JPH0987442A - ポリエチレン系樹脂組成物 - Google Patents
ポリエチレン系樹脂組成物Info
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- JPH0987442A JPH0987442A JP24581495A JP24581495A JPH0987442A JP H0987442 A JPH0987442 A JP H0987442A JP 24581495 A JP24581495 A JP 24581495A JP 24581495 A JP24581495 A JP 24581495A JP H0987442 A JPH0987442 A JP H0987442A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ethylene
- resin composition
- component
- weight
- olefin
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- Pending
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 ヒートシール性の発現する温度が低く、かつ
温度領域が広く、炭化水素溶媒に対する抽出性が少な
く、抗ブロッキング性が極めて優れるポリエチレン系樹
脂組成物。 【解決手段】 (a)エチレンおよび炭素数が3〜12
のα−オレフィンからなり、密度0. 900〜0. 94
0g/cm3 、示差走査熱量計による最高融解ピーク温
度が110℃以上であるエチレン・α−オレフィン共重
合体5〜95重量部、(b) エチレンおよび炭素数が3
〜12のα−オレフィンからなり、密度0. 880〜
0. 920g/cm3、示差走査熱量計による最高融解
ピーク温度が60℃以上110℃未満の範囲内に観測さ
れるエチレン・α−オレフィン共重合体95〜5重量
部、及び(a)と(b)の合計100重量部に対し、
(c)重量平均粒子径が1〜20μである有機系抗ブロ
ッキング剤(架橋アクリル系樹脂粉末など)0.01〜
5重量部を含有する。
温度領域が広く、炭化水素溶媒に対する抽出性が少な
く、抗ブロッキング性が極めて優れるポリエチレン系樹
脂組成物。 【解決手段】 (a)エチレンおよび炭素数が3〜12
のα−オレフィンからなり、密度0. 900〜0. 94
0g/cm3 、示差走査熱量計による最高融解ピーク温
度が110℃以上であるエチレン・α−オレフィン共重
合体5〜95重量部、(b) エチレンおよび炭素数が3
〜12のα−オレフィンからなり、密度0. 880〜
0. 920g/cm3、示差走査熱量計による最高融解
ピーク温度が60℃以上110℃未満の範囲内に観測さ
れるエチレン・α−オレフィン共重合体95〜5重量
部、及び(a)と(b)の合計100重量部に対し、
(c)重量平均粒子径が1〜20μである有機系抗ブロ
ッキング剤(架橋アクリル系樹脂粉末など)0.01〜
5重量部を含有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレン系樹
脂組成物に関する。さらに詳細には、食品、電子部品、
機械部品、雑貨など各種包装用フィルムとして好適な性
能を与えるポリエチレン系樹脂組成物に関するものであ
る。
脂組成物に関する。さらに詳細には、食品、電子部品、
機械部品、雑貨など各種包装用フィルムとして好適な性
能を与えるポリエチレン系樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】包装材料の多くは、優れたヒートシール
特性、ホットタック性および食品衛生性の点からポリエ
チレン系樹脂、例えば、ポリエチレン、エチレン−α−
オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
アイオノマーなどが使用されている。包装用材料に使用
される上記ポリエチレン系樹脂には、衝撃強度、引張強
度や引裂強度などの機械的強度に加え、低温ヒートシー
ル性、ホットタック性および食品衛生性など内容物の品
質保護などの性質が要求されている。また、さらにフィ
ルムを製袋する際のハンドリング性や製袋品の口開き性
などの点から抗ブロッキング性の優れた材料が要求され
ている。
特性、ホットタック性および食品衛生性の点からポリエ
チレン系樹脂、例えば、ポリエチレン、エチレン−α−
オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
アイオノマーなどが使用されている。包装用材料に使用
される上記ポリエチレン系樹脂には、衝撃強度、引張強
度や引裂強度などの機械的強度に加え、低温ヒートシー
ル性、ホットタック性および食品衛生性など内容物の品
質保護などの性質が要求されている。また、さらにフィ
ルムを製袋する際のハンドリング性や製袋品の口開き性
などの点から抗ブロッキング性の優れた材料が要求され
ている。
【0003】包装用材料に使用されるエチレン系樹脂と
して、これまでに多くの材料が提案されている。例え
ば、低温ヒートシール性および低温ホットタック性に優
れた材料では、包装される内容物によっては、エチレン
系樹脂中の成分の一部が、内容物や包装フィルム表面に
移行する為、衛生上問題やベタツキなどの問題が生ず
る。特に、フィルム同志がブロッキングすることによっ
て内容物を充填する際にトラブルを起こしたり、製品の
袋を開封する際のハンドリング性が低下する。また、内
容物がオイル状の食品である場合には、エチレン系樹脂
中の成分の内容物への移行が起こりやすく、食品衛生上
使用できない。通常、エチレン系樹脂中の成分が包装さ
れる内容物中に移行する程度またはフィルム表面に移行
する程度を表す指標としてn−ヘキサンに対する抽出量
が用いられる。
して、これまでに多くの材料が提案されている。例え
ば、低温ヒートシール性および低温ホットタック性に優
れた材料では、包装される内容物によっては、エチレン
系樹脂中の成分の一部が、内容物や包装フィルム表面に
移行する為、衛生上問題やベタツキなどの問題が生ず
る。特に、フィルム同志がブロッキングすることによっ
て内容物を充填する際にトラブルを起こしたり、製品の
袋を開封する際のハンドリング性が低下する。また、内
容物がオイル状の食品である場合には、エチレン系樹脂
中の成分の内容物への移行が起こりやすく、食品衛生上
使用できない。通常、エチレン系樹脂中の成分が包装さ
れる内容物中に移行する程度またはフィルム表面に移行
する程度を表す指標としてn−ヘキサンに対する抽出量
が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ポリエチレン
系樹脂の低温ヒートシール性およびホットタック性を向
上せしめる為には、ポリエチレン系樹脂の密度を下げる
手段がとられるが、これは、フィルムの抗ブロッキング
の悪化および包装される内容物への移行成分量を増加
し、食品衛生性など内容物の品質に悪影響を与える結果
となる。逆に、抗ブロッキング性の改良および移行成分
量を減少せしめる為に、密度を高くすると、低温ヒート
シール性が低下する。また、フィルムの抗ブロッキング
性を向上させる為に、種々の抗ブロッキング剤を添加し
た組成物が提案されているが、フィルムの低温ヒートシ
ール性、ホットタック性および透明性などの物性バラン
スにおいて、いまだ十分満足できるものは得られていな
い。
系樹脂の低温ヒートシール性およびホットタック性を向
上せしめる為には、ポリエチレン系樹脂の密度を下げる
手段がとられるが、これは、フィルムの抗ブロッキング
の悪化および包装される内容物への移行成分量を増加
し、食品衛生性など内容物の品質に悪影響を与える結果
となる。逆に、抗ブロッキング性の改良および移行成分
量を減少せしめる為に、密度を高くすると、低温ヒート
シール性が低下する。また、フィルムの抗ブロッキング
性を向上させる為に、種々の抗ブロッキング剤を添加し
た組成物が提案されているが、フィルムの低温ヒートシ
ール性、ホットタック性および透明性などの物性バラン
スにおいて、いまだ十分満足できるものは得られていな
い。
【0005】本発明は、包装材料として抗ブロッキング
性および低温ヒートシール性が優れた各種材料の包装に
好適な組成物を提供しようとするものであり、具体的に
は、衝撃強度、引張強度や引裂強度などの機械的強度に
加え、低温ヒートシール性、抗ブロッキング性および食
品衛生性や内容物の品質低下を抑え、さらに透明性、外
観なども優れるといった包装材料として要求される性能
を併せ持つ包装フィルム用のポリエチレン系樹脂組成物
を得ることを目的としている。
性および低温ヒートシール性が優れた各種材料の包装に
好適な組成物を提供しようとするものであり、具体的に
は、衝撃強度、引張強度や引裂強度などの機械的強度に
加え、低温ヒートシール性、抗ブロッキング性および食
品衛生性や内容物の品質低下を抑え、さらに透明性、外
観なども優れるといった包装材料として要求される性能
を併せ持つ包装フィルム用のポリエチレン系樹脂組成物
を得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決するために鋭意検討した結果、2種以上の
特定のエチレン・α−オレフィン共重合体および特定の
アンチブロッキング剤を用いることにより、これらの問
題が解決され、優れた機械的物性に加え、炭化水素溶媒
による抽出性が少なく、かつ低温ヒートシール性やホッ
トタック性および抗ブロッキング性の優れた包装フィル
ムを与える樹脂組成物が得られることを見出し、本発明
を完成させた。
問題点を解決するために鋭意検討した結果、2種以上の
特定のエチレン・α−オレフィン共重合体および特定の
アンチブロッキング剤を用いることにより、これらの問
題が解決され、優れた機械的物性に加え、炭化水素溶媒
による抽出性が少なく、かつ低温ヒートシール性やホッ
トタック性および抗ブロッキング性の優れた包装フィル
ムを与える樹脂組成物が得られることを見出し、本発明
を完成させた。
【0007】すなわち、本発明は、(a)エチレンおよ
び炭素数が3〜12のα−オレフィンからなり、密度
0. 900〜0. 940g/cm3 、メルトフローレー
ト0. 5〜30g/10分、示差走査熱量計による最高
融解ピーク温度が110℃以上であるエチレン・α−オ
レフィン共重合体5〜95重量部、(b) エチレンおよ
び炭素数が3〜12のα−オレフィンからなり、密度
0. 880〜0. 920g/cm3 、メルトフローレー
ト0. 5〜30g/10分、GPC法により測定された
数平均分子量が35, 000〜150, 000であり、
重量平均分子量/数平均分子量なる比で表される分子量
分布が1. 8〜3. 0、示差走査熱量計による最高融解
ピーク温度が60℃以上110℃未満の範囲内に観測さ
れるエチレン・α−オレフィン共重合体95〜5重量
部、及び(a)と(b)の合計100重量部に対し、
(c)重量平均粒子径が1〜20μである有機系抗ブロ
ッキング剤0.01〜5重量部を含有する樹脂組成物で
あって、該樹脂組成物のn−ヘキサン可溶分が6重量%
以下であることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物
を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明す
る。
び炭素数が3〜12のα−オレフィンからなり、密度
0. 900〜0. 940g/cm3 、メルトフローレー
ト0. 5〜30g/10分、示差走査熱量計による最高
