JPH0986388A - リターダ制御装置 - Google Patents

リターダ制御装置

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JPH0986388A
JPH0986388A JP26916895A JP26916895A JPH0986388A JP H0986388 A JPH0986388 A JP H0986388A JP 26916895 A JP26916895 A JP 26916895A JP 26916895 A JP26916895 A JP 26916895A JP H0986388 A JPH0986388 A JP H0986388A
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JP
Japan
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retarder
downstream side
direct coupling
engagement
engine
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JP26916895A
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English (en)
Inventor
Tomoo Mochizuki
智夫 望月
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JATCO Corp
Original Assignee
JATCO Corp
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Publication date
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロックアップピストン32の不完全な作動に
起因してトルクコンバーター30がエンジンブレーキト
ルクの伝達を妨げた場合でも、車体を正常かつ滑らかに
減速できるリターダ制御装置を提供する。 【解決手段】 エンジン回転センサ20の出力から求め
たエンジン回転数NEとタービンセンサ27の出力から
求めたタービン回転数NTを比較して、ロックアップピ
ストン32が締結方向に作動されているにもかかわら
ず、エンジン回転数NE<タービン回転数NTの場合に
は、ロックアップピストン32の締結の不完全と判断し
てリターダ装置13から制動力を出力させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直結用クラッチ付
きトルクコンバーターや直結用クラッチ付きフルードカ
ップリングを搭載した自動変速機の下流側に配置された
リターダ装置の作動/非作動を制御するリターダ制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】直結用クラッチ付きトルクコンバーター
や直結用クラッチ付きフルードカップリングを搭載した
自動変速機が実用化されている。これらの直結用クラッ
チ付き流体伝導装置を搭載した自動変速機では、エンジ
ン側から車輪側に動力伝達がなされる駆動領域で直結用
クラッチを締結させれば、流体伝導装置に起因した動力
伝達の損失を除去できる。また、車輪側からエンジン側
に向かって動力伝達がなされるコースト領域で直結用ク
ラッチを締結させれば、流体伝導装置の流体を介したす
べりによってエンジンブレーキ効果を妨げられない。
【0003】車輪を直接に摩擦拘束するサービスブレー
キやシリンダーの圧縮抵抗を利用したエンジンブレーキ
に追加される補助ブレーキ装置として、リターダ装置や
排気ブレーキが実用化されている。補助ブレーキ装置
は、主として排気タービンを搭載した大型車両や高速道
路を利用する機会の多い車両に搭載され、エンジンブレ
ーキを補ってサービスブレーキの使用頻度と負担を軽減
する。リターダ装置は、自動車のエンジンから車輪まで
の駆動力伝達経路に挿入して配置される。永久磁石や電
磁石を用いて電磁気的な制動力を発生させる渦電流式
と、オイルポンプを用いてオイルを循環させ、オイルの
流路抵抗から制動力を発生させる流体式が実用化されて
いる。リターダ装置は、制動力のレベルや時間的変化を
細かく設定して、制動力を再現性高く出力させることが
可能である。排気ブレーキ装置は、エンジンの排気経路
に弁体を設け、弁体で排気経路の流路面積を絞り込んで
エンジンのエンジンブレーキ効果を増大させる。
【0004】特開昭62−159856号公報には、直
結用クラッチ付き流体伝導装置を搭載した自動変速機に
おける直結用クラッチの制御が示される。ここでは、排
気ブレーキを設けてエンジンブレーキ効果を増大させて
おり、車速が低下すると直結用クラッチの締結が自動的
