JPH09255368A - 建築物用ガラス - Google Patents

建築物用ガラス

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JPH09255368A
JPH09255368A JP61997A JP61997A JPH09255368A JP H09255368 A JPH09255368 A JP H09255368A JP 61997 A JP61997 A JP 61997A JP 61997 A JP61997 A JP 61997A JP H09255368 A JPH09255368 A JP H09255368A
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JP
Japan
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glass
oxide
substrate
coating
film
Prior art date
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Application number
JP61997A
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English (en)
Inventor
Akira Fujisawa
章 藤沢
Koichi Ataka
功一 安宅
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に建築物に適したガラスを得る。 【解決手段】 ガラス板上に、本質的に、Snの酸化
物、Sbの酸化物およびTiの酸化物の混合部からなる
被膜を形成したガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に建築物に適し
た被膜付ガラスに関し、さらに詳しくは、電波反射性、
可視光透過率等の観点から建築物窓部への使用に適した
ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、冷房負荷の軽減および太陽光線に
よる熱暑感の低減を目的として、熱線反射ガラスが特に
高層部を有する建築物に広く用いられている。熱線反射
ガラスは、太陽輻射エネルギーの約46%を占める近赤
外線のほか、同エネルギーの約50%を占める可視光線
をも一定限度反射するものであるが、室内の快適性を維
持するためなどの理由から可視光透過率は高いほうが好
ましい。可視光透過率が比較的高い熱線反射ガラスとし
ては、金、銀の金属薄膜層の片面または両面を透明誘電
体で覆った積層体をガラス板上に形成したものが知られ
ている(例えば、特公昭40−28672号)。また、
本発明者らは、可視光透過率が高く、他の特性も建築物
に適したガラスとして、表面にアンチモンおよび錫を含
有する酸化物被膜を形成したガラスを発明した(特願平
7−64468号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公昭40−28672号に記載されたような金属薄膜の
反射吸収を利用したガラスは、耐久性が十分でないとい
う問題があった。
【0004】また、上記特願平7−64468号に記載
したガラスは、建築物用としてはバランスのとれた特性
を有するものであるが、被膜が2成分系であること等に
より、光学特性、被膜特性値等について適宜調整するこ
とが必ずしも容易ではなかった。
【0005】本発明は、可視光透過率、同反射率、被膜
抵抗値、耐久性等の観点から建築物用として適してお
り、かつ、上記光学特性等を調整することが容易な被膜
形成ガラスを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記酸化錫−
酸化アンチモン被膜の熱線吸収性能を大きく低下させる
ことなく、可視光反射率、電波反射性等を調整しうる適
切な添加物がTi酸化物であることを発見して為された
ものである。すなわち、本発明に係る建築物用ガラス
は、ガラス基板上に酸化物からなる被膜を形成してなる
建築物用ガラスにおいて、前記被膜が本質的にSnの酸
化物とSbの酸化物とTiの酸化物との混合物からなる
ことを特徴とする。
【0007】本発明は、Sbの酸化物とSnの酸化物と
の混合物とからなる被膜の特徴を生かしつつ、Ti酸化
物を上記被膜に混合することによって、ガラスの各特性
を建築物用途にさらに適正化したものである。
【0008】Ti酸化物の混入により、上記被膜の可視
光反射率および被膜抵抗値は増加する。従って、本発明
により、可視光反射率の適当な増加による熱線遮蔽性能
および美感の向上、被膜抵抗値の増加によるゴースト現
象等の電波障害回避が容易に達成されうる。
【0009】本発明に係る被膜においては、被膜中の全
金属量に占める各金属の割合がそれぞれ、Sbが2〜5
0%、Snが10〜97.9%、Tiが0.1〜75%
であることが好ましい。なお、本明細書において、特に
断らない限り金属量を示す%はすべて重量%である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の被膜は、スパッタリング
法、真空蒸着法、塗布法等によって成膜することができ
るが、化学気相法(以下、「CVD法」という。)およ
び溶液スプレー法、分散液スプレー法、粉末スプレー法
等のスプレー法が生産性および被膜耐久性の観点から好
ましい。
【0011】上記方法の中で、溶液スプレー法において
は、Sn、SbおよびTiの化合物を含む溶液を高温の
ガラス基板上に噴霧すればよく、分散液スプレー法また
は粉末スプレー法においては、上記溶液の代わりにS
n、SbおよびTiの化合物を含む微粒子を溶液や溶剤
に分散させた分散液を、またはSn、SbおよびTiの
化合物を含む粉末を用いればよい。尚、これらスプレー
法としては、予め各成分を混合した液を微小な液滴・粉
末として噴霧してもよいし、各成分を別個に液滴・粉末
として同時に噴霧・反応させてもよい。また、CVD法
においては、上述の化合物を含む各層形成用の蒸気を用
いればよい。
【0012】スプレー法やCVD法のようないわゆる熱
分解法について用いることができる原料を以下に例示す
る。Sn原料としては、四塩化錫、ジメチル錫ジクロラ
イド、ジブチル錫ジクロライド、テトラブチル錫、ジオ
クチル錫ジクロライド、テトラオクチル錫、ジブチル錫
オキサイド、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫脂
肪酸、モノブチル錫トリクロライド、ジブチル錫ジアセ
テート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラ
ウレート等が、Sb原料としては、三塩化アンチモン、
五塩化アンチモン、トリフェニルアンチモン、アンチモ
ンメトキシド、アンチモンエトキシド、アンチモンブト
キシド、アンチモン脂肪酸、酢酸アンチモン、オキシ塩
化アンチモン等が挙げられる。尚、Sb原料としては、
Sb25、HClを加えた溶媒の組み合わせでもかまわ
ない。
【0013】Ti原料としては、四塩化チタン、チタン
テトラエトキシド、アセチルアセトンチタニル、硫酸第
一チタン、硫酸第二チタン、チタンテトラブトキシド、
チタンイソプロポキサイド、チタンメトキシド、チタニ
ウムジイソプロポキサイド、チタニウムジイソプロポキ
シビスオクチレングリコキシド、チタニウムジノルマル
プロポキシビスオクチレングリコキシド、チタニウムジ
イソプロポキシモノオクチチレングリコキシアセチルア
セトナート、チタニウムジノルマルブトキシモノオクチ
レングリコキシジアセチルアセトナート、チタニウムテ
トラオクチレングリコキシド、チタニウムジノルマルプ
ロポキシビスアセチルアセトナート等が挙げられる。
【0014】本発明に係る建築物用ガラスの被膜抵抗値
は、好ましくは105Ω/□である。一般には、被膜抵
抗値を104Ω/□以上とすればゴースト現象等を引き
起こす電波反射障害は抑制される。しかし、電波反射障
害は近年特に問題となっているため、被膜抵抗値を10
5Ω/□以上、さらには106Ω/□以上とすることが好
ましい。本発明によれば、Tiを添加することにより、
105Ω/□以上の被膜抵抗値を容易に得ることができ
る。本発明では、後述の実施例で示すように、被膜中の
全金属量に対し、Tiが10%以上含まれる範囲で被膜
抵抗値を106Ω/□以上にできることが確認された。
【0015】Ti添加量の増加により可視光反射率も増
加する。本発明に係る建築物用ガラスの可視光反射率
(被膜を形成した側の表面についての反射率をいう。以
下、同じ。)は、好ましくは20%以上である。一般に
は、可視光反射率を10%程度以上とすることにより熱
線反射ガラスの特徴である美的外観上の付加価値が認め
られるようになる。しかし、このような付加価値をさら
に強調したい場合や熱線遮蔽性能を向上させたい場合に
は、可視光反射率を20%以上とすることが好ましい。
本発明によれば、Ti添加量を適切に調整することによ
り、20%以上の可視光反射率を容易に得ることができ
る。
【0016】Ti添加量の増加により被膜抵抗値が10
6Ω/□以上となる範囲では、可視光反射率が25%を
超える場合がある。いわゆる建築物近隣への反射光害防
止の観点からは同反射率が25%以下であることが好ま
しいが、電波反射障害等が重視される場合には、被膜表
面抵抗値を106Ω/□以上、可視光反射率を20〜3
5%程度とすることが好ましい。
【0017】上述のように、本発明による被膜の耐久性
は、熱分解法により形成したときのほうがスパッタリン
グ法等それ以外の方法により形成したときよりも優れて
いる。すなわち、本発明に係る建築物用ガラスは、被膜
を熱分解法により形成したものであることが好ましい。
具体的には、フロート法によるガラス製造ライン上で被
膜を連続的に製造することにより、生産性よく耐久性の
よい膜を得ることができる。
【0018】しかし、さらに被膜耐久性を向上させるた
めには、被膜の全金属量に占めるSbの占める割合を5
%以上とすることが好ましい。
【0019】また、本発明においては、得られる建築物
用ガラスの色調、光学特性、被膜耐久性を調整するため
に、コバルト、鉄、マンガン、ニッケル、クロム、バナ
ジウム、ビスマス、銅、ジルコニウム、亜鉛、アルミニ
ウム、シリコン、インジウム等の金属塩や、フッ素、塩
素、臭素等のハロゲン元素を本発明の目的を損なわない
範囲で被膜中に含ませてもよい。
【0020】尚、本発明の被膜の膜厚としては、10〜
200nmが好ましいが、さらに好ましくは20〜70
nmである。
【0021】ガラス基板としては、ソーダライムシリカ
ガラス基板が一般的であり、高い可視光透過率を得やす
いが、グレー、ブロンズ、ブルー、グリーン等に着色さ
れたソーダライムシリカガラスを用いることによって、
透過色、可視光透過率等を調整することとしてもよい。
【0022】
【実施例】
(実施例1)大きさが150×150mm、厚さが6m
mのソーダライムシリカガラスを洗浄、乾燥し、基板と
した。この基板を吊具によって固定し、650℃に設定
した電気炉内に5分間保持した後、取り出してモノブチ
ル錫トリクロライド28.25g、メタノール100m
l、水3ml、三塩化アンチモン9.14g、チタニウ
ムジノルマルプロポキシビスアセチルアセトナート0.
44gを混合した原料液を市販のスプレーガンを用いて
基板に吹き付けて、Sn、SbおよびTiの酸化物の混
合物からなる被膜を形成した。得られたガラスの可視光
透過率、可視光反射率、吸収率(100%から可視光透
過率と可視光反射率を引いた値)、表面抵抗値および膜
厚を表1に示す。また、Sn、Sb、Ti金属量をプラ
ズマ発光分析および蛍光X線分析で測定した。被膜中の
全金属量のうちSbおよびTiの割合も併せて表1に示
す。
【0023】(実施例2)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してジオクチル錫ジアセテート、トルエン、キシレ
ン、トリフェニルアンチモン、チタニウムジノルマルプ
ロポキシビスアセチルアセトナートを、被膜中の全金属
量に占めるSnおよびTiの割合が表1に示した数値と
なるように混合した原料液を、市販のスプレーガンを用
いて基板に吹き付けて、Sn、SbおよびTiの酸化物
の混合物からなる被膜を形成した。このガラスにつき実
施例1と同様の特性値を表1に示す。
【0024】(実施例3)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してジオクチル錫ジアセテート、トルエン、キシレ
ン、チタニウムジノルマルプロポキシビスアセチルアセ
トナート、アンチモンブトキシドを、被膜中の全金属量
に占めるSnおよびTiの割合が表1に示した数値とな
るように混合した原料液を市販のスプレーガンを用いて
基板に吹き付けて、Sn,SbおよびTiの酸化物の混
合物からなる被膜を形成した。このガラスにつき実施例
1と同様の特性値を表1に示す。
【0025】(実施例4)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してジブチル錫脂肪酸((C4H9)2Sn(OCOC7H15)2)、ト
ルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、チタニウ
ムジノルマルプロポキシビスアセチルアセトナート、ト
リフェニルアンチモンを、被膜中の全金属量に占めるS
nおよびTiの割合が表1に示した数値となるように混
合した原料液を市販のスプレーガンを用いて基板に吹き
付けて、Sn、SbおよびTiの酸化物の混合物からな
る被膜を形成した。このガラスにつき実施例1と同様の
特性値を表1に示す。
【0026】表1に示したように、実施例1〜4による
建築物用ガラスは、ガラス基板として厚さ6mmのソー
ダライムシリカガラスを用いた場合に可視光透過率が6
0%以上であり、可視光反射率は20〜25%であり、
吸収率は14%以上であり、被膜の表面抵抗値は105
〜107Ω/□である。
【0027】(比較例1、比較例2)大きさが150×
150mm、厚さが6mmのソーダライムシリカガラス
を洗浄、乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって
固定し、650℃に設定した電気炉内に5分間保持した
後、取り出してジブチル錫脂肪酸((C4H9)2Sn(OCOC
7H15)2)、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコー
ル、トリフェニルアンチモンを、被膜中の全金属量に占
めるSnおよびTiの割合が表1に示した数値となるよ
うに混合した原料液を市販のスプレーガンを用いて基板
に吹き付けて、SnおよびSbの酸化物の混合物からな
る被膜を形成した。また、原料液の割合を変えた被膜も
形成した。これらのガラスにつき、各実施例と同様の特
性値を表1に示す。
【0028】(比較例3)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してジブチル錫脂肪酸((C4H9)2Sn(OCOC7H15)2)、ト
ルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、コバルト
アセチルアセトナート、トリフェニルアンチモンを、被
膜中の全金属量に占めるSnおよびTiの割合が表1に
示した数値となるように混合した原料液を市販のスプレ
ーガンを用いて基板に吹き付けて、Sn、SbおよびC
oの酸化物の混合物からなる被膜を形成した。このガラ
スにつき、各実施例と同様の特性値を表1に示す。尚、
表1には、Tiの割合の代わりに、Coの割合を示す
(以下の比較例においても、Tiの代わりに混合した金
属の割合を示す。)。
【0029】(比較例4)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してジブチル錫脂肪酸((C4H9)2Sn(OCOC7H15)2)、ト
ルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、ニッケル
アセチルアセトナート、トリフェニルアンチモンを、被
膜中の全金属量に占めるSnおよびTiの割合が表1に
示した数値となるように混合した原料液を市販のスプレ
ーガンを用いて基板に吹き付けて、Sn、SbおよびN
iの酸化物の混合物からなる被膜を形成した。このガラ
スにつき、各実施例と同様の特性値を表1に示す。
【0030】(比較例5)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してジブチル錫脂肪酸((C4H9)2Sn(OCOC7H15)2)、ト
ルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、鉄アセチ
ルアセトナート、トリフェニルアンチモンを、被膜中の
全金属量に占めるSnおよびTiの割合が表1に示した
数値となるように混合した原料液を市販のスプレーガン
を用いて基板に吹き付けて、Sn、SbおよびFeの酸
化物の混合物からなる被膜を形成した。このガラスにつ
き、各実施例と同様の特性値を表1に示す。
【0031】(比較例6)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してジブチル錫脂肪酸((C4H9)2Sn(OCOC7H15)2)、ト
ルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、クロムア
セチルアセトナート、トリフェニルアンチモンを、被膜
中の全金属量に占めるSnおよびTiの割合が表1に示
した数値となるように混合した原料液を市販のスプレー
ガンを用いて基板に吹き付けて、Sn、SbおよびCr
の酸化物の混合物からなる被膜を形成した。このガラス
につき、各実施例と同様の特性値を表1に示す。
【0032】表1によると、Sn酸化物−Sb酸化物被
膜への混合物として、Ti酸化物を添加した実施例で
は、Co酸化物、Fe酸化物等を添加した比較例のよう
に、吸収率が顕著に低下しないことがわかる。Ti酸化
物を添加した場合は、表面抵抗率が顕著に上昇してい
る。
【0033】
【表1】
【0034】次に、Ti酸化物の割合を大きくして被膜
抵抗値を106 Ω/□以上とした実施例を示す。 (実施例5)大きさが150×150mm、厚さが10
mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、乾燥し、基板
とした。この基板を吊具によって固定し、650℃に設
定した電気炉内に5分間保持した後、取り出してモノブ
チル錫トリクロライド28.25g、メタノール100
ml、水5ml、三塩化アンチモン9.14g、チタニ
ウムジノルマルプロポキシビスアセチルアセトナート4
3.53gを混合した原料液を市販のスプレーガンを用
いて基板に吹き付けて、Sn、SbおよびTiの酸化物
の混合物からなる被膜を形成した。得られたガラスの可
視光透過率、可視光反射率、表面抵抗値および膜厚を表
2に示す。また、被膜中のSn、Sb、Ti金属量をプ
ラズマ発光分析および蛍光X線分析で測定した。全金属
量のうちSbおよびTiの割合も併せて表2に示す。さ
らに、40℃、1規定の硫酸または水酸化ナトリウム水
溶液中にサンプルを浸し、耐薬品性の評価を行った。2
日後に膜の変化が観察されなかったものを○、1日後に
変化はなかったが2日後に膜が変化したものを△、1日
後に変化が観察されたものを×とした。これらの結果も
表2に示す。
【0035】(実施例6)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してジブチル錫脂肪酸((C4H9)2Sn(OCOC7H15)2)8.
11g、トルエン13.9g、キシレン4.33g、イ
ソプロピルアルコール5.6g、チタニウムジノルマル
プロポキシビスアセチルアセトナート4.33g、トリ
フェニルアンチモン5.5gを混合した原料液を市販の
スプレーガンを用いて基板に吹き付けて、Sn、Sbお
よびTiの酸化物の混合物からなる被膜を形成した。こ
のガラスにつき実施例5と同様の特性値を表2に示す。
【0036】(実施例7)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してジブチル錫脂肪酸((C4H9)2Sn(OCOC7H15)2)8.
11g、トルエン13.9g、キシレン8.67g、イ
ソプロピルアルコール5.6g、チタニウムジノルマル
プロポキシビスアセチルアセトナート8.67g、トリ
フェニルアンチモン5.5gを混合した原料液を市販の
スプレーガンを用いて基板に吹き付けて、Sn、Sbお
よびTiの酸化物の混合物からなる被膜を形成した。こ
のガラスにつき実施例5と同様の特性値を表2に示す。
【0037】(実施例8)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してジブチル錫脂肪酸((C4H9)2Sn(OCOC7H15)2)8.
11g、トルエン13.9g、キシレン17.33g、
イソプロピルアルコール5.6g、チタニウムジノルマ
ルプロポキシビスアセチルアセトナート17.33g、
トリフェニルアンチモン5.5gを混合した原料液を市
販のスプレーガンを用いて基板に吹き付けて、Sn、S
bおよびTiの酸化物の混合物からなる被膜を形成し
た。このガラスにつき実施例5と同様の特性値を表2に
示す。
【0038】(実施例9)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してジブチル錫脂肪酸((C4H9)2Sn(OCOC7H15)2)8.
11g、トルエン13.9g、キシレン43.33g、
イソプロピルアルコール5.6g、チタニウムジノルマ
ルプロポキシビスアセチルアセトナート43.33g、
トリフェニルアンチモン5.5gを混合した原料液を市
販のスプレーガンを用いて基板に吹き付けて、Sn、S
bおよびTiの酸化物の混合物からなる被膜を形成し
た。このガラスにつき実施例5と同様の特性値を表2に
示す。
【0039】(実施例10〜12)大きさが150×1
50mm、厚さが10mmのソーダライムシリカガラス
を洗浄、乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって
固定し、650℃に設定した電気炉内に5分間保持した
後、取り出してジブチル錫脂肪酸((C4H9)2Sn(OCOC
7H15)2)、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコー
ル、チタニウムジノルマルプロポキシビスアセチルアセ
トナート、トリフェニルアンチモンを、被膜中の全金属
量に占めるSnおよびTiの割合が表2に示した数値と
なるように混合した原料液を市販のスプレーガンを用い
て基板に吹き付けて、Sn、SbおよびTiの酸化物の
混合物からなる被膜を形成した。これらのガラスにつき
実施例5と同様の特性値を表2に示す。
【0040】(比較例7)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してジブチル錫脂肪酸((C4H9)2Sn(OCOC7H15)2)、ト
ルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、チタニウ
ムジノルマルプロポキシビスアセチルアセトナートを、
被膜中の全金属量に占めるSnおよびTiの割合が表2
に示した数値となるように混合した原料液を市販のスプ
レーガンを用いて基板に吹き付けて、SnおよびTiの
酸化物の混合物からなる被膜を形成した。このガラスに
つき実施例5と同様の特性値を表2に示す。
【0041】(比較例8)大きさが150×150m
m、厚さが6mmのソーダライムシリカガラスを洗浄、
乾燥し、基板とした。この基板を吊具によって固定し、
650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、取り
出してトルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、
チタニウムジノルマルプロポキシビスアセチルアセトナ
ートを、被膜中の全金属量に占めるSnおよびTiの割
合が表2に示した数値となるように混合した原料液を市
販のスプレーガンを用いて基板に吹き付けて、Tiの酸
化物の混合物からなる被膜を形成した。このガラスにつ
き実施例5と同様の特性値を表2に示す。
【0042】尚、表2には、比較例2により得られたガ
ラスについての特性値も併せて示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2に示したように、実施例5〜12によ
る建築物用ガラスは、ガラス基板として厚さ6mmまた
は10mmのソーダライムシリカガラスを用いた場合に
可視光透過率が60%以上であり、可視光反射率は20
〜35%であり、被膜の表面抵抗値は106Ω/□を超
える値である。また、Sbの割合を5%以上とすれば、
被膜の化学的耐久性が向上することがわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、可視光透過率、同反射
率、被膜抵抗値、耐久性等の観点から建築物用として適
しており、かつ、上記光学特性等を調整することが容易
な被膜形成ガラスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラスの模式的断面図。
【符号の説明】
1:被膜付ガラス、2:被膜、3:ガラス基板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板上に酸化物からなる被膜を形
    成してなる建築物用ガラスにおいて、 前記被膜が本質的にSnの酸化物とSbの酸化物とTi
    の酸化物との混合物からなることを特徴とする建築物用
    ガラス。
  2. 【請求項2】 前記被膜の表面抵抗値が105Ω/□以
    上であることを特徴とする請求項1に記載の建築物用ガ
    ラス。
  3. 【請求項3】 前記被膜に含まれる全金属量に対し、S
    bが5重量%以上であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の建築物用ガラス。
  4. 【請求項4】 前記被膜の膜厚が10〜200nmであ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載
    の建築物用ガラス。
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