JP2002012451A - 熱線反射着色膜被覆ガラスとその製造方法 - Google Patents

熱線反射着色膜被覆ガラスとその製造方法

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JP2002012451A JP2001127112A JP2001127112A JP2002012451A JP 2002012451 A JP2002012451 A JP 2002012451A JP 2001127112 A JP2001127112 A JP 2001127112A JP 2001127112 A JP2001127112 A JP 2001127112A JP 2002012451 A JP2002012451 A JP 2002012451A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】膜厚、組成の均一性に優れ、セラミックカラー
プリントにおいて白っぽくなる発色不良を発生させず、
銀プリント発色にも優れる熱線反射着色膜被覆ガラスの
提供。 【解決手段】ガラス基板の一方の側にスパッタリング法
により順に積層してなる、鉄酸化物を含有し、総金属量
に対する鉄の量が60質量%以上である層と、コバルト
酸化物を含有し、総金属量に対するコバルトの量が60
質量%以上である層とを備えるガラスを熱処理して得ら
れる熱線反射着色膜被覆ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱線反射着色膜被
覆ガラスとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の車両等の冷房効率を上
げるための一手段として、日射エネルギー透過率(直接
透過するエネルギーと入射する太陽エネルギーとの比)
の低い熱線反射ガラスが採用されるようになってきてい
る。日射エネルギー透過率を低くする方法としては、着
色ガラスを用いる方法と、透明なソーダライムガラスや
透過率の高い着色ガラスに熱線反射能に優れた着色膜を
被覆する方法があるが、ガラスのリサイクル性と熱線反
射能という点では後者の方が望ましい。
【0003】そのような熱線反射着色膜被覆ガラスにお
いて求められることとしては、日射エネルギー透過率が
低いこと、可視光透過率が日射エネルギー透過率に比し
て高いこと、車両用等としての十分な耐久性があるこ
と、車両等のデザインを損なわない色調を持つこと、シ
ート抵抗が高いこと等が挙げられる。これらの要求を満
たす熱線反射着色膜被覆ガラスとしては、コバルト酸化
物を主成分とし、鉄を10質量%以上(総金属量に対す
る割合、以下も同様)、クロムを5質量%以上含有する
酸化物膜をスプレー法により10〜50nmの厚さで成
膜したガラスが知られている。しかし、そのようなガラ
スは、膜厚、組成等のムラが多く、歩留まりが悪いとい
う問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】コバルト酸化物を主成
分とし、鉄酸化物を5質量%以上含有する膜を成膜した
ガラスをスパッタリング法により得ることは文献的には
知られている。例えば、特開平9−30837号公報に
は、コバルト:65〜96質量%、クロム:2〜25質
量%、鉄:2〜33質量%の金属組成でこれらの酸化物
の被膜を形成した熱線反射ガラスが記載されており、該
被膜を形成する方法としてスパッタリング法が挙げられ
ている。しかし、成膜速度が従来法より飛躍的に速く、
膜厚および組成が均一な膜を大量生産するのに適し、か
つ現在工業的に利用されているスパッタリング法である
マグネトロンスパッタリング法においては、コバルトお
よび鉄からなる合金ターゲットは強磁性体であるため、
マグネトロンの磁束がターゲット表面に形成されなくな
るので、実質的に用いることができない。上記公報にお
いても、スパッタリング法についての具体的記載はな
く、スプレー法のみが具体的に記載されている。また、
以前より、自動車の窓ガラスの周辺部や中央部にセラミ
ックカラー組成物をペースト化したセラミックペースト
をスクリーン印刷し、乾燥し、曲げ加工工程において焼
き付けることが行われている。このセラミックカラーペ
ーストは、ガラス周辺部等に焼き付けて着色不透明層を
形成することにより、接着剤の紫外線による劣化を防止
し、また、接着部を車外より透視できないようにするた
めに用いられる。このようなセラミックカラー組成物と
しては、ガラスフリットに耐熱性着色顔料を混ぜたもの
が知られており、通常、黒色またはダークグレー色の色
調を呈している。このようなものは、黒セラミック塗料
と称される。しかし、従来のコバルト酸化物を主成分と
し、鉄を10質量%以上、クロムを5質量%以上含有す
る酸化物膜をスプレー法により成膜したガラスに、その
ようなセラミックカラーペーストをプリントすると、白
っぽくなり発色が不良となるという問題があった。
【0005】さらに、自動車のリアガラス等として用い
る場合、くもり防止のために発熱材料である銀ペースト
を線状に印刷焼成する、いわゆる銀プリントが行われる
が、従来のコバルト酸化物を主成分とし、鉄を10質量
%以上、クロムを5質量%以上含有する酸化物膜をスプ
レー法により成膜したガラスは、この銀プリントの発色
が悪い(例えば、だいだい色の発色する)という問題も
あった。
【0006】したがって、上記熱線反射着色膜被覆ガラ
スは、現実には、マグネトロンスパッタリング法を用い
て製造できるものではなく、また上述したスプレー法で
製造する場合のムラの発生、セラミックカラープリント
における白っぽくなる発色不良、銀プリント発色の悪さ
という問題は、解消されていない。
【0007】本発明は、スパッタリング法により製造す
ることができ、膜厚および組成の均一性に優れ、熱線反
射能に優れる熱線反射着色膜被覆ガラスとその製造方法
を提供することを目的とする。また、本発明は、膜厚お
よび組成の均一性に優れ、セラミックカラープリントに
おいて白っぽくなる発色不良を発生させず、銀プリント
発色にも優れる熱線反射着色膜被覆ガラスとその製造方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、1)ガラス基板と、該ガラス基板の一方の側にス
