JPH0987453A - 帯電防止性ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止性ポリオレフィン系樹脂組成物

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JPH0987453A
JPH0987453A JP24435795A JP24435795A JPH0987453A JP H0987453 A JPH0987453 A JP H0987453A JP 24435795 A JP24435795 A JP 24435795A JP 24435795 A JP24435795 A JP 24435795A JP H0987453 A JPH0987453 A JP H0987453A
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伸明 城戸
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伊藤  隆
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俊一 松村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 永続的な帯電防止性を有し、透明性に優れる
ポリオレフィン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 例えば、テトラシクロドデセンの開環重
合体を水添して得られるポリマーの如き、主鎖の一部が
脂肪族環を含む透明性を有するポリオレフィン系樹脂
(A)100重量部、及び酸成分としてスルホン酸塩基
で核置換された芳香族ジカルボン酸3〜40モル%を含
むポリエーテルエステル(B)5〜30重量部からな
り、かつ(A)と(B)との屈折率差が0.03以内で
ある帯電防止性ポリオレフィン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止効果を有
するポリオレフィン系樹脂組成物に関する。更に詳しく
は、透明性に優れ、しかも、帯電防止効果が持続するポ
リオレフィン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック材料は優れた諸特性を生か
し、電気電子用部材、自動車用部材、医療用部材、生活
用品、その他各種成形品として使用されている。ところ
で、一般にプラスチックには、電気絶縁性が高いという
特徴があるが、そのためにかえって帯電した静電気が散
逸しにくく、製品へのほこりの付着、作業者への電撃、
計器類やICチップ類の誤動作といった問題が生じてい
る。そのため、各種のプラスチック材料に対して帯電防
止方法の研究がなされてきた。
【0003】プラスチックの帯電防止方法としては、内
部添加型と塗布型がある。塗布型では、別工程が必要で
あり、製品プロセス上は、内部添加型の方が有利であ
る。
【0004】内部添加型による方法ではこれまで、アル
キルスルホン酸塩やアルキルベンゼンスルホン酸塩とい
ったイオン性界面活性剤をポリマー中に練り込む方法
が、効果や経済性に優れるために一般的に採用されてき
た。中でも、アルキル(アリール)スルホン酸塩を利用
したものが数多く実施されてきた。そうした中で、樹脂
本来の透明性を維持したままで、帯電防止効果のあるも
のとしては、例えば、特開平7―18137号公報等に
おいて、メチルメタクリレート―スチレン共重合樹脂及
びスルホン酸ホスホニウム塩からなる組成物が開示され
ている。これは、界面活性剤がかかる組成物の成形品表
面に染み出すために、少量の該スルホン酸ホスホニウム
塩の添加による優れた帯電防止効果を示す一方、拭いた
り、水洗したりすると帯電防止効果が減少するという問
題がある。
【0005】一方、永久的な帯電防止効果を付与する方
法として、制電性ポリマーを樹脂に混合する方法が開示
されている。例えば、特開昭58―118838号公報
においては、ポリオレフィンとポリエーテルエステルア
ミドとからなる組成物が帯電防止効果を有するという記
載がある。しかし、かかる組成物からなる成形品は通常
濁っており不透明である。
【0006】ところで、特開平6―57153号公報に
おいて、ポリアルキレングリコール、グリコール、多価
カルボン酸からなるポリエーテルエステルについての開
示があるが、これは永久的な制電性はあるものの単独で
は効果が不足し、更に効果を上げるためには、イオン性
の帯電防止剤を併用する必要がある。しかしながら、そ
うした場合には水洗により、制電効果がかなり低下して
しまうという問題がある。また、この中では、スルホイ
ソフタル酸ナトリウムのごとき、スルホン酸塩構造を有
するジカルボン酸についての記載はない。
【0007】以上のように永久的な帯電防止効果、透明
性、良好な物性、及び耐熱性を兼ね備えたポリオレフィ
ン系樹脂組成物を得ることはこれまで困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各種
のポリオレフィン系樹脂と溶融混合することにより、永
続的な帯電防止効果を発揮し、透明性、物性、成形性及
び耐熱性の低下の少ないポリオレフィン系樹脂成形物を
提供するものである。さらに、この帯電防止用樹脂組成
物は、低コストで、これまでのポリエステルの製造設備
を用いて製造可能であるためその工業的意義は大きい。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、スルホン酸塩基で核置
換された特定の芳香族ジカルボン酸成分を含有してなる
特定のポリエーテルエステルを、マトリックスのポリオ
レフィン系樹脂とほぼ同一の屈折率となるような組成と
し、これらを混合することにより、永続的な帯電防止効
果を発揮した上でさらに、透明性、物性、成形性及び耐
熱性の低下の少ないポリオレフィン系樹脂組成物が得ら
れることを見出し、本発明に到達した。
【0010】すなわち本発明は、(A)主鎖の一部が脂
肪族環を含み実質的に透明なポリオレフィン系樹脂10
0重量部、ならびに(B1)炭素数8〜20の芳香族ジ
カルボン酸及び/又はそのエステル、(B2)数平均分
子量200〜50000のポリ(アルキレンオキシド)
グリコール、及び(B3)炭素数2〜10のグリコー
ル、を重縮合して得られるポリエーテルエステル(B)
5〜30重量部からなる樹脂組成物において、上記(B
1)が下記式(1)
【0011】
【化2】
【0012】[式(1)中、Arは炭素数6〜12の3
価の芳香族基、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のア
リール基を表し、M+ は金属イオン、テトラアルキルホ
スホニウムイオン又はテトラアルキルアンモニウムイオ
ンを表す]で示されるスルホン酸塩基で置換された芳香
族ジカルボン酸及び/又はそのエステル(B1′)を3
〜40モル%含み、かつ上記ポリエーテルエステル
(B)を構成する上記(B2)の含有量が(B1)、
(B2)及び(B3)の合計量の10〜70重量%の範
囲内であり、かつ上記ポリオレフィン系樹脂(A)とポ
リエーテルエステル(B)との屈折率差が、0.03以
内であることを特徴とする帯電防止性ポリオレフィン系
樹脂組成物である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。
【0014】本発明の樹脂組成物は、(A)主鎖の一部
が脂肪族環を含み、実質的に透明なポリオレフィン系樹
脂、及び(B)ポリエーテルエステルとから主としてな
る。
【0015】本発明においては、主鎖の一部が脂肪族環
を含み実質的に透明なポリオレフィン系樹脂(A)とポ
リエーテルエステル(B)との屈折率差が可視光領域に
おいて0.03以内である。屈折率が0.03以内とな
るのは全可視光領域に渡ることが好ましいが、実用的に
は少なくともブラウンホーファー線のD線(波長589
nm)における屈折率差が0.03以内であることが必
要である。屈折率差が0.03をこえる場合には、樹脂
組成物中のポリオレフィン系樹脂(A)成分とポリエー
テルエステル(B)成分の境界領域において光の散乱が
生じ、成型物の濁りの程度が大きくなることになる。屈
折率差はより少ない方が透明性が高まるので好ましく、
0.02以内とすることがより好ましい。
【0016】本発明におけるポリエーテルエステル
(B)を構成する酸成分は、炭素数8〜20の芳香族ジ
カルボン酸及び/又はそのエステル(B1)、及び後述
のスルホン酸塩基(―SO3 - + )で置換された芳香
族ジカルボン酸及び/又はそのエステル(B1′)とか
らなる。ここで炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタ
レンジカルボン酸、2,7―ナフタレンジカルボン酸等
の芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。また炭素
数8〜20の芳香族ジカルボン酸エステルとしては、テ
レフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタ
ル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、2,6―ナフタ
レンジカルボン酸ジメチル、2,6―ナフタレンジカル
ボン酸ジエチル、2,7―ナフタレンジカルボン酸ジメ
チル、2,7―ナフタレンジカルボン酸ジエチル等を挙
げることができる。これらは芳香環にアルキル基、ハロ
ゲン等の置換基を有していてもよい。これらのうちで、
取り扱い性の点からは、テレフタル酸、2,6―ナフタ
レンジカルボン酸、テレフタル酸ジメチル、2,6―ナ
フタレンジカルボン酸ジメチルが好ましい。また、テレ
フタル酸成分に比べ、2,6―ナフタレンジカルボン酸
成分は全体の屈折率を高くする傾向にある。
【0017】本発明において用いられるスルホン酸塩基
(―SO3 - + )で置換された芳香族ジカルボン酸及
び/又はそのエステル(B1′)は、下記式(1)
【0018】
【化3】
【0019】で表される。
【0020】上記式(1)において、R1 及びR2 はそ
れぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又
は炭素数6〜12のアリール基を表し、好ましくは水素
原子、メチル基,エチル基等の炭素数1〜3のアルキル
基である。
【0021】上記式(1)において、M+ は金属イオ
ン、テトラアルキルホスホニウムイオン、テトラアルキ
ルアンモニウムイオンの内から選ばれるイオンを表す。
+ としてはナトリウムイオン、カリウムイオン、リチ
ウムイオン等のアルカリ金属イオン、カルシウムイオ
ン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、
亜鉛イオン等の金属イオン、テトラブチルホスホニウム
イオン、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラブチ
ルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオ
ン等である。これらのイオンの中で金属イオンが好まし
く、アルカリ金属イオン、亜鉛イオンがより好ましい。
ただし2価の金属イオンの場合にはスルホン酸塩基2モ
ルに対し、金属イオン1モルが対応するものとする。
【0022】上記式(1)中のArは、ベンゼン環、ナ
フタレン環等の炭素数6〜12の3価の芳香族基であ
り、これらはまた、アルキル基、フェニル基、ハロゲ
ン、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。
【0023】かかる芳香族ジカルボン酸としては、4―
ナトウリムスルホ―イソフタル酸、5―ナトリウムスル
ホ―イソフタル酸、4―カリウムスルホ―イソフタル
酸、5―カリウムスルホ―イソフタル酸、2―ナトリウ
ムスルホ―テレフタル酸、2―カリウムスルホ―テレフ
タル酸、4―スルホ―イソフタル酸亜鉛、5―スルホ―
イソフタル酸亜鉛、2―スルホ―テレフタル酸亜鉛、4
―スルホ―イソフタル酸テトラアルキルホスホニウム
塩、5―スルホ―イソフタル酸テトラアルキルホスホニ
ウム塩、4―スルホ―イソフタル酸テトラアルキルアン
モニウム塩、5―スルホ―イソフタル酸テトラアルキル
アンモニウム塩、2―スルホ―テレフタル酸テトラアル
キルホスホニウム塩、2―スルホ―テレフタル酸テトラ
アルキルアンモニウム塩、4―ナトリウムスルホ―2,
6―ナフタレンジカルボン酸、4―ナトリウムスルホ―
2,7―ナフタレンジカルボン酸、4―カリウムスルホ
―2,6―ナフタレンジカルボン酸、4―スルホ―2,
6―ナフタレンジカルボン酸亜鉛塩等を挙げることがで
きる。また芳香族ジカルボン酸エステルとしては、上記
に具体的に列記した芳香族ジカルボン酸のジメチルエス
テル、ジエチルエステル等を挙げることができる。
【0024】これらの中で、R1 、R2 がともにメチル
基又はともにエチル基であり、Arがベンゼン環であ
り、M+ がナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオ
ンであることが重合性、機械特性、色調等の面でより好
ましい。
【0025】さらに好適には、4―ナトウリムスルホ―
イソフタル酸ジメチル、5―ナトリウムスルホ―イソフ
タル酸ジメチル、4―カリウムスルホ―イソフタル酸ジ
メチル、5―カリウムスルホ―イソフタル酸ジメチル、
2―ナトリウムスルホ―テレフタル酸ジメチル、2―カ
リウムスルホ―テレフタル酸ジメチル等を挙げることが
できる。
【0026】本発明によれば、帯電防止効果の点から、
上記式(1)で表されるスルホン酸塩基で置換された芳
香族ジカルボン酸及び/又はそのエステル(B1′)
は、使用する全酸成分(B1)の3〜40モル%、すな
わち、上記式(1)で表される化合物が、ポリエーテル
エステルを構成する酸成分の3〜40モル%を占めるよ
うにする。かかる芳香族ジカルボン酸及び/又はそのエ
ステル(B1′)が3モル%未満では、帯電防止効果が
十分ではない。また40モル%を超えると、重合反応が
困難になり、十分な重合度のポリエーテルエステル
(B)を得にくくなったり、また取り扱い性が悪化す
る。上記式(1)で表される芳香族ジカルボン酸及び/
又はそのエステルは、全酸成分(B1)の4〜30モル
%を占めることが好ましく、5〜25モル%を占めるこ
とがより好ましい。
【0027】本発明におけるポリエーテルエステル
(B)を構成するグリコール成分は、数平均分子量20
0〜50000のポリ(アルキレンオキシド)グリコー
ル(B2)及び炭素数2〜10の脂肪族ジオール(B
3)とからなる。ここで、ポリ(アルキレンオキシド)
グリコール(B2)としては、ポリエチレングリコー
ル、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ビスフェ
ノール類に対するエチレンオキシド付加体、ポリ(プロ
ピレンオキシド)グリコール重合体ポリエチレングリコ
ール等を挙げることができる。これらのうち、ポリエチ
レングリコールから主としてなるポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールが好ましい。かかるポリ(アルキレン
オキシド)グリコール(B2)の数平均分子量は200
〜50000であるものを用いる。かかる分子量が20
0に満たない場合には、十分な制電効果が得られない。
また、実用性の点からは、かかる分子量の上限は500
00程度である。ポリ(アルキレンオキシド)グリコー
ルの好ましい数平均分子量は500〜40000であ
り、より好ましくは1000〜30000である。
【0028】ポリ(アルキレンオキシド)グリコール
(B2)は、帯電防止効果の点からは、ポリエーテルエ
ステルに対して全体の10〜70重量%を占めることが
必要である。すなわち、ポリ(アルキレンオキシド)グ
リコールの使用量は、ポリエーテルエステル(B)を構
成するそれ(B2)の含有量が(B1)、(B2)及び
(B3)の仕込みの合計量に対して10〜70重量%と
なるようにする。10重量%より少ないと帯電防止効果
が十分でなく、70重量%より多い場合には、取り扱い
性や耐熱性が良くない傾向になることがある。好ましい
使用量は、得られるポリエーテルエステル(B)全体の
15〜60重量%であり、より好ましくは20〜50重
量%である。
【0029】かかるポリ(アルキレンオキシド)グリコ
ール(B2)の含有量(共重合量)が、ポリエーテルエ
ステル(B)の屈折率に最も大きな影響を与える。本発
明においては、以上に示したポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール(B2)の共重合量の範囲内で、(B)
とポリオレフィン系樹脂(A)との屈折率差を最も小さ
くする組成を選択することが最も容易な屈折率一致の手
段である。
【0030】また、炭素数2〜10のグリコール(B
3)は、具体的にはエチレングリコール、1,4―ブタ
ンジオール、プロピレングリコール、1,6―ヘキサン
ジオール(1,6―ヘキサメチレングリコール)、3―
メチル―1,5―ペンタンジオール等を例示できる。こ
れらはエーテル結合、チオエーテル結合を含んでいても
よい。この中で1,6―ヘキサンジオール、3―メチル
―1,5―ペンタンジオールが、帯電防止効果の点で好
ましい。
【0031】本発明におけるポリエーテルエステル
(B)は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比6
0/40)の混合溶媒中35℃で測定した還元粘度(濃
度1.2g/dl)が0.3以上であることが好まし
い。還元粘度が0.3より小さいと耐熱性や、機械物性
低下の原因となることがある。還元粘度に対する上限
は、ポリマーが実質的に線状の重合体であれば、帯電防
止効果の点でも機械物性の点でも高い方が好ましいが、
実質的な重合の上限は4.0程度である。還元粘度はよ
り好ましくは0.4以上であり、さらに好ましくは0.
5以上である。
【0032】本発明におけるポリエーテルエステル
(B)は、上記成分(B1)〜(B3)及び(B1′)
をエステル交換触媒の存在下、150〜300℃で加熱
溶融し重縮合反応せしめることによって得ることができ
る。
【0033】エステル交換触媒としては通常のエステル
交換反応に使用できるものなら特に制限はない。かかる
エステル交換触媒としては、三酸化アンチモン等のアン
チモン化合物、酢酸第一錫、ジブチル錫オキサイド、ジ
ブチル錫ジアセテート等の錫化合物、テトラブチルチタ
ネート等のチタン化合物、酢酸亜鉛等の亜鉛化合物、酢
酸カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等のアルカリ金属塩等を例示することがで
きる。これらのうちテトラブチルチタネートが好ましく
用いられる。
【0034】また、上記触媒の使用量としては、通常の
エステル交換反応における使用量でよく、概ね、使用す
る酸成分1モルに対し、0.01〜0.5モル%が好ま
しく、0.03〜0.3モル%がより好ましい。
【0035】また、反応時には酸化防止剤等の各種安定
剤を併用することも好ましい。
【0036】上記(B1)〜(B3)及び(B1′)の
化合物を加熱溶融し重縮合する温度としては、初期反応
として、150℃から200℃で数十分から十数時間エ
ステル化反応及び/又はエステル交換反応を留出物を留
去しながら行った後、反応物を高分子量化する重合反応
を180℃から300℃で行う。180℃より温度が低
いと反応が進まず、300℃より温度が高いと、分解な
どの副反応が起こり易くなるためである。重合反応温度
は200℃から280℃がさらに好ましく、220℃か
ら250℃が更に好ましい。この重合反応の反応時間は
反応温度や触媒量にもよるが、通常は数十分から数十時
間程度である。
【0037】本発明において用いられるポリオレフィン
系樹脂(A)は、主鎖の一部が脂肪族の環構造の一部か
ら構成される実質的に線状のポリマーであり、さらに実
質的に透明である必要がある。かかるポリマーとして
は、モノマー成分としてテトラシクロドデセンもしくは
その誘導体から主として誘導されるポリオレフィン系ビ
ニル重合体、またはテトラシクロドデセンもしくはその
誘導体から主としてなる開環重合体を水素添加反応させ
て得られたものが好ましい。
【0038】ポリオレフィン系ビニル重合体としては、
三井石油化学(株)社製「APO」、また、開環重合体
を水素添加反応してなるポリマーとしては、日本ゼオン
(株)社製「ZEONEX」、日本合成ゴム(株)社製
「ARTON」が知られている。
【0039】好ましいポリオレフィン系ビニル重合体
は、少なくとも下記式(2)で示されるモノマー成分か
ら誘導される重合体であって、該重合体中において前記
モノマー成分が下記式(3)で示される構造をとる重合
体からなる。
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】(上記式(2)、(3)中Ra 〜Rl は水
素、アルキル基又はハロゲンであって各同一又は異なっ
ていてもよく、更にRi 又Rj とRk 又Rl は互に環を
形成していてもよい。nは0又は1以上の正数であっ
て、Re 〜Rh が複数回繰り返される場合にはこれらは
各同一又は異なっていてもよい。)
【0043】かかる重合体として好ましい態様は、上記
式(2)で表されるモノマー成分と共にα―オレフィン
及び/又は上記式(2)以外の環状オレフィンとからな
る共重合体が例示できる。
【0044】例えばエチレンを共存させる場合にはエチ
レン/上記式(2)で表されるモノマー成分のモル比が
5/95〜95/5、特に40/60〜90/10の範
囲が好ましく、更にエチレン以外のα―オレフィンや鎖
状ジエンあるいは上記式(2)以外の環状オレフィン等
を共存させる場合にはこれらのモノマー合計量/上記式
(2)で表されるモノマー成分のモル比が5/95〜9
5/5、特に30/70〜90/10の範囲が好まし
い。また本発明においては上記式(2)で表されるモノ
マー成分は単品のみならず、上記式(2)で示される複
数の成分が混合していてもよい。
【0045】上記式(2)で示されるモノマー成分の具
体例を示すと以下のものを挙げることができるが、ここ
で示される例は極めて限定されたものであって、上記式
(2)で示されるものではれば如何なるものも本発明の
モノマー成分になり得る。
【0046】
【化6】
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】これらの中では上記式(2)においてn=
1のもの、すなわち下記式(4)、
【0050】
【化9】
【0051】で示されるモノマー成分が、モノマーの入
手し易さあるいはモノマー合成のし易い面で好ましい。
【0052】上記式(2)で表されるモノマー成分と共
重合され得るα―オレフィンとしては、炭素原子数2〜
20、好適には2〜10のα―オレフィンであって、た
とえばエチレン、プロピレン、1―ブテン、3―メチル
―1―ブテン、1―ペンテン、3―メチル―1―ペンテ
ン、4―メチル―1―ペンテン、1―ヘキサン、1―オ
クタン、1―デセン、1―ドデセン、1―テトラデセ
ン、1―ヘキサデカン、1―イコセンなどを例示でき
る。これらの中では特にエチレンが共重合性の面から好
ましく、他のα―オレフィン(炭素原子数3以上)ある
いは後述する環状オレフィンを上記式(2)で表される
モノマー成分と共重合させる場合にも、エチレンが存在
したほうが共重合性は良好である。
【0053】上記式(2)で表されるモノマー成分と共
重合することのできる別の成分である上記式(2)で表
される以外の環状オレフィンは、架橋のないシクロオレ
フィンやスチレン類があり、たとえばシクロペンテン、
シクロヘキセン、3,4―ジメチルシクロペンテン、3
―メチルシクロヘキセン、2―(2―メチルブチル)―
1―シクロヘキセン、スチレン、α―メチルスチレン、
2,3,3a,7a―テトラヒドロ―4,7―メタノ―
1H―インデン、3a,5,6,7a―テトラヒドロ―
4,7―メタノ―1H―インデンなどを例示できる。ジ
シクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニル
ノルボルネンといったポリエンも同様に共重合可能であ
る。
【0054】更に以上述べてきたモノマー成分のほか
に、他の共重合可能なモノマー成分を本発明の目的を損
わない範囲内で、重合体中に少量含んでいてもよい。
【0055】重合体は、以上詳説してきた上記式(2)
で表されるモノマー成分あるいは上記式(2)で表され
るモノマー成分及びα―オレフィン及び/又は環状オレ
フィンを、周知のチーグラー触媒特にパナジウム系のチ
ーグラー触媒を使用して重合することにより製造され
る。
【0056】また、水素添加反応前の開環重合体の好ま
しい例としては、下記式(5)
【0057】
【化10】
【0058】(式中、Rp 、Rq 、Rr 、Rs は水素又
は低級アルキル基に代表される炭化水素残基またはアル
コキシカルボニル基であり、X/Y=100/0〜50
/50(モル比)である。)で示されるものであって、
通常の環状オレフィンの重合法により製造される。重合
触媒としては例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、イリジウムもしくは白金などのハロゲ
ン化物、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物とアルコー
ルなどの還元剤とからなる系、チタン、パナジウム、ジ
ルコニウム、タングステンもしくはモリブデンなどのハ
ロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と有機アルミニ
ウムなどとからなる系を用いることができる。
【0059】重合体中のテトラシクロドデセン骨格の割
合は、耐熱性の点で通常は50モル%以上、好ましくは
80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上とされ
る。また、重合体の分子量は、開環重合時にオレフィン
あるいはシクロオレフィン等を添加して調節することが
できるが、一般に1,000〜50万、好ましくは1万
〜10万である。
【0060】この重合体の水素添加反応は通常の方法に
より行われる。水素化触媒としては、オレフィン化合物
の水素化に際して一般に使用されているものであれば使
用可能であり、特に制限されないが、たとえば次ぎのよ
うなものがある。不均一系触媒としては、ニッケル、パ
ラジウム、白金またはこれらの金属をカーボン、シリ
カ、ケイソウ土、アルミナ、酸化チタン等の担体に担持
させた固体触媒、例えばニッケル/シリカ、ニッケル/
ケイソウ土、バラジウム/カーボン、パラジウム/シリ
カ、パラジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナな
どが挙げられる。また、均一系触媒としては、周期率表
第 VIII 族の金属を基体とするもの、例えば、ナフテン
酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバ
ルト/n―ブチルリチウム、ニッケルアセチルアセトネ
ート/トリエチルアルミニウムなどのNi、Co化合物
と周期率表第I〜III 族金属の有機金属化合物からなる
もの、あるいはRh化合物等が挙げられる。
【0061】水素添加反応は、触媒の種類により均一系
または不均一系で、1〜150気圧の水素圧下、0〜1
80℃、好ましくは20〜100℃で行われる。水素添
加率は、水素圧、反応温度、反応時間、触媒濃度などを
変えることによって任意に調節することができるが、水
添物が優れた耐熱劣化性及び耐光劣化性を示すためには
重合体中の主鎖二重結合の50%以上が水素添加される
ことが好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好
ましくは90%以上である。
【0062】上記ポリオレフィン系樹脂のうち実質的に
透明なものが本発明において使用される。ここでいう実
質的に透明なポリオレフィン系樹脂としては、可視光で
の透過率としては2mm厚の成型品で80%以上のもの
が好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
さらに、かかるポリオレフィン樹脂の屈折率としては
1.48から1.58程度のものが好ましい。屈折率が
1.48より小さい場合には、本発明におけるポリエー
テルエステルを構成するポリアルキレングリコール成分
あるいはポリエステル成分が多くなりすぎ、成型品の物
性低下が大きくなるため好ましくない。また、1.58
をこえる場合には、ポリアルキレングリコール成分の含
有量が少なくなりすぎて制電性が不足するため好ましく
ない。本発明に用いるポリオレフィン樹脂の屈折率の範
囲は1.49から1.57の範囲であることがさらに好
ましい。
【0063】本発明の帯電防止性ポリオレフィン系樹脂
組成物は、以上に示した(A)ポリオレフィン系樹脂1
00重量部に対し、(B)ポリエーテルエステル5〜3
0重量部を含むが、さらに(C)イオン性界面活性剤
0.5〜6重量部を添加することも、帯電防止効果を高
める上で好ましい。
【0064】かかるイオン性界面活性剤としては、陰イ
オン系界面活性剤、又は陽イオン系界面活性剤が挙げら
れるが、ポリエーテルエステル等との混練時に要求され
る耐熱性の面で、陰イオン界面活性剤が好ましい。さら
に驚くべきことに、かかる陰イオン界面活性剤として、
アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩
等の陰イオン界面活性剤を用いることにより、かかる帯
電防止効果が著しく増大し、かつ効果が永久的に持続す
る。かかるスルホン酸塩は、上記式(1)で表される酸
成分を含むポリエーテルエステル(B)と組み合わせて
用いることにより、かかる効果の飛躍的向上に寄与して
いるものと推定される。
【0065】アルキルスルホン酸塩の例としては、ドデ
シルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸カリウ
ム、デシルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸カ
リウム、セチルスルホン酸ナトリウム、セチルスルホン
酸カリウム及びこれらの混合物等を挙げることができ
る。また、アルキルベンゼンスルホン酸塩の例として
は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸カリウム、デシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸カリウム、セ
チルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルベンゼンス
ルホン酸カリウム及びこれらの混合物等を挙げることが
できる。
【0066】かかるイオン性界面活性剤の添加量は、上
記の(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部、(B)
ポリエーテルエステル5〜30重量部に対し、(C)イ
オン性界面活性剤を0.5〜6重量部である。0.5重
量部より少ないと界面活性剤の添加効果が現れず、6重
量部を越えると物性低下の原因になったり、取り扱い性
の低下を招くからである。かかるイオン性界面活性剤
(C)の含有量は好ましくは0.7〜5重量部、より好
ましくは1〜4重量部である。
【0067】本発明の帯電防止性ポリオレフィン系樹脂
組成物は、従来公知の方法で、上述の(A)ポリオレフ
ィン系樹脂、(B)ポリエーテルエステル、及び必要に
応じて(C)イオン性界面活性剤を溶融混合することに
より製造することができる。溶融混合する方法としては
特に制限はなく、例えば、かかる樹脂組成物の構成成分
を、一軸あるいは二軸の溶融押し出し機を用いて溶融混
合する方法が挙げられる。
【0068】特に(C)イオン性界面活性剤をさらに用
いる場合には、上記(A)、(B)及び(C)成分を同
時に溶融混合しても、永続的な帯電防止効果を発揮し、
透明性、物性、成形性及び耐熱性の低下の少ない帯電防
止アクリル系樹脂組成物が得られるが、あらかじめ、
(B)及び(C)成分を溶融混合した後、次いで(A)
成分を溶融混合する方が、帯電防止効果、透明性、物性
の点で好ましい。
【0069】あらかじめ(B)ポリエーテルエスル及び
(C)イオン性界面活性剤を溶融混合する方法として
は、例えば、ポリエーテルエステルの重合反応が終了し
た後、そのまま重合槽にかかる(C)イオン性界面活性
剤を添加して混合し、次いで(A)ポリオレフィン系樹
脂と溶融混合する方法、一軸あるいは二軸の溶融押し出
し機を用いて(B)ポリエーテルエステル及び(C)イ
オン性界面活性剤を混合し、次いで(A)ポリオレフィ
ン系樹脂と溶融混合する方法等が挙げられる。
【0070】こうした方法では、ポリオレフィン系樹脂
(A)と、ポリエーテルエステル(B)とイオン性界面
活性剤(C)とからなる混合物との屈折率差が、0.0
3以内となるようにポリエーテルエステルの組成を決定
することが必要である。
【0071】(B)ポリエーテルエステル及び(C)イ
オン性界面活性剤を溶融混合する温度としては、概ね1
40℃から300℃である。140℃より温度が低いと
混合が十分ではないことがあり、300℃より温度が高
いと、分解などの劣化を起こすことがあり好ましくな
い。溶融混合温度は好ましくは160℃から270℃で
あり、より好ましくは200℃から260℃である。そ
して、得られる(B)及び(C)成分からなる混合物
を、さらに(A)ポリオレフィン系樹脂と200℃から
300℃で溶融混合することにより、本発明の樹脂組成
物を好ましく製造することができる。
【0072】こうして得られた樹脂組成物の可視光での
透過率は高いほど好ましいが、少なくとも2mm厚での
透過率が50%以上となるようにすることが好ましい。
【0073】本発明の樹脂組成物は、透明性は損なわな
い範囲で、必要に応じて各種の添加剤を含有していても
よい。かかる添加剤としては、タルク、炭酸カルシウ
ム、マイカ、クレー、酸化チタン、酸化アルミニウム、
金属粉末のような各種充填剤、リン酸エステル、亜リン
酸エステルに代表されるような熱安定剤あるいは触媒失
活剤、酸化安定剤、光安定剤、滑剤、顔料、難燃化剤、
難燃助剤、可塑剤などの添加剤が挙げられる。
【0074】
【発明の効果】本発明の帯電防止性ポリオレフィン系樹
脂組成物は、帯電防止効果に優れ、透明性も兼ね備えて
いることから、各種ケース類、フィルム、シート、カバ
ー類、電気電子用途等、幅広い用途に対して使用でき
る。さらに、帯電防止性に寄与しているポリエーテルエ
ステル成分は、これまでの製造設備で入手しやすい材料
を用いて製造可能であるためその工業的意義は大きい。
【0075】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明の好ましい態様に
ついて記載するが、本発明は実施例のみに限定されるも
のではない。
【0076】実施例中「部」は「重量部」を意味する。
【0077】還元粘度は、特に指定のない限りフェノー
ル/テトラクロロエタン(重量比60/40)の混合溶
媒中において濃度1.2(g/dl)、35℃にて測定
した値である。
【0078】屈折率はアッベ屈折計(株式会社アタゴ
製)により測定した。
【0079】表面固有抵抗率の測定は、20℃、湿度6
0%の条件下で24時間放置した後、超絶縁計(東亜電
波工業株式会社製SM―8210)を用いて印加電圧1
000Vにて測定した。成型品の水洗は、30℃の流水
で2時間洗浄を行い、清浄な紙で水分をふき取った。そ
の後、同様の条件で乾燥し、表面固有抵抗率の測定を行
った。
【0080】成型品の光線透過率は、ASTM D―1
003に従い、株式会社村上色彩技術研究所製 ヘイズ
・透過・反射率計 HR―100を用い、サンプル厚2
mmで、CIE Source Cにより測定した。
【0081】[参考例1]48.8部の2,6―ナフタ
レンジカルボン酸ジメチルエステル、38.3部のジメ
チルテレフタレート、29.6部の5―ナトリウムスル
ホイソフタル酸ジメチル、88.5部の3―メチル―
1,5―ペンタンジオール、94.0部のポリエチレン
グリコール(数平均分子量2000)、及び0.14部
のテトラブチルチタネートを精留塔及び撹拌装置を備え
た反応器に入れ、容器内を窒素置換した後、常圧下、2
20℃に昇温した。220℃でメタノールを留出しなが
ら5時間反応を行った後、反応物を撹拌装置を備えた真
空留出系を有する反応器に入れ、45分間で240℃ま
で昇温した。その時点で徐々に反応系内を減圧し、60
分後0.3mmHgとし、3時間後に重合体を得た。得
られたポリエーテルエステルの還元粘度は0.56で、
屈折率は1.540であった。
【0082】[参考例2]48.8部の2,6―ナフタ
レンジカルボン酸ジメチルエステル、38.3部のジメ
チルテレフタレート、29.6部の5―ナトリウムスル
ホイソフタル酸ジメチル、88.5部の1,6―ヘキサ
メチレングリコール、94.0部のポリエチレングリコ
ール(数平均分子量2000)、及び0.14部のテト
ラブチルチタネートを精留塔及び撹拌装置を備えた反応
器に入れ、容器内を窒素置換した後、常圧下、220℃
に昇温した。220℃でメタノールを留出しながら5時
間反応を行った後、反応物を撹拌装置を備えた真空留出
系を有する反応器に入れ、45分間で240℃まで昇温
した。その時点で徐々に反応系内を減圧し、60分後
0.3mmHgとし、5時間後に重合体を得た。得られ
たポリエーテルエステルの還元粘度は0.91であっ
た。さらにそこへ、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム48部を加え、容器内を窒素置換した後、240℃
で減圧下1時間撹拌した。この混合物の屈折率は1.5
37であった。
【0083】[実施例1]ポリオレフィン樹脂(日本ゼ
オン株式会社製「ZEONEX」250 屈折率1.5
3)90部に対して、参考例1で得られたポリエーテル
エステル10部を、30mmφ同方向回転2軸エクスト
ルーダー(池貝鉄工株式会社製、PCM30)を用い
て、ポリマー温度260℃、平均滞留時間約3分の条件
下で溶融混練し、これをペレット化した。次に射出成型
機(名機製作所株式会社製M―50B)を用いて、シリ
ンダー温度260℃、金型温度50℃にて射出成形を行
い、2mm厚の成型品を得、表面固有抵抗の測定を行っ
た。光線透過率と共に、結果を表1に示す。
【0084】[実施例2]ポリオレフィン樹脂(日本ゼ
オン株式会社製「ZEONEX」250 屈折率1.5
3)88部に対して、参考例2で得られたポリエーテル
エステルと界面活性剤とからなる混合物12部を、30
mmφ同方向回転2軸エクストルーダー(池貝鉄工株式
会社製、PCM30)を用いて、ポリマー温度260
℃、平均滞留時間約3分の条件下で溶融混練し、これを
ペレット化した。次に射出成型機(名機製作所株式会社
製M―50B)を用いて、シリンダー温度260℃、金
型温度50℃にて射出成形を行い、2mm厚の成型品を
得、表面固有抵抗の測定を行った。光線透過率と共に、
結果を表1に示す。
【0085】[比較例1]ポリオレフィン樹脂(日本ゼ
オン株式会社製「ZEONEX」250)を射出成型機
(名機製作所株式会社製M―50B)を用いて、シリン
ダー温度260℃、金型温度50℃にて射出成形を行
い、2mm厚の成型品を得、表面固有抵抗の測定を行っ
た。結果を表1に示す。
【0086】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)主鎖の一部が脂肪族環を含み実質
    的に透明なポリオレフィン系樹脂100重量部、ならび
    に(B1)炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び/
    又はそのエステル、(B2)数平均分子量200〜50
    000のポリ(アルキレンオキシド)グリコール、及び
    (B3)炭素数2〜10のグリコール、を重縮合して得
    られるポリエーテルエステル(B)5〜30重量部から
    なる樹脂組成物において、上記(B1)が下記式(1) 【化1】 [式(1)中、Arは炭素数6〜12の3価の芳香族
    基、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1
    〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表
    し、M+ は金属イオン、テトラアルキルホスホニウムイ
    オン又はテトラアルキルアンモニウムイオンを表す]で
    示されるスルホン酸塩基で置換された芳香族ジカルボン
    酸及び/又はそのエステル(B1′)を3〜40モル%
    含み、かつ上記ポリエーテルエステル(B)を構成する
    上記(B2)の含有量が(B1)、(B2)及び(B
    3)の合計量の10〜70重量%の範囲内であり、かつ
    上記ポリオレフィン系樹脂(A)とポリエーテルエステ
    ル(B)との屈折率差が、0.03以内であることを特
    徴とする帯電防止性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエーテルエステル(B)が、フェノ
    ール/テトラクロロエタン(重量比60/40)の混合
    溶媒中35℃で測定した還元粘度(濃度1.2g/d
    l)で、0.3以上である請求項1記載の帯電防止性ポ
    リオレフィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)ポリオレフィン系樹脂が、テトラ
    シクロドデセンまたはその誘導体から主として誘導され
    る重合体である請求項1または2記載の帯電防止性ポリ
    オレフィン系樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146212A (ja) * 2000-08-30 2002-05-22 Sanyo Chem Ind Ltd 帯電防止剤及びこれを用いた樹脂組成物
WO2003050160A1 (en) * 2001-12-06 2003-06-19 Eastman Chemical Company Antistatic polyester-polyethylene glycol compositions
WO2006056706A1 (fr) * 2004-11-29 2006-06-01 Rhodia Chimie Composition comprenant un polymere thermoplastique et un agent hydrophilisant

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WO2003050160A1 (en) * 2001-12-06 2003-06-19 Eastman Chemical Company Antistatic polyester-polyethylene glycol compositions
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