JP5595131B2 - カチオン電着塗料組成物 - Google Patents
カチオン電着塗料組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5595131B2 JP5595131B2 JP2010132984A JP2010132984A JP5595131B2 JP 5595131 B2 JP5595131 B2 JP 5595131B2 JP 2010132984 A JP2010132984 A JP 2010132984A JP 2010132984 A JP2010132984 A JP 2010132984A JP 5595131 B2 JP5595131 B2 JP 5595131B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrodeposition coating
- aromatic compound
- coating composition
- epoxy resin
- amino group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Description
(A)2以上10以下の芳香族環を有するフェノール化合物(a−1)および2以上10以下の芳香族環を有する炭化水素化合物(a−2)からなる群から選択される少なくとも一種を含む芳香族化合物であって、この芳香族化合物(A)は水酸基価5〜200である、芳香族化合物、
(B)アミノ基含有エポキシ樹脂、および
(C)ブロックイソシアネート硬化剤、
を含み、
この芳香族化合物(A)は、芳香族化合物(A)およびアミノ基含有エポキシ樹脂(B)の合計樹脂固形分100質量に対して1〜35質量部含まれる、
カチオン電着塗料組成物、
を提供するものであり、これにより上記課題が解決される。
以下、本発明のカチオン電着塗料組成物に含まれる、芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、およびブロックイソシアネート硬化剤(C)の各成分について記載する。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、芳香族化合物(A)を含む。この芳香族化合物(A)は、2以上10以下の芳香族環を有するフェノール化合物(a−1)および2以上10以下の芳香族環を有する炭化水素化合物(a−2)からなる群から選択される少なくとも一種を含むものである。但しこの芳香族化合物(A)は、水酸基価5〜200(mgKOH/g)であることを条件とする。この水酸基価は20〜80であるのがより好ましい。芳香族化合物(A)の水酸基価が5未満である場合は、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)の分散安定性が劣ることとなる。また芳香族化合物(A)の水酸基価が200を超える場合は、得られる硬化電着塗膜の耐水性が劣ることとなる。芳香族化合物(A)として複数の化合物が含まれる場合、例えば、2以上10以下の芳香族環を有するフェノール化合物(a−1)および2以上10以下の芳香族環を有する炭化水素化合物(a−2)の両方が含まれる場合は、上記水酸基価は、両方の化合物(a−1)および化合物(a−2)の平均値を意味する。
芳香族環の数が10を超える場合は、粘度低減効果が小さくなる。また芳香族環の数が2未満である場合は、加熱硬化時に揮発してしまうので、低VOC化につながらない。
本発明のカチオン電着塗料組成物中に塗膜形成樹脂として含まれるアミノ基含有エポキシ樹脂(B)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂のエポキシ環を、1級アミン、2級アミンあるいは3級アミン酸塩などのアミノ基含有化合物との反応によって開環して製造される、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)である。
本発明のカチオン電着塗料組成物に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(C)は、塗膜形成樹脂の1種であり、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)を硬化させる硬化剤である。ブロックイソシアネート硬化剤(C)を得るためのポリイソシアネートとは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物をいう。ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系および芳香族−脂肪族系などのうちのいずれであってもよい。