に解除されてエンジンブレーキ効果が突然に失われるこ
とに対する対策が課題とされている。そして、エンジン
ブレーキ効果を発揮させている場合には、直結用クラッ
チの締結を解除する車速のしきい値を自動的に引き下げ
ることで課題を解決している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】流体伝導装置では、流
体を介した動力伝達を行うから伝達トルクが高まるとす
べりを生じて動力の伝達効率が低下する。自動車の高車
速の走行中にアクセルペダルの踏み込みを緩めるとコー
スト領域の運転となってエンジンブレーキ効果が現れ
る。直結用クラッチ付き流体伝導装置を組み込んだ自動
変速機を搭載している場合、直結用クラッチが締結して
いなければ、流体伝導装置の内部ですべりが発生して不
十分な減速となる。さらに、排気ブレーキが搭載されて
いる場合、排気ブレーキを作動させるとエンジン側の回
転抵抗が高まるが、流体伝導装置の内部ですべりが発生
していれば回転抵抗がエンジンブレーキ効果に十分に反
映されない結果となる。従って、大きなエンジンブレー
キ効果が必要な場合には、直結用クラッチを締結させ
て、エンジン側の回転抵抗による大きなトルクを直接に
車輪側に伝達させる。
【0006】しかし、直結用クラッチ付き流体伝導装置
の構造と運転状態の特殊な組み合わせ状況下では、直結
用クラッチを締結方向に作動させても締結状態が不完全
になる場合がある。図4は、ロックアップピストン(直
結用クラッチ)が組み込まれたトルクコンバーターの断
面の模式図である。トルクコンバーター30のカバー3
1は、インペラー31Pと一体に形成され、エンジンの
出力軸40によって直接に回転駆動される。オイルポン
プのローター36もカバー31と一体に回転する。カバ
ー31の内部空間はオイルで満たされており、インペラ
ー31Pに対向させてタービン33が配置され、カバー
31とタービン33の間にロックアップピストン32が
配置される。インペラー31Pとタービン33の間に配
置されたステータ37は、自動変速機の筐体に固定され
た円筒状のステータ軸34に支持される。タービン33
とロックアップピストン32は、タービン軸35に回転
を拘束されるが、ロックアップピストン32は軸方向に
移動可能である。タービン軸35の内部の油路を通じて
カバー31とロックアップピストン32の間のオイルを
矢印のように排出すると、タービン33側の油圧がロッ
クアップピストン32を軸方向に移動させて摩擦面をカ
バー31の内壁面に押し付けて締結させる。
【0007】このとき、タービン軸35が高速回転して
いると、タービン33とロックアップピストン32の高
速回転によってタービン33とロックアップピストン3
2の間の油圧が低下してしまい、カバー31とロックア
ップピストン32の間のオイルを排出してもロックアッ
プピストン32がカバー31の内壁面に締結されない可
能性がある。また、タービン軸35から出力軸40へ動
力伝達されるコースト領域では、インペラー31Pから
ステータ37を経由してタービン33へ流れ込むオイル
の流れ(矢印)が形成される。この流れは、出力軸40
からタービン軸35へ動力伝達するドライブ領域におけ
る流れ方向と逆向きであって、出力軸40とタービン軸
35の回転数差が拡大すると流速が高まり、タービン3
3とロックアップピストン32の間のオイルを矢印で示
すように吸い上げて、タービン33とロックアップピス
トン32の間の油圧を低下させる。従って、カバー31
とロックアップピストン32の間のオイルを排出しても
ロックアップピストン32がカバー31の内壁面に締結
されない可能性がある。
【0008】これにより、コースト領域でロックアップ
ピストンが締結されて大きなエンジンブレーキ効果が発
揮されて当然な状況下で、期待どおりの車体の減速が得
られない場合がある。このとき、運転者が当惑や不愉快
を感じたり、サービスブレーキを強く踏み込む操作を強
要される。
【0009】ところで、特開昭62−159856号公
報に示されるように、直結用クラッチを締結させたコー
スト領域での継続的な減速の遂行中でも、車速が所定の
しきい値を割り込むと直結用クラッチの締結が自動的に
解除される。すると、直結用クラッチを通じた大きなエ
ンジンブレーキトルクの伝達が、流体伝導装置を通じた
限定的な低いトルクの伝達に切り替わる。このとき、突
然にエンジンブレーキ効果が低下して車体の減速状態が
変化するため、運転者は当惑しつつサービスブレーキを
踏み込むことになる。
【0010】本発明は、コースト領域で直結用クラッチ
を締結して大きなエンジンブレーキ効果を発揮させよう
とした場合に期待どおりの車体の減速が達成されるリタ
ーダ制御装置と、継続的な減速の遂行中に直結用クラッ
チの締結が解除された場合に確実で安定した車体の減速
