JPH0987521A - 無機−有機高分子ハイブリッド生成性組成物及びこれを用いる無機−有機高分子ハイブリッドの製造方法 - Google Patents

無機−有機高分子ハイブリッド生成性組成物及びこれを用いる無機−有機高分子ハイブリッドの製造方法

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JPH0987521A
JPH0987521A JP26951195A JP26951195A JPH0987521A JP H0987521 A JPH0987521 A JP H0987521A JP 26951195 A JP26951195 A JP 26951195A JP 26951195 A JP26951195 A JP 26951195A JP H0987521 A JPH0987521 A JP H0987521A
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JP
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vinyl monomer
polyorganosiloxane
inorganic
polymer hybrid
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JP26951195A
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English (en)
Inventor
Koichi Matsueda
弘一 松枝
Toshiji Suzuki
利治 鈴木
Tatsuhiko Ozaki
龍彦 尾▲崎▼
Minoru Shinoda
稔 篠田
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Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機溶媒を除去する必要がなく、したがって外
観上の問題を生じない、透明性、機械的物性及び熱的物
性に優れたハイブリッドを得ることができる、無機−有
機高分子ハイブリッド生成性組成物を提供する。 【解決手段】分子中に特定の置換炭化水素基とシラノー
ル基とを有するポリオルガノシロキサンと、分子中にア
ミド基又はアミノカルボニル基を有するビニル単量体と
を均質複合化した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機−有機高分子ハ
イブリッド生成性組成物(以下、単にハイブリッド生成
性組成物という)及びこれを用いる無機−有機高分子ハ
イブリッド(以下、単にハイブリッドという)の製造方
法に関する。シリカ粉末、アルミナ粉末、タルク粉末、
ガラスビーズ、ガラス繊維、ウイスカー繊維等の無機物
質と有機高分子との複合材料が広く利用されている。こ
れらの複合材料は無機物質が有機高分子のマトリックス
中に分散した状態で存在しており、分子レベルから見る
と、異相系(ヘテロジニアスな系)を形成していて、こ
れらの異なる相界面における相互作用が該複合材料の物
性を大きく左右している。本発明は、異相系を形成する
従来の複合材料とは明らかに区別される新規の複合材料
を得ることができる組成物及びこれを用いる複合材料の
製造方法に関し、更に詳しくは、分子レベルから見る
と、無機物質と有機高分子とが均質系(ホモジニアスな
系)を形成する複合材料すなわちハイブリッドを得るこ
とができるハイブリッド生成性組成物及びこれを用いる
ハイブリッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、無機物質と有機高分子とのハイブ
リッドを生成させるのに用いる組成物として、1)ポリ
(N−アセチルエチレンイミン)或はポリビニルピロリ
ドン等のアミド結合を有する非反応性ポリマーを有機溶
媒に溶解した系で、アルコキシシランを加水分解重合し
て得られるケイ素酸化物ゲル構造体中に上記非反応性ポ
リマーが分散したものの有機溶媒溶液を用いる例(特開
平3−212451、特開平6−322136)、2)
ゾル−ゲル法により加水分解重合性無機化合物を加水分
解重合した無機酸化物(例えばケイ素酸化物、アルミニ
ウム酸化物)のマトリックス中にウレタン結合或は尿素
結合を有する非反応性ポリマーが分散したものの有機溶
媒溶液を用いる例(特開平5−85860)、3)加水
分解重合性シリル基を有するポリ(N−アセチルエチレ
ンイミン)とアルコキシシランとをアルコール溶媒中で
加水分解重合して得られるポリ(N−アセチルエチレン
イミン)−ポリシロキサン共重合体のアルコール溶液を
用いる例(特開平3−56535)等が知られている。
ところが従来例はいずれも、無機物質と有機高分子とが
或は無機高分子−有機高分子共重合体が有機溶媒に溶解
或はコロイド状分散した溶液を用いるものであって、こ
れらのものからハイブリッドを得るにはこれに含まれる
有機溶媒を除去する必要があるという欠点があり、また
有機溶媒を除去する際に気泡の残留、乾燥による収縮、
ひび割れ、ひずみ等の問題を生じ易いという欠点があ
る。したがって、これらの従来例は、有機溶媒を除去し
易い形態のもの、具体的には薄膜の形成や微粒子の製造
