JPH0986966A - 熱線反射ガラス - Google Patents

熱線反射ガラス

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JPH0986966A
JPH0986966A JP7252169A JP25216995A JPH0986966A JP H0986966 A JPH0986966 A JP H0986966A JP 7252169 A JP7252169 A JP 7252169A JP 25216995 A JP25216995 A JP 25216995A JP H0986966 A JPH0986966 A JP H0986966A
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JP
Japan
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glass
coating
cobalt
chromium
iron
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JP7252169A
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English (en)
Inventor
Yasuto Sakai
康人 阪井
Koichi Ataka
功一 安宅
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/3411Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials
    • C03C17/3417Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials all coatings being oxide coatings

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  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱を伴う強化処理等を施しても可視光透過
率等膜特性が変化しにくい熱線反射ガラスを得る。 【解決手段】 ガラス板上に、コバルト、鉄及びクロム
を含む酸化物を主成分とし、膜厚が10〜70nmであ
り、2層構造を為しており、ガラス側の第1の被膜と空
気側の第2の被膜との単位面積当たりの総金属量に占め
るコバルト、鉄及びクロムの重量百分率がそれぞれ以下
の条件を満たす被膜を形成した熱線反射ガラス。第1の
被膜;コバルト65〜96%、クロム2〜25%、鉄2
〜33%、第2の被膜;およびのうち少なくとも一
方を満たすこと、コバルト2〜96%、クロム2〜8
%または18〜96%、鉄2〜96%、コバルト2〜
96%、クロム2〜96%、鉄2〜10%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車・車両用あ
るいは建築用の熱線反射ガラスの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車・車両用あるいは建築用の
ガラスには、冷房負荷の軽減あるいは直接太陽光による
熱暑感の低減を目的として、可視光透過率の小さな熱線
反射ガラスが用いられている。このような可視光透過率
の小さい熱線反射ガラスは、プライバシーの保護という
観点からも利用価値が高い。従来これらの要求に応える
熱線反射ガラスとしては、窒化チタンや銀といった導電
性の高い物質を、蒸着法やスパッタリング法などで成膜
することにより得られていた。また、コバルト、クロ
ム、ニッケルなどを含む酸化物被膜を熱分解によりガラ
ス上に形成する方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
被膜製造方法において窒化チタンや銀といった導電性の
高い物質を蒸着法やスパッタリング法などで成膜する方
法は製造コストが高いという問題がある。一方、酸化物
被膜を熱分解でガラス上に形成する方法は、操作が簡便
であり製造コストが安価であるものの、酸化物被膜の組
成によっては、被膜を形成したガラスに強化処理等を施
す際に、透過率が大きく変化したり、膜の耐薬品性が劣
化する場合があった。
【0004】本発明は、これら問題点を解決するために
なされたものであって、特に強化処理等を施しても透過
率など膜特性が変化しにくく安価に製造しうる熱線反射
