JPH0982162A - 高温電気絶縁用シート状部材 - Google Patents
高温電気絶縁用シート状部材Info
- Publication number
- JPH0982162A JPH0982162A JP7234418A JP23441895A JPH0982162A JP H0982162 A JPH0982162 A JP H0982162A JP 7234418 A JP7234418 A JP 7234418A JP 23441895 A JP23441895 A JP 23441895A JP H0982162 A JPH0982162 A JP H0982162A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- aluminum hydroxide
- electrical insulation
- shaped member
- powders
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Insulating Bodies (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 840℃以上の高温においても絶縁性能の優
れた高温電気絶縁用シート状部材を提供することを目的
とする。 【解決手段】 ポリオレフィンフィルムに溶融シリカ粉
及び水酸化アルミニウム粉のうちのいずれか1種又はそ
れの混合物をシリコーン樹脂の接着剤を用いて付着させ
たものである。
れた高温電気絶縁用シート状部材を提供することを目的
とする。 【解決手段】 ポリオレフィンフィルムに溶融シリカ粉
及び水酸化アルミニウム粉のうちのいずれか1種又はそ
れの混合物をシリコーン樹脂の接着剤を用いて付着させ
たものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐火電線や耐火バス
ダクト等に使用される高温電気絶縁用シート状部材に関
するものである。
ダクト等に使用される高温電気絶縁用シート状部材に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の建築物、地下街建築設備等におい
ては、火災が発生した際、緊急避難警報や室内放送を可
能にするため、非常用電源が確保されるように設計され
ている。
ては、火災が発生した際、緊急避難警報や室内放送を可
能にするため、非常用電源が確保されるように設計され
ている。
【0003】そこで、これまでは、この目的で高温に耐
えかつ絶縁性の優れた天然マイカを原料とする集成マイ
カシート又はテープを耐火絶縁層とした耐火電線が使用
されている。
えかつ絶縁性の優れた天然マイカを原料とする集成マイ
カシート又はテープを耐火絶縁層とした耐火電線が使用
されている。
【0004】ところで、この様な耐火電線は、図1に示
された所定の昇温曲線に従い、30分間に常温から84
0℃まで昇温させ、この間に600Vの耐電圧及び0.
4MΩ以上の絶縁抵抗を保持しなければならないという
性能が要求されている。
された所定の昇温曲線に従い、30分間に常温から84
0℃まで昇温させ、この間に600Vの耐電圧及び0.
4MΩ以上の絶縁抵抗を保持しなければならないという
性能が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の
火災では840℃を超える場合があり、例えばJIS−
A−1304における1時間加熱(1時間で室温から9
25℃)においては、天然マイカを原料とする従来の集
成マイカシート又はテープを用いた耐火電線は上記の絶
縁性能の0.4MΩ以上を満足させることができないこ
とを実験により確認した。
火災では840℃を超える場合があり、例えばJIS−
A−1304における1時間加熱(1時間で室温から9
25℃)においては、天然マイカを原料とする従来の集
成マイカシート又はテープを用いた耐火電線は上記の絶
縁性能の0.4MΩ以上を満足させることができないこ
とを実験により確認した。
【0006】本発明は、高温下においても絶縁性能が良
