JP2022020996A - カチオン電着塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、低温硬化性を達成すると共に塗膜物性も維持できるカチオン電着塗料組成物を提供する。【解決手段】本発明は、アミン化樹脂およびブロック化ポリイソシアネート硬化剤を含有するカチオン電着塗料組成物であって、前記ブロック化ポリイソシアネート硬化剤が塗料樹脂固形分中に50~80質量%の量で含有し、前記ブロック化ポリイソシアネート硬化剤を形成するブロック剤が、(a)モノオール化合物と、(b)ポリオール化合物または水酸基を有するアミンのいずれか一方または両方との、組合せからなり、形成された電着塗膜中の残存OH官能基量が0.4~1.6(meq/固形分g)である、ことを特徴とする、カチオン電着塗料組成物を提供する。また、本発明は、上記カチオン電着塗料組成物から得られた塗膜も提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、カチオン電着塗料組成物、特に塗膜物性を維持しつつ低温硬化性を可能にするカチオン電着塗料組成物に関する。
カチオン電着塗料は、自動車などの工業製品に防食性を付与するために下塗り塗料として多用されているもので、アミン化樹脂およびブロック化ポリイソシアネート硬化剤を含むものである。カチオン電着塗料は、塗膜物性の向上と共に低温硬化性も必要とする性能である。
低温硬化性は、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤のブロック剤を低温で解離するものにすることにより達成することが可能である。例えば、WO2017138445A1(特許文献1)には、活性メチレン系化合物やピラゾール系化合物が優れたものとして例示されていて、これらは低温解離が可能であるが、工業製品として一般的でなく、入手が難しく、コスト面であまり使用されていない。
WO2017138445A1
本発明では、カチオン電着塗料組成物において、低温硬化性を達成すると共に塗膜物性も維持できるカチオン電着塗料組成物を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下の態様を提供する:
[1]アミン化樹脂およびブロック化ポリイソシアネート硬化剤を含有するカチオン電着塗料組成物であって、
前記ブロック化ポリイソシアネート硬化剤が塗料樹脂固形分中に50~80質量%の量で含有し、
前記ブロック化ポリイソシアネート硬化剤を形成するブロック剤が、
(a)モノオール化合物と、
(b)ポリオール化合物または水酸基を有するアミンのいずれか一方または両方との、
組合せからなり、
形成された電着塗膜中の残存OH官能基量が0.4~1.6(meq/固形分g)である、
ことを特徴とする、カチオン電着塗料組成物。
[2]前記アミン化樹脂のアミン価が100~200(meq/固形分100g)であることを特徴とする、[1]のカチオン電着塗料組成物。
[3]前記ブロック化ポリイソシアネート硬化剤を形成するブロック剤の、モノオール化合物に対するポリオール化合物および水酸基を有するアミンの質量比率が、(モノオール化合物)/(ポリオール化合物および水酸基を有するアミン)=60/40~10/90である、[1]または[2]のカチオン電着塗料組成物。
[4]140℃~200℃の温度で硬化可能である、[1]~[3]のいずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
[5]前記カチオン電着塗料組成物を鋼板に乾燥膜厚で15μmになるように塗装し170℃で20分焼き付けた後の電着塗膜の架橋密度が0.5~5.0mmol/cc、電着塗膜形成時の内部応力が7.5MPa以下であることを特徴とする、[1]~[4]のいずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
[6][1]~[5]いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物を用いて塗装したカチオン電着塗膜。
本発明では、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤のブロック剤を検討して、通常使用されているモノオール化合物(即ち、一価のアルコール)だけではなく、ポリオール化合物または水酸基を有するアミンのいずれか一方または両方を組み合わせて用いて反応官能基であるOH基の量を適正化することにより電着された塗膜の物性を確保し、しかも低温硬化性も達成できることが解った。
本発明は、アミン化樹脂およびブロック化ポリイソシアネート硬化剤を含有するカチオン電着塗料組成物であって、前記ブロック化ポリイソシアネート硬化剤が塗料樹脂固形分中に50~80質量%の量で含有し、前記ブロック化ポリイソシアネート硬化剤を形成するブロック剤が、(a)モノオール化合物と、(b)ポリオール化合物または水酸基を有するアミンのいずれか一方または両方との、組合せからなり、形成された電着塗膜中の残存OH官能基量が0.4~1.6(meq/固形分g)であるものを提供する。それぞれの要件について説明する。
<アミン化樹脂>
アミン化樹脂は電着塗膜を構成する塗膜形成樹脂である。アミン化樹脂として、エポキシ樹脂骨格中のオキシラン環(「エポキシ基」とも言う。)を、アミン化合物で変性して得られるアミン変性エポキシ樹脂が好ましい。一般にアミン変性エポキシ樹脂は、出発原料樹脂分子内のオキシラン環を、1級アミン、2級アミンあるいは3級アミンおよび/またはその酸塩などのアミン化合物との反応によって開環して調製される。出発原料樹脂の典型例は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの多環式フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である。また他の出発原料樹脂の例として、特開平5-306327号公報に記載のオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、ジイソシアネート化合物、またはジイソシアネート化合物のイソシアネート基をメタノール、エタノールなどの低級アルコールでブロックして得られたビスウレタン化合物と、エピクロルヒドリンとの反応によって調製することができる。
上記出発原料樹脂は、アミン化合物によるオキシラン環の開環反応の前に、2官能性のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ビスフェノール類、2塩基性カルボン酸などにより鎖延長して用いることができる。
また、アミン化合物によるオキシラン環の開環反応の前に、分子量またはアミン当量の調節、熱フロー性の改良などを目的として、一部のオキシラン環に対して2-エチルヘキサノール、ノニルフェノール、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノn-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルなどのモノヒドロキシ化合物またはオクチル酸などのモノカルボン酸化合物を付加して用いることもできる。
上記エポキシ樹脂のオキシラン環とアミン化合物とを反応させることによって、アミン変性エポキシ樹脂が得られる。オキシラン環と反応させるアミン化合物として、1級アミンおよび2級アミンが挙げられる。エポキシ樹脂と2級アミンとを反応させると、3級アミノ基を有するアミン変性エポキシ樹脂が得られる。また、エポキシ樹脂と1級アミンとを反応させると、2級アミノ基を有するアミン変性エポキシ樹脂が得られる。さらに、ブロックされた1級アミンを有する2級アミンを用いることにより、1級アミノ基を有するアミン変性エポキシ樹脂を調製することができる。例えば、1級アミノ基および2級アミノ基を有するアミン変性エポキシ樹脂の調製は、エポキシ樹脂と反応させる前に、1級アミノ基をケトンでブロック化してケチミンにしておいて、これをエポキシ樹脂に導入した後に脱ブロック化することによって調製することができる。なお、オキシラン環と反応させるアミンとして、必要に応じて、3級アミンを併用してもよい。
上記アミノ化合物としては、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミンなどの1級アミン、2級アミンまたは3級アミンおよび/もしくはその酸塩が挙げられる。また、ブロックされた1級アミンを有する2級アミンの具体例として、例えば、アミノエチルエタノールアミンのケチミン、ジエチレントリアミンのジケチミンなどが挙げられる。また、必要に応じて用いてもよい3級アミンの具体例として、例えば、トリエチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミンなどが挙げられる。これらのアミン類は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ樹脂のオキシラン環と反応させるアミン化合物は、2級アミンが50~95質量%、ブロックされた1級アミンを有する2級アミンが0~30質量%、1級アミンが0~20質量%の量範囲で含むものが好ましい。
アミン化樹脂の数平均分子量は、1,000~5,000の範囲であるのが好ましい。数平均分子量が1,000以上であることにより、得られる硬化電着塗膜の耐溶剤性および耐食性などの物性が良好となる。一方で、数平均分子量が5,000以下であることにより、アミン化樹脂の粘度調整が容易となって円滑な合成が可能となり、また、得られたアミン化樹脂の乳化分散の取扱いが容易になる。アミン化樹脂の数平均分子量は2,000~3,500の範囲であるのがより好ましい。
本発明のアミン化樹脂のアミン価は、100~200(meq/固形分100g)の範囲内であるのが好ましい。アミン化樹脂のアミン価が100(meq/固形分100g)より少ないと、中和点が減少し経時安定性低下の欠点を有する。一方で、アミン価が200(meq/固形分100g)を超えると、親水性が高くなり遮断性低下の欠点を有する。アミン化樹脂のアミン価は、好ましくは130~190(meq/固形分100g)、より好ましくは150~180の範囲内である。
アミン化樹脂の水酸基価は、150~650mgKOH/gの範囲内であるのが好ましい。水酸基価が150以上であることにより、硬化電着塗膜において硬化が良好となり、塗膜外観も向上する。一方で、水酸基価が650以下であることにより、硬化電着塗膜中に残存する水酸基の量が適正となり、塗膜の耐水性を低下させるおそれがなくなる。アミン化樹脂の水酸基価は、150~400mgKOH/gの範囲内であるのがより好ましい。
<ブロック化ポリイソシアネート硬化剤>
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(以下、単に「硬化剤」ということがある。)は、電着塗膜を構成する塗膜形成樹脂である。ブロック化ポリイソシアネート硬化剤は、ポリイソシアネート化合物を、ブロック剤でブロック化することによって調製することができる。
ポリイソシアネート化合物の例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(3量体を含む)、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などの脂環式ポリイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。本発明では、上記ポリイソシアネート化合物として、どのようなものを使用してもよいが、低温硬化性および入手のし易さから考えると、芳香族ジイソシアネート、特に4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)またはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が好ましい。
本発明では、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤のブロック剤が従来通常用いられているモノオール化合物(一価のアルコール)単独ではなく、ポリオール化合物または水酸基を有するアミンのいずれか一方または両方を組み合わせて用いることを特徴としている。従って、本発明で使用し得るブロック剤は、(a)モノオール化合物と(b)ポリオール化合物または水酸基を有するアミンと、に分けて説明する。モノオール化合物は、n-ブタノール、n-ヘキシルアルコール、2-エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、フェノールカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの一価のアルキル(または芳香族)アルコール類;エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)などのセロソルブ類;パラ-t-ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール類;ジメチルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、メチルアミルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類などが挙げられる。これらの中で、好ましく使用できるものは、アルキルアルコール類またはセロソルブ類であり、特に好ましくはセロソルブ類である。
本発明のブロック剤として使用し得るポリオール化合物は、エチレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールフェノールなどのポリエーテル型両末端ジオール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオールなどのジオール類と、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸などのジカルボン酸類から得られるポリエステル型両末端ポリオール類;トリメチロールプロパン、グリセリンなどのトリオール類;ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの4価以上のアルコール類;およびε-カプロラクタム、γ-ブチロラクタムに代表されるラクタム類が好ましく用いられる。これらの多価アルコールの中で、低分子量のグリコール類(例えば、ブチレングリコールや1,6-ヘキサンジオール)またはトリオール(例えば、トリメチロールプロパン)が好ましく使用できる。
水酸基を有するアミンは、モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン等が上げられる。本発明では、水酸基を有するアミンは、アミン基がイソシアネート基をブロックするブロック剤として作用し、ヒドロキシル基は残存OH官能基濃度が減少するのを補充することでき、塗膜性能(遮断性や耐ハジキ性)も維持できる。
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤のブロック剤として、モノオール化合物に加えてポリオール化合物と水酸基を有するアミンを使用することにより、後述する電着塗膜中の残存OH官能基量(meq/固形分g)の量的範囲を満足し、塗膜物性の低下を防止することができる。モノオール類とポリオール類および水酸基を有するアミンの量的な比率は、特に限定されることはないが、モノオールに対するポリオール及び水酸基を有するアミンの質量比率が、(ポリオール及び水酸基を有するアミン)/(モノオール)=40/60~90/10、好ましくは50/50~80/20、より好ましくは60/40~80/20である。モノオールの比率が多くなると、後述する電着塗膜中の残存OH官能基量が不足して、塗膜性能に不具合が生じる。ポリオール及び水酸基を有するアミンの比率が高くなるとブロック剤が解離して反応するイソシアネートの量が減少し、硬化性が低下する欠点を有する。
本発明では、上記ブロック化ポリイソシアネート硬化剤が塗料樹脂固形分中に50~80質量%の量で含まれることが好ましい。ブロック化ポリイソシアネート硬化剤の量が塗料樹脂固形分中に50質量%より少ないと、硬化が不十分で塗膜特性が発揮できない。逆に、80質量%を超えると、カチオン電着塗料成分中のカチオン成分が不足して電気泳動が生じない。ブロック化ポリイソシアネート硬化剤の塗料樹脂固形分中の配合量は、好ましくは50~70質量%、より好ましくは50~60質量%である。
<樹脂エマルションの調製>
樹脂エマルションは、アミン化樹脂およびブロック化ポリイソシアネート硬化剤それぞれを有機溶媒中に溶解させて、溶液を調製し、これらの溶液を混合した後、中和酸を用いて中和し、脱イオン水で希釈することにより、樹脂エマルションを調製することができる。中和酸として、例えば、メタンスルホン酸、スルファミン酸、乳酸、ジメチロールプロピオン酸、ギ酸、酢酸などの有機酸が挙げられる。本発明においては、アミン化樹脂および硬化剤を含む樹脂エマルションを、ギ酸、酢酸および乳酸からなる群から選択される1種またはそれ以上の酸によって中和するのがより好ましい。
樹脂エマルションの固形分量は、通常、樹脂エマルション全量に対して25~50質量%、特に35~45質量%であるのが好ましい。ここで「樹脂エマルションの固形分」とは、樹脂エマルション中に含まれる成分であって、溶媒の除去によっても固形となって残存する成分全ての質量を意味する。具体的には、樹脂エマルション中に含まれる、アミン化樹脂、硬化剤および必要に応じて添加される他の固形成分の質量の総量を意味する。
中和酸は、アミン化樹脂が有するアミノ基の当量に対する中和酸の当量比率として、10~100%となる量で用いるのがより好ましく、20~70%となる量で用いるのがさらに好ましい。本明細書において、アミン化樹脂が有するアミノ基の当量に対する中和酸の当量比率を、中和率とする。中和率が10%以上であることにより、水への親和性が確保され、水分散性が良好となる。
<顔料分散ペースト>
本発明のカチオン電着塗料組成物は、必要に応じて顔料分散ペーストを含んでもよい。顔料分散ペーストは、電着塗料組成物中に任意に含まれる成分であり、一般に顔料分散樹脂および顔料を含む。
顔料分散樹脂
顔料分散樹脂は、顔料を分散させるための樹脂であり、水性媒体中に分散されて使用される。顔料分散樹脂として、4級アンモニウム基、3級スルホニウム基および1級アミノ基から選択される少なくとも1種またはそれ以上を有する変性エポキシ樹脂などの、カチオン基を有する顔料分散樹脂を用いることができる。顔料分散樹脂の具体例として、例えば4級アンモニウム基含有エポキシ樹脂、3級スルホニウム基含有エポキシ樹脂などが挙げられる。水性溶媒としてはイオン交換水または少量のアルコール類を含む水などを用いる。
顔料
顔料は、電着塗料組成物において一般的に用いられる顔料である。顔料として、例えば、通常使用される無機顔料および有機顔料、例えば、チタンホワイト(二酸化チタン)、カーボンブラックおよびベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカおよびクレーのような体質顔料;リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、トリポリリン酸アルミニウム、およびリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛のような防錆顔料など、が挙げられる。
顔料分散ペーストの製造
顔料分散ペーストは、顔料分散樹脂および顔料を混合して調製される。顔料分散ペースト中の顔料分散樹脂の含有量は特に限定されないが、例えば、顔料100質量部に対して樹脂固形分比で20~100質量部となる量で用いることができる。
顔料分散ペーストの固形分量は通常、顔料分散ペースト全量に対して40~70質量%、特に50~60質量%であるのが好ましい。
本明細書中において「顔料分散ペーストの固形分」とは、顔料分散ペースト中に含まれる成分であって、溶媒の除去によっても固形となって残存する成分全ての質量を意味する。具体的には、顔料分散ペースト中に含まれる、顔料分散樹脂および顔料および必要に応じて添加される他の固形成分の質量の総量を意味する。
<カチオン電着塗料組成物の製造>
本発明のカチオン電着塗料組成物は、アミン化樹脂およびブロック化ポリイソシアネート硬化剤を含む樹脂エマルション、そして顔料分散ペーストおよび添加剤などを、通常用いられる方法により混合することによって、調製することができる。
本明細書中において「電着塗料組成物の固形分」とは、電着塗料組成物中に含まれる成分であって、溶媒の除去によっても固形となって残存する成分全ての質量を意味する。具体的には、電着塗料組成物中に含まれる、アミン化樹脂、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤、そして必要に応じて含まれる顔料分散樹脂、顔料、他の固形成分の固形分質量の総量を意味する。
本発明のカチオン電着塗料組成物の固形分量は、電着塗料組成物全量に対し、1~30質量%であるのが好ましい。カチオン電着塗料組成物の固形分量が1質量%未満である場合は、電着塗膜析出量が少なくなり、十分な耐食性を確保することが困難となるおそれがある。またカチオン電着塗料組成物の固形分量が30質量%を超える場合は、つきまわり性または塗装外観が悪くなるおそれがある。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、pHが4.5~7であることが好ましい。カチオン電着塗料組成物のpHが4.5未満である場合は、カチオン電着塗料組成物中に存在する酸の量が過剰量となり、塗膜外観または塗装作業性が劣ることとなるおそれがある。一方で、pHが7を超える場合は、カチオン電着塗料組成物のろ過性が低下し、硬化電着塗膜の水平外観が低下する場合がある。カチオン電着塗料組成物のpHは、用いる中和酸の量、遊離酸の添加量などの調整によって、上記範囲に設定することができる。上記pHは、5~7であるのがより好ましい。
カチオン電着塗料組成物のpHは、温度補償機能を有する市販のpHメーターを用いて測定することができる。
カチオン電着塗料組成物の固形分100gに対する酸のミリグラム当量(MEQ(A))は40~120であるのが好ましい。なお、カチオン電着塗料組成物の樹脂固形分100gに対する酸のミリグラム当量(MEQ(A))は、中和酸量および遊離酸の量によって調整することができる。
ここでMEQ(A)とは、mg equivalent(acid)の略であり、塗料の固形分100g当たりのすべての酸のmg当量の合計である。このMEQ(A)は、電着塗料組成物の固形分を約10g精秤し約50mlの溶剤(THF:テトラヒドロフラン)に溶解した後、1/10NのNaOH溶液を用いて電位差滴定を行うことによって、カチオン電着塗料組成物中の含有酸量を定量して測定することができる。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、塗料分野において一般的に用いられている添加剤、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなどの有機溶媒、乾き防止剤、消泡剤などの界面活性剤、アクリル樹脂微粒子などの粘度調整剤、はじき防止剤、バナジウム塩、銅、鉄、マンガン、マグネシウム、カルシウム塩などの無機防錆剤など、を必要に応じて含んでもよい。またこれら以外に、目的に応じて公知の補助錯化剤、緩衝剤、平滑剤、応力緩和剤、光沢剤、半光沢剤、酸化防止剤、および紫外線吸収剤などを配合してもよい。これらの添加剤は、樹脂エマルション製造の際に添加されてもよいし、顔料分散ペーストの製造時に添加されてもよいし、または樹脂エマルションと顔料分散ペーストとの混合時または混合後に添加されてもよい。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、上記アミン化樹脂以外にも、他の塗膜形成樹脂成分を含んでもよい。他の塗膜形成樹脂成分として、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ブタジエン系樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。電着塗料組成物に含まれうる他の塗膜形成樹脂成分として、フェノール樹脂、キシレン樹脂が好ましい。フェノール樹脂、キシレン樹脂として、例えば、2以上10以下の芳香族環を有するキシレン樹脂が挙げられる。
本発明のカチオン電着塗料組成物の析出電着塗膜は、110℃における塗膜粘度が5,000~1,000,000mPa・sの範囲内であることを条件とする。本明細書において「析出電着塗膜」とは、カチオン電着塗料組成物を電着塗装した際に被塗物上に析出する電着塗膜であって、未硬化の状態の塗膜をいう。析出電着塗膜にとって、110℃という温度は、電着塗膜に含まれる塗膜樹脂成分の硬化反応が開始する直前の温度ということができる。このような温度条件下における、電着塗膜の110℃における塗膜粘度が1,000,000mPa・s以下であることによって、加熱による電着塗膜のフローを確保することができ、硬化電着塗膜の膜厚不均一化を回避することができる。また、塗膜粘度が5,000mPa・s以上であることによって、加熱によって電着塗膜が過度にフローして流れ落ちるなどの不具合を回避することができる。上記110℃における塗膜粘度は、5,000~500,000mPa・sの範囲内であるのが好ましく、5,000~100,000mPa・sの範囲内であるのがより好ましく、6,000~20,000mPa・sの範囲内であるのが特に好ましい。
析出電着塗膜の110℃における塗膜粘度は、次のようにして測定することができる。まず被塗物に膜厚約15μmとなるように180秒間電着塗装を行い、電着塗膜を形成し、これを水洗して余分に付着した電着塗料組成物を取り除く。次いで、電着塗膜表面に付着した余分な水分を取り除いた後、乾燥させることなくすぐに塗膜を取り出して、試料を調製する。こうして得られた試料を、動的粘弾性測定装置を用いて粘度測定することによって、110℃における塗膜粘度を測定することができる。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、本発明のカチオン電着塗料組成物を鋼板に乾燥膜厚で15μmになるように塗装し170℃で20分焼き付けた後の残存OH官能基量が0.4~1.6(meq/固形分g)であることも必要である。これは塗料組成物を得た後の塗膜の性能を規定するもので、残存OH官能基量は電着塗装によって得られた電着塗膜を加熱硬化させた場合において、アミン化樹脂と、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤が反応した後に塗膜中に残存することとなる、アミン化樹脂に由来する残存水酸基量の理論値である。この理論残存水酸基量は、アミン化樹脂の水酸基量(meq/固形分g)と1級アミン量(meq/固形分g)の合計から、硬化剤のイソシアネート基量(meq/固形分g)を減ずることで求めた。残存OH官能基量は、好ましくは0.6~1.4meq/固形分gで、より好ましくは0.8~1.2meq/固形分gである。この条件で塗装した塗膜の残存OH官能基量が0.4meq/固形分gより少ないと、塗膜に十分な密着性能を付与できず、1.6meq/固形分gより大きいと親水性が高くなり遮断性低下の欠点を有する。
前記カチオン電着塗料組成物を鋼板に乾燥膜厚で15μmになるように塗装し170℃で20分焼き付けた後の電着塗膜は、上述の残存OH官能基数だけではなく、架橋密度が0.5~5.0mmol/ccおよび電着塗膜形成時の内部応力が7.5MPa以下であることが好ましい。
架橋密度は、動的粘弾性測定装置、例えばユービーエム社製Rheogelを使用して測定することができ、具体的には毎分2℃の昇温速度で周波数11Hzの振動を塗膜に与えることによって求めた動的ヤング率(E’)を用いて次式に基づいて求められ、架橋反応の度合いを見るものである。
(式)E’=3nRT
ここでE’=動的ヤング率;n=架橋密度;R=気体定数;T=絶対温度
架橋密度が0.5mmol/ccより少ないと、架橋度が不足し、十分な塗膜性能が発揮できない。逆に5.0mmol/ccを超えると、内部応力が増加し密着性が低下する欠点を有する。架橋密度は、好ましくは0.8~3.0mmol/ccであり、より好ましくは1.0~3.0mmol/ccである。
電着塗膜形成時の内部応力は、ストリップ式電着応力試験方法で測定するものであり、適正範囲を超えると密着不良や、耐食性の低下が起こる。内部応力が7.5MPaより大きいと、機材密着性が低下する。内部応力は、好ましくは6.0MPa以下であり、より好ましくは5.0MPa以下である。
<電着塗装および電着塗膜形成>
本発明のカチオン電着塗料組成物を用いて被塗物に対し電着塗装することによって、電着塗膜を形成することができる。本発明のカチオン電着塗料組成物を用いる電着塗装においては、被塗物を陰極とし、陽極との間に、電圧を印加する。これにより、電着塗膜が被塗物上に析出する。
本発明のカチオン電着塗料組成物を塗装する被塗物としては、通電可能な種々の被塗物を用いることができる。使用できる被塗物として例えば、冷延鋼板、熱延鋼板、ステンレス、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛-アルミニウム合金系めっき鋼板、亜鉛-鉄合金系めっき鋼板、亜鉛-マグネシウム合金系めっき鋼板、亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金系めっき鋼板、アルミニウム系めっき鋼板、アルミニウム-シリコン合金系めっき鋼板、錫系めっき鋼板などが挙げられる。
電着塗装工程において、電着塗料組成物中に被塗物を浸漬した後、50~450Vの電圧を印加することによって、電着塗装が行われる。印加電圧が50V未満であると電着が不充分となるおそれがあり、450Vを超えると、塗膜外観が劣ることとなるおそれがある。電着塗装時、塗料組成物の浴液温度は、通常10~45℃に調節される。
電圧を印加する時間は、電着条件によって異なるが、一般には、2~5分とすることができる。
本発明のカチオン電着塗料組成物を用いた電着塗装において、析出させる電着塗膜の膜厚は、加熱硬化により最終的に得られる電着塗膜の膜厚が好ましくは5~60μm、より好ましくは10~25μmとなるような膜厚であるのが好ましい。電着塗膜の膜厚が5μm未満であると、防錆性が不十分となるおそれがある。
上述のようにして析出させた電着塗膜は、必要に応じて水洗した後、例えば140~200℃、好ましくは140~170℃で、10~30分間加熱することによって、硬化させることができる。これにより、硬化電着塗膜が形成される。140℃~200℃での硬化は、通常の硬化温度よりひくく、低温硬化性を有している。低温で硬化することは、硬化時に使用するエネルギー量を大きく減少させる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
製造例1-1 アミン化樹脂(樹脂1)の製造
メチルイソブチルケトン(MIBK)92部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER-331J、ダウケミカル社製)940部、ビスフェノールA370部、オクチル酸15部、ジメチルベンジルアミン2部を加え、反応容器内の温度を120℃に保持し、エポキシ当量が900g/eqになるまで反応させた後、反応容器内の温度が110℃になるまで冷却した。ついでジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)178部とジエタノールアミン89部の混合物を添加し、110℃で1時間反応させることにより、アミン化樹脂(カチオン変性エポキシ樹脂:樹脂1)を得た。
この樹脂の数平均分子量は2,800、アミン価は180(meq/固形分100g)であった。
製造例1-2 アミン化樹脂(樹脂2)の製造
メチルイソブチルケトン92部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER-331J、ダウケミカル社製)940部、ビスフェノールA370部、オクチル酸118部、ジメチルベンジルアミン2部を加え、反応容器内の温度を120℃に保持し、エポキシ当量が900g/eqになるまで反応させた後、反応容器内の温度が110℃になるまで冷却した。ついでジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)92部とジエタノールアミン56部の混合物を添加し、110℃で1時間反応させることにより、アミン化樹脂(カチオン変性エポキシ樹脂:樹脂2)を得た。
この樹脂の数平均分子量は2,800、アミン価は100(meq/固形分100g)であった。
製造例1-3 アミン化樹脂(樹脂3)の製造
メチルイソブチルケトン92部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER-331J、ダウケミカル社製)940部、ビスフェノールA370部、オクチル酸130部、ジメチルベンジルアミン2部を加え、反応容器内の温度を120℃に保持し、エポキシ当量が900g/eqになるまで反応させた後、反応容器内の温度が110℃になるまで冷却した。ついでジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)79部とジエタノールアミン54部の混合物を添加し、110℃で1時間反応させることにより、アミン化樹脂(カチオン変性エポキシ樹脂:樹脂3)を得た。
この樹脂の数平均分子量は2,800、アミン価は90(meq/固形分100g)であった。
製造例2-1 ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(1)の製造
ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)362部およびMIBK80部を反応容器に仕込み、これを80℃まで加熱した後、ブチルセロソルブ192部を1時間かけて滴下した。さらに1,6ヘキサンジオールを128部滴下し、さらに100℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK40部を加えてブロック化ポリイソシアネート硬化剤(1)を得た(固形分85%)。
製造例2-2 ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(2)の製造
ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)362部およびMIBK80部を反応容器に仕込み、これを80℃まで加熱した後、ブチルセロソルブ253部を1時間かけて滴下した。さらにトリメチロールプロパンを72部滴下し、さらに100℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK40部を加えてブロック化ポリイソシアネート硬化剤(2)を得た(固形分85%)。
製造例2-3 ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(3)の製造
ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)362部およびMIBK80部を反応容器に仕込み、これを80℃まで加熱した後、ブチルセロソルブ192部を1時間かけて滴下した。さらにトリメチロールプロパンを145部滴下し、さらに100℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK43部を加えてブロック化ポリイソシアネート硬化剤(3)を得た(固形分85%)。
製造例2-4 ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(4)の製造
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)168部およびMIBK42部を反応容器に仕込み、これを60℃まで加熱した。ここに、トリメチロールプロパン36部をメチルエチルケトオキシム(MEKオキシム)104部に溶解させたものを60℃で2時間かけて滴下した。さらに75℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(4)を得た(固形分85%)。
製造例2-5ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(5)の製造
ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)362部およびMIBK80部を反応容器に仕込み、これを80℃まで加熱した後、ブチルセロソルブ319部を1時間かけて滴下し、さらに100℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK43部を加えてブロック化ポリイソシアネート硬化剤(5)を得た(固形分85%)。
製造例3 顔料分散樹脂の製造
撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にビスフェノールA型エポキシ樹脂385部、ビスフェノールA120部、オクチル酸95部、2-エチル-4-メチルイミダゾール1%溶液1部を仕込んで、窒素雰囲気下160~170℃で1時間反応させ、ついで120℃まで冷却後、2-エチルヘキサノール化ハーフブロック化トリレンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン溶液(固形分95%)198部を加えた。反応混合物を120~130℃で1時間保持した後、エチレングリコールモノn-ブチルエーテル157を加えた。そして85~95℃に冷却して均一化させた。つぎにジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)277部を加え120℃で1時間撹拌しエチレングリコールモノn-ブチルエーテル13部を加え、アミン化樹脂を製造した。ついで18部のイオン交換水とギ酸8部を仕込み上記アミン化樹脂を混合し15分撹拌し、イオン交換水200部を混合して、顔料分散樹脂(平均分子量2,200)の樹脂溶液(樹脂固形分25%)を得た。
製造例4-1 電着塗料樹脂エマルション(Em1)の製造
製造例1-1で得た樹脂(樹脂1)400g(固形分)と、製造例2-1で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤(1)600g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(Em1)を得た。
製造例4-2 電着塗料樹脂エマルション(Em2)の製造
製造例1-1で得た樹脂(樹脂1)400g(固形分)と、製造例2-2で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤(2)600g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(Em2)を得た。
製造例4-3 電着塗料樹脂エマルション(Em3)の製造
製造例1-1で得た樹脂(樹脂1)400g(固形分)と、製造例2-3で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤(3)600g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(Em3)を得た。
製造例4-4 電着塗料樹脂エマルション(Em4)の製造
製造例1-1で得た樹脂(樹脂1)500g(固形分)と、製造例2-1で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤(1)500g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(Em4)を得た。
製造例4-5 電着塗料樹脂エマルション(Em5)の製造
製造例1-1で得た樹脂(樹脂1)200g(固形分)と、製造例2-3で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤(3)800g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(Em5)を得た。
製造例4-6 電着塗料樹脂エマルション(Em6)の製造
製造例1-2で得た樹脂(樹脂2)400g(固形分)と、製造例2-3で得たブロックイソシアネート硬化剤(3)600g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(Em6)を得た。
製造例4-7 電着塗料樹脂エマルション(Em7)の製造
製造例1-2で得た樹脂(樹脂2)400g(固形分)と、製造例2-4で得たブロックイソシアネート硬化剤(4)600g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(Em7)を得た。
製造例4-8 電着塗料樹脂エマルション(Em8)の製造
製造例1-3で得た樹脂(樹脂3)650g(固形分)と、製造例2-5で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤(5)350g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(Em8)を得た。
製造例4-9 電着塗料樹脂エマルション(Em9)の製造
製造例1-3で得た樹脂(樹脂3)500g(固形分)と、製造例2-5で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤(5)500g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(Em9)を得た。
製造例4-10 電着塗料樹脂エマルション(Em10)の製造
製造例1-3で得た樹脂(樹脂3)400g(固形分)と、製造例2-5で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤(5)600g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(Em10)を得た。
製造例4-11 電着塗料樹脂エマルション(Em11)の製造
製造例1-3で得た樹脂(樹脂3)200g(固形分)と、製造例2-5で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤(5)800g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(Em11)を得た。
製造例4-12 電着塗料樹脂エマルション(Em12)の製造
製造例1-1で得た樹脂(樹脂3)100g(固形分)と、製造例2-1で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤(5)900g(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15g)になるように添加した。次にギ酸を中和率40%になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が36%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、電着塗料樹脂エマルション(Em12)を得た。
製造例5 電着塗料用顔料分散ペーストの製造
製造例3で得られた顔料分散樹脂を120部、カーボンブラック2.0部、カオリン100.0部、二酸化チタン72.0部、ジブチルスズオキシド8.0部、リンモリブデン酸アルミニウム18.0部およびイオン交換水184部を入れ、粒度10μm以下になるまで分散して、顔料分散ペーストを得た(固形分48%)。サンドミルを用いて、製造例3で得られた顔料分散樹脂を含む以下の表1に示す配合に基づき、得られた混合物を40℃において、体積平均粒子径D50が0.6μmとなるまで分散し、調製して、顔料分散ペースト(固形分46%)を得た。体積平均粒子径D50の測定は、レーザードップラー式粒度分析計(日機装社製、「マイクロトラックUPA150」)を用いて、分散体を信号レベルが適性になるようイオン交換水で希釈して、体積平均粒子径D50を測定した。
実施例1
ステンレス容器に、イオン交換水1394g、樹脂エマルション(Em1)560gおよび製造例5で得られた顔料分散ペースト41gを添加しその後40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を形成した。
実施例2
ステンレス容器に、イオン交換水1394g、樹脂エマルション(Em2)560gおよび製造例5で得られた顔料分散ペースト41gを添加しその後40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を形成した。
実施例3
ステンレス容器に、イオン交換水1394g、樹脂エマルション(Em3)560gおよび製造例5で得られた顔料分散ペースト41gを添加しその後40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を形成した。
実施例4
ステンレス容器に、イオン交換水1394g、樹脂エマルション(Em4)560gおよび製造例5で得られた顔料分散ペースト41gを添加しその後40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を形成した。
実施例5
ステンレス容器に、イオン交換水1394g、樹脂エマルション(Em5)560gおよび製造例5で得られた顔料分散ペースト41gを添加しその後40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を形成した。
実施例6
ステンレス容器に、イオン交換水1394g、樹脂エマルション(Em6)560gおよび製造例5で得られた顔料分散ペースト41gを添加しその後40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を形成した。
実施例7
ステンレス容器に、イオン交換水1394g、樹脂エマルション(Em7)560gおよび製造例5で得られた顔料分散ペースト41gを添加しその後40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を形成した。
比較例1
ステンレス容器に、イオン交換水1394g、樹脂エマルション(Em8)560gおよび製造例5で得られた顔料分散ペースト41gを添加しその後40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を形成した。
比較例2
ステンレス容器に、イオン交換水1394g、樹脂エマルション(Em9)560gおよび製造例5で得られた顔料分散ペースト41gを添加しその後40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を形成した。
比較例3
ステンレス容器に、イオン交換水1394g、樹脂エマルション(Em10)560gおよび製造例5で得られた顔料分散ペースト41gを添加しその後40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を形成した。
比較例4
ステンレス容器に、イオン交換水1394g、樹脂エマルション(Em11)560gおよび製造例5で得られた顔料分散ペースト41gを添加しその後40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を形成した。
比較例5
ステンレス容器に、イオン交換水1394g、樹脂エマルション(Em12)560gおよび製造例5で得られた顔料分散ペースト41gを添加しその後40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を形成した。
冷延鋼板(JISG3141、SPCC-SD)を、サーフクリーナーEC90(日本ペイント・サーフケミカルズ社製)中に50℃で2分間浸漬して、脱脂処理した。次いで、ZrFを0.005%含み、NaOHを用いてpH4に調整したジルコニウム化成処理液中に、40℃で90秒間浸漬して、ジルコニウム化成処理を行った。次いで、実施例および比較例で得られた電着塗料組成物を、硬化後の電着塗膜の膜厚が15μmとなるように2-エチルヘキシルグリコールを必要量添加し、その後に鋼板を浸漬して、30秒昇圧180Vに達してから150秒間保持するという条件で電圧を印加して、被塗物上に未硬化の電着塗膜を析出させた。
こうして得られた未硬化の電着塗膜を、140℃で25分間焼き付け硬化させて、硬化電着塗膜を有する電着塗装板を得た。
「残存密着官能基量」は、電着塗装によって得られた電着塗膜を加熱硬化させた場合において、アミン化樹脂と、ブロックイソシアネート硬化剤が反応した後に塗膜中に残存することとなる、アミン化樹脂に由来する残存水酸基量の理論値である。この理論残存水酸基量は、アミン化樹脂の水酸基量(meq/固形分g)と1級アミン量(meq/固形分g)の合計から、硬化剤のイソシアネート基量(meq/固形分g)を減ずることで求めた。
上記実施例および比較例により得られた電着塗料組成物および塗装板を用いて、下記評価試験を行った。
低温硬化性
得られた電着塗膜をソックスレー抽出器に入れ、アセトン還流条件下で6時間抽出し、塗膜のゲル分率を次式に従い算出した。
◎;90%以上
○;80%~89%
×;79%以下
ゲル分率(%)=[抽出後質量(g)/抽出前質量(g)]×100
電着塗料組成物の安定性(経時安定性)
電着塗料組成物を静置した状態または撹拌した状態において、塗料組成物の状態を目視にて判定し、安定性を評価した。評価基準は以下の通りとした。ここでいう安定であるとは、攪拌停止後、15分以内に顔料が沈降しないことをいう。
評価基準
○:電着塗料組成物を静置した状態で安定である
○△:電着塗料組成物を静置した状態では安定ではないものの、再度撹拌することによってすぐに安定化する
△:電着塗料組成物を連続的に撹拌し続けた状態では安定である
×:電着塗料組成物を連続的に撹拌し続けた状態でも安定化しない
密着性(電解剥離試験)
硬化後の電着塗装板に対してカットを行い、0.01mAの電流値にて12時間電解後、テープ剥離を行い、その両側の剥離幅にて密着性を評価した。評価基準は以下の通りである。
評価基準
○:剥離幅3mm未満
○△:剥離幅3mm以上5mm未満
△:剥離幅5mm以上10mm未満
×:剥離幅10mm以上
耐食性試験(Salt-solution Dipping Test(SDT))
冷延鋼板を用いた硬化後の電着塗装板の塗膜に、基材に達するようにナイフで傷を入れ、この塗装板を、5%食塩水中に55℃で240時間浸漬した後、テープ剥離を行い、その両側の剥離幅を評価した。
評価基準
○:剥離幅5mm未満
○△:剥離幅5mm以上10mm未満
△:剥離幅10mm以上15mm未満
×:剥離幅15mm以上
耐ハジキ
自然乾燥した塗板を網の上に水平に置き、中央にアルミカップを両面テープで固定し、スポイドを用いて水1滴落とした後にさらに水滴の上に油1滴落とす。水/油を滴下した塗板を水平にしたまま、140℃で25分間焼き付け硬化させ、ハジキ状態を評価。評価基準は以下の通りである。
評価基準
○:クレーターの直径が1mm以下
△:クレーターの直径が1mm~3mm未満
×:クレーターの直径が3mm以上
下記表1には、上記実施例1~7および比較例1~5における、塗料組成(アミン化樹脂の配合量%、ブロック化ポリイソシアネートの種類と配合量%)、ブロック化ポリイソシアネートのブロック剤の組成(各ブロック剤の組成%とモノオール/ポリオール質量比)、塗料のアミン化(meq/固形分100g)、塗膜中の残存OH官能基量(meq/固形分 g)、塗膜の架橋密度、塗膜の内部応力(MPa)および上記各性能評価(低温硬化(140℃硬化)性、経時安定性、密着性、耐食性(SDT)および耐ハジキ)を記載した。
Figure 2022020996000001
上記表1から明らかなように、本発明の実施例では塗膜の評価が全て満足する範囲にある。一方、比較例1はブロック化ポリイソシアネート硬化剤の量が少なくて、低温硬化性が不足すると共に耐食性や耐ハジキ性が不足気味である。比較例2はブロック化ポリイソシアネート硬化剤の量が本発明の範囲にあるが、ブロック剤がモノオール化合物のみであり、経時安定性や塗膜の密着性が不足する。比較例3では、比較例2と同様であって、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤の量を増加しているが、アミン価や残存OH官能基量が0と不足していて、経時安定性は密着性が大きく不足する。比較例4や5はブロック化ポリイソシアネート硬化剤が多すぎて、低温硬化性が優れているものの、塗膜性能が実用に耐えるものではない。

Claims (6)

  1. アミン化樹脂およびブロック化ポリイソシアネート硬化剤を含有するカチオン電着塗料組成物であって、
    前記ブロック化ポリイソシアネート硬化剤が塗料樹脂固形分中に50~80質量%の量で含有し、
    前記ブロック化ポリイソシアネート硬化剤を形成するブロック剤が、
    (a)モノオール化合物と、
    (b)ポリオール化合物または水酸基を有するアミンのいずれか一方または両方との、
    組合せからなり、
    形成された電着塗膜中の残存OH官能基量が0.4~1.6(meq/固形分g)である、
    ことを特徴とする、カチオン電着塗料組成物。
  2. 前記アミン化樹脂のアミン価が100~200(meq/固形分100g)であることを特徴とする、請求項1記載のカチオン電着塗料組成物。
  3. 前記ブロック化ポリイソシアネート硬化剤を形成するブロック剤の、モノオール化合物に対するポリオール化合物および水酸基を有するアミンの質量比率が、(モノオール化合物)/(ポリオール化合物および水酸基を有するアミン)=60/40~10/90である、請求項1または2記載のカチオン電着塗料組成物。
  4. 140℃~200℃の温度で硬化可能である、請求項1~3のいずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
  5. 前記カチオン電着塗料組成物を鋼板に乾燥膜厚で15μmになるように塗装し170℃で20分焼き付けた後の電着塗膜の架橋密度が0.5~5.0mmol/cc、電着塗膜形成時の内部応力が7.5MPa以下であることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
  6. 請求項1~5いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物を用いて塗装したカチオン電着塗膜。
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