JPH0988713A - シリンダブロック用インサート部材およびシリンダブロック - Google Patents

シリンダブロック用インサート部材およびシリンダブロック

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JPH0988713A
JPH0988713A JP26223195A JP26223195A JPH0988713A JP H0988713 A JPH0988713 A JP H0988713A JP 26223195 A JP26223195 A JP 26223195A JP 26223195 A JP26223195 A JP 26223195A JP H0988713 A JPH0988713 A JP H0988713A
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liner
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延明 鈴木
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明広 相良
Shigenori Yamada
茂則 山田
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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クローズドデッキ・ウエットライナ形のエン
ジンのシリンダブロックをダイカスト法を用いて容易に
製造できるようにする。 【解決手段】 シリンダブロック本体14に、フランジ部
17,18を有するインサート部材16を鋳包む。シリンダブ
ロック本体14のボア19とフランジ部17,18にシリンダラ
イナ20を圧入してインサート部材16とシリンダライナ20
との間にウォータジャケット21を形成する。金型内に配
置したインサート部材16内に金型の一部を嵌合させてイ
ンサート部材16をシリンダブロック本体14に鋳包むこと
により、ウォータジャケット21を形成するためのアンダ
ーカット部が解消されてダイカスト成型が可能となる。
インサート部材16の側面部とフランジ部17,18との結合
部の内側に丸みを設け、側面部の内側に膨出部24を設け
ることにより、溶湯圧力によるインサート部材16の応力
集中を緩和して鋳造時の変形を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クローズドデッキ
・ウエットライナ形のエンジンのシリンダブロック用イ
ンサート部材およびこれを用いたシリンダブロックに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にアルミニウム合金製のエンジンの
シリンダブロックでは、薄肉の耐摩性材料からなるシリ
ンダライナが組込まれており、このシリンダライナにピ
ストンが嵌装されるシリンダボアが形成されている。
【0003】この種のシリンダブロックには、例えば、
図16に示すシリンダブロック1のように、冷却水を循環
させるためにシリンダライナ2の外周部に形成されたウ
ォータジャケット3がシリンダヘッド取付面4で開口さ
れた構造のオープンデッキ形のものと、図17に示すシリ
ンダブロック5のように、シリンダライナ6の外周部に
形成されたウォータジャケット7はシリンダヘッド取付
面8で閉じられ、シリンダヘッド取付面8にウォータジ
ャケット7に連通する冷却水通路9が設けられた構造の
クローズドデッキ形のものとがある。
【0004】図16に示すようなオープンデッキ形のシリ
ンダブロック1は、アルミニウム合金等で鋳造成型する
場合、ダイカスト法によって容易に成型することができ
る反面、シリンダヘッド取付面4が開口しているため、
剛性が低く、振動、騒音を発生しやすいという欠点があ
る。
【0005】一方、図17に示すようなクローズドデッキ
形のシリンダブロックは、シリンダヘッド取付面8が閉
じているため、剛性が高く、振動、騒音を発生しにくい
ので、薄肉、軽量化を図ることができるという利点があ
る。さらに、図18に示すシリンダブロック10のように、
シリンダライナ11の外周部でウォータジャケット12を形
成するようにしたクローズドデッキ・ウエットライナ形
のものは、ウォータジャケット12内の冷却水が直接シリ
ンダライナ11に接するので、冷却効率に優れる。なお、
図18中、図17のものと同様の部分には、同一の番号を付
してある。
【0006】ところで、クローズドデッキ・ウエットラ
イナ形のシリンダブロック10は、その構造上、ウォータ
ジャケット12がアンダーカット部を形成するため、ダイ
カスト法による成型が困難であり、一般に、崩壊性中子
を用いた重力鋳造法あるいは低圧鋳造法によって成型さ
れているが、中子の製造および成型後の取出が煩雑であ
り、生産性が低いという問題があった。
【0007】そこで、従来、生産性を向上させるべくク
ローズドデッキ・ウエットライナ形のシリンダブロック
をダイカスト法を用いて製造する方法が種々提案されて
いる。例えば、分割式の移動可能な中子を用いてウォ
ータジャケットを形成する方法(特公平2−53623
号、特公平2−53624号公報参照)、オープンデ
ッキ形と同様にウォータジャケットを形成した後、シリ
ンダヘッド取付面の開口部の一部を塞ぐ方法(特開平1
−100352号、特開平1−147145号、特公平
2−11735号公報参照)、予めウォータジャケッ
トを設けたシリンダライナを鋳包む方法(特開昭62−
113845号、実開平5−78950号公報参照)、
および、シリンダブロックに形成した段付ボアの小径
部に、一端部の外側にフランジ部を有するシリンダライ
ナを圧入して、段付ボアの大径部と、シリンダライナの
側壁およびフランジ部とでウォータジャケットを形成す
る方法(特開昭60−135650号、実公平1−10
427号公報参照)が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のシリンダブロックの製造方法では、次のような問題
がある。すなわち、の方法では、金型の構造が複雑に
なり、型費が高くなるとともに型寿命も短くなる。の
方法では、開口部の一部を塞ぐ工程が煩雑となり生産性
の向上があまり期待できない。の方法では、シリンダ
ライナの形状が複雑で製造が困難となるため、生産性の
向上があまり期待できない。の方法では、シリンダブ
ロック本体とシリンダライナとを強固に結合することが
困難であり、シリンダブロックの剛性が低下しやすい。
このように、上記ないしに示すシリンダブロックの
製造方法は、いずれも充分満足できる効果を奏している
とは言えない。
【0009】なお、崩壊性中子または低融点金属中子を
用いたダイカスト法も開発されていが、この場合も、中
子を使用しているため、成型後に、中子の取出し、清掃
および中子のリサイクル等の工程が必要となり、生産
性、コストの点で充分満足できるものではない。
【0010】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、ダイカスト法を用いて容易に製造することがで
きるクローズドデッキ・ウエットライナ形式のエンジン
のシリンダブロックおよびそれに用いるシリンダブロッ
ク用インサート部材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、シリンダブロック本体のシリンダボア
の外周部に、両端部の内側にフランジ部を有する筒状の
インサート部材を鋳包み、シリンダライナを前記インサ
ート部材に挿通して前記フランジ部に嵌合させるように
したエンジンのシリンダブロックにおいて、前記インサ
ート部材の側面部と前記フランジ部との結合部の内側に
丸みを設け、かつ、前記側面部の両端部から中央部にか
けて徐々に内側に肉圧を厚くして膨出部を形成するよう
にしたことを特徴とする。
【0012】また、上記の構成に加えてインサート部材
の外周部にフランジ状の補強リブを設けたことを特徴と
する。
【0013】このように構成したことにより、シリンダ
ブロック本体に鋳包まれたインサート部材と、インサー
ト部材のフランジ部に嵌合されたシリンダライナとの間
にウォータジャケットが形成される。また、インサート
部材のフランジ部と側面部との結合部の内側の丸み設
け、側面部に膨出部を形成したので、インサート部材の
フランジ部に金型の一部を挿入してインサート部材をシ
リンダ部ブロック本体に鋳包む際、鋳造時の溶湯圧力に
よってインサート部材に生じる応力の集中が緩和され
る。
【0014】さらに、補強リブによってインサート部材
が剛性の高い断面形状となり、鋳造時の溶湯圧力に対し
て変形しにくくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0016】第1実施形態に係るエンジンのシリンダブ
ロックについて図1ないし図6を用いて説明する。図1
および図2に示すように、シリンダブロック13は、直列
3気筒エンジン用のクローズドデッキ・ウエットライナ
形のシリンダブロックであり、アルミニウム合金製のシ
リンダブロック本体14に、3つのシリンダボア15が直列
に並設されている。
【0017】3つのシリンダボア15の外周部には、筒状
のインサート部材16が鋳包まれている。インサート部材
16の両端部の内側には、それぞれフランジ部17,18が形
成されており、シリンダブロック本体14に形成されたボ
ア19およびインサート部材16のフランジ部17,18に、円
筒状のシリンダライナ20が挿通、嵌合されてシリンダボ