融解ピーク温度が110℃以上であるエチレン・α−オ
レフィン共重合体5〜95重量部、(b) エチレンおよ
び炭素数が3〜12のα−オレフィンからなり、密度
0. 880〜0. 920g/cm3 、メルトフローレー
ト0. 5〜30g/10分、GPC法により測定された
数平均分子量が35, 000〜150, 000であり、
重量平均分子量/数平均分子量なる比で表される分子量
分布が1. 8〜3. 0、示差走査熱量計による最高融解
ピーク温度が60℃以上110℃未満の範囲内に観測さ
れるエチレン・α−オレフィン共重合体95〜5重量
部、及び(a)と(b)の合計100重量部に対し、
(c)重量平均粒子径が1〜20μである有機系抗ブロ
ッキング剤0.01〜5重量部を含有する樹脂組成物で
あって、該樹脂組成物のn−ヘキサン可溶分が6重量%
以下であることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物
を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のポリエチレン系樹脂組成
物の(a) 成分として用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体において、エチレンと共重合させるα−オ
レフィンは、炭素数3〜12のものである。具体的に
は、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテ
ン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1等およ
びこれらの混合物などが挙げられる。これらの中でもプ
ロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキ
セン−1、4−メチルヘキセン−1、オクテン−1等の
炭素数3〜8のα−オレフィンが好ましい。さらにヘキ
セン−1、オクテン−1等の炭素数6〜8のα−オレフ
ィンがより好ましい。(a)エチレン・α−オレフィン
共重合体中のα−オレフィン含有量は1〜20モル%で
あることが好ましい。
物の(a) 成分として用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体において、エチレンと共重合させるα−オ
レフィンは、炭素数3〜12のものである。具体的に
は、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテ
ン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1等およ
びこれらの混合物などが挙げられる。これらの中でもプ
ロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキ
セン−1、4−メチルヘキセン−1、オクテン−1等の
炭素数3〜8のα−オレフィンが好ましい。さらにヘキ
セン−1、オクテン−1等の炭素数6〜8のα−オレフ
ィンがより好ましい。(a)エチレン・α−オレフィン
共重合体中のα−オレフィン含有量は1〜20モル%で
あることが好ましい。
【0009】(a) エチレン・α−オレフィン共重合体
の製造にあたっては、特に限定されるものではなく、一
般にエチレンとα−オレフィンを用いて、イオン重合法
により、少なくとも遷移金属を含有する固体系触媒成分
と有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下で、通
常30〜300℃、常圧〜3000kg/cm2 、溶媒
の存在下もしくは無溶媒下、気−固、液−固または均一
液相下で重合、製造される。
の製造にあたっては、特に限定されるものではなく、一
般にエチレンとα−オレフィンを用いて、イオン重合法
により、少なくとも遷移金属を含有する固体系触媒成分
と有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下で、通
常30〜300℃、常圧〜3000kg/cm2 、溶媒
の存在下もしくは無溶媒下、気−固、液−固または均一
液相下で重合、製造される。
【0010】遷移金属を含有する固体系触媒成分として
は、例えば酸化クロム、酸化モリブデン、三塩化チタ
ン、四塩化チタン、四塩化チタン−アルキルアルミニウ
ム、四塩化チタンなどのチタン化合物−塩化マグネシウ
ム化合物などのマグネシウム化合物−(塩化)アルキル
アルミニウム化合物などが挙げられる。有機アルミニウ
ム化合物としては、例えば一般式R’m AlX3-m (但
し、R’は炭化水素基、Xはハロゲン、1≦m≦3なる
数を示す。)で示され、(C2H5)2 AlCl、(C4
H9)2 AlCl、 (C6 H13)2AlCl、 (C2 H5)1.
5 AlCl1.5 、 (C4 H9)1.5 AlCl1.5 、 (C6
H13)1.5AlCl1.5 、C2 H5 AlCl2 、C4 H9
AlCl2 、C6 H13AlCl2 等が挙げられる。
(a)エチレン・α−オレフィン共重合体としては、上
記チタン系化合物及び有機アルミニウム化合物からなる
触媒系の存在下に重合して得られる共重合体が好まし
い。
は、例えば酸化クロム、酸化モリブデン、三塩化チタ
ン、四塩化チタン、四塩化チタン−アルキルアルミニウ
ム、四塩化チタンなどのチタン化合物−塩化マグネシウ
ム化合物などのマグネシウム化合物−(塩化)アルキル
アルミニウム化合物などが挙げられる。有機アルミニウ
ム化合物としては、例えば一般式R’m AlX3-m (但
し、R’は炭化水素基、Xはハロゲン、1≦m≦3なる
数を示す。)で示され、(C2H5)2 AlCl、(C4
H9)2 AlCl、 (C6 H13)2AlCl、 (C2 H5)1.
5 AlCl1.5 、 (C4 H9)1.5 AlCl1.5 、 (C6
H13)1.5AlCl1.5 、C2 H5 AlCl2 、C4 H9
AlCl2 、C6 H13AlCl2 等が挙げられる。
(a)エチレン・α−オレフィン共重合体としては、上
記チタン系化合物及び有機アルミニウム化合物からなる
触媒系の存在下に重合して得られる共重合体が好まし
い。
【0011】(a) エチレン・α−オレフィン共重合体
は、密度が0. 900〜0. 940g/cm3 の範囲に
あり、密度が0. 900g/cm3 未満では、最終的に
得られる組成物のn−ヘキサン可溶分が増加し、食品な
どの内容物の衛生上あるいは品質上問題を起こしたり、
フィルムにベタツキを生じ、ブロッキングし易くなるな
どの問題が生ずる。一方、0. 940g/cm3 を越え
ると、得られる組成物のフィルムの柔軟性が不足し、低
温ヒートシール性、低温ホットタック性が低下する。
は、密度が0. 900〜0. 940g/cm3 の範囲に
あり、密度が0. 900g/cm3 未満では、最終的に
得られる組成物のn−ヘキサン可溶分が増加し、食品な
どの内容物の衛生上あるいは品質上問題を起こしたり、
フィルムにベタツキを生じ、ブロッキングし易くなるな
どの問題が生ずる。一方、0. 940g/cm3 を越え
ると、得られる組成物のフィルムの柔軟性が不足し、低
温ヒートシール性、低温ホットタック性が低下する。
【0012】また、(a) エチレン・α−オレフィン共
重合体のメルトフローレート(以下、単にMFRと称す
る)は0. 5〜30g/10分の範囲にある。MFRが
0.5g/10分未満では、本発明の樹脂組成物を得る
ために、最終的に得られた組成物を押出加工する際に押
出機樹指圧力が大きくなり、押出加工性を大幅に低下さ
せ、一方、MFRが30g/10分を越えると、押出加
工の際、引取サージングなどを起こし易く、製膜性の点
で好ましくなく、各種包装用フィルムとして満足できる
ものが得られない。MFRは、JIS−K7210の表
1の条件4で規定された方法で測定される。
重合体のメルトフローレート(以下、単にMFRと称す
る)は0. 5〜30g/10分の範囲にある。MFRが
0.5g/10分未満では、本発明の樹脂組成物を得る
ために、最終的に得られた組成物を押出加工する際に押
出機樹指圧力が大きくなり、押出加工性を大幅に低下さ
せ、一方、MFRが30g/10分を越えると、押出加
工の際、引取サージングなどを起こし易く、製膜性の点
で好ましくなく、各種包装用フィルムとして満足できる
ものが得られない。MFRは、JIS−K7210の表
1の条件4で規定された方法で測定される。
【0013】(a) エチレン−α−オレフィン共重合体
の最高融解ピーク温度とは、パーキンエルマー7型DS
C装置を使用し、JIS K7122に基づき、融解熱
量を測定することにより得られる。なお、測定方法は、
K7121の3−(2)項に準拠する。(a) エチレン
・α−オレフィン共重合体においては、上記方法より求
めた吸熱曲線の1個ないし複数個存在する吸熱ピークの
内の最高ピークの温度が110℃以上、好ましくは10
5℃以上に存在する。また吸熱ピークの数は2本以上存
在するものが特に好ましい。
の最高融解ピーク温度とは、パーキンエルマー7型DS
C装置を使用し、JIS K7122に基づき、融解熱
量を測定することにより得られる。なお、測定方法は、
K7121の3−(2)項に準拠する。(a) エチレン
・α−オレフィン共重合体においては、上記方法より求
めた吸熱曲線の1個ないし複数個存在する吸熱ピークの
内の最高ピークの温度が110℃以上、好ましくは10
5℃以上に存在する。また吸熱ピークの数は2本以上存
在するものが特に好ましい。
【0014】本発明のポリエチレン系樹脂組成物の
(b) 成分として用いられるエチレン・α−オレフィン
共重合体において、エチレンと共重合させるα−オレフ
ィンは、上記(a) エチレン・α−オレフィン共重合体
に用いられるものと同様のものが使用される。該α−オ
レフィンは、炭素数3〜12のものである。これらの中
でもプロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルヘキセン−1、オクテン
−1等の炭素数3〜8のα−オレフィンが好ましい。ま
た、(b)エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−
オレフィン含有量は5〜40モル%であることが好まし
い。
(b) 成分として用いられるエチレン・α−オレフィン
共重合体において、エチレンと共重合させるα−オレフ
ィンは、上記(a) エチレン・α−オレフィン共重合体
に用いられるものと同様のものが使用される。該α−オ
レフィンは、炭素数3〜12のものである。これらの中
でもプロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルヘキセン−1、オクテン
−1等の炭素数3〜8のα−オレフィンが好ましい。ま
た、(b)エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−
オレフィン含有量は5〜40モル%であることが好まし
い。
【0015】本発明のポリエチレン系樹脂組成物の
(b) 成分として用いられるエチレン・α−オレフィン
共重合体の製造にあたっては、一般にイオン重合法によ
り、メタロセン系触媒もしくは、チーグラー系触媒の存
在下で、通常30〜300℃、常圧〜3000kg/c
m2 、溶媒の存在下もしくは無溶媒下、気−固、液−固
または均一液相下で製造される。メタロセン化合物とし
ては、遷移金属を含む特定の構造を有する化合物と有機
アルミニウム化合物の複合触媒系、またチーグラー系触
