JPH0982506A - 電力用抵抗体 - Google Patents

電力用抵抗体

Info

Publication number
JPH0982506A
JPH0982506A JP7239571A JP23957195A JPH0982506A JP H0982506 A JPH0982506 A JP H0982506A JP 7239571 A JP7239571 A JP 7239571A JP 23957195 A JP23957195 A JP 23957195A JP H0982506 A JPH0982506 A JP H0982506A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resistor
sintered body
powder
carbon
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7239571A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Shudo
直樹 首藤
Motomasa Imai
基真 今井
Fumio Ueno
文雄 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP7239571A priority Critical patent/JPH0982506A/ja
Publication of JPH0982506A publication Critical patent/JPH0982506A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermistors And Varistors (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単位体積あたりの熱容量が大きく、抵抗率が
適当で、絶縁耐圧、注入エネルギー耐量の大きな電力用
抵抗体を提供する。 【構成】 抵抗体1は、金属酸化物を主成分とし、副成
分として炭素を0.03〜3wt%含む焼結体2と、そ
の両端面に形成された一対の電極3を備えている。焼結
体2の上下面5と側面6との境界線上には面取り処理が
施され、さらに前記面取り処理部を、絶縁相4が被服さ
れている。 【効果】 上記構成にすることで、上下面5と側面6と
の境界線上での放電を抑止し、抵抗体の、絶縁耐圧、注
入エネルギー耐量が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は過大なサージを吸収する
のに好適な電力用抵抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、遮断器等の電流制御用、電動機の
始動・回生に伴う各種制御用、また、送電系統の異常発
生時に於ける接地用として、種々の電力用抵抗器が用い
られている。これら抵抗器は、金属抵抗体、セラミック
抵抗体、これらの複合体により構成されている。
【0003】例えば、高電圧用遮断器には、開閉時に発
生する開閉サージを吸収したり遮断容量を増加させるた
めに遮断接点と並列に投入抵抗器を接続している。これ
らの目的に用いられる抵抗器の従来の抵抗体には、例え
ば特開昭58−139401号公報に記載されているよ
うな、炭素粒子分散型セラミック抵抗体が用いられてい
る。この抵抗体は、絶縁性成分たる酸化アルミニウム粉
末に、導電性成分たるカーボン粉末を混合し、結合材た
る粘土で焼き固めたもので、100〜2500Ω・cm
の抵抗率を持つ。
【0004】この炭素粒子分散型セラミック抵抗体は、
カーボン粉末添加量を調整することで抵抗率を変化させ
ることができる利点がある。しかし、気孔率が10〜3
0%と高く緻密性に劣るため、以下の問題がある。すな
わち、第1に、体積当たりの熱容量が2J/cm3 ・K
程度と小さいために、放電耐量が小さい。その結果、サ
ージの吸収による発熱にともなう温度上昇が著しい。第
2に、開閉サージ吸収時にカーボン粉末間で放電を起こ
して、貫通放電をしてしまう。第3に高い温度にさらす
と抵抗値を制御している焼結体内部の炭素粒子が、開気
孔を通して酸化され、抵抗値が変化してしまう。以上の
様な問題により、高電圧用遮断器の抵抗体として、特開
昭58−139401号公報に記載された従来の抵抗体
は問題が多い。
【0005】さらに、近年の技術開発による遮断器の小
型化に伴い、開閉サージ吸収用投入抵抗器の小型化が希
求されている。投入抵抗器を小型化するためには、使用
される抵抗体の単位体積当たりの熱容量が不可欠であ
る。従来の抵抗体の2J/cm3 /Kという熱容量で
は、これ以上投入抵抗器を小型化することは困難であ
る。
【0006】このような問題に対して、原料粉の粉径が
非常に細かい酸化アルミニウム粉末を用いることで、緻
密な焼結体を得る方法が考案されている(特開平1−1
4166号公報)。この、特開平1−14166号公報
に記載された焼結体は、焼結体の相対密度が、従来の炭
素粒子分散型セラミックに比べて大きく、理論密度に近
い値を有する。そのため、単位体積あたりの熱容量も酸
化アルミニウムの熱容量3J/cm3 ・Kとほぼ等し
く、従来の炭素粒子分散型セラミックに比べて1.5倍
もの熱容量を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の特開平1−14
166号公報に記載された焼結体は、特開昭58−13
9401号公報に記載された抵抗体に比較して緻密なた
め、単位体積あたりの熱容量が大きくなり、単位体積あ
たり吸収できるエネルギーが大きいことが期待される。
しかるに、電力用抵抗体は、高電圧、大電流で使用され
る。このような場合、焼結体内部に抵抗率に分布がなく
均一であっても、電流は焼結体内部を均一に流れること
は少なく、焼結体素体の外表面に沿って流れやすい傾向
を有する。この結果、特開平1−14166号公報に記
載された焼結体を抵抗体として用いても、使用電流を大
きく、及びまたは使用電圧を高くすると、沿面電流が大
きくなり、抵抗体は沿面閃絡、すなわち沿面で放電した
り、貫通放電して抵抗体が破壊してしまうという、耐電
圧性能が悪いという問題を有していた。
【0008】上記問題を解決する一つの手段として、例
えば特開昭57−42101号公報に記載されているよ
うな、該抵抗体の電極端部を除く外表面に絶縁層を形成
することによって、沿面放電を抑止できることが知られ
ている。しかし、近年電力用機器の運転電流及び電圧は
さらに大きくなり、該抵抗体の電極端部を除く外表面に
絶縁層を形成することのみでは、沿面放電を抑止するこ
とは、困難となってきた。本発明は上述の従来の問題を
解決する為に、電極形成面と外周面の境界線部上に工夫
をきたした新規な電力用抵抗体を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、金属
酸化物を主成分とし、副成分として平均粒径1μm以下
のカーボン粒子を0.05〜3重量%含む焼結体を有す
る電力用抵抗体において、電極形成面と外周面の境界線
部上が、絶縁層で被覆されていることを特徴とするもの
である。
【0010】本発明に係わる電力用抵抗体を図1、図2
を参照して説明する。図1は、本発明に一様態に係わる
電力用抵抗体である。抵抗体1は、環状の焼結体2と、
前記焼結体2の両面に設けられた電極3と、前記焼結体
2の外周面および中空部の内周面に被覆された絶縁層4
とから構成されている。
【0011】前記焼結体2は、金属酸化物を主成分と
し、副成分として平均粒径1μm以下のカーボン粒子を
0.05〜3重量%含む組成を有する。前記金属酸化物
としては、例えば酸化アルミニウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化チタン、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化
鉄、酸化亜鉛、ムライト(3Al23 ・2SiO
2 )、ジルコン(ZrO2 ・SiO2 )、フォステライ
ト(2MgO・SiO2 )、ステアタイト(MgO・S
io2 )、スピネル(2MgO・Al23 )、コージ
ライト(2MgO・2Al23 ・5SiO2 )等を用
いることができる。これら金属酸化物の中で酸化アルミ
ニウムまたは酸化アルミニウムを含む複合酸化物が好ま
しく、特に酸化アルミニウムは高強度、高硬度で化学的
安定性、耐熱性およびエネルギー耐量が優れているため
好適である。このような酸化アルミニウムを含む焼結体
は、前記酸化アルミニウムがα型で存在し、かつその結
晶粒径が5μm以下、好ましくは1μm以下であること
が望ましい。
【0012】前記カーボン粒子は、1μm以下の微細な
平均粒径を有することにより良好な導電パスを実現する
ことが可能になる。より好ましい前記カーボン粒子の平
均粒径は、0.001〜0.1μmである。
【0013】前記カーボン粒子の割合を限定したのは、
次のような理由によるものである。前記カーボン粒子の
割合を0.05重量%未満にすると、カーボンの導電性
効果が発揮され難くなり、その結果前記焼結体の電気抵
抗が高くなって安定した電気抵抗値にすることが困難に
なる。一方、前記カーボン粒子の割合が3重量%を越え
ると電気抵抗が低くなりすぎること、緻密性が低下し体
積当たりの熱容量が小さくなり、エネルギーの吸収に伴
う抵抗体の温度上昇が著しくなる。
【0014】前記カーボン粒子は、前記焼結体2中に非
晶質状態で存在することが好ましい。特に、酸化アルミ
ニウムのような金属酸化物の粒子の界面でグラファイト
化されていることが好ましい。
【0015】図2は、図1に示した抵抗体1の外周面の
拡大図である。本発明者らは、沿面閃絡が前記焼結体2
の電極形成面5と、外周面6との境界線部で主に発生す
ること見いだした。これは、電位集中が鋭角部で特に著
しいためである。沿面閃絡をふせぐために、図2に示し
たような面とり処理を施す。図2中、処理部7は、0.
2mmから2mmが好ましい。0.2mm以下では、境
界線部に電位集中が発生し、沿面閃絡を起こす。
【0016】電極3と絶縁層4の境界は、図2に示した
ように、処理部7より内側にあることが必須である。絶
縁層4を電極形成面5に回り込ませることで、最も放電
しやすい部分からの閃絡を防止することが可能になる。
ただし、図2に示したような境界を形成することが困難
な場合、図3の様に、絶縁層4の上に電極3が重なるの
はかまわない。電力用抵抗体は、通常、複数個の抵抗体
を積み重ねて使うため、図4の様に、電極3の上に絶縁
層4が重なることは、電極と電極の接触性を阻害するこ
とから、好ましくない。
【0017】前記電極3は、例えばアルミニウムまたは
ニッケルのような金属、またはHf,Nb,Taもしく
はTiの炭化物或いはTiNから形成されることが好ま
しい。 前記絶縁層4は、前記焼結体2の側面での沿面
放電を防止するために設けられる。前記絶縁層4は、酸
化アルミニウム、酸化珪素、ホウ珪酸ガラスのような絶
縁性セラミック、またはポリイミドのような絶縁性耐熱
樹脂から形成されることが好ましい。
【0018】本発明にかかわる抵抗体1は、例えば以下
のような方法により作製される。平均粒子径1μm以
下、焼結性を良くするためには、好ましくは0.5μm
以下の金属酸化物粉末、例えば酸化アルミニウム粉末
に、有機化合物からなる炭素前駆体を溶剤に溶解させ添
加、混合し、さらに乾燥して混合粉末を調整する。前記
炭素前駆体は、焼結体中に炭素として存在させるための
炭素源となる物質、または極一部は前記金属酸化物粉末
の一部の金属の炭化物もしくは炭酸化物として変換する
ための物質である。このような炭素前駆体としては、例
えばレゾール系フェノール樹脂、ポリ塩化ビニリデン、
アクリロニトリル系共重合体、ポリウレタン、ポリビニ
ルピロリドン、澱粉、ポリアミド等の有機物を挙げるこ
とができる。特に、レゾール系フェノール樹脂、ポリビ
ニルピロリドン等の環状炭化水素を有する炭素前駆体
は、第2工程で炭素に変換する割合が多く特に好まし
い。
【0019】つづいて、前記混合粉末を真空中または非
酸化性ガス中、300〜800℃中で加熱処理して前記
炭素前駆体を炭素化する。ひきつづき、前記加熱処理粉
末を解砕し、例えばパラフィン等の成形用バインダーを
添加、造粒粉末を調整する。この際、ボールミル等を用
い湿式混合の後、乾燥、ふるいを用いて造粒調整しても
かまわないが、スプレードライヤーを用いて造粒調整す
る方が、粉末の粒度分布が小さく、より好ましい。
【0020】また、造粒粉末は、以下のようにして作成
することもできる。平均粒子径1μm以下、焼結性を良
くするためには、好ましくは0.5μm以下の金属酸化
物粉末、例えば酸化アルミニウム粉末を原料粉とする。
導電相たるカーボン源にはカーボン粉末を用いる。カー
ボン粉末の粒子径は0.1μm以下が焼結性を確保する
ために好ましく、微粉になる程好ましい。このような金
属酸化物原料粉末と平均粒子径が0.1μm以下のカー
ボン粉末原料を水、または、有機溶媒を用い、ボールミ
ル中で混合する。カーボン添加量の異なる、少なくとも
2種類以上の混合粉末を準備する。
【0021】これらのカーボン含有量の異なるそれぞれ
の混合粉末に、成形体を作成するときには必要に応じ
て、パラフィン、ポリビニルアルコール等の成形用バイ
ンダーを添加しても構わないが、これら成形用バインダ
ーも焼結体中の炭素源になるため、あらかじめカーボン
粉末量は適宜調整する必要がある。これら混合分に、各
々成型用バインダーを添加湿式混合後、乾燥。ふるいを
用いて造粒調整する。造粒粉調整の際には、それぞれ
に、有機溶剤、成型用バインダーと共に混合を行いスラ
リー化し、スプレードライヤーを用いて溶媒を除去する
方が、工程上煩雑になる欠点は有するものの、粉末の粒
度分布を小さくする上でより好ましい。これらカーボン
添加量の異なる造粒粉末を、所定の比率により、例えば
V型ミキサーにより混合する。
【0022】以上のようにして得られた造粒粉末を、金
型プレス、押し出しおよび射出成形などの手段で成形を
行う。金型成形で成形する際には、焼結体の密度を高め
るために200kg/cm2 以上であることが望まし
い。これ以下だと焼結体の相対密度が上がらず、単位体
積当たりの熱容量が低下する。
【0023】次に、電極形成面と外周面の境界線上を上
下とも面取りする。抵抗体の形状が、図1に示したよう
な、円筒形状の場合は、内周面と電極形成面の境界線上
も面取りすることが好ましい。電極形成面と外周面の境
界線部の面とり処理は、焼成後得られる焼結体に施して
も何等性能に差はないが、成形体に施す方が簡易であ
る。
【0024】この後、加熱処理して成形用バインダーを
除去して脱脂体を形成する。この加熱処理も、炭素前駆
体の炭素化処理と同様、真空中または非酸化性雰囲気中
でおこなうことが好ましい。雰囲気中への酸素の混入
が、1%を越えると、導電相たる炭素成分が酸化消失
し、抵抗体としての機能を果たさなくなる。この成形用
バインダーの除去条件は、バインダーの種類等に依存す
る。たとえば前記パラフィンバインダーでは、500〜
650℃、アクリル系バインダーでは、450〜600
℃が好ましい。
【0025】焼成は脱脂の熱処理に続けて真空中または
不活性ガス中、1300〜1800℃で1〜4時間保持
することによって行われる。ただし、脱脂の熱処理後、
一度室温まで降温したのち再度昇温し焼成しても問題は
ない。焼成は、1300〜1800℃の範囲で行うこと
が好ましい。1300℃以下では、焼結が進まず焼結体
の緻密性に劣る。この結果、単位体積あたりの熱容量が
小さくなり、エネルギー耐量が小さくなる。一方、18
00℃以上では、焼結体中のカーボンが気散し、高抵抗
になり抵抗体として使用できなくなる。
【0026】得られた焼結体の上下電極形成面を研磨
し、電極形成面と外周面の境界線部、焼結体の外周面お
よび中空部の内周面に、酸化アルミニウム、酸化珪素、
ホウ珪酸ガラスのような絶縁性セラミック、またはポリ
イミドのような樹脂を、焼き付け、溶射または塗布、乾
燥等により絶縁層を形成する。前記絶縁層の厚さは、抵
抗体の形状および使用する電流、電圧によるが、電力用
抵抗体として使用する場合には100μm以上あること
が望ましい。
【0027】次いで、スパッタリング、溶射、焼き付け
などの手段によりアルミニウム、ニッケルのような金
属、またはHf、Nb、TaもしくはTiの炭化物或い
はTiNなどからなる電極を形成して抵抗体を製造す
る。
【0028】なお、図1に示した抵抗体1の構造は環状
であるが、これに限定されるものではなく、円板状の焼
結体と、焼結体の両面に設けられた電極と、焼結体の外
周面に被覆された絶縁層とから抵抗体を構成してもよ
い。
【0029】また、本発明に係わる電力用抵抗体は電力
用遮断器の投入抵抗体として利用する場合に限らず、高
電圧装置、大容量コンデンサの充放電装置等に用いられ
る固定抵抗器、可変抵抗器、巻線抵抗器、抵抗器アレー
に適用することができる。
【0030】
【実施例】
(実施例1)炭素前駆体として市販のポリビニルピロリ
ドン15gをメタノール500mlに溶解させ、平均粒
径1μmの酸化アルミニウム粉末500gに添加し、ア
ルミナボールと共に24時間混合した。前記混合物を乾
燥した後、乾燥粉末を純度99%以上の酸化アルミニウ
ムセラミック製容器に入れ、アルゴンガス雰囲気中60
0℃で2時間加熱処理し、ポリビニルピロリドンを炭素
化した。
【0031】続いて、前記加熱処理粉末をアルミナボー
ル、エタノールと共に6時間解砕した後、乾燥させ乾燥
粉とした。前記乾燥粉末にパラフィン25gをキシレン
500mlに溶解させた溶液を添加し、混合した後、キ
シレンを除去し目開き100μmの篩を通して造粒粉と
した。前記造粒粉を金型にて加圧成形して円板状の粉末
圧粉体とした。この粉末圧粉体の上下円面と外周面の境
界線部を1mm、面取りを行った。次いで、この粉末圧
粉体を400℃で4時間窒素ガス中で保持し、パラフィ
ンを除去し脱脂体を得た。次いでこの脱脂体を、酸化ア
ルミニウムセラミック製箱形容器に入れ、酸化アルミニ
ウムセラミック製板で蓋をし、アルゴンガス雰囲気中、
1500℃で1時間加熱処理することにより焼成を行っ
て、直径100mm厚さ25mm円板状の焼結体を作成
した。
【0032】この焼結体の上下両端面を各々研削した
後、外周面および面取り部に燐酸アルミニウムとアルミ
ナ微粉、シリカ微粉からなる水溶性ペーストを刷毛塗装
し、150℃で1時間乾燥し電極端部を除く外表面に絶
縁層を形成した。次にアルミニウム電極を、両電極形成
面に溶射法で形成し、電力用抵抗体を得た。
【0033】この抵抗体の抵抗率は3800Ωcm、対
電圧値は22kV/cm、耐量は670J/cm3 と良
好な値を有した。 (比較例1)実施例1と同様の方法で得られた粉末圧粉
体に、面取りを施さず、実施例1と同様にパラフィン除
去、焼成を行い焼結体を得た。この焼結体の上下両端面
を各々研削した後、面取り部にかからぬよう、外周面の
みに燐酸アルミニウムとアルミナ微粉、シリカ微粉から
なる水溶性ペーストを刷毛塗装し、150℃で1時間乾
燥し絶縁層を形成した。次にアルミニウム電極を、両電
極形成面に溶射法で形成し、電力用抵抗体を得た。
【0034】この抵抗体の抵抗率は3800Ωcmと実
施例1と同じであったが、電圧、18kV/cmで沿面
閃絡が発生し、耐量は590J/cm3 に留まった。 (実施例2)平均粒径0.2μmの酸化アルミニウム粉
末に成型用バインダーとしてパラフィンを固形分として
5wt%加え、キシレンを溶媒としてスラリー化した
後、乾燥を行い、第1の造粒粉末を得た。また、第1の
造粒粉末に使用したものと同じ酸化アルミニウム粉末を
出発原料として、平均粒子径50nmのカーボン粉末を
所定量添加し、エタノール溶媒とし、アルミナ製ポット
およびアルミナ製ボールを用いて混合、粉砕を行った。
これを乾燥後、さらに成型用バインダーとしてパラフィ
ンを固形分としてそれぞれ5wt%加え、第1の造粒粉
末と同じ方法で、第2の造粒粉末を得た。
【0035】第1の造粒粉末を60wt%、第2の造粒
粉末を40wt%の割合でV型混合器により混合し、混
合造粒粉末を得た。これらの混合造粒粉末は金型を用い
て円筒状に成形され、実施例1と同様、上下円環面と外
周面の境界線部、及び、上下円環面と内周面の境界線部
の面取りを行った。次いで、この粉末圧粉体を、窒素ガ
ス雰囲気中600℃での脱脂過程を経て、アルゴンガス
雰囲気中1500℃で2時間の焼成を行った。
【0036】この焼結体の上下両端面を各々研削した
後、外周面、内周面および面取り部に、ホウケイ酸ガラ
ス粉末を塗布、焼き付けて絶縁層を形成した。その後、
外径120mm、内径35mm、高さ25mmの寸法と
し、両電極形成面にアルミニウム電極を溶射により形成
して、抵抗素子を得た。
【0037】この抵抗体の抵抗率は4000Ωcm、耐
電圧値は23kV/cm、耐量は680J/cm3 と良
好な値を有した。 (比較例2)実施例2と同様の方法で得られた粉末圧粉
体に、面取りを施さず、実施例1と同様にパラフィン除
去、焼成を行い焼結体を得た。この焼結体の上下両端面
を各々研削した後、面取り部にかからぬよう、外周面の
みに燐酸アルミニウムとアルミナ微粉、シリカ微粉から
なる水溶性ペーストを刷毛塗装し、150℃で1時間乾
燥し絶縁層を形成した。次にアルミニウム電極を、両電
極形成面に溶射法で形成し、電力用抵抗体を得た。この
抵抗体の抵抗率は4000Ωcmと実施例2と同じであ
ったが、電圧、19kV/cmで沿面閃絡が発生し、耐
量は600J/cm3 に留まった。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、電極形
成面と外周面の境界線部上に、絶縁層を被覆すること
で、抵抗体の絶縁性、注入エネルギー耐量が向上した。
このため、これまでの抵抗体に比較して、高温、高電
圧、大注入エネルギーでの使用が可能になり、また抵抗
体の信頼性も向上した。その結果、遮断器などの電力用
機器の縮小化におおいに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本概念を示す構成図。
【図2】 図1の抵抗体の外周面の拡大図。
【図3】 図2の変形例を示す図。
【図4】 図2の変形例を示す図。
【符号の説明】
1……電力用抵抗体。 2……焼結体。 3……電極。 4……絶縁層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物を主成分とし、副成分として
    平均粒径1μm以下のカーボン粒子を0.05〜3重量
    %含む焼結体を有する電力用抵抗体において、前記焼結
    体の電極形成面と外周面の境界線部上が絶縁層で被覆さ
    れていることを特徴とする電力用抵抗体。
  2. 【請求項2】 金属酸化物は、酸化アルミニウムまたは
    アルミニウムを含む複合酸化物であることを特徴とする
    請求項1記載の電力用抵抗体。
JP7239571A 1995-09-19 1995-09-19 電力用抵抗体 Pending JPH0982506A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7239571A JPH0982506A (ja) 1995-09-19 1995-09-19 電力用抵抗体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7239571A JPH0982506A (ja) 1995-09-19 1995-09-19 電力用抵抗体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0982506A true JPH0982506A (ja) 1997-03-28

Family

ID=17046784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7239571A Pending JPH0982506A (ja) 1995-09-19 1995-09-19 電力用抵抗体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0982506A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012253095A (ja) * 2011-05-31 2012-12-20 Toshiba Corp 高電圧コンデンサ
JP2017504967A (ja) * 2013-12-24 2017-02-09 エプコス アクチエンゲゼルシャフトEpcos Ag バリスタ装置の製造方法およびバリスタ装置
CN114804835A (zh) * 2021-01-28 2022-07-29 上海上纳电工器材有限公司 一种新型碳复合陶瓷线性电阻及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012253095A (ja) * 2011-05-31 2012-12-20 Toshiba Corp 高電圧コンデンサ
JP2017504967A (ja) * 2013-12-24 2017-02-09 エプコス アクチエンゲゼルシャフトEpcos Ag バリスタ装置の製造方法およびバリスタ装置
US9934892B2 (en) 2013-12-24 2018-04-03 Epcos Ag Method for fabricating a varistor device and varistor device
CN114804835A (zh) * 2021-01-28 2022-07-29 上海上纳电工器材有限公司 一种新型碳复合陶瓷线性电阻及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5509558A (en) Metal oxide resistor, power resistor, and power circuit breaker
JPH0982506A (ja) 電力用抵抗体
JP3212672B2 (ja) 電力用抵抗体
CN105198409A (zh) 一种高储能密度钛酸锶钡基玻璃复相陶瓷的制备方法
JP2001278664A (ja) 誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びその製造方法
JP3488650B2 (ja) 電力用抵抗体、その製造方法及び電力用抵抗器
JP3488595B2 (ja) 電力用抵抗体および電力用抵抗器
JP3425271B2 (ja) 電力用抵抗体、その製造方法および電力用遮断器
JPH0817604A (ja) 電力用抵抗体およびその製造方法
JPH03297101A (ja) 電力用抵抗体及びその製造方法
JP2979915B2 (ja) 半導体磁器組成物及びその製造方法
JP2734910B2 (ja) 半導体磁器組成物の製造方法
JP3422889B2 (ja) 電力用抵抗体および電力用抵抗器
JPH10106802A (ja) 電力用抵抗体、及びその製造方法
JPH07147204A (ja) 金属酸化物系抵抗体、電力用抵抗体および電力用遮断器
JP3210063B2 (ja) 電力用抵抗体
JP3687960B2 (ja) バリスタ用穴付素子の製造方法
JPS63289706A (ja) セラミック形成組成物及びこれを用いた半導体磁器基体と誘電体磁器基体並びにコンデンサー
JP2697113B2 (ja) 粒界絶縁型積層半導体コンデンサ
JP3580650B2 (ja) 電力用抵抗体、その製造方法及び電力用遮断器
JP2937024B2 (ja) 半導体磁器組成物とその製造方法
JPH0587005B2 (ja)
JP2984115B2 (ja) 粒界絶縁型半導体磁器コンデンサの製造方法
JPH10261504A (ja) 電力用抵抗体、電力用抵抗体の製造方法、電力用遮断器および中性点接地抵抗器
JP3599646B2 (ja) 誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びその製造方法