JPH0985396A - 連続鋳造におけるキャスト終了方法 - Google Patents
連続鋳造におけるキャスト終了方法Info
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- JPH0985396A JPH0985396A JP26897695A JP26897695A JPH0985396A JP H0985396 A JPH0985396 A JP H0985396A JP 26897695 A JP26897695 A JP 26897695A JP 26897695 A JP26897695 A JP 26897695A JP H0985396 A JPH0985396 A JP H0985396A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 一対のストランドを有する連続鋳造機におい
て、歩留りを考慮したキャスト終了操業技術を確立する
ことと、両ストランドのキャスト終了時期をほぼ同一と
する。 【構成】 鋼の連続鋳造において、一対のストランドを
持つ連鋳機のキャストを終了するに際し、最終溶鋼鍋の
溶鋼残量とタンディッシュの溶鋼残量との合計残量か
ら、キャスト終了までの鋳片鋳造長さを逐次計算し、キ
ャスト終了までの鋳片鋳造長さを、ストランド毎に所定
長さに割り振っていき、ストランド毎に所定長さに対す
る過不足を計算し、両ストランド共に過不足する場合、
どちらか一方のストランドの所定鋳片鋳造長さを満たす
よう、そのストランドに溶鋼残量を振り向け、かつ振り
向けた方のストランドの鋳造速度を、他のストランドの
鋳造速度より、早めて減速することにより、一対のスト
ランドのキャストをほぼ同時に終了させる。
て、歩留りを考慮したキャスト終了操業技術を確立する
ことと、両ストランドのキャスト終了時期をほぼ同一と
する。 【構成】 鋼の連続鋳造において、一対のストランドを
持つ連鋳機のキャストを終了するに際し、最終溶鋼鍋の
溶鋼残量とタンディッシュの溶鋼残量との合計残量か
ら、キャスト終了までの鋳片鋳造長さを逐次計算し、キ
ャスト終了までの鋳片鋳造長さを、ストランド毎に所定
長さに割り振っていき、ストランド毎に所定長さに対す
る過不足を計算し、両ストランド共に過不足する場合、
どちらか一方のストランドの所定鋳片鋳造長さを満たす
よう、そのストランドに溶鋼残量を振り向け、かつ振り
向けた方のストランドの鋳造速度を、他のストランドの
鋳造速度より、早めて減速することにより、一対のスト
ランドのキャストをほぼ同時に終了させる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】一対のストランドを持つ鋼の
連続鋳造において、両てストランドの鋳片歩留りを考慮
し、両てストランドのキャスト終了時を、ほぼ同時に完
了するように、ストランド毎に鋳造速度を調整する連続
鋳造でのキャスト終了方法に関する。
連続鋳造において、両てストランドの鋳片歩留りを考慮
し、両てストランドのキャスト終了時を、ほぼ同時に完
了するように、ストランド毎に鋳造速度を調整する連続
鋳造でのキャスト終了方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】一対のストランドによる連続鋳造におけ
るキャストの終了は、鋳造作業の性質上同時終了を建前
として操業がなされていた。このため鋳造速度を減速さ
せる際には、両ストランドのピンチロールを同時に制御
しており、ストランド毎の鋳片歩留りを考慮したもので
はなかった。このため両ストランドに同様な長さの余材
が発生する事態が常時起こり、歩留りの面から不利益を
被っていた。
るキャストの終了は、鋳造作業の性質上同時終了を建前
として操業がなされていた。このため鋳造速度を減速さ
せる際には、両ストランドのピンチロールを同時に制御
しており、ストランド毎の鋳片歩留りを考慮したもので
はなかった。このため両ストランドに同様な長さの余材
が発生する事態が常時起こり、歩留りの面から不利益を
被っていた。
【０００３】すなわち、一対のストランドを有する連続
鋳造機の場合、ストランド毎の鋳片サイズ（厚さ×幅×
長さ）が異なることと、また溶鋼鍋に収容されている溶
鋼量の把握が確実でないために、予定されている鋳片注
文長さ（注文単重）に対して、溶鋼量に過不足が生じる
ことは、免れないことであった。特に溶鋼量が不足する
場合は、両ストランドの最終鋳片で、注文長さの鋳片が
採取できないという問題を避けることはできなかった。
鋳造機の場合、ストランド毎の鋳片サイズ（厚さ×幅×
長さ）が異なることと、また溶鋼鍋に収容されている溶
鋼量の把握が確実でないために、予定されている鋳片注
文長さ（注文単重）に対して、溶鋼量に過不足が生じる
ことは、免れないことであった。特に溶鋼量が不足する
場合は、両ストランドの最終鋳片で、注文長さの鋳片が
採取できないという問題を避けることはできなかった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は一対のストラ
ンドを有する連続鋳造機において、歩留りを考慮したキ
ャスト終了操業技術を確立することと、両ストランドの
キャスト終了時期をほぼ同一とすることを目的とするも
のである。
ンドを有する連続鋳造機において、歩留りを考慮したキ
ャスト終了操業技術を確立することと、両ストランドの
キャスト終了時期をほぼ同一とすることを目的とするも
のである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであって、その要旨とすると
ころは、鋼の連続鋳造において、一対のストランドを持
つ連鋳機のキャストを終了するに際し、最終溶鋼鍋の溶
鋼残量とタンディッシュの溶鋼残量との合計残量から、
キャスト終了までの鋳片鋳造長さを逐次計算し、キャス
ト終了までの鋳片鋳造長さを、ストランド毎に所定長さ
に割り振っていき、ストランド毎に所定長さに対する過
不足を計算し、両ストランド共に過不足する場合、どち
らか一方のストランドの所定鋳片鋳造長さを満たすよ
う、そのストランドに溶鋼残量を振り向けることと、鋼
の連続鋳造において、一対のストランドを持つ連鋳機の
キャストを終了するに際し、最終溶鋼鍋の溶鋼残量とタ
ンディッシュの溶鋼残量との合計残量から、キャスト終
了までの鋳片鋳造長さを逐次計算し、キャスト終了まで
の鋳片鋳造長さを、ストランド毎に所定長さに割り振っ
ていき、ストランド毎に所定長さに対する過不足を計算
し、一方のストランドが不足する場合は、不足する方の
ストランドの鋳造速度を、他のストランドの鋳造速度よ
り、早めて減速することにより、一対のストランドのキ
ャストをほぼ同時に終了させることをそれぞれ特徴とす
る連続鋳造におけるキャスト終了方法にある。
決するためになされたものであって、その要旨とすると
ころは、鋼の連続鋳造において、一対のストランドを持
つ連鋳機のキャストを終了するに際し、最終溶鋼鍋の溶
鋼残量とタンディッシュの溶鋼残量との合計残量から、
キャスト終了までの鋳片鋳造長さを逐次計算し、キャス
ト終了までの鋳片鋳造長さを、ストランド毎に所定長さ
に割り振っていき、ストランド毎に所定長さに対する過
不足を計算し、両ストランド共に過不足する場合、どち
らか一方のストランドの所定鋳片鋳造長さを満たすよ
う、そのストランドに溶鋼残量を振り向けることと、鋼
の連続鋳造において、一対のストランドを持つ連鋳機の
キャストを終了するに際し、最終溶鋼鍋の溶鋼残量とタ
ンディッシュの溶鋼残量との合計残量から、キャスト終
了までの鋳片鋳造長さを逐次計算し、キャスト終了まで
の鋳片鋳造長さを、ストランド毎に所定長さに割り振っ
ていき、ストランド毎に所定長さに対する過不足を計算
し、一方のストランドが不足する場合は、不足する方の
ストランドの鋳造速度を、他のストランドの鋳造速度よ
り、早めて減速することにより、一対のストランドのキ
ャストをほぼ同時に終了させることをそれぞれ特徴とす
る連続鋳造におけるキャスト終了方法にある。
【０００６】
【作用】本発明は、溶鋼の鋳型への注入が最終鍋に入っ
た時点から、鍋内溶鋼量とタンディッシュ内溶鋼量の合
計残溶鋼量と、予定の鋳片採取可能長さとを、ストラン
ド毎にプロセスコンピュータで計算し、両ストランドに
過不足が生じた場合は、残溶鋼量の不足、余りが最小に
なるように、どちらか一方のストランドに、他のストラ
ンドに向ける分の溶鋼を振り向け、その結果余材の発生
を極力抑制し鋳片歩留りを向上させるよう操作を行うも
のである。
た時点から、鍋内溶鋼量とタンディッシュ内溶鋼量の合
計残溶鋼量と、予定の鋳片採取可能長さとを、ストラン
ド毎にプロセスコンピュータで計算し、両ストランドに
過不足が生じた場合は、残溶鋼量の不足、余りが最小に
なるように、どちらか一方のストランドに、他のストラ
ンドに向ける分の溶鋼を振り向け、その結果余材の発生
を極力抑制し鋳片歩留りを向上させるよう操作を行うも
のである。
【０００７】また、前記した如く両ストランドでのキャ
スト終了時期を、ほぼ同一の終了時期とするためには、
残溶鋼量を振り向けた方のストランドを減速しなければ
ならないが、そのためのピンチロール操作タイミング
を、プロセスコンピュータから計装コンピュータを介し
て、ストランド毎に指示できるよう、その論理を構築し
たものである。
スト終了時期を、ほぼ同一の終了時期とするためには、
残溶鋼量を振り向けた方のストランドを減速しなければ
ならないが、そのためのピンチロール操作タイミング
を、プロセスコンピュータから計装コンピュータを介し
て、ストランド毎に指示できるよう、その論理を構築し
たものである。
【０００８】以下に本発明をさらに詳細に述べる。キャ
スト末期に際し、現在両ストランドで鋳造中の鋳片長さ
から、鋳造される残余の鋳片長さ（定尺に採尺された後
の残存長さ）が判明する。これは残溶鋼量から鋳造され
るであろう鋳片長さが計算によって算出推定できるから
である。この計算方法は、最終鍋溶鋼重量（タンディッ
シュ内溶鋼残量を含む）を、鋳造される鋳片の鋳造鋳片
重量（両ストランドそれぞれの鋳造幅合計×鋳造厚合計
×溶鋼比重）で割れば、簡単に残余の鋳片長さがそれぞ
れ算出できる。
スト末期に際し、現在両ストランドで鋳造中の鋳片長さ
から、鋳造される残余の鋳片長さ（定尺に採尺された後
の残存長さ）が判明する。これは残溶鋼量から鋳造され
るであろう鋳片長さが計算によって算出推定できるから
である。この計算方法は、最終鍋溶鋼重量（タンディッ
シュ内溶鋼残量を含む）を、鋳造される鋳片の鋳造鋳片
重量（両ストランドそれぞれの鋳造幅合計×鋳造厚合計
×溶鋼比重）で割れば、簡単に残余の鋳片長さがそれぞ
れ算出できる。
【０００９】しかし、鋳造できる鋳片長さは鋳造毎に大
きくバラツキ、両ストランド共に、定尺の鋳片が採尺さ
れて終了することは少ない。すなわち、定尺を確保する
ためには、残溶鋼量が定尺鋳片長さに見合うだけなけれ
ばならないが、残溶鋼量が定尺鋳片長さに合致するのは
稀であり、溶鋼重量の過不足は当然発生する。通常は、
そのまま何らのアクションも採らずに鋳造を終了するた
め、両ストランドにキャスト毎に種々の長さの余材が発
生し、その余材分だけ鋳片の注文歩留りの低下となって
現れていた。
きくバラツキ、両ストランド共に、定尺の鋳片が採尺さ
れて終了することは少ない。すなわち、定尺を確保する
ためには、残溶鋼量が定尺鋳片長さに見合うだけなけれ
ばならないが、残溶鋼量が定尺鋳片長さに合致するのは
稀であり、溶鋼重量の過不足は当然発生する。通常は、
そのまま何らのアクションも採らずに鋳造を終了するた
め、両ストランドにキャスト毎に種々の長さの余材が発
生し、その余材分だけ鋳片の注文歩留りの低下となって
現れていた。
【００１０】そこで本発明では、前記の場合どのような
処置を採用したならば、鋳片歩留りが最良になるかをプ
ロセスコンピュータで計算し、どちらのストランドへ残
溶鋼量を振り向ければ、最良の歩留りになるかを決定す
るものである。
処置を採用したならば、鋳片歩留りが最良になるかをプ
ロセスコンピュータで計算し、どちらのストランドへ残
溶鋼量を振り向ければ、最良の歩留りになるかを決定す
るものである。
【００１１】採尺に当たってはその順序として、まず両
ストランドの内鋳片単重の大きい方のストランドで定尺
鋳片を採尺できるか否かを検討し、採尺不能の場合、鋳
片単重の小さい方のストランドで同様に定尺の採尺可否
を検討する。次いで、両ストランド共鋳片長さが定尺に
満たない場合は、次の手段として余材として存在して
も、その余材が圧延可能寸法（以下短尺と称す）を確保
できるか否かを判断し、前記同様にその振り向け先のス
トランドを決める。その場合は当然のことながら、でき
るだけ余材の発生が少なくなるよう配慮される。
ストランドの内鋳片単重の大きい方のストランドで定尺
鋳片を採尺できるか否かを検討し、採尺不能の場合、鋳
片単重の小さい方のストランドで同様に定尺の採尺可否
を検討する。次いで、両ストランド共鋳片長さが定尺に
満たない場合は、次の手段として余材として存在して
も、その余材が圧延可能寸法（以下短尺と称す）を確保
できるか否かを判断し、前記同様にその振り向け先のス
トランドを決める。その場合は当然のことながら、でき
るだけ余材の発生が少なくなるよう配慮される。
【００１２】これらを模式的に図１に示した。図１では
理解を容易とするため、両ストランド（Ａストランドと
Ｂストランド）で異なったサイズの鋳片を鋳造している
場合を例にとり、採尺鋳片長を同一とし、かつ、鋳片鋳
造量を鋳片断面大きさ（厚さ×幅）の比で、１：２の割
合のスラブを鋳造していると仮定し、図面での大きさ
（面積）を鋳片断面大きさとして表わした。図中に
（ａ）〜（ｄ）までを示し、振り向け方による鋳片の採
尺の可否を表した。
理解を容易とするため、両ストランド（Ａストランドと
Ｂストランド）で異なったサイズの鋳片を鋳造している
場合を例にとり、採尺鋳片長を同一とし、かつ、鋳片鋳
造量を鋳片断面大きさ（厚さ×幅）の比で、１：２の割
合のスラブを鋳造していると仮定し、図面での大きさ
（面積）を鋳片断面大きさとして表わした。図中に
（ａ）〜（ｄ）までを示し、振り向け方による鋳片の採
尺の可否を表した。
【００１３】（ａ）は所定寸法長さを満たし過不足ない
（最終クロッブ切断を含む）、また、（ｂ）は両ストラ
ンドでは少し不足するが、鋳片断面積の大きい方（単重
の大きい方）のストランドへ振り向けて、定尺を確保で
きたもの、また、（ｃ）は両ストランドでは大きく不足
するが、鋳片断面積の小さい方（単重の小さい方）のス
トランドへ振り向けて、定尺を確保できたものを示し
た。また、（ｄ）は（ｂ）と（ｃ）の間での残溶鋼量が
不足した場合で、このとき鋳片断面積の大きい方（単重
の大きい方）のストランドへ優先して振り向けて、短尺
を確保できた場合を示している。
（最終クロッブ切断を含む）、また、（ｂ）は両ストラ
ンドでは少し不足するが、鋳片断面積の大きい方（単重
の大きい方）のストランドへ振り向けて、定尺を確保で
きたもの、また、（ｃ）は両ストランドでは大きく不足
するが、鋳片断面積の小さい方（単重の小さい方）のス
トランドへ振り向けて、定尺を確保できたものを示し
た。また、（ｄ）は（ｂ）と（ｃ）の間での残溶鋼量が
不足した場合で、このとき鋳片断面積の大きい方（単重
の大きい方）のストランドへ優先して振り向けて、短尺
を確保できた場合を示している。
【００１４】何れも作図上、寸法的に定尺または短尺に
合致するものを示したが、実際にこのように溶鋼量が残
ることはなく、その残量は大きくバラツクものである
が、本発明を理解するうえで参考になるので示した。し
かして、上記（ａ）の場合は問題はなく、通常の作業で
鋳造を終了することができるが、（ｂ）〜（ｄ）の場合
は、図面上採尺できたが、このように溶鋼量が残るとは
限らず、その中間に残溶鋼量が存在し、多少の余材の発
生は避けられない。従って前述のようにその処置の如何
では、鋳片歩留りが大きく左右されることは勿論であ
る。
合致するものを示したが、実際にこのように溶鋼量が残
ることはなく、その残量は大きくバラツクものである
が、本発明を理解するうえで参考になるので示した。し
かして、上記（ａ）の場合は問題はなく、通常の作業で
鋳造を終了することができるが、（ｂ）〜（ｄ）の場合
は、図面上採尺できたが、このように溶鋼量が残るとは
限らず、その中間に残溶鋼量が存在し、多少の余材の発
生は避けられない。従って前述のようにその処置の如何
では、鋳片歩留りが大きく左右されることは勿論であ
る。
【００１５】従来（ａ）以外は、点線で示された部分が
余材として処理されていたものであるが、本発明を実施
することにより従来余材として処理されていた部分が、
定尺材および圧延可能な短尺材として処理できる。また
余材が発生してもその量は従来から比べれば極めて少な
く、大きく歩留り向上に繋がっていることがわかる。前
述の如く本発明例を模式的に示したが、この他種々のケ
ースが想定でき、両ストランドのどちらかへ振り向けて
も短尺材の採用にも満たない場合もあり、その場合は従
来通りの余材発生として処理するのも止むを得ない。ま
た、両ストランドが異断面積材の場合について説明した
が、同一断面材の場合でも考え方は全く同様で、どちら
か一方を優先することによって同様の処理を行うことが
できる。
余材として処理されていたものであるが、本発明を実施
することにより従来余材として処理されていた部分が、
定尺材および圧延可能な短尺材として処理できる。また
余材が発生してもその量は従来から比べれば極めて少な
く、大きく歩留り向上に繋がっていることがわかる。前
述の如く本発明例を模式的に示したが、この他種々のケ
ースが想定でき、両ストランドのどちらかへ振り向けて
も短尺材の採用にも満たない場合もあり、その場合は従
来通りの余材発生として処理するのも止むを得ない。ま
た、両ストランドが異断面積材の場合について説明した
が、同一断面材の場合でも考え方は全く同様で、どちら
か一方を優先することによって同様の処理を行うことが
できる。
【００１６】これらは何れもプロセスコンピュータの計
算で、どちらか歩留りの高い方を優先するよう、プログ
ラミングされており、人手を煩わすことはない。また、
本発明においては、さらに、残溶鋼を振り向けたストラ
ンドを、他の一定速度で鋳造しているストランドより先
に減速せねばならないが、これもプロセスコンピュータ
の計算のもとに、その減速時期が判断され、減速タイミ
ングを指示し、両ストランドがほぼ同一時期に鋳造を終
了するように構成されている。
算で、どちらか歩留りの高い方を優先するよう、プログ
ラミングされており、人手を煩わすことはない。また、
本発明においては、さらに、残溶鋼を振り向けたストラ
ンドを、他の一定速度で鋳造しているストランドより先
に減速せねばならないが、これもプロセスコンピュータ
の計算のもとに、その減速時期が判断され、減速タイミ
ングを指示し、両ストランドがほぼ同一時期に鋳造を終
了するように構成されている。
【００１７】本発明における両ストランドでの鋳造速度
の減速状況を、模式的に図示したのが図２である。前記
鋳片歩留りを最適状態に維持したときに、両ストランド
（ＡストランドとＢストランド）において鋳造終了時期
を略同一とするためには、残溶鋼を振り向けた方のスト
ランド（Ｂストランド）を早めに減速する必要がある。
従って先に述べた如く、最終鋳片の長さが両ストランド
毎に計算され、それによって残溶鋼の振り向けストラン
ドが決まると、各ストランドでの鋳造される鋳片鋳造長
さが定ってくる。
の減速状況を、模式的に図示したのが図２である。前記
鋳片歩留りを最適状態に維持したときに、両ストランド
（ＡストランドとＢストランド）において鋳造終了時期
を略同一とするためには、残溶鋼を振り向けた方のスト
ランド（Ｂストランド）を早めに減速する必要がある。
従って先に述べた如く、最終鋳片の長さが両ストランド
毎に計算され、それによって残溶鋼の振り向けストラン
ドが決まると、各ストランドでの鋳造される鋳片鋳造長
さが定ってくる。
【００１８】従って現状の鋳造速度と残溶鋼を振り向け
られたストランドでの通常における鋳造末期の減速速度
が決まれば、残溶鋼を振り向けたストランドを、どの時
点からどの程度減速すれば鋳造終了時期が同一になるか
自から計算によって求まる。この計算結果に基づき図２
に示したように、Ｂストランドをその下限鋳造速度に合
せ、早めに減速処理を施すことにより、略同一時期に両
ストランドの鋳造を終了することができる。
られたストランドでの通常における鋳造末期の減速速度
が決まれば、残溶鋼を振り向けたストランドを、どの時
点からどの程度減速すれば鋳造終了時期が同一になるか
自から計算によって求まる。この計算結果に基づき図２
に示したように、Ｂストランドをその下限鋳造速度に合
せ、早めに減速処理を施すことにより、略同一時期に両
ストランドの鋳造を終了することができる。
【００１９】
【実施例】一対のストランドをもった連鋳機で鋳造を行
っていたが、最終溶鋼鍋とタンディッシュでの溶鋼残量
の合計が３００ｔとなったので、残溶鋼量の処理を次の
如く行い、鋳片歩留りの向上、両ストランドの同時鋳造
終了を図った。
っていたが、最終溶鋼鍋とタンディッシュでの溶鋼残量
の合計が３００ｔとなったので、残溶鋼量の処理を次の
如く行い、鋳片歩留りの向上、両ストランドの同時鋳造
終了を図った。
【００２０】 溶鋼残量 ： ３００ｔ（最終鍋とタンディッシュの合計） 鋳造速度 ： １．５（ｍ／ｍｉｎ） 鋳造下限速度： ０．１（ｍ／ｍｉｎ） 溶鋼比重 ： ７．８（ｔ／ｍ3 ） 鋳片寸法： Ａストランド Ｂストランド 厚さ； １００ｍｍ ；２００ｍｍ 幅 ； １０００ｍｍ ；２０００ｍｍ 長さ； ４５ｍ ；５２ｍ キャスト終了 までの鋳造長さ；５１ｍ ；５１ｍ
【００２１】ここで通常の鋳造作業では、両ストランド
に６ｍ＋４ｍ（１７ｔ）の余材が発生するので、Ａスト
ランドでの採尺を考慮して残溶鋼を、Ｂストランドへ振
り向けるべくＡストランドの早期減速鋳造を実施した。
減速は下限鋳造速度まで７分間で行い、またもう一方の
ストランドも４３分後同一勾配での減速を実施した。そ
の結果、両ストランド共に定尺を確保し、余材の発生は
０．５ｍ（１．５ｔ）に止まった。これらは、何れもプ
ロセスコンピュータの計算により行われたものである。
に６ｍ＋４ｍ（１７ｔ）の余材が発生するので、Ａスト
ランドでの採尺を考慮して残溶鋼を、Ｂストランドへ振
り向けるべくＡストランドの早期減速鋳造を実施した。
減速は下限鋳造速度まで７分間で行い、またもう一方の
ストランドも４３分後同一勾配での減速を実施した。そ
の結果、両ストランド共に定尺を確保し、余材の発生は
０．５ｍ（１．５ｔ）に止まった。これらは、何れもプ
ロセスコンピュータの計算により行われたものである。
【００２２】
【発明の効果】従来、一対のストランドを持つ連鋳機で
キャスト終了の際、溶鋼量不足のため両ストランドで余
材を発生していたが、本発明によれば最終鍋段階で残溶
鋼量を把握し、どちらか一方のストランドへその溶鋼を
振り向けることにより、所定長さの鋳片採尺を可能と
し、また、ストランド毎で適切なピンチロールの減速を
行うことで、余材の発生を最小にする操業技術を確立す
ることができた。
キャスト終了の際、溶鋼量不足のため両ストランドで余
材を発生していたが、本発明によれば最終鍋段階で残溶
鋼量を把握し、どちらか一方のストランドへその溶鋼を
振り向けることにより、所定長さの鋳片採尺を可能と
し、また、ストランド毎で適切なピンチロールの減速を
行うことで、余材の発生を最小にする操業技術を確立す
ることができた。
【図１】余材の発生とその振り向け状況を模式的に例示
した図
した図
【図２】２ストランドにおける減速状況を模式的に示し
た図
た図
Claims (5)
- 【請求項１】 鋼の連続鋳造において、一対のストラン
ドを持つ連鋳機のキャストを終了するに際し、最終溶鋼
鍋の溶鋼残量とタンディッシュの溶鋼残量との合計残量
から、キャスト終了までの鋳片鋳造長さを逐次計算し、
キャスト終了までの鋳片鋳造長さを、ストランド毎に所
定長さに割り振っていき、ストランド毎に所定長さに対
する過不足を計算し、両ストランド共に過不足する場
合、どちらか一方のストランドの所定鋳片鋳造長さを満
たすよう、そのストランドに溶鋼残量を振り向けること
を特徴とする連続鋳造におけるキャスト終了方法。 - 【請求項２】 どちらか一方のストランドへ溶鋼残量を
振り向けるに当たり、鋳造鋳片の定尺単重の大きい方の
ストランドを優先させることを特徴とする請求項１記載
の連続鋳造におけるキャスト終了方法。 - 【請求項３】 どちらか一方のストランドへ溶鋼残量を
振り向けるに当たり、どちらのストランドにおいても所
定鋳片鋳造長さを満たさない場合は、鋳造鋳片の短尺単
重の大きい方のストランドを優先させ、圧延可能な鋳片
長さを確保することを特徴とする請求項１記載の連続鋳
造におけるキャスト終了方法。 - 【請求項４】 請求項１ないし３記載の連続鋳造におい
て、溶鋼残量を振り向けたストランドを、他のストラン
ドの鋳造速度より、早めて減速することにより、一対の
ストランドのキャストをほぼ同時に終了させることを特
徴とする連続鋳造におけるキャスト終了方法。 - 【請求項５】 鋼の連続鋳造において、一対のストラン
ドを持つ連鋳機のキャストを終了するに際し、最終溶鋼
鍋の溶鋼残量とタンディッシュの溶鋼残量との合計残量
から、キャスト終了までの鋳片鋳造長さを逐次計算し、
キャスト終了までの鋳片鋳造長さを、ストランド毎に所
定長さに割り振っていき、ストランド毎に所定長さに対
する過不足を計算し、一方のストランドが不足する場合
は、不足する方のストランドの鋳造速度を、他のストラ
ンドの鋳造速度より、早めて減速することにより、一対
のストランドのキャストをほぼ同時に終了させることを
特徴とする連続鋳造におけるキャスト終了方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26897695A JPH0985396A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | 連続鋳造におけるキャスト終了方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26897695A JPH0985396A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | 連続鋳造におけるキャスト終了方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0985396A true JPH0985396A (ja) | 1997-03-31 |
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ID=17465928
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| JP (1) | JPH0985396A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103370458A (zh) * | 2010-12-20 | 2013-10-23 | 连津格股份公司 | 阻燃纤维素人造纤维 |
| JP2014076452A (ja) * | 2012-10-09 | 2014-05-01 | Jfe Steel Corp | 鋼の連続鋳造方法 |
| KR20200063633A (ko) * | 2018-11-28 | 2020-06-05 | 주식회사 포스코 | 주조 방법 및 주조 설비 |
| CN114713784A (zh) * | 2022-04-26 | 2022-07-08 | 承德建龙特殊钢有限公司 | 一种连铸尾坯定尺优化切割的方法 |
| CN115283632A (zh) * | 2022-08-03 | 2022-11-04 | 重庆钢铁股份有限公司 | 一种减少小方坯连铸机停机非定尺坯产生的方法 |
| CN115351255A (zh) * | 2022-08-02 | 2022-11-18 | 阳春新钢铁有限责任公司 | 一种提高连铸中间包停浇钢水收得率方法 |
-
1995
- 1995-09-25 JP JP26897695A patent/JPH0985396A/ja active Pending
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| CN114713784B (zh) * | 2022-04-26 | 2024-01-12 | 承德建龙特殊钢有限公司 | 一种连铸尾坯定尺优化切割的方法 |
| CN115351255A (zh) * | 2022-08-02 | 2022-11-18 | 阳春新钢铁有限责任公司 | 一种提高连铸中间包停浇钢水收得率方法 |
| CN115283632A (zh) * | 2022-08-03 | 2022-11-04 | 重庆钢铁股份有限公司 | 一种减少小方坯连铸机停机非定尺坯产生的方法 |
| CN115283632B (zh) * | 2022-08-03 | 2024-03-12 | 重庆钢铁股份有限公司 | 一种减少小方坯连铸机停机非定尺坯产生的方法 |
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