媒としてはバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物
との複合触媒系などが挙げられる。
(b) 成分として用いられるエチレン・α−オレフィン
共重合体の製造にあたっては、一般にイオン重合法によ
り、メタロセン系触媒もしくは、チーグラー系触媒の存
在下で、通常30〜300℃、常圧〜3000kg/c
m2 、溶媒の存在下もしくは無溶媒下、気−固、液−固
または均一液相下で製造される。メタロセン化合物とし
ては、遷移金属を含む特定の構造を有する化合物と有機
アルミニウム化合物の複合触媒系、またチーグラー系触
媒としてはバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物
との複合触媒系などが挙げられる。
【0016】メタロセン系触媒としては、一般式R1 k
R2 l R3 m R4 n M(ただし、Mはジルコニウム、チ
タン、ハフニウムまたはバナジウムであり、R1 はシク
ロアルカジエニル骨格を有する基であり、R2 、R3 お
よびR4 はシクロアルカジエニル骨格を有する基、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子また
は水素であり、k及びlは1以上の整数、m及びnは0
以上であり、k+l+m+n=4である。)で示され、
具体的にはシクロアルカジエニル骨格を有する配位子を
含む遷移金属化合物および有機アルミニウムオキシド化
合物を主とする化合物からなる触媒系が挙げられる。
R2 l R3 m R4 n M(ただし、Mはジルコニウム、チ
タン、ハフニウムまたはバナジウムであり、R1 はシク
ロアルカジエニル骨格を有する基であり、R2 、R3 お
よびR4 はシクロアルカジエニル骨格を有する基、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子また
は水素であり、k及びlは1以上の整数、m及びnは0
以上であり、k+l+m+n=4である。)で示され、
具体的にはシクロアルカジエニル骨格を有する配位子を
含む遷移金属化合物および有機アルミニウムオキシド化
合物を主とする化合物からなる触媒系が挙げられる。
【0017】シクロアルカジエニル骨格を有する配位子
を含む遷移金属化合物としては、例えばビス(シクロペ
ンタジエニル)ジエチルジルコニウム、ビス(ペンタメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウム、ビス(シク
ロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(シク
ロペンタジエニル)モノクロリドモノハイドライド、ビ
ス(インデニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイド
ライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エ
チレンビス(インデニル)メチルジルコニウムクロリ
ド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジ
メチルジルコニウム、エチレンビス(4−メチル−1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジ
クロリドなどが挙げられる。これらの中でも、ビスシク
ロペンタジエニルジメチルジルコニウム、ビスペンタジ
エニルジルコニウムジクロリドが好ましい。
を含む遷移金属化合物としては、例えばビス(シクロペ
ンタジエニル)ジエチルジルコニウム、ビス(ペンタメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウム、ビス(シク
ロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(シク
ロペンタジエニル)モノクロリドモノハイドライド、ビ
ス(インデニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイド
ライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エ
チレンビス(インデニル)メチルジルコニウムクロリ
ド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジ
メチルジルコニウム、エチレンビス(4−メチル−1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジ
クロリドなどが挙げられる。これらの中でも、ビスシク
ロペンタジエニルジメチルジルコニウム、ビスペンタジ
エニルジルコニウムジクロリドが好ましい。
【0018】有機アルミニウムオキシド化合物として
は、例えばテトラメチルジアルミノキサン、テトラエチ
ルジアミノキサン、テトラブチルジアルミノキサン、テ
トラヘキシルジアルミノキサン、メチルアルミノキサ
ン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、ヘ
キシルアルミノキサンなどが挙げられる。中でもメチル
アルミノキサンが好ましい。
は、例えばテトラメチルジアルミノキサン、テトラエチ
ルジアミノキサン、テトラブチルジアルミノキサン、テ
トラヘキシルジアルミノキサン、メチルアルミノキサ
ン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、ヘ
キシルアルミノキサンなどが挙げられる。中でもメチル
アルミノキサンが好ましい。
【0019】バナジウム化合物と有機アルミニウム化合
物からなる触媒系において、バナジウム化合物として
は、例えば一般式VO(OR)n X3-n (但し、Rは炭
化水素基、Xはハロゲン、0≦n≦3なる数を示す。)
で示され、VOCl3 、VO(OCH3)Cl2 、VO
(OCH3)2 Cl、VO(OCH3)3 、VO(OC2 H
5)Cl2 、VO (OC2 H5)2 Cl、VO (OC2 H5)
3 、VO (OC3 H7)Cl 2 、VO(OC3 H7)2 C
l、VO( OC3 H7)3 、VO( OisoC3 H7)Cl
2 、VO( OisoC3 H7)2 Cl、VO(OisoC
3 H7)3 あるいはこれらの混合物が挙げられる。これら
の化合物のうち、0≦n≦1で示される化合物が特に好
ましく使用される。
物からなる触媒系において、バナジウム化合物として
は、例えば一般式VO(OR)n X3-n (但し、Rは炭
化水素基、Xはハロゲン、0≦n≦3なる数を示す。)
で示され、VOCl3 、VO(OCH3)Cl2 、VO
(OCH3)2 Cl、VO(OCH3)3 、VO(OC2 H
5)Cl2 、VO (OC2 H5)2 Cl、VO (OC2 H5)
3 、VO (OC3 H7)Cl 2 、VO(OC3 H7)2 C
l、VO( OC3 H7)3 、VO( OisoC3 H7)Cl
2 、VO( OisoC3 H7)2 Cl、VO(OisoC
3 H7)3 あるいはこれらの混合物が挙げられる。これら
の化合物のうち、0≦n≦1で示される化合物が特に好
ましく使用される。
【0020】有機アルミニウム化合物としては、例えば
一般式R’m AlX3-m (但し、R’は炭化水素基、X
はハロゲン、1≦m≦3なる数を示す。)で示され、
(C2H5)2 AlCl、(C4 H9)2 AlCl、 (C6
H13)2AlCl、 (C2 H5)1. 5 AlCl1.5 、 (C4
H9)1.5 AlCl1.5 、 (C6 H13)1.5AlCl1.5 、
C2 H5 AlCl2 、C4 H9 AlCl2 、C6 H13A
lCl2 等が挙げられる。本発明において、より好まし
い効果を発揮させるには、1≦m≦2を満足するもので
あり、特に(C2 H5)1.5 AlCl1.5 が好ましく使用
される。
一般式R’m AlX3-m (但し、R’は炭化水素基、X
はハロゲン、1≦m≦3なる数を示す。)で示され、
(C2H5)2 AlCl、(C4 H9)2 AlCl、 (C6
H13)2AlCl、 (C2 H5)1. 5 AlCl1.5 、 (C4
H9)1.5 AlCl1.5 、 (C6 H13)1.5AlCl1.5 、
C2 H5 AlCl2 、C4 H9 AlCl2 、C6 H13A
lCl2 等が挙げられる。本発明において、より好まし
い効果を発揮させるには、1≦m≦2を満足するもので
あり、特に(C2 H5)1.5 AlCl1.5 が好ましく使用
される。
【0021】さらに、これらのバナジウム化合物及び有
機アルミニウム化合物からなる触媒系にハロゲン化エス
テルを組み合わせることにより、より分子量分布が狭
く、組成分布が均一なエチレン・α−オレフィン共重合
体を得ることができ、本発明の組成物を得るには好適で
ある。ハロゲン化エステルは、一般式R”COOR'''
(但し、R”は炭素数1〜20の炭化水素基の一部の水
素原子または全部の水素原子をハロゲンで置換した有機
基、R''' は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)で
示され、好ましくは、R”の置換基が全てクロル置換さ
れた化合物、例えばパークロルクロトン酸エステルなど
が有効である。具体的にはエチルジクロルアセテート、
メチルトリクロルアセテート、エチルトリクロルアセテ
ート、メチルジクロルフェニルアセテート、エチルジク
ロルフェニルアセテート、メチルパークロルクロトネー
ト、エチルパークロルクロトネート、プロピルパークロ
ルクロトネート、イソプロピルパークロルクロトネー
ト、フェニルパークロルクロトネート等が例示できる。
機アルミニウム化合物からなる触媒系にハロゲン化エス
テルを組み合わせることにより、より分子量分布が狭
く、組成分布が均一なエチレン・α−オレフィン共重合
体を得ることができ、本発明の組成物を得るには好適で
ある。ハロゲン化エステルは、一般式R”COOR'''
(但し、R”は炭素数1〜20の炭化水素基の一部の水
素原子または全部の水素原子をハロゲンで置換した有機
基、R''' は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)で
示され、好ましくは、R”の置換基が全てクロル置換さ
れた化合物、例えばパークロルクロトン酸エステルなど
が有効である。具体的にはエチルジクロルアセテート、
メチルトリクロルアセテート、エチルトリクロルアセテ
ート、メチルジクロルフェニルアセテート、エチルジク
ロルフェニルアセテート、メチルパークロルクロトネー
ト、エチルパークロルクロトネート、プロピルパークロ
ルクロトネート、イソプロピルパークロルクロトネー
ト、フェニルパークロルクロトネート等が例示できる。
【0022】(b) エチレン・α−オレフィン共重合体
は、密度が0. 880〜0. 920g/cm3 の範囲に
あり、密度が0. 880g/cm3 未満では、最終的に
得られる組成物のn−ヘキサン可溶分が増加して食品衛
生性や内容物の品質に問題が生じたり、フィルムにベタ
ツキを生じ、ブロッキングし易くなる。一方、0. 92
0g/cm3 を越えると、得られる組成物のフィルムの
柔軟性が不足し、低温ヒートシール性の低下および包装
用フィルムとしての感触が悪化する。
は、密度が0. 880〜0. 920g/cm3 の範囲に
あり、密度が0. 880g/cm3 未満では、最終的に
得られる組成物のn−ヘキサン可溶分が増加して食品衛
生性や内容物の品質に問題が生じたり、フィルムにベタ
ツキを生じ、ブロッキングし易くなる。一方、0. 92