本発明のカチオン電着塗料組成物は顔料を含んでもよい。顔料として、通常塗料に使用されるものを特に制限なく用いることができる。そのような顔料として、例えばカーボンブラック、二酸化チタン、グラファイトなどの着色顔料、カオリン、ケイ酸アルミ(クレー)、タルク、硫酸バリウムなどの体質顔料、リンモリブデン酸アルミ、ケイ酸鉛、硫酸鉛、ジンククロメート、ストロンチウムクロメートなどの防錆顔料などが挙げられる。これらの中でも二酸化チタン、ケイ酸アルミ(クレー)およびリンモリブデン酸アルミが好ましく用いられる。特に二酸化チタンは着色顔料として隠蔽性が高く、しかも安価であることから、カチオン電着塗料組成物用に最適である。なお、上記顔料は単独で使用することもできるが、目的に合わせて複数使用するのが一般的である。
上記カチオン電着塗料組成物は、上記成分の他にブロックイソシアネート硬化剤のブロック剤の解離のための触媒を含んでもよい。このような触媒として、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫オキシド、ジオクチル錫オキシドなどの有機錫化合物、N−メチルモルホリンなどのアミン類、ストロンチウム、コバルト、銅などの金属塩などが使用できる。触媒の濃度は、カチオン電着塗料組成物中のカチオン性エポキシ樹脂とブロックイソシアネート硬化剤合計の100固形分質量部に対し0.1〜6質量部であるのが好ましい。カチオン電着塗料組成物は、他にも可塑剤、界面活性剤、塗膜表面平滑剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤などの常用の塗料用添加剤を含むことができる。他にも、カチオン性アクリル樹脂、架橋樹脂粒子などの樹脂成分を必要に応じて含めてもよい。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、少なくとも上記芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)およびブロックイソシアネート硬化剤(C)を含む。
カチオン電着塗料組成物の調製において、芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を用いて中和剤を含む水性媒体中でエマルションを予め調製し、得られたエマルションを、他の成分と共に配合するのが好ましい。上記中和剤の例としては、塩酸、硝酸、リン酸などの無機酸および蟻酸、酢酸、乳酸、スルファミン酸、アセチルグリシン酸などの有機酸を挙げることができる。
上記カチオン電着塗料組成物を電着塗装し加熱硬化することにより、硬化電着塗膜を得ることができる。カチオン電着塗装は、被塗物である導電性の基材を陰極として、被塗物に陰極(カソード極)端子を接続し、上述のカチオン電着塗料組成物の浴温15〜35℃、負荷電圧100〜400Vの条件で、一般に、乾燥膜厚13〜20μmとなる量の塗膜を電着塗装する。その後140〜200℃、好ましくは160〜180℃で10〜30分間焼き付けることにより、硬化電着塗膜を得ることができる。
攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計および滴下ロートを取り付けたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(コロネートHX:日本ポリウレタン(株)製)199部とメチルイソブチルケトン32部、およびジブチルスズジラウレート0.03部を秤りとり、攪拌、窒素をバブリングしながら、メチルエチルケトオキシム87.0部を滴下ロートより1時間かけて滴下した。温度は50℃からはじめ70℃まで昇温した。そのあと1時間反応を継続し、赤外線分光計によりNCO基の吸収が消失するまで反応させた。その後n−ブタノール0.74部、メチルイソブチルケトン39.93部を加え、不揮発分80%とした。
攪拌機、冷却器、窒素注入管および滴下ロートを取り付けたフラスコに、2,4/2,6−トリレンジイソシアネート(質量比:80/20)71.34部と、ジブチルスズジラウレート0.01部を秤り取り、攪拌、窒素バブリングしながらメタノール14.24部を滴下ロートより30分かけて滴下した。温度は室温から発熱により60℃まで昇温した。その後30分間反応を継続した後、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル46.98部を滴下ロートより30分かけて滴下した。発熱により70〜75℃へ昇温した。30分間反応を継続した後、ビスフェノールAプロピレンオキシド(5モル)付加体(三洋化成工業(株)製BP−5P)41.25部を加え、90℃まで昇温し、IRスペクトルを測定しながらNCO基が消失するまで反応を継続した。
測定温度を20℃とし、測定対象である試料0.5gを100mlビーカーに秤量し、テトラヒドロフラン10mlをホールピペットを用いて加え、マグネティックスターラーによって試料をアセトンに溶解する。次に、50mlビュレットを用いて脱イオン交換水を上記で調製したアセトン溶液に滴下し、濁りが生じた点の水の滴下量(ml)を水トレランスとする。
上記水分散体を攪拌しながら、50℃で50mmHgに減圧しメチルイソブチルケトン(MIBK)の濃度が、水分散体中0.5%以下になるまで脱溶媒し、芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(1)を得た。
芳香族化合物(A)としてo,p−ジクミルフェノール 19.2部および2,4,6−トリフェニル−4,6−ジメチルヘプト−1−エン 57.6部を用いて、製造例2−1と同様の手順により、数平均分子量(GPC法)1150、アミン当量140meq/100gのアミノ基含有エポキシ樹脂(B)、および芳香族化合物(A)の混合物を得た(不揮発物95%)。尚、100℃で粘度1000cpsに調整した時のメチルイソブチルケトンの含有量は、樹脂配合量に対して、5%であった。
上記芳香族化合物(A)の混合物の水トレランスを上記方法により測定したところ3(ml)であった。また、用いた芳香族化合物(A)の数平均分子量(GPC法)は340であり、芳香族化合物(A)の水酸基価は43であった。
次いで得られた混合物を用いて、製造例2−1と同様の手順を行い、芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(2)を得た。
芳香族化合物(A)としてo,p−ジクミルフェノール 1.7部および2,4,6−トリフェニル−4,6−ジメチルヘプト−1−エン 5.2部を用いて、製造例2−1と同様の手順により、数平均分子量(GPC法)1150、アミン当量153meq/100gのアミノ基含有エポキシ樹脂(B)、および芳香族化合物(A)の混合物を得た(不揮発物90%)。尚、100℃で粘度1000cpsに調整した時のメチルイソブチルケトンの含有量は、樹脂配合量に対して、10%であった。
上記芳香族化合物(A)の混合物の水トレランスを上記方法により測定したところ3(ml)であった。また、用いた芳香族化合物(A)の数平均分子量(GPC法)は340であり、芳香族化合物(A)の水酸基価は43であった。
次いで得られた混合物を用いて、製造例2−1と同様の手順で、芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(3)を得た。
芳香族化合物(A)としてo,p−ジクミルフェノール 74.1部および2,4,6−トリフェニル−4,6−ジメチルヘプト−1−エン 222.2部を用いて、製造例2−1と同様の手順により、数平均分子量(GPC法)1150、アミン当量109meq/100gのアミノ基含有エポキシ樹脂(B)、および芳香族化合物(A)の混合物を得た(不揮発物97%)。尚、100℃で粘度1000cpsに調整した時のメチルイソブチルケトンの含有量は、樹脂配合量に対して、3%であった。
上記芳香族化合物(A)の混合物の水トレランスを上記方法により測定したところ3(ml)であった。また、用いた芳香族化合物(A)の数平均分子量(GPC法)は340であり、芳香族化合物(A)の水酸基価は43であった。
次いで得られた混合物を用いて、製造例2−1と同様の手順を行い、芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(4)を得た。
芳香族化合物(A)としてo,p−ジクミルフェノール 19.2部および2,4,6−トリフェニル−4,6−ジメチルヘプト−1−エン 57.6部を加えた後、140℃で1時間保持し、次いで100℃まで冷却した。それ以外は製造例2−1と同様の手順を行い、数平均分子量(GPC法)1400、アミン当量140meq/100gの、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)および芳香族化合物(A)の反応物を得た(不揮発物92%)。尚、100℃で粘度1000cpsに調整した時のメチルイソブチルケトンの含有量は、樹脂配合量に対して、8%であった。
上記芳香族化合物(A)(反応物)の水トレランスを上記方法により測定したところ3(ml)であった。また、用いた芳香族化合物(A)の数平均分子量(GPC法)は340であり、芳香族化合物(A)の水酸基価は43であった。
次いで得られた反応物を用いて、製造例2−1と同様の手順を行い、芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(5)を得た。
芳香族化合物(A)としてo,p−ジクミルフェノール 19.2部および2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ヘプタン 57.6部を用いて、製造例2−1と同様の手順により、数平均分子量(GPC法)1150、アミン当量140meq/100gのアミノ基含有エポキシ樹脂(B)、および芳香族化合物(A)の混合物を得た(不揮発物97%)。尚、100℃で粘度1000cpsに調整した時のメチルイソブチルケトンの含有量は、樹脂配合量に対して、3%であった。