ガラスを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1に係る熱線
反射ガラスは、ガラス板と、その主表面上に形成したコ
バルト、鉄及びクロムを含む酸化物を主成分とする被膜
とからなる熱線反射ガラスにおいて、前記被膜は、膜厚
が10nm〜70nmであり、前記ガラス板の側から膜
厚方向に第1の被膜と第2の被膜からなる2層構造をな
し、これら第1の被膜と第2の被膜の単位面積当たりの
総金属量に占めるコバルト、鉄及びクロムの重量百分率
がそれぞれ以下の条件を満たすことを特徴とする。 第1の被膜 コバルト:65〜96% クロム : 2〜25% 鉄 : 2〜33% 第2の被膜 下記及びの少なくとも一方を満たすこと コバルト: 2〜96% クロム : 2〜8%または18〜96% 鉄 : 2〜96% コバルト: 2〜96% クロム : 2〜96% 鉄 : 2〜10%
【0006】後述のように、前記第1の被膜は耐アルカ
リ性に優れ、前記第2の被膜は耐酸性に優れている。こ
れら被膜は、ガラス中のアルカリ成分または空気中の酸
素との関係においてその特性を発揮するのであるが、こ
の耐アルカリ性または耐酸性が十分に発揮されるために
は、それぞれの被膜の膜厚が5nm以上であることが好
ましい。
【0007】本発明の第2に係る熱線反射ガラスは、こ
の好ましい最低限度の膜厚を考慮したものであり、ガラ
ス板と、その主表面上に形成したコバルト、鉄及びクロ
ムを含む酸化物を主成分とする被膜とからなる熱線反射
ガラスにおいて、前記被膜は、膜厚が10〜70nmで
あり、前記ガラス板の側から膜厚方向に5nmまでのガ
ラス側部分と、この被膜の最外側から膜厚方向に5nm
までの空気側部分との単位面積当たりの総金属量に占め
るコバルト、鉄及びクロムの重量百分率がそれぞれ前記
第1の被膜の範囲と前記第2の被膜の範囲にあることを
特徴とする。なお、空気側部分の重量百分率は、前記第
2の被膜と同様、前記およびの少なくとも一方を満
たせばよい。
【0008】本発明の第2においては、被膜全体のガラ
ス側部分と空気側部分の単位面積当たりの総金属量に占
めるコバルト等の重量百分率が所定の範囲にあれば足
り、これら部分間の被膜の前記重量百分率は、被膜を形
成したガラス板が熱線反射ガラスとして機能を保持する
限りにおいて特に限定されない。この被膜中間部分の重
量百分率は、例えば、いずれか一方の部分と同じでもよ
く、いずれか一方の部分の重量百分率から他方の部分の
重量百分率まで連続的に変化してもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る被膜をガラス板上に
形成する方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法
など種々の方法が考えられるが、加熱したガラス基板表
面において、コバルト、クロム、鉄の化合物を熱分解酸
化反応でコバルト、クロム、鉄の酸化物膜として、ガラ
ス表面上に成膜する方法が最も容易で好ましい。この熱
分解酸化反応による成膜方法としては金属化合物をガラ
ス上に塗布した後に焼成する方法、高温に加熱されたガ
ラス上に金属化合物の蒸気を送って酸化反応により成膜
する化学気相法(CVD法)、金属化合物の粉末を吹き
付ける粉末法、金属化合物を有機溶剤や水に溶解もしく
は分散させた被膜形成溶液を微小な液滴として吹き付け
るスプレー法などがある。このうち、操作の簡便さや製
造コストなどの観点からはスプレー法が好ましい。特
に、フロート法などで作製されるリボン状ガラスが高温
状態にあるときにスプレー法で成膜を行うと、ガラスを
洗浄、加熱する必要がないため、より製造コストの低減
を図ることができる。
【0010】本発明に係る被膜をスプレー法で形成する
場合の原料としては、コバルト、クロム、鉄の金属化合
物が液体の溶媒中に溶解しているものが一般的である。
ここで、コバルト化合物としてはジプロピオニルメタン
コバルト、アセチルアセトンコバルト(2価塩、3価塩
のいずれも可)、酢酸コバルト、塩化コバルト、安息香
酸コバルト、ほう酸コバルト、臭化コバルト、硝酸コバ
ルト、ふっ化コバルト、よう化コバルト、しゅう酸コバ
ルト、りん酸コバルト、亜りん酸コバルト、ステアリン
酸コバルト、硫酸コバルトなどが、クロム化合物として
はアセチルアセトンクロム、酢酸第二クロム、塩化第一
クロム、塩化第二クロム、蟻酸第二クロム、ふっ化第二
クロム、硫酸クロムアンモニウム、水酸化第二クロム、
硝酸第二クロム、りん酸第二クロム、硫酸カリウムクロ
ム、硫酸第二クロムなどが、鉄化合物としてはアセチル