0g/cm3 を越えると、得られる組成物のフィルムの
柔軟性が不足し、低温ヒートシール性の低下および包装
用フィルムとしての感触が悪化する。
【0023】また、MFRはJIS−K7210の表−
1の条件4で規定された方法で測定される。(b) 成分
のエチレン・α−オレフィン共重合体成分のMFRは
0. 5〜30g/10分、GPC法により測定された数
平均分子量が35, 000〜150, 000である。M
FRが0. 5g/10分未満または数平均分子量が15
0, 000を越えるものでは、本発明の樹脂組成物を得
るためもしくは、最終的に得られた組成物を押出加工す
る際に押出機樹指圧力が大きくなり、押出加工性を低下
させる。一方、MFRが30g/10分を越えるか、又
は平均分子量が35, 000未満では、押出加工の際、
引取サージングなどを起こし易く、製膜性の点で好まし
くなく、包装用フィルムとして満足できるものが得られ
ない。
1の条件4で規定された方法で測定される。(b) 成分
のエチレン・α−オレフィン共重合体成分のMFRは
0. 5〜30g/10分、GPC法により測定された数
平均分子量が35, 000〜150, 000である。M
FRが0. 5g/10分未満または数平均分子量が15
0, 000を越えるものでは、本発明の樹脂組成物を得
るためもしくは、最終的に得られた組成物を押出加工す
る際に押出機樹指圧力が大きくなり、押出加工性を低下
させる。一方、MFRが30g/10分を越えるか、又
は平均分子量が35, 000未満では、押出加工の際、
引取サージングなどを起こし易く、製膜性の点で好まし
くなく、包装用フィルムとして満足できるものが得られ
ない。
【0024】さらに、本発明の(b) エチレン・α−オ
レフィン共重合体は、GPC法により測定された重量平
均分子量/数平均分子量の比で表される分子量分布が
1. 8〜3. 0である。この値が1. 8未満では、押出
成形時のモーター負荷上昇により、成形が困難となり、
3. 0を越えると成形加工性は向上するもの、ヒートシ
ール特性において満足できるものが得られない。
レフィン共重合体は、GPC法により測定された重量平
均分子量/数平均分子量の比で表される分子量分布が
1. 8〜3. 0である。この値が1. 8未満では、押出
成形時のモーター負荷上昇により、成形が困難となり、
3. 0を越えると成形加工性は向上するもの、ヒートシ
ール特性において満足できるものが得られない。
【0025】エチレン−α−オレフィン共重合体の最高
融解ピーク温度とは、パーキンエルマー7型DSC装置
を使用し、JIS K7122に基づき、融解熱量を測
定することにより得られる。なお、測定方法は、K71
21の3−(2)項に準拠する。(b) エチレン・α−
オレフィン共重合体成分における最高融解ピーク温度と
は、上記方法より求めた吸熱曲線の1個ないし複数個存
在する吸熱ピークの内の最高ピークの温度であり、これ
が60℃以上110℃未満に存在することが重要であ
る。好ましくは、70〜108℃、さらに好ましくは8
0〜105℃の範囲に存在することである。また吸熱ピ
ークの数は複数個あっても良いが、唯1個のみ存在する
ものが特に好ましく使用される。
融解ピーク温度とは、パーキンエルマー7型DSC装置
を使用し、JIS K7122に基づき、融解熱量を測
定することにより得られる。なお、測定方法は、K71
21の3−(2)項に準拠する。(b) エチレン・α−
オレフィン共重合体成分における最高融解ピーク温度と
は、上記方法より求めた吸熱曲線の1個ないし複数個存
在する吸熱ピークの内の最高ピークの温度であり、これ
が60℃以上110℃未満に存在することが重要であ
る。好ましくは、70〜108℃、さらに好ましくは8
0〜105℃の範囲に存在することである。また吸熱ピ
ークの数は複数個あっても良いが、唯1個のみ存在する
ものが特に好ましく使用される。
【0026】本発明のポリエチレン系樹脂組成物に用い
る(c)成分は、有機系の抗ブロッキング剤である。有
機系の抗ブロッキング剤としては、架橋アクリル系樹脂
や架橋ポリスチレン系樹脂などで代表される各種ポリマ
ー系粉末が挙げられる。また、本発明で用いる有機系抗
ブロッキング剤は、各種ポリマー系粉末を与える原料モ
ノマーと架橋剤モノマーとの共重合、さらにこれに加え
他の1種以上のモノマーと共重合して得られる。例え
ば、メタクリル酸メチルと架橋剤との共重合物やメタク
リル酸メチルと架橋剤にさらにスチレン系モノマーを共
重合したもの等が用いられる。好ましくは、架橋ポリメ
タクリル酸メチルや架橋ポリ(メタクリル酸メチル−ス
チレン)の粉末が挙げられる。これらの抗ブロッキング
剤としては、市販品のうち本発明の規定に合うように選
定して用いてもよい。有機系抗ブロッキング剤の市販品
としては、例えば「マツモトマイクロスフェアー−M」
(松本油脂社製)、「ジュリマーMB−SX」(日本純
薬社製)、「エポスターMA」(日本触媒社製)などが
挙げられる。
る(c)成分は、有機系の抗ブロッキング剤である。有
機系の抗ブロッキング剤としては、架橋アクリル系樹脂
や架橋ポリスチレン系樹脂などで代表される各種ポリマ
ー系粉末が挙げられる。また、本発明で用いる有機系抗
ブロッキング剤は、各種ポリマー系粉末を与える原料モ
ノマーと架橋剤モノマーとの共重合、さらにこれに加え
他の1種以上のモノマーと共重合して得られる。例え
ば、メタクリル酸メチルと架橋剤との共重合物やメタク
リル酸メチルと架橋剤にさらにスチレン系モノマーを共
重合したもの等が用いられる。好ましくは、架橋ポリメ
タクリル酸メチルや架橋ポリ(メタクリル酸メチル−ス
チレン)の粉末が挙げられる。これらの抗ブロッキング
剤としては、市販品のうち本発明の規定に合うように選
定して用いてもよい。有機系抗ブロッキング剤の市販品
としては、例えば「マツモトマイクロスフェアー−M」
(松本油脂社製)、「ジュリマーMB−SX」(日本純
薬社製)、「エポスターMA」(日本触媒社製)などが
挙げられる。
【0027】(c)有機系抗ブロッキング剤は、重量平
均粒子径が1〜20μに存在する。すなわち、コールタ
ーカウンターなどを用いて計測される重量に基づく平均
粒子径が、1〜20μ、好ましくは3〜15μ、さらに
好ましくは5〜12μである。重量平均粒子径が1μに
満たない場合は、本発明の樹脂組成物に要求される抗ブ
ロッキング性において不十分であり、一方、20μを越
えると、抗ブロッキング性は優れるものの、本樹脂組成
物から得られる包装用フィルムの透明性を低下せしめた
り、また表面の外観などを悪化させる原因となる。さら
に、(c)有機系抗ブロッキング剤は、25℃で測定さ
れる屈折率nDが好ましくは1.45〜1.59の範
囲、より好ましくは1.48〜1.55の範囲である。
25℃で測定される屈折率が上記範囲内の場合には、フ
ィルムの光学的性質、すなわち透明性や外観がより優れ
たものが得られる。
均粒子径が1〜20μに存在する。すなわち、コールタ
ーカウンターなどを用いて計測される重量に基づく平均
粒子径が、1〜20μ、好ましくは3〜15μ、さらに
好ましくは5〜12μである。重量平均粒子径が1μに
満たない場合は、本発明の樹脂組成物に要求される抗ブ
ロッキング性において不十分であり、一方、20μを越
えると、抗ブロッキング性は優れるものの、本樹脂組成
物から得られる包装用フィルムの透明性を低下せしめた
り、また表面の外観などを悪化させる原因となる。さら
に、(c)有機系抗ブロッキング剤は、25℃で測定さ
れる屈折率nDが好ましくは1.45〜1.59の範
囲、より好ましくは1.48〜1.55の範囲である。
25℃で測定される屈折率が上記範囲内の場合には、フ
ィルムの光学的性質、すなわち透明性や外観がより優れ
たものが得られる。
【0028】本発明のポリエチレン系樹脂組成物を得る
方法は、特に限定されるものではないが、例えば(a)
成分および(b) 成分と、(c)成分または(c)成分
をあらかじめ高濃度で熱可塑性樹脂中に均一に溶融混合
したマスターバッチをドライブレンドまたはメルトブレ
ンドすることにより行われる。また(c)成分を直接、
(a) 成分および(b) 成分と上記方法によりブレンド
してもさしつかえない。ドライブレンドはヘンシェルミ
キサー、タンブラーミキサーなどの各種ブレンダーが使
用され、メルトブレンドは、単軸押出機、二軸押出機、
バンバリ−ミキサー、熱ロールなどの各種ミキサーが用
いられる。
方法は、特に限定されるものではないが、例えば(a)
成分および(b) 成分と、(c)成分または(c)成分
をあらかじめ高濃度で熱可塑性樹脂中に均一に溶融混合
したマスターバッチをドライブレンドまたはメルトブレ
ンドすることにより行われる。また(c)成分を直接、
(a) 成分および(b) 成分と上記方法によりブレンド
してもさしつかえない。ドライブレンドはヘンシェルミ
キサー、タンブラーミキサーなどの各種ブレンダーが使
用され、メルトブレンドは、単軸押出機、二軸押出機、
バンバリ−ミキサー、熱ロールなどの各種ミキサーが用
いられる。
【0029】本発明のポリエチレン系樹脂組成物おいて
(a) 成分エチレン・α−オレフィン共重合体と(b)
成分エチレン・α−オレフィン共重合体、(c)成分有
機系抗ブロッキング剤の混合割合は、(a) 成分が5〜
95重量部、(b) 成分が95〜5重量部であり、
(a)と(b)の合計100重量部に対し、(c)成分
が0.01〜5重量部である。好ましくは(a) 成分が
5〜90重量部、(b) 成分が95〜10重量部であ
り、(a)と(b)の合計100重量部に対し(c)成
分が0.05〜4重量部である。さらに好ましくは、
(a) 成分が10〜80重量部、(b) 成分が90〜2
0重量部であり、(a)と(b)の合計100重量部に
対し(c)成分が0.2〜1.8重量部である。(a)
成分の混合割合が95重量部を越え、(b) 成分の混合
割合が5重量部に満たないと、本発明の目的である低温
時におけるヒートシール強度が満足できない。また、
(a) 成分の混合割合が5重量部未満であり、(b) 成
分の混合割合が95重量部を越える場合には、フィルム
の機械的強度が低下したり、べたつきによるブロッキン
グが起こるといった欠点が生ずる。また(c)成分の混
合割合が0.01重量部に満たない場合は、満足できる
抗ブロッキング性が発現されず、一方、5重量部を越え
ると透明性などの光学的性質や外観の悪化を引き起こ
す。
(a) 成分エチレン・α−オレフィン共重合体と(b)
成分エチレン・α−オレフィン共重合体、(c)成分有
機系抗ブロッキング剤の混合割合は、(a) 成分が5〜
95重量部、(b) 成分が95〜5重量部であり、
(a)と(b)の合計100重量部に対し、(c)成分
が0.01〜5重量部である。好ましくは(a) 成分が
5〜90重量部、(b) 成分が95〜10重量部であ
り、(a)と(b)の合計100重量部に対し(c)成
分が0.05〜4重量部である。さらに好ましくは、
(a) 成分が10〜80重量部、(b) 成分が90〜2
0重量部であり、(a)と(b)の合計100重量部に
対し(c)成分が0.2〜1.8重量部である。(a)
成分の混合割合が95重量部を越え、(b) 成分の混合
割合が5重量部に満たないと、本発明の目的である低温
時におけるヒートシール強度が満足できない。また、
(a) 成分の混合割合が5重量部未満であり、(b) 成
分の混合割合が95重量部を越える場合には、フィルム
の機械的強度が低下したり、べたつきによるブロッキン
グが起こるといった欠点が生ずる。また(c)成分の混
合割合が0.01重量部に満たない場合は、満足できる
抗ブロッキング性が発現されず、一方、5重量部を越え
ると透明性などの光学的性質や外観の悪化を引き起こ
す。
【0030】本発明のポリエチレン系樹脂組成物におい
ては、該組成物のn−ヘキサン可溶分が6重量%以下で
あることが重要である。ヒートシール特性、その他の機
械的物性と食品衛生性や内容物の品質保護などのより好
ましいバランスを考慮すると、n−ヘキサン可溶分が5
重量%以下であることが好ましい。n−ヘキサン不溶分
はFDA規格の第177章第1520節に記載される、
50℃でのn−ヘキサンによる最大溶出量測定法により
測定される。具体的には、所定量のサンプル試片をn−
ヘキサン中、50℃で2時間保持させ、不溶成分を濾過
し、溶剤残渣を濃縮乾固して得られる残渣の量からn−
ヘキサン可溶分を算出すことができる。この組成物のn
−ヘキサン可溶分が6重量%を越えると、組成物中の一
部の成分が、包装される食品などの内容物へ移行するこ
とにより、食品衛生上問題や内容物の品質低下が生じた
り、フィルム表面のベタツキが起こり、ブロッキングを
起こしたり、ヒートシール特性やホットタック性を阻害
する原因となる。
ては、該組成物のn−ヘキサン可溶分が6重量%以下で
あることが重要である。ヒートシール特性、その他の機
械的物性と食品衛生性や内容物の品質保護などのより好
ましいバランスを考慮すると、n−ヘキサン可溶分が5
重量%以下であることが好ましい。n−ヘキサン不溶分
はFDA規格の第177章第1520節に記載される、
50℃でのn−ヘキサンによる最大溶出量測定法により
測定される。具体的には、所定量のサンプル試片をn−
ヘキサン中、50℃で2時間保持させ、不溶成分を濾過
し、溶剤残渣を濃縮乾固して得られる残渣の量からn−
ヘキサン可溶分を算出すことができる。この組成物のn
−ヘキサン可溶分が6重量%を越えると、組成物中の一
部の成分が、包装される食品などの内容物へ移行するこ
とにより、食品衛生上問題や内容物の品質低下が生じた
り、フィルム表面のベタツキが起こり、ブロッキングを
起こしたり、ヒートシール特性やホットタック性を阻害
する原因となる。
【0031】本発明のポリエチレン系樹脂組成物を用い
て包装用フィルムを製造する方法としては、特に限定さ
れるものではなく、一般にインフレーション法、Tダイ
法など公知の技術が挙げられる。インフレーション法は
吹き込み成形法とも呼ばれ、押出機で溶融混練された樹
脂がダイの円形のスリットを通ってチューブ状に押し出
され、このチューブ内に吹き込まれる気体(通常は空
気)の圧力を調整することによって広範囲の幅のフィル
ムを製造することができる。フィルムの幅と円形スリッ
トの直径との比は、ブローアップ比(BUR)と呼ばれ
ている。フィルムの厚さは、樹脂の押出速度とBURの
選択によって調整できる。押し出されたチューブは、そ
の外側から気体(通常は空気)および/または液体(通
常は水)によって冷却される。Tダイ法は、キャスト法
と呼ばれ、押出機で溶融混練された樹脂がダイの平行ス
リットを通って押し出され、水などの冷媒を通したロー
ルに接触させられることによって冷却され、一般に透明
性が良く、厚み精度の良いフィルムが製造できる。フィ
ルムの厚さは、樹脂の押出速度とフィルムの引き取り速
度の選択によって調整できる。
て包装用フィルムを製造する方法としては、特に限定さ
れるものではなく、一般にインフレーション法、Tダイ
法など公知の技術が挙げられる。インフレーション法は
吹き込み成形法とも呼ばれ、押出機で溶融混練された樹
脂がダイの円形のスリットを通ってチューブ状に押し出
され、このチューブ内に吹き込まれる気体(通常は空
気)の圧力を調整することによって広範囲の幅のフィル
ムを製造することができる。フィルムの幅と円形スリッ
トの直径との比は、ブローアップ比(BUR)と呼ばれ
ている。フィルムの厚さは、樹脂の押出速度とBURの
選択によって調整できる。押し出されたチューブは、そ
の外側から気体(通常は空気)および/または液体(通
常は水)によって冷却される。Tダイ法は、キャスト法
と呼ばれ、押出機で溶融混練された樹脂がダイの平行ス
リットを通って押し出され、水などの冷媒を通したロー
ルに接触させられることによって冷却され、一般に透明
性が良く、厚み精度の良いフィルムが製造できる。フィ
ルムの厚さは、樹脂の押出速度とフィルムの引き取り速
度の選択によって調整できる。
【0032】本発明のエチレン・α−オレフィン共重合
体組成物からなる単層のフィルムの厚さは、5〜500
μm、特に10〜100μmであることが望ましい。厚
さがこの範囲より薄いと、加工が難しいうえにヒートシ
ール特性やホットタック性、抗ブロッキング性が発揮さ
れにくくなる。
体組成物からなる単層のフィルムの厚さは、5〜500
μm、特に10〜100μmであることが望ましい。厚
さがこの範囲より薄いと、加工が難しいうえにヒートシ
ール特性やホットタック性、抗ブロッキング性が発揮さ
れにくくなる。
【0033】本発明のポリエチレン系樹脂組成物からな
る包装用フィルムは、その卓越した、低温ヒートシール
特性、低いn−ヘキサン抽出性および透明性、外観を維
持しながら優れた抗ブロッキング性といった性能を十分
発揮させるために、他の基材との複合フィルムの形態で
あること、特に本発明の樹脂組成物からなるフィルムが
少なくとも片側の表面層として存在する形態であること
が望ましい。
る包装用フィルムは、その卓越した、低温ヒートシール
特性、低いn−ヘキサン抽出性および透明性、外観を維
持しながら優れた抗ブロッキング性といった性能を十分
発揮させるために、他の基材との複合フィルムの形態で
あること、特に本発明の樹脂組成物からなるフィルムが
少なくとも片側の表面層として存在する形態であること
が望ましい。
【0034】基材としては、フィルム形成の可能な任意
の重合体、セロハン、紙、板紙、織物、アルミニウム箔
などから選択できる。フィルム形成の可能な重合体とし
ては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
1、ナイロン12などのポリアミド樹脂、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポ
リエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、
ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリエチレン、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸エ
ステル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合
体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アク
リル酸共重合体、アイオノマーなどのポリオレフィン系
樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコ
ール共重合体などから、各々のガスバリヤー性、印刷
性、透明性、剛性、接着性などを勘案して、複合フィル
ムとする目的に応じて選択することができる。基材が延
伸可能である場合、特にポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリプロピレンなどのように延伸されることによ
ってフィルムの特性が向上する場合、基材は1軸あるい
は2軸に延伸されていても良い。複合フィルムの形態で
ある場合、層の厚さは、1〜500μm、特に10〜1
00μmであることが好ましい。基材層の厚さは任意で
あって、目的に応じて選択できる。複数の基材を種々の
構成でもって複合することも、すでに広く行われている
ことであって、本発明でも採用することができる。
の重合体、セロハン、紙、板紙、織物、アルミニウム箔
などから選択できる。フィルム形成の可能な重合体とし
ては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
1、ナイロン12などのポリアミド樹脂、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポ
リエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、
ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリエチレン、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸エ
ステル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合
体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アク
リル酸共重合体、アイオノマーなどのポリオレフィン系
樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコ
ール共重合体などから、各々のガスバリヤー性、印刷
性、透明性、剛性、接着性などを勘案して、複合フィル
ムとする目的に応じて選択することができる。基材が延
伸可能である場合、特にポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリプロピレンなどのように延伸されることによ
ってフィルムの特性が向上する場合、基材は1軸あるい
は2軸に延伸されていても良い。複合フィルムの形態で
ある場合、層の厚さは、1〜500μm、特に10〜1
00μmであることが好ましい。基材層の厚さは任意で
あって、目的に応じて選択できる。複数の基材を種々の
構成でもって複合することも、すでに広く行われている
ことであって、本発明でも採用することができる。
【0035】本発明において2以上の層を有する複合フ
ィルムは、ドライラミネーション法、ウェットラミネー
ション法、サンドイッチラミネーション法、ホットメル
トラミネーション法などのラミネーション法、共押出
法、押出コーティング法、(押出ラミネーション法とも
呼ばれる)およびこれらの組み合わせなど公知の技術に
よって製造できる。
ィルムは、ドライラミネーション法、ウェットラミネー
ション法、サンドイッチラミネーション法、ホットメル
トラミネーション法などのラミネーション法、共押出
法、押出コーティング法、(押出ラミネーション法とも
呼ばれる)およびこれらの組み合わせなど公知の技術に
よって製造できる。
【0036】ラミネーション法においては、前記単層フ
ィルムの説明で述べた方法によって得られた本発明のフ
ィルムと上述の基材とを溶剤型接着剤、水性型接着剤、
ホットメルト接着剤、溶融重合体などによって貼り合わ
せる。共押出法においては、溶融・押し出された本発明
のポリエチレン系樹脂組成物と溶融・押し出された他の
重合体とをダイの内部および/または外部で接触させ
る。押出コーティング法においては、他の基材の少なく
とも片側の表面に、溶融・押し出された本発明の樹脂組
成物をコーティングする。これらの詳細については、加
工技術研究会発行の「ラミネート加工便覧」に記載され
ている。
ィルムの説明で述べた方法によって得られた本発明のフ
ィルムと上述の基材とを溶剤型接着剤、水性型接着剤、
ホットメルト接着剤、溶融重合体などによって貼り合わ
せる。共押出法においては、溶融・押し出された本発明
のポリエチレン系樹脂組成物と溶融・押し出された他の
重合体とをダイの内部および/または外部で接触させ
る。押出コーティング法においては、他の基材の少なく
とも片側の表面に、溶融・押し出された本発明の樹脂組
