JPH0753241A - 紫外線透過防止ガラス及びその製造方法 - Google Patents

紫外線透過防止ガラス及びその製造方法

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JPH0753241A
JPH0753241A JP5204219A JP20421993A JPH0753241A JP H0753241 A JPH0753241 A JP H0753241A JP 5204219 A JP5204219 A JP 5204219A JP 20421993 A JP20421993 A JP 20421993A JP H0753241 A JPH0753241 A JP H0753241A
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glass
ultraviolet ray
film
oxide
zirconium
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JP5204219A
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Akira Fujisawa
章 藤沢
Atsushi Yamaguchi
山口  淳
Masahiro Hirata
昌宏 平田
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ジルコニウム及び/又はチタンの酸化物と酸
化鉄10〜80重量%とを含む金属酸化物被膜が形成さ
れた紫外線透過防止ガラス。ジルコニウム及び/又はチ
タンの酸化物と酸化鉄とを含む第1層被膜1の上にジル
コニウム及び珪素の酸化物を含む第2層被膜2が形成さ
れた紫外線透過防止ガラス。ガラス基板を予め加熱して
熱分解スプレー法により作成する。 【効果】 視感透過率が高くかつ太陽光紫外線透過率が
低い上に、耐久性に優れた安価な紫外線透過防止ガラス
が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紫外線透過防止ガラス及
びその製造方法に係り、特に、優れた紫外線遮断効果を
有し、視感透過率が高く、しかも耐久性に優れ安価な紫
外線透過防止ガラス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線の照射が人体や建築物の内装品に
悪影響を与えることはよく知られたことであり、近年、
太陽光線中の紫外線を遮断する要求が、あらゆる分野に
おいて求められている。その中で、建築用或いは自動車
・車両において、太陽光線の大きな取入れ口である窓ガ
ラスについても、太陽光線中の紫外線を遮断することが
望まれている。
【0003】従来、このような紫外線遮断窓ガラスとし
ては、以下のようなものが用いられてきた。即ち、紫外
線遮断機能を有した有機樹脂フィルムをつけたガラス、
ガラス組成中にTi、Ce等の紫外線を吸収する元素を
混入したガラス、屈折率の異なる物質からなる薄膜を2
層以上成膜させたガラスなどである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機樹
脂フィルムを付けたガラスでは、紫外線により有機樹脂
フィルムの紫外線遮断機能が劣化したり、有機樹脂フィ
ルムの耐久性が良くない場合、他のフィルムやガラスを
積層したりしなければならず、構成上厚くならざるを得
ないことや製造コストが高くなるという欠点がある。ま
た、ガラス組成を変更したガラスは、紫外線を吸収する
元素の価数を一定にする必要があり、この価数のコント
ロールが困難であることの他に、ガラス組成自体の変更
となるため特に板ガラスの生産においては溶融組成安定
化のために時間がかかることから、無駄になるガラスが
多くなり、そのためコストが高くなるという問題があ
る。更に、多層薄膜を付着させたガラスでは、この成膜
を一般にはスパッタ法などの物理的成膜法によって行な
うため設備コストが高いことや多層成膜のための工数が
多いことから製造コストが高いという欠点がある。
【0005】これに対し、単層酸化亜鉛薄膜を安価なス
