JPH07232933A - 熱線反射ガラス - Google Patents

熱線反射ガラス

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JPH07232933A
JPH07232933A JP31439594A JP31439594A JPH07232933A JP H07232933 A JPH07232933 A JP H07232933A JP 31439594 A JP31439594 A JP 31439594A JP 31439594 A JP31439594 A JP 31439594A JP H07232933 A JPH07232933 A JP H07232933A
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JP
Japan
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heat ray
nickel
glass
cobalt
coating
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Application number
JP31439594A
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English (en)
Inventor
Akira Fujisawa
章 藤沢
Hodaka Norimatsu
穂高 乗松
Atsushi Yamaguchi
山口  淳
Koichi Ataka
功一 安宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被膜形成溶液の熱分解という生産性に優れた
製法により製造しうる熱線反射ガラスであって、可視光
透過率、日射透過率、電磁波反射性、被膜耐久性、反射
色調について好ましい特性を有するものを提供する。 【構成】 被膜単位面積当たりの総金属量に占めるコバ
ルトの重量百分率を60〜90%、ニッケルの重量百分
率を10〜40%とし、場合によりチタン、鉄等を添加
し、表面抵抗率が104 Ω/スクエア以上、膜厚を所定
の範囲とした被膜を形成した熱線反射ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築用または自動車・
車両用の熱線反射ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築・自動車用等の窓ガラスとし
て、直射太陽光による熱暑感の低減、冷房負荷の軽減、
プライバシーの保護、美観の向上等を目的として、可視
光透過率及び日射透過率の小さな熱線反射ガラスが多用
されてきている。熱線反射ガラスはスパッタリング法等
の物理的手法により金属膜、金属窒化物膜を形成するこ
とによっても製造されているが、被膜形成溶液をその熱
分解温度以上に加温したガラス表面上に噴霧することに
より金属酸化物被膜を形成することによっても製造され
ており、製造コスト、被膜耐久性等の点からは後者の製
法によるものが優れている。しかし、この製法による熱
線反射ガラスは、膜の組成によっては可視光透過率及び
日射透過率を一定値以下には低減させ難い。
【0003】かかる観点からは、コバルト及びニッケル
の金属酸化物を含む被膜が可視光透過率等を比較的低減
できる被膜として知られている(特公昭63−3273
6)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公昭63−32736に開示されている電導性物品は被
膜の表面抵抗値が小さく電磁波反射性能が高いため、熱
線反射ガラスとしてビル建築に使用した場合にその周辺
の住宅におけるTV画像のゴースト現象の原因となる
等、特に近年の都市環境下においては使用上問題があっ
た。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑み、コバルト及
びニッケルの金属酸化物を含む被膜の光学特性上の特長
を一定の範囲で維持しながら電磁波反射性能についても
実用上問題のない熱線反射ガラスを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、コバルト酸化
物及びニッケル酸化物を含む被膜を形成した熱線反射ガ
ラスにおいて、この被膜が以下の特徴を有するようにし
た熱線反射ガラスである。
【0007】即ち、本発明の第1においては、 表面抵抗率が104 Ω/スクエア以上であること、 膜厚が10nm以上であること、 被膜単位面積当たりの総金属量に占めるコバルトの重
量百分率が60〜90%の範囲であり、ニッケルの重量
百分率が10〜40%の範囲であること、を特徴とす
る。
【0008】また、本発明の第2においては、 表面抵抗率が104 Ω/スクエア以上であること、 膜厚が10nm以上であること、 チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅及びジル
コニウムからなる群のうち少なくとも1つを含む金属の
酸化物が添加されていること、 被膜単位面積当たりの総金属量に占めるコバルトの重
量百分率が60〜89%の範囲であり、ニッケルの重量
百分率が10〜39%の範囲であり、に掲げた添加金
属の重量百分率が1〜30%の範囲であること、を特徴
とする。