成物をコーティングする。これらの詳細については、加
工技術研究会発行の「ラミネート加工便覧」に記載され
ている。
【0037】このように製造された複合フィルムのう
ち、基材が1軸あるいは2軸に延伸が可能である場合に
は、さらに1軸あるいは2軸の延伸を加えることができ
る。延伸は、テンター延伸方式、インフレーション延伸
方式、ロール延伸方式など公知の方法によって、基材が
延伸可能な温度範囲に複合フィルムを加熱することによ
ってでき、必要とあらばさらにヒートセットされる。
ち、基材が1軸あるいは2軸に延伸が可能である場合に
は、さらに1軸あるいは2軸の延伸を加えることができ
る。延伸は、テンター延伸方式、インフレーション延伸
方式、ロール延伸方式など公知の方法によって、基材が
延伸可能な温度範囲に複合フィルムを加熱することによ
ってでき、必要とあらばさらにヒートセットされる。
【0038】本発明のポリエチレン系樹脂組成物におい
ては、さらなる物性向上を計るため、必要に応じて2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テト
ラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(IR
GANOX 1010)やn−オクタデシル−3−
(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニ
ル)プロピオネート(IRGANOX 1076)で代
表されるフェノール系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイトなどで代表されるホファイト系安定剤、ステア
リン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベ
ヘニン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エ
チレンビスオレイン酸アミドなどの高級脂肪酸アミドで
代表される滑剤、炭素数8〜22の脂肪酸のグリセリン
エステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコ
ールエステルなどの帯電防止剤、シリカ、炭酸カルシウ
ム、タルクなどで代表されるブロッキング防止剤などが
添加される。
ては、さらなる物性向上を計るため、必要に応じて2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テト
ラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(IR
GANOX 1010)やn−オクタデシル−3−
(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニ
ル)プロピオネート(IRGANOX 1076)で代
表されるフェノール系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイトなどで代表されるホファイト系安定剤、ステア
リン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベ
ヘニン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エ
チレンビスオレイン酸アミドなどの高級脂肪酸アミドで
代表される滑剤、炭素数8〜22の脂肪酸のグリセリン
エステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコ
ールエステルなどの帯電防止剤、シリカ、炭酸カルシウ
ム、タルクなどで代表されるブロッキング防止剤などが
添加される。
【0039】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら
の例になんら制約されるものではない。
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら
の例になんら制約されるものではない。
【0040】はじめに、以下の実施例および比較例にお
ける物性値の測定方法を示す。 (1)密度(d) JIS K6760に規定された方法に従った。100
℃の水中で1時間アニール処理を行った後、密度を測定
した。 (2)メルトフローレート(MFR) JIS K6760に規定された方法に従った。
ける物性値の測定方法を示す。 (1)密度(d) JIS K6760に規定された方法に従った。100
℃の水中で1時間アニール処理を行った後、密度を測定
した。 (2)メルトフローレート(MFR) JIS K6760に規定された方法に従った。
【0041】(3)最高融解ピーク温度(Tm) 測定は示差走査熱量計(DSC)パーキンエルマー社製
DSC−7を用いた。熱プレスにより作成した厚さ約
0.5mmのシートから切り出した約10mgの試片を
DSC測定用サンプルパンに入れ、DSC中で150℃
から5分間プレメルトし、1℃/分で40℃まで降温
し、5分間保持させた後10℃/分の速度で150℃ま
で昇温しサーモグラムを得た。融解ピークが複数存在す
る場合、最も高い値を最高融解ピーク温度とした。
DSC−7を用いた。熱プレスにより作成した厚さ約
0.5mmのシートから切り出した約10mgの試片を
DSC測定用サンプルパンに入れ、DSC中で150℃
から5分間プレメルトし、1℃/分で40℃まで降温
し、5分間保持させた後10℃/分の速度で150℃ま
で昇温しサーモグラムを得た。融解ピークが複数存在す
る場合、最も高い値を最高融解ピーク温度とした。
【0042】(4)数平均分子量(Mn)および分子量
分布(Q) GPC(Gel Permeation Chroma
toghraphy)測定は、Waters社製150
C型GPC測定装置を使用し、カラムに東ソー社製GM
H6−HT、溶媒にo−ジクロルベンゼンを用い、14
5℃で測定した。検量線は東ソー社製の標準ポリスチレ
ンを使用し、常法により作成した。分子量分布(Q値)
は、重量平均分子量/数平均分子量の比として計算し
た。
分布(Q) GPC(Gel Permeation Chroma
toghraphy)測定は、Waters社製150
C型GPC測定装置を使用し、カラムに東ソー社製GM
H6−HT、溶媒にo−ジクロルベンゼンを用い、14
5℃で測定した。検量線は東ソー社製の標準ポリスチレ
ンを使用し、常法により作成した。分子量分布(Q値)
は、重量平均分子量/数平均分子量の比として計算し
た。
【0043】(5)重量平均粒子径 日科機社製コールターカウンターmodel TA−II
を用い、アパーチャー径20μまたは200μ、電解液
ISOTON II で測定した。
を用い、アパーチャー径20μまたは200μ、電解液
ISOTON II で測定した。
【0044】(6)n−ヘキサン可溶分 測定は、FDA規格の第177章第1520節に記載さ
れる方法に従った。具体的には、樹脂2.5±0.00
1gをフラスコにとり、n−ヘキサン1000mlを加
え、あらかじめ50℃に調整したウォーターバスにフラ
スコを入れ、加熱を行った。フラスコ中のn−ヘキサン
の温度が50℃に達してから、マグネット式スターラー
により撹拌しながら、正確に2時間放置した。その後、
n−ヘキサンが温かいうちに、濾紙を用いて、自然濾過
を行った。濾液は、あらかじめ精秤したフラスコに採取
し、回収濾液を秤量した結果、回収濾液は、最初の仕込
み量に対していずれも90%以上回収した。次に溶剤濾
液の約半分を、1リットルのビーカーに移し、スチーム
バスを用いて加熱、濃縮を行った。濃縮の間、ビーカー
内に高純度の窒素ガスを吹き付けた。ビーカー内の溶剤
量が蒸発により減少したところで、さらに残りの溶剤濾
液を加え、最後には全ての溶剤濾液を移した。濃縮液
が、約50ミリリットルになった時点で、その濃縮液を
あらかじめ重量を測った100ミリリットルの蒸発皿に
移しかえた。ビーカーは、加温したn−ヘキサンで2回
洗浄し、洗浄液を同じ蒸発皿に加えた。この蒸発皿をさ
らに高純度窒素の気流下でスチームバスにより濃縮を行
い、最終的には全ての溶剤を蒸発させた。残渣のはいっ
た蒸発皿を真空デシケータに移し、12時間以上放置し
た後、乾燥残渣の正味の重量を0.0001gの精度で
秤量した。その結果は、試験に使用したn−ヘキサン中
の不揮発性物質に相当する空試験値で補正した。以上の
方法による結果からn−ヘキサン可溶分を以下の式で算
出した。 n−ヘキサン可溶分(重量%)=(残渣重量(g) /試料
重量(g) )×100
れる方法に従った。具体的には、樹脂2.5±0.00
1gをフラスコにとり、n−ヘキサン1000mlを加
え、あらかじめ50℃に調整したウォーターバスにフラ
スコを入れ、加熱を行った。フラスコ中のn−ヘキサン
の温度が50℃に達してから、マグネット式スターラー
により撹拌しながら、正確に2時間放置した。その後、
n−ヘキサンが温かいうちに、濾紙を用いて、自然濾過
を行った。濾液は、あらかじめ精秤したフラスコに採取
し、回収濾液を秤量した結果、回収濾液は、最初の仕込
み量に対していずれも90%以上回収した。次に溶剤濾
液の約半分を、1リットルのビーカーに移し、スチーム
バスを用いて加熱、濃縮を行った。濃縮の間、ビーカー
内に高純度の窒素ガスを吹き付けた。ビーカー内の溶剤
量が蒸発により減少したところで、さらに残りの溶剤濾
液を加え、最後には全ての溶剤濾液を移した。濃縮液
が、約50ミリリットルになった時点で、その濃縮液を
あらかじめ重量を測った100ミリリットルの蒸発皿に
移しかえた。ビーカーは、加温したn−ヘキサンで2回
洗浄し、洗浄液を同じ蒸発皿に加えた。この蒸発皿をさ
らに高純度窒素の気流下でスチームバスにより濃縮を行
い、最終的には全ての溶剤を蒸発させた。残渣のはいっ
た蒸発皿を真空デシケータに移し、12時間以上放置し
た後、乾燥残渣の正味の重量を0.0001gの精度で
秤量した。その結果は、試験に使用したn−ヘキサン中
の不揮発性物質に相当する空試験値で補正した。以上の
方法による結果からn−ヘキサン可溶分を以下の式で算
出した。 n−ヘキサン可溶分(重量%)=(残渣重量(g) /試料
重量(g) )×100
【0045】(7)ヘイズ(透明性) ASTM D1003−61に準拠して測定した。 (8)抗ブロッキング性 成形フィルムを23±2℃、50±5%RHで24時間
以上状態調整後、2枚の成形フィルムを接触面積が10
0cm2 (10cm×10cm)になるよう重ね合わ
せ、40℃に調整されたオーブン中、400g/cm2
の荷重下、7日間密着させた。その後、マッケンジーブ
ロッキングテスター(島津製作所製)を用い、剥離荷重
速度20g/分で剪断力を加えずに垂直方向に剥離させ
る為に必要な荷重量を測定した。この値が小さい程、抗
ブロッキングが優れる。
以上状態調整後、2枚の成形フィルムを接触面積が10
0cm2 (10cm×10cm)になるよう重ね合わ
せ、40℃に調整されたオーブン中、400g/cm2
の荷重下、7日間密着させた。その後、マッケンジーブ
ロッキングテスター(島津製作所製)を用い、剥離荷重
速度20g/分で剪断力を加えずに垂直方向に剥離させ
る為に必要な荷重量を測定した。この値が小さい程、抗
ブロッキングが優れる。
【0046】(9)低温ヒートシール性 本発明の樹脂組成物からなるフィルムを延伸ナイロンな
どの基材にラミネートして得られた2枚の複合フィルム
を15mm幅に切り出し、樹脂組成物からなる層どうし
を重ね合わせ、テスター産業社製ヒートシーラーを用い
て、シール面圧力1.0kg/cm2 、シール時間1.