パッタリング法により順に積層してなる、特定の第一層
と、特定の第二層とを備える熱線反射着色膜被覆ガラス
は、膜厚および組成の均一性に優れ、熱線反射能に優れ
ること、また、2)該熱線反射着色膜被覆ガラスを熱処
理することにより得られる熱線反射着色膜被覆ガラス
は、日射エネルギー透過率が低いこと、可視光透過率が
日射エネルギー透過率に比して高いこと、車両用等とし
ての十分な耐久性があること、車両等のデザインを損な
わない色調を持つこと、シート抵抗が高いこと等の基本
的な要求特性を満たすだけでなく、膜厚および組成の均
一性に優れ、セラミックカラープリントにおいて白っぽ
くなる発色不良を発生させず、銀プリント発色に優れる
ことを見出し、本発明を完成した。
【0009】本発明は、ガラス基板と、該ガラス基板の
一方の側にスパッタリング法により順に積層してなる、
鉄酸化物を含有する第一層と、コバルト酸化物を含有す
る第二層とを備える熱線反射着色膜被覆ガラスであっ
て、該第一層は、総金属量に対する鉄の量が、60質量
%以上であり、該第二層は、総金属量に対するコバルト
の量が、60質量%以上であることを特徴とする熱線反
射着色膜被覆ガラス(以下「熱線反射着色膜被覆ガラス
A」ともいう。)を提供する。
【0010】また、本発明は、ガラス基板と、該ガラス
基板の一方の側にスパッタリング法により順に積層して
なる、コバルト酸化物を含有する第一層と、鉄酸化物を
含有する第二層とを備える熱線反射着色膜被覆ガラスで
あって、該第一層は、総金属量に対するコバルトの量
が、60質量%以上であり、該第二層は、総金属量に対
する鉄の量が、60質量%以上であることを特徴とする
熱線反射着色膜被覆ガラス(以下「熱線反射着色膜被覆
ガラスB」ともいう。)を提供する。
【0011】さらに、本発明は、ガラス基板と、該ガラ
ス基板の一方の側にスパッタリング法により順に積層し
てなる、鉄酸化物とクロム酸化物とニッケル酸化物とを
含有する第一層と、コバルト酸化物を含有する第二層と
を備える熱線反射着色膜被覆ガラスであって、該第一層
は、総金属量に対する鉄、クロムおよびニッケルの量
が、 鉄 :60質量%以上85質量%以下、 クロム :10質量%以上28質量%以下、 ニッケル: 5質量%以上24質量%以下 であり、該第二層は、総金属量に対するコバルトの量
が、60質量%以上であることを特徴とする熱線反射着
色膜被覆ガラス(以下「熱線反射着色膜被覆ガラスC」
ともいう。)を提供する。
【0012】さらに、本発明は、ガラス基板と、該ガラ
ス基板の一方の側にスパッタリング法により順に積層し
てなる、コバルト酸化物を含有する第一層と、鉄酸化物
とクロム酸化物とニッケル酸化物とを含有する第二層と
を備える熱線反射着色膜被覆ガラスであって、該第一層
は、総金属量に対するコバルトの量が、60質量%以上
であり、該第二層は、総金属量に対する鉄、クロムおよ
びニッケルの量が、 鉄 :60質量%以上85質量%以下、 クロム :10質量%以上28質量%以下、 ニッケル: 5質量%以上24質量%以下 であることを特徴とする熱線反射着色膜被覆ガラス(以
下「熱線反射着色膜被覆ガラスD」ともいう。)を提供
する。
【0013】さらに、本発明は、ガラス基板の一方の表
面上に、鉄酸化物を含有する金属酸化物ターゲットを用
いてスパッタリングすることにより、第一層を積層する
工程と、該第一層の上に、コバルトを含有する金属ター
ゲットを用い、酸化性ガスを含有するスパッタガス雰囲
気でスパッタリングすることにより、または、コバルト
酸化物を含有する金属酸化物ターゲットを用い、酸化性
ガスを含有しないスパッタガス雰囲気もしくは酸化性ガ
スを含有するスパッタガス雰囲気でスパッタリングする
ことにより、第二層を積層する工程とを含む上記熱線反
射着色膜被覆ガラスAの製造方法を提供する。
【0014】さらに、本発明は、ガラス基板の一方の表
面上に、コバルトを含有する金属ターゲットを用い、酸
化性ガスを含有するスパッタガス雰囲気でスパッタリン
グすることにより、または、コバルト酸化物を含有する
金属酸化物ターゲットを用い、酸化性ガスを含有しない
スパッタガス雰囲気もしくは酸化性ガスを含有するスパ
ッタガス雰囲気でスパッタリングすることにより、第一
層を積層する工程と、該第一層の上に、鉄酸化物を含有
する金属酸化物ターゲットを用いてスパッタリングする
ことにより、第二層を積層する工程とを含む上記熱線反
射着色膜被覆ガラスBの製造方法を提供する。
【0015】さらに、本発明は、ガラス基板の一方の表
面上に、鉄とクロムとニッケルとを成分として含有する
金属ターゲットを用い、酸化性ガスを含有するスパッタ
ガス雰囲気中でスパッタリングすることにより、第一層
を積層する工程と、該第一層の上に、コバルトを含有す
る金属ターゲットを用い、酸化性ガスを含有するスパッ
タガス雰囲気でスパッタリングすることにより、また
は、コバルト酸化物を含有する金属酸化物ターゲットを
用い、酸化性ガスを含有しないスパッタガス雰囲気もし
くは酸化性ガスを含有するスパッタガス雰囲気でスパッ
タリングすることにより、第二層を積層する工程とを含
む上記熱線反射着色膜被覆ガラスCの製造方法を提供す
る。
【0016】さらに、本発明は、ガラス基板の一方の表
面上に、コバルトを含有する金属ターゲットを用い、酸
化性ガスを含有するスパッタガス雰囲気でスパッタリン
グすることにより、または、コバルト酸化物を含有する
金属酸化物ターゲットを用い、酸化性ガスを含有しない
スパッタガス雰囲気もしくは酸化性ガスを含有するスパ
ッタガス雰囲気でスパッタリングすることにより、第一
層を積層する工程と、該第一層の上に、鉄とクロムとニ
ッケルとを成分として含有する金属ターゲットを用い、
酸化性ガスを含有するスパッタガス雰囲気中でスパッタ
リングすることにより、第二層を積層する工程とを含む
上記熱線反射着色膜被覆ガラスDの製造方法を提供す
る。
【0017】さらに、本発明は、上記熱線反射着色膜被
覆ガラスA、B、CまたはDを熱処理することにより得
られる熱線反射着色膜被覆ガラス(以下「熱線反射着色
膜被覆ガラスE」ともいう。)を提供する。
【0018】前記熱線反射着色膜被覆ガラスEは、膜被
覆面の表面シート抵抗が、105 Ω/□以上であるのが
好ましい。
【0019】前記熱線反射着色膜被覆ガラスEは、可視