【0009】さらに、本発明の第3においては、 表面抵抗率が104 Ω/スクエア以上であること、 膜厚が10nm以上70nm以下であること、 鉄酸化物が添加されて被膜単位面積当たりの総金属量
に占める鉄の重量百分率が1.0〜4.5%の範囲であ
ること、を特徴とする。
【0010】また、本発明の第4においては、 表面抵抗率が104 Ω/スクエア以上であること、 膜厚が10nm以上70nm以下であること、 本質的にコバルト酸化物及びニッケル酸化物を主成分
とするスピネル型酸化物からなること、を特徴とする。
本発明の第4における熱線反射ガラスは、さらに、以下
の特徴を有する。 被膜を形成していないガラス面(即ち、被膜形成面と
は反対側のガラス面)から見た反射色調がグリーン系で
あること。
【0011】本発明に係る熱線反射ガラスは、コバルト
化合物、ニッケル化合物等を含む被膜形成溶液を、その
熱分解温度以上に保ったガラス基板上に供給して金属酸
化物被膜を形成する方法により製造しうるが、より具体
的には、フロート法によるガラス製造ライン上における
溶融成形後の高温状態にあるガラスに前記被膜形成溶液
を噴霧する方法により行い得る。
【0012】ここで、被膜形成溶液を供給するときのガ
ラス基板温度は350〜800℃とすることが好まし
い。
【0013】また、コバルト化合物としては、アセチル
アセトンコバルト(二価塩と三価塩のいずれも可)、酢
酸コバルト、塩化コバルト、ほう酸コバルト、硫酸コバ
ルト、安息香酸コバルト、臭化コバルト、硝酸コバル
ト、弗化コバルト、ヨウ化コバルト、蓚酸コバルト、燐
酸コバルト、亜燐酸コバルト、ステアリン酸コバルト等
が、また、ニッケル化合物としては、ジプロピオニルメ
タンニッケル、ジプロピオニルアセトンニッケル、アセ
チルアセトンニッケル、酢酸ニッケル、臭化ニッケル、
塩化ニッケル、弗化ニッケル、フルオ珪酸ニッケル、硝
酸ニッケル、蟻酸ニッケル、水酸化ニッケル、ヨウ化ニ
ッケル、ステアリン酸ニッケル、スルファミン酸ニッケ
ル、硫酸ニッケル等が挙げられる。
【0014】但し、ニッケル化合物としては、形成され
る被膜の外観が良好であり、アルコールやトルエン・キ
シレン等の有機溶剤に対する溶解性についても問題のな
いジプロピオニルメタンニッケル及び/またはジプロピ
オニルアセトンニッケルを用いることが好ましい。
【0015】尚、アセチルアセトンニッケルを用いれば
形成される被膜の外観がさらに良好となるが、アセチル
アセトンニッケルはアルコールやトルエン・キシレン等
有機溶剤に対する溶解度が小さいため、アセチルアセト
ンニッケルを使用する場合はこれを有機溶剤中に分散さ
せたサスペンジョンを用いることが好ましい。
【0016】また、チタン化合物としては、四塩化チタ
ン、チタンテトラエトキシド、アセトンアセチルチタニ
ル、硫酸第一チタン、硫酸第二チタン、チタンテトラブ
トキシド、チタンイソプロポキサイド、チタンメトキシ
ド、チタニウムジイソプロポキシビスオクチレングリコ
キシド、チタニウムジノルマルプロポキシビスオクチレ
ングリコキシド、チタニウムジイソプロポキシモノオク
チレングリコキシアセチルアセトナート、チタニウムジ
ノルマルブトキシモノオクチレングリコキシアセチルア
セトナート、チタニウムテトラオクチレングリコキシ
ド、チタニウムジノルマルプロポキシビスアセチルアセ
トナート等が、バナジウム化合物としては、アセチルア
セトンバナジウム、アセチルアセトンバナジル、三塩化
バナジウム、二塩化バナジル、三塩化バナジル、硝酸バ
ナジル、蓚酸バナジル、硫酸バナジル等が、クロム化合
物としては、アセチルアセトンクロム、酢酸第二クロ
ム、塩化第一クロム、塩化第二クロム、蟻酸第二クロ
ム、弗化第二クロム、硫酸クロムアンモニウム、水酸化
第二クロム、硝酸第二クロム、燐酸第二クロム、硫酸カ
リウムクロム、硫酸第二クロム等が、マンガン化合物と
しては、アセチルアセトン第一マンガン、アセチルアセ
トン第二マンガン、酢酸マンガン、硫酸マンガンアンモ
ニウム、ほう酸マンガン、臭化マンガン、炭酸マンガ
ン、塩化マンガン、弗化マンガン、フルオ珪酸マンガ
ン、蟻酸マンガン、ヨウ化マンガン、乳酸マンガン、硝
酸マンガン、蓚酸マンガン、燐酸二水素マンガン、燐酸
水素マンガン、硫酸マンガン、酒石酸マンガン等が、銅
化合物としては、アセチルアセトン銅、臭化第一銅、臭
化第二銅、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化第二銅アンモ
ニウム、クエン酸第二銅、シアン化第一銅、フルオほう
酸銅、弗化第二銅、フルオ珪酸銅、蟻酸第二銅、水酸化
第二銅、ヨウ化第一銅、硝酸銅、オレイン酸銅、蓚酸第
二銅、燐酸第二銅、硫酸銅等が、ジルコニウム化合物と
しては、アセチルアセトンジルコニウム、水酸化ジルコ
ニウム、硝酸ジルコニウム、亜硝酸ジルコニウム、オキ
シ塩化ジルコニウム、オキシ燐酸ジルコニウム、硫酸ジ
ルコニウム、四塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム等
が挙げられる。
【0017】また、鉄化合物としては、アセチルアセト
ン鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、クエン酸第二鉄、蓚酸
第二鉄アンモニウム、硫酸第二鉄アンモニウム、フルオ
ほう酸鉄、弗化第二鉄、フルオ珪酸鉄、乳酸第一鉄、硝
酸第二鉄、蓚酸第一鉄、燐酸第一鉄、燐酸第二鉄、硫酸