0秒の条件でシール幅10mmのヒートシールを行っ
た。シールバーの温度を5℃ずつ変えて同様にヒートシ
ールを行った。これから、シール面に直角方向に幅15
mmの試片を切り出し、ショッパー型引張り試験機を用
いて200mm/分の速度で180°剥離強度を測定し
た。低温ヒートシール性は、上記条件で測定したシール
強度が4kg/15mm幅を越える時の最低温度(ヒー
トシール発現温度)を示す。この温度が低いほど低温ヒ
ートシール性が良好であることを示す。
どの基材にラミネートして得られた2枚の複合フィルム
を15mm幅に切り出し、樹脂組成物からなる層どうし
を重ね合わせ、テスター産業社製ヒートシーラーを用い
て、シール面圧力1.0kg/cm2 、シール時間1.
0秒の条件でシール幅10mmのヒートシールを行っ
た。シールバーの温度を5℃ずつ変えて同様にヒートシ
ールを行った。これから、シール面に直角方向に幅15
mmの試片を切り出し、ショッパー型引張り試験機を用
いて200mm/分の速度で180°剥離強度を測定し
た。低温ヒートシール性は、上記条件で測定したシール
強度が4kg/15mm幅を越える時の最低温度(ヒー
トシール発現温度)を示す。この温度が低いほど低温ヒ
ートシール性が良好であることを示す。
【0047】(10)低温ホットタック性および高温ホ
ットタック性 (4)と同様にして得られた、15mm幅の2枚の複合
フィルムの樹脂組成物からなる層どうしを重ね合わせ、
片方には滑車を介して10g〜200g(10g単位)
の荷重をかけておき、テスター産業社製ヒートシーラー
を用いて、シール面圧力1.3kg/cm2 、シール時
間0.3秒の条件でシール幅20mmのヒートシールを
行った。シール終了と同時に荷重が落下し、シール終了
から0.14秒後に、シール面に荷重により剥離力がか
かることになる。30gの荷重をかけシールバー温度
(ヒートシール温度)を110〜160℃の範囲で5℃
ずつ変えてゆき、試験を行うことにより、各シール温度
における剥離距離を測定した。低温ホットタック性は、
剥離距離が8mmを越える時の低温側の温度、すなわち
低温ホットタック性発現温度で示した。低温ホットタッ
ク性発現温度が低い程、低温ホットタック性が良好であ
ることを示す。また高温ホットタック性は、剥離距離が
8mmを越える時の高温側の温度、すなわち高温ホット
タック性発現温度で示した。高温ホットタック性発現温
度が高い程、高温ホットタック性が良好であることを示
す。
ットタック性 (4)と同様にして得られた、15mm幅の2枚の複合
フィルムの樹脂組成物からなる層どうしを重ね合わせ、
片方には滑車を介して10g〜200g(10g単位)
の荷重をかけておき、テスター産業社製ヒートシーラー
を用いて、シール面圧力1.3kg/cm2 、シール時
間0.3秒の条件でシール幅20mmのヒートシールを
行った。シール終了と同時に荷重が落下し、シール終了
から0.14秒後に、シール面に荷重により剥離力がか
かることになる。30gの荷重をかけシールバー温度
(ヒートシール温度)を110〜160℃の範囲で5℃
ずつ変えてゆき、試験を行うことにより、各シール温度
における剥離距離を測定した。低温ホットタック性は、
剥離距離が8mmを越える時の低温側の温度、すなわち
低温ホットタック性発現温度で示した。低温ホットタッ
ク性発現温度が低い程、低温ホットタック性が良好であ
ることを示す。また高温ホットタック性は、剥離距離が
8mmを越える時の高温側の温度、すなわち高温ホット
タック性発現温度で示した。高温ホットタック性発現温
度が高い程、高温ホットタック性が良好であることを示
す。
【0048】本実施例で用いたサンプルとして以下のも
のを使用した。(a) 成分のエチレン・α−オレフィン共重合体 (1)共重合体1 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.9
12、MFR=2.0g/10分、Tm=121℃) (2)共重合体2 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.9
18、MFR=2.1g/10分、Tm=121℃) (3)共重合体3 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.9
08、MFR=2.0g/10分、Tm=119℃) 上記のエチレン・α−オレフィン共重合体はいずれもチ
タン系触媒を用いた高圧イオン重合により製造された。
のを使用した。(a) 成分のエチレン・α−オレフィン共重合体 (1)共重合体1 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.9
12、MFR=2.0g/10分、Tm=121℃) (2)共重合体2 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.9
18、MFR=2.1g/10分、Tm=121℃) (3)共重合体3 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.9
08、MFR=2.0g/10分、Tm=119℃) 上記のエチレン・α−オレフィン共重合体はいずれもチ
タン系触媒を用いた高圧イオン重合により製造された。
【0049】(b) 成分のエチレン・α−オレフィン共
重合体 (1)共重合体4 エチレン−1−ブテンランダム共重合体(d=0.89
5g/cm3 、MFR=2.0g/10分、Tm=84
℃、Mn=95400、Q=2.0) (2)共重合体5 エチレン−1−ブテンランダム共重合体(d=0.90
6g/cm3 、MFR=1.9g/10分、Tm=96
℃、DSCによる融解ピークの数=1、Mn=9700
0、Q=2.1) (3)共重合体6 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.8
95g/cm3 、MFR=1.7g/10分、Tm=8
4℃、Mn=98200、Q=2.0) (4)共重合体7 エチレン−1−ブテンランダム共重合体(d=0.90
9g/cm3 、MFR=2.0g/10分、Tm=11
9℃、Mn=72800、Q=3.7) 上記のエチレン・α−オレフィン共重合体は、共重合体
6、7以外はいずれもバナジウム系触媒を用いた溶液重
合により製造された。共重合体6は、メタロセン系触媒
を用いた溶液重合により製造された。共重合体7はチタ
ン系触媒を用いた高圧イオン重合により製造された。
重合体 (1)共重合体4 エチレン−1−ブテンランダム共重合体(d=0.89
5g/cm3 、MFR=2.0g/10分、Tm=84
℃、Mn=95400、Q=2.0) (2)共重合体5 エチレン−1−ブテンランダム共重合体(d=0.90
6g/cm3 、MFR=1.9g/10分、Tm=96
℃、DSCによる融解ピークの数=1、Mn=9700
0、Q=2.1) (3)共重合体6 エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体(d=0.8
95g/cm3 、MFR=1.7g/10分、Tm=8
4℃、Mn=98200、Q=2.0) (4)共重合体7 エチレン−1−ブテンランダム共重合体(d=0.90
9g/cm3 、MFR=2.0g/10分、Tm=11
9℃、Mn=72800、Q=3.7) 上記のエチレン・α−オレフィン共重合体は、共重合体
6、7以外はいずれもバナジウム系触媒を用いた溶液重
合により製造された。共重合体6は、メタロセン系触媒
を用いた溶液重合により製造された。共重合体7はチタ
ン系触媒を用いた高圧イオン重合により製造された。
【0050】(c) 成分の有機系抗ブロッキング剤 (1)ABA−1 エポスターMA1006(日本触媒社製)重量平均粒子
径=6.5μ、nD(25℃)=1.49 (2)ABA−2 エポスターMA1010(日本触媒社製)重量平均粒子
径=10.5μ、nD(25℃)=1.49 (3)ABA−3 メチルメタアクリレートとスチレンの架橋共重合樹脂粉
末 重量平均粒子径=10.2μ、nD(25℃)=
1.52 (4)ABA−4 メチルメタアクリレートとスチレンの架橋共重合樹脂粉
末 重量平均粒子径=6.0μ、nD(25℃)=1.
54 (5)ABA−5 架橋ポリスチレン粒子 SP−40R(綜研化学社製)
重量平均粒子径=4.0μ、nD(25℃)=1.59 (6)ABA−6 シルトンJC(水澤化学工業社製)重量平均粒子径=
4.9μ (7)ABA−7 ダイカライトWF(林化成社製)重量平均粒子径=5.
5μ (1)、(2)は、いずれも架橋ポリメタクリル酸メチ
ル粉末である。(3)、(4)は、いずれも架橋された
メタクリル酸メチルとスチレンの共重合樹脂粉末であ
る。(5)は架橋ポリスチレン樹脂粉末である。
(6)、(7)は、いずれも無機系抗ブロッキング剤で
ある。
径=6.5μ、nD(25℃)=1.49 (2)ABA−2 エポスターMA1010(日本触媒社製)重量平均粒子
径=10.5μ、nD(25℃)=1.49 (3)ABA−3 メチルメタアクリレートとスチレンの架橋共重合樹脂粉
末 重量平均粒子径=10.2μ、nD(25℃)=
1.52 (4)ABA−4 メチルメタアクリレートとスチレンの架橋共重合樹脂粉
末 重量平均粒子径=6.0μ、nD(25℃)=1.
54 (5)ABA−5 架橋ポリスチレン粒子 SP−40R(綜研化学社製)
重量平均粒子径=4.0μ、nD(25℃)=1.59 (6)ABA−6 シルトンJC(水澤化学工業社製)重量平均粒子径=
4.9μ (7)ABA−7 ダイカライトWF(林化成社製)重量平均粒子径=5.
