JPH0985854A - 段ボールシート製函機のスロッタ角切り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 段ボール製函機におけるスロッタ角切り装置
において、加工すべき段ボールシートの厚さが変わって
も、角切り刃を交換することなく、その突出量を変える
ことで、段取り替えに容易に対応できるようにする。 【解決手段】 角切り刃取付台２０の一端部を支点軸２
２によりスロッタホルダ１７側に回動可能に取り付け、
この取付台２０の他端部に角切り刃２１を取り付ける。
そして偏心カム３０により、その取付台２０を小角度範
囲で回動させることににより、角切り刃２１の突出量を
段ボールシートの厚さに応じて調整する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する分野】この発明は、段ボールシート製函
機において、段ボールシートの端部を切断するスロッタ
角切り装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば図１６に示すように、段ボ
ールシートＣを１枚ずつ送り出して、印刷ユニット１、
２により印刷を施し、またクリーザユニット３により製
函の際の折曲げ線を付与した後、スロッタ角切り装置４
に供給するのが普通である。つまり、段ボールシートＣ
に対しその供給方向において、例えば図１７に示すよう
に、製函のための溝５を形成するとともに、その段ボー
ルシートＣの一方の端部（この図において右側の端部）
に溝６を切り込み、かつ角切りの切断線７を入れること
により、端部の紙片８を切断除去し、それにより製函の
際の通常糊付け代となる突出部分９を形成する。

【０００３】このようなスロッタ角切り装置４は、図１
６においてスロッタ軸１０と受刃軸１１を備え、これら
が互いに逆方向に回転しながら、前述のような溝切り及
び角切りを行う。スロッタ軸１０には、例えば図１９に
示すように、円弧状の溝切り刃１３が固定され、他方、
受刃軸１１には、周方向に溝状の受刃１４が設けられて
いて、回転する溝切り刃１３が、図２０のように受刃１
４に入り込んで段ボールシートＣの帯状部分１５を打ち
抜き、これにより溝６を形成する。

【０００４】また、溝切り刃１３には、その側方から斜
めに突出するように角切り刃１５が固定され、これが、
自身の回転に従い、段ボールシートＣを受刃外周面１６
に向かって切り込むことにより、図２１に示すように溝
６の内端部近傍から外縁に向かって前述の角切り（７）
を行う。図１７に示すように、２箇所で角切り（７）を
行う場合、例えば図１９の溝切り刃１３及び角切り刃１
５のユニットが、スロッタ軸の外周の２箇所に取り付け
られることとなる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、図１９の角
切り刃１５は、受刃外周面１６にいわゆるキスタッチ
（可及的に接触に近い状態）により段ボールシートＣに
切り込みを与えるが、供給される段ボールシートＣの厚
さは、例えば図１８に示すように変わる場合がある。従
来、そのような場合は、現状の角切り刃を、新たに加工
する段ボールシートの厚みに対応する別の角切り刃に交
換しなければならず、その交換作業が煩雑であるととも
に、交換後の調整作業も面倒である。

【０００６】本発明の課題は、段ボールシートの厚さが
変わっても、角切り刃の交換を不要として、簡易・迅速
な段取り替えを可能とすることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段及び効果】本発明では前述
のように、溝切り刃及び角切り刃を有するスロッタ軸
と、これを受ける受け刃軸とが、互いに逆方向に回転し
てこれら両軸間に供給される段ボールシートの端部を、
上記溝切り刃と角切り刃とにより切断するスロッタ角切
り装置において、回動支点とカムを用いて、角切り刃の
位置調整を可能としたものである。すなわち 角切り刃をスロッタ軸に設けた角切り刃取付台に取り
付ける。 その角切り刃取付台は、上記角切り刃の刃先が受刃軸
側に対し接近・離間する方向において、支点軸により回
動可能に支持される。 その角切り刃取付台を回動させるカムを、上記スロッ
タ軸側に設ける。 そのカムの回転量に基づき、角切り刃取付台を回動さ
せて、角切り刃の刃先位置を段ボールシートの厚みに応
じて調整する。

【０００８】これにより、加工する段ボールシートの厚
さが変わる場合は、上記カム等の角度調整部材を操作
し、その操作量に応じて角切り刃取付台が回動し、その
結果、角切り刃の刃先が受け刃軸側に接近又は離間す
る。従って、そのカムの回転量を適切に調整すれば、加
工する段ボールシートの厚さに応じて、角切り刃の適切
な突出量を設定できる。このため、従来必要であった角
切り刃の交換作業に比べ、短時間で容易に段ボールシー
トの厚さ変更に対する段取り替えが可能となり、段ボー
ルシート製函機の生産効率の向上につながる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施例を参照し
つつ、本発明の実施の形態を説明する。図１（ａ）にお
いて上側にスロッタ軸１０が、下側に受刃軸１１があ
り、受刃軸１１は従来と同様のものである。スロッタ軸
１０には、円盤もしくは円筒状のスロッタホルダ１７が
固定され、このスロッタホルダ１７には、前述のような
溝切り刃１３がスロッタホルダ１７の外周から突出する
ように固定されている。この溝切り刃１３を介してスロ
ッタホルダ１７には、角切り刃取付台２０が設けられ、
この取付台２０に角切り刃２１が、受刃軸１１側の受刃
外周面１６にほぼ接するように突出して設けられてい
る。なお、この図（ａ）のＡ矢視方向の略図が図１
（ｂ）である。

【００１０】角切り刃取付台２０は、その一端部におい
て支点軸２２により、スロッタ軸１０と直交する平面内
において、角切り刃２１の刃先が受刃外周面１６に対し
接近・離間するように回動可能に支持されている。角切
り刃２１はこのような取付台２０の他端部に位置し、固
定金具２３と本体端面２４とに挟まれた状態で、ボルト
２５、２６等のねじ手段により取付台２０と一体化され
ている。

【００１１】角切り刃取付台２０は、角度調整部材とし
ての偏心カム３０によって所定の小角度範囲で回動し、
これによって角切り刃２１の突出量、言い換えればその
刃先の受刃外周面１６に対する位置が調整される。偏心
カム３０は溝切り刃１３を介して、スロッタホルダ１７
と角切り刃取付台２０との間に跨って設けられている。
つまり、図２に簡略に示すように、偏心カム３０は円形
のカム部材３１が偏心軸３２により前述のスロッタホル
ダ１７（又は溝切り刃１３）に回転可能に支持されると
ともに、その偏心軸３２を中心として少なくとも１８０
度の範囲で回転するようになっている。

【００１２】図２に示す例では、この偏心カム３０に対
し、角切り刃取付台２０が自身の中間部に形成された長
孔３３において嵌め込まれ、その偏心カム３０が偏心軸
３２を中心として回転することにより、長孔３３を介し
てその偏心カム３０の力を受ける角切り刃取付台２０
が、支点軸２２を中心として小角度回動する。

【００１３】図３に示すように、偏心カム３０がその上
死点ｈ1から中間位置ｈ2を経て、下死点ｈ3まで１８０
度回動する過程で、溝切り刃２１の刃先位置は高さｈ分
だけ変化する。つまり、このような偏心カム３０の回転
量に基づき、図５に示すように、角切り刃２１の前記ス
ロッタホルダ１７からの突出量が変化する。ここで、図
３の偏心カム３０の上死点ｈ1が角切り刃２１の最小突
出位置、下死点ｈ3が最大突出位置に相当するものとな
る。そして、図６（ａ）のように厚い段ボールシートＣ
を加工する場合は、角切り刃２１の突出量が大きくなる
ように設定し、（ｂ）のように薄い段ボールシートＣを
加工する場合は、角切り刃２１の突出量が小さくなるよ
うに調整すればよい。

【００１４】図４は偏心カム３０の回動位置を固定する
構造の一例を示すもので、カム部材３１から外方へ突出
してレバー３４が一体的に設けられ、このレバー３４に
ロック手段としての固定ボルト３５が螺合されている。
固定ボルト３５はレバー３４を貫通して、スロッタホル
ダ１７又は角切り刃１５に押し付けられるようになって
おり、その押し付け状態を例えばナット３６で確実に維
持することができる。

【００１５】図７は偏心カム３０のカム部材３１に対
し、ウォームホイール３６を偏心軸３２と同心的な位置
において一体的に設け、このウォームホイール３６にウ
ォーム３７を噛み合わせたものである。つまり、ウォー
ム３７を回転操作することによりウォームホイール３６
を回転させると、これと一体的に偏心カム３０が偏心軸
３２の周りに回動して、前述と同様の作用を果たす。こ
こで、ウォーム３７の軸受３８に基準位置をマークし、
またウォーム３７と同心的かつ一体的に設けた回転操作
部３９に目盛４０を設け、その回転操作部３９を所定の
工具もしくは作業者の手で回しつつ、その回転量を目盛
４０で確認することにより、図５等に示す角切り刃２１
の突出量を調整できる。この図７の機構では、そのウォ
ーム機構（３６、３７）が、偏心カム３０の回転位置を
固定する固定手段を兼ねることもできる。また、その回
転操作部３９を軸受３８に対し回転できないようにする
ストッパ機構を付加してもよい。

【００１６】図８に示す例では、偏心カム３０のカム部
材３１と一体的にベース４１が偏心軸３２と同心的に設
けられ、このベース４１とスロッタホルダ１７又は溝切
り刃１３との間に節度部４２が設けられている。節度部
４２は、例えばベース４１にその周方向に所定の間隔で
設けられた凹部４３に、ボール４４等の節度部材がばね
４５等の弾性部材により押し込まれる構造のもので、図
８に示すような状態でベース４１を介して偏心カム３０
の位置が固定される。

【００１７】凹部４３は、例えば図９に示すようにベー
ス４１に複数設けられ、これら凹部４３のいずれかが、
図８のような節度部４２に嵌まることにより、偏心カム
３０の回転位置、言い換えれば前記角切り刃２１の突出
位置が複数位置で固定されることとなる。なお、偏心カ
ム３０を回転させるには、レバー３４を介して一定以上
のトルクを与えれば、節度部４２のボール４４が相手方
の凹部４３から抜け出て回転が許容され、所定位置の別
の凹部４３に節度部４２を対応させれば、その位置で偏
心カム３１が固定される。

【００１８】図１０は、回転体４６が自身の中心におい
て軸４７により回転可能に支持され、この回転体４６に
偏心ピン４８が軸４７から一定量オフセットして設けら
れ、この偏心ピン４８がカムとして機能し、角切り刃取
付台２０に設けられた長孔４９に嵌まり込む構成のもの
である。

【００１９】そして、図１１に示すように、回転体４６
が軸４７を中心として回転すると、偏心ピン４８が角切
り刃取付台２０に対し、長孔４９を介して回転モーメン
トを与え、これにより、その取付台２０は支持軸２２を
中心として小角度回動する。その結果、角切り刃２１の
刃先位置、つまりその突出量が変化し、前述と同様の調
整ができる。なお、図１０に示すように回転体４６をウ
ォームホイールとし、これにウォーム３７を噛み合わせ
るようにすれば、図７に示した実施例と同様に回転体４
６の回転位置を不変に保持できる。

【００２０】図１２に示す例は、角切り刃取付台２０の
片側に偏心軸５１を中心として回転する偏心カム５０を
設け、その取付台２０の一側を引張ばね５２等の押付け
手段により偏心カム５０に押付けたものである。そして
偏心カム５０の回転量に従って、取付台２０が支点軸２
２を中心として回動し、角切り刃２１の突出量が調整で
きる。なお、角切り刃２１が段ボールシートに切り込む
際の反力は、偏心カム５０が受けることとなる。

【００２１】図１３（ａ）に示す例は、角切り刃取付台
２０の片側に、軸５４からの距離が漸次増大する曲面を
もったカム５５を設け、このカム５５に対し角切り刃取
付台２０を圧縮ばね５６等の押付手段により押し付け、
かつそのカム５５と一体にギヤ部５７を形成し、これに
カム５５の回転操作用のギヤ５８を噛み合わせたもので
ある。ギヤ５８を回転させれば、ギヤ部５７を介してカ
ム５５が回転し、角切り刃取付台２０が支点軸２２を中
心として所定角度回動し、角切り刃２１の突出量が調整
できる。その調整位置を保持するには、例えばギヤ５８
の回転を阻止するロック装置を設ければよい。なお、図
１３（ｂ）は角切り刃取付台２０を回動させるために、
カム以外の角度調整部材としてウォーム６０を設け、こ
の操作量に基づき、角切り刃２１の刃先位置を調整する
もので、ウォーム６０が取付台２０と一体的なウォーム
ホイール６１を介してその取付台２０を回動させる。

【００２２】以上説明したような角切り刃２１の突出量
が調整可能なスロッタ角切り装置４は、図１４に示すよ
うに、スロッタ軸１０の外周の例えば２箇所に設けられ
た溝切り刃１３に対応してそれぞれ設けることができ
る。この場合、双方のスロッタ角切り装置４のうちの一
方は、スロッタ軸１０の周方向においてその固定位置が
調整できるようにされるのが普通である。

【００２３】また、図１５に示すように、２個のスロッ
タ軸１０を所定間隔で設けてダブルスロッタとし、各ス
ロッタ軸１０にそれぞれ１個のスロッタ角切り装置４を
設けることもできる。この場合は、段ボールシートの製
函サイズが大きくなる場合でも、スロッタ軸１０の外形
を大きくすることなくこれに対応できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であるスロッタ角切り装置の
要部を示す図。

【図２】その作動を示す説明図。

【図３】角切り刃の突出量の変化を示す説明図。

【図４】偏心カムの固定装置の一例を示す図。

【図５】角切り刃の突出量の大小を示す側面図。

【図６】段ボールシートの厚さに応じて角切り刃の突出
量が調整された状態を示す側面図。

【図７】偏心カムの回転機構の一例を示す斜視図。

【図８】偏心カムの位置保持のために節度部を設けた例
を示す側面図。

【図９】図８の平面図。

【図１０】角切り刃取付台を回動させるカムとして、偏
心ピンを用いた例を示す斜視図。

【図１１】図１０の機構の作動説明図。

【図１２】偏心カムの変形例を示す説明図。

【図１３】図１２のさらに変形例を示す説明図。

【図１４】スロッタ軸の２箇所にスロッタ角切り装置を
設けた例の説明図。

【図１５】２連構成のスロッタ角切り装置とした例の説
明図。

【図１６】一般的な段ボール製函機の説明図。

【図１７】製函に伴い段ボールシートに形成される溝等
を示す平面図。

【図１８】段ボールシートの厚さの大小を示す図。

【図１９】従来のスロッタ角切り装置の要部斜視図。

【図２０】それの溝切りの作用説明図。

【図２１】溝切り及び角切りされた部分の拡大図。

【符号の説明】

４ スロッタ角切り装置 １０ スロッタ軸 １１ 受刃軸 １３ 溝切り刃 １４ 受刃 １６ 受刃外周面 １７ スロッタホルダ ２０ 角切り刃取付台 ２１ 角切り刃 ２２ 支点軸 ３０ 偏心カム ３２ 偏心軸 ３３ 長孔 ３４ レバー ３５ 固定ボルト ３６ ウォームホイール ３７ ウォーム ３９ 回転操作部 ４０ 目盛 ４２ 節度部 ４３ 凹部 ４８ 偏心ピン ４９ 長孔 ５０ 偏心カム ５１ 偏心軸 ５５ カム Ｃ 段ボールシート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 溝切り刃及び角切り刃を有するスロッタ
   軸と、これを受ける受刃軸とが、互いに逆方向に回転し
   てこれら両軸間に供給される段ボールシートの端部を、
   前記溝切り刃と前記角切り刃とにより切断するスロッタ
   角切り装置において、 前記角切り刃を前記スロッタ軸に設けた角切り刃取付台
   に取り付け、その角切り刃取付台は、前記角切り刃の刃
   先が前記受刃軸側に対し接近・離間する方向において、
   支点軸により回動可能に支持し、かつその角切り刃取付
   台を回動させるカムを前記スロッタ軸側に設け、そのカ
   ムの回転量に基づき前記角切り刃の刃先位置を調整する
   ことを特徴とする段ボールシート製函機のスロッタ角切
   り装置。