JPH08177615A - エンジンのシリンダブロック - Google Patents
エンジンのシリンダブロックInfo
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- JPH08177615A JPH08177615A JP33814694A JP33814694A JPH08177615A JP H08177615 A JPH08177615 A JP H08177615A JP 33814694 A JP33814694 A JP 33814694A JP 33814694 A JP33814694 A JP 33814694A JP H08177615 A JPH08177615 A JP H08177615A
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- Japan
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- insert
- cylinder block
- cylinder
- peripheral wall
- insert row
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F1/00—Cylinders; Cylinder heads
- F02F1/02—Cylinders; Cylinder heads having cooling means
- F02F1/10—Cylinders; Cylinder heads having cooling means for liquid cooling
- F02F2001/106—Cylinders; Cylinder heads having cooling means for liquid cooling using a closed deck, i.e. the water jacket is not open at the block top face
Landscapes
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 シリンダブロックのウォータジャケットを容
易に形成する。 【構成】 略円筒状をなすインサート部材17の外周壁 1
72に、平面部 171を形成する。複数のインサート部材17
を、平面部 171を密着させて結合させ、インサート列体
15形成する。インサート列体15を、内周壁より肉厚の除
去加工が可能となるように、該内周壁を露出させてシリ
ンダブロック本体のシリンダボア外周部に鋳包む。イン
サート部材17は、耐熱性、耐食性等に優れる展伸材で形
成する。したがってインサート列体15は高剛性であり、
シリンダブロック本体に鋳包む際にも、外力により変形
することもない。その後の肉厚除去加工により、インサ
ート列体15内部を連通させ、該インサート列体15の端部
から挿入可能なシリンダライナと、前記インサート列体
15の内周壁とでウォータジャケットを形成する。
易に形成する。 【構成】 略円筒状をなすインサート部材17の外周壁 1
72に、平面部 171を形成する。複数のインサート部材17
を、平面部 171を密着させて結合させ、インサート列体
15形成する。インサート列体15を、内周壁より肉厚の除
去加工が可能となるように、該内周壁を露出させてシリ
ンダブロック本体のシリンダボア外周部に鋳包む。イン
サート部材17は、耐熱性、耐食性等に優れる展伸材で形
成する。したがってインサート列体15は高剛性であり、
シリンダブロック本体に鋳包む際にも、外力により変形
することもない。その後の肉厚除去加工により、インサ
ート列体15内部を連通させ、該インサート列体15の端部
から挿入可能なシリンダライナと、前記インサート列体
15の内周壁とでウォータジャケットを形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイカスト製クローズ
ドデッキ・ウエットライナー形式のエンジンのシリンダ
ブロックに関するものである。
ドデッキ・ウエットライナー形式のエンジンのシリンダ
ブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にアルミニウム合金製のエンジンの
シリンダブロックでは、薄肉の耐摩性材料からなるシリ
ンダライナが組込まれており、このシリンダライナにピ
ストンが嵌装されるシリンダボアが形成されている。
シリンダブロックでは、薄肉の耐摩性材料からなるシリ
ンダライナが組込まれており、このシリンダライナにピ
ストンが嵌装されるシリンダボアが形成されている。
【0003】この種のシリンダブロックには、例えば、
図18に示すシリンダブロック1のように、冷却水を循環
させるためにシリンダライナ2の外周部に形成されたウ
ォータジャケット3がシリンダヘッド取付面4で開口さ
れた構造のオープンデッキ形のものと、図19に示すシリ
ンダブロック5のように、シリンダライナ6の外周部に
形成されたウォータジャケット7はシリンダヘッド取付
面8で閉じられ、シリンダヘッド取付面8にウォータジ
ャケット7に連通する冷却水通路9が設けられた構造の
クローズドデッキ形のものとがある。
図18に示すシリンダブロック1のように、冷却水を循環
させるためにシリンダライナ2の外周部に形成されたウ
ォータジャケット3がシリンダヘッド取付面4で開口さ
れた構造のオープンデッキ形のものと、図19に示すシリ
ンダブロック5のように、シリンダライナ6の外周部に
形成されたウォータジャケット7はシリンダヘッド取付
面8で閉じられ、シリンダヘッド取付面8にウォータジ
ャケット7に連通する冷却水通路9が設けられた構造の
クローズドデッキ形のものとがある。
【0004】図18に示すようなオープンデッキ形のシリ
ンダブロック1は、アルミニウム合金等で鋳造成型する
場合、ダイカスト法によって容易に成型することができ