プレー法で成膜することも考えられるが、酸化亜鉛薄膜
は酸に弱いため、通常の窓ガラスとしては使えないとい
う問題がある。
【0006】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
し、視感透過率が高くかつ太陽光紫外線透過率が低い上
に、耐久性に優れた安価な紫外線透過防止ガラス及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の紫外線透過防
止ガラスは、ガラス基板の表面に、ジルコニウム及び/
又はチタンの酸化物を含む金属酸化物被膜が形成されて
なる紫外線透過防止ガラスにおいて、該被膜に酸化鉄が
10〜80重量%含有されており、該ガラスの国際基準
の太陽光紫外線透過率が30%以下でかつ視感透過率が
70%以上であることを特徴とする。
【0008】請求項2の紫外線透過防止ガラスは、請求
項1の紫外線透過防止ガラスにおいて、前記被膜に珪素
が含有されていることを特徴とする。
【0009】請求項3の紫外線透過防止ガラスは、ガラ
ス基板の表面に、ジルコニウム及び/又はチタンの酸化
物と酸化鉄とを含む第1層被膜と、ジルコニウム及び珪
素の酸化物を含む第2層被膜とが形成されてなる紫外線
透過防止ガラスであって、該ガラスの国際基準の太陽光
紫外線透過率が30%以下でかつ視感透過率が70%以
上であることを特徴とする。
【0010】請求項4の紫外線透過防止ガラスの製造方
法は、ガラス基板に金属化合物を含む反応物を供給して
金属酸化物被膜を形成することにより請求項1ないし3
のいずれか1項に記載の紫外線透過防止ガラスを製造す
る方法であって、該反応物の熱分解温度以上に加熱され
たガラス基板上に、前記反応物を供給することを特徴と
する。
【0011】以下に本発明を図面を参照して詳細に説明
する。図1は請求項3の紫外線透過防止ガラスの一実施
例を示す断面図である。
【0012】請求項1の紫外線透過防止ガラスは、ガラ
ス基板上に、ジルコニウム及び/又はチタンの酸化物と
酸化鉄とを含む金属酸化物被膜を形成したものである。
この紫外線透過防止ガラスにおいては、被膜に酸化鉄を
含有させることにより紫外線遮断性能を得るものである
が、この酸化鉄含有量が少な過ぎると紫外線遮断性能が
不足し、逆に多過ぎると視感透過率が低くなり過ぎ、好
ましくない。従って、酸化鉄含有量は10〜80重量
%、好ましくは50〜75重量%とする。
【0013】なお、この紫外線透過防止ガラスにおい
て、用途によっては反射率の低いガラスが望まれ、その
ため、被膜中に珪素、アルミニウム等の反射率低減のた
めの成分を含有していても良い。この場合、反射率低減
効果の面からは珪素が好ましく、その含有量は5〜70
重量%程度であることが好ましい。
【0014】また、被膜中には、色調を調節するため
に、コバルト、クロム、マンガン、ニッケル、バナジウ
ム、銅、アルミニウム等の元素を、視感透過率を低下さ
せない範囲で含有していても良い。
【0015】請求項3の紫外線透過防止ガラスは、図1
に示す如く、ジルコニウム、チタンのいずれかもしくは
両方を含む酸化物膜中に酸化鉄を含有してなる第1層被
膜1と、その上にジルコニウム及び珪素の酸化物を含む
第2層被膜2とをガラス基板3上に形成してなるもので
ある。
【0016】この紫外線透過防止ガラスでは、第1層被
膜1が紫外線遮断性能を有し、第2層被膜2として第1
層被膜1より屈折率の低い被膜を用いることで、干渉効
果により第1層被膜1のみの場合より紫外線遮断性能を
損なうことなく視感透過率を増加し、かつ第2層被膜2
が耐久性の強い被膜であることから、紫外線透過防止ガ
ラスの耐久性が強いものとなる。
【0017】この紫外線透過防止ガラスにおいて、第1
層被膜1が紫外線遮断性能を奏するには、該被膜中に酸
化鉄が含有されていることが必要であるが、前述の如
く、酸化鉄が多過ぎると視感透過率が低くなり過ぎるこ
とから、第1層被膜中の酸化鉄の含有量は10〜80重
量%、特に50〜75重量%とするのが好ましい。
【0018】この請求項3の紫外線透過防止ガラスにお
いても、用途によってはより反射率の低いガラスが望ま
れ、そのため、第1層被膜中に珪素、アルミニウム等、
好ましくは珪素を前述の範囲内で含有してもかまわな
い。また、色調を調節するためコバルト、クロム、マン
ガン、ニッケル、バナジウム、銅等の元素を含有しても
かまわない。
【0019】一方、第2層被膜において、ジルコニウム
及び珪素の酸化物の含有割合は、珪素が多過ぎると被膜
の成膜速度が遅くなりすぎ、ジルコニウムが多過ぎると
被膜の屈折率が大きくなることから、第2層被膜中の珪
素含有量が0.5〜50重量%の範囲となるようにする
のが好ましい。
【0020】本発明において使用されるガラス基板とし
ては、通常のソーダライムガラスが最も一般的である
が、着色されたソーダライムガラス基板やその他の透光
性ガラスであってもかまわない。
【0021】また、このようなガラス基板上に形成する
被膜の厚さは、請求項1の紫外線透過防止ガラスにおい
ては、0.02〜1μm程度にするのが好ましく、請求
項3の紫外線透過防止ガラスにおいては第1層被膜の厚
さを0.02〜1μm、第2層被膜の厚さを0.005
〜0.5μmとするのが好ましい。
【0022】このような本発明の紫外線透過防止ガラス
の紫外線遮断膜である金属酸化物被膜や第1層被膜及び
第2層被膜をガラス基板上に形成する方法としては、金
属化合物の気体をガラス上に供給するCVD法や、加熱
したガラス基板上に反応液を吹き付ける熱分解スプレー
法等が挙げられる。中でも、熱分解スプレー法が最も容
易かつ好適である。
【0023】この場合、スプレーの吹き付け原料液とし
ては、ジルコニウム、チタン、鉄又は珪素といった各成
分の化合物を液体状の溶媒中に溶解させたものが一般的
であるが、これら化合物の微粒子又は粉末の全部或いは
一部が媒体中に分散したものであっても良い。ここで原
料となる化合物のうち、ジルコニウム化合物としてはジ
ルコニウムアセチルアセトナート、酢酸ジルコニル、硝
酸ジルコニウム、硝酸ジルコニルなどが、チタン化合物
としてはチタニウムアセチルアセトナート、アセト酢酸
メチルチタニウム、アセト酢酸エチルチタニウム、テト
ラオクチレングリコールチタニウム、トリエタノールア
ミンチタニウムなどが、鉄化合物としては鉄アセチルア
セトナート、酢酸鉄、塩化鉄などが、珪素化合物として
はテトラメチルオルソシリケート、テトラエチルオルソ
シリケートなどが挙げられる。
【0024】これらの金属化合物を溶解ないし分散させ
る媒体としては、芳香族やケトン、アルコールなどの有
機溶剤が一般的である。
【0025】本発明の方法においては、適当量の原料金
属化合物を所望の被膜組成となるような割合で適当な媒
体に溶解ないし分散させて得られる原料液を、ガラス基
板上に大気中で吹き付けるなどして供給して金属酸化物
被膜を形成するが、この吹き付けに当り、予め、ガラス
基板を原料金属化合物の熱分解温度以上に加熱してお
く。この加熱温度は、用いる原料金属化合物の種類によ
って異なるが、通常の場合、350〜800℃程度とさ
れる。
【0026】このようにして原料吹き付け液を、加熱し
たガラス基板上に大気中で吹き付けると、所望の金属酸
化物被膜をガラス基板上に形成することができる。形成
される被膜厚さは原料液の吹き付け量によって調整する
ことができる。
【0027】なお、このような熱分解スプレー法によ
り、第1層被膜及び第2層被膜を備える請求項3の紫外
線透過防止ガラスを製造する場合、熱分解スプレー法に
よって第1層被膜を成膜した後、再度ガラスを加熱部へ
送って加熱し直した後に第2層被膜を成膜しても良く、
また、第1層被膜を成膜する時ガラス基板温度が下がり
過ぎないように保温することにより、第2層被膜を連続
的に成膜することができる。
【0028】このような本発明の方法により、紫外線透
過防止ガラスを作製する際には、好ましい原料吹き付け
液中の金属化合物含有量は、予め使用装置に応じて実験
的に決定しておく必要がある。この含有量は、吹き付け
時の基板温度・吹き付けに用いるノズル・ガスの排気機
構・成膜速度などに応じた最適範囲が存在する。即ち、
原料吹き付け液中の金属化合物の総量が少な過ぎれば十
分な成膜速度が得られず、逆に多過ぎれば良好な膜厚分
布が得られない。通常の場合、原料吹き付け液中の金属
化合物の総含有量は5〜70重量%とするのが好まし
い。
【0029】
【作用】金属酸化物膜としてジルコニウム、チタンのい
ずれかもしくは両方を含む酸化物膜中に酸化鉄を10〜
80重量%含有させることにより、視感透過率が高く耐
久性の強い紫外線透過防止ガラスを得ることができる。
【0030】特に、この被膜中に珪素を含有させること
により、珪素の反射率低減効果により、反射率の低い紫
外線透過防止ガラスが得られる。
【0031】また、金属酸化物被膜としてジルコニウ
ム、チタンのいずれかもしくは両方を含む酸化物膜中に
酸化鉄を含有してなる紫外線遮断性能を有する第1層被
膜と、ジルコニウム及び珪素の酸化物よりなる、視感透
過率の増加作用を奏し、耐久性に優れた第2層被膜とを
形成することにより、視感透過率が高く耐久性の強い紫
外線透過防止ガラスが得られる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
【0033】実施例1 大きさが150mm×150mm×4mm(厚さ)のソ
ーダライムガラスを洗浄、乾燥して基板とした。この基
板を吊具によって固定し、650℃に設定した電気炉内
に5分間保持した後取り出して、100ccのトルエン
にチタニウムアセチルアセトナート20.0g、鉄アセ
チルアセトナート7.94gを溶解させた原料液を市販
のスプレーガンを用いて基板上に約15秒間、空気圧1
kg/cm2 、空気量70リットル/min、噴霧量5
0ミリリットル/minで吹き付けて被膜を形成した。
【0034】形成された被膜の厚さ及び酸化鉄の含有量
は表1に示す通りであった。なお、酸化鉄の重量百分率
は高周波プラズマ発光分析により求めた。
【0035】この試料について、ISO/DIS905
0に従って太陽光紫外線透過率を、またJIS−310
6に従って視感透過率を求め、結果を表1に示した。ま
た、この試料を、40℃に保たれた1規定の硫酸及び1
規定の水酸化ナトリウム水溶液にそれぞれ2日間浸した
が、外観上何ら変化は認められなかった。
【0036】実施例2 原料液として、100ccのトルエンにジルコニウムア
セチルアセトナート9.74g、鉄アセチルアセトナー
ト3.53gを溶解させたものを用い、この原料液を市
販のスプレーガンを用いて基板上に約30秒間、空気圧
1kg/cm2、空気量70リットル/min、噴霧量
100ミリリットル/minで吹き付けたこと以外は実
施例1と同様にして被膜を形成した。
【0037】形成された被膜の厚さ及び酸化鉄の含有量
は表1に示す通りであった。
【0038】この試料について、実施例1と同様にして
太陽光紫外線透過率及び視感透過率を求め、結果を表1
に示した。また、この試料を、40℃に保たれた1規定
の硫酸及び1規定の水酸化ナトリウム水溶液にそれぞれ
2日間浸したが、外観上何ら変化は認められなかった。 実施例3 原料液として、100ccのトルエンにチタニウムアセ
チルアセトナート20.0g、鉄アセチルアセトナート
1.98gを溶解させたものを用い、この原料液を市販
のスプレーガンを用いて基板上に約25秒間、空気圧1
kg/cm2 、空気量70リットル/min、噴霧量7
5ミリリットル/minで吹き付けたこと以外は実施例
1と同様にして被膜を形成した。
【0039】形成された被膜の厚さ及び酸化鉄の含有量
は表1に示す通りであった。
【0040】この試料について、実施例1と同様にして
太陽光紫外線透過率及び視感透過率を求め、結果を表1
に示した。また、この試料を、40℃に保たれた1規定
の硫酸及び1規定の水酸化ナトリウム水溶液にそれぞれ
2日間浸したが、外観上何ら変化は認められなかった。 実施例4 原料液として、200ccのメタノールに塩化ジルコニ
ウム2.33g、テトラメチルオルソシリケート1.5
2g、鉄アセチルアセトナート1.76gを溶解させた
ものを用い、この原料液を市販のスプレーガンを用いて
基板上に約30秒間、空気圧1.5kg/cm2 、空気
量60リットル/min、噴霧量100ミリリットル/
minで吹き付けたこと以外は実施例1と同様にして被
膜を形成した。
【0041】形成された被膜の厚さ及び酸化鉄の含有量
は表1に示す通りであった。また、高周波プラズマ発光
分析により求めた二酸化珪素含有量は6重量%であっ
た。
【0042】この試料について、実施例1と同様にして
太陽光紫外線透過率及び視感透過率を求め、結果を表1
に示した。また、この試料を、40℃に保たれた1規定
の硫酸及び1規定の水酸化ナトリウム水溶液にそれぞれ
2日間浸したが、外観上何ら変化は認められなかった。 比較例1 原料液として、50ccのトルエンにチタニウムアセチ
ルアセトナート10.0g、鉄アセチルアセトナート1
5.89gを溶解させたものを用いたこと以外は実施例
1と同様にして被膜を形成した。
【0043】形成された被膜の厚さ及び酸化鉄の含有量
は表1に示す通りであった。
【0044】この試料について、実施例1と同様にして
太陽光紫外線透過率及び視感透過率を求め、結果を表1
に示した。
【0045】表1より、酸化鉄の含有量が10〜80重
量%であると、視感透過率が高い紫外線透過防止ガラス
を得ることができることがわかる。
【0046】
【表1】
【0047】実施例5 大きさが150mm×150mm×4mm(厚さ)のソ
ーダライムガラスを洗浄、乾燥して基板とした。この基
板を吊具によって固定し、650℃に設定した電気炉内
に5分間保持した後取り出して、100ccのトルエン
にチタニウムアセチルアセトナート20.0g、鉄アセ
チルアセトナート7.94gを溶解させた原料液を市販
のスプレーガンを用いて基板上に約15秒間、空気圧1
kg/cm2 、空気量70リットル/min、噴霧量5
0ミリリットル/minで吹き付けた(第1層被膜形
成)。このガラス基板を再び650℃に設定した電気炉
内に5分間保持した後取り出して、100ccのトルエ
ンにジルコニウムアセチルアセトナート5g、テトラエ
チルオルソシリケート75ccを溶解させた原料液を同
じスプレーガンを用いて約45秒間、空気圧1kg/c
2 、空気量70リットル/min、噴霧量150ミリ
リットル/minで吹き付けた(第2層被膜形成)。
【0048】形成された各被膜の厚さ及び第1層被膜の
酸化鉄の含有量、第2層被膜の珪素含有量を表2に示
す。なお、酸化鉄の重量百分率は高周波プラズマ発光分
析により求めた。
【0049】この試料について、ISO/DIS905
0に従って太陽光紫外線透過率を、またJIS−310
6に従って視感透過率を求め、結果を表2に示した。ま
た、JISR3212に従って耐摩耗性試験を行い、テ
ーバー試験用ロールを1000回転した後の曇率変化を
測定し、結果を表3に示した。なお、この試料を、40
℃に保たれた1規定の硫酸及び1規定の水酸化ナトリウ
ム水溶液にそれぞれ2日間浸したが、外観上何ら変化は
認められなかった。
【0050】実施例6 実施例5において、第1層被膜形成における原料液の吹
き付け時間を約7秒間とし、噴霧量を30ミリリットル
/minとしたこと以外は同様にして試料を作製し、こ
の試料について同様に太陽光紫外線透過率、視感透過率
及び曇率変化を調べ、結果を表2,3に示した。この試
料を、40℃に保たれた1規定の硫酸及び1規定の水酸
化ナトリウム水溶液にそれぞれ2日間浸したが、外観上
何ら変化は認められなかった。
【0051】実施例7 大きさが150mm×150mm×4mm(厚さ)のソ
ーダライムガラスを洗浄、乾燥して基板とした。この基
板を吊具によって固定し、650℃に設定した電気炉内
に5分間保持した後取り出して、100ccのトルエン
にジルコニウムアセチルアセトナート9.74g、鉄ア
セチルアセトナート3.53gを溶解させた原料液を市
販のスプレーガンを用いて基板上に約30秒間、空気圧
1kg/cm2 、空気量70リットル/min、噴霧量
100ミリリットル/minで吹き付けた(第1層被膜
形成)。このガラスを再び650℃に設定した電気炉内
に5分間保持した後取り出して、100ccのトルエン
にジルコニウムアセチルアセトナート5g、テトラエチ
ルオルソシリケート75ccを溶解させた原料液を同じ
スプレーガンを用いて約45秒間、空気圧1kg/cm
2 、空気量70リットル/min、噴霧量150ミリリ
ットル/minで吹き付けた(第2層被膜形成)。
【0052】形成された各被膜の厚さ及び第1層被膜の
酸化鉄の含有量、第2層被膜の珪素含有量を表2に示
す。
【0053】この試料について、実施例1と同様にして
太陽光紫外線透過率及び視感透過率を求め、結果を表2
に示した。この試料を、40℃に保たれた1規定の硫酸
及び1規定の水酸化ナトリウム水溶液にそれぞれ2日間
浸したが、外観上何ら変化は認められなかった。
【0054】比較例2 実施例5において第1層被膜のみを形成し、第2層被膜
を形成しなかったこと以外は同様にして得られた試料に
ついて、同様に曇率変化を測定し、結果を表3に示す。
【0055】比較例3 実施例6において第1層被膜のみを形成し、第2層被膜
を形成しなかったこと以外は同様にして得られた試料に
ついて、同様に曇率変化を測定し、結果を表3に示し
た。
【0056】表2,3より、本発明によれば、太陽光紫
外線透過率が低く、視感透過率が高く、耐久性に優れた
紫外線透過防止ガラスが得られることがわかる。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の紫外線透過
防止ガラス及びその製造方法によれば、視感透過率が高
くかつ太陽光紫外線透過率が低い上に、耐久性に優れた
安価な紫外線透過防止ガラスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の紫外線透過防止ガラスの一実施
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第1層被膜 2 第2層被膜 3 ガラス基板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の表面に、ジルコニウム及び
    /又はチタンの酸化物を含む金属酸化物被膜が形成され
    てなる紫外線透過防止ガラスにおいて、該被膜に酸化鉄
    が10〜80重量%含有されており、該ガラスの国際基
    準の太陽光紫外線透過率が30%以下でかつ視感透過率
    が70%以上であることを特徴とする紫外線透過防止ガ
    ラス。
  2. 【請求項2】 前記被膜に珪素が含有されていることを
    特徴とする請求項1に記載の紫外線透過防止ガラス。
  3. 【請求項3】 ガラス基板の表面に、ジルコニウム及び
    /又はチタンの酸化物と酸化鉄とを含む第1層被膜と、
    ジルコニウム及び珪素の酸化物を含む第2層被膜とが形
    成されてなる紫外線透過防止ガラスであって、該ガラス
    の国際基準の太陽光紫外線透過率が30%以下でかつ視
    感透過率が70%以上であることを特徴とする紫外線透
    過防止ガラス。
  4. 【請求項4】 ガラス基板に金属化合物を含む反応物を
    供給して金属酸化物被膜を形成することにより請求項1
    ないし3のいずれか1項に記載の紫外線透過防止ガラス
    を製造する方法であって、該反応物の熱分解温度以上に
    加熱されたガラス基板上に、前記反応物を供給すること
    を特徴とする紫外線透過防止ガラスの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09194235A (ja) * 1996-01-12 1997-07-29 Ishizuka Glass Co Ltd 紫外線遮断機能を有するコーティング被膜とその形成方法
WO2008102822A1 (ja) 2007-02-20 2008-08-28 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤を含む高分子材料
WO2009022736A1 (ja) 2007-08-16 2009-02-19 Fujifilm Corporation ヘテロ環化合物、紫外線吸収剤及びこれを含む組成物
WO2021095917A1 (ko) * 2019-11-13 2021-05-20 엘지전자 주식회사 통신용 복합 유리 및 이의 제조 방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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