アセトン鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、くえん酸第二
鉄、しゅう酸第二鉄アンモニウム、硫酸第二鉄アンモニ
ウム、フルオほう酸鉄、ふっ化第二鉄、フルオ珪酸鉄、
乳酸第二鉄、硝酸第二鉄、しゅう酸第一鉄、りん酸第一
鉄、りん酸第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、酒石酸第
一鉄などが挙げられる。これらの金属化合物を溶解する
溶媒としては、芳香族やエステル、ケトン、アルコー
ル、エーテルなどの有機溶剤が一般的である。
【0011】一方、ガラス板としてはソーダライムシリ
カガラスが一般的であるが特に限定されず、例えば、微
量着色成分を添加して着色したソーダライムシリカガラ
スを用いることにより、光学特性や色調を調整すること
も商品特性を高める上で好ましい。特に、自動車用ガラ
スとして供する場合には、外観がグリーンの着色された
ソーダライムシリカガラスを用いると美感がさらに優れ
たものとなる。
【0012】また、反射率の低減や色調の微調整のため
に、被膜中にニッケル、シリコン、アルミニウム、アン
チモン、チタン、亜鉛、錫、銅、インジウム、ビスマ
ス、バナジウム、マンガン、ジルコニウムなどを適宜添
加してもよい。
【0013】本発明においては、かかる反射率低減や色
調微調整を、異なる屈折率、色調を有する被膜各部分ま
たは被膜各層の組み合わせによっても為しうるところで
あり、被膜化学的耐久性向上の要請に応えつつも被膜組
成範囲の自由度の大きい本発明は、被膜の色調等を広範
かつ容易に調整しうる点にも特徴を有する。
【0014】本発明に係る熱線反射ガラスをスプレー法
にて製造する場合、被膜形成溶液における好ましい金属
化合物含有量は、あらかじめ使用装置に応じて実験的に
決めておく必要がある。この含有量は、スプレー時の基
板温度、スプレーに用いるノズル、ガスの排気機構、成
膜速度などに応じた最適範囲が存在する。すなわち、吹
き付け液中の金属化合物の総量が少なすぎれば十分な成
膜速度が得られず、逆に多すぎれば良好な膜厚分布が得
られない。
【0015】被膜のうちガラス板に接する部分または層
の単位面積当たりの総金属量に占めるコバルトの重量百
分率が65%よりも少ない場合、あるいは単位面積当た
りの総金属量に占めるクロムの重量百分率が25%より
も多い場合には、ガラスに加熱を伴う強化処理等を施す
と、可視光透過率の増大が生じたり、耐アルカリ性が悪
くなるので好ましくない。この理由としては、強化処理
等における熱エネルギーにより、ガラスに含まれるアル
カリ成分であるナトリウムと被膜に含まれるクロムが反
応してクロム酸ソーダを生成し、同時にコバルトの状態
が変化するためであると考えられる。すなわち、コバル
トの状態変化が可視光透過率の変化を導き、クロム酸ソ
ーダの生成が耐アルカリ性の劣化を導くと推察される。
従って、単位面積当たりの総金属量に占めるコバルトお
よびクロムの重量百分率をそれぞれ65%以上および2
5%以下とすることが好ましく、さらに可視光透過率の
変化が少なく良好な耐アルカリ性を保持させるにはコバ
ルトおよびクロムの重量百分率をそれぞれ70%以上お
よび15%以下とすることがより好ましい。
【0016】単位面積当たりの総金属量に占めるコバル
トの重量百分率が90%よりも多くなると、同じく加熱
を伴う強化処理を施した場合に、該酸化物被膜に含まれ
るコバルトが原因と推定されるくもりが発生しやすくな
り、外観上の問題が生じるので好ましくない。従って、
外観上の問題が重視される場合には、コバルトの重量百
分率を90%以下とすることが好ましい。
【0017】被膜のうち空気に接する部分または層の単
位面積当たりの総金属量に占める鉄の重量百分率が10
%よりも多くかつ単位面積当たりの総金属量に占めるク
ロムの重量百分率が8%よりも多く18%未満である範
囲においては、耐酸性が十分ではない。一般的に熱線反
射被膜の耐酸性は、基材に加熱を伴う強化処理を施した
場合には良好となる傾向があるが、上記範囲においては
強化処理後においても耐酸性は良好とならない。従っ
て、被膜のうち空気に接する部分または層の単位面積当
たりの総金属量に占める鉄およびクロムの重量百分率
は、鉄の重量百分率が10%以下であること、クロムの
重量百分率が8%以下であることおよびクロムの重量百
分率が18%以上であることからなる一群の条件のうち
少なくとも一つを満たすようにすることが好ましい。
【0018】このように、被膜のうちガラス側に接する