にその用途が制約されているのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来の組成物は有機溶媒を含有するため、 1)これを除去する必要がある、2)そのため得られる
ハイブリッドに気泡の残留、乾燥による収縮、ひび割
れ、ひずみ等の問題を生じ易いという点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のポリ
オルガノシロキサンと特定のビニル単量体とが均質複合
体を形成して成る組成物を用いると、上記1)及び2)
の課題が解消されたハイブリッドが得られることを見出
した。
【0005】すなわち本発明は、下記のポリオルガノシ
ロキサンと下記のビニル単量体A又はビニル単量体混合
物とが均質複合体を形成して成ることを特徴とするハイ
ブリッド生成性組成物及びこれを用いるハイブリッドの
製造方法に係る。
【0006】ポリオルガノシロキサン:それを構成する
シロキサン単位として、ケイ素原子に直結した炭素原子
を有する炭化水素基であって且つラジカル重合性基を含
む有機基で置換された炭化水素基を有するシロキサン単
位とシラノール基を有するシロキサン単位とを含有する
ポリオルガノシロキサン
【0007】ビニル単量体A:分子中にアミド基又はア
ミノカルボニル基を有するビニル単量体 ビニル単量体混合物:分子中にアミド基又はアミノカル
ボニル基を有するビニル単量体Aと該ビニル単量体Aに
対し共重合可能であり且つ相溶性を有する他のビニル単
量体Bとの混合物であって、ビニル単量体A100重量
部に対しビニル単量体Bを50重量部以下の割合で含有
する混合物
【0008】本発明に用いるポリオルガノシロキサンに
おいて、ケイ素原子に直結した炭素原子を有し、ラジカ
ル重合性基を含む有機基で置換された炭化水素基を有す
るシロキサン単位(以下、ラジカル重合性基を有するシ
ロキサン単位という)として、1)メタクリロキシプロ
ピルシロキサン単位、アクリロキシエチルシロキサン単
位等の(メタ)アクリロキシアルキルシロキサン単位、
2)ジメタクリロキシプロピルシロキサン単位、ジアク
リロキシエチルシロキサン単位等のジ(メタ)アクリロ
キシアルキルシロキサン単位、3)メタクリロキシプロ
ピル・メチルシロキサン単位、アクリロキシエチル・エ
チルシロキサン単位等の(メタ)アクリロキシアルキル
・アルキルシロキサン単位、4)ビニルシロキサン単
位、ビニロキシプロピルシロキサン単位等のビニル基を
含むシロキサン単位が挙げられるが、なかでも(メタ)
アクリロキシアルキルシロキサン単位が好ましい。
【0009】またポリオルガノシロキサンにおいて、シ
ラノール基を有するシロキサン単位について、本発明は
その構造を特定するものではなく、シラノール基の縮重
合に基づくポリシロキサン形成反応において、未反応基
としてシロキサン単位中に含有された構造をとる。例え
ばポリオルガノシロキサンの合成において、シラノール
形成性化合物の加水分解によって生成するシラノール基
同志の縮重合反応を適宜に調節してシラノール基を未反
応基として残留させる公知の手段で、ポリオルガノシロ
キサンの分子中に導入させることができる。
【0010】本発明に用いるポリオルガノシロキサンに
おいて、ポリオルガノシロキサンを構成するシロキサン
単位として、前記シロキサン単位以外のものを含むこと
ができる。これには例えば、1)メチルシロキサン単
位、エチルシロキサン単位、ジメチルシロキサン単位、
フェニルシロキサン単位等のケイ素原子と直結した炭素
原子を有する炭化水素基を有するシロキサン単位、2)
ウレイドプロピルシロキサン単位、グリシドキシプロピ
ルシロキサン単位等のラジカル重合性基以外の置換基を
有する炭化水素基を有するシロキサン単位、等が挙げら
れるが、なかでも無水ケイ酸単位、メチルシロキサン単
位が有利に適用できる。
【0011】かかるポリオルガノシロキサンとしては、
その主構成単位として、ケイ素原子に直結した炭素原子
を有する炭化水素基であって且つラジカル重合性基を含
む有機基で置換された炭化水素基を有するシロキサン単
位と無水ケイ酸単位とを有するものが有利に適用でき
る。これには例えば下記の式1で示されるシラノール形
成性化合物と下記の式2で示されるシラノール形成性化
合物を含有するシラノール形成性化合物の混合物を加水
分解及び縮重合して得られるポリオルガノシロキサンが
挙げられる。
【0012】
【式1】
【式2】
【0013】式1及び式2において、 R:ケイ素原子に直結した炭素原子を有する炭化水素基
であって且つラジカル重合性基を含む有機基で置換され
た炭化水素基 X1,X2:加水分解によってシラノール基を形成する原
子又は原子団
【0014】前記した式1で示されるシラノール形成性
化合物として、メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、アクリロキシエチルトリエトキシシラン等の(メ
タ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシラン類やビ
ニルトリメトキシシラン、ビニロキシプロピルトリメト
キシシラン等のビニル基を含むアルコキシシラン類が挙
げられ、また式2で示されるシラノール形成性化合物と
して、オルソエチルシリケート、テトラメトキシシラ
