JPH0987554A - 艶消しカチオン電着塗料組成物 - Google Patents

艶消しカチオン電着塗料組成物

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JPH0987554A
JPH0987554A JP27170695A JP27170695A JPH0987554A JP H0987554 A JPH0987554 A JP H0987554A JP 27170695 A JP27170695 A JP 27170695A JP 27170695 A JP27170695 A JP 27170695A JP H0987554 A JPH0987554 A JP H0987554A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カチオン電着塗料の艶消しを塗膜の主体とな
るカチオン性樹脂と顔料分散用樹脂の特定の組合せによ
って達成する。 【構成】 アミン変性エポキシ樹脂とカチオン性アクリ
ル樹脂を固形重量比7/3ないし3/7でブレンドし、
エポキシ系顔料分散用樹脂に分散した顔料分散ペースト
およびブロックポリイソシアネート架橋剤と共に中和剤
として酸を含む水性媒体中に分散する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明の背景 本発明は、艶消しカチオン電着塗料組成物に関する。
【0002】金属表面にワンコート仕上げで塗装される
電着塗料には艶消しが求められる。このため塗料へシリ
カ微粉末や焼付温度で溶融しない樹脂微粒子を添加し、
または顔料容積濃度(PVC)を高めるなどによって塗
膜表面に微細な凹凸を形成し、光の乱反射によって艶消
し効果を得るのが一般的である。ところがこれらの方策
には粒子の沈降、塗膜性能の低下などの問題がある。
【0003】本発明は、塗料に含まれる樹脂成分の組合
せによってカチオン電着塗料へ艶消し効果を与える。従
って艶消しのため特別に微粒子を添加したり、PVCを
高めたりしないから前記のような欠点を回避することが
できる。
【0004】本発明の開示 本発明は、(a)固形分重量比7/3ないし3/7のア
ミン変性エポキシ樹脂およびカチオン性アクリル樹脂の
ブレンドと、(b)エポキシ系顔料分散用樹脂に分散し
た顔料ペーストと、(c)ブロックポリイソシアネート
架橋剤とを中和剤を含む水性媒体中に分散してなる艶消
しカチオン電着塗料組成物を提供する。
【0005】カチオン電着塗料は、(a)塗膜の主体と
なるカチオン性樹脂(メイン樹脂)と、(b)顔料分散
用樹脂で分散した顔料分散ペーストと、(c)架橋剤を
含んでいる。これらの成分は中和剤として酸を含む水性
媒体中に分散される。本発明は、メイン樹脂としてアミ
ン変性エポキシ樹脂とカチオン性アクリル樹脂のブレン
ドを使用し、顔料分散用樹脂としてカチオン性変性エポ
キシ樹脂を使用する。このような樹脂の組合せにより、
慣用の塗料配合を変えることなく艶消し効果を与えるこ
とができる。
【0006】詳細な議論 メイン樹脂 カチオン電着塗料にメイン樹脂として使用されるアミン
変性エポキシ樹脂およびカチオン性アクリル樹脂(複数
のアミノ基を有するアクリル樹脂)は良く知られてい
る。
【0007】アミン変性エポキシ系カチオン樹脂は、分
子内に複数のエポキシ基を有する樹脂のエポキシ環を1
級アミン、2級アミンまたは3級アミン酸塩との反応に
よって開環して製造される。出発樹脂の典型例は、ビス
フェノールA,ビスフェノールF、ビスフェノールS,
フェノールノボラック,クレゾールノボラック等の多環
式フェノール化合物のエピクロルヒドリンとの反応生成
物であるポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂である。
【0008】出発樹脂はアミンによるエポキシ環の開環
反応の前に、2官能のポリエステルポリオール,ポリエ
ーテルポリオール,ビスフェノール類,2塩基性カルボ
ン酸等を使用して鎖延長して用いることができる。出発
樹脂は、アミンとの反応の前に、分子量またはアミン当
量の調節、熱フロー性の改善等を目的として、一部のエ
ポキシ環に対して2−エチルヘキサノール、ノニルフェ
ノール、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシル
エーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキ
シルエーテルのようなモノヒドロキシ化合物を付加して
用いることもできる。
【0009】次に鎖延長および/またはモノヒドロキシ
化合物で変性した樹脂を含む出発物質は、アミンとの反
応によってエポキシ環を開環し、アミノ基が導入され
る。使用し得るアミンの例は、ブチルアミン、オクチル
アミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチ
ルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン酸
塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩などの1
級,2級または3級アミン酸塩である。アミノエチルエ
タノールアミンメチルイソブチルケチミンのようなケチ
ミンブロック1級アミノ基含有2級アミンもしばしば使
用される。これらのアミンは残っているエポキシ環の全
部を開環するようにエポキシ環に対して少なくとも当量
で反応させなければならない。
【0010】カチオン性アクリル樹脂は、分子内に複数
のオキシラン環および複数のヒドロキシ基を含んでいる
アクリル共重合体とアミンとの開環付加反応によってつ
くることができる。このようなアクリル重合体は、
(i)グリシジル(メタ)アクリレートと、(ii)ヒド
ロキシル基含有アクリルモノマー、例えば2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、プラクセルFAおよびFMシ
リーズとして知られる2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートとカプロラクトンとの付加反応生成物と、
(iii )その他のアクリル系および/または非アクリル
系モノマーを共重合することによって得られる。その他
のアクリル系および非アクリル系モノマーの例は、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メ
タ)アクリルアミド、酢酸ビニルなどである。
【0011】このオキシ環含有アクリル樹脂は、エポキ
シ樹脂のオキシラン環をアミンで開環してカチオン性基
を導入するのと全く同様に、そのオキシラン環の全部を
1級アミン、2級アミンまたは3級アミン酸塩との反応
によって開環し、カチオン性アクリル樹脂とすることが
できる。
【0012】他の方法として、アミノ基を有するアクリ
ルモノマーを他のモノマーと共重合することによって直
接カチオン性アクリル樹脂をつくることができる。この
場合は、先にオキシラン環含有アクリル樹脂の製造に用
いたグリシジル(メタ)アクリレートの代りにN,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど
のアミノ基含有アクリルモノマーを使用し、これをヒド
ロキシル基含有アクリルモノマーおよび他のアクリル系
および/または非アクリル系モノマーと共重合すること
によってカチオン性アクリル樹脂が直接得られる。
【0013】カチオン性アクリル樹脂は、重合体の数平
均分子量が1,000〜20,000、好ましくは2,
000〜10,000の範囲内になるように常法によっ
て前記モノマーを共重合することによって得られる。
【0014】本発明においては、前記のアミン変性エポ
キシ樹脂とカチオン性アクリル樹脂を、固形分重量比で
7/3ないし3/7の比でブレンドしてメイン樹脂とし
て用いる。ブレンド比が等量、すなわち5/5に近いほ
ど好ましい。その理由はどちらかを単独でメイン樹脂と
して使用した場合には艶消し効果が得られないことから
明瞭であろう。
【0015】顔料分散ペーストおよび樹脂 顔料分散ペースト用の樹脂には、一般には相溶性理由の
ためメイン樹脂と同じタイプの樹脂が使用される。しか
しながら本発明においてはエポキシ系の顔料分散用樹脂
が使用される。アクリル系樹脂では艶消し効果が不満足
である。
【0016】顔料分散用樹脂には一般にカチオン性基と
して4級アンモニウムまたは3級スルホニウムカチオン
基を有する樹脂が使用される。周知のように、エポキシ
顔料分散用樹脂は、メイン樹脂の一部として使用される
アミン変性エポキシ樹脂と同様に、エポキシ樹脂のエポ
キシ環を3級アミンとカルボキシル酸との塩もしくは混
合物、またはスルフィド化合物とカルボシル酸との混合
物との反応によって開環し、4級アンモニウムまたはス
ルホニウム基を導入することによって得られる。
【0017】このために使用し得る3級アミンは、ヒド
ロキシル基で置換された脂肪族3級アミン、例えばジメ
チルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなど
が好ましい。スルフィド化合物も同様にヒドロキシル基
で置換された脂肪族スルフィド化合物、例えばチオビス
エタノール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,
3−プロパンジオール、1−(2−ヒドロキシエチルチ
オ)−2−プロパノール、1−(2−ヒドロキシプロピ
ルチオ)−2,3−プロパンジオール、1−(2−ヒド
ロキシエチルチオ)−2−ブタノール、1−(2−ヒド
ロキシエチルチオ)−3−ブトキシ−1−プロパノール
などが好ましい。
【0018】カルボキシル酸としては、ギ酸、乳酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、ジメチロールプロピオン酸、
N−アセチルグリシン、N−アセチル−β−アラニンな
どが挙げられるが、カルボキシル基のほかに親水基とし
てヒドロキシル基やアミド基を有する乳酸、ジメチロー
ルプロピオン酸、N−アセチル−β−アラニンなどが好
ましい。
【0019】顔料分散用樹脂を自己架橋型とするため
に、ハーフブロックジイソシアネートを樹脂またはヒド
ロキシル基で置換された脂肪族3級アミンへ結合するこ
ともできる。
【0020】顔料ペーストは、常法により顔料分散用樹
脂と、顔料と、脱イオン水とを、ミルを用いて粒度10
μ以下に良く分散して得られる。顔料は二酸化チタン、
カーボンブラック、ベンガラ等の着色顔料、塩基性ケイ
酸鉛、リンモリブデン酸アルミ等の防錆顔料、カオリ
ン、クレー、タルク等の体質顔料を適宜混合して用いる
ことができる。ペースト中の樹脂(固形分)と顔料の混
合比は、一般に1:1〜1:10である。
【0021】架橋剤 電着塗料に使用されるブロックポリイソシアネート架橋
剤は周知である。使用し得るポリイソシアネート化合物
としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート(XDI)などの芳香族ジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−
メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族お
よび脂環族ジイソシアネート、それらの二量体、三量体
およびプレポリマーなどである。
【0022】使用し得るブロック剤はこの分野で良く知
られており、n−ブタノール、2−エチルヘキサノー
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、シクロヘ
キサノール等の脂肪族アルコール;フェノール、ニトロ
フェノール、クレゾールおよびノニルフェノール等のフ
ェノール類;ジメチルケトオキシム、メチルエチルケト
オキシム、メチルイソブチルケトオキシム等のオキシ
ム;カプロラクタム等のラクタムがある。
【0023】塗料組成物 塗料化は、メイン樹脂ブレンドと架橋剤を中和剤として
酸を含む水性媒体中に分散してメインエマルションとし
て、これに顔料分散ペーストを加えることによって行う
ことができる。
【0024】中和剤は塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢
酸、乳酸、スルファミン酸、アセチルグリシン等の無機
酸または有機酸である。水性媒体は水か、水と有機溶剤
との混合物である。使用しうる溶剤の例としては炭化水
素類(例えば、キシレンまたはトルエン)、アルコール
類(例えば、メチルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキシルアル
コール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル)、エーテル類(例えば、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−
メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル)、ケトン類(例えば、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン)、エ
ステル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテ
ルアセテート)またはそれらの混合物が挙げられる。
【0025】ブロックポリイソシアネート硬化剤の量
は、硬化時に樹脂中のヒドロキシル基等の官能基と反応
して良好な硬化塗膜を与えるのに十分でなければなら
ず、一般にメイン樹脂合計固形分100重量部あたり1
0〜100重量部が使用される。中和剤の量は樹脂中の
アミノ基の少なくとも20%,好ましくは30〜60%
を中和するのに足りる量である。
【0026】塗料は、ジブチルスズジラウレート、酢酸
スズのようなウレタン開裂触媒を含むことができる。そ
の量はブロックポリイソシアネート硬化剤の0.1〜5
重量%が通常である。
【0027】塗料の他の性能に悪影響を与えることなく
満足な艶消し効果を達成するためには、顔料ペースト中
の顔料/顔料分散樹脂重量比は2/1〜6/1であり、
かつ顔料分散用樹脂が塗料中の全樹脂固形分重量の5〜
15%であることが好ましい。顔料分散ペースト中の顔
料濃度は顔料の種類によって変動し、例えば二酸化チタ
ン等の白色系顔料の場合は前記顔料/樹脂比は好ましく
は4/1〜6/1であるが、カーボンブラックの場合は
2/1〜3/1であり、従って塗料中の全樹脂固形分重
量に対する顔料分散樹脂の割合は、白色顔料については
約9%,黒色顔料については約10%であることが好ま
しい。また塗料中の顔料/全樹脂固形分重量比は1/6
〜1/2の範囲内であり、この比は白色系塗料にあって
は1/2〜1/3,黒色系塗料にあっては1/4〜1/
6であることが好ましい。
【0028】さらに艶消し効果を高めるために、YG−
1として知られるクレゾール/プロピレンオキサイド付
加物を塗料全固形分に対し約10重量%まで加えても良
い。
【0029】塗料はさらに、界面活性剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤などの慣用の塗料用添加剤を含むことがで
きる。
【0030】電着は、塗料の不揮発分を15〜25%程
度に調節し、被塗物を陰極とし、浴温15〜35℃,負
荷電圧100〜400Vの条件で乾燥膜厚10〜50μ
m,好ましくは20〜40μmに電着し、その後100
〜200℃,好ましくは140〜180℃にて10〜3
0分間焼付けることによって行うことができる。
【0031】特定の理論に拘束されるものではないが、
本発明による艶消し効果は、エポキシ系顔料分散樹脂に
よる顔料の分散性がアクリル系カチオン樹脂の存在下で
低下し、硬化時に顔料凝集や表面に顔料が露出すること
により平面の平滑性が失われ、艶消し効果を発揮するも
のと考えられる。
【0032】以下の製造例、実施例中、「部」および
「%」は重量基準による。
【0033】製造例1アミノ化エポキシ樹脂 攪拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を備え付け
た反応容器に、エピコート1001(油化シェルエポキ
シ社製、エポキシ当量475のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂)99.8部、エピコート1004(油化シェ
ルエポキシ社製、エポキシ当量950のビスフェノール
A型エポキシ樹脂)850.2部、ノニルフェノール5
5部、MIBK193.3部およびベンジルジメチルア
ミン4.5gを加え、140℃で4時間反応し、エポキ
シ当量1175を有する樹脂を得た。ここにエチレング
リコールn−ヘキシルエーテル69.1部、2−アミノ
エチルエタノールアミンのMIBKケチミン化物のMI
BK溶液(固形分78重量%)35.4部、N−メチル
エタノールアミン26.5部およびジエタノールアミン
37.1部を加えた。これを120℃で2時間反応さ
せ、目的とする樹脂を得た。
【0034】製造例2カチオン性アクリル樹脂 攪拌装置、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備え
たフラスコに、スチレン50.7部、メチルメタクリレ
ート10.0部、n−ブチルアクリレート20.1部、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート10.2部、グリ
シジルメタクリレート9.2部、およびt−ブチルパー
オクトエート4.0部の混合物を滴下ロートから3時間
かけて滴下した。滴下終了後115℃で約1時間保持
し、t−ブチルパーオクトエート0.5部を滴下し、1