部分および空気側に接する部分は、それぞれガラス(ア
ルカリ成分)との関係における耐アルカリ性および空気
(酸素)との関係における耐酸性を確保する作用を有す
るものであるから、これら被膜の部分には、それぞれの
作用を発揮するに好ましい最低限の厚さが存在する。本
発明者らの研究によると、この厚さは、5nmであり、
さらに好ましくは10nmである。
【0019】本発明に係る熱線反射ガラスは、強化処理
等を施しても透過率等膜特性が変化しにくいものであ
る。すなわち、上述のスプレー法等熱分解酸化反応によ
り、本発明に係る熱線反射ガラスを製造する工程と、こ
の熱線反射ガラスに前記ガラス板の歪点以上軟化点以下
の温度までの加熱を伴う成形および/または強化処理を
施す工程とを含む熱線反射加工ガラスの製造方法によ
り、膜特性の良好な自動車用等の熱線反射熱処理ガラス
を製造することができる。
【0020】この熱線反射熱処理ガラスは、代表的に
は、平板または曲げの強化ガラスであり、場合によって
は、PVB等のプラスチック中間膜を介して2枚以上の
曲げガラス板を接合した合わせガラスとすることもでき
る。
【0021】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明す
る。 (実施例1)大きさが150mm×150mm、厚みが
3.4mmで、実体色が緑色を有するソーダライムガラ
ス(可視光透過率81.1%)を洗浄、乾燥して基材と
した。この基材を吊り具によって固定し、650℃に設
定された電気炉内にて5分間保持し、その後に取り出し
て、トルエン100ミリリットルに対して3価のコバル
トのジプロピオニルメタンを11.18g、3価の鉄の
アセチルアセトナートを1.92g、クロムのアセチル
アセトナートを1.90gを溶解させた原料液を市販の
スプレーガンを用いて基材上に約5秒間、空気圧3.0
kg/cm2 、空気量90リットル/分、噴霧量20ミ
リリットル/分の条件下で吹き付けて第1の被膜を形成
した。次に、トルエン100ミリリットルに対して3価
のコバルトのジプロピオニルメタンを9.80g、3価
の鉄のアセチルアセトナートを1.96g、クロムのア
セチルアセトナートを3.24gを溶解させた原料液を
第1の被膜の上に上述の条件で吹き付けて第2の被膜を
形成した。
【0022】この熱線反射ガラスについて、可視光透過
率および日射透過率を求め、さらに高周波プラズマ発光
分析により被膜の単位面積当たりの総金属量に占めるコ
バルト、鉄およびクロムの重量百分率を求めた。
【0023】次に、この熱線反射ガラスに対して、ガラ
スの強化処理の際の一般的な加熱条件(650℃の温度
で5分間の加熱処理)で電気炉により加熱処理した。そ
の後、再度可視光透過率を求め、加熱処理前後の変化を
調べた。同時に、加熱処理による外観上の検査も実施し
た。以上の結果を、表1に示す。
【0024】また、加熱処理後の試料に対し、耐薬品性
試験として1規定の硫酸および水酸化ナトリウム水溶液
に40℃の環境で24時間浸漬した後の該被膜の劣化状
態を観察した。その結果を表2に示す。なお、ここで、
ほとんど劣化が観測されない場合には○とし、劣化がわ
ずかに認められた場合には△とし、劣化が明らかな場合
には×とした。
【0025】(実施例2)トルエン100ミリリットル
に対して3価のコバルトのジプロピオニルメタンを1
2.50g、3価の鉄のアセチルアセトナートを1.8
8g、クロムのアセチルアセトナートを0.62g溶解
させたものを第1の被膜を形成するための原料液とし、
トルエン100ミリリットルに対して3価のコバルトの
ジプロピオニルメタンを13.53g、3価の鉄のアセ
チルアセトナートを0.74g、クロムのアセチルアセ
トナートを0.73g溶解させたものを第2の被膜を形
成するための原料液とした他は、実施例1と同様の方法
により熱線反射ガラスを作製し、加熱処理を行った。ま
た、評価についても同様に行った。その結果を表1およ
び表2に併せて示す。
【0026】(比較例1)トルエン100ミリリットル
に対する3価のコバルトのジプロピオニルメタンを1
1.18g、3価の鉄のアセチルアセトナートを1.9
6g、クロムのアセチルアセトナートを1.90gとし
た原料液のみを用い、吹き付け時間を約10秒間とした
他は実施例1と同様の方法で吹き付けて単層の被膜を有
する熱線反射ガラスを作製し、加熱処理を行った。ま
た、評価についても同様に行った。その結果を表1およ
び表2に併せて示す。
【0027】(比較例2)トルエン100ミリリットル
に対する3価のコバルトのジプロピオニルメタンを9.