光透過率が20〜40%であり、膜被覆面および他方の
面の可視光反射率がそれぞれ20〜40%および10〜
25%であるのが好ましい。
【0020】さらに、本発明は、上記のいずれかの製造
方法により得られる熱線反射着色膜被覆ガラスA、B、
CまたはDに、セラミックカラーペーストおよび/また
は銀ペーストを塗布する工程と、その後、熱処理を行う
工程とを含む前記熱線反射着色膜被覆ガラスEの製造方
法を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスA、B、Cおよ
びDは、いずれも、ガラス基板と、該ガラス基板の一方
の側にスパッタリング法により順に積層してなる、所定
の第一層と、所定の第二層とを備える熱線反射着色膜被
覆ガラスである。以下、本発明の熱線反射着色膜被覆ガ
ラスA、B、CおよびDについて説明する。
【0022】本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスA、
B、CおよびDに用いられるガラス基板は、特に限定さ
れず、一般に広く用いられている無色透明なソーダライ
ムガラス、グリーン、ブロンズ、グレー等に着色された
熱線吸収ガラスや、熱線吸収・紫外線吸収性を有するガ
ラス等を用いることができる。
【0023】熱線反射着色膜被覆ガラスAの第一層は、
鉄酸化物を含有する。本発明においては、下記組成の範
囲内であれば、鉄酸化物の他に、クロム酸化物、ニッケ
ル酸化物、ニオブ酸化物、モリブデン酸化物、マンガン
酸化物、シリコン酸化物、銅酸化物、バナジウム酸化
物、亜鉛酸化物、ジルコニウム酸化物、炭素等を含有す
ることができる。熱線反射着色膜被覆ガラスAの第一層
は、総金属量に対する鉄の量が、60質量%以上であ
る。上限値は特に限定されず100%以下で用いられ
る。また、日射エネルギー透過率低減の観点から、90
%以上、特に97%以上で用いられることが好ましい。
熱線反射着色膜被覆ガラスAの第一層の厚さは、所望の
光学特性に応じて選択することができる。例えば、本発
明の熱線反射着色膜被覆ガラスの可視光透過率を20〜
40%とし、膜被覆面および他方の面の可視光反射率を
それぞれ20〜40%および10〜25%とする場合に
は、第一層の厚さを3〜15nmとするのが好ましい。
【0024】熱線反射着色膜被覆ガラスAの第二層は、
コバルト酸化物を含有する。本発明においては、下記組
成の範囲内であれば、コバルト酸化物の他に、ニオブ酸
化物、モリブデン酸化物、マンガン酸化物、シリコン酸
化物、銅酸化物、バナジウム酸化物、亜鉛酸化物、ジル
コニウム酸化物、炭素等を含有することができる。熱線
反射着色膜被覆ガラスAの第二層は、総金属量に対する
コバルトの量が、60質量%以上である。上限値は特に
限定されず100%以下で用いられる。また、日射エネ
ルギー透過率低減の観点から、90%以上、特に97%
以上で用いられることが好ましい。熱線反射着色膜被覆
ガラスAの第二層の厚さは、所望の光学特性に応じて選
択することができる。例えば、本発明の熱線反射着色膜
被覆ガラスの可視光透過率を20〜40%とし、膜被覆
面および他方の面の可視光反射率をそれぞれ20〜40
%および10〜25%とする場合には、第二層の厚さを
10〜50nmとするのが好ましい。
【0025】熱線反射着色膜被覆ガラスBの第一層は、
組成、好適な厚さ等について、前記熱線反射着色膜被覆
ガラスAの第二層と同様である。熱線反射着色膜被覆ガ
ラスBの第二層は、組成、好適な厚さ等について、前記
熱線反射着色膜被覆ガラスAの第一層と同様である。
【0026】熱線反射着色膜被覆ガラスCの第一層は、
鉄酸化物とクロム酸化物とニッケル酸化物とを含有す
る。本発明においては、下記組成の範囲内であれば、こ
れらの酸化物の他に、ニオブ酸化物、モリブデン酸化
物、マンガン酸化物、シリコン酸化物、銅酸化物、バナ
ジウム酸化物、亜鉛酸化物、ジルコニウム酸化物、炭素
等を含有することができる。熱線反射着色膜被覆ガラス
Cの第一層は、マグネトロンスパッタリング法による成
膜のし易さと熱線反射性能の観点から、総金属量に対す
る鉄、クロムおよびニッケルの量が、鉄:60質量%以
上85質量%以下、クロム:10質量%以上28質量%
以下、ニッケル:5質量%以上24質量%以下である。
熱線反射着色膜被覆ガラスCの第一層の厚さは、所望の
光学特性に応じて選択することができる。例えば、本発
明の熱線反射着色膜被覆ガラスの可視光透過率を20〜
40%とし、膜被覆面および他方の面の可視光反射率を
それぞれ20〜40%および10〜25%とする場合に
は、第一層の厚さを3〜15nmとするのが好ましい。
【0027】熱線反射着色膜被覆ガラスCの第二層は、
組成、好適な厚さ等について、前記熱線反射着色膜被覆
ガラスAの第二層と同様である。
【0028】熱線反射着色膜被覆ガラスDの第一層は、
組成、好適な厚さ等について、前記熱線反射着色膜被覆
ガラスCの第二層と同様である。熱線反射着色膜被覆ガ
ラスDの第二層は、組成、好適な厚さ等について、前記
熱線反射着色膜被覆ガラスCの第一層と同様である。
【0029】なお、本発明においては、耐久性を向上さ
せたり、反射率を変化させる等の目的で、第二層の上、
第一層とガラス基板との間、または熱線反射着色膜の被
覆面とは反対側の面に、該目的を達成する機能層を設け
ることができる。該機能層としては、シリコン、チタ
ン、亜鉛、錫、銅、ジルコニウム、マンガン、ニオブお
よびアルミニウムからなる群から選ばれる1種以上の元
素や、該元素の酸化物や窒化物からなる層が挙げられ
る。本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスは、スパッタリ
ング法で成膜可能な膜構成であるので、膜厚および組成
の均一性に優れている。
【0030】本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスA、
B、CおよびDの製造方法は、前記第一層および前記第
二層を前記ガラス基板の一方の側にスパッタリング法に
より順に積層すればよいが、特に以下のようにするの
が、従来公知のスパッタリングターゲットを用いること
ができる点で好ましい。なお、以下の製造方法は、好適
な具体例の一つであり、本発明の熱線反射着色膜被覆ガ
ラスA、B、CおよびDの製造方法はこれに限定される
ものではない。 (1)熱線反射着色膜被覆ガラスAの場合 ガラス基板の一方の表面上に、鉄酸化物を含有する金属
酸化物ターゲットを用いてスパッタリングすることによ
り、第一層を積層する工程と、該第一層の上に、コバル
トを含有する金属ターゲットを用い、酸化性ガスを含有
するスパッタガス雰囲気でスパッタリングすることによ
り、または、コバルト酸化物を含有する金属酸化物ター
ゲットを用い、酸化性ガスを含有しないスパッタガス雰
囲気もしくは酸化性ガスを含有するスパッタガス雰囲気
でスパッタリングすることにより、第二層を積層する工
程とを含む方法により、熱線反射着色膜被覆ガラスAを
製造する。
【0031】第一層を積層する工程に用いられる金属酸
化物ターゲットは、鉄酸化物を含有するものを用いる。
特に、第一層の組成を上記のようにするためには、鉄酸
化物を、総金属量に対する鉄量で60〜100質量%含
有するものが好ましい。
【0032】スパッタガスは、酸化性ガスを含有しない
ものを用いてもよく、酸化性ガスを含有するものを用い
てもよい。酸化性ガスを含有しないスパッタガスは、例
えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセ
ノン等の不活性ガスが挙げられる。中でも、経済性およ
び放電のしやすさの点から、アルゴンが好ましい。これ
らは、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。酸
化性ガスは、例えば、酸素、オゾンが挙げられ、酸素と
オゾンとの混合ガスでもよい。酸化性ガスを含有するス
パッタガスとして、酸化性ガスおよび上述の不活性ガス
の混合ガスを用いることもできる。
【0033】スパッタリングには、通常、成膜速度等に
優れるマグネトロンスパッタリング装置が用いられる
が、磁界を使用しないタイプのスパッタリング装置を用
いることもできる。また、電源には、直流電源、パルス
波状に電力を印加する電源、交流電源、高周波電源のい
ずれも用いることができる。
【0034】第二層を積層する工程に用いられるターゲ
ットは、コバルトを含有する金属ターゲット、または、
コバルト酸化物を含有する金属酸化物ターゲットを用い
る。特に、第二層の組成を上記のようにするためには、
コバルトを含有する金属ターゲットを用いる場合は、コ
バルトを60〜100質量%含有するものが好ましく、
コバルト酸化物を含有する金属酸化物ターゲットを用い
る場合は、コバルト酸化物を、総金属量に対するコバル
ト量で60〜100質量%含有するものが好ましい。
【0035】スパッタガスは、コバルトを含有する金属
ターゲットを用いる場合は、酸化性ガスを含有するもの
を用いる。酸化性ガスについては、上述したものを用い
ることができる。また、スパッタガスは、コバルト酸化
物を含有する金属酸化物ターゲットを用いる場合は、酸
化性ガスを含有しないものを用いてもよく、酸化性ガス
を含有するものを用いてもよい。これらも、上述したも
のを用いることができる。いずれのターゲットを用いる
場合においても、酸化性ガスと不活性ガスとの混合ガス
等を用いることができる。
【0036】スパッタリング装置は、第一層を積層する
工程の場合と同様である。
【0037】(2)熱線反射着色膜被覆ガラスBの場合 ガラス基板の一方の表面上に、コバルトを含有する金属
ターゲットを用い、酸化性ガスを含有するスパッタガス
雰囲気でスパッタリングすることにより、または、コバ
ルト酸化物を含有する金属酸化物ターゲットを用い、酸
化性ガスを含有しないスパッタガス雰囲気もしくは酸化
性ガスを含有するスパッタガス雰囲気でスパッタリング
することにより、第一層を積層する工程と、該第一層の
上に、鉄酸化物を含有する金属酸化物ターゲットを用い
てスパッタリングすることにより、第二層を積層する工
程とを含む方法により、熱線反射着色膜被覆ガラスBを
製造する。
【0038】第一層を積層する工程に用いられる金属タ
ーゲット、スパッタガスおよびスパッタリング装置は、
(1)の第二層の場合と同様である。第二層を積層する
工程に用いられる金属ターゲット、スパッタガスおよび
スパッタリング装置は、(1)の第一層の場合と同様で
ある。
【0039】(3)熱線反射着色膜被覆ガラスCの場合 ガラス基板の一方の表面上に、鉄とクロムとニッケルと
を成分として含有する金属ターゲットを用い、酸化性ガ
スを含有するスパッタガス雰囲気中でスパッタリングす
ることにより、第一層を積層する工程と、該第一層の上
に、コバルトを含有する金属ターゲットを用い、酸化性
ガスを含有するスパッタガス雰囲気でスパッタリングす
ることにより、または、コバルト酸化物を含有する金属
酸化物ターゲットを用い、酸化性ガスを含有しないスパ
ッタガス雰囲気もしくは酸化性ガスを含有するスパッタ
ガス雰囲気でスパッタリングすることにより、第二層を
積層する工程とを含む方法により、熱線反射着色膜被覆
ガラスCを製造する。
【0040】第一層を積層する工程に用いられる金属タ
ーゲットは、構成、構造を特に限定されず、鉄、クロム
およびニッケルのうち、2以上の金属が一つの結晶相を
形成していてもよく、固溶体となっていてもよく、ま
た、前記の2以上の金属の結晶相または非晶相が混在し
ていてもよく、さらには前記の2以上の金属の塊がそれ
ぞれ別個に存在していてもよい。本発明においては、放
電の観点から金属ターゲットとして、鉄とクロムとニッ
ケルとを成分として含有する金属ターゲットを用いる。
特に、第一層の組成を上記のようにするために、 鉄 :63〜78質量% クロム :16〜24質量% ニッケル:6〜13質量% という組成であるものが好ましい。例えば、非磁性ステ
ンレス、より具体的には、JIS G4304−198
7に規定されているオーステナイト系の非磁性ステンレ
スが挙げられる。中でも、SUS 304が好ましい。
第二層を積層する工程に用いられるターゲットの好まし
い例としては、CoターゲットやCo3 4 ターゲット
が挙げられる。スパッタガスは、酸化性ガスを含有する
ものを用いる。酸化性ガスについては、上述した通りで
ある。また、酸化性ガスおよび不活性ガスの混合ガスを
用いることができる。スパッタリングに用いられる装置
は、(1)の第一層の場合と同様である。第二層を積層
する工程は、(1)の場合と同様である。