好な高温電気絶縁用シート状部材を提供するものであ
る。
好な高温電気絶縁用シート状部材を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
明の要旨を説明する。
【0008】ポリオレフィンフィルムに溶融シリカ粉及
び水酸化アルミニウム粉のうちのいずれか1種又はそれ
の混合物をシリコーン樹脂の接着剤を用いて付着させた
ことを特徴とする高温電気絶縁用シート状部材に係るも
のである。
び水酸化アルミニウム粉のうちのいずれか1種又はそれ
の混合物をシリコーン樹脂の接着剤を用いて付着させた
ことを特徴とする高温電気絶縁用シート状部材に係るも
のである。
【0009】ガラス繊維により構成される基材に溶融シ
リカ粉及び水酸化アルミニウム粉のうちのいずれか1種
又はそれの混合物をシリコーン樹脂の接着剤を用いて付
着させたことを特徴とする高温電気絶縁用シート状部材
に係るものである。
リカ粉及び水酸化アルミニウム粉のうちのいずれか1種
又はそれの混合物をシリコーン樹脂の接着剤を用いて付
着させたことを特徴とする高温電気絶縁用シート状部材
に係るものである。
【0010】請求項2記載の高温電気絶縁用シート状部
材において、ガラス繊維により構成される基材として、
ガラスクロスを採用したことを特徴とする高温電気絶縁
用シート状部材に係るものである。
材において、ガラス繊維により構成される基材として、
ガラスクロスを採用したことを特徴とする高温電気絶縁
用シート状部材に係るものである。
【0011】
【発明の作用並びに効果】イオン性不純物の少ない溶融
シリカ粉及び水酸化アルミニウム粉の使用により、84
0℃を超える高温においても高い絶縁特性が保持され
る。
シリカ粉及び水酸化アルミニウム粉の使用により、84
0℃を超える高温においても高い絶縁特性が保持され
る。
【0012】本発明は上述のように構成したから、84
0℃以上の高温でも0.4MΩ以上の絶縁抵抗を有する
耐火電線、耐火バスダクトの製造が可能となる。
0℃以上の高温でも0.4MΩ以上の絶縁抵抗を有する
耐火電線、耐火バスダクトの製造が可能となる。
【0013】
〔実施例1〕溶融シリカ粉350g(クリスタライトA
−1,(株)龍森製)、シリコーン樹脂100g(KR−
101,信越科学工業(株)製)、過酸化ベンゾイル溶液
2.0(ナイパーBMT,日本油脂(株)製)、トルエン
180gを混合した分散液を25μm厚さのポリエチレ
ンフィルム(三井ハイブロン HH,三井東圧(株)製)
の片面にローラドクター法で塗工し、90℃熱風乾燥器
中で10分間乾燥し、360g/m2付着させた。
−1,(株)龍森製)、シリコーン樹脂100g(KR−
101,信越科学工業(株)製)、過酸化ベンゾイル溶液
2.0(ナイパーBMT,日本油脂(株)製)、トルエン
180gを混合した分散液を25μm厚さのポリエチレ
ンフィルム(三井ハイブロン HH,三井東圧(株)製)
の片面にローラドクター法で塗工し、90℃熱風乾燥器
中で10分間乾燥し、360g/m2付着させた。
【0014】〔実施例2〕水酸化アルミニウム粉350
g(BL703EST,日本軽金属(株)製)、シリコー
ン樹脂100g(KR−120,信越化学工業(株)
製),過酸化ベンゾイル2.0g(ナイパーBPO,日
本油脂(株)製)、トルエン100gを混合した分散液を
40μm厚さのポリプロピレンフィルム(PP3K,二
村科学(株)製)の片面にローラドクター法で塗工し、9
0℃熱風乾燥器中で10分間乾燥し、350g/m2付
着させた。
g(BL703EST,日本軽金属(株)製)、シリコー
ン樹脂100g(KR−120,信越化学工業(株)
製),過酸化ベンゾイル2.0g(ナイパーBPO,日
本油脂(株)製)、トルエン100gを混合した分散液を
40μm厚さのポリプロピレンフィルム(PP3K,二
村科学(株)製)の片面にローラドクター法で塗工し、9
0℃熱風乾燥器中で10分間乾燥し、350g/m2付
着させた。
【0015】〔実施例3〕実施例1において、溶融シリ
カ粉の代わりに溶融シリカ粉175gと水酸化アルミニ
ウム粉175gの混合物を使用した。他は同じである。