80g、3価の鉄のアセチルアセトナートを1.96
g、クロムのアセチルアセトナートを3.24gとした
原料液のみを用い、吹き付け時間を約10秒間とした他
は実施例1と同様の方法で吹き付けて単層の被膜を有す
る熱線反射ガラスを作製し、加熱処理を行った。また、
評価についても同様に行った。その結果を表1および表
2に併せて示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】表1および表2より、実施例においては、
熱処理をしても可視光透過率の変化が少なく、被膜の耐
酸性、耐アルカリ性にも優れた熱線反射熱処理ガラスが
得られたことがわかる。
【0031】一方、比較例2においては、可視光透過率
の変化が大きくなり、耐アルカリ性においても劣る結果
となり、比較例1においては、耐酸性が若干劣る結果と
なった。
【0032】上記比較例1および2の被膜は、耐酸性が
完全ではないか耐アルカリ性が劣るものであるが、これ
らの被膜を重ね合わせて実施例1のように2層構造とす
ると、耐酸性および耐アルカリ性において双方の利点を
有する被膜とすることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、加熱を伴う強化処理等
を施しても、可視光透過率の変化等において問題のない
熱線反射ガラスを得ることができる。
【0034】本発明に係る熱線反射ガラスの上記特性を
利用することにより、熱処理を伴うガラスの二次加工品
一般、具体的には、強化ガラス、曲げガラス、合わせガ
ラスまたはこれらを組み合わせた加工品の分野におい
て、従来になく優れた特性を有する熱線反射熱処理ガラ
スを提供することができる。
【0035】特に、本発明に係る熱線反射ガラスは、被
膜の化学的耐久性向上を実現しつつも、本質的には被膜
の組成範囲を被膜各層または各部分についてのみ限定す
るものであるため、被膜全体の光学的特性についての調
整が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱線反射ガラスの一実施例の断面
図。
【図2】本発明に係る熱線反射ガラスの別実施例の断面
図。
【符号の説明】
1:ガラス板、2:熱線反射被膜、3:第1の被膜、
4:第2の被膜、5:被膜のガラス側部分、6:被膜の
空気側部分

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス板と、その主表面上に形成したコ
    バルト、鉄及びクロムを含む酸化物を主成分とする被膜
    とからなる熱線反射ガラスにおいて、 前記被膜は、膜厚が10nm〜70nmであり、前記ガ
    ラス板の側から膜厚方向に順に第1の被膜と第2の被膜
    とを積層した2層構造をなし、これら第1の被膜と第2
    の被膜の単位面積当たりの総金属量に占めるコバルト、
    鉄及びクロムの重量百分率がそれぞれ以下の条件を満た
    すことを特徴とする熱線反射ガラス。 第1の被膜 コバルト:65〜96% クロム : 2〜25% 鉄 : 2〜33% 第2の被膜 下記及びの少なくとも一方を満たすこと コバルト: 2〜96% クロム : 2〜8%または18〜96% 鉄 : 2〜96% コバルト: 2〜96% クロム : 2〜96% 鉄 : 2〜10%
  2. 【請求項2】 ガラス板と、その主表面上に形成したコ
    バルト、鉄及びクロムを含む酸化物を主成分とする被膜
    とからなる熱線反射ガラスにおいて、 前記被膜は、膜厚が10nm〜70nmであり、前記ガ
    ラス板の側から膜厚方向に5nmまでのガラス側部分
    と、この被膜の最外側から膜厚方向に5nmまでの空気
    側部分との単位面積当たりの総金属量に占めるコバル
    ト、鉄及びクロムの重量百分率がそれぞれ以下の条件を
    満たすことを特徴とする熱線反射ガラス。 ガラス側部分 コバルト:65〜96% クロム : 2〜25% 鉄 : 2〜33% 空気側部分 下記及びの少なくとも一方を満たすこと コバルト: 2〜96% クロム : 2〜8%または18〜96% 鉄 : 2〜96% コバルト: 2〜96% クロム : 2〜96% 鉄 : 2〜10%
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