を特徴とする請求項1,2または3記載のベーンポン
    プ。
  5. 【請求項5】 前記ロータの円錐面状外周面または前記
    カムリングの円錐面状内周面の母線は、曲線であること
    を特徴とする請求項1,2または3記載のベーンポン
    プ。
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