【0041】(4)熱線反射着色膜被覆ガラスDの場合 ガラス基板の一方の表面上に、コバルトを含有する金属
ターゲットを用い、酸化性ガスを含有するスパッタガス
雰囲気でスパッタリングすることにより、または、コバ
ルト酸化物を含有する金属酸化物ターゲットを用い、酸
化性ガスを含有しないスパッタガス雰囲気もしくは酸化
性ガスを含有するスパッタガス雰囲気でスパッタリング
することにより、第一層を積層する工程と、該第一層の
上に、鉄とクロムとニッケルとを成分として含有する金
属ターゲットを用い、酸化性ガスを含有するスパッタガ
ス雰囲気中でスパッタリングすることにより、第二層を
積層する工程とを含む方法により、熱線反射着色膜被覆
ガラスDを製造する。
【0042】第一層を積層する工程に用いられる金属タ
ーゲット、スパッタガスおよびスパッタリング装置は、
(3)の第二層の場合と同様である。第二層を積層する
工程に用いられる金属ターゲット、スパッタガスおよび
スパッタリング装置は、(3)の第一層の場合と同様で
ある。
【0043】本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスA、
B、CおよびDは、熱線反射能に優れる。具体的には、
日射エネルギー透過率が可視光透過率より小さいのが好
ましく、特に40%以下(さらには35%以下)である
のが好ましい。
【0044】以上に説明したように、本発明の熱線反射
着色膜被覆ガラスA、B、CおよびDは、スパッタリン
グ法により製造することができるので、膜厚および組成
の均一性に優れる。また、優れた熱線反射能を発揮す
る。さらに、後述するように、本発明の熱線反射着色膜
被覆ガラスA、B、CおよびDは、本発明の熱線反射着
色膜被覆ガラスEの製造に好適に用いられる。
【0045】つぎに、本発明の熱線反射着色膜被覆ガラ
スEについて説明する。本発明の熱線反射着色膜被覆ガ
ラスは、前記熱線反射着色膜被覆ガラスA、B、Cまた
はDを熱処理することにより得られる。熱処理により、
膜被覆面の表面シート抵抗が向上し、膜被覆面の表面シ
ート抵抗が好ましくは105 Ω/□以上となり、電波透
過性が向上する。したがって、車両用、建築用として好
適に用いられる。また、熱処理により、膜被覆面の可視
光反射率が低下して、好ましくは20〜40%となり、
車両用として好適な値となる。
【0046】熱処理は、特に限定されず、所望の光学特
性に応じて条件を変動させることができる。好適な具体
例の一つとして、酸素を含有する雰囲気(例えば、大気
雰囲気)の中で、500〜700℃で3〜5分間熱処理
することが挙げられる。
【0047】本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスEは、
自動車等の車両等に好適に用いられる。自動車の車両等
に用いられるガラスは、曲げ加工する場合、大気雰囲気
中で、630〜690℃以上で3〜7分間程度の熱処理
を行う。したがって、本発明の熱線反射着色膜被覆ガラ
スEは、熱線反射着色膜被覆ガラスA、B、CまたはD
を曲げ加工に供し、その際の熱処理を利用することによ
って得ることもできる。
【0048】また、本発明の熱線反射着色膜被覆ガラス
A、B、CまたはDに、黒セラミック塗料等のセラミッ
クカラーペーストによるプリントや、銀プリントを施す
場合、大気雰囲気中で、630〜690℃以上で3〜7
分間程度の熱処理(焼成)を行う。したがって、本発明
の熱線反射着色膜被覆ガラスEは、熱線反射着色膜被覆
ガラスA、B、CまたはDにセラミックカラーペースト
によるプリントや、銀プリントを施し、その際の熱処理
(焼成)を利用することによって得ることもできる。さ
らには、曲げ加工と、セラミックカラーペーストによる
プリントや銀プリントとを同時に行い、その際の熱処理
を利用することもできる。
【0049】即ち、本発明の熱線反射着色膜被覆ガラス
Eの製造方法としては、上記の(1)〜(4)のいずれ
かの製造方法により得られる熱線反射着色膜被覆ガラス
A、B、CまたはDに、セラミックカラーペーストおよ
び/または銀ペーストを塗布する工程と、その後、熱処
理を行う工程とを含む製造方法が好適に挙げられる。セ
ラミックカラーペーストおよび/または銀ペーストの塗
布は、一般的な方法により行うことができる。例えば、
スクリーン印刷機を用いて、スクリーン印刷する方法が
挙げられる。セラミックカラーペーストおよび銀ペース
トの両方を塗布する場合には、別々に塗布してもよい
し、同時に塗布してもよい。熱処理の条件は、これらを
塗布しない場合と同様である。セラミックカラーペース
トとしては、例えば、結晶質ガラスフリット(および/
または非晶質ガラスフリット)、耐熱性着色顔料および
耐火物フィラーを含むものなどが挙げられる。セラミッ
クカラーペーストは、例えば、結晶質ガラスフリット
(および/または非晶質ガラスフリット)、耐熱性着色
顔料および耐火物フィラーを、有機ビヒクルに均一に混
合し、塗布に適した粘度に調整して用いられる。銀ペー
ストとしては、銀の微粒子とガラスフリットを、有機ビ
ヒクルに均一に混合したものを、塗布に適した粘度に調
整して用いられる。
【0050】本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスEは、
熱線反射能に優れる。具体的には、日射エネルギー透過
率が可視光透過率より小さいのが好ましく、特に40%
以下(さらには35%以下)であるのが好ましい。
【0051】本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスEは、
膜被覆面の表面シート抵抗が105Ω/□以上であるの
が好ましい。上記範囲であると、自動車等の車両等にお
いて、ラジオ、テレビ、携帯電話、自動車電話等の電波
の透過性を十分に確保することができる。また、本発明
の熱線反射着色膜被覆ガラスEを自動車のリアガラスと
して用い、アンテナを形成する場合等においては、膜被
覆面の表面シート抵抗が106 Ω/□以上であるのが好
ましい。
【0052】本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスEは、
可視光透過率が20〜40%であり、膜被覆面および他
方の面の可視光反射率がそれぞれ20〜40%および1