5μ (1)、(2)は、いずれも架橋ポリメタクリル酸メチ
ル粉末である。(3)、(4)は、いずれも架橋された
メタクリル酸メチルとスチレンの共重合樹脂粉末であ
る。(5)は架橋ポリスチレン樹脂粉末である。
(6)、(7)は、いずれも無機系抗ブロッキング剤で
ある。
【0051】有機系抗ブロッキング剤マスターバッチの
製造 有機系抗ブロッキング剤のポリオレフィン樹脂への配合
は、バンバリーミキサーを用い、有機系抗ブロッキング
剤をあらかじめ(b) 成分のエチレン・α−オレフィン
共重合体と同一の樹脂に10重量%の濃度で溶融混練し
マスターバッチとした後、本発明の規定を満足するよう
にマスターバッチを混合して使用した。
製造 有機系抗ブロッキング剤のポリオレフィン樹脂への配合
は、バンバリーミキサーを用い、有機系抗ブロッキング
剤をあらかじめ(b) 成分のエチレン・α−オレフィン
共重合体と同一の樹脂に10重量%の濃度で溶融混練し
マスターバッチとした後、本発明の規定を満足するよう
にマスターバッチを混合して使用した。
【0052】脂肪酸アミド化合物マスターバッチの製造 バンバリーミキサーを用い、エルカ酸アミド化合物を
(b) 成分のエチレン・α−オレフィン共重合体と同一
の樹脂に4.0重量%の濃度で溶融混練しマスターバッ
チとした。
(b) 成分のエチレン・α−オレフィン共重合体と同一
の樹脂に4.0重量%の濃度で溶融混練しマスターバッ
チとした。
【0053】ポリエチレン系樹脂組成物の調製および単
層フィルムの製造 (a) 成分、(b) 成分のエチレン・α−オレフィン共
重合体ペレットおよび(c)成分の有機系抗ブロッキン
グ剤をドライブレンドし、ダイ幅400mm、ダイリッ
プ0.7mmのTダイおよび50mmφ単軸押出機から
なる田辺プラスチックス製フィルム成形機を用いて、1
0kg/hrの押出速度、240℃のダイ設定温度、7
5℃のチルロール温度で、50μm厚さのフィルムを得
た。さらに装置に取り付けられたコロナ処理機により、
フィルム表面の表面張力が42〜45dyne/cmと
なるようにコロナ処理を施した。
層フィルムの製造 (a) 成分、(b) 成分のエチレン・α−オレフィン共
重合体ペレットおよび(c)成分の有機系抗ブロッキン
グ剤をドライブレンドし、ダイ幅400mm、ダイリッ
プ0.7mmのTダイおよび50mmφ単軸押出機から
なる田辺プラスチックス製フィルム成形機を用いて、1
0kg/hrの押出速度、240℃のダイ設定温度、7
5℃のチルロール温度で、50μm厚さのフィルムを得
た。さらに装置に取り付けられたコロナ処理機により、
フィルム表面の表面張力が42〜45dyne/cmと
なるようにコロナ処理を施した。
【0054】複合フィルムの製造 康井精機製卓上型テストコーターを用いて、前記のポリ
エチレン系樹脂組成物単層フィルムを、2g/m2 とな
るようにエステル系接着剤を塗布した厚さ15μmの延
伸ナイロン基材フィルムに、40℃、3kg/cm2 で
圧着させた後、40℃で2日間、加熱熟成することによ
りドライラミネーション複合フィルムを得た。
エチレン系樹脂組成物単層フィルムを、2g/m2 とな
るようにエステル系接着剤を塗布した厚さ15μmの延
伸ナイロン基材フィルムに、40℃、3kg/cm2 で
圧着させた後、40℃で2日間、加熱熟成することによ
りドライラミネーション複合フィルムを得た。
【0055】実施例1〜5、比較例1〜6 (a) 成分のエチレン・α−オレフィン共重合体、
(b) 成分のエチレン・α−オレフィン共重合体および
(c)成分の有機系抗ブロッキング剤を表1、2、5及
び6にそれぞれ示した割合で混合し、前記の方法により
フィルム化を行った。そのフィルムのn−ヘキサン可溶
分を測定した。さらにこのフィルムを前述の方法によ
り、延伸ナイロン基材にドライラミネート法により貼り
合わせた後、ヘイズ、抗ブロッキング性、低温ヒートシ
ール性、低温ホットタック性、高温ホットタック性を評
価した。結果を表3、4、7及び8にそれぞれ示す。
(b) 成分のエチレン・α−オレフィン共重合体および
(c)成分の有機系抗ブロッキング剤を表1、2、5及
び6にそれぞれ示した割合で混合し、前記の方法により
フィルム化を行った。そのフィルムのn−ヘキサン可溶
分を測定した。さらにこのフィルムを前述の方法によ
り、延伸ナイロン基材にドライラミネート法により貼り
合わせた後、ヘイズ、抗ブロッキング性、低温ヒートシ
ール性、低温ホットタック性、高温ホットタック性を評
価した。結果を表3、4、7及び8にそれぞれ示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【表8】
【0064】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明のポリエ
チレン系樹脂組成物は、ヒートシール性の発現する温度
が低く、かつ温度領域が広く、炭化水素溶媒に対する抽
出性が少なく、優れた透明性などの光学的性質を維持し
ながら抗ブロッキング性が極めて優れるといった特徴を
有し、さらに外観、光沢性、衝撃強度、引裂強度などの
物性バランスに優れ、包装用フィルムとして重要な性質
すべてを満足するものである。本発明のポリエチレン系
樹脂組成物からなるフィルムは、単層フィルムまたは複
合フィルムの形態で、こんにゃく、漬物などのように水
とともに包装される食品類、ミルク、酒、醤油などの液
体の食品類、菓子などのような乾燥した食品類、ハム・
ソーセージなど加工肉類の包装等の食品の包装の他、電
気・電子部品、機械部品、家電製品、雑貨など多様な製
品の包装に利用することができる。
チレン系樹脂組成物は、ヒートシール性の発現する温度
が低く、かつ温度領域が広く、炭化水素溶媒に対する抽
出性が少なく、優れた透明性などの光学的性質を維持し
ながら抗ブロッキング性が極めて優れるといった特徴を
有し、さらに外観、光沢性、衝撃強度、引裂強度などの
物性バランスに優れ、包装用フィルムとして重要な性質
すべてを満足するものである。本発明のポリエチレン系
樹脂組成物からなるフィルムは、単層フィルムまたは複
合フィルムの形態で、こんにゃく、漬物などのように水
とともに包装される食品類、ミルク、酒、醤油などの液
体の食品類、菓子などのような乾燥した食品類、ハム・
ソーセージなど加工肉類の包装等の食品の包装の他、電
気・電子部品、機械部品、家電製品、雑貨など多様な製
品の包装に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 23/08 33:06)
Claims (9)
- 【請求項1】(a)エチレンおよび炭素数が3〜12の
α−オレフィンからなり、密度0.900〜0. 940
g/cm3 、メルトフローレート0. 5〜30g/10
分、示差走査熱量計による最高融解ピーク温度が110
℃以上であるエチレン・α−オレフィン共重合体5〜9
5重量部、(b) エチレンおよび炭素数が3〜12のα
−オレフィンからなり、密度0. 880〜0. 920g
/cm3 、メルトフローレート0. 5〜30g/10
分、GPC法により測定された数平均分子量が35, 0
00〜150, 000であり、重量平均分子量/数平均
分子量なる比で表される分子量分布が1. 8〜3. 0、
示差走査熱量計による最高融解ピーク温度が60℃以上
110℃未満の範囲内に観測されるエチレン・α−オレ
フィン共重合体95〜5重量部、及び(a)と(b)の
合計100重量部に対し、(c)重量平均粒子径が1〜
20μである有機系抗ブロッキング剤0.01〜5重量
部を含有する樹脂組成物であって、該樹脂組成物のn−
ヘキサン可溶分が6重量%以下であることを特徴とする
ポリエチレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】(a) 成分のエチレン・α−オレフィン共
重合体が、チタン系化合物及び有機アルミニウム化合物
からなる触媒系の存在下に重合して得られる共重合体で
ある請求項1記載のポリエチレン系樹脂組成物。 - 【請求項3】(a) 成分のエチレン・α−オレフィン共
重合体の示差走査熱量計による吸熱ピークが2本以上存
在する請求項1記載のポリエチレン系樹脂組成物。 - 【請求項4】(a) 成分のエチレン・α−オレフィン共
重合体を構成するα−オレフィンの炭素数が3〜8であ
る請求項1記載のポリエチレン系樹脂組成物。 - 【請求項5】(b) 成分のエチレン・α−オレフィン共
重合体の示差走査熱量計による吸熱ピークが唯1本のみ
存在する請求項1記載のポリエチレン系樹脂組成物。 - 【請求項6】(c)成分の有機系抗ブロッキング剤の2
5℃で測定される屈折率nDが1.45〜1.59の範
囲にある請求項1記載のポリエチレン系樹脂組成物。 - 【請求項7】(c)成分の有機系抗ブロッキング剤が架
橋アクリル系樹脂粉末である請求項1記載のポリエチレ
ン系樹脂組成物。 - 【請求項8】(c)成分の有機系抗ブロッキング剤が架
橋ポリメタクリル酸メチル粉末である請求項1記載のポ
リエチレン系樹脂組成物。 - 【請求項9】(c)成分の有機系抗ブロッキング剤がメ
タクリル酸メチルとスチレンとの共重合体よりなる架橋
樹脂粉末である請求項1記載のポリエチレン系樹脂組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24581495A JPH0987442A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | ポリエチレン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24581495A JPH0987442A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | ポリエチレン系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0987442A true JPH0987442A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17139254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24581495A Pending JPH0987442A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | ポリエチレン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0987442A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100350331C (zh) * | 1999-02-24 | 2007-11-21 | 兄弟工业株式会社 | 具有调色剂搅拌件和清洁透光窗的清洁件的显影装置 |
JP2014074117A (ja) * | 2012-10-04 | 2014-04-24 | Mitsubishi Plastics Inc | 高周波溶着性シート |
JP2016516859A (ja) * | 2013-04-10 | 2016-06-09 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 改善されたダート衝撃抵抗を有するフィルム |
-
1995
- 1995-09-25 JP JP24581495A patent/JPH0987442A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100350331C (zh) * | 1999-02-24 | 2007-11-21 | 兄弟工业株式会社 | 具有调色剂搅拌件和清洁透光窗的清洁件的显影装置 |
JP2014074117A (ja) * | 2012-10-04 | 2014-04-24 | Mitsubishi Plastics Inc | 高周波溶着性シート |
JP2016516859A (ja) * | 2013-04-10 | 2016-06-09 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 改善されたダート衝撃抵抗を有するフィルム |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040512 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040518 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040716 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040824 |