カ粉の代わりに溶融シリカ粉175gと水酸化アルミニ
ウム粉175gの混合物を使用した。他は同じである。
【0016】〔実施例4〕実施例1において、ポリエチ
レンフィルムの代わりに106タイプのガラスクロス
(MIL−Y−1140H規格,(株)有沢製作所製,経
緯糸共ECD9001/0を使用,厚さ0.04mm,
質量25g/m2,S640処理)を使用し、その他は
実施例1と同様で、380g/m2付着させた。
レンフィルムの代わりに106タイプのガラスクロス
(MIL−Y−1140H規格,(株)有沢製作所製,経
緯糸共ECD9001/0を使用,厚さ0.04mm,
質量25g/m2,S640処理)を使用し、その他は
実施例1と同様で、380g/m2付着させた。
【0017】〔比較例〕天然マイカを使用した集成マイ
カシートをシリコーン樹脂を含浸させたガラスクロスと
貼り合わせ、乾燥して作成した(株)有沢製作所製ガラス
マイカシートFRMH−0.15を用いた。
カシートをシリコーン樹脂を含浸させたガラスクロスと
貼り合わせ、乾燥して作成した(株)有沢製作所製ガラス
マイカシートFRMH−0.15を用いた。
【0018】このようにして得られた実施例と比較例の
シートを50mm幅に裁断し、2mmφの銅線にそれら
を1/2ラップで6回巻した巻装線を2本作り、この2
本を平行に揃えた物を0.5mmφ銅線を5mmピッチ
で巻き、固定する。
シートを50mm幅に裁断し、2mmφの銅線にそれら
を1/2ラップで6回巻した巻装線を2本作り、この2
本を平行に揃えた物を0.5mmφ銅線を5mmピッチ
で巻き、固定する。
【0019】2mmφの銅線を0.5mφの銅線の間を
絶縁抵抗計に電気的に結線した状態にして耐火試験炉に
設置する。
絶縁抵抗計に電気的に結線した状態にして耐火試験炉に
設置する。
【0020】耐火試験ではガスバーナが熱により試験炉
の温度がJIS−A−1304に定められた昇温曲線
(図1参照)に従って昇温する様にし、600Vの耐電
圧及び絶縁抵抗を測定する(低圧耐火ケーブル認定試験
基準細則に準ずる。)。
の温度がJIS−A−1304に定められた昇温曲線
(図1参照)に従って昇温する様にし、600Vの耐電
圧及び絶縁抵抗を測定する(低圧耐火ケーブル認定試験
基準細則に準ずる。)。
【0021】図2は上記方法で作成した実施例1〜4及
び比較例のシート状部材に係る加熱昇温中の絶縁抵抗測
定値である。
び比較例のシート状部材に係る加熱昇温中の絶縁抵抗測
定値である。
【0022】図2より明らかな様に、実施例1〜4より
作成したシート状部材は、840℃(30分加熱)にお
いて比較例よりも2〜5倍の絶縁抵抗値があり、また、
925℃(60分加熱)において0.4MΩ以上の絶縁
抵抗値があり、比較例よりも優れていることが確認出来
る。
作成したシート状部材は、840℃(30分加熱)にお
いて比較例よりも2〜5倍の絶縁抵抗値があり、また、
925℃(60分加熱)において0.4MΩ以上の絶縁
抵抗値があり、比較例よりも優れていることが確認出来
る。
【0023】従って、本実施例に係るシート状部材を芯
線に巻回して、耐火電線を作成すれば、該耐火電線は耐
火絶縁性に非常に秀れたものとなる。
線に巻回して、耐火電線を作成すれば、該耐火電線は耐
火絶縁性に非常に秀れたものとなる。
【図1】耐火電線の昇温曲線である。
【図2】本実施例の絶縁抵抗特性を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリオレフィンフィルムに溶融シリカ粉
及び水酸化アルミニウム粉のうちのいずれか1種又はそ
れの混合物をシリコーン樹脂の接着剤を用いて付着させ
たことを特徴とする高温電気絶縁用シート状部材。 - 【請求項2】 ガラス繊維により構成される基材に溶融
シリカ粉及び水酸化アルミニウム粉のうちのいずれか1
種又はそれの混合物をシリコーン樹脂の接着剤を用いて
付着させたことを特徴とする高温電気絶縁用シート状部
材。 - 【請求項3】 請求項2記載の高温電気絶縁用シート状
部材において、ガラス繊維により構成される基材とし
て、ガラスクロスