JPH0986123A - 軌道作業車の脱線防止装置 - Google Patents

軌道作業車の脱線防止装置

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JPH0986123A
JPH0986123A JP25075095A JP25075095A JPH0986123A JP H0986123 A JPH0986123 A JP H0986123A JP 25075095 A JP25075095 A JP 25075095A JP 25075095 A JP25075095 A JP 25075095A JP H0986123 A JPH0986123 A JP H0986123A
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JP
Japan
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rail
guide
vehicle body
work
track
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Application number
JP25075095A
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English (en)
Inventor
Takahiro Nagashima
隆洋 長嶋
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Aichi Corp
Original Assignee
Aichi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジャッキにより車体が揚げられ支持されたと
きに、鉄輪とレールとの間に位置ずれが起こらない軌道
作業車の脱線防止装置を提供する。 【解決手段】 アウトリガジャッキ装置20により車体
31が持ち上げられるとき、引張バネ18により張出位
置へ付勢されたガイドユニット50は、レールRを挟む
ように受容し、鉄輪36とレールRとの位置ずれを防止
する。作業終了後、ガイドユニット50によりレールR
が受容されたまま、車体31が下降されるため、鉄輪3
6は正確にレールR上へ戻される。尚、ガイドユニット
50は、概略、ガイドブラケット51とレールガイド5
2とからなり、ガイドブラケット51に対してレールガ
イド52がスライド可能に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道用レール上を走行
可能な軌道作業車に係わり、さらに詳しくは作業時等に
ジャッキを張り出して車体を持ち上げ支持する形式の軌
道作業車に関する。尚、軌道作業車とは、軌道走行用車
輪(鉄輪)のみを有してレール上を走行する作業車のみ
ならず、軌道走行用車輪と道路走行用車輪(タイヤ車
輪)とを備えた軌陸作業車と称される作業車も含む。
【0002】
【従来の技術】このような軌道作業車は、鉄道用レール
に沿ってこのレール上方へ配設されたトロリ線、各種設
備等の保守、点検等を行うために用いられる。このた
め、軌道作業車は、作業現場へ向かうために、鉄道用レ
ール上を走行するための鉄輪を備え、車体上には、各種
作業を行うための作業装置、例えば高所作業装置等が設
けられる。尚、軌陸作業車の場合には、鉄輪に加えてタ
イヤ車輪が備えられており、作業現場へ向かうときは、
タイヤ車輪を用いて道路上を走行することも、また、鉄
輪を用いてレール上を走行することも可能である。
【0003】作業現場において高所作業が行われる際に
は、車体上に設けられた高所作業装置が作動される。こ
のとき、高所作業装置の自重や作業者の体重等、作業中
に高所作業装置へ加わる力と、高所作業装置の伸長作動
等によって変化する高所作業装置の姿勢との兼ね合いか
ら、車体を転倒しようとするモーメント(以下「転倒モ
ーメント」と称する)が車体へ作用する。この転倒モー
メントに抗して車体を安定支持するために、このような
作業車には、車体の前後左右にジャッキが配設されてい
るのが一般的である。このジャッキを作動させることに
より、車体を地面に抗して持ち上げ車体の安定を図った
後、所望の作業が行われることが多い。このように車体
が持ち上げ支持されて作業が行われる場合には、車体前
後左右に配設された各鉄輪は、レールから離れ上方に浮
き上がった状態となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにジャッキに
より車体が支持された状態にて高所作業が行われた後、
ジャッキを格納して車体を降ろすと、鉄輪がレールから
横方向へ位置ずれを起こしてしまっていることがある。
このため、うまくレール上に鉄輪が載らず、作業車が脱
線してしまうことがある。この問題は、作業中に車体へ
振動等が加わり、車体が左右方向にずれてしまうために
起こるが、特に、ジャッキの接地面がレールに対して直
角な方向へ傾斜(車体左右方向へ傾斜)している場合に
発生し易い。
【0005】このため、従来においては、ジャッキによ
り車体を支持した状態でジャッキに対して車体を左右に
移動させる機構を設け、作業終了時にはこの機構を操作
して鉄輪とレールとの位置合わせを行いながらジャッキ
を格納していた。しかしながら、このやり方では、ジャ
ッキに対して車体を左右に移動させる機構を作業車に設
けなければならず、生産コストの面で好ましくなく、ま
た、格納時にこの機構を操作して鉄輪とレールとの位置
合わせ作業が必要となることも、作業性の面で好ましく
ない。軌道上での作業は、鉄道車両の走行を妨げないた
めに迅速に行われることが要求されているため、実際の
作業時間を可能な限り多くもつには、このジャッキの格
納操作をできる限り短時間で行わなければならない。
【0006】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、ジャッキにより車体が揚げられ支持され
たときに、鉄輪とレールとの間に位置ずれが起こらない
軌道作業車の脱線防止装置を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の軌道作業車の脱線防止装置は、車体と、こ
の車体に備えられた軌道走行用車輪と、車体に取り付け
られ軌道走行用車輪が鉄道用レールから浮き上がった状
態まで車体を持ち上げ支持可能なジャッキと、鉄道用レ
ール上に張り出して軌道走行用車輪と前記鉄道用レール
との位置ずれを防止するガイド機構と、このガイド機構
を鉄道用レールを横切る方向へスライド可能なスライド
手段とから構成される。また、ガイド機構へ、鉄道用レ
ールと車体との間を絶縁する絶縁手段が設けられれば、
さらに好ましい。
【0008】
【作用】本発明の軌道作業車の脱線防止装置によれば、
ジャッキにより車体が持ち上げ支持されるとき、ガイド
機構がレール上に張り出される。鉄道用レールから軌道
走行用車輪が浮き上がった状態になるとき、このガイド
機構により、軌道走行用車輪とレールとの位置ずれが防
止される。さらに、高所作業中も、このガイド機構は軌
道走行用車輪とレールとの位置関係を維持し、作業中に
生じる振動等から軌道走行用車輪とレールとの位置ずれ
が起こることをも防ぐ。さらに、ジャッキを格納し車体
を降ろすときにも、軌道走行用車輪がガイド機構に案内
されてレール上に正確に戻されるため、脱線が起こるこ
とも無い。このため、従来のように、ジャッキ格納時に
軌道走行用車輪とレールとの位置合わせを行う必要がな
く、ジャッキ格納作業が速やかに行え、作業性が向上さ
れる。また、従来のように、位置合わせのために、車体
を左右に移動させる機構を車体に設ける必要が無く、生
産コストが削減される。
【0009】ところで、鉄道用レールの左右レール間距
離には公差があるため左右レール幅は一定で無く、ま
た、鉄道用レールが湾曲して敷設された所では、スラッ
ク等により左右レール間距離は、さらにまちまちであ
る。したがって、ガイド機構が張り出されるときに、作
業現場の車体停止位置における、レールに対する軌道走
行用車輪の左右位置ずれが過度な場合は、ガイド機構が
レール上面に当たりガイド機構が張り出せない事態が発
生する。このような事態を避けるために、本発明の脱線
防止装置においては、ガイド機構がスライド手段によっ
て容易に左右にスライド可能であるため、左右レール間
距離の誤差を許容可能であり、軌道作業車がどこに停車
しようともガイド機構は張り出し可能である。
【0010】尚、鉄道網においては、鉄輪及び車軸を介
して左右のレールが短絡されることを利用して、所定区
間内における電車の存在が検知され信号機が自動的に制
御される自動信号回路が設けられている場合が多い。こ
の自動信号回路に軌道作業車が電車車両とみなされてし
まうことは、円滑な鉄道車両運行の妨げとなるので好ま
しくない。本発明の脱線防止装置のように、ガイド機構
へ、鉄道用レールと車体との間を絶縁する絶縁手段が設
けられれば、作業中に何らかの原因により左右のガイド
機構が同時に各々左右レールと接触したとしても、この
絶縁手段によって、左右レールが短絡されることは避け
られるので、軌道作業車が鉄道車両の円滑な運行の妨げ
となることは無い。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について図面
を参照して説明する。本発明の脱線防止装置を備えた軌
陸用作業車30が図5に示されている。この軌陸用作業
車30は、道路上を走行するトラックをベースとして構
成されているため、車体31の前後左右には各々タイヤ
車輪(道路走行用車輪)32が配設されている。また、
車体31の下部中央には、軌陸用作業車30自体を持ち
上げるためのセンタジャッキ38が旋回自在に下方へ向
けて設けられている。また、車体31の荷台前部上に
は、車体31に対して旋回自在に旋回台33が配設さ
れ、この旋回台33の上部に、起伏、伸縮作動自在なブ
ーム34が枢着されている。このブーム34の先端に、
さらに作業台35が配設されている。
【0012】車体31の前後左右には、各々鉄輪(軌道
走行用車輪)36が、鉄輪張出機構10を介して張出
(下降)及び格納(上昇)自在に下方へ向けて配設され
ている。これら鉄輪36は、鉄道の2本のレール(軌
道)Rのピッチと、横方向に同ピッチを有して鉄輪張出
機構10に支持されている。さらに、車体31の前後左
右、各鉄輪36の外方には、車体31へ作用する転倒モ
ーメントに抗して車体31を安定支持するために、アウ
トリガジャッキ装置20が配設されている。このアウト
リガジャッキ装置20は、車体側方外方へ張り出し可能
で、アウターポスト21と、このアウターポスト21か
ら下方に伸張可能なインナーポスト22と、このインナ
ーポスト22の下端に取り付けられた接地板23とから
構成されている。
【0013】この鉄輪張出機構10は、図1〜図3に詳
細に示されたように、車体31の前後左右下面に固設さ
れた支持フレーム11と、この支持フレーム11の下端
部に枢支ピン12aによって揺動自在に枢支された鉄輪
保持フレーム12と、基端部が支持フレーム11に枢支
されると共に先端部が鉄輪保持フレーム12に枢支され
た鉄輪昇降シリンダ13とから構成される。この鉄輪昇
降シリンダ13の伸縮作動により、鉄輪保持フレーム1
2は枢支ピン12aを支点として揺動され、この鉄輪保
持フレーム12の車輪支持軸36aにより回動自在に保
持された鉄輪36が昇降される。
【0014】鉄道網においては、車両の鉄輪及び車軸を
介して左右のレールRが短絡されることを利用して、信
号用電流を導通させ、所定区間内に電車が在ることを検
知して信号機が自動的に制御されている場合が多い。こ
の自動信号回路によって電車以外の他車両が軌道上に検
知されてしまうことは、電車の運行制御に支障をきたす
ので好ましくない。このため、軌道作業車30が電車と
して検知されることを避けるために、左右レールRが短
絡されないよう、この軌陸作業車30の鉄輪36は車輪
支持軸36aへ絶縁状態に配設されている。
【0015】この鉄輪保持フレーム12には、さらに、
枢支ピン16により揺動自在に、且つ引張バネ18によ
り付勢されて、ガイドユニット50が取り付けられてい
る。図4に示されたように、このガイドユニット50
は、レールRの上部をその上面と両側面とから包囲する
レール受容溝が下端に設けられたレールガイド52を先
端に有している。引張バネ18の付勢により、ガイドユ
ニット50は、図1、図3及び図4に示されたように、
レール受容溝内にレールRを受けるようレールR上に押
し付けられた張出位置と、図2に示されたように、上方
に引き上げられて鉄輪保持フレーム12に隣接された格
納位置との間で揺動自在である。
【0016】図2及び図3に示されたように、引張バネ
18は、鉄輪保持フレーム12に固設されたバネ受18
aと、ガイドユニット50に固設されたバネ受18bと
に架設されている。このガイドユニット側バネ受18b
が、引張バネ18の鉄輪保持フレーム側バネ受18aと
ガイドユニット枢支ピン16とを結ぶ直線Dよりも上側
にあるとき、ガイドユニット50は、引張バネ18によ
り、図2の矢印A方向へ付勢され格納される。
【0017】逆に、ガイドユニット側バネ受18bが、
引張バネ18の鉄輪保持フレーム側バネ受18aとガイ
ドユニット枢支ピン16とを結ぶ直線Dよりも下側にあ
るとき、ガイドユニット50は、引張バネ18により、
図3の矢印B方向へ付勢され張り出される。すなわち、
ガイドユニット50と引張バネ18とでトグル機構が構
成され、直線Dを境にして、ガイドユニット50は、張
出位置あるいは格納位置のいずれか一方へ保持される。
また、このガイドユニット50の張り出しは、ガイドユ
ニット50がレールRに接触することによって制止され
る。しかし、図1及び図4に示されたように、アウトリ
ガジャッキ装置20のインナーポスト22が伸長作動さ
れ、作業車30が持ち上げられるとき、ガイドユニット
50は、車体31の上昇に応じて図3B方向へさらに張
り出し、最終的に鉄輪保持フレーム12外側に固設され
たガイドストッパ15に当接して制止される。
【0018】このガイドユニット50は、図1及び図4
に詳細に示されたように、ガイドブラケット51とレー
ルガイド52と絶縁部材53と固定ピントとから構成さ
れている。ガイドブラケット51は、鉄輪保持フレーム
12を挟み込むように、概して「コ」字の開口を上方へ
向けた形状に形成され、両端部に二つの軸受け部51c
を有して、これら軸受け部51cの各々から下方へ延び
る左右のアーム部51aと、これら左右アーム部51a
を横方向に連結するホルダ部51bとから形成されてい
る。このように形成されたガイドブラケット51は、二
つの軸受部51cにて、ガイドユニット枢支ピン16に
より鉄輪保持フレーム12へ枢支されている。さらに、
ガイドブラケット51のホルダ部51bの下面には、T
溝が形成されている。
【0019】レールガイド52は、上記ガイドブラケッ
ト51のT溝内にスライド自在に嵌挿されたスライダ部
52bと、このスライダ部52bの下面から垂直に突き
出しレールR上端部分に沿ってそれを平行に挟む2枚の
ガイド部材52aと、これら各々のガイド部材を外側に
て補強するリブ52cとから形成されている。このレー
ルガイド52は、軌道幅(レール間距離)の誤差を許容
するために、上記ガイドブラケット51に対して横方向
にスライド可能である。作業現場の軌道幅に応じて、レ
ールガイド52をスライドさせて、2枚のガイド部材5
2a内にレールRを挟むように調整される。この調整後
にレールガイド52をガイドブラケット51に固定する
ために、段差を有する円柱状に形成された固定ピン54
が設けられている。この固定ピン54が嵌挿されるため
の孔が、ガイドブラケット51のホルダ部51b、T溝
の上方に一つ、また、レールガイド52のスライダ部5
2bに複数設けられている。
【0020】さらに、レールガイド52とレールRとの
直接接触(導通)を避けるために、スライダ部52b下
面及びガイド部材52a内面には、絶縁部材53がレー
ルRを上方から囲うように取り付けられている。これ
は、作業中に左右のレールRを短絡させて上記説明の自
動信号回路へ誤信号を送り、鉄道車両の運行を妨害して
しまうことを避けるための安全手段である。軌陸用高所
作業車30の前後左右4カ所に配設されたガイドユニッ
ト50は、左右どちらか一方のレールRについてのみ用
いられるよう意図されているが、作業者が誤って、ある
いは軌陸用高所作業車30の何らかの故障により、左右
のガイドユニット50が同時に左右各レールRに接触し
てしまった場合に、この絶縁部材53が左右レールRの
短絡を阻止する。
【0021】このように構成された軌陸用高所作業車3
0は、鉄道の架線工事に用いられることが多い。図2に
示されたように、鉄輪昇降シリンダ13は全縮状態に、
鉄輪36及びガイドユニット50は格納された状態で、
軌陸用高所作業車30は、タイヤ車輪32により道路上
を走向し作業現場へ向かう。現場近くまで来たら、踏切
を見つけ、その踏切のレールRを横切るように、且つ車
体31の下部中央に設けられたセンタジャッキ38が2
本のレールRの中央上方に配置されるように軌陸用高所
作業車30を停止させる。
【0022】停止後、軌陸用高所作業車30をレールR
上に載せる操作が行われる。まず、センタジャッキ38
を下方へ伸長作動させ、車体31を持ち上げる。次に、
センタジャッキ38を支点にして車体31がレールRに
平行となるように車体31を旋回する。鉄輪36がほぼ
レールR上に位置することを確認した後、図2及び図3
に示されたように、鉄輪昇降シリンダ13を伸長作動さ
せることにより鉄輪36を張り出す。鉄輪36が張り出
された後、センタジャッキ38を縮小作動させて、図3
に示されたように、各鉄輪36をレールR上に載せる。
このとき、各タイヤ車輪32もレールRに当接する。こ
れらタイヤ車輪32を駆動させることにより、作業車3
0はレールR上を走行可能となる。
【0023】但し、この段階では、ガイドユニット50
は図3の2点鎖線で示された格納位置に位置されたまま
であり、且つアウトリガジャッキ装置20のインナーポ
スト22も格納状態にある。作業車30は、この状態に
てレールR上を走行し作業現場へ向かう。作業現場に到
着した後、作業者が作業台35へ搭乗し、ブーム34を
起仰、伸長作動させ、また、必要に応じ旋回台33を旋
回作動させ、任意の高所作業位置へ作業台35を配置し
て、所望の作業が行われることとなる。
【0024】但し、目的とする高所作業位置が軌道上か
ら左右へかなり離れている場合、そこへ作業台35を移
動させるためには、ブーム34の伸長量等を大きくしな
ければならない。このようなブーム作動量の増加に応じ
て増加する転倒モーメントに対して、鉄輪36だけで車
体31を安定支持することが不可能な場合、作業に先立
ち、車体31を安定支持するために車体31の前後左右
に配設されたアウトリガジャッキ装置20が張り出され
ることになる。
【0025】このアウトリガジャッキ装置20により作
業車30が持ち上げ支持される前に、図3及び図4に示
されたように、ガイドユニット50が張り出され、ガイ
ドユニット50のレールガイド52がレールRを上方か
ら受容する。もし、このとき、左右レール間ピッチの公
差から、鉄輪36とレールRとの位置関係が著しくずれ
ている場合には、ガイドユニット50のレールガイド5
2がレールRを受容できず、レールガイド52のガイド
部材52aがレールR上面に当たってしまうことにな
る。このようなことを避けるために、このガイドユニッ
ト50は、ガイドブラケット51に対してレールガイド
52がスライド可能に構成されている。したがって、こ
の場合は、ガイドブラケット51とレールガイド52と
を固定している固定ピン54を抜き、レールガイド52
をガイドブラケット51に対してスライドさせて、レー
ルガイド52がレールRを上方から受容するようレール
ガイド52を位置調整する必要がある。位置調整後、固
定ピン54を再び差し入れる。
【0026】このようにして、ガイドユニット50がレ
ールRへ張り出されることにより、車体31が持ち上げ
支持される直前の、鉄輪36とレールRとの左右方向位
置関係がガイドユニット50によって維持されることに
なる。車体31を持ち上げ支持するには、アウトリガジ
ャッキ装置20を外方へ適宜張り出させ、インナーポス
ト22を下方へ伸長作動させる。接地板23を接地させ
た後も、インナーポスト22を伸張作動させることによ
り、図1及び図4に示されたように、車体31がアウト
リガジャッキ装置20により持ち上げられ、鉄輪36及
びタイヤ車輪32はレールRから上方に離れる。このと
き、ガイドユニット50は、上記説明の如く、引張バネ
18によって張出方向へ付勢されているため、レールR
の上部を上方から押さえつけるように受容する。
【0027】鉄輪36がいくらかでもレールRから浮い
ていれば、車体31は十分安定支持されるので、無意味
に車体31を高く持ち上げることは避けるべきである。
しかし、さらにインナーポスト22の伸張作動が続けら
れた場合には、ガイドユニット50は、鉄輪保持フレー
ム12外側に固設されたガイドストッパ15に当接す
る。このガイドストッパ15により、ガイドユニット5
0の最終張出位置は決定され、この最終張出位置におい
ても、ガイドユニット50はレールRに対して傾斜され
た状態に保たれる。
【0028】このように、アウトリガジャッキ装置20
により車体31が持ち上げられるとき、引張バネ18に
より張出位置へ常に付勢されるガイドユニット50によ
り、ガイドユニット50のレールガイド52にレールR
が常に受容され、鉄輪36とレールRとの位置ずれは防
止される。また、車体31が持ち上げ支持された状態で
高所作業が行われるが、作業中の振動等に対しても、こ
の張出位置にあるガイドユニット50は、鉄輪36とレ
ールRとの位置ずれを防止する。作業終了後、アウトリ
ガジャッキ装置20のインナーポスト22が縮小作動さ
れ車体31が降ろされる。このとき、ガイドユニット5
0は、上記説明の如く、レールRに対して常に傾斜され
た状態に保たれているため、下降する車体31に対向す
るレールRからの反力を受けて格納位置方向へ自然に戻
される。このガイドユニット50の格納方向への自然な
戻りと共に、鉄輪36は再びレールR上に載る。このよ
うに、ガイドユニット50によりレールRが受容された
まま、車体31が下降されるため、鉄輪36は正確にレ
ールR上へ戻される。したがって、鉄輪36がレールR
から外れて脱線する恐れは全く無い。
【0029】このガイドユニット50が軌陸作業車30
に設けられたことにより、アウトリガジャッキ装置20
のインナーポスト22の格納時に、従来のように、鉄輪
36とレールRとの位置合わせ作業を行う必要が無く、
ジャッキ格納作業は短時間で終了する。この節約された
時間を真の作業に充てることが可能なため、作業性が向
上される。また、従来、鉄輪36とレールRとの位置合
わせを行うために必要であった、アウトリガジャッキ装
置20に対して車体31を左右に移動させる機構を軌陸
作業車30に設ける必要が無くなるため、生産コストが
削減される。
【0030】尚、本発明は上記実施例に限られるもので
はない。上記実施例においては、ガイドユニット50の
レールガイド52は固定ピン54により左右の位置決め
がなされているが、レールガイドのガイドブラケットに
対するスライド機構をネジ式に構成し、ネジ棒をハンド
ルで回転させることによりレールガイドをスライドさせ
ることも可能である。また、レールガイドの一方のガイ
ド部材だけをレールRに対してスライド可能に構成し、
レールRを受容するように調整しても良い。上記実施例
においては、絶縁部材53がレールガイド52のレール
受容溝内面に配設されているが、絶縁部材の配置はこの
位置に限られるものではなく、レールRと車体31との
絶縁を可能とするどの位置に配設されても良いことは明
らかである。さらに、スライド手段を持たないガイド機
構に絶縁手段を施して、それをガイドユニット50に代
えて配設することも可能である。このように、本発明の
特許請求の範囲内において、さらなる改善、改良、変更
等が行え得ることは明らかである。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の軌道作業
車の脱線防止装置によれば、ジャッキにより車体が持ち
上げ支持されるときにガイド機構がレール上に張り出さ
れ、鉄道用レールから軌道走行用車輪が浮き上がった状
態になっても、ガイド機構によって軌道走行用車輪とレ
ールとの位置関係は保たれる。このため、作業中に軌道
走行用車輪とレールとの位置ずれが起こることは無い。
ガイド機構がスライド手段により左右にスライド可能で
あるため、左右レール間距離のばらつきから生じる、レ
ールと軌道走行用車輪との左右方向位置関係のばらつき
を許容してガイド機構が張り出し可能である。ガイド機
構が張り出されるとき、作業現場の車体停止位置におけ
る、レールに対する軌道走行用車輪の位置に対応させて
ガイド機構がスライド手段により左右にスライドされる
ので、ガイド機構は確実にレールを受容可能である。
【0032】作業終了後、ジャッキを格納し車体を降ろ
すとき、軌道走行用車輪がガイド機構に案内されてレー
ル上に正確に戻されるため、脱線が起こることも無い。
このため、従来のように、ジャッキ格納時に軌道走行用
車輪とレールとの位置合わせを行う作業行程を必要とせ
ず、ジャッキ格納作業が短時間で行えるため作業性が向
上される。また、ジャッキに対して車体を左右に移動さ
せる機構を軌道作業車に設ける必要も無く、生産コスト
が削減される。
【0033】さらに、ガイド機構へ、鉄道用レールと車
体との間を絶縁する絶縁手段が設けられた場合には、こ
の絶縁手段が、鉄道網自動信号回路へ軌道作業車が電車
車両として検知されないための安全手段になる。何らか
の原因で、作業中に左右ガイド機構が同時に各々左右レ
ールと接触することが起こったとしても、ガイド機構に
絶縁手段が設けられていることにより、左右レールが短
絡されて自動信号回路へ誤信号が送られてしまうという
事態は避けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アウトリガジャッキ装置により軌陸作業車が持
ち上げられ、鉄輪及びガイドユニットが張り出された状
態を、軌陸作業車の外側から示した図である。
【図2】鉄輪及びガイドユニットが格納された状態にあ
る鉄輪張出機構部分を軌陸作業車の内側から示した図で
ある。
【図3】鉄輪及びガイドユニットが張り出された状態に
ある鉄輪張出機構部分を、インナーポストが伸長されつ
つあるアウトリガジャッキ装置と共に軌陸作業車の内側
から示した図である。
【図4】ガイドユニットとレールとの関係を示す断面図
である。
【図5】本発明に係る脱線防止装置を有した軌陸作業車
を示す側面図である。
【符号の説明】
10 鉄輪張出機構 11 支持フレーム 12 鉄輪保持フレーム 13 鉄輪昇降シリンダ 18 引張バネ 36 鉄輪 50 ガイドユニット 51 ガイドブラケット 52 レールガイド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と、 鉄道用レール上を走行するために前記車体に備えられた
    軌道走行用車輪と、 前記車体に取り付けられ、前記軌道走行用車輪が前記鉄
    道用レールから浮き上がった状態まで前記車体を持ち上
    げ支持可能なジャッキと、 このジャッキにより持ち上げ支持されて、前記軌道走行
    用車輪が前記鉄道用レールから浮き上がった状態となる
    ときに、前記鉄道用レール上に張り出して前記軌道走行
    用車輪と前記鉄道用レールとの位置ずれを防止するガイ
    ド機構と、 前記鉄道用レールを横切る方向へ前記ガイド機構をスラ
    イド可能にするスライド手段とからなる軌道作業車の脱
    線防止装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイド機構が、前記鉄道用レールと
    前記車体との間を絶縁する絶縁手段を有することを特徴
    とする請求項1記載の軌道作業車の脱線防止装置。
JP25075095A 1995-09-28 1995-09-28 軌道作業車の脱線防止装置 Pending JPH0986123A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007218791A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Railway Technical Res Inst 車輪支持装置
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