が達成されるリターダ制御装置とを提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、駆動
力伝達経路の上流側の駆動力を流体を介して下流側に伝
達する流体伝導装置と、前記上流側の駆動力を前記下流
側へ直接に伝達する直結用クラッチとを有する自動変速
機の下流側に配置されたリターダ装置を制御するリター
ダ制御装置において、前記駆動力伝達経路における前記
流体伝導装置よりも上流側の回転速度を検知する第1回
転センサと、前記駆動力伝達経路における前記流体伝導
装置よりも下流側の回転速度を検知する第2回転センサ
と、第1回転センサと第2回転センサの出力から前記直
結用クラッチの締結/非締結を識別する締結識別手段
と、前記下流側から前記上流側に向かって動力伝達がな
されるコースト領域で前記直結用クラッチが締結方向に
作動されている状況下で前記締結識別手段が前記直結用
クラッチの非締結を識別した場合に、前記リターダ装置
から所定レベルの制動力を出力させる第1出力手段とを
有するものである。
【0012】請求項2の発明は、駆動力伝達経路の上流
側の駆動力を流体を介して下流側に伝達する流体伝導装
置と、前記上流側の駆動力を前記下流側へ直接に伝達す
る直結用クラッチとを有する自動変速機の下流側に配置
されたリターダ装置を制御するリターダ制御装置におい
て、前記下流側から前記上流側に向かって動力伝達がな
されるコースト領域における継続的な減速状態を識別す
る減速識別手段と、車速が所定のしきい値を割り込んで
前記直結用クラッチの締結が解除された時点で前記減速
識別手段が継続的な減速状態を識別している場合に前記
リターダ装置から所定レベルの制動力を出力させる第2
出力手段とを有するものである。
【0013】
【作用】請求項1のリターダ制御装置では、直結用クラ
ッチが期待どおりに締結しなかった場合にリターダ装置
から所定レベルの制動力を出力させて流体伝導装置を通
じた限定的なエンジンブレーキ効果に追加させることに
より、直結用クラッチが期待どおりに締結した場合に匹
敵する車体の減速を達成する。直結用クラッチの締結/
非締結の識別は、流体伝導装置の上流側の回転数と下流
側の回転数を検知して、流体伝導装置の内部で流体を介
したすべりが発生しているか否かを判断して行う。
【0014】請求項2のリターダ制御装置では、継続的
な減速過程で車速の低下に伴って直結用クラッチの締結
が解除されると、リターダ装置から所定レベルの制動力
を出力させ、流体伝導装置によるエンジンブレーキ効果
の損失を補って直結用クラッチの締結の解除の前後で車
体の減速状態が急変しないようにする。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜図3を参照して実施例のリ
ターダ制御装置を説明する。図1はリターダ装置の制御
システムの構成の説明図、図2はロックアップ制御の説
明図、図3はリターダ制御装置における制御のフローチ
ャートである。図2中、(a)はODレンジにおける制
御、(b)はDレンジにおける制御をを示す。
【0016】図1に示されるように、渦電流式のリター
ダ装置13は、トルクコンバーター30を組み込んだ自
動変速機12の出力側に配置されており、リターダ制御
装置26から供給された電流レベルに応じた制動力を出
力する。図4を参照して先に説明したように、トルクコ
ンバーター30のロックアップピストン32が非締結の
場合、エンジン11の出力回転は、カバー31に入力さ
れた後に、カバー31内を満たすオイルの流れを介して
タービン軸35に伝達される。一方、ロックアップピス
トン32を締結した場合、エンジン11の出力回転は、
カバー31の内壁からロックアップピストン32を介し
て直接にタービン軸35へ伝達される。タービン軸35
を通じて自動変速機12の変速機構34に入力されたエ
ンジン11の出力回転は、変速機構34で変速されて出
力軸38からプロペラ軸16ヘと伝達され、ディファレ
ンシャル機構14を介して後輪15を駆動する。
【0017】エンジン11の出力状態は、運転者がアク
セルペダル17を踏み込んで加減するスロットルバルブ
18のスロットル開度TVOに応じて変化する。スロッ
トルバルブ18に設けたスロットルセンサ23は、スロ
ットル開度TVOに応じたアナログ電圧信号を出力す
る。自動変速機12に設けた車速センサ22は、自動変
速機12の出力軸38に取り付けた計測用歯車39の歯
を磁気的に検知して、車速VSPに応じた周波数の電圧
信号を出力する。タービンセンサ27は、タービン軸3
5のスプラインの凹凸を磁気的に検知して、タービン軸
35の回転速度に応じた周波数の電圧信号を出力する。
【0018】エンジン11に設けたエンジン回転センサ
20は、エンジン11の出力軸の回転速度に応じた周波
数の電圧信号を出力する。インヒビタスイッチ21は、
運転者がセレクトレバー19を操作して設定した変速モ
ードに対応したコード信号を出力する。変速モードとし