上記芳香族化合物(A)の混合物の水トレランスを上記方法により測定したところ3(ml)であった。また、用いた芳香族化合物(A)の数平均分子量(GPC法)は300であり、芳香族化合物(A)の水酸基価は43であった。
次いで得られた混合物を用いて、製造例2−1と同様の手順を行い、芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(6)を得た。
芳香族化合物(A)としてo,p−ジクミルフェノール 19.2部およびキシレン樹脂「ニカノールLLL」(フドー(株)社製) 57.6部を用いて、製造例2−1と同様の手順により、数平均分子量(GPC法)1150、アミン当量140meq/100gのアミノ基含有エポキシ樹脂(B)、および芳香族化合物(A)の混合物を得た(不揮発物94%)。尚、100℃で粘度1000cpsに調整した時のメチルイソブチルケトンの含有量は、樹脂配合量に対して、6%であった。
上記芳香族化合物(A)の混合物の水トレランスを上記方法により測定したところ3(ml)であった。また、用いた芳香族化合物(A)の数平均分子量(GPC法)は340であり、芳香族化合物(A)の水酸基価は67であった。
次いで得られた混合物を用いて、製造例2−1と同様の手順を行い、芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(7)を得た。
芳香族化合物(A)としてp−クミルフェノール 19.2部および2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ヘプタン 57.6部を用いて、製造例2−1と同様の手順により、数平均分子量(GPC法)1150、アミン当量93meq/100gのアミノ基含有エポキシ樹脂(B)、および芳香族化合物(A)の混合物を得た(不揮発物98%)。尚、100℃で粘度1000cpsに調整した時のメチルイソブチルケトンの含有量は、樹脂配合量に対して、2%であった。
上記芳香族化合物(A)の混合物の水トレランスを上記方法により測定したところ3(ml)であった。また、用いた芳香族化合物(A)の数平均分子量(GPC法)は240であり、芳香族化合物(A)の水酸基価は65であった。
次いで得られた混合物を用いて、製造例2−1と同様の手順を行い、芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(8)を得た。
攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計および滴下ロートを取り付けたフラスコに、エポキシ当量188のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ダウ・ケミカル日本(株)社製、DER−331J)382.20部と、ビスフェノールA111.98部を秤取り、80℃まで昇温し、均一に溶解した後、2−エチル−4−メチルイミダゾール1%溶液1.53部を加え、170℃で2時間反応させた。140℃まで冷却した後、これに2−エチルヘキサノールハーフブロック化イソホロンジイソシアネート(不揮発分90%)196.50部を加え、NCO基が消失するまで反応させた。これにジプロピレングリコールモノブチルエーテル205.00部を加え、続いて1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール408.00部、ジメチロールプロピオン酸134.00部を添加し、イオン交換水144.00部を加え、70℃で反応させた。反応は酸価が5以下になるまで継続した。得られた顔料分散樹脂はイオン交換水1150.50部で不揮発分35%に希釈した。
サンドグラインドミルに製造例3で得た顔料分散樹脂を120部、カオリン100.0部、二酸化チタン92.0部、ジブチルスズオキシド8.0部およびイオン交換水184部を入れ、粒度10μm以下になるまで分散して、顔料分散ペーストを得た(固形分48%)。
攪拌機、冷却器、窒素注入管および滴下ロートを取り付けたフラスコに、2,4/2,6−トリレンジイソシアネート(質量比:80/20)71.34部と、メチルイソブチルケトン111.98部と、ジブチルスズジラウレート0.02部を秤取り、攪拌、窒素バブリングしながらメタノール14.24部を滴下ロートより30分かけて滴下した。温度は室温から発熱により60℃まで昇温した。その後30分間反応を継続した後、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル46.98部を滴下ロートより30分かけて滴下した。発熱により70〜75℃へ昇温した。30分間反応を継続した後、ビスフェノールAプロピレンオキシド(5モル)付加体(三洋化成工業(株)製BP−5P)41.25部を加え、90℃まで昇温し、IRスペクトルを測定しながらNCO基が消失するまで反応を継続した。
上記芳香族化合物(A)の混合物の水トレランスを上記方法により測定したところ3(ml)であった。また、用いた芳香族化合物(A)の数平均分子量(GPC法)は340であり、芳香族化合物(A)の水酸基価は43であった。
上記水分散体を攪拌しながら、50℃で50mmHgに減圧しMIBKの濃度が、水分散体中0.5%以下になるまで脱溶媒し、微量の芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(9)を得た。
芳香族化合物(A)であるo,p−ジクミルフェノール 115部、2,4,6−トリフェニル−4,6−ジメチルヘプト−1−エン 346部を用いて、製造例2−1と同様の手順により、アミン当量93meq/100gのアミノ基含有エポキシ樹脂(B)および多量の芳香族化合物(A)を含む混合物を得た(不揮発物96%)。尚、100℃で粘度1000cpsに調整した時のメチルイソブチルケトンの含有量は、樹脂配合量に対して、4%であった。
上記芳香族化合物(A)の混合物の水トレランスを上記方法により測定したところ3(ml)であった。また、用いた芳香族化合物(A)の数平均分子量(GPC法)は340であり、芳香族化合物(A)の水酸基価は43であった。
次いで得られた混合物を用いて、製造例2−1と同様の手順を行い、多量の芳香族化合物(A)、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(10)を得た。
芳香族化合物(A)の代わりに三洋化成社製「サンニックスPP−1000」(ポリプロピレングリコール、数平均分子量:1000) 76.8部を用いて、比較製造例1と同様の手順により、アミン当量140meq/100gのアミノ基含有エポキシ樹脂(B)およびポリプロピレングリコールを含む混合物を得た(不揮発物92%)。尚、100℃で粘度1000cpsに調整した時のメチルイソブチルケトンの含有量は、樹脂配合量に対して、8%であった。
上記芳香族化合物(A)の代わりに用いた成分の水トレランスを上記方法により測定したところ9(ml)であった。 次いで得られた混合物を用いて、比較製造例1と同様の手順を行い、ポリプロピレングリコール、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(11)を得た。
芳香族化合物(A)の代わりに日本石油化学社製「日石ポリブタジエン B−1000」(ポリブタジエン、数平均分子量:1000) 76.8部を用いて、比較製造例1と同様の手順により、アミン当量140meq/100gのアミノ基含有エポキシ樹脂(B)およびポリブタジエンの混合物を得た(不揮発物91%)。尚、100℃で粘度1000cpsに調整した時のメチルイソブチルケトンの含有量は、樹脂配合量に対して、9%であった。
上記芳香族化合物(A)の代わりに用いた成分の水トレランスを上記方法により測定したところ1(ml)であった。 次いで得られた混合物を用いて、比較製造例1と同様の手順を行い、ポリブタジエン、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(12)を得た。
芳香族化合物(A)の代わりに三洋化成社製「ハイマーSBM−100」(スチレン−メタクリル酸メチル重合体、数平均分子量:15000) 76.8部を用いて、比較製造例1と同様の手順により、アミン当量140meq/100gのアミノ基含有エポキシ樹脂(B)およびポリスチレンの混合物を得た(不揮発物88%)。尚、100℃で粘度1000cpsに調整した時のメチルイソブチルケトンの含有量は、樹脂配合量に対して、12%であった。
上記芳香族化合物(A)の代わりに用いた成分の水トレランスを上記方法により測定したところ1(ml)であった。
次いで得られた混合物を用いて、比較製造例1と同様の手順を行い、ポリスチレン、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、ブロックイソシアネート硬化剤(C)を含むエマルション(13)を得た。
製造例2−1で得られたエマルション620部、製造例4で得られた顔料分散ペースト80部、イオン交換水628部を混合して、カチオン電着塗料組成物を得た。
製造例2−2で得られたエマルション620部を使用して、実施例1と同様の手順により、カチオン電着塗料組成物を得た。
製造例2−3で得られたエマルション620部を使用して、実施例1と同様の手順により、カチオン電着塗料組成物を得た。
製造例2−4で得られたエマルション620部を使用して、実施例1と同様の手順により、カチオン電着塗料組成物を得た。
製造例2−5で得られたエマルション620部を使用して、実施例1と同様の手順により、カチオン電着塗料組成物を得た。
製造例2−6で得られたエマルション620部を使用して、実施例1と同様の手順により、カチオン電着塗料組成物を得た。
製造例2−7で得られたエマルション620部を使用して、実施例1と同様の手順により、カチオン電着塗料組成物を得た。
製造例2−8で得られたエマルション620部を使用して、実施例1と同様の手順により、カチオン電着塗料組成物を得た。
比較製造例1で得られたエマルション620部を使用して、実施例1と同様の手順により、カチオン電着塗料組成物を得た。
比較製造例2で得られたエマルション620部を使用して、実施例1と同様の手順により、カチオン電着塗料組成物を得た。
比較製造例3で得られたエマルション620部を使用して、実施例1と同様の手順により、カチオン電着塗料組成物を得た。
比較製造例4で得られたエマルション620部を使用して、実施例1と同様の手順により、カチオン電着塗料組成物を得た。
比較製造例5で得られたエマルション620部を使用して、実施例1と同様の手順により、カチオン電着塗料組成物を得た。
各実施例および比較例によりカチオン電着塗料組成物に、リン酸亜鉛処理した冷間圧延鋼板を浸漬し、焼付後の膜厚が15μmとなるような塗装電圧で塗装して得られた未硬化の電着塗膜を160℃10分間焼付し、硬化電着塗膜を得た。
エマルション(1)〜(13)の調製時において、芳香族化合物(A)(比較例3〜5においてはそれぞれ対応する化合物)を添加した際における濁りの発生について目視評価を行った。濁りが発生せず透明であったものは○、濁りが僅かに確認できたものは△、濁りがはっきりと認識できたものは×とした。
エマルション(1)〜(13)の調製時において、50℃で50mmHgに減圧し、メチルイソブチルケトン(MIBK)の濃度が、水分散体中0.5%以下になるまで脱溶媒するのにかかった時間が、15分未満であった場合を◎、15〜30分は○、30〜120分は△、120分以上は×とした。
各実施例および比較例のカチオン電着塗料組成物の調製に用いたエマルション(1)〜(13)を密封容器に入れ、40℃に4週間静置した。沈降が確認されなかったものを○とし、沈降が確認されたものを×とした。
硬化電着塗膜に、基材に達するようにナイフでクロスカット傷を入れ、塩水噴霧試験(JIS Z 2371)を1000時間行った。その後、クロスカット部からの錆およびフクレの発生について下記基準により評価を行った。
◎:発生した錆またはフクレの最大幅が、クロスカット部より2mm未満
○:発生した錆またはフクレの最大幅が、クロスカット部より2mm以上3mm未満
△:発生した錆またはフクレの最大幅が、クロスカット部より3mm以上4mm未満
×:発生した錆またはフクレの最大幅が、クロスカット部より4mm以上
粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)を測定することにより、硬化電着塗膜の平滑性評価を行った。得られた硬化電着塗膜のRa値を、JIS−B0601に準拠し、評価型表面粗さ測定機(株式会社ミツトヨ製、SURFTEST SJ−201P)を用いて測定した。2.5mm幅カットオフ(区画数5)を入れたサンプルを用いて7回測定し、上下消去平均によりRa値を得た。得られたRa値を下記基準により評価した。
◎:Ra値0.2μm未満
○:Ra値0.2〜0.4μm
×:Ra値が0.4μmを超える
キシレン樹脂:フドー(株)社製「ニカノールLLL」
ポリプロピレングリコール:三洋化成社製「サンニックスPP−1000」
ポリブタジエン:日本石油化学社製「日石ポリブタジエン B−1000」
スチレン−メタクリル酸メチル重合体:三洋化成社製「ハイマーSBM−100」
である。
芳香族化合物(A)の量が少ない比較例1のカチオン電着塗料組成物の調製においては、エマルション調製時において100℃での粘度が1000cpsになるまで要したメチルイソブチルケトンの量が多かったためエマルションの固形分が85%と低く、エマルション調製時における脱溶媒時間が140分と長時間必要であった。
芳香族化合物(A)の量が過剰量である比較例2のカチオン電着塗料組成物においては、エマルションの固形分は96%と高く脱溶媒時間は短かったものの、得られたエマルションの静置安定性が劣っていた。
芳香族化合物(A)の代わりにポリプロピレングリコールを用いた比較例3のカチオン電着塗料組成物においては、ポリプロピレングリコールの水トレランスが高く、親水性が大きいため、得られた硬化電着塗膜の耐食性が大きく低下することが確認された。
芳香族化合物(A)の代わりにポリブタジエンを用いた比較例4のカチオン電着塗料組成物においては、得られた硬化電着塗膜の耐食性および平滑性が何れも劣ることが確認された。
芳香族化合物(A)の代わりにスチレン−メタクリル酸メチル重合体を用いた比較例5のカチオン電着塗料組成物においては、エマルション調製時において100℃での粘度が1000cpsになるまで要したメチルイソブチルケトンの量が多かったためエマルションの固形分が88%と低く、エマルション調製時における脱溶媒時間が120分以上と長時間必要であった。また得られた硬化電着塗膜の平滑性も劣っていた。
Claims (7)
- (A)芳香族化合物、
(B)アミノ基含有エポキシ樹脂、および
(C)ブロックイソシアネート硬化剤、
を含む、カチオン電着塗料組成物であって、
該芳香族化合物(A)は、
2以上10以下の芳香族環を有するフェノール化合物(a−1)を含む芳香族化合物であるか、または、
2以上10以下の芳香族環を有するフェノール化合物(a−1)、および、2以上10以下の芳香族環を有する炭化水素化合物(a−2)の両方を含む芳香族化合物
であり、
該芳香族化合物(A)は、水酸基価5〜200であり、および
該芳香族化合物(A)は、芳香族化合物(A)およびアミノ基含有エポキシ樹脂(B)の合計樹脂固形分100質量に対して1〜35質量部含まれる、
カチオン電着塗料組成物。 - 前記芳香族化合物(A)の数平均分子量は240〜1000である、請求項1記載のカチオン電着塗料組成物。
- 前記芳香族化合物(A)は、2以上10以下の芳香族環を有するフェノール化合物(a−1)および2以上10以下の芳香族環を有する炭化水素化合物(a−2)の両方を含む、請求項1または2記載のカチオン電着塗料組成物。
- 前記炭化水素化合物(a−2)はα−メチルスチレン重合体である、請求項1〜3いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
- 前記芳香族化合物(A)は、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)と予め反応させた後に塗料組成物中に加えられる、請求項1〜4いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
- 前記芳香族化合物(A)は、アミノ基含有エポキシ樹脂(B)と予め反応させることなく塗料組成物中に加えられる、請求項1〜4いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
- 請求項1〜6いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物を塗装して得られる硬化電着塗膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010132984A JP5595131B2 (ja) | 2010-06-10 | 2010-06-10 | カチオン電着塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010132984A JP5595131B2 (ja) | 2010-06-10 | 2010-06-10 | カチオン電着塗料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011256306A JP2011256306A (ja) | 2011-12-22 |
JP5595131B2 true JP5595131B2 (ja) | 2014-09-24 |
Family
ID=45472849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010132984A Active JP5595131B2 (ja) | 2010-06-10 | 2010-06-10 | カチオン電着塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5595131B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0657184A (ja) * | 1992-08-11 | 1994-03-01 | Kansai Paint Co Ltd | カチオン電着塗料組成物 |
JP2002201410A (ja) * | 2000-12-28 | 2002-07-19 | Nippon Paint Co Ltd | 二層分離型カチオン電着塗料組成物 |
JP2008266400A (ja) * | 2007-04-18 | 2008-11-06 | Kansai Paint Co Ltd | カチオン電着塗料組成物 |
JP5567767B2 (ja) * | 2007-05-18 | 2014-08-06 | 関西ペイント株式会社 | カチオン電着塗料組成物 |
JP5721307B2 (ja) * | 2007-10-17 | 2015-05-20 | 関西ペイント株式会社 | 複層皮膜形成方法及び塗装物品 |
EP2220183B1 (en) * | 2007-12-14 | 2012-04-04 | E. I. du Pont de Nemours and Company | Organic solvent free pigment dispersant for waterborne electrocoating |
JP2010095668A (ja) * | 2008-10-20 | 2010-04-30 | Nippon Paint Co Ltd | カチオン性電着塗料組成物 |
-
2010
- 2010-06-10 JP JP2010132984A patent/JP5595131B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011256306A (ja) | 2011-12-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6608463B2 (ja) | カチオン電着塗料組成物の製造方法 | |
EP3266842B1 (en) | Method for preparing cationic electrodeposition coating composition | |
US8937117B2 (en) | Method for preparing emulsion resin composition for cationic electrodeposition paint | |
JP4060620B2 (ja) | 無鉛性カチオン電着塗料を用いる電着塗装方法 | |
US6410146B2 (en) | Cationic electrodeposition coating composition | |
JP2010095668A (ja) | カチオン性電着塗料組成物 | |
JP2002294141A (ja) | カチオン電着塗料組成物 | |
JP3817674B2 (ja) | 環境対応型電着塗装方法及び塗装物品 | |
JP5595131B2 (ja) | カチオン電着塗料組成物 | |
JP2006348316A (ja) | 電着塗膜形成方法 | |
WO2022014277A1 (ja) | カチオン電着塗料組成物 | |
JP2022183490A (ja) | カチオン電着塗料組成物、電着塗装物および電着塗装物の製造方法 | |
JP4460699B2 (ja) | 可塑剤を含むカチオン電着塗料組成物 | |
JP2002129100A (ja) | カチオン電着塗料組成物 | |
JP4417046B2 (ja) | カチオン電着塗料組成物 | |
JP2002294146A (ja) | 無鉛性カチオン電着塗料組成物 | |
JP4326351B2 (ja) | カチオン電着塗膜の形成方法 | |
JP2015187197A (ja) | カチオン電着塗料組成物 | |
JP2015193684A (ja) | カチオン電着塗料組成物 | |
JP2022020996A (ja) | カチオン電着塗料組成物 | |
JP2006137866A (ja) | 無鉛性カチオン電着塗料組成物 | |
JP2006137863A (ja) | 無鉛性カチオン電着塗料組成物 | |
JP2006249556A (ja) | 電着塗膜形成方法 | |
JP2007246613A (ja) | 水素ガスの発生を抑制するカチオン電着塗料組成物 | |
WO2017051899A1 (ja) | カチオン電着塗料組成物の調製方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130412 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20131219 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140325 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140513 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140704 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140722 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140805 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5595131 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |