JPH0988316A - 床化粧材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】表面材の浮き上がりやコスト増加を防止して安
価で安定した施工状態を得ることのできる床化粧材を提
供する。 【解決手段】樹脂マット２上に、一枚あるいは複数枚の
表面材３を接着固定によって配設した床化粧材１であっ
て、樹脂マット２に表面材３を配設した状態で、各表面
材３の隅部に近接する樹脂マット２の位置に、リブ２１
ａが掛け渡された接着孔２１が設けられ、この接着孔２
１に流し入れた接着剤４が固化して、この接着孔２１の
リブ２１ａを包み込んだ状態で樹脂マット２と一体化さ
れるとともに、この固化した接着剤４の接着力によって
表面材３が接着されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製の樹脂
マットに接着固定によって表面材を配置してなる床化粧
材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、バルコニーなどの床上に敷設す
るユニット式の床化粧材としては、樹脂マットに接着剤
を介して表面材を貼設したものが知られているが、この
ような床化粧材は、接着剤によって樹脂マットと表面材
との双方を接着することができなかった。

【０００３】そのため、図３に示すように、従来の床化
粧材ａとしては、表面材ｂの中央部寄りの位置に接着凹
部ｃを設けるとともに、この接着凹部ｃに対応する樹脂
マットｄの位置に接着凸部ｅを設け、この接着凹部ｃと
接着凸部ｅとを互いに嵌合させた状態で、両者間の間隙
に接着剤ｆを充填し、この固化した接着剤ｆによって樹
脂マットｄと表面材ｂとを係合一体化させたものが知ら
れている（例えば、実開平５−８３１５７号公報、実開
平５−８４７３１号公報、実開平６−１４３４４号公報
参照）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の床
化粧材ａの場合、表面材ｂの中央部寄りに設けた接着凹
部ｃの位置で、樹脂マットｄと表面材ｂとが部分的に係
合一体化されているだけなので、各表面材ｂの周縁部に
は、係合一体化されていない部分が形成されることとな
る。そのため、この床化粧材ａを敷設する床面ｇに不陸
があるような場合、表面材ｂの周縁部が樹脂マットｄか
ら浮き上がり易くなり、施工後の床化粧材ａの上を歩行
する人がけつまずきやすくなるといった不都合を生じる
こととなる。

【０００５】また、表面材ｂに接着凹部ｃを設ける場
合、表面材ｂの生産金型の構造から考えても表面材ｂの
成形時に同時加工で接着凹部ｃを設けることができず、
一次成形した表面材ｂに二次加工で接着凹部ｃを形成し
なければならず、コストが嵩むといった不都合を生じる
こととなる。

【０００６】本発明は、係る実情に鑑みてなされたもの
であって、表面材の浮き上がりやコスト増加を防止して
安価で安定した施工状態を得ることのできる床化粧材を
提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の床化粧材は、樹脂マット上に、一枚あるいは
複数枚の表面材を接着固定によって配設した床化粧材で
あって、樹脂マットに表面材を配設した状態で、各表面
材の隅部に近接する樹脂マットの位置に、リブが掛け渡
された接着孔が設けられ、この接着孔に流し入れた接着
剤が固化して、この接着孔のリブを包み込んだ状態で樹
脂マットと一体化されるとともに、この固化した接着剤
の接着力によって表面材が接着されたものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。

【０００９】図１は床化粧材１の全体構成の概略を示
し、図２は同床化粧材１の要部を示している。

【００１０】すなわち、この床化粧材１は、樹脂マット
２の接着孔２１に接着剤４を介して表面材３を接着固定
して構成されている。

【００１１】樹脂マット２は、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、塩化ビニル、ＥＶＡなどの樹脂
材料からなり、表面材３を縦横三列に合計九枚を並べた
状態で接着できる大きさに形成されている。そして、樹
脂マット２の隣接する二辺に突起部２２が形成され、隣
接する他の二辺に受部２３が形成され、この突起部２２
と受部２３とによって複数の樹脂マット２同士が接続可
能となされている。また、この樹脂マット２に表面材３
を配設した状態で、各表面材３の四隅に当たる位置に
は、接着孔２１が形成されている。この接着孔２１は、
樹脂マット２を貫通する筒孔の内側に、十字状のリブ２
１ａが掛け渡されて網目に形成されている。この接着孔
２１は、樹脂マット２に表面材３を配設した状態で、表
面材３の周縁部と接着孔２１の周縁部との間隙が２〜１
０ｍｍ、好ましくは３〜５ｍｍとなるように、できるだ
け表面材３の周縁部に近い四隅の位置に設けられる。

【００１２】表面材３は、適宜の厚みを有する矩形状に
形成されている。この表面材３としては、磁器タイル、
ゴムタイル、木タイル、樹脂タイル、無機焼結タイルな
ど施工場所に応じた所望のものが使用される。

【００１３】このようになる床化粧材１は、樹脂マット
２の裏面から接着孔２１を介して表面材３の裏面へと接
着剤４を注入して固化させることによって構成される。
これにより、固化した接着剤４が、接着孔２１に掛け渡
された十字状のリブ２１ａを包み込んだ状態で樹脂マッ
ト２と一体化されるとともに、この固化した接着剤４の
接着力によって表面材３が樹脂マット２の表面に接着さ
れる。

【００１４】この床化粧材１によると、樹脂マット２と
表面材３とを接着した状態で、表面材３の周縁部に近い
四隅部分が樹脂マット２に接着固定されることとなるの
で、不陸のある床面に床化粧材１を敷設した場合であっ
ても樹脂マット２から表面材３が浮き上がるといったこ
とを防止することができる。

【００１５】また、接着剤４との接着ができない樹脂マ
ット２を固化した接着剤４と一体化させ、接着剤４との
接着ができる表面材３は、そのまま接着剤４の接着力に
よって接着するように構成しているので、表面材３は、
特別に接着凹部を設けるなどの二次加工をしたものを使
用する必要がなく、平滑なままの通常汎用されている表
面材３を使用することができる。

【００１６】なお、本実施の形態では、樹脂マット２の
表面に九枚の表面材３を配設固定する場合について述べ
ているが、この表面材３の数としては特に限定されるも
のではなく、例えば、樹脂マット２の表面に一枚の表面
材３を配設固定するものであってもよいし、縦横二列の
四枚の表面材３を配設固定するものであってもよい。

【００１７】また、本実施の形態では、一枚の表面材３
に付き、四箇所の接着孔２１で接着するようになされて
いるが、特に四箇所に限定されるものではなく、表面材
３の大きさに応じて適宜の数の接着孔２１で接着固定す
るものであってもよい。ただし、この場合、少なくと
も、表面材３の隅部に近接する樹脂マット２の位置に接
着孔２１が設けられていなければならない。

【００１８】さらに、本実施の形態では、樹脂マット２
の接着孔２１に掛け渡されたリブ２１ａが十字状の網目
に形成されているが、特に十字状の網目に形成されたも
のに限定されるものではなく、樹脂マット２の裏面側か
ら表面側へと接着剤４が行き渡り、固化した接着剤４に
よって包み込まれて、この固化した接着剤４と一体化す
る形状であれば、三叉状や直線状の各種形状のリブ２１
ａであってもよい。

【００１９】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によると、樹
脂マットに設けた接着孔のリブを包み込んだ状態で、こ
の樹脂マットと接着剤とを一体化するとともに、この固
化した接着剤の接着力によって表面材を接着しているの
で、二次加工していない平滑なままの通常の表面材を樹
脂マットの表面に接着固定することができ、低コストで
床化粧材を構成することができる。

【００２０】また、この接着固定状態で、樹脂マットと
表面材とを接着する接着孔は、各表面材の隅部に近接す
る樹脂マットの位置に設けているので、不陸のある床面
に床化粧材を敷設するような場合であっても、表面材の
周縁部が樹脂マットから浮き上がってけつまずきやすく
なるといったことが無く、安全な状態に施工することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】床化粧材の全体構成の概略を示す部分破断斜視
図である。

【図２】床化粧材の要部を示す部分背面図である。

【図３】従来の床化粧材の施工状態を示す部分断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 床化粧材 ２ 樹脂マット ２１ 接着孔 ２１ａ リブ ３ 表面材 ４ 接着剤

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂マット上に、一枚あるいは複数枚の
   表面材を接着固定によって配設した床化粧材であって、 樹脂マットに表面材を配設した状態で、各表面材の隅部
   に近接する樹脂マットの位置に、リブが掛け渡された接
   着孔が設けられ、この接着孔に流し入れた接着剤が固化
   して、この接着孔のリブを包み込んだ状態で樹脂マット
   と一体化されるとともに、この固化した接着剤の接着力
   によって表面材が接着されたことを特徴とする床化粧
   材。