ては、4段階の変速段を使用するODレンジ、3段階の
変速段を使用するDレンジ、エンジンブレーキや低速域
での急加速が必要な際に選択される2速レンジと1速度
レンジ、中立のNレンジとPレンジ、後退する際に選択
されるRレンジがある。
【0019】自動変速機コントロールユニット25は、
スロットルセンサ23と車速センサ22の出力に基づい
てスロットル開度TVOと車速VSPを演算し、設定さ
れた変速モードに対応させて変速マップを選択する。そ
して、スロットル開度TVOと車速VSPの組み合わせ
を変速マップに照合して変速時期を判断し、自動変速機
12のシフトソレノイドSSを作動させて変速機構34
に必要な変速段を設定する。また、スロットル開度TV
Oと車速VSPの組み合わせを変速マップに照合してロ
ックアップピストン32の締結/締結解除の時期を判断
し、ロックアップソレノイドLSを作動させる。
【0020】リターダスイッチ24は、車室内に配置さ
れ、運転者によって必要に応じてON/OFF操作され
る。リターダスイッチ24がONされた状態で運転者が
アクセルペダル17から足を離すと、リターダ制御装置
26がリターダ装置13の制動力を立ち上げて疑似的な
エンジンブレーキ効果を発揮させる。
【0021】また、リターダ制御装置26は、リターダ
スイッチ24がOFFされた状態であっても、ロックア
ップピストン32の締結が不完全な場合にリターダ装置
13の制動力を立ち上げて、ロックアップピストン32
の不完全な締結によるエンジンブレーキ効果の損失を補
填する。また、リターダ制御装置26は、リターダスイ
ッチ24がOFFされた状態であっても、車体の継続的
な減速過程でロックアップピストン32が締結解除され
た場合にリターダ装置13の制動力を立ち上げて、ロッ
クアップピストン32の締結解除の前後におけるエンジ
ンブレーキ効果の急変を避ける。
【0022】図2の(a)に示すように、ODレンジで
は、変速比が1以下のオーバードライブ変速段の4速を
含む4段階の変速が実行される。そして、3速−4速の
変速線(実線)よりも高い車速領域に、ロックアップピ
ストン32を締結させるL/UON線(実線)とロック
アップピストン32の締結を解除させるL/UOFF線
(破線)が設定されている。図2の(b)に示すよう
に、Dレンジでは、変速比が1の直結変速段を最高とす
る3段階の変速が実行される。そして、2速−3速の変
速線(実線)よりも高い車速領域に、ロックアップピス
トン32を締結させるL/UON線(実線)とロックア
ップピストン32の締結を解除させるL/UOFF線
(破線)が設定されている。
【0023】図2の(a)において、4速で走行中の状
態Aから運転者がアクセルペダル17の踏み込みを突然
に緩めて状態Cまでスロットル開度TVOを低下させた
とする。状態Aから状態Bまでは、L/UON線よりも
車速VSPが低いからロックアップピストン32が非締
結であり、スロットル開度TVOの低下に伴ってエンジ
ン11の出力回転が低下しても、トルクコンバーター3
0内のオイルの流れを介したトルク伝達に限界付けられ
て、車体に大きなエンジンブレーキ効果が作用しない。
その後、状態Bまでスロットル開度TVOが低下した段
階でロックアップピストン32が締結されるとエンジン
11と変速機構34が直結状態となり、慣性走行に駆動
されて高速回転を続ける変速機構34に、スロットル開
度TVOの低下に伴うエンジン11の回転抵抗が損失無
く伝達されて、車体に大きなエンジンブレーキ効果が作
用する。
【0024】このとき、図4を参照して先に説明したよ
うに、ロックアップピストン32が実際の締結に至って
いなければ、状態Aから状態Bまでと同様なエンジンブ
レーキの不足した状態が継続することになる。そこで、
トルクコンバーター30の上流側と下流側の回転速度を
検知して、自動変速機コントロールユニット25がロッ
クアップピストン32を締結作動させているにもかかわ
らず、下流側の回転速度が上流側の回転速度よりも高い
すべり状態の場合にリターダ装置13の制動力を立ち上
げる。
【0025】次に、4速で走行中の状態Dで運転者がア
クセルペダル17の踏み込みを解放して状態Eまでスロ
ットル開度TVOを低下させ、そのまま状態Eから状態
Fを経て状態Gまで減速が継続されたとする。状態Eか
ら状態FまではL/UOFF線よりも車速VSPが高い
からロックアップピストン32が締結され続け、エンジ
ン11の回転抵抗が損失無く変速機構34に伝達されて
車体に大きなエンジンブレーキ効果が作用する。しか
し、状態Fまで車速VSPが低下してロックアップピス
トン32が締結解除されると、トルクコンバーター30
を介して伝達されるトルクが低いレベルに限界付けられ
て突然にエンジンブレーキが不足した状態となる。そこ
で、状態Fでロックアップピストン32の締結解除に対
応させてリターダ装置13の制動力を立ち上げ、状態F
の前後における車体の減速状態の急変を避けた。
【0026】図3を参照してリターダ制御装置26にお
ける処理を説明する。ステップ111では、スロットル
開度TVOと車速VSPを読み込む。ステップ112で
は、スロットル開度TVOと車速VSPからコースト領
域か否かを識別する。コースト領域であればステップ1
13へ進み、コースト領域でなければ運転者が加速や速
度維持を求めているからステップ121へ進んでリター
ダ装置13の作動を解除する。ステップ113では、リ
ターダスイッチ24のON/OFFを識別する。ONの
場合はステップ120へ進んでリターダ装置13から制
動力を出力させる。OFFの場合ステップ114へ進
む。ステップ114では、自動変速機コントロールユニ
ット25におけるロックアップ制御のフラグを検知し
て、ロックアップピストン32が締結方向に駆動されて
いるか否かを識別する。締結方向に駆動されている場合
にはステップ115へ進む。駆動されていない場合には
ステップ117へ進む。
【0027】ステップ117では、車体の走行状態がロ
ックアップ状態で開始された順調な減速過程に該当して
いるか否かが識別される。ロックアップ解除の直後にロ
ックアップ解除までの減速状態が所定範囲であれば、ス
テップ120へ進んでリターダ装置13の制動力を立ち
上げて、ロックアップ解除に伴うエンジンブレーキ効果
の減少を補わせる。その後は、リターダ装置13の制動
力に頼った減速状態となるが、減速状態が所定範囲で推
移する限り、リターダ装置13から一定の制動力を出力
させ続ける。
【0028】具体的には、ロックアップ状態で開始され
た減速過程について、過去0.5秒間の車速VSPの変
化量が、過去の数秒間における0.5秒間ごとの車速V
SPの変化量の範囲にあるか否かを識別する。範囲内に
あれば、順調な減速過程で突然にロックアップ解除がな
された状態か、ロックアップ解除後にリターダ装置13
の制動力を用いて減速状態の急変を避けている状態に相
当するからステップ120へ進んでリターダ装置13を
作動させる。これ以外の場合には、ステップ121へ進
んでリターダ装置13の作動を解除する。
【0029】ステップ115ではエンジン回転数NEと
タービン回転数NTを読み込み、ステップ116ではN
E/NTが1以下か否かを識別する。NE/NTが1に
満たない場合にはトルクコンバーター30でエンジンブ
レーキトルクの伝達が妨げられているから、ステップ1
20へ進んでリターダ装置13を作動させる。1の場合
は完全なロックアップ状態、1を越える場合はロックア
ップ解除のドライブ領域であるから、ステップ121へ
進んでリターダ装置13の作動を解除する。
【0030】実施例のリターダ制御装置によれば、ロッ
クアップ動作が不完全な場合にリターダ装置13から制
動力を出力させてエンジンブレーキ効果の不足を補填す
るから、ロックアップを前提とした車体の減速が期待さ
れている場合にその期待を裏切らない。ロックアップの
良否にかかわらず常に一定した車体の減速効果を確保で
きるから、運転者の精神状態が安定し、車体の減速や停
止を正確に繰り返すことが可能となり、サービスブレー
キの使用頻度も低下する。実施例のリターダ制御装置に
よれば、ロックアップ解除に対応させてリタ−ダ装置か
ら制動力を出力させてロックアップ解除の前後における
減速状態の急変を避けるから、ロックアップ解除と無関
係に車体の減速状態が安定し、運転者が突然の減速状態
の変化に戸惑ったり不快感を感じることがない。そし
て、これらの機能は、リターダ装置13が搭載された自
動車では、その制御プログラムのごく一部を変更するだ
けで達成できる。
【0031】実施例では、スロットル開度TVOと車速
VSPの両方からコースト領域を識別したが、スロット
ル開度TVOが所定値以下に低下した場合やスロットル
開度TVOの最低範囲で作動するアイドルスイッチのO
Nをもってコースト領域と判断してもよい。ロックアッ
プが不完全な場合や減速過程のロックアップ解除後にリ
ターダ制御装置26から出力させる制動力のレベルは、
予め基準の一定値を定めておき、車速VSPや車体重量
や道路状態に応じて補正してもよい。また、車体の減速
状態が一定に確保されるように、刻々の制動力のレベル
を変化させる制御を行ってもよい。
【0032】実施例では、トルクコンバーターの下流側
の回転速度の検知にタービンセンサ27の出力を用いた
が車速センサ22の出力で代用してもよい。ロックアッ
プの良否を識別するためには、変速比で補正演算した値
を使用する。実施例では、リターダスイッチ24がON
の場合には、ロックアップの良否にかかわらずリターダ
装置13から制動力が出力されるが、ロックアップが不
良の場合に制動力を割り増しすることとしてもよい。エ
ンジン11に排気ブレーキを設けたり、エンジン11と
自動変速機12の間に別のリターダ装置を設けてエンジ