る反面、シリンダヘッド取付面4が開口しているため、
剛性が低く、振動、騒音を発生しやすいという欠点があ
る。
ンダブロック1は、アルミニウム合金等で鋳造成型する
場合、ダイカスト法によって容易に成型することができ
る反面、シリンダヘッド取付面4が開口しているため、
剛性が低く、振動、騒音を発生しやすいという欠点があ
る。
【0005】一方、図19に示すようなクローズドデッキ
形のシリンダブロックは、シリンダヘッド取付面8が閉
じているため、剛性が高く、振動、騒音を発生しにくい
ので、薄肉、軽量化を図ることができるという利点があ
る。さらに、図20に示すシリンダブロック10のように、
シリンダライナ11の外周部でウォータジャケット12を形
成するようにしたクローズドデッキ・ウエットライナ形
のものは、ウォータジャケット12内の冷却水が直接シリ
ンダライナ11に接するので、冷却効率に優れる。なお、
図20中、図19のものと同様の部分には、同一の番号を付
してある。
形のシリンダブロックは、シリンダヘッド取付面8が閉
じているため、剛性が高く、振動、騒音を発生しにくい
ので、薄肉、軽量化を図ることができるという利点があ
る。さらに、図20に示すシリンダブロック10のように、
シリンダライナ11の外周部でウォータジャケット12を形
成するようにしたクローズドデッキ・ウエットライナ形
のものは、ウォータジャケット12内の冷却水が直接シリ
ンダライナ11に接するので、冷却効率に優れる。なお、
図20中、図19のものと同様の部分には、同一の番号を付
してある。
【0006】ところで、クローズドデッキ・ウエットラ
イナ形のシリンダブロック10は、その構造上、ウォータ
ジャケット12がアンダーカット部を形成するため、ダイ
カスト法による成型が困難であり、一般に、崩壊性中子
を用いた重力鋳造法あるいは低圧鋳造法によって成型さ
れているが、中子の製造および成型後の取出が煩雑であ
り、生産性が低いという問題があった。
イナ形のシリンダブロック10は、その構造上、ウォータ
ジャケット12がアンダーカット部を形成するため、ダイ
カスト法による成型が困難であり、一般に、崩壊性中子
を用いた重力鋳造法あるいは低圧鋳造法によって成型さ
れているが、中子の製造および成型後の取出が煩雑であ
り、生産性が低いという問題があった。
【0007】そこで、従来、生産性を向上させるべくク
ローズドデッキ・ウエットライナ形のシリンダブロック
をダイカスト法を用いて製造する方法が種々提案されて
いる。例えば、分割式の移動可能な中子を用いてウォ
ータジャケットを形成する方法(特公平2−53623
号、特公平2−53624号公報参照)、オープンデ
ッキ形と同様にウォータジャケットを形成した後、シリ
ンダヘッド取付面の開口部の一部を塞ぐ方法(特開平1
−100352号、特開平1−147145号、特公平
2−11735号公報参照)、予めウォータジャケッ
トを設けたシリンダライナを鋳包む方法(特開昭62−
113845号、実開平5−78950号公報参照)、
および、シリンダブロックに形成した段付ボアの小径
部に、一端部の外側にフランジ部を有するシリンダライ
ナを圧入して、段付ボアの大径部と、シリンダライナの
側壁およびフランジ部とでウォータジャケットを形成す
る方法(特開昭60−135650号、実公平1−10
427号公報参照)が提案されている。
ローズドデッキ・ウエットライナ形のシリンダブロック
をダイカスト法を用いて製造する方法が種々提案されて
いる。例えば、分割式の移動可能な中子を用いてウォ
ータジャケットを形成する方法(特公平2−53623
号、特公平2−53624号公報参照)、オープンデ
ッキ形と同様にウォータジャケットを形成した後、シリ
ンダヘッド取付面の開口部の一部を塞ぐ方法(特開平1
−100352号、特開平1−147145号、特公平
2−11735号公報参照)、予めウォータジャケッ
トを設けたシリンダライナを鋳包む方法(特開昭62−
113845号、実開平5−78950号公報参照)、
および、シリンダブロックに形成した段付ボアの小径
部に、一端部の外側にフランジ部を有するシリンダライ
ナを圧入して、段付ボアの大径部と、シリンダライナの
側壁およびフランジ部とでウォータジャケットを形成す
る方法(特開昭60−135650号、実公平1−10
427号公報参照)が提案されている。
【0008】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、上記従
来のシリンダブロックの製造方法では、次のような問題
がある。すなわち、の方法では、金型の構造が複雑に
なり、型費が高くなると共に型寿命も短い。の方法で
は、開口部の一部を塞ぐ工程が煩雑となり生産性の向上
があまり期待できない。の方法では、シリンダライナ
の形状が複雑で製造が困難となるため、生産性の向上が
余り期待できない。の方法では、シリンダブロック本
体とシリンダライナとを強固に結合することが困難であ
り、シリンダブロックの剛性が低下する。このように、
上記ないしに示すシリンダブロックの製造方法は、
いずれも十分満足できる効果を奏しているとは言えな
い。
来のシリンダブロックの製造方法では、次のような問題
がある。すなわち、の方法では、金型の構造が複雑に
なり、型費が高くなると共に型寿命も短い。の方法で
は、開口部の一部を塞ぐ工程が煩雑となり生産性の向上
があまり期待できない。の方法では、シリンダライナ
の形状が複雑で製造が困難となるため、生産性の向上が
余り期待できない。の方法では、シリンダブロック本
体とシリンダライナとを強固に結合することが困難であ
り、シリンダブロックの剛性が低下する。このように、
上記ないしに示すシリンダブロックの製造方法は、
いずれも十分満足できる効果を奏しているとは言えな
い。
【0009】また、崩壊性中子または低融点金属中子を
用いたダイカスト法も開発されているが、この場合も、
中子を使用しているため、成形後に、中子の取り出し、
清掃および中子のリサイクル等の工程が必要となり、生
産性、コストの点で十分満足できるものではない。
用いたダイカスト法も開発されているが、この場合も、
中子を使用しているため、成形後に、中子の取り出し、
清掃および中子のリサイクル等の工程が必要となり、生
産性、コストの点で十分満足できるものではない。
【0010】その他にも、中子等を使わずに、機械加工
により直接冷却水通路を形成した後に、シリンダライナ
を嵌合させる手法も考えられるが、以下のような問題が
ある。ダイカスト製品であるシリンダブロックの表層部
は、緻密な組織からなるチル層が形成されるが、内部に
はひけ巣、ブローホール、ピンホール等の欠陥を生じが
ちであり、切削等の機械加工を施すとこれらの内部欠陥
が露出し、水漏れ、油漏れ等の不具合が生じてしまう。
これを抑えるために、実際に使用する際には、切削面に
樹脂含浸等の大変高価な後処理を施さなければならない
こともあり、通常はあまり用いられる手法ではない。
により直接冷却水通路を形成した後に、シリンダライナ
を嵌合させる手法も考えられるが、以下のような問題が
ある。ダイカスト製品であるシリンダブロックの表層部
は、緻密な組織からなるチル層が形成されるが、内部に
はひけ巣、ブローホール、ピンホール等の欠陥を生じが
ちであり、切削等の機械加工を施すとこれらの内部欠陥
が露出し、水漏れ、油漏れ等の不具合が生じてしまう。
これを抑えるために、実際に使用する際には、切削面に
樹脂含浸等の大変高価な後処理を施さなければならない
こともあり、通常はあまり用いられる手法ではない。
【0011】すなわち、機械加工を加える部位がダイカ
スト法により形成されたものであると、表面処理は必要
不可欠となる。また、ダイカスト用合金は、流動性を向
上させるために不純物の含有率が高く、ウォータジャケ
ットを形成する部材としては、さらなる耐食性の向上が
望まれていた。
スト法により形成されたものであると、表面処理は必要
不可欠となる。また、ダイカスト用合金は、流動性を向
上させるために不純物の含有率が高く、ウォータジャケ
ットを形成する部材としては、さらなる耐食性の向上が
望まれていた。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、ウォータジャケッ
トの形成部材であるインサート列体を複数のインサート
部材により容易に形成することができるクローズドデッ
キ・ウエットライナー形式のエンジンのシリンダブロッ
クを提供することを目的とする。
のであり、その目的とするところは、ウォータジャケッ
トの形成部材であるインサート列体を複数のインサート
部材により容易に形成することができるクローズドデッ
キ・ウエットライナー形式のエンジンのシリンダブロッ
クを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係る手段は、ダイカスト製クローズドデッキ
・ウエットライナー形式のエンジンのシリンダブロック
において、略円筒状をなすインサート部材の外周壁に平
面部を形成し、該平面部を密着させて複数連設してなる
インサート列体を、内周壁より肉厚の除去加工が可能と
なるように、該内周壁を露出させてシリンダブロック本
体のシリンダボア外周部に鋳包み、該インサート列体の
端部から挿入可能なシリンダライナと、前記内周壁とで
ウォータジャケットを形成したことを特徴とする。
の本発明に係る手段は、ダイカスト製クローズドデッキ
・ウエットライナー形式のエンジンのシリンダブロック
において、略円筒状をなすインサート部材の外周壁に平
面部を形成し、該平面部を密着させて複数連設してなる
インサート列体を、内周壁より肉厚の除去加工が可能と
なるように、該内周壁を露出させてシリンダブロック本
体のシリンダボア外周部に鋳包み、該インサート列体の
端部から挿入可能なシリンダライナと、前記内周壁とで
ウォータジャケットを形成したことを特徴とする。
【0014】また、本発明を実施するにあたり、前記イ
ンサート部材の外周壁に形成した平面部に、内周壁から
肉厚除去加工を施すことにより、ウォータジャケットと
の連通が可能な深さを有するキー溝を設けることが望ま
しい場合もある。
ンサート部材の外周壁に形成した平面部に、内周壁から
肉厚除去加工を施すことにより、ウォータジャケットと
の連通が可能な深さを有するキー溝を設けることが望ま
しい場合もある。
【0015】
【作用】本発明に用いるインサート部材は、円筒状をな
すアルミニウム合金素材であれば、いかなるものでも使
用し得るものであり、特に耐熱性、耐食性等に優れる展
伸材を選んで使用することにより、信頼性の向上を図る
ものである。また、複数のインサート部材でインサート
列体を形成するにあたり、各インサート部材の外周壁に
平面部を形成して該平面部で密着させるので、溶接等に
よる結合を容易に、かつ確実に施すことができ、インサ
ート列体の形成を容易とする。また、該インサート列体
をシリンダブロック本体に鋳包んだ後、内周壁から肉厚
除去作業を行うことにより、各インサート部材の内部を
連通させるものであるが、肉厚の除去量が、隣接するイ
ンサート内部に達しない場合等には、予め、前記肉厚除
去量にあわせて平面部にキー溝を設け、該キー溝を介し
て連通させることもある。
すアルミニウム合金素材であれば、いかなるものでも使
用し得るものであり、特に耐熱性、耐食性等に優れる展
伸材を選んで使用することにより、信頼性の向上を図る
ものである。また、複数のインサート部材でインサート
列体を形成するにあたり、各インサート部材の外周壁に
平面部を形成して該平面部で密着させるので、溶接等に
よる結合を容易に、かつ確実に施すことができ、インサ
ート列体の形成を容易とする。また、該インサート列体
をシリンダブロック本体に鋳包んだ後、内周壁から肉厚
除去作業を行うことにより、各インサート部材の内部を
連通させるものであるが、肉厚の除去量が、隣接するイ
ンサート内部に達しない場合等には、予め、前記肉厚除
去量にあわせて平面部にキー溝を設け、該キー溝を介し
て連通させることもある。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を添付図面に基づ
いて説明する。図中従来例と同一部分若しくは相当部分
は同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
いて説明する。図中従来例と同一部分若しくは相当部分
は同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
【0017】本発明にかかるクローズドデッキ・ウエッ
トライナー形式のエンジンのシリンダブロック13を図12
に示す。該シリンダブロック13は、多気筒用(3気筒
用)であり、シリンダブロック本体14、インサート列体
15およびシリンダライナ16で構成されている。シリンダ
ブロック本体14はアルミダイカスト製であり、内部にイ
ンサート列体15を鋳包んでいる。このインサート列体15
は、後に説明するように、略円筒状をなしアルミ合金の
展伸材で形成したインサート部材17を複数連設してなる
ものである。またシリンダライナ16は、均一な内径と外
径とを有し薄肉の耐摩性材料からなる円筒部材であり、
一端部にはフランジ 161を形成している。このシリンダ
ライナ16をインサート列体15の端部から嵌合させて、イ
ンサート列体15の内周壁との間にウォータジャケット18
を形成するとともに、その内周壁がシリンダボアとなる
ものである。
トライナー形式のエンジンのシリンダブロック13を図12
に示す。該シリンダブロック13は、多気筒用(3気筒
用)であり、シリンダブロック本体14、インサート列体
15およびシリンダライナ16で構成されている。シリンダ
ブロック本体14はアルミダイカスト製であり、内部にイ
ンサート列体15を鋳包んでいる。このインサート列体15
は、後に説明するように、略円筒状をなしアルミ合金の
展伸材で形成したインサート部材17を複数連設してなる
ものである。またシリンダライナ16は、均一な内径と外
径とを有し薄肉の耐摩性材料からなる円筒部材であり、
一端部にはフランジ 161を形成している。このシリンダ
ライナ16をインサート列体15の端部から嵌合させて、イ
ンサート列体15の内周壁との間にウォータジャケット18
を形成するとともに、その内周壁がシリンダボアとなる
ものである。
【0018】ここで、本発明によるシリンダーブロック
の製造の手順についてを、図13〜図17に示して説明す
る。ところで、図13〜図17はいずれも、図12のシリンダ
ブロック13の、製造過程におけるA−A線での縦断面を
示したものである。まず、図13に示すように、インサー
ト列体15の内周壁 151を、シリンダブロック本体の鋳型
(キャビティ型)19の一部である入子19a に挿通させ、
インサート列体の上端部152を鋳型19に設けた略柱状を
なす突起19b に当接させる。次に、図14に示すように、
鋳型(コア型)20を型締し、略柱状をなす突起20a (図
13)をインサート列体15の下端部 153に当接させ、溶湯
を射出する。溶湯が凝固したところで型抜きすると、図
15に示すように、インサート列体15をシリンダブロック
本体14のシリンダボア外周部に鋳包んだシリンダーブロ
ック(半完成品)13’ができる。このときインサート列
体15の内周壁 151は、露出させた状態にある。また、鋳
型19の突起19b によって、インサート列体15上下端部 1
52の一部を露出させ、後に冷却水通路となる凹部 141を
形成している。
の製造の手順についてを、図13〜図17に示して説明す
る。ところで、図13〜図17はいずれも、図12のシリンダ
ブロック13の、製造過程におけるA−A線での縦断面を
示したものである。まず、図13に示すように、インサー
ト列体15の内周壁 151を、シリンダブロック本体の鋳型
(キャビティ型)19の一部である入子19a に挿通させ、
インサート列体の上端部152を鋳型19に設けた略柱状を
なす突起19b に当接させる。次に、図14に示すように、
鋳型(コア型)20を型締し、略柱状をなす突起20a (図
13)をインサート列体15の下端部 153に当接させ、溶湯
を射出する。溶湯が凝固したところで型抜きすると、図
15に示すように、インサート列体15をシリンダブロック
本体14のシリンダボア外周部に鋳包んだシリンダーブロ
ック(半完成品)13’ができる。このときインサート列
体15の内周壁 151は、露出させた状態にある。また、鋳
型19の突起19b によって、インサート列体15上下端部 1
52の一部を露出させ、後に冷却水通路となる凹部 141を
形成している。
【0019】次に、図16に示すように肉厚の除去加工で
ある切削加工を、インサート列体の15の内周壁 151から
外周方向に向かって行い、中空領域21を形成する。この
とき、シリンダヘッド(図示省略)との冷却水の通路と
なる連通孔22も、切削加工により穿設する。さらに、後
にシリンダライナ16のフランジ部 161が嵌合する座 155
を、同様に切削加工により形成する。
ある切削加工を、インサート列体の15の内周壁 151から
外周方向に向かって行い、中空領域21を形成する。この
とき、シリンダヘッド(図示省略)との冷却水の通路と
なる連通孔22も、切削加工により穿設する。さらに、後
にシリンダライナ16のフランジ部 161が嵌合する座 155
を、同様に切削加工により形成する。
【0020】最後に、図17に示すようにシリンダライナ
16をインサート列体15に嵌合し、中空領域21をシリンダ
ライナ16の外壁 162で塞ぎ、ウォータジャケット18を形
成する。このようにして、クローズドデッキ・ウエット
ライナー形式のシリンダブロック13を形成する。
16をインサート列体15に嵌合し、中空領域21をシリンダ
ライナ16の外壁 162で塞ぎ、ウォータジャケット18を形
成する。このようにして、クローズドデッキ・ウエット
ライナー形式のシリンダブロック13を形成する。
【0021】ここで、図1〜図5を用いて、発明の主要
部をなすインサート列体15についての説明をする。
部をなすインサート列体15についての説明をする。
【0022】図1に示すように、インサート列体15は、
略円筒状をなしアルミ合金の展伸材で形成したインサー
ト部材17の外周壁 172に平面部 171を形成し、平面部 1
71を密着させて複数連設してなる。また、インサート部
材17は、外周壁 172の1か所に平面部 171を形成した端
部用インサート部材17a (図2)と、外周壁 172の2か
所に対向させて平面部 171を形成した中間部用インサー
ト部材17b (図3)とを用いる。なお、図1において
は、内部構造を表すためにインサート列体15の半分のみ
を実線で表しているが、実際には、点線で表した部分も
含んだ形状をなしている。
略円筒状をなしアルミ合金の展伸材で形成したインサー
ト部材17の外周壁 172に平面部 171を形成し、平面部 1
71を密着させて複数連設してなる。また、インサート部
材17は、外周壁 172の1か所に平面部 171を形成した端
部用インサート部材17a (図2)と、外周壁 172の2か
所に対向させて平面部 171を形成した中間部用インサー
ト部材17b (図3)とを用いる。なお、図1において
は、内部構造を表すためにインサート列体15の半分のみ
を実線で表しているが、実際には、点線で表した部分も
含んだ形状をなしている。
【0023】上記インサート部材17間の結合手段は、主
にTIG溶接、MIG溶接等が用いられる。また、溶接
個所は、平面部 171の合わせ面全周を溶接しても良い
し、局部的な溶接であっても良い。
にTIG溶接、MIG溶接等が用いられる。また、溶接
個所は、平面部 171の合わせ面全周を溶接しても良い
し、局部的な溶接であっても良い。
【0024】また、インサート部材17として用いる材料
は、例えばJIS規格に準じた、A3000 系、A4000 系、
A5000 系、A6000 系等の耐熱性、耐食性に優れるアルミ
合金材料を用いる。この中でもA5000 系Al−Mg合金は、
耐食性が非常に優れ、加工硬化によって比較的高い強度
を持ち、被削性、溶接性に優れるため、最も好ましい材
料である。また、展伸材より低価格の材料を用いる必要
がある場合には、重力鋳造法により製造したアルミ合金
鋳物を用いることも可能である。この場合には、比較的
鋳造性の良いAC4C、AC4B等を用いる事とし、熱
処理により強度の向上を図る。
は、例えばJIS規格に準じた、A3000 系、A4000 系、
A5000 系、A6000 系等の耐熱性、耐食性に優れるアルミ
合金材料を用いる。この中でもA5000 系Al−Mg合金は、
耐食性が非常に優れ、加工硬化によって比較的高い強度
を持ち、被削性、溶接性に優れるため、最も好ましい材
料である。また、展伸材より低価格の材料を用いる必要
がある場合には、重力鋳造法により製造したアルミ合金
鋳物を用いることも可能である。この場合には、比較的
鋳造性の良いAC4C、AC4B等を用いる事とし、熱
処理により強度の向上を図る。
【0025】このインサート列体15を、すでに説明した
ように、シリンダブロック本体13に鋳包み、図15に示す
ようなシリンダーブロック(半完成品)13’を形成す
る。さらに、図16に示すように肉厚の除去加工である切
削加工を、インサート列体の15の内周壁 151から外周方
向に向かって行う。このとき、インサート部材17の中心
から平面部 171までの距離をL、切削加工後の内周壁 1
51’の半径をrとすると、図4および図5に示すように
r>Lの状態まで切削を行う場合には、隣接する各イン
サート部材17間の肉は削り取られ、インサート列体15内
部は連通する。この後に、図17に示したように、シリン
ダライナ16をインサート列体15に嵌合することにより、
各気筒間で連通したウォータジャケット18(図12)を形
成することができる。
ように、シリンダブロック本体13に鋳包み、図15に示す
ようなシリンダーブロック(半完成品)13’を形成す
る。さらに、図16に示すように肉厚の除去加工である切
削加工を、インサート列体の15の内周壁 151から外周方
向に向かって行う。このとき、インサート部材17の中心
から平面部 171までの距離をL、切削加工後の内周壁 1
51’の半径をrとすると、図4および図5に示すように
r>Lの状態まで切削を行う場合には、隣接する各イン
サート部材17間の肉は削り取られ、インサート列体15内
部は連通する。この後に、図17に示したように、シリン
ダライナ16をインサート列体15に嵌合することにより、
各気筒間で連通したウォータジャケット18(図12)を形
成することができる。
【0026】上記構成をなす本発明を実施することによ
り、以下のような作用効果を得ることができる。すなわ
ち、円筒状をなすアルミ合金部材、特に耐熱性、耐食性
等に優れる展伸材をインサート部材17に用い、インサー
ト部材17を連接することにより多気筒用であるインサー
ト列体15を得ることができる。前記インサート部材17の
外周壁 172に平面部 171を設け、平面部 171で互いに密
着させるので、溶接等による固定を容易に、かつ確実に
施すことができる。したがって、インサート列体15を形
成するにあたり、特別多くの工数は要さない。また、イ
ンサート部材17に展伸材を用いているので、ウォータジ
ャケットからの水漏れ、油漏れ等のトラブルを発生する
ことがなく、信頼性を上げることができる。さらに、上
記材料においては熱処理を施すことが可能であり、剛性
を上げることも容易である。
り、以下のような作用効果を得ることができる。すなわ
ち、円筒状をなすアルミ合金部材、特に耐熱性、耐食性
等に優れる展伸材をインサート部材17に用い、インサー
ト部材17を連接することにより多気筒用であるインサー
ト列体15を得ることができる。前記インサート部材17の
外周壁 172に平面部 171を設け、平面部 171で互いに密
着させるので、溶接等による固定を容易に、かつ確実に
施すことができる。したがって、インサート列体15を形
成するにあたり、特別多くの工数は要さない。また、イ
ンサート部材17に展伸材を用いているので、ウォータジ
ャケットからの水漏れ、油漏れ等のトラブルを発生する
ことがなく、信頼性を上げることができる。さらに、上
記材料においては熱処理を施すことが可能であり、剛性
を上げることも容易である。
【0027】また、インサート列体15をシリンダブロッ
ク本体14に鋳包むときに、上記のごとくインサート部材
17は、中密な円筒状をなし高い剛性をもつので、ダイカ
スト法による溶湯の高い射出圧に屈して変形することも
なく、補強リブ等も不要であるため、インサート列体15
の形状は単純なもので良い。
ク本体14に鋳包むときに、上記のごとくインサート部材
17は、中密な円筒状をなし高い剛性をもつので、ダイカ
スト法による溶湯の高い射出圧に屈して変形することも
なく、補強リブ等も不要であるため、インサート列体15
の形状は単純なもので良い。
【0028】したがって、量産車用エンジンに限らず、
特に試作、実験段階におけるクローズドデッキ・ウエッ
トライナー形式のシリンダブロックの作成においては、
さまざまなタイプのものを容易に作成し実験することが
できる。
特に試作、実験段階におけるクローズドデッキ・ウエッ
トライナー形式のシリンダブロックの作成においては、
さまざまなタイプのものを容易に作成し実験することが
できる。
【0029】ところで、上記のごとく第1実施例におい
ては、インサート列体15をシリンダブロック本体14内部
に鋳包んだ後に、図4に示したように、r>Lの状態ま
で肉厚の切削加工を行うことにより、インサート列体15
内部を連通させているが、次に述べるような手法によ
り、インサート列体15内部の連通を実現することも可能
である。以下、本発明の第2実施例を添付図面に基づい
て説明する。第2実施例が第1実施例と同一である部分
若しくは相当する部分についての、詳しい説明は省略す
る。
ては、インサート列体15をシリンダブロック本体14内部
に鋳包んだ後に、図4に示したように、r>Lの状態ま
で肉厚の切削加工を行うことにより、インサート列体15
内部を連通させているが、次に述べるような手法によ
り、インサート列体15内部の連通を実現することも可能
である。以下、本発明の第2実施例を添付図面に基づい
て説明する。第2実施例が第1実施例と同一である部分
若しくは相当する部分についての、詳しい説明は省略す
る。
【0030】本実施例が第1実施例と異なる点は、図
7、図8に示すように、インサート部材17を連接してイ
ンサート列体15を形成する以前に、インサート部材17の
外周壁172に形成した平面部 171に、キー溝23を形成し
たことにある。図7に示す端部用インサート部材17a
と、図8に示す中間部用インサート部材17b とを複数組
み合わせて連接すると、図6に示すようなインサート列
体15が形成され、隣接するインサート部材17間の肉厚部
には、キー溝23を向かい合わせた空間Sが、略密閉され
た状態で形成されている。ところで図6においては、内
部構造を表すためにインサート列体15の半分のみを実線
で表しているが、実際には、点線で表した部分も含んだ
形状をなしている。
7、図8に示すように、インサート部材17を連接してイ
ンサート列体15を形成する以前に、インサート部材17の
外周壁172に形成した平面部 171に、キー溝23を形成し
たことにある。図7に示す端部用インサート部材17a
と、図8に示す中間部用インサート部材17b とを複数組
み合わせて連接すると、図6に示すようなインサート列
体15が形成され、隣接するインサート部材17間の肉厚部
には、キー溝23を向かい合わせた空間Sが、略密閉され
た状態で形成されている。ところで図6においては、内
部構造を表すためにインサート列体15の半分のみを実線
で表しているが、実際には、点線で表した部分も含んだ
形状をなしている。
【0031】ここで、図16に示すように肉厚の除去加工
である切削加工を、インサート列体の15の内周壁 151か
ら外周方向に向かって行う。このとき、インサート部材
17の中心から平面部 171までの距離をL、切削加工後の
内周壁 151’の半径をrとすると、図9および図10に示
すように、r<Lであり、かつ、キー溝23に達するよう
に肉厚の切削加工を行うことにより、空間Sを介してイ
ンサート列体15内部は連通する。
である切削加工を、インサート列体の15の内周壁 151か
ら外周方向に向かって行う。このとき、インサート部材
17の中心から平面部 171までの距離をL、切削加工後の
内周壁 151’の半径をrとすると、図9および図10に示
すように、r<Lであり、かつ、キー溝23に達するよう
に肉厚の切削加工を行うことにより、空間Sを介してイ
ンサート列体15内部は連通する。
【0032】以上説明したように、本発明の第2実施例
を用いることにより得られる作用効果は、以下の通りで
ある。まず、キー溝23で形成した空間Sを介してインサ
ート列体15の内部を連通させることができるので、イン
サート列体15をシリンダブロック本体14内に鋳包んだ後
の、肉圧の切削量を少なくすることができる。また、肉
厚除去を行う工具の刃が、隣接するインサート部材に及
ぶことがないので、各気筒で同時に肉厚除去作業を行う
ことも可能である。キー溝23はインサート部材17に平面
部 171を形成するときに、一緒に形成すれば良いので工
数のロスはあまりなく、第1実施例で説明したものと比
べると、製造時間が短縮される。そのほか第1実施例と
同様の作用効果を得ることができる。
を用いることにより得られる作用効果は、以下の通りで
ある。まず、キー溝23で形成した空間Sを介してインサ
ート列体15の内部を連通させることができるので、イン
サート列体15をシリンダブロック本体14内に鋳包んだ後
の、肉圧の切削量を少なくすることができる。また、肉
厚除去を行う工具の刃が、隣接するインサート部材に及
ぶことがないので、各気筒で同時に肉厚除去作業を行う
ことも可能である。キー溝23はインサート部材17に平面
部 171を形成するときに、一緒に形成すれば良いので工
数のロスはあまりなく、第1実施例で説明したものと比
べると、製造時間が短縮される。そのほか第1実施例と
同様の作用効果を得ることができる。
【0033】さらに上記手法の他に、インサート列体15
を形成した後、内筒壁 151を切削加工してインサート列
体15内部を連通させ、その後にシリンダーブロック本体
14の内部に鋳包む手法をとることも可能である。
を形成した後、内筒壁 151を切削加工してインサート列
体15内部を連通させ、その後にシリンダーブロック本体
14の内部に鋳包む手法をとることも可能である。
【0034】ところで、上記説明においては多気筒用シ
リンダーブロックを例に挙げて説明したが、本発明は単
気筒エンジンに用いることも当然可能であり、この場合
には図11に示すように、インサート部材17の外周壁 172
に平面部を形成せずに、円筒形のままシリンダーブロッ
ク本体に鋳包むものである。
リンダーブロックを例に挙げて説明したが、本発明は単
気筒エンジンに用いることも当然可能であり、この場合
には図11に示すように、インサート部材17の外周壁 172
に平面部を形成せずに、円筒形のままシリンダーブロッ
ク本体に鋳包むものである。
【0035】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、次の
ような効果を得ることができる。ダイカスト製クローズ
ドデッキ・ウエットライナー形式のエンジンのシリンダ
ブロックにおいて、略円筒状をなすインサート部材の外
周壁に平面部を形成し、該平面部を密着させて結合する
ので、溶接等による固定を容易に、かつ確実に施すこと
ができる。したがって、インサート列体を形成するにあ
たり、特別多くの工数は要さない。また、インサート部
材に展伸材を用いているので、ウォータジャケットから
の水漏れ、油漏れ等のトラブルを発生することがなく、
信頼性を上げることができる。さらに、熱処理を施すこ
とにより剛性を上げることも容易である。
ような効果を得ることができる。ダイカスト製クローズ
ドデッキ・ウエットライナー形式のエンジンのシリンダ
ブロックにおいて、略円筒状をなすインサート部材の外
周壁に平面部を形成し、該平面部を密着させて結合する
ので、溶接等による固定を容易に、かつ確実に施すこと
ができる。したがって、インサート列体を形成するにあ
たり、特別多くの工数は要さない。また、インサート部
材に展伸材を用いているので、ウォータジャケットから
の水漏れ、油漏れ等のトラブルを発生することがなく、
信頼性を上げることができる。さらに、熱処理を施すこ
とにより剛性を上げることも容易である。
【0036】しかも、インサート列体をシリンダブロッ
ク本体に鋳包むときに、インサート列体は、中密な円筒
状をなし高い剛性をもつので、ダイカスト法による溶湯
の高い射出圧に屈して変形することもなく、補強リブ等
も不要であるため、インサート列体の形状は、強度を確
保するために複雑にする必要がない。
ク本体に鋳包むときに、インサート列体は、中密な円筒
状をなし高い剛性をもつので、ダイカスト法による溶湯
の高い射出圧に屈して変形することもなく、補強リブ等
も不要であるため、インサート列体の形状は、強度を確
保するために複雑にする必要がない。
【0037】上記インサート列体を鋳包んだ後に、肉厚
除去加工により中空領域を形成して内部を連通させ、該
中空領域をシリンダジャケットで覆うことによりウォー
タジャケットを形成することができるので、容易にダイ
カスト製クローズドデッキ・ウエットライナー形式のエ
ンジンのシリンダブロックを得ることができる。
除去加工により中空領域を形成して内部を連通させ、該
中空領域をシリンダジャケットで覆うことによりウォー
タジャケットを形成することができるので、容易にダイ
カスト製クローズドデッキ・ウエットライナー形式のエ
ンジンのシリンダブロックを得ることができる。
【0038】ところで、前記インサート部材の外周壁の
平面部に、キー溝を形成した後に各インサート部材を連
接してインサート列体を形成した場合には、隣接するイ
ンサート部材のキー溝で形成した空間を介してインサー
ト列体の内部を連通させることができるので、肉圧の除
去量を少なくすることができる。また、肉厚除去を行う
工具の刃が隣接するインサート部材に及ぶことがないの
で、各気筒で同時に肉厚除去作業を行うことも可能であ
る。キー溝はインサート部材に平面部を形成するとき
に、一緒に形成すれば良いので工数のロスはあまりな
く、製造時間を短縮することができる。
平面部に、キー溝を形成した後に各インサート部材を連
接してインサート列体を形成した場合には、隣接するイ
ンサート部材のキー溝で形成した空間を介してインサー
ト列体の内部を連通させることができるので、肉圧の除
去量を少なくすることができる。また、肉厚除去を行う
工具の刃が隣接するインサート部材に及ぶことがないの
で、各気筒で同時に肉厚除去作業を行うことも可能であ
る。キー溝はインサート部材に平面部を形成するとき
に、一緒に形成すれば良いので工数のロスはあまりな
く、製造時間を短縮することができる。
【0039】また、上記効果を合わせ持つことにより、
特に試作、実験段階におけるクローズドデッキ・ウエッ
トライナー形式のシリンダブロックの作成においては、
さまざまなタイプのものを容易に作成し実験することが
できる。
特に試作、実験段階におけるクローズドデッキ・ウエッ
トライナー形式のシリンダブロックの作成においては、
さまざまなタイプのものを容易に作成し実験することが
できる。
【図1】本発明の第1実施例を示すエンジンのシリンダ
ブロックに用いるインサート列材を示す摸式図である。
ブロックに用いるインサート列材を示す摸式図である。
【図2】図1のインサート列材を形成する端部用インサ
ート部材を示す摸式図である。
ート部材を示す摸式図である。
【図3】図1のインサート列材を形成する中間部用イン
サート部材を示す摸式図である。
サート部材を示す摸式図である。
【図4】図1のインサート列材をシリンダブロック本体
に鋳包み、肉厚の除去加工を施した後の状態を示す図で
あり、図5のC−C線における横断面図である。
に鋳包み、肉厚の除去加工を施した後の状態を示す図で
あり、図5のC−C線における横断面図である。
【図5】図1のインサート列材をシリンダブロック本体
に鋳包み、肉厚の除去加工を施した後の状態を示す図で
あり、図4のB−B線における縦断面図である。
に鋳包み、肉厚の除去加工を施した後の状態を示す図で
あり、図4のB−B線における縦断面図である。
【図6】本発明の第2実施例を示すエンジンのシリンダ
ブロックに用いるインサート列材を示す摸式図である。
ブロックに用いるインサート列材を示す摸式図である。
【図7】図6のインサート列材を形成する端部用インサ
ート部材を示す摸式図である。
ート部材を示す摸式図である。
【図8】図6のインサート列材を形成する中間部用イン
サート部材を示す摸式図である。
サート部材を示す摸式図である。
【図9】図6のインサート列材をシリンダブロック本体
に鋳包み、肉厚の除去加工を施した後の状態を示す図で
あり、図10のD−D線における横断面図である。
に鋳包み、肉厚の除去加工を施した後の状態を示す図で
あり、図10のD−D線における横断面図である。
【図10】図6のインサート列材をシリンダブロック本体
に鋳包み、肉厚の除去加工を施した後の状態を示す図で
あり、図9のE−E線における縦断面図である。
に鋳包み、肉厚の除去加工を施した後の状態を示す図で
あり、図9のE−E線における縦断面図である。
【図11】本発明を単気筒エンジンに応用した場合に用い
るインサート部材の摸式図である。
るインサート部材の摸式図である。
【図12】本発明により形成されるエンジンのシリンダブ
ロックの摸式図である。
ロックの摸式図である。
【図13】本発明によるエンジンのシリンダブロックの製
造工程の第1段階を示す摸式図である。
造工程の第1段階を示す摸式図である。
【図14】シリンダブロックの製造工程の第2段階を示す
摸式図である。
摸式図である。
【図15】シリンダブロックの製造工程の第3段階を示す
摸式図である。
摸式図である。
【図16】シリンダブロックの製造工程の第4段階を示す
摸式図である。
摸式図である。
【図17】シリンダブロックの製造工程の最終段階を示す
摸式図である。
摸式図である。
【図18】従来の、オープンデッキ形シリンダブロックを
示す摸式図である。
示す摸式図である。
【図19】従来の、クローズドデッキ形シリンダブロック
を示す摸式図である。
を示す摸式図である。
【図20】従来の、クローズドデッキ・ウエットライナ形
シリンダブロックを示す摸式図である。
シリンダブロックを示す摸式図である。
13 シリンダブロック 14 シリンダブロック本体 15 インサート列体 151 内周壁 16 シリンダライナ 17 インサート部材 171 平面部 172 外周壁 18 ウォータジャケット 23 キー溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02F 1/16 B
Claims (2)
- 【請求項1】 ダイカスト製クローズドデッキ・ウエッ
トライナー形式のエンジンのシリンダブロックにおい
て、略円筒状をなすインサート部材の外周壁に平面部を
形成し、該平面部を密着させて複数連設してなるインサ
ート列体を、内周壁より肉厚の除去加工が可能となるよ
うに、該内周壁を露出させてシリンダブロック本体のシ
リンダボア外周部に鋳包み、該インサート列体の端部か
ら挿入可能なシリンダライナと、前記内周壁とでウォー
タジャケットを形成したことを特徴とするエンジンのシ
リンダブロック。 - 【請求項2】 前記インサート部材の外周壁に形成した
平面部に、内周壁から肉厚除去加工を施すことにより、
ウォータジャケットとの連通が可能な深さを有するキー
溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載のエンジン
のシリンダブロック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33814694A JPH08177615A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | エンジンのシリンダブロック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33814694A JPH08177615A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | エンジンのシリンダブロック |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08177615A true JPH08177615A (ja) | 1996-07-12 |
Family
ID=18315348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33814694A Pending JPH08177615A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | エンジンのシリンダブロック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08177615A (ja) |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP33814694A patent/JPH08177615A/ja active Pending
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