ン、テトラクロルシラン、トリクロルハイドロジェンシ
ラン等が挙げられる。
【0015】本発明に用いるポリオルガノシロキサンに
おいて、ポリオルガノシロキサン形成反応に供するシラ
ノール形成性化合物として、前記した式1で示されるシ
ラノール形成性化合物と式2で示されるシラノール形成
性化合物との使用割合を特に制限するものではないが、
全シラノール形成性化合物中、式1で示されるシラノー
ル形成性化合物を10〜80モル%、式2で示されるシ
ラノール形成性化合物を80〜10モル%の割合とする
のが好ましく、式1で示されるシラノール形成性化合物
を40〜70モル%とし、且つ式1及び式2で示される
シラノール形成性化合物の総和を全シラノール形成性化
合物中75モル%以上の割合とすることが更に好まし
い。
【0016】本発明のハイブリッド生成性組成物におい
て、前記したビニル単量体Aとしては、分子中にアミド
基を有するものとして、1)N,N−ジメチルアクリル
アミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、アクリル
酸モルホリド、メタクリル酸モルホリド、N−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルカプロラクタム等の第3級アミド
基を有するビニル単量体、2)N,N’−メチレンビス
アクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルア
ミド、N−ビニルアセトアミド等の2級アミド基を有す
るビニル単量体が挙げられる。また分子中にアミノカル
ボニル基を有するものとして、各種の(メタ)アクリロ
イル変性ウレタンが挙げられる。かかる(メタ)アクリ
ロイル変性ウレタンとしては例えば、1)n価のポリイ
ソシアネート1モルと、ポリオール及び(メタ)アクリ
ル酸のエステル化によって得られる分子中に1個の水酸
基を有するポリオール(メタ)アクリル酸部分エステル
{以下、(メタ)アクリルエステルモノオールという}
nモルとから得られる反応物(特開平4−72353号
公報に記載のもの)、2)n価のポリオール1モルと、
ジイソシアネートnモルと、(メタ)アクリルエステル
モノオールnモルとから得られる反応物(特開平2−1
45616号公報に記載のもの)、3)n価のポリオー
ル1モルと、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレー
トnモルとから得られる反応物(特開平3−16311
6号公報及び特開平6−199962号公報に記載のも
の)、4)分子中にn個の遊離の水酸基を有するポリオ
ール(メタ)アクリル酸1モルと、イソシアナトアルキ
ル(メタ)アクリレートnモルとから得られる反応物
(特開平4−53809号公報に記載のもの)、5)分
子中に長鎖の脂肪族炭化水素基を有するもの(特開平4
−306214号公報、特開平4−314715号公
報、特開平5−339332号公報及び特開平6−97
29号公報に記載のもの)、6)以上の1)〜5)で記
載した(メタ)アクリロイル変性ウレタンの混合物等が
挙げられる。これらのうちでは、ビニル単量体Aとし
て、(メタ)アクリロイル変性ウレタン又は第3級アミ
ド基を有するビニル単量体が好ましく、両者の混合物が
更に好ましい。
【0017】また本発明のハイブリッド生成性組成物に
おいて、前記したビニル単量体混合物は、以上説明した
ようなビニル単量体Aと他のビニル単量体Bとの混合物
である。この場合、他のビニル単量体Bは、ビニル単量
体Aと共重合可能であり且つビニル単量体Aに対して相
溶性を有するものである。かかる他のビニル単量体Bと
しては、(メタ)アクリル酸エステル類、ビニル芳香族
炭化水素類、ビニルイソシアネート類が挙げられる。そ
して上記のビニル単量体混合物は、ビニル単量体A10
0重量部に対し上記のような他のビニル単量体Bを50
重量部以下の割合で含有するものである。
【0018】本発明は本発明のハイブリッド生成性組成
物において、前記したポリオルガノシロキサンとビニル
単量体A又はこれを含有するビニル単量体混合物との割
合を特に制限するものではないが、通常ビニル単量体A
又はこれを含有するビニル単量体混合物/ポリオルガノ
シロキサン=5/95〜95/5(重量比)とするのが
好ましく、20/80〜80/20(重量比)とするの
が更に好ましい。
【0019】本発明のハイブリッド生成性組成物は、こ
れを分子レベル的に見ると、ポリオルガノシロキサンと
ビニル単量体A又はこれを含有するビニル単量体混合物
とが溶解状態若しくはコロイド状分散状態にある。した
がって本発明のハイブリッド生成性組成物は均質複合体
を形成しており、ポリオルガノシロキサンとビニル単量
体とを単に混合分散した公知の不均質混合物とは明らか
に区別し得るものである。
【0020】本発明によれば、前記したような均質複合
体を形成する本発明のハイブリッド生成性組成物におい
て、ポリオルガノシロキサンが5〜100nmの平均粒
子径を有するコロイド状粒子として存在するものが好ま
しい。
【0021】本発明のハイブリッド生成性組成物は、い
ずれも前記したようなポリオルガノシロキサンとビニル
単量体A又はこれを含有するビニル単量体混合物とが均
質複合体を形成して成るものである。かかる本発明のハ
イブリッド生成性組成物は、下記に示すような方法によ
って有利に製造できる。先ず、式1で示されるシラノー
ル形成性化合物と式2で示されるシラノール形成性化合
物とを所定割合で含むシラノール形成性化合物の混合物
を水系媒体中で加水分解してシラノール基を生成させ、
続いて生成したシラノール基の一部を縮重合してポリオ
ルガノシロキサンを得る。ポリオルガノシロキサンを得
る方法それ自体は所謂公知のシロキサン生成反応を適用
できるのである。ここで得られるポリオルガノシロキサ
ンは水性溶液若しくは水性コロイド状分散液として得ら
れるが、水性コロイド状分散液として得られるものにつ
いては、その平均粒子径が0.5μm以下のものを用い
ることが必要であり、なかでも平均粒子径が5〜100
nmのものを用いることが好ましい。
【0022】次に、かくして得られたポリオルガノシロ
キサンの水性溶液又は水性コロイド状分散液に、前記し
たビニル単量体A又はこれを含有するビニル単量体混合
物を加えて均一に混合溶解若しくは分散させ、そしてポ
リオルガノシロキサンを得る際に用いた水系媒体を減圧
下に留去すると、ポリオルガノシロキサンとビニル単量
体A又はこれを含有するビニル単量体混合物とが均質複
合化した本発明のハイブリッド生成性組成物が得られ
る。
【0023】ここで前記したような式1で示されるシラ
ノール形成性化合物としては、メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、アクリロキシエチルトリメトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニロキシプロピ
ルトリメトキシシラン等のシラン類が挙げられる。また
前記したような式2で示されるシラノール形成性化合物
としては、オルソエチルシリケート、テトラメトキシシ
ラン、テトラクロロシラン等のシラン類が挙げられる。
これらのシラン類に加えて、その他のシラノール形成性
化合物を適宜に選択して用いることもできる。
【0024】また前記したポリオルガノシロキサンの生
成反応における水系媒体としては、水又は水と低級アル
コール、特にメタノールとの混合溶媒が有利に適用でき
る。
【0025】かくして得られたハイブリッド生成性組成
物をラジカル重合することによって本発明のハイブリッ
ドを製造することができる。かかるラジカル重合の方法
としては、1)ラジカル重合開始剤の存在下に、室温若
しくは加熱下でラジカル重合させる方法、2)光重合開
始剤の存在下に、紫外線や電子線等のエネルギー線を用
いて光ラジカル重合させる方法がある。1)のラジカル
重合それ自体としては、ラジカル重合開始剤を用いる公
知の方法が適用できる。ラジカル重合開始剤としては、
ジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルオキシ−2−
エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−t−ブチルシ
クロヘキシル)パーオキシジカーボネート等が挙げら
れ、これらは1種又は2種以上が使用され得る。これら
のラジカル重合開始剤に加えて、N,N−ジメチル−p
−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン等の促進剤を
併用したレドックス系を用いることもできる。前記した
2)の光ラジカル重合それ自体としては、光重合開始剤
の存在下にエネルギー線を用いる公知の方法が適用でき
る。光重合開始剤としては、1)ベンゾイン、α−メチ
ルベンゾイン、アントラキノン、クロルアントラキノ
ン、アセトフェノン等のカルボニル化合物、2)ジフェ
ニルスルフィド、ジフェニルジスルフィド、ジチオカー
バメイト等のイオウ化合物、3)α−クロルメチルナフ
タレン、アントラセン等の多環芳香族化合物等が挙げら
れる。これらの光重合開始剤に加えて公知の光増感剤を
併用することもできる。本発明のハイブリッド生成性組
成物に対するかかる重合開始剤の使用割合は特に制限さ
れないが、通常ハイブリッド生成性組成物100重量部
に対し重合開始剤が0.05〜5重量部の割合となるよ
うにする。
【0026】本発明のハイブリッド生成性組成物のラジ
カル重合若しくは光ラジカル重合を伴う形状賦与手段に
よって得られるハイブリッドは任意の形状を有する成形
物や造形物とすることができる。かかる形状賦与手段と
しては、1)圧縮成形法、トランスファー成形法、注型
成形法、反応射出成形法、遠心成形法等のインモールド
成形法、2)薄膜成形法、押出し成形法、噴霧造粒法等
の成形若しくは造形法、3)ハイブリッド生成性組成物
を補強用繊維に含浸させて成形物とするスプレーアップ
法、ハンドレイアップ法、プルトルージョン法等の含浸
成形法、4)光学的立体造形法等が挙げられる。また本
発明のハイブリッド生成性組成物は各種目的の塗工材と
して用いることもできる。
【0027】本発明のハイブリッド生成性組成物を用い
て得られるハイブリッドは公知の複合材料では得られな
い優れた物性、とりわけ優れた熱的物性と同時に透明性
を有し、外観上の欠点がないものとなる。かかる特性を
有することにより、得られるハイブリッドは耐熱性及び
透明性が要求される材料として、広い用途に適用でき
る。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明に係るハイブリッド生成性
組成物の実施形態としては、次の1)〜4)が好適例と
して挙げられる。 1)γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン/
オルソエチルシリケート=1/1(モル比)のシラン混
合物を加水分解し、更に縮重合して得られる、分子中に
メタクリロキシプロピル基とシラノール基とを有するポ
リオルガノシロキサン50重量部と、アクリル酸モルホ
リド35重量部と、グリセリンモノアクリレートモノメ
タクリレート/2,4−トリレンジイソシアネート/ヒ
ドロキシエチルアクリレート=1/1/1(モル比)の
反応物である(メタ)アクリロイル変性ウレタン15重
量部とが均質複合体を形成して成るハイブリッド生成性
組成物。 2)上記1)のポリオルガノシロキサン50重量部と、
N,N−ジメチルメタクリルアミド15重量部と、グリ
セリンモノアクリレートモノメタクリレート/イソホロ
ンジイソシアネート=2/1(モル比)の反応物である
(メタ)アクリロイル変性ウレタン35重量部とが均質
複合体を形成して成るハイブリッド生成性組成物。 3)γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン/
オルソエチルシリケート/メチルトリメトキシシラン=
5/4/1(モル比)のシラン混合物を加水分解し、更
に縮重合して得られる、分子中にメタクリロキシプロピ
ル基とシラノール基とを有するポリオルガノシロキサン
75重量部と、N−ビニルカプロラクタム10重量部
と、上記1)の(メタ)アクリロイル変性ウレタン15
重量部とが均質複合体を形成して成るハイブリッド生成
性組成物。 4)上記3)のポリオルガノシロキサン75重量部と、
N−ビニルカプロラクタム10重量部と、上記2)の
(メタ)アクリロイル変性ウレタン15重量部とが均質
複合体を形成して成るハイブリッド生成性組成物。
【0029】また本発明に係るハイブリッドの製造方法
の実施形態としては、次の5)〜7)が好適例として挙
げられる。 5)前記した1)〜4)のいずれかのハイブリッド生成
性組成物100重量部に対し、重合開始剤としてジベン
ゾイルパーオキサイドを1.5重量部及び促進剤として
N,N−ジメチル−p−トルイジンを0.1重量部の割
合で加えて溶解し、これを35℃で1時間キャスト成形
した後、更に80℃で3時間ポストキュアーして、成形
物を製造する方法。 6)前記した1)〜4)のいずれかのハイブリッド生成
性組成物100重量部に対し、光重合開始剤として1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを5重量部の
割合で溶解し、これをステンレス鋼板に塗装した後、紫
外線を照射して硬化させ、塗膜を製造する方法。 7)前記した1)〜4)のいずれかのハイブリッド生成
性組成物100重量部に対し、光重合開始剤として1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを3重量部の
割合で溶解し、これを光学的立体造形装置に供して光学
的立体造形物を製造する方法。
【0030】
【実施例】以下、本発明の構成及び効果をより具体的に
するため実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定
されるというものではない。尚、以下の実施例等におい
て、部は重量部を示し、また%は重量%を示す。
【0031】試験区分1(ポリオルガノシロキサン等の
合成) ・ポリオルガノシロキサンaの合成 フラスコにメタノール300部及び0.5×103mol/
3の塩酸水溶液30部を仕込み、室温下、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン124部(0.5
モル)及びオルソエチルシリケート104部(0.5モ
ル)の混合物を1時間かけて滴下し、加水分解及び縮重
合反応を行った。引き続き室温で2時間撹拌し、更に6
0℃で3時間撹拌した後、室温まで冷却し、ポリオルガ
ノシロキサンaがコロイド状に懸濁した半透明液を得
た。ここで得られたコロイド状懸濁液におけるポリオル
ガノシロキサンaの固形分濃度は22%であった。
【0032】・ポリオルガノシロキサンbの合成 ポリオルガノシロキサンaの場合と同様に、メタノール
300部、0.5×103mol/m3の塩酸水溶液30
部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1
86部(0.75モル)、オルソエチルシリケート12
4.8部(0.6モル)及びメチルトリメトキシシラン
16.2部(0.15モル)を用いて、加水分解及び縮
重合反応を行ない、固形分としてポリオルガノシロキサ
ンbを28%の割合で含む半透明のコロイド状懸濁液を
得た。
【0033】尚、前記したポリオルガノシロキサンaを
含むコロイド状懸濁液及びポリオルガノシロキサンbを
含むコロイド状懸濁液を常温下で減圧乾燥した固形分
は、FT−IRによる表面分析の結果、いずれも遊離の
シラノール基及びメタクリロキシプロピル基に基づく特
性吸収帯(シラノール基3750cm-1、メタクリロキシ
プロピル基1730cm-1)が検出され、ポリオルガノシ
ロキサンa及びbはいずれもシラノール基とメタクリロ
キシプロピル基を有するものであることが確認された。
【0034】・ポリオルガノシロキサンr−1の合成 前記のポリオルガノシロキサンaを含むコロイド状懸濁
液558部に対して、トリメチルメトキシシラン76部
(0.73モル)を仕込み、室温下、3時間撹拌し、更
に60℃で3時間撹拌した後、室温まで冷却して、ポリ
オルガノシロキサンr−1の粒子がコロイド状に懸濁し
た半透明液を得た。ここで得られたコロイド状懸濁液に
おけるポリオルガノシロキサンr−1の固形分濃度は2
3%であった。尚、このコロイド状懸濁液から濾別し
て、風乾したポリオルガノシロキサンr−1の粒子は、
FT−IRによる表面分析の結果、メタクリロキシプロ
ピル基は検出されたが、遊離のシラノール基は検出され
なかった。
【0035】・シリカr−2の合成 ポリオルガノシロキサンaの場合と同様に、メタノール
300部、0.5×103mol/m3の塩酸水溶液30
部、オルソエチルシリケート312部(1.5モル)を
用いて、加水分解及び縮重合反応を行なった。次に内容
物から、メタノールやエタノール等の低級アルコール及
び水を減圧下に留去し、固形分としてシリカr−2を3
0%の割合で含む半透明のコロイド状懸濁液を得た。こ
こで得られたコロイド状懸濁液を常温下で減圧乾燥した
固形分は、FT−IRによる表面分析の結果、3750
cm-1にシラノール基に基づく特性吸収帯が検出され、シ
リカr−2はシラノール基を有するものであることが確
認された。
【0036】試験区分2(ハイブリッド生成性組成物の
調製) 実施例1 試験区分1で得られたポリオルガノシロキサンaを含む
コロイド状懸濁液230部にアクリル酸モルホリド50
部を加えて溶解した後、減圧下に加熱してメタノールや
エタノール等の低級アルコール及び水を完全に留去し、
ポリオルガノシロキサンaが50%及びアクリル酸モル
ホリドが50%の割合から成る透明の溶液100部を得
た。
【0037】実施例2〜5、比較例1 実施例1の場合と同様に、ポリオルガノシロキサンaを
含むコロイド状懸濁液を用いて、実施例2〜5のハイブ
リッド生成性組成物及び比較例1の組成物を調製した。
これらの組成をまとめて表1に示した。
【0038】比較例2 試験区分1で得られたポリオルガノシロキサンr−1を
含むコロイド状懸濁液217部に、アクリル酸モルホリ
ド35部と、グリセリンモノアクリレートモノメタクリ
レート/2,4−トリレンジイソシアネート/ヒドロキ
シエチルアクリレート=1/1/1(モル比)の反応物
である(メタ)アクリロイル変性ウレタン15部とを加
えて溶解した後、減圧下に加熱して、これに含まれる低
級アルコール等の溶媒及び水を完全に留去し、ポリオル
ガノシロキサンr−1が50%、アクリル酸モルホリド
が35%及び上記の(メタ)アクリロイル変性ウレタン
が15%の割合から成る半透明コロイド溶液100部を
得た。ここで得られた半透明コロイド溶液において、ポ
リオルガノシロキサンr−1はコロイド分散しており、
その平均粒子径は50nmであった。
【0039】実施例6 試験区分1で得られたポリオルガノシロキサンbを含む
コロイド状懸濁液268部にN−ビニルカプロラクタム
25部を加えて溶解した後、減圧下に加熱してメタノー
ルやエタノール等の低級アルコール及び水を完全に留去
し、ポリオルガノシロキサンbが75%及びN−ビニル
カプロラクタムが25%の割合から成る半透明の粘稠溶
液約100部を得た。ここで得られた半透明の粘稠溶液
において、ポリオルガノシロキサンbは溶解若しくはコ
ロイド分散しており、その平均粒子径は10nm以下で
あった。
【0040】実施例7及び8、比較例3 実施例5の場合と同様に、ポリオルガノシロキサンbを
含むコロイド状懸濁液を用いて、実施例7及び8のハイ
ブリッド生成性組成物並びに比較例3の組成物を調製し
た。これらの組成をまとめて表1に示した。
【0041】比較例4 試験区分1で得られたシリカr−2を含むコロイド状懸
濁液200部に、アクリル酸モルホリド42部と、グリ
セリンモノアクリレートモノメタクリレート/2,4−
トリレンジイソシアネート/ヒドロキシエチルアクリレ
ート=1/1/1(モル比)の反応物である(メタ)ア
クリロイル変性ウレタン18部とを加えて溶解した後、
減圧下に加熱してこれに含まれる低級アルコール等の溶
媒及び水を完全に留去し、シリカr−2が50%、アク
リル酸モルホリドが35%及び上記の(メタ)アクリロ
イル変性ウレタンが15%の割合から成る粘稠なコロイ
ド溶液約120部を得た。ここで得られたコロイド溶液
に含まれるコロイド状粒子の平均粒子径は18nmであ
った。
【0042】
【表1】
【0043】表1において、ポリオルガノシロキサン
a、b、r−1、r−2:試験区分1で合成したもの A−1:アクリル酸モルホリド A−2:N,N−ジメチルメタクリルアミド A−3:グリセリンモノアクリレートモノメタクリレー
ト/2,4−トリレンジイソシアネート/ヒドロキシエ
チルアクリレート=1/1/1(モル比)の反応物であ
る(メタ)アクリロイル変性ウレタン A−4:グリセリンモノアクリレートモノメタクリレー
ト/イソホロンジイソシアネート=2/1(モル比)の
反応物である(メタ)アクリロイル変性ウレタン A−5:N−ビニルカプロラクタム B−1:ネオペンチルグリコールジアクリレート 平均粒子径:光相関分光法による測定結果
【0044】試験区分3(キャスト成形による成形物の
作製及びその評価) 試験区分1で得られた実施例1〜5のハイブリッド生成
性組成物並びに比較例1、2及び4の組成物100部に
対し、ジベンゾイルパーオキサイドを1.5部及びN,
N−ジメチル−p−トルイジンを0.1部加えて均一に
溶解した。これを厚さ5mmのガラス板(25cm×25c
m)2枚で周縁に外径5mmのポリエチレンチューブを挟
んだ3mmのクリアランスを有する注型槽に流し込み、該
注型槽を35℃の恒温槽中で1時間保持し、硬化させ
た。この硬化物を注型槽から取り出し、更に80℃で3
時間ポストキュアーを行ない、板状の成形物を得た。こ
こで得られた成形物を下記の試験に供した。結果を表2
に示した。
【0045】外観:成形物を肉眼観察し、反りやクラッ
クの程度を下記の基準で判定した。 ◎:反りやクラックが全く認められない。 ○:反りやクラックがほとんど認められない。 △:反りやクラックが認められる。 ×:反りやクラックが多い。
【0046】透明性:成形物を10.5ポイント活字の
印刷された紙面から10cm離れた位置に紙面と平行に設
置し、肉眼による文字の透視性を下記の基準で評価し、
透明性の指標とした。 ○:透明であり、文字が明瞭に判読できる。 △:半透明であり、文字を判読するのが困難である。 ×:不透明であり、文字が全く透視できない。
【0047】機械的物性及び熱的物性:成形物を長さ1
27mm×幅12.7mmの大きさにダイヤモンドカッター
を用いて切断し、試験片を作製した。この試験片につい
て、機械的物性として曲げ強度及び曲げ弾性率を、また
熱的物性として1.81MPaの荷重における荷重たわ
み温度を、JIS−K6911に準拠して測定した。
【0048】
【表2】
【0049】試験区分4(塗膜の形成及びその評価) 試験区分1で得られた実施例6〜8のハイブリッド生成
性組成物並びに比較例3の組成物及び別に調製した比較
例5の組成物100重量部に対し、光重合開始剤として
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名
イルガキュア184、チバガイギー社製)を5部加えて
均一に溶解した。これを厚さ1mmのステンレス鋼板上に
ドクターナイフを用いて膜厚350μmとなるように塗
装し、次いで常温下で紫外線を照射して塗膜を硬化さ
せ、塗装されたステンレス鋼板を得た。得られた塗装物
を下記の試験に供した。結果を表3に示した。
【0050】外観:塗膜の剥離やクラックの程度を肉眼
観察し、下記の基準で判定した。 ◎:剥離やクラックが全く認められない。 ○:剥離やクラックがほとんど認められない。 △:剥離やクラックが認められる。 ×:剥離やクラックが多い。
【0051】透明性:塗膜側から見て下地のステンレス
鋼板面の透視性を肉眼観察し、下記の基準で判定した。 ○:透明であり、下地面が明らかに透視できる。 △:半透明であり、下地面がぼやける。 ×:不透明であり、下地面が全く見えない。
【0052】
【表3】
【0053】表3において、比較例5は次のように調製
した。試験区分1で得られたポリオルガノシロキサンb
を含むコロイド状懸濁液268部に数平均分子量250
00のポリN−ビニルカプロラクタムを10%の割合で
溶解したメタノール溶液250部を加えて溶解した後、
減圧下に加熱して水性媒体を留去し、ポリオルガノシロ
キサンbを30%、ポリN−ビニルカプロラクタムを1
0%及びメタノールを60%含む組成物を調製した。こ
の組成物100部に対し、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン2部を加えて均一に溶解した。塗装に
ついては、乾燥膜厚350μmとなるように予め875
μmの膜厚で塗装し、60℃で2時間熱風乾燥後、常温
下で紫外線を照射して塗膜を硬化させた。
【0054】試験区分5(光学的立体造形物の作製及び
その評価) 1)光学的立体造形物の作製 容器を装着した三次元NCテーブルとヘリウム・カドミ
ウムレーザー光(出力25mW、波長3250オングス
トローム)制御システムとで主構成された光学的立体造
形装置を用いた。上記の容器に、試験区分2で調製した
各例のハイブリッド生成性組成物100部に対して光重
合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン3部の割合で溶解したもの(以下、これを単に混
合液という)を充填し、該容器から水平面(X−Y軸平
面)に該混合液を0.10mmの厚さで供給して、その表
面(X−Y軸平面)に対し垂直方向(Z軸方向)から集
束されたヘリウム・カドミウムレーザー光を走査し、所
定部分を硬化させた。この硬化物の上に新たに混合液を
0.10mmの厚さで供給し、同様に硬化させた。以下、
同様にして、合計30層を積層し、JIS−K7113
に定められた厚さ3mmの1号試験片を光造形した。得ら
れた造形物をイソプロピルアルコールで洗浄した後、3
kWの紫外線ランプで30分間照射し、ついで120℃
で2時間加熱してポストキュアーを行ない、光学的立体
造形物を得た。
【0055】2)機械的物性の測定 1)で作製した光学的立体造形物(試験片)について、
JIS−K7113にしたがい、引張速度5mm/秒で、
引張強度及び引張弾性率を測定した。結果を3本の試験
片の平均値として表4に示した。
【0056】3)熱的物性の評価 1)の方法と同様にして、120mm×10mm×4mmの平
板形の試験片を作製した。この試験片について、JIS
−K7207にしたがい、1.81MPaの荷重におけ
る荷重たわみ温度を測定した。結果を表4に示した。
【0057】3)透明性の評価 1)の方法と同様にして、120mm×60mm×5mmの平
板形の試験片を作製した。この試験片について試験区分
3に示した方法で評価した。結果を表4に示した。
【0058】
【表4】
【0059】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、有機溶媒を除去する必要がなく、したがって外
観上の問題を生じない、透明性、機械的物性及び熱的物
性に優れたハイブリッドを得ることができるという効果
がある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のポリオルガノシロキサンと下記の
    ビニル単量体Aとが均質複合体を形成して成ることを特
    徴とする無機−有機高分子ハイブリッド生成性組成物。 ポリオルガノシロキサン:それを構成するシロキサン単
    位として、ケイ素原子に直結した炭素原子を有する炭化
    水素基であって且つラジカル重合性基を含む有機基で置
    換された炭化水素基を有するシロキサン単位とシラノー
    ル基を有するシロキサン単位とを含有するポリオルガノ
    シロキサン ビニル単量体A:分子中にアミド基又はアミノカルボニ
    ル基を有するビニル単量体
  2. 【請求項2】 下記のポリオルガノシロキサンと下記の
    ビニル単量体混合物とが均質複合体を形成して成ること
    を特徴とする無機−有機高分子ハイブリッド生成性組成
    物。 ポリオルガノシロキサン:それを構成するシロキサン単
    位として、ケイ素原子に直結した炭素原子を有する炭化
    水素基であって且つラジカル重合性基を含む有機基で置
    換された炭化水素基を有するシロキサン単位とシラノー
    ル基を有するシロキサン単位とを含有するポリオルガノ
    シロキサン ビニル単量体混合物:分子中にアミド基又はアミノカル
    ボニル基を有するビニル単量体Aと該ビニル単量体Aに
    対し共重合可能であり且つ相溶性を有する他のビニル単
    量体Bとの混合物であって、ビニル単量体A100重量
    部に対しビニル単量体Bを50重量部以下の割合で含有
    する混合物
  3. 【請求項3】 ポリオルガノシロキサンが下記の式1で
    示されるシラノール形成性化合物を10〜80モル%及
    び下記の式2で示されるシラノール形成性化合物を80
    〜10モル%の割合で含有するシラノール形成性化合物
    の混合物を加水分解及び縮重合して得られるものである
    請求項1記載の無機−有機高分子ハイブリッド生成性組
    成物。 【式1】 【式2】 (式1及び式2において、 R:ケイ素原子に直結した炭素原子を有する炭化水素基
    であって且つラジカル重合性基を含む有機基で置換され
    た炭化水素基 X1,X2:加水分解によってシラノール基を形成する原
    子又は原子団)
  4. 【請求項4】 ポリオルガノシロキサンが平均粒子径5
    〜100nmのコロイド状粒子である請求項1、2又は
    3記載の無機−有機高分子ハイブリッド生成性組成物。
  5. 【請求項5】 式1で示されるシロキサン単位のRがア
    ルキル基の炭素数2〜4の(メタ)アクリロキシアルキ
    ル基である請求項3又は4記載の無機−有機高分子ハイ
    ブリッド生成性組成物。
  6. 【請求項6】 ビニル単量体Aが(メタ)アクリロイル
    変性ウレタン及び第3級アミド基を有するビニル単量体
    から選ばれる1種又は2種以上である請求項1、2、
    3、4又は5記載の無機−有機高分子ハイブリッド生成
    性組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    無機−有機高分子ハイブリッド生成性組成物をラジカル
    重合開始剤の存在下にラジカル重合させることを特徴と
    する無機−有機高分子ハイブリッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    無機−有機高分子ハイブリッド生成性組成物を光重合開
    始剤の存在下にエネルギー線を用いて光ラジカル重合さ
    せることを特徴とする無機−有機高分子ハイブリッドの
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8013055B2 (en) 2005-12-13 2011-09-06 Asahi Kasei Chemicals Corporation Aqueous organic-inorganic hybrid composition
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