15℃で約30分間保持し、固形分65%の樹脂溶液を
得た。数平均分子量(Mn)5000
【0035】冷後これへN−メチルエタノールアミン
5.1部を加え、窒素雰囲気下120℃で2時間反応さ
せ固形分約66%のアミン付加アクリル樹脂溶液を得
た。
【0036】製造例3アンモニウム塩型エポキシ系顔料分散樹脂 1)四級化剤の調製 成分 重量部 固形分量 2−エチルヘキサノールハーフブロック化 320.0 304 TDI(MIBK中) ジメチルエタノールアミン 87.2 87.2 乳酸水溶液 117.6 88.2 エチレングリコールモノブチルエーテル 39.2 ───
【0037】上記組成に従って、適当な反応容器を用
い、室温で2−エチルヘキサノールハーフブロック化T
DIをジメチルエタノールアミンに加えた。混合物は発
熱し、これを80℃で1時間攪拌した。次いて、乳酸を
仕込み、さらにブチルセロソルブを反応混合物を65℃
で約半時間攪拌し、四級化剤を得た。
【0038】 2)顔料分散用ワニスの調製 成分 重量部 固形分量 エポン8291 710.0 681.2 ビスフェノールA 289.6 289.6 2−エチルヘキサノールハーフブロック化 406.4 386.1 TDI(MIBK中) 1)の四級化剤 496.3 421.9 脱イオン水 71.2 エチレングリコールモノブチルエーテル 1584.1 ─── 1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量193〜203、シェル・ ケミカル・カンパニー製
【0039】上記組成に従って、EPON829および
ビスフェノールAを適当な反応容器に仕込み、窒素雰囲
気下150〜160℃へ加熱した。初期発熱反応が起こ
った。反応混合物を150〜160℃で約1時間反応さ
せ、次いで、120℃へ冷却後、2−エチルヘキサノー
ルハーフブロック化TDIを加えた。反応混合物を11
0〜120℃に約1時間保ち、次いで、ブチルセロソル
ブを加えた。次いで、85〜95℃に冷却して均一化
し、さらに1)の四級化剤を加えた。酸価が1になるま
で混合物を85〜95℃に保持し、顔料分散用ワニスを
得た。樹脂固形分50%
【0040】製造例4スルホニウム塩型エポキシ系顔料分散樹脂 成 分 重量部(固形分) エポン828 533.2(533.2) ビスフェノールA 199.6(199.6) ノニルフェノール 19.2(19.2) ヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム 0.75 プロピレングリコールモノブチルエーテル 201.6 チオジエタノール 122.1(122.1) ジメチロールプロピオン酸 134.1(134.1) 脱イオン水 30.6
【0041】エポン828,ビスフェノールA,ノニル
フェノールを反応容器に入れ、107℃まで加熱し、ビ
スフェノールAが溶解するまでこの温度に保った。次い
で、ヨウ化エチルトリフェニルホスホニウムを加え、1
25℃に加熱し、エポキシ当量763に達するまで約1
時間発熱反応させた。次いで反応混合物を75℃に冷却
し、プロピレングリコールモノブチルエーテル、チオジ
エタノール、ジメチロールプロピオン酸、および脱イオ
ン水を加えた。この混合物を約3.2の酸価が得られる
まで70〜75℃で反応させて顔料分散用樹脂を得た。
これを冷却し、30%の固形分量になるまで脱イオン水
で希釈し、顔料分散用ワニスを得た。
【0042】製造例5架橋剤 還流冷却器、攪拌機、滴下ロートおよび窒素導入管を備
えた5つ口フラスコに、ヘキサメチンジイソシアネート
三量体(コロネートEH)199.1部とメチルイソブ
チルケトン31.6部を仕込み、窒素雰囲気下40℃に
加熱保持した。これへジブチルスズジラウレート0.2
部を加え、さらにメチルエチルケトオキシム87.0部
を滴下ロートより2時間かけて滴下し、滴下終了後IR
スペクトルによりイソシアネート基のピークが消失する
まで70℃で反応させた。反応終了後メチルイソブチル
ケトン38.1部およびブタノール1.6部を加え冷却
し、固形分80%のブロックポリイソシアネート架橋剤
を得た。
【0043】製造例6アミノ化エポキシ樹脂メインエマルション 製造例1のアミノ化エポキシ樹脂と製造例5のポリイソ
シアネート架橋剤を固形分として70:30の割合で混
合し、酢酸で中和率40%に中和し、脱イオン水を加
え、ゆっくり希釈し、次いで不揮発分が36%になるよ
うにメチルイソブチルケトンを除去し、メインエマルシ
ョンAを得た。
【0044】製造例7カチオン性アクリル樹脂メインエマルション 製造例6に同様に、製造例2のカチオン性アクリル樹脂
と製造例6の架橋剤を固形分として70:30の割合で
含む不揮発分30%メインエマルションBを調製した。
ただし、酢酸での中和率は60%とした。
【0045】製造例8顔料ペースト 表1に示す配合により、顔料ペーストA〜Cを調製し
た。
【0046】
【表1】表 1 成分(重量部) 分散樹脂の種類 アンモニウム型 アンモニウム型1 アンモニウム型1 /スルホニウム型3 /スルホニウム型2 量(不揮発分として) 11 11 13.5 二酸化チタン 36 39 ─── カーボンブラック ─── ─── 3 ケイ酸アルミニウム 5 6 27 (ハイドライドPXN) ペースト不揮発分(%) 54 62 51
【0047】分散用樹脂、顔料および脱イオン水をサン
ドグラインドミルに入れ、粒径10μ以下に粉砕して顔
料分散ペーストとした。
【0048】実施例1〜3 製造例6および7のメインエマルションAおよびBと、
製造例8の顔料ペーストA〜Cとを表2の配合に従って
混合し、不揮発分20%のカチオン電着塗料を得た。各
塗料をリン酸亜鉛処理した冷延鋼板に乾燥膜厚が約30
μm(ホワイト)または約25μm(ブラック)になる
ように電着し、水洗後140℃で20分間焼付けた。硬
化塗膜の光沢(60°グロス)および表面平均粗さ(R
a)を測定し、結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】比較例1〜2 実施例と同様に、表3の配合に従ってメインエマルショ
ンAまたはBと、顔料ペーストBを混合して不揮発分2
0%の電着塗料を得た。各塗料を実施例と同様にリン酸
亜鉛処理した冷延鋼板に電着し、焼付けして得られた塗
膜の光沢および表面平均粗さ(Ra)を評価した。結果
を表3に示す。
【0051】
【表3】表 3 比 較 例 成分(重量部) メインエマルションA 908 ───── (不揮発分) (327.2) メインエマルションB ───── 1090.5 (不揮発分) (327.2) 顔料ペーストB 278.8 278.8 (不揮発分) (172.9) (172.9) 脱イオン水 1312.4 1130.7 ──────────────────────────────── 60°グロス 89 73 Ra(ミクロン) 0.26 0.28
【0052】実施例5 実施例3の塗料へ、YG−1(o−クレゾール/プロピ
レンオキシド付加物)を塗料中の全樹脂固形分に対して
5または10重量%添加した。硬化塗膜の60°グロス
は添加量に比例してさらに低下した。
【0053】YG−1添加量 0% 5% 10% 60°グロス 33.0 12.5 9.5

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)固形分重量比7/3ないし3/7の
    アミン変性エポキシ樹脂およびカチオン性アクリル樹脂
    のブレンドと、 (b)エポキシ系顔料分散用樹脂に分散した顔料ペース
    トと、 (c)ブロックポリイソシアネート架橋剤とを中和剤を
    含む水性媒体中に分散してなる艶消しカチオン電着塗料
    組成物。
  2. 【請求項2】前記顔料分散用樹脂は、塗料の全樹脂固形
    分重量の5〜15%である請求項1の塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記顔料分散用樹脂は、4級アンモニウム
    塩型またはスルホニウム塩型変性エポキシ樹脂である請
    求項1または2の塗料組成物。
  4. 【請求項4】塗料中の顔料/全樹脂固形分重量比が1/
    6〜1/2である請求項1ないし3のいずれかの塗料組
    成物。
  5. 【請求項5】塗料中の顔料/全樹脂固形分重量比が1/
    4〜1/6である請求項1ないし3のいずれかの黒色系
    塗料組成物。
  6. 【請求項6】塗料中の顔料/全樹脂固形分重量比が1/
    2〜1/3である請求項1ないし3のいずれかの白色系
    塗料組成物。
  7. 【請求項7】艶消し助剤として塗料全樹脂固形分重量の
    10%までのクレゾール−プロピレンオキサイド付加物
    を含む請求項1ないし6のいずれかの塗料組成物。
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