JP3201209B2 - 建築物用ガラス - Google Patents

建築物用ガラス

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JP3201209B2
JP3201209B2 JP06446895A JP6446895A JP3201209B2 JP 3201209 B2 JP3201209 B2 JP 3201209B2 JP 06446895 A JP06446895 A JP 06446895A JP 6446895 A JP6446895 A JP 6446895A JP 3201209 B2 JP3201209 B2 JP 3201209B2
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章 藤沢
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/006Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with materials of composite character
    • C03C17/008Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with materials of composite character comprising a mixture of materials covered by two or more of the groups C03C17/02, C03C17/06, C03C17/22 and C03C17/28

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  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Special Wing (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築物用ガラスに関す
る。さらに詳しくは、汚れ付着性および電波反射性の観
点から、また、日射遮蔽性、可視光反射性等の観点から
特に建築物窓部への使用に適したガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築物、特に高層部を有するビル
建築物には種々の観点から多種多様のガラスが使用され
るようになってきている。例えば、冷房負荷の軽減及び
太陽光線による熱暑感の低減を目的としては熱線反射ガ
ラス等が、建築物高層化に伴う周辺住宅TV受像機への
いわゆるゴースト現象等を考慮しては電波反射性を低減
したガラスが、高層窓部の清掃回数低減を狙いとしては
汚れの付着しにくいガラスが、それぞれ開発され使用さ
れてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
個々の観点から開発され使用されてきたガラスは、建築
物用として必要とされる特性を総合的に勘案すれば、必
ずしも十分な性能を有するものではなかった。本発明
は、建築物に一般的に求められるようになってきた諸々
の特性を考慮し、これに適したガラスを提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る建築物用ガ
ラスは、ガラス基板とこのガラス基板の表面上に形成し
たアンチモンおよび錫を含有する酸化物被膜からなり、
この被膜の表面抵抗値は104〜107Ω/スクエアであ
り、この被膜を形成した前記ガラス基板の表面への入射
についての可視光反射率は10〜25%であることを特
徴とする。
【0005】ここで、前記被膜は、厚さ4mmの無色の
ソーダライムシリカガラスを前記ガラス基板として被膜
形成ガラスを構成したときに、この被膜形成ガラスにつ
いての可視光透過率は50%以上となり、日射透過率は
70%以下となる被膜であることが好ましい。
【0006】また、透過色は以下の範囲であることが好
ましい。
【0007】−3≦a* ≦1 および −5≦b* ≦5 ここで、a* およびb* は、JIS Z 8729−1
980において規定されるL*** 表色系のクロマテ
ィクネス指数である。
【0008】さらに、前記被膜は、被膜形成用原料を5
00℃以上のガラス基板上で熱分解酸化反応させること
により形成されることが好ましい。
【0009】
【作用】本発明による建築物用ガラスは、被膜抵抗値が
107 Ω/スクエア以下であるため、汚れの原因となる
ほこりが静電引力により吸着しにくく、その一方、被膜
抵抗が104 Ω/スクエア以上であるため、例えば、透
明高屈折率層/銀層/透明高屈折率層からなる薄膜を形
成したガラスを用いたときに問題となり得る電波反射障
害は低減される。
【0010】また、可視光反射率が25%以下であるた
め、例えば、酸化チタンの薄膜を形成した建築物窓部に
用いたときに問題となることもある近隣へのいわゆる反
射光害は抑制される。その一方、可視光反射率が10%
以上であり、アンチモン添加による着色効果もあるた
め、従来の熱線反射ガラスの特徴である美的外観上の付
加価値をも有するものである。
【0011】
【実施例】
(実施例1)大きさが100×100mm厚みが4mm
の無色のソーダライムシリカガラス(可視光透過率8
9.5%)を洗浄、乾燥し基板とした。この基板に、四
塩化錫(無水)、水蒸気、酸素ガス、五塩化アンチモン
の蒸気および窒素ガスの調整された混合気体を用いCV
D法により所定の温度に加熱されたガラス基板上にアン
チモンおよび錫を含む酸化物からなる被膜を形成した。
得られた膜のアンチモン組成比をプラズマ発光分析及び
蛍光X線により測定した。表1に錫、アンチモンの膜中
組成比、得られた膜の光学特性、膜厚、表面抵抗値を示
す。尚、表1における可視光反射率は、被膜を形成した
ガラス表面についての測定値である。
【0012】(実施例2)実施例1と同様のソーダライ
ムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板
に、モノブチル錫トリクロライドの蒸気、水蒸気、酸素
ガス、五塩化アンチモンの蒸気および窒素ガスの調整さ
れた混合気体を用いCVD法により所定の温度に加熱さ
れたガラス基板上にアンチモンおよび錫を含有する酸化
物被膜を形成した。得られた膜の特性を実施例1と同様
にして測定した結果を表1に示す。
【0013】(実施例3)実施例1と同様のソーダライ
ムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板を
吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内に
5分間保持した後、取り出してモノブチル錫トリクロラ
イド、メタノール、水、三塩化アンチモンを混合した原
料液を市販のスプレーガンを用いて基板上に吹き付け
て、アンチモンおよび錫を含有する酸化物被膜を形成し
た。得られた膜の特性を実施例1と同様にして測定した
結果を表1に示す。
【0014】(実施例4)実施例1と同様のソーダライ
ムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板を
吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内に
5分間保持した後、取り出してジオクチル錫ジアセテー
ト、トルエン、キシレン、三塩化アンチモンを混合した
原料液を市販のスプレーガンを用いて基板上に吹き付け
て、アンチモンおよび錫を含有する酸化物被膜を形成し
た。得られた膜の特性を実施例1と同様にして測定した
結果を表1に示す。
【0015】(実施例5)実施例1と同様のソーダライ
ムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板を
吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内に
5分間保持した後、取り出してジオクチル錫ジアセテー
ト、トルエン、キシレン、トリフェニルアンチモンを混
合した原料液を市販のスプレーガンを用いて基板上に吹
き付けて、アンチモンおよび錫を含む酸化物被膜からな
る被膜を形成した。得られた膜の特性を実施例1と同様
にして測定した結果を表1に示す。
【0016】(実施例6)実施例1と同様のソーダライ
ムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板を
吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内に
5分間保持した後、取り出してジオクチル錫ジアセテー
ト、トルエン、キシレン、アンチモンブトキシドを混合
した原料液を市販のスプレーガンを用いて基板上に吹き
付けて、アンチモンおよび錫を含む酸化物被膜からなる
被膜を形成した。得られた膜の特性を実施例1と同様に
して測定した結果を表1に示す。
【0017】(実施例7)実施例1と同様のソーダライ
ムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板を
吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内に
5分間保持した後、取り出してモノブチル錫トリクロラ
イド、メタノール、アンチモンエトキシドを混合した原
料液を市販のスプレーガンを用いて基板上に吹き付け
て、アンチモンおよび錫を含む酸化物被膜からなる被膜
を形成した。得られた膜の特性を実施例1と同様にして
測定した結果を表1に示す。
【0018】(実施例8)実施例1と同様のソーダライ
ムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板を
吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内に
5分間保持した後、取り出してモノブチル錫トリクロラ
イド、ブタノール、アンチモンブトキシドを混合した原
料液を市販のスプレーガンを用いて基板上に吹き付け
て、アンチモンおよび錫を含む酸化物被膜からなる被膜
を形成した。得られた膜の特性を実施例1と同様にして
測定した結果を表1に示す。
【0019】(実施例9)実施例1と同様のソーダライ
ムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板を
吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内に
5分間保持した後、取り出して(C492Sn(OC
OC7152 、トリフェニルアンチモン、トルエン、
イソプロピルアルコールを混合した原料液を市販のスプ
レーガンを用いて基板上に吹き付けて、アンチモンおよ
び錫を含む酸化物被膜からなる被膜を形成した。得られ
た膜の特性を実施例1と同様にして測定した結果を表1
に示す。
【0020】(実施例10)実施例1と同様のソーダラ
イムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板
を吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内
に5分間保持した後、取り出して(C492Sn(O
COC7152 、トルエン、イソプロピルアルコール
キシレン、(C653Sb(OCOC9192 を混合
した原料液を市販のスプレーガンを用いて基板上に吹き
付けて、アンチモンおよび錫を含む酸化物被膜からなる
被膜を形成した。得られた膜の特性を実施例1と同様に
して測定した結果を表1に示す。
【0021】(実施例11)実施例1と同様のソーダラ
イムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板
を吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内
に5分間保持した後、取り出してジブチル錫ジラウレー
ト、トリフェニルアンチモン、トルエン、イソプロピル
アルコールを混合した原料液を市販のスプレーガンを用
いて基板上に吹き付けて、アンチモンおよび錫を含む酸
化物被膜からなる被膜を形成した。得られた膜の特性を
実施例1と同様にして測定した結果を表1に示す。
【0022】(実施例12)実施例1と同様のソーダラ
イムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板
を吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内
に5分間保持した後、取り出してジブチル錫ジラウレー
ト、トルエン、イソプロピルアルコール、(C653
Sb(OCOC9192 を混合した原料液を市販のス
プレーガンを用いて基板上に吹き付けて、アンチモンお
よび錫を含む酸化物被膜からなる被膜を形成した。得ら
れた膜の特性を実施例1と同様にして測定した結果を表
1に示す。
【0023】(実施例13)実施例1と同様のソーダラ
イムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板
を吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内
に5分間保持した後、取り出してジオクチル錫ジラウリ
ン酸、トルエン、イソプロピルアルコール、トリフェニ
ルアンチモンを混合した原料液を市販のスプレーガンを
用いて基板上に吹き付けて、アンチモンおよび錫を含む
酸化物被膜からなる被膜を形成した。得られた膜の特性
を実施例1と同様にして測定した結果を表1に示す。
【0024】(実施例14)実施例1と同様のソーダラ
イムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板
を吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内
に5分間保持した後、取り出してジオクチル錫ジラウリ
ン酸、トルエン、イソプロピルアルコール、(C65
3Sb(OCOC9192 を混合した原料液を市販のス
プレーガンを用いて基板上に吹き付けて、アンチモンお
よび錫を含む酸化物被膜からなる被膜を形成した。得ら
れた膜の特性を実施例1と同様にして測定した結果を表
1に示す。
【0025】(実施例15)実施例1と同様のソーダラ
イムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板
を吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内
に5分間保持した後、取り出してモノブチル錫脂肪酸、
トルエン、イソプロピルアルコール、トリフェニルアン
チモン、(C653Sb(OCOC9192 を混合し
た原料液を市販のスプレーガンを用いて基板上に吹き付
けて、アンチモンおよび錫を含む酸化物被膜からなる被
膜を形成した。得られた膜の特性を実施例1と同様にし
て測定した結果を表1に示す。
【0026】(実施例16)大きさが100×100m
m厚みが4mmの無色のソーダライムシリカガラス(可
視光透過率89.5%)を洗浄、乾燥し基板とした。こ
の基板を吊具によって固定し、所定の温度に設定した電
気炉内に5分間保持した後、取り出してジオクチル酸ジ
アセテート、トルエン、キシレン、アンチモンブトキシ
ドを混合した原料液を市販のスプレーガンを用いて基板
上に吹き付けて、アンチモンおよび錫を含む酸化物被膜
からなる被膜を形成した。得られた膜の特性を実施例1
と同様にして測定した結果を表1に示す。
【0027】(実施例17)実施例1と同様のソーダラ
イムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板
を吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内
に5分間保持した後、取り出して(C492Sn(O
COC7152 、トリフェニルアンチモン、トルエ
ン、イソプロピルアルコール、トリフルオロ酢酸を混合
した原料液を市販のスプレーガンを用いて基板上に吹き
付けて、アンチモンおよび錫を含む酸化物被膜からなる
被膜を形成した。得られた膜の特性を実施例1と同様に
して測定した結果を表1に示す。また、膜中にフッ素が
入っている様子を2次イオン質量分析法により測定した
結果を図2に示す。
【0028】(実施例18)実施例1と同様のソーダラ
イムシリカガラスを洗浄、乾燥し基板とした。この基板
を吊具によって固定し、所定の温度に設定した電気炉内
に5分間保持した後、取り出してモノブチル錫脂肪酸
塩、トリフェニルアンチモン、(C653Sb(OC
OC9192 、トルエン、イソプロピルアルコール、
トリフルオロ酢酸を混合した原料液を市販のスプレーガ
ンを用いて基板上に吹き付けて、アンチモンおよび錫を
含む酸化物被膜からなる被膜を形成した。得られた膜の
特性を実施例1と同様にして測定した結果を表1に示
す。また、膜中にフッ素が入っている様子を2次イオン
質量分析法により測定した結果を図3に示す。
【0029】上記実施例では、日射透過率が70%以下
であって冷房負荷軽減等の効果が得られ、同時に、可視
光透過率が50%以上であるため、建築物内部からの眺
望が確保され、室内空間の快適性が損なわれることはな
い。
【0030】上記実施例1〜実施例18のうち、実施例
1〜実施例3、実施例4〜実施例6、実施例10〜実施
例14、実施例16については可視光反射率が20%以
下である。また、実施例2〜実施例6、実施例9〜実施
例15、実施例17、実施例18については可視光透過
率が60%以上であり、特に、実施例2、実施例11〜
実施例15については可視光透過率が65%以上であ
る。さらに、実施例1〜実施例3、実施例5〜実施例1
0、実施例15〜実施例18については日射透過率が6
5%以下であり、特に、実施例1、実施例3、実施例
9、実施例16については日射透過率が60%以下であ
る。
【0031】また、上記実施例すべてについて、透過色
が−2≦a* ≦1および−3≦b*≦3であり、表面抵
抗率が104 〜106 Ω/スクエアである。
【0032】本発明による被膜は、膜厚が10〜140
nmで全てSb23として算定したときの被膜中のアン
チモンが15〜80重量%であれば、被膜の表面抵抗が
104〜107Ω/スクエアとなるが、他の性能とのバラ
ンス等を考慮すれば、膜厚が30〜100nmで上記と
同様にして算定される被膜中のアンチモンが20〜50
重量%が好ましく、さらには、膜厚が40〜65nmで
上記と同様にして算定される被膜中のアンチモンが25
〜40重量%が好ましい。
【0033】本発明に係る建築物用ガラスは、熱分解酸
化反応、即ち、いわゆるスプレー法やCVD法により製
造されるため、フロート法によるガラス製造ライン上で
被膜形成を行うことにより低コストで製造できる。ま
た、かかる製法により形成された被膜は耐久性に優れて
おり、上記汚れ付着低減の効果をより発現すべく被膜を
室外側にして使用しても支障はない。即ち、本発明に係
る建築物用ガラスは、建築物開口部に被膜面を室外側に
して嵌め込んだ建築物窓構造としても使用できる。
【0034】本発明において使用する錫原料としては、
上記の他、ジブチル錫ジクロライド、テトラブチル錫、
ジオクチル錫ジクロライド、テトラオクチル錫、ジブチ
ル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル
錫ジラウレート、ジメチル錫ジクロライド、テトラメチ
ル錫、モノブチル錫トリアセテート、モノブチル錫トリ
プロピオネート、モノブチル錫トリイソプロポキサイ
ド、ジブチル錫ジメトキサイド、ジオクチル錫オキサイ
ド、テトラブトキシ錫等が、一方、アンチモンの原料と
しては、アンチモンメトキシド、酢酸アンチモン、オキ
シ塩化アンチモン、アンチモン脂肪酸塩、トリフェニル
アンチモン脂肪酸塩等が例示できる。
【0035】スプレー法により被膜を形成する場合は、
上記原料のうち、塩素を含む原料液は、装置の腐食の原
因となる等の問題があるため、かかる観点からは、錫原
料としてはジオクチル酸ジアセテート、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジオクチル酸ジラウリン酸、モノブチル錫脂
肪酸塩、(C492Sn(OCOC7152 等が、ア
ンチモン原料としてはトリフェニルアンチモン、アンチ
モンエトキシド、アンチモンブトキシド、(C653
Sb(OCOC9192 等が、フッ素原料としてはト
リフルオロ酢酸等が好ましく、これらの原料をキシレン
・トルエン等の有機溶剤に溶解させたものを使用するの
が好ましい。
【0036】尚、スプレー法としては、溶液スプレー
法、分散液スプレー法、粉末スプレー法等を用いること
ができる。また、原料については、あらかじめ各成分を
混合したものを用いてもよいし、各成分を別個にスプレ
ーしてもよい。
【0037】上記実施例による被膜は、本質的にアンチ
モンおよび錫の酸化物からなり、または、本質的にアン
チモン、錫およびフッ素の酸化物からなるが、得られる
被膜の色調や光学特性および耐久性を調整するために、
コバルト、鉄、マンガン、ニッケル、クロム、チタン、
バナジウム,ビスマス、銅、ジルコニウム、亜鉛、アル
ミニウム、シリコン、インジウムなどの金属塩や塩素、
臭素などのハロゲン元素を本発明の目的を損なわない範
囲で被膜中に含ませてもよい。
【0038】尚、本実施例においては、ガラス基板とし
ては、原則として最も一般的な無色のソーダライムシリ
カガラスを用いたが、実施例16のように微量着色成分
を添加した各種色板ガラス(例えば、グレー、ブロン
ズ、ブルー、グリーン等に着色したソーダライムシリカ
ガラス)等を用いてもよい。即ち、ガラス基板自体に可
視光吸収機能または日射吸収機能を付加して可視光透過
率または日射吸収率を調整してもよい。
【0039】上記実施例によれば、汚れ付着性、日射遮
蔽性、可視光反射性及び電波反射性のいずれの観点から
も建築物、特にビル建築物の高層窓部に適したガラスを
提供することができる。
【0040】これらの汚れ付着性、電波反射性、日射遮
蔽性及び可視光反射性における特徴は、建築物、特にビ
ル建築物の高層窓部に使用した場合にその効果を発揮す
るものであり、また、ガラス製造ライン上で被膜を形成
すれば、例えば、スパッタリング法等によりオフライン
で膜付けを行う場合のように膜付け装置による寸法の制
約を受けないため、特にビル建築物の大寸法窓部への使
用に適している。
【0041】本発明は、建築用ガラスに要求される諸特
性を考慮してなされたものであるが、これに限ることな
く、車両用産業用等の他の用途に使用することに特に制
限はない。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、総合的な観点から建築
物窓部への使用に適したガラスを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築物用ガラスの模式的断面図で
ある。
【図2】実施例17において作製した被膜形成ガラスを
2次イオン質量分析法により測定した結果である。
【図3】実施例18において作製した被膜形成ガラスを
2次イオン質量分析法により測定した結果である。
【符号の説明】
1:ガラス基板、2:被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−103339(JP,A) 特開 昭55−58363(JP,A) 特開 平3−90345(JP,A) 特開 平5−213630(JP,A) 特開 平5−294674(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 15/00 - 23/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板とこのガラス基板の表面上に
    形成したアンチモンおよび錫を含有する酸化物被膜から
    なり、この被膜の表面抵抗値は104〜107Ω/スクエ
    アであり、この被膜を形成した前記ガラス基板の表面へ
    の入射についての可視光反射率は10〜25%であるこ
    とを特徴とする建築物用ガラス。
  2. 【請求項2】 前記被膜は、厚さ4mmの無色のソーダ
    ライムシリカガラスを基板として構成される被膜形成ガ
    ラスについての可視光透過率が50%以上となり、日射
    透過率が70%以下となる被膜であることを特徴とする
    請求項1に記載の建築物用ガラス。
  3. 【請求項3】 前記被膜は、フッ素、アンチモンおよび
    錫を含有する酸化物被膜からなることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の建築物用ガラス。
  4. 【請求項4】 透過色が以下の範囲であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか一つに記載の建築物用ガラ
    ス。 −3≦a* ≦1 および −5≦b* ≦5 ここで、a* およびb* は、L*** 表色系のクロマ
    ティクネス指数である。
  5. 【請求項5】 前記被膜は、被膜形成用原料を500℃
    以上のガラス基板上で熱分解酸化反応することにより形
    成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つ
    に記載の建築物用ガラス。
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JP6-155755 1994-08-19
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