第一鉄、硫酸第二鉄、酒石酸第一鉄等が挙げられる。
【0018】これらの金属化合物を溶解する溶媒として
は、各種の芳香族・エステル・ケトン・アルコール・エ
ーテル等の有機溶剤が一般的である。
【0019】ガラス基板としては、無色透明のソーダラ
イムシリカガラス基板が最も一般的であるが、これに限
ることなく、例えば、可視光透過率や透過色の調整等の
ために、微量成分を添加して着色したソーダライムシリ
カガラス基板を用いることもできる。特に、ブルーやグ
リーンに着色されたソーダライムシリカガラス基板を用
いると被膜を形成していないガラス基板面から見た反射
色調を一般的に好まれるものに調整できて効果的であ
る。
【0020】また、反射率を低減するためには、被膜中
に、シリコン、アルミニウムを添加してもよく、色調を
調整するためには、亜鉛、錫、アンモニウム、インジウ
ム等を添加してもよい。この場合の添加量は重量%で3
%以下が好ましい。
【0021】本発明の第1に係る被膜については、その
被膜耐久性向上の観点からは、被膜の単位面積当たりの
総金属量に占めるコバルト及びニッケルの重量百分率
が、コバルトについては68〜87%、ニッケルについ
ては13〜32%であることが好ましい。
【0022】本発明の第1または第2に係る被膜の膜厚
は、厚くなりすぎると被膜組成によっては被膜表面抵抗
値が104 Ω/スクエア以下となるため130nm以下
とすることが好ましいが、生産性向上を考慮すると10
0nm以下とすることが好ましく、可視光透過率をも考
慮すると45nm以下とすることが好ましい。
【0023】また、本発明に係る被膜の膜厚は、20〜
45nmとすると美感上さらに好ましく、20〜40n
mとすると被膜形成面側の反射色調が無彩色となって被
膜面を室内側にして建築物に使用した場合の夜間の室内
照明の反射による不快感が少なくなり、また、被膜形成
面及び被膜非形成面の可視光反射率を低減できるため、
ビルの反射光害防止の観点からも好ましい。
【0024】本発明の第3に係る被膜の単位面積当たり
の総金属量に占めるニッケルの重量百分率は、可視光透
過率等の調整の観点及び被膜耐久性向上の観点からは5
〜40%であることが好ましい。
【0025】本発明に係る熱線反射ガラスは、JIS
R 3106−1985に従って測定した透過色が以下
の範囲であることが好ましい。
【0026】−4.5≦a* ≦4.5 及び 3.0≦
* ≦12.5
【0027】また、この透過色は、熱線反射ガラスの外
観上の商品価値を考慮すると以下の範囲であることが好
ましい。
【0028】 −0.5≦a* ≦0.5 及び 5.0≦b* ≦8.5
【0029】本発明に係る熱線反射ガラスは、JIS
R 3106−1985に従って被膜を形成していない
ガラス面について測定した反射色が以下の範囲であるこ
とが好ましい。
【0030】−7.0≦a* ≦−3.0 及び −5.
0≦b* ≦4.0
【0031】ここで、a* 、b*はJIS Z 872
9−1980において規定されるところのL***
表色系のクロマティクネス指数である。
【0032】
【作用】本発明の第1に係る熱線反射ガラスは、被膜の
表面抵抗値が104 Ω/スクエア以上であるため電磁波
反射性が実用上ほとんど問題にならない程度に抑制され
ている。また、被膜組成が同じであれば薄膜を薄くすれ
ばするほどその表面抵抗値は上がるが、本発明の第1に
係る被膜は膜厚を10nm以上とすることによって熱線
反射ガラス本来の光学的性能が維持されており、かつ、
コバルト酸化物とニッケル酸化物の割合を一定範囲とす
ることによって可視光透過率及び日射透過率が実用上好
ましい範囲に調整されている。即ち、コバルト酸化物及
びニッケル酸化物を含む被膜においては、スピネル型構
造を有するニッケルコバルタイトが被膜の表面抵抗値を
下げているため、ニッケルとコバルトの比率をニッケル
コバルタイトの化学量論比(ニッケル:コバルト=1:
2)と大きく異ならせることによっても被膜の抵抗値を
上げ得るが、かかる手法によると、コバルト酸化物を6
0%よりも少なくした場合には可視光透過率が50%を
超える可能性があり、一方、ニッケル酸化物を10%よ
りも少なくすると日射透過率が可視光透過率ほどには低
下しなくなりこの被膜の特長を生かすことができなくな
るため、本発明の第1に係る熱線反射ガラスにおいて
は、被膜単位面積当たりの総金属量に占めるコバルトの
重量百分率を60〜90%の範囲とし、ニッケルの重量
百分率を10〜40%の範囲としている。
【0033】本発明の第2に係る熱線反射ガラスは、上
述の作用を有し、さらに、被膜中にチタン、バナジウ
ム、クロム、マンガン、銅及びジルコニウムからなる群
のうち少なくとも1つを含む金属の酸化物を1〜30%
含有するため、表面抵抗値が増加し被膜耐久性が向上し
ている。
【0034】本発明の第3に係る熱線反射ガラスにおい
ても、被膜の表面抵抗値が104 Ω/スクエア以上であ
るため電磁波反射性が実用上ほとんど問題にならない程
度に抑制されている。また、本発明の第3に係る被膜
は、膜厚を10nm以上とすることにより熱線反射ガラ
ス本来の光学的性能を維持する一方、膜厚を70nm以
下とすることにより多量の鉄を添加しなくても被膜表面
抵抗値が104 Ω/スクエア以上となるようにしてい
る。従って、被膜中の鉄を4.5%以下とすることが可
能となり、被膜耐久性、特に耐酸性が向上している。
【0035】本発明の第4に係る熱線反射ガラスにおい
ても、被膜の表面抵抗値が104 Ω/スクエア以上であ
るため電磁波反射性が実用上ほとんど問題にならない程
度に抑制されている。また、この熱線反射ガラスは、被
膜を形成していない面から見た反射色調がグリーン系と
なっている。従って、特に建築用窓ガラスとして周囲の
風景や建造物との色彩上の調和を重視する観点から求め
られているグリーン系反射色調を有する熱線反射ガラス
として利用できる。このようなグリーン系反射色調を有
する熱線反射ガラスとしては、酸化チタン及び窒化チタ
ンからなる3層膜を形成したものが知られているが(例
えば、特開昭63−190742)、この熱線反射ガラ
スは物理蒸着法により成膜して得られるものであり、本
発明の第4に係る熱線反射ガラスのように、低コストで
高耐久性の被膜を形成し得る被膜形成溶液を熱分解する
方法による製造には適さない。一方、同じスピネル型酸
化物からなり被膜形成溶液の熱分解法により製造しう
る、コバルト、クロム、鉄からなるスピネル型酸化物被
膜では、膜厚を調整してもグリーン系の反射色調は得ら
れず、この色調に近いものが得られたとしても広い面積
で均一に成膜して均一な反射色を得ることは困難であ
る。
【0036】尚、本発明の第1〜第3に係る熱線反射ガ
ラスにおいても、被膜を調整することにより(具体的に
は被膜の膜厚を70nm以下とすることにより)、反射
色調をグリーン系にすることができる。
【0037】
【実施例】以下に実施例により本発明をより詳細に説明
する。 (実施例1) 大きさが150mm×150mm、厚さ
が4mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、乾燥し基
板とした。この基板を吊り具によって固定し650℃に
設定した電気炉内に5分間保持した後に取り出して10
0ccのトルエンに3価のコバルトのアセチルアセトナ
ート5.13g、2価のニッケルのジプロピオニルメタ
ン1.18gを溶解させた原料液を市販のスプレーガン
を用いて基板上に約10秒間、空気圧3.0kg/cm
2 、空気量90リットル/分、噴霧量20ミリリットル
/分で吹き付けた。この熱線反射ガラスについて、JI
SR 3106−1985に従って可視光透過率、可視
光反射率、日射透過率及び日射反射率を求め、高周波プ
ラズマ発光分析により被膜中の金属に占めるコバルトの
重量百分率を求め、さらに、被膜の表面抵抗及び膜厚に
ついて測定した。これらの結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】(実施例2) 実施例1において、3価の
コバルトのアセチルアセトナートを4.27g、2価の
ニッケルのジプロピオニルメタンを1.96g、スプレ
ーガンによる噴霧時間を約15秒、噴霧量を24ミリリ
ットル/分として実施例1と同様の方法により熱線反射
ガラスを作製し、同様の項目について特性を測定した。
これらの結果を表1に併せて示す。
【0040】(実施例3) 実施例1において、3価の
コバルトのアセチルアセトナートを3.21g、2価の
ニッケルのジプロピオニルメタンを2.94g、スプレ
ーガンによる噴霧時間を約20秒、噴霧量を28ミリリ
ットル/分として実施例1と同様の方法により熱線反射
ガラスを作製し、同様の項目について特性を測定した。
結果を表1に併せて示す。
【0041】表1より、実施例1〜3の熱線反射ガラス
は被膜の表面抵抗値が104 Ω/スクエア以上であり、
可視光透過率が50%以下であり、日射透過率が可視光
透過率に2.5%を加えた数値よりも上回らないことが
わかる。
【0042】(比較例1) 次に、クロム、鉄及びコバ
ルトの金属酸化物からなる被膜を形成して熱線反射ガラ
スを作製した。実施例1において、3価のコバルトのア
セチルアセトナートを6.55gとし、2価のニッケル
のジプロピオニルメタンの代わりに3価の鉄のアセチル
アセチナート1.90g及び3価のクロムのアセチルア
セトナート5.00gを加え、スプレーガンによる噴霧
時間を約30秒、噴霧時間を35ミリリットル/分とし
てその他は実施例1と同様の方法により熱線反射ガラス
を作製し、同様の項目について特性を測定した。結果を
表1に併せて示す。
【0043】比較例1では、可視光透過率は50%以下
に抑えられているが日射透過率は可視光透過率よりも5
%近くも高くなっており、日射エネルギー遮蔽の点で
は、実施例1〜3が優れていることがわかる。
【0044】また、実施例2、3及び比較例1で作製し
た熱線反射ガラスについて上述のa* 及びb* を測定し
た。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】(実施例4〜実施例8、比較例2〜比較例
3) さらに、原料の比率を変更した以外は上記実施例
と同様の方法で熱線反射ガラスを作製し、JIS R
3106−1985に従って可視光透過率、日射透過率
を求め、被膜表面抵抗値、膜厚についても測定し、さら
に、JIS R 3221−1990に従って耐薬品性
試験を実施した。但し、薬品の浸漬時間は3日間とし
た。
【0047】これらの結果を表3及び図1に示す。図1
よりコバルトの重量百分率が68〜87%で被膜の耐酸
性が特に優れていることがわかる。
【0048】
【表3】
【0049】また、表3よりコバルトの重量百分率が5
0%の金属酸化物被膜は可視光透過率が50%を上回
り、一方、コバルトの重量百分率が100%の金属酸化
物被膜は可視光透過率にくらべて日射透過率が5%程度
も大きく、十分なエネルギー制御が得られにくいことが
わかる。
【0050】尚、以上の実施例1〜実施例8で作製した
試料には全て外観上均一な被膜が形成されていた。
【0051】また、上記実施例ではガラス基板として全
て無色透明のソーダライムシリカガラス基板を使用した
が、着色したソーダライムシリカガラス基板を用いるこ
とによって、可視光透過率及び日射透過率並びにガラス
の透過色について調整することが可能である。
【0052】(比較例4) 実施例1において、3価の
コバルトのアセチルアセトナートを7.12g、2価の
ニッケルのジプロピオニルメタンを3.13g、トルエ
ンを200cc、スプレーガンによる噴霧時間を約50
秒、噴霧量を100ミリリットル/分として実施例1と
同様の方法により熱線反射ガラスを作製した。この試料
の膜厚は150nmであり可視光透過率は8.5%であ
ったが、被膜の表面抵抗値は1100Ω/スクエアであ
った。
【0053】(実施例9) 大きさが150mm×15
0mm、厚さが4mmのソーダライムシリカガラスを洗
浄、乾燥し基板とした。この基板を吊り具によって固定
し650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後に取
り出して100ccのトルエンに3価のコバルトのアセ
チルアセトナート5.13g、2価のニッケルのジプロ
ピオニルメタン1.18g及びバナジウムのアセチルア
セトナート0.65gを溶解させた原料液を市販のスプ
レーガンを用いて基板上に約20秒間、空気圧3.0k
g/cm2 、空気量90リットル/分、噴霧量20ミリ
リットル/分で吹き付けた。この熱線反射ガラスについ
て、JIS R 3106−1985に従って可視光透
過率を求め、高周波プラズマ発光分析により被膜中の金
属に占めるコバルトの重量百分率を求め、さらに、被膜
の表面抵抗及び膜厚について測定した。これらの結果を
表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】(実施例10) 実施例9において、バナ
ジウムのアセチルアセトナート0.65gに代えてクロ
ムのアセチルアセトナート0.66gを加え、その他は
実施例9と同様の方法により熱線反射ガラスを作製し、
同様の項目について特性を評価した。これらの結果を表
4に併せて示す。
【0056】(実施例11) 実施例9において、バナ
ジウムのアセチルアセトナート0.65gに代えてマン
ガンのアセチルアセトナート0.66gを加え、その他
は実施例9と同様の方法により熱線反射ガラスを作製
し、同様の項目について特性を評価した。これらの結果
を表4に併せて示す。
【0057】(実施例12) 実施例9において、バナ
ジウムのアセチルアセトナート0.65gに代えて銅の
アセチルアセトナート0.49gを加え、その他は実施
例9と同様の方法により熱線反射ガラスを作製し、同様
の項目について特性を評価した。これらの結果を表4に
併せて示す。
【0058】(実施例13) 実施例9において、バナ
ジウムのアセチルアセトナート0.65gに代えてジル
コニウムのアセチルアセトナート0.91gを加え、そ
の他は実施例9と同様の方法により熱線反射ガラスを作
製し、同様の項目について特性を評価した。これらの結
果を表4に併せて示す。
【0059】(比較例5) 実施例9において、バナジ
ウムのアセチルアセトナート0.65gを加えず、その
他は実施例9と同様の方法により熱線反射ガラスを作製
し、同様の項目について特性を評価した。これらの結果
を表4に併せて示す。
【0060】表4より、実施例9〜13の熱線反射ガラ
スは被膜の表面抵抗値が104 Ω/スクエア以上であ
り、可視光透過率が50%以下であることがわかるが、
特に、バナジウム、クロム、マンガン、ジルコニウムの
金属酸化物を添加した場合には表面抵抗値が大きく増加
することがわかる。
【0061】(実施例14) 2価のコバルトのアセチ
ルアセトナート、2価のニッケルのアセチルアセトナー
ト及びチタンのアセチルアセトナートを78.4:1
9.6:2のモル比で混合し、この混合原料15gを、
分散剤としてポリエチレングリコールとポリジメチルシ
ロキサンを含ませたトルエン100ccに入れ、エイシ
ン株式会社製ペイントシェーカーを使用して10秒間攪
拌して上記混合材料がトルエン中に分散した原料液を得
た。一方、大きさ300mm×300mm、厚さ4mm
のソーダライムシリカガラスを洗浄、乾燥して基板とし
た。基板を吊り具によって固定し、650℃に設定した
電気炉内に5分間保持した後に取り出し、市販のスプレ
ーガンを用いて原料液15gを基板上に空気圧4kg/
cm2 、空気量140リットル/分で吹きつけた結果、
厚さ50nmの金属酸化物被膜を形成した熱線反射ガラ
スを得た。この熱線反射ガラスについて、JIS R
3106−1985に従って可視光透過率及び日射透過
率を求め。さらに、被膜の表面抵抗値及び膜厚について
も測定した。これらの結果を表5に示す。
【0062】
【表5】
【0063】(実施例15〜実施例19) 実施例15
〜実施例19として、実施例14のチタンのアセチルア
セトナートの代わりに、バナジウム、クロム、マンガ
ン、銅またはジルコニウムのアセチルアセトナートを順
に用いて、各金属のアセチルアセトナートのモル比も含
め実施例14と同様の方法で熱線反射ガラスを作製し同
様の測定を行った。これらの結果を併せて表5に示す。
【0064】表5より、チタン、バナジウム、クロム、
マンガン、銅またはジルコニウムの金属酸化物を加える
と、コバルト及びニッケルの金属酸化物を含む被膜を形
成した熱線反射ガラスの耐酸性が向上したことがわか
る。また、この効果は、バナジウム、クロム、マンガ
ン、銅またはジルコニウムの金属酸化物を加えたときに
顕著である。さらに、実施例15〜実施例19とチタン
等の金属酸化物を添加しないで作製した比較例6との対
比の上で明らかなように、チタン等金属酸化物を添加し
たコバルト及びニッケルの金属酸化物を含む被膜を形成
した熱線反射ガラスは、可視光透過率及び日射透過率を
一定の範囲に保ったままで、被膜の耐久性、具体的には
耐酸性が向上している。
【0065】尚、以上の実施例9〜実施例19で作製し
た試料には全て外観上均一な被膜が形成されていた。
【0066】また、上記実施例ではガラス基板として全
て無色透明のソーダライムシリカガラス基板を使用した
が、着色したソーダライムシリカガラス基板を用いるこ
とによって、可視光透過率及び日射透過率並びにガラス
の透過色について調整することが可能である。
【0067】(実施例20) 大きさが150mm×1
50mm、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを
洗浄、乾燥し基板とした。この基板を吊り具によって固
定し650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後に
取り出して200ccのトルエンに3価のコバルトのア
セチルアセトナート5.3g、2価のニッケルのジプロ
ピオニルメタン1.2g及び3価の鉄のアセチルアセト
ナート0.3gを溶解させた原料液を市販のスプレーガ
ンを用いて基板上に約5秒間、空気圧1.5kg/cm
2 、空気量50リットル/分、噴霧量100ミリリット
ル/分で吹き付けた。この熱線反射ガラスについて、J
IS R 3106−1985に従って可視光透過率を
求め、高周波プラズマ発光分析により被膜中の金属に占
める鉄及びニッケルの重量百分率を求めた。結晶構造は
X線回析装置を用いて確認した。また、表面抵抗値は熱
線反射ガラスを5×4cmに切り出し、長辺5cmの両
端0.5cmの幅に銀ペーストを塗って電極とし、デジ
タルマルチメーターにより抵抗を測定した。さらに、J
IS R 3221−1990に従いテーパー磨耗輪を
200回転した前後のヘーズ変化率を測定し、耐薬品性
試験として1規定の硫酸または水酸化ナトリウム水溶液
に40℃の環境で24時間浸漬した後の被膜の劣化状態
を観察し、ほとんど劣化が観察されないときは○、劣化
が明らかなときは×とした。これらの結果を表6に示
す。
【0068】
【表6】
【0069】(実施例21) 実施例20において、ソ
ーダライムシリカガラスの厚さを12mmとして、他は
実施例20と同様の方法により熱線反射ガラスを作製
し、同様の項目について特性を測定した。結果を併せて
表6に示す。
【0070】(実施例22) 実施例20において、3
価のコバルトのアセチルアセトナート8.2g、2価の
ニッケルのジプロピオニルメタン1.2g及び3価の鉄
のアセチルアセトナート0.4gを溶解させた原料液を
用い、他は実施例20と同様にして熱線反射ガラスを作
製し、同様の項目について特性を測定した。結果を併せ
て表6に示す。
【0071】(実施例23) 実施例20において、3
価のコバルトのアセチルアセトナート4.5g、2価の
ニッケルのジプロピオニルメタン1.2g及び3価の鉄
のアセチルアセトナート0.3gを溶解させた原料液を
用い、他は実施例20と同様にして熱線反射ガラスを作
製し、同様の項目について特性を測定した。結果を併せ
て表6に示す。
【0072】(比較例7) 実施例20において、3価
のコバルトのアセチルアセトナート5.3g、2価のニ
ッケルのジプロピオニルメタン1.2g及び3価の鉄の
アセチルアセトナート0.7gを溶解させた原料液を用
い、他は実施例20と同様にして熱線反射ガラスを作製
し、同様の項目について特性を測定した。結果を併せて
表6に示す。
【0073】(比較例8) 実施例20において、3価
のコバルトのアセチルアセトナート5.3g、2価のニ
ッケルのジプロピオニルメタン1.2g及び3価の鉄の
アセチルアセトナート0.7gを溶解させた原料液を用
い、噴霧時間は実施例20の4倍とし、他は実施例17
と同様にして熱線反射ガラスを作製し、同様の項目につ
いて特性を測定した。結果を併せて表6に示す。
【0074】(比較例9) 実施例20において、3価
のコバルトのアセチルアセトナート3.3g、2価のニ
ッケルのジプロピオニルメタン2.9g及び3価の鉄の
アセチルアセトナート0.1gを溶解させた原料液を用
い、他は実施例17と同様にして熱線反射ガラスを作製
し、同様の項目について特性を測定した。結果を併せて
表6に示す。
【0075】被膜中に占める鉄の重量百分率は、被膜導
電性を抑えるためには、1.0%以上であることが好ま
しいが、高くなりすぎると表6より明らかなように被膜
耐久性、特に耐酸性が低下するため、4.5%以下が好
ましい。また、ニッケルの重量百分率は、高くなりすぎ
ると酸化物がスピネル型にならず可視光透過率が高くな
る等の不都合が生じるため、及び被膜耐久性向上の観点
から5〜40%とすることが好ましい。
【0076】(実施例24) 大きさが150mm×1
50mm、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを
洗浄、乾燥し基板とした。この基板を吊り具によって固
定し650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後に
取り出して200ccのトルエンに3価のコバルトのア
セチルアセトナート8.2g、2価のニッケルのジプロ
ピオニルメタン1.2gを溶解させた原料液を市販のス
プレーガンを用いて基板上に約5秒間、空気圧1.5k
g/cm2 、空気量50リットル/分、噴霧量120ミ
リリットル/分で吹き付けた。この熱線反射ガラスにつ
いて、JISR 3106−1985に従って可視光透
過率を求め、JIS Z 8729−1980に規定さ
れるL*** 表色系のクロマティックネス指数a*
* を求めた。結晶構造はX線回析装置を用いて確認し
た。また、表面抵抗値は熱線反射ガラスを5×4cmに
切り出し、長辺5cmの両端0.5cmの幅に銀ペース
トを塗って電極とし、デジタルマルチメーターにより抵
抗を測定した。さらに、JIS R 3221に従いテ
ーパー磨耗輪を200回転した前後のヘーズ変化率を測
定し、耐薬品性試験としてJIS R 3221に定め
られた酸・アルカリそれぞれの水溶液に24時間浸漬し
た後の被膜の劣化状態を観察し、ほとんど劣化が観察さ
れないときは○、劣化が明らかなときは×とした。これ
らの結果を表7に示す。
【0077】
【表7】
【0078】(実施例25) 実施例24において、3
価のコバルトのアセチルアセトナート8.2g、2価の
ニッケルのジプロピオニルメタン1.2g及び3価の鉄
のアセチルアセトナート0.7gを溶解させた原料液を
用い、他は実施例21と同様にして熱線反射ガラスを作
製し、同様の項目について特性を測定した。結果を併せ
て表7に示す。
【0079】(実施例26) 実施例24において、厚
さが12mmのソーダライムシリカガラスを洗浄し、3
価のコバルトのアセチルアセトナート8.2g、2価の
ニッケルのジプロピオニルメタン1.2g及び3価の鉄
のアセチルアセトナート0.7gを溶解させた原料液を
用い、他は実施例21と同様にして熱線反射ガラスを作
製し、同様の項目について特性を測定した。結果を併せ
て表7に示す。
【0080】(実施例27) 実施例24において、厚
さが6mmの透過色がブルーのソーダライムシリカガラ
スを洗浄し、他は実施例21と同様にして熱線反射ガラ
スを作製し、同様の項目について特性を測定した。結果
を併せて表7に示す。
【0081】(実施例28) 実施例24において、厚
さが5mmの透過色がグリーンのソーダライムシリカガ
ラスを洗浄し、他は実施例21と同様にして熱線反射ガ
ラスを作製し、同様の項目について特性を測定した。結
果を併せて表7に示す。
【0082】(比較例10) 実施例24において、3
価のコバルトのアセチルアセトナート3.6g、3価の
鉄のアセチルアセトナート5.3g、3価のクロムのア
セチルアセトナート1.8gを溶解させた原料液を用
い、他は実施例21と同様にして熱線反射ガラスを作製
し、同様の項目について特性を測定した。結果を併せて
表7に示す。
【0083】表7より透明のソーダライムガラスを基板
とした実施例24〜実施例26においては、L**
* 表色系のクロマティクネス指数が、−7.0≦a*
−3.0 及び −5.0≦b* ≦4.0の範囲となっ
ていることがわかる。この範囲の反射色は、グリーン系
の色調のなかでも美感上一般的に好まれるものである。
【0084】
【発明の効果】本発明に係る熱線反射ガラスは、被膜形
成溶液の熱分解という生産性に優れた製法により製造し
うる熱線反射ガラスであって、可視光透過率及び日射透
過率を一定値以下に抑制できるというコバルト及びニッ
ケルの金属酸化物を含む被膜を形成した熱線反射ガラス
の特徴を維持しつつ、実際の使用に際して問題となる電
磁波反射性、被膜耐久性、反射色調についても好ましい
特性を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ニッケル酸化物−コバルト酸化物系被膜の単位
面積当たりの総金属量に占めるコバルトの割合と耐酸性
試験前後の可視光透過率変化を示す図。
【図2】本発明に係る熱線反射ガラスの模式的な断面
図。
【符号の説明】
1:ガラス基板、2:被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安宅 功一 大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本 板硝子株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板と、その主表面上に形成した
    コバルト酸化物及びニッケル酸化物からなる金属酸化物
    を含む被膜からなる熱線反射ガラスにおいて、前記被膜
    は、単位面積当たりの総金属量に占めるコバルトとニッ
    ケルの重量百分率が以下の範囲であり、表面抵抗率が1
    4 Ω/スクエア以上であり、膜厚が10nm以上であ
    ることを特徴とする熱線反射ガラス。 コバルト:60〜90% ニッケル:10〜40%
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱線反射ガラスにおい
    て、前記単位面積当たりの総金属量に占めるコバルトと
    ニッケルの重量百分率が以下の範囲であることを特徴と
    する熱線反射ガラス。 コバルト:68〜87% ニッケル:13〜32%
  3. 【請求項3】 ガラス基板と、その主表面上に形成した
    コバルト酸化物及びニッケル酸化物を含む被膜からなる
    熱線反射ガラスにおいて、前記被膜は、チタン、バナジ
    ウム、クロム、マンガン、銅及びジルコニウムからなる
    群のうち少なくとも1つを含む金属の酸化物が添加され
    て単位面積当たりの総金属量に占める各金属の重量百分
    率が以下の範囲であり、表面抵抗率が104 Ω/スクエ
    ア以上であり、膜厚が10nm以上であることを特徴と
    する熱線反射ガラス。 コバルト:60〜89% ニッケル:10〜39% チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅及びジルコ
    ニウムからなる群のうち少なくとも1つを含む金属:1
    〜30%
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の熱線反
    射ガラスにおいて、前記膜厚が130nm以下であるこ
    とを特徴とする熱線反射ガラス。
  5. 【請求項5】 ガラス基板と、その主表面上に形成した
    コバルト酸化物及びニッケル酸化物を含む被膜からなる
    熱線反射ガラスにおいて、前記被膜は、鉄酸化物が添加
    されて単位面積当たりの総金属量に占める鉄の重量百分
    率が1.0〜4.5%であり、表面抵抗率が104 Ω/
    スクエア以上であり、膜厚が10nm以上70nm以下
    であることを特徴とする熱線反射ガラス。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の熱線反射ガラスにおい
    て、前記被膜の単位面積当たりの総金属量に占めるニッ
    ケルの重量百分率が5〜40%であることを特徴とする
    熱線反射ガラス。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の熱線反
    射ガラスにおいて、前記被膜を形成していないガラス基
    板主表面から見た反射色調がグリーン系であることを特
    徴とする熱線反射ガラス。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の熱線反
    射ガラスにおいて、前記被膜が本質的にスピネル型酸化
    物からなることを特徴とする熱線反射ガラス。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の熱線反
    射ガラスにおいて、透過色が以下の範囲となることを特
    徴とする熱線反射ガラス。 −4.5≦a* ≦4.5 及び 3.0≦b* ≦12.
    5 ここで、a* 及びb* はクロマティクネス指数である。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の熱線
    反射ガラスにおいて、前記被膜を形成していないガラス
    基板の主表面から見た反射色が以下の範囲となることを
    特徴とする熱線反射ガラス。 −7.0≦a* ≦−3.0 及び −5.0≦b*
    4.0 ここで、a* 及びb* はクロマティクネス指数である。
  11. 【請求項11】 ガラス基板と、その主表面上に形成し
    た金属酸化物を含む被膜からなる熱線反射ガラスにおい
    て、前記被膜は、本質的にコバルト酸化物及びニッケル
    酸化物を主成分とするスピネル型酸化物からなり、表面
    抵抗率が104 Ω/スクエア以上であり、膜厚が10n
    m以上70nm以下であり、その被膜を形成していない
    ガラス基板主表面から見た反射色調がグリーン系である
    ことを特徴とする熱線反射ガラス。
JP31439594A 1993-12-28 1994-12-19 熱線反射ガラス Pending JPH07232933A (ja)

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JP31439594A JPH07232933A (ja) 1993-12-28 1994-12-19 熱線反射ガラス

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JP33512393 1993-12-28
JP5-335123 1993-12-28
JP5-335868 1993-12-28
JP33586893 1993-12-28
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008074477A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Ishizuka Glass Co Ltd 着色ガラス製品の製造方法とそのコーティング液及び着色ガラス製品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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