ア15が形成されている。そして、インサート部材16の側
壁16a およびフランジ部17,18とシリンダライナ20の側
壁とによって、シリンダボア15の周囲を囲むウォータジ
ャケット21が形成されている。シリンダブロック本体14
のシリンダヘッド取付面22(以下、デッキ面22という)
には、インサート部材16のフランジ部17を貫通してウォ
ータジャケット21に連通する複数の冷却水通路23が開口
されている。
【0018】インサート部材16は、図3に示すように、
両端部の内側にフランジ部17,18を有する3つの略円筒
状部分が各シリンダボア15を取り囲むように並べて結合
され、それらの内部を互いに連通させた形状となってい
る。これにより、各シリンダボア15の周囲に形成される
ウォータジャケット21は、互いに連通されている。
【0019】また、図4に示すように、インサート部材
16は、フランジ部17,18と側面部との結合部の内側に丸
み(半径=R)が設けられている。さらに、側面部が両
端部から中央部にかけて徐々に肉圧が内側に厚くなって
おり、内側に膨出する膨出部24が形成されている。な
お、膨出部24の中央の頂上部24a は、ボア19に圧入され
るシリンダライナ20との間に所定の隙間が形成されるよ
うな肉厚となっている。
【0020】両端部の内側にフランジ部17,18を有する
筒状のインサート部材16は、アンダーカット部を有する
ので、例えば図3に示すように、これを分割(半割り)
した形状の部材16a ,16b を成型し、これらを接合して
筒状の一体とすることによって容易に製造することがで
きる。このように分割構造とすることにより、アンダー
カット部を解消して各部材16a ,16b をアルミニウム合
金製として容易にダイカスト成型することができる。
【0021】ここで、各部材16a ,16b の結合手段とし
ては、例えば、プロジェクション溶接等の抵抗溶接、ア
ークスポット溶接、TIG溶接、MIG溶接、摩擦圧接
等による溶着、アロンセラミック(東亜合成化学工業株
式会社製)等の耐熱性無機系接着剤等を用いた接着、ロ
ウ付け、超音波を応用したハンダ付け、若しくは、超音
波接合を用いることができる。
【0022】上記のように、インサート部材16を分割構
造とした場合、シリンダブロック本体14を後述するよう
にダイカスト成型する際に、インサート部材16を鋳包む
ことにより、インサート部材16はシリンダブロック本体
14と一体化され、各部材16a,16b 間の接合部が確実に
シールされる。
【0023】なお、上記のほか、インサート部材16は、
中子を用いてシェル型鋳造、金型鋳造等の重力鋳造ある
いは低圧鋳造によって分割することなく一体として製造
することもでき、また、熱処理等によって強度を高める
こともできる。
【0024】次に、シリンダブロック13のダイカスト法
を用いた製造方法ついて図5および図6を用いて説明す
る。
【0025】図5に示すように、先ず、金型の可動型25
に設けられ、前述のシリンダブロック本体14にボア19を
形成するための芯金26(金型の一部)をインサート部材
16に挿通してフランジ部17,18に嵌合させ、冷却水通路
23を形成するガイドピン27をフランジ部17に当接させ
る。次に、図6に示すように、可動型25と固定型28とを
型締してキャビティCを形成するとともに、固定型28に
設けられたガイドピン29をフランジ部18に当接させてイ
ンサート部材16をキャビティC内に位置決めする。これ
により、インサート部材16と芯金26との間に閉じた空間
Sが形成される。
【0026】その後、キャビティC内にアルミニウム合
金の溶湯を鋳込み、シリンダブロック本体14を鋳造成型
してインサート部材16を鋳包むことにより、インサート
部材16はシリンダブロック本体14と一体化される。空間
Sには溶湯が注入されないので、ウォータジャケット21
となる空間が確保される。ここで、インサート部材16に
高温の溶湯が接触するが、ダイカスト法では、溶湯の凝
固が比較的早く行われるため、インサート部材16の軟
化、溶融が起こりにくくいので、シリンダブロック本体
14と同様の材質のアルミニウム合金製のインサート部材
16を用いることができる。
【0027】このとき、例えば図15(A) に示すように、
インサート部材16の側壁が均一な肉厚となっている場
合、鋳造時の溶湯圧力による応力が側壁の中央部に集中
するため、溶湯圧力によってインサート部材16の側壁が
図15(B) に示すように塑性変形しやすくなるので、鋳造
圧力を高めることができない。本実施形態のシリンダブ
ロック13では、インサート部材16の側面部とフランジ部
17,18との結合部に丸みを設けるとともに、側面部に膨
出部24を設けたことにより、鋳造時の溶湯圧力による応
力の集中が緩和され、インサート部材16が変形しにくく
なるので、鋳造圧力を充分高くすることができる。
【0028】次に、可動型25と固定型28とを開いてシリ
ンダブロック本体14に鋳包まれたインサート部材16から
芯金26を抜き取り、鋳造品を離型してシリンダブロック
本体14を得る。機械加工により、デッキ面22に冷却水通
路23を穿設し、また、シリンダブロック本体14のボア19
およびインサート部材16のフランジ部17,18を共加工し
てシリンダライナ20の圧入部のはめ合い寸法を出す。そ
して、シリンダブロック本体14のボア19およびインサー
ト部材16のフランジ部17,18にシリンダライナ20を圧入
することにより、インサート部材16とシリンダライナ20
との間にウォータジャケット21が形成される。
【0029】このように、金型の一部である芯金26をイ
ンサート部材16に嵌合させてインサート部材16を鋳包む
ことにより、ウォータジャケット21を形成するためのア
ンダカット部が解消されるので、ダイカスト法を用いて
アルミニウム合金製のクローズドデッキ・ウエットライ
ナ形のシリンダブロック13を製造することができる。ま
た、ダイカスト鋳造によりシリンダブロック本体14の鋳
肌に硬質かつ緻密なチル層が形成されるので、ウォータ
ジャケット21の耐圧、防水性が向上する。
【0030】次に、本発明の第2実施形態について図7
ないし図14を用いて説明する。なお、第2実施形態に係
るシリンダブロックは、上記第1実施形態に対して、イ
ンサート部材の形状が異なる以外は概略同様の構造であ
るから、以下、第1実施形態と同様の部分には同一の番
号を付して異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0031】図7および図8に示すように、第2実施形
態に係るシリンダブロック30では、シリンダブロック本
体14に鋳包まれたインサート部材16の外周部に複数のフ
ランジ状の補強リブ32が形成されている。この構成によ
り、インサート部材16は、さらに剛性の高い断面形状と
なって外力に対して変形しにくくなり、鋳造圧力による
変形を防止して、より高い溶湯圧力での鋳造を可能にす
ることができる。
【0032】次に、第2実施形態に係る具体例として、
図9に示す膨出部24および補強リブ32を設けたインサー
ト部材16を鋳包んでシリンダブロック本体14をダイカス
ト鋳造する場合について、図10に示す補強リブ32のみを
設けたインサート部材16A を用いた場合と比較して説明
する。
【0033】インサート部材16,16A をADC12(JIS
H 5302 アルミニウム合金ダイカスト12種Z)材製とし
て、ダイカスト射出圧力(=鋳造圧力)800kgf/cm2でシ
リンダブロック本体14に鋳包む場合のインサート部材1
6,16A に生じる応力の分布状態を有限要素法を用いて
解析した結果をそれぞれ図11および図12に示す。図12か
らわかるように、補強リブ32のみを設けたインサート部
材16A では、側面中央部に応力が集中しており、最大6
6.5kgf/cm2 のミーゼス応力が生じている。これに対し
て、図11からわかるように、膨出部24および補強リブ32
を設けたインサート部材16では、応力集中が緩和されて
おり、側面中央部に生じるミーゼス応力値は最大48.2kg
f/cm2 であり、インサート部材16A に対して約28%低減
されている。なお、図11および図12中の破線は、溶湯圧
力によって生じる歪の方向を表している。
【0034】次に、実際にインサート部材16,16A をシ
リンダブロック本体14に鋳包んだ場合の鋳造圧力による
変形について図13および図14を用いて説明する。インサ
ート部材16を射出速度1.57m/s 、最大鋳造圧力800kgf/c
m2、昇圧時間72msで鋳包んだ場合のシリンダブロック本
体14の縦断面を図13に示す。また、インサート部材16A
を射出速度1.54m/s 、最大鋳造圧力738kgf/cm2、昇圧時
間60msで鋳包んだ場合のシリンダブロック本体14の縦断
面を図14に示す。図14からわかるように、補強リブ32の
みを設けたインサート部材16A では、溶湯圧力によって
側面中央部が大きく変形して金型の芯金26に接触してい
る。これに対して、図13からわかるように、膨出部24お
よび補強リブ32を設けたインサート部材16では、鋳造圧
力が高いにもかかわらず、殆ど変形が見られない。
【0035】なお、上記第1、第2実施形態では、一例
として直列3気筒エンジン用のシリンダブロックについ
て説明しているが、本発明は、これに限らず、このほか
の多気筒または単気筒エンジン用のシリンダブロックに
も同様に適用することができる。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
シリンダブロック本体に鋳包まれたインサート部材と、
インサート部材のフランジ部に嵌合されたシリンダライ
ナとの間にウォータジャケットが形成されて、クローズ
ドデッキ・ウエットライナ形のシリンダブロックを得る
ことができる。また、インサート部材のフランジ部と側
面部との結合部の内側に丸み設け、側面部に膨出部を形
成したので、インサート部材のフランジ部に金型の一部
を挿入してインサート部材をシリンダ部ブロック本体に
鋳包む際、鋳造時の溶湯圧力によってインサート部材に
生じる応力の集中が緩和されて、インサート部材の変形
を防止することができる。さらに、補強リブを設けるこ
とによって、インサート部材が剛性の高い断面形状とな
って鋳造時の溶湯圧力に対して変形しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシリンダブロック
を一部破断して示す斜視図である。
【図2】図1のシリンダブロックのシリンダボアの中心
に沿った縦断面図である。
【図3】図1のシリンダブロックに用いられるインサー
ト部材の斜視図である。
【図4】図3のA−A線による縦断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るシリンダブロック本
体のダイカスト用金型が開いた状態を示す概略図であ
る。
【図6】図5の金型が閉じた状態を示す概略図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るシリンダブロック
のシリンダボアの中心に沿った縦断面図である。
【図8】図7のシリンダブロックに用いられるインサー
ト部材のシリンダボアの中心に沿った縦断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るインサート部材の
一実施例のシリンダボアの中心に沿った縦断面図であ
る。
【図10】補強リブのみを設けたインサート部材のシリ
ンダボアの中心に沿った縦断面図である。
【図11】鋳造時の溶湯圧力によって図9のインサート
部材に生じる応力の分布状態を示す有限要素法による解
析図である。
【図12】鋳造時の溶湯圧力によって図10のインサート
部材に生じる応力の分布状態を示す有限要素法による解
析図である。
【図13】図9のインサート部材を実際に鋳包んだシリ
ンダブロック本体の縦断面図である。
【図14】図10のインサート部材を実際に鋳包んだシリ
ンダブロック本体の縦断面図である。
【図15】鋳造時の溶湯圧力によるインサート部材の変
形を示す概略図である。
【図16】オープンデッキ形のエンジンのシリンダブロ
ックを一部破断して示す斜視図である。
【図17】クローズドデッキ・ドライライナ形のエンジ
ンのシリンダブロックを一部破断して示す斜視図であ
る。
【図18】従来のクローズドデッキ・ウエットライナ形
のエンジンのシリンダブロックを一部破断して示す斜視
図である。
【符号の説明】
13 シリンダブロック 14 シリンダブロック本体 15 シリンダボア 16 インサート部材 17,18 フランジ部 20 シリンダライナ 24 膨出部 30 シリンダブロック 32 補強リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02F 1/16 F02F 1/16 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロック本体のシリンダボアの
    外周部に、両端部の内側にフランジ部を有する筒状のイ
    ンサート部材を鋳包み、シリンダライナを前記インサー
    ト部材に挿通して前記フランジ部に嵌合させるようにし
    たエンジンのシリンダブロック用インサート部材であっ
    て、側面部と前記フランジ部との結合部の内側に丸みを
    設け、かつ、前記側面部の両端部から中央部にかけて徐
    々に内側に肉圧を厚くして膨出部を形成したことを特徴
    とするシリンダブロック用インサート部材。
  2. 【請求項2】 外周部にフランジ状の補強リブを設けた
    ことを特徴とする請求項3に記載のシリンダブロック用
    インサート部材。
  3. 【請求項3】 シリンダブロック本体のシリンダボアの
    外周部に、請求項1または2に記載のシリンダブロック
    用インサート部材を鋳包み、シリンダライナを前記シリ
    ンダブロック用インサート部材に挿通して、そのフラン
    ジ部に嵌合させるようにしたことを特徴とするシリンダ
    ブロック。
JP26223195A 1995-09-14 1995-09-14 シリンダブロック用インサート部材およびシリンダブロック Expired - Fee Related JP3269355B2 (ja)

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