0〜25%であるのが、好ましい値の一例である。上記
範囲であると、自動車等の用途において好適である。
【0053】本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスEは、
着色膜がスパッタリング法により成膜されるので、従来
のスプレー法によるものと比べ、膜厚および組成の均一
性に優れる。
【0054】本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスEは、
理由は分かっていないが、従来のコバルト酸化物を主成
分とし、鉄を10質量%以上、クロムを5質量%以上含
有する酸化物膜をスプレー法により成膜したガラスとは
異なり、黒セラミック塗料等のセラミックカラーペース
トによるプリントを施した場合に、白っぽくなり発色が
不良となることがない。
【0055】また、本発明の熱線反射着色膜被覆Eガラ
スは、理由は分かっていないが、従来のコバルト酸化物
を主成分とし、鉄を10質量%以上、クロムを5質量%
以上含有する酸化物膜をスプレー法により成膜したガラ
スとは異なり、銀プリントの発色に優れる。
【0056】本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスEの用
途は、特に限定されない。例えば、自動車等の車両用や
建築用の用途が挙げられる。また、本発明の熱線反射着
色膜被覆ガラスは、合わせガラスや複層ガラスとしても
よい。
【0057】本発明の熱線反射着色膜被覆Eガラスは、
基本的な要求特性を満たすだけでなく、膜厚および組成
の均一性に優れ、セラミックカラープリントにおいて白
っぽくなる発色不良を発生させず、銀プリント発色に優
れるので、各種用途に好適に用いられる。
【0058】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限られるものではない。 1.熱線反射着色膜被覆ガラスの作製 (実施例1)100mm角に切断した厚さ3.5mmの
グリーン着色ソーダライムガラスを酸化セリウムの粉末
と中性洗剤で洗浄した後、純水とエタノールですすぎ、
基板ガラスとした。前記グリーン着色ソーダライムガラ
スの可視光透過率は81.6%、可視光反射率は7.4
%、日射透過率は59.5%、日射反射率は6.2%で
あった。この基板ガラスに、直径101.6mmのFe
O(総金属量に対する鉄量:99.9質量%)のスパッ
タリングターゲットを用いて、直流マグネトロンスパッ
タリング装置で、Arガス圧4.8×10-1Pa、投入
電力0.3kW、成膜時間6秒間の条件で成膜を行い、
厚さ6nmの膜(第一層)を作製した。さらにその膜の
上に、直径101.6mmのCo3 4(総金属量に対す
るコバルト量:99.9質量%)のスパッタリングター
ゲットを用いて、直流マグネトロンスパッタリング装置
で、Arガス圧4.8×10-1Pa、投入電力0.3k
W、成膜時間147秒間の条件で成膜を行い、厚さ30
nmの膜(第二層)を作製し、本発明の熱線反射着色膜
被覆ガラスAを得た。
【0059】つぎに、セラミックカラーペーストおよび
導電性銀ペーストをスクリーン印刷に適した粘度に調節
した後、得られた熱線反射着色膜被覆ガラスAの膜被覆
面に、セラミックカラーペーストをスクリーン印刷機に
より印刷し、乾燥し、ついで、導電性銀ペーストをスク
リーン印刷機により印刷した。120℃にて10〜15
分間乾燥した後、ベルト炉で、大気雰囲気中、約15分
間熱処理を行った。500℃以上で保持された時間は約
6分間、最高温度650℃で保持された時間は約3分間
であった。熱処理後、放冷して、本発明の熱線反射着色
膜被覆ガラスEを得た。なお、用いたセラミックカラー
ペーストは、非晶質ガラスフリット、耐熱性着色顔料お
よび耐火物フィラーを、有機ビヒクルに均一に混合し、
塗布に適した粘度に調整したものである。また、用いた
導電性銀ペーストは、銀の微粒子とガラスフリットを、
有機ビヒクルに均一に混合したものを、塗布に適した粘
度に調整したものである。
【0060】(実施例2)第一層と第二層の成膜順序を
逆にした以外は、実施例1と同様の方法により、本発明
の熱線反射着色膜被覆ガラスBを得た。第一層の厚さは
30nm、第二層の厚さは6nmであった。つぎに、得
られた熱線反射着色膜被覆ガラスBに対して実施例1と
同様の方法により印刷、熱処理した後、放冷して、本発
明の熱線反射着色膜被覆ガラスEを得た。
【0061】(実施例3)100mm角に切断した厚さ
3.5mmの実施例1と同じグリーン着色ソーダライム
ガラスを酸化セリウムの粉末と中性洗剤で洗浄した後、
純水とエタノールですすぎ、基板ガラスとした。この基
板ガラスに、直径152.4mmのSUS304ステン
レス(鉄74質量%、クロム18質量%、ニッケル8質
量%)のスパッタリングターゲットを用いて、直流マグ
ネトロンスパッタリング装置で、O2 ガス圧2.6×1
-1Pa、投入電力0.5kW、成膜時間30秒間の条
件で成膜を行い、厚さ6nmの膜を作製した。さらにそ
の膜の上に、直径152.4mm、厚さ3mmのコバル
ト(コバルト99.9質量%)のスパッタリングターゲ
ットを用いて、直流マグネトロンスパッタリング装置
で、O2 ガス圧2.6×10-1Pa、投入電力0.5k
W、成膜時間150秒間の条件で成膜を行い、厚さ30
nmの膜を作製し、本発明の熱線反射着色膜被覆ガラス
Cを得た。つぎに、得られた熱線反射着色膜被覆ガラス
Cに対して実施例1と同様の方法により印刷、熱処理し
た後、放冷して、本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスE
を得た。
【0062】(実施例4)第一層と第二層の成膜順序を
逆にした以外は、実施例3と同様の方法により、本発明
の熱線反射着色膜被覆ガラスDを得た。第一層の厚さは
30nm、第二層の厚さは6nmであった。つぎに、得
られた熱線反射着色膜被覆ガラスDに対して実施例1と
同様の方法により印刷、熱処理した後、放冷して、本発
明の熱線反射着色膜被覆ガラスEを得た。
【0063】2.熱線反射着色膜被覆ガラスの被膜の組
成 実施例1〜4の上記製造過程において、第一層成膜後第
二層成膜前に第一層の組成を分析し、第二層成膜後熱処
理前に、第二層の組成を分析した。組成の分析は、高周
波誘導結合プラズマ質量分析装置を用いた元素分析によ
り行った。その結果、実施例1において、第一層におけ
る総金属量に対する鉄の量は、99.9質量%であり、
第二層における総金属量に対するコバルトの量は、9
9.9質量%であった。実施例2において、第一層にお
ける総金属量に対するコバルトの量は、99.9質量%
であり、第二層における総金属量に対する鉄の量は、9
9.9質量%であった。また、実施例3において、第一
層における総金属量に対する鉄、クロムおよびニッケル
の量は、鉄:74質量%、クロム:18質量%、ニッケ
ル:8質量%であり、第二層における総金属量に対する
コバルトの量は、99.9質量%であった。実施例4に
おいて、第一層における総金属量に対するコバルトの量
は、99.9質量%であり、第二層における総金属量に
対する鉄、クロムおよびニッケルの量は、鉄:74質量
%、クロム:18質量%、ニッケル:8質量%であっ
た。
【0064】3.日射エネルギー透過率の測定 実施例1〜4で得られた熱線反射着色膜被覆ガラスA〜
Dについて、日射エネルギー透過率(JIS R310
6による)を分光測定器(島津製作所製の分光計「UV
−3100PC」)により測定した。その結果、日射エ
ネルギー透過率は、いずれも30%以下であった。ま
た、実施例1〜4で得られた熱線反射着色膜被覆ガラス
Eについて、日射エネルギー透過率(JIS R310
6による)を分光測定器(島津製作所製の分光計「UV
−3100PC」)により測定した。その結果、日射エ
ネルギー透過率は、いずれも29%であった。
【0065】4.表面シート抵抗の測定 実施例1〜4で得られた熱線反射着色膜被覆ガラスEに
ついて、シート抵抗測定器を用いて、膜被覆面の表面シ
ート抵抗を測定した。その結果、膜被覆面の表面シート
抵抗は、いずれも1.0×109 Ω/□であった。
【0066】5.可視光透過率および可視光反射率の測
定 実施例1〜4で得られた熱線反射着色膜被覆ガラスEに
ついて、可視光透過率(JIS R3106による)、
ならびに、膜被覆面および他方の面の可視光反射率(J
IS R3106による)を分光測定器(島津製作所製
の分光計「UV−3100PC」)によりC光源を用い
て測定した。その結果、可視光透過率はいずれも31
%、膜被覆面の可視光反射率はいずれも36%、他方の
面の可視光反射率はいずれも21%であった。なお、実
施例1〜4で得られた熱線反射着色膜被覆ガラスEにお
ける測定部位による差異は、可視光透過率についてはい
ずれも0.5%以内であり、可視光反射率についてはい
ずれも0.5%以内であった。一方、従来のスプレー法
により得られるサンプルでは、測定部位による差異が、
可視光透過率については1〜2%であり、可視光反射率
については1〜2%であった。この結果から、本発明の
熱線反射着色膜被覆ガラスは膜厚の均一性、組成の均一
性に優れることが判る。
【0067】6.耐擦傷性の測定 実施例1〜4で得られた熱線反射着色膜被覆ガラスEに
ついて、JIS R3212の耐磨耗性試験に準じて、
テーバー試験機を用いて4.9Nの荷重で1000回転
の条件で膜被覆面側のテーバー試験を行い、テーバー試
験前後の可視光透過率を比較した。その結果、可視光透
過率の変化は、いずれも+12%であり、+20%以下
であるので実用上十分な耐擦傷性を有していた。
【0068】7.耐薬品性の測定 実施例1〜4で得られた熱線反射着色膜被覆ガラスEを
0.05mol/L(50mol/m3 )硫酸水溶液ま
たは0.1mol/L(100mol/m3 )苛性ソー
ダ水溶液に室温20℃で24時間浸し、水溶液に浸せき
した前と後の可視光透過率ならびに膜被覆面および他方
の面の可視光反射率を比較した。その結果、いずれの熱
線反射着色膜被覆ガラスEも、硫酸水溶液または苛性ソ
ーダ水溶液を用いた場合において、可視光透過率と、膜
被覆面および他方の面の可視光反射率の変化は1%より
も小さい値であった。
【0069】8.セラミックカラープリントおよび銀プ
リントの色調測定 実施例1〜4で得られた熱線反射着色膜被覆ガラスEに
ついて、カラーメーターを用いて、セラミックカラーペ
ースト部のガラス面からの色調を測定した。その結果、
色調は、いずれもL=39、a=7.5、b=0.0で
あった。これは、従来のコバルトを63質量%、鉄を2
6質量%、クロムを11質量%含有する酸化物膜をスプ
レー法により成膜したガラスを用いた場合に比較して、
明度が低く、ニュートラルな色調に近い良好な発色であ
った。また、銀ペースト部は、前記従来のスプレー法に
よる膜が成膜されたガラスでは、だいだい色に発色し、
良好な発色が得られないのに対し、本発明のサンプルで
は、いずれも赤褐色に発色し、良好な発色を得ることが
できた。
【0070】
【発明の効果】本発明の熱線反射着色膜被覆ガラスA、
B、CおよびDは、マグネトロンスパッタリング法によ
り調製することができ、特に本発明の熱線反射着色膜被
覆ガラスの製造方法によれば従来公知のスパッタリング
ターゲットを用いることができるので製造が容易であ
り、かつ、膜厚および組成の均一性に優れる。また、前
記熱線反射着色膜被覆ガラスA、B、CまたはDを熱処
理することにより得られる本発明の熱線反射着色膜被覆
ガラスEは、基本的な要求特性を満たすだけでなく、膜
厚および組成の均一性に優れ、セラミックカラープリン
トにおいて白っぽくなる発色不良を発生させず、銀プリ
ント発色にも優れるので自動車用窓ガラスとして好適で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/26 G02B 5/26 5/28 5/28 Fターム(参考) 2H048 FA05 FA07 FA12 FA24 4G059 AA01 AC06 AC08 EA01 EA07 EB04 GA01 GA04 GA12 4K029 AA09 BA43 BB02 BC05 BC07 CA05 CA06 DC04 DC05 GA01 GA03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板と、該ガラス基板の一方の側に
    スパッタリング法により順に積層してなる、鉄酸化物を
    含有する第一層と、コバルト酸化物を含有する第二層と
    を備える熱線反射着色膜被覆ガラスであって、 該第一層は、総金属量に対する鉄の量が、60質量%以
    上であり、 該第二層は、総金属量に対するコバルトの量が、60質
    量%以上であることを特徴とする熱線反射着色膜被覆ガ
    ラス。
  2. 【請求項2】ガラス基板と、該ガラス基板の一方の側に
    スパッタリング法により順に積層してなる、コバルト酸
    化物を含有する第一層と、鉄酸化物を含有する第二層と
    を備える熱線反射着色膜被覆ガラスであって、 該第一層は、総金属量に対するコバルトの量が、60質
    量%以上であり、 該第二層は、総金属量に対する鉄の量が、60質量%以
    上であることを特徴とする熱線反射着色膜被覆ガラス。
  3. 【請求項3】ガラス基板と、該ガラス基板の一方の側に
    スパッタリング法により順に積層してなる、鉄酸化物と
    クロム酸化物とニッケル酸化物とを含有する第一層と、
    コバルト酸化物を含有する第二層とを備える熱線反射着
    色膜被覆ガラスであって、 該第一層は、総金属量に対する鉄、クロムおよびニッケ
    ルの量が、 鉄 :60質量%以上85質量%以下、 クロム :10質量%以上28質量%以下、 ニッケル: 5質量%以上24質量%以下 であり、 該第二層は、総金属量に対するコバルトの量が、60質
    量%以上であることを特徴とする熱線反射着色膜被覆ガ
    ラス。
  4. 【請求項4】ガラス基板と、該ガラス基板の一方の側に
    スパッタリング法により順に積層してなる、コバルト酸
    化物を含有する第一層と、鉄酸化物とクロム酸化物とニ
    ッケル酸化物とを含有する第二層とを備える熱線反射着
    色膜被覆ガラスであって、 該第一層は、総金属量に対するコバルトの量が、60質
    量%以上であり、 該第二層は、総金属量に対する鉄、クロムおよびニッケ
    ルの量が、 鉄 :60質量%以上85質量%以下、 クロム :10質量%以上28質量%以下、 ニッケル: 5質量%以上24質量%以下 であることを特徴とする熱線反射着色膜被覆ガラス。
  5. 【請求項5】ガラス基板の一方の表面上に、鉄酸化物を
    含有する金属酸化物ターゲットを用いてスパッタリング
    することにより、第一層を積層する工程と、 該第一層の上に、コバルトを含有する金属ターゲットを
    用い、酸化性ガスを含有するスパッタガス雰囲気でスパ
    ッタリングすることにより、または、コバルト酸化物を
    含有する金属酸化物ターゲットを用い、酸化性ガスを含
    有しないスパッタガス雰囲気もしくは酸化性ガスを含有
    するスパッタガス雰囲気でスパッタリングすることによ
    り、第二層を積層する工程とを含む請求項1に記載の熱
    線反射着色膜被覆ガラスの製造方法。
  6. 【請求項6】ガラス基板の一方の表面上に、コバルトを
    含有する金属ターゲットを用い、酸化性ガスを含有する
    スパッタガス雰囲気でスパッタリングすることにより、
    または、コバルト酸化物を含有する金属酸化物ターゲッ
    トを用い、酸化性ガスを含有しないスパッタガス雰囲気
    もしくは酸化性ガスを含有するスパッタガス雰囲気でス
    パッタリングすることにより、第一層を積層する工程
    と、 該第一層の上に、鉄酸化物を含有する金属酸化物ターゲ
    ットを用いてスパッタリングすることにより、第二層を
    積層する工程とを含む請求項2に記載の熱線反射着色膜
    被覆ガラスの製造方法。
  7. 【請求項7】ガラス基板の一方の表面上に、鉄とクロム
    とニッケルとを成分として含有する金属ターゲットを用
    い、酸化性ガスを含有するスパッタガス雰囲気中でスパ
    ッタリングすることにより、第一層を積層する工程と、 該第一層の上に、コバルトを含有する金属ターゲットを
    用い、酸化性ガスを含有するスパッタガス雰囲気でスパ
    ッタリングすることにより、または、コバルト酸化物を
    含有する金属酸化物ターゲットを用い、酸化性ガスを含
    有しないスパッタガス雰囲気もしくは酸化性ガスを含有
    するスパッタガス雰囲気でスパッタリングすることによ
    り、第二層を積層する工程とを含む請求項3に記載の熱
    線反射着色膜被覆ガラスの製造方法。
  8. 【請求項8】ガラス基板の一方の表面上に、コバルトを
    含有する金属ターゲットを用い、酸化性ガスを含有する
    スパッタガス雰囲気でスパッタリングすることにより、
    または、コバルト酸化物を含有する金属酸化物ターゲッ
    トを用い、酸化性ガスを含有しないスパッタガス雰囲気
    もしくは酸化性ガスを含有するスパッタガス雰囲気でス
    パッタリングすることにより、第一層を積層する工程
    と、 該第一層の上に、鉄とクロムとニッケルとを成分として
    含有する金属ターゲットを用い、酸化性ガスを含有する
    スパッタガス雰囲気中でスパッタリングすることによ
    り、第二層を積層する工程とを含む請求項4に記載の熱
    線反射着色膜被覆ガラスの製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜4のいずれかに記載の熱線反射
    着色膜被覆ガラスを熱処理することにより得られる熱線
    反射着色膜被覆ガラス。
  10. 【請求項10】膜被覆面の表面シート抵抗が、105 Ω
    /□以上である請求項9に記載の熱線反射着色膜被覆ガ
    ラス。
  11. 【請求項11】可視光透過率が20〜40%であり、膜
    被覆面および他方の面の可視光反射率がそれぞれ20〜
    40%および10〜25%である請求項9または10に
    記載の熱線反射着色膜被覆ガラス。
  12. 【請求項12】請求項5〜8のいずれかに記載の製造方
    法により得られる熱線反射着色膜被覆ガラスに、セラミ
    ックカラーペーストおよび/または銀ペーストを塗布す
    る工程と、 その後、熱処理を行う工程とを含む請求項9〜11のい
    ずれかに記載の熱線反射着色膜被覆ガラスの製造方法。
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