ンブレーキ効果を増大させてもよい。
【0033】実施例では、ステップ115、116が発
明の締結識別手段、ステップ117が減速識別手段、ス
テップ120が発明の第1出力手段および第2出力手段
にそれぞれ相当する。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、直結用クラッ
チの締結が不完全な場合にリターダ装置から制動力を出
力させるから、直結用クラッチの締結が不完全なために
エンジンブレーキ効果が不足する事態が避けられる。
【0035】請求項2の発明によれば、減速過程で直結
用クラッチの締結解除がされた場合にリターダ装置の制
動力を立ち上げて、直結用クラッチの締結解除の前後に
おける車体の減速状態の急変を避けているから、直結用
クラッチの締結解除と無関係に自然な減速が達成され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】リターダ装置の制御システムの構成の説明図で
ある。
【図2】ロックアップ制御の説明図である。
【図3】リターダ制御装置における制御のフローチャー
トである。
【図4】ロックアップピストン付きトルクコンバーター
の断面図である。
【符号の説明】
11 エンジン 12 自動変速機 13 リターダ装置 14 ディファレンシャル機構 15 後輪 16 プロペラ軸 17 アクセルペダル 18 スロットルバルブ 19 セレクトレバー 20 エンジン回転センサ 21 インヒビタスイッチ 22 車速センサ 23 スロットルセンサ 24 リターダスイッチ 25 自動変速機コントロールユニット 26 リターダ制御装置 27 タービンセンサ 30 トルクコンバーター 31 カバー 32 ロックアップピストン 33 タービン 34 変速機構 35 タービン軸 38 出力軸 39 計測用歯車 LS ロックアップソレノイド SS シフトソレノイド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動力伝達経路の上流側の駆動力を流体
    を介して下流側に伝達する流体伝導装置と、前記上流側
    の駆動力を前記下流側へ直接に伝達する直結用クラッチ
    とを有する自動変速機の下流側に配置されたリターダ装
    置を制御するリターダ制御装置において、 前記駆動力伝達経路における前記流体伝導装置よりも上
    流側の回転速度を検知する第1回転センサと、 前記駆動力伝達経路における前記流体伝導装置よりも下
    流側の回転速度を検知する第2回転センサと、 第1回転センサと第2回転センサの出力から前記直結用
    クラッチの締結/非締結を識別する締結識別手段と、 前記下流側から前記上流側に向かって動力伝達がなされ
    るコースト領域で前記直結用クラッチが締結方向に作動
    されている状況下で、前記締結識別手段が前記直結用ク
    ラッチの非締結を識別した場合について、前記リターダ
    装置から所定レベルの制動力を出力させる第1出力手段
    とを有することを特徴とするリターダ制御装置。
  2. 【請求項2】 駆動力伝達経路の上流側の駆動力を流体
    を介して下流側に伝達する流体伝導装置と、前記上流側
    の駆動力を前記下流側へ直接に伝達する直結用クラッチ
    とを有する自動変速機の下流側に配置されたリターダ装
    置を制御するリターダ制御装置において、 前記下流側から前記上流側に向かって動力伝達がなされ
    るコースト領域における継続的な減速状態を識別する減
    速識別手段と、 車速が所定のしきい値を割り込んで前記直結用クラッチ
    の締結が解除された時点で前記減速識別手段が継続的な
    減速状態を識別している場合に、前記リターダ装置から
    所定レベルの制動力を出力させる第2出力手段とを有す
    ることを特徴とするリターダ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008544162A (ja) * 2005-06-11 2008-12-04 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト 自動車の停止時において自動車の流体式トルクコンバーター付きの自動変速機を切り替えるための方法

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JP2008544162A (ja) * 2005-06-11 2008-12-04 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト 自動車の停止時において自動車の流体式トルクコンバーター付きの自動変速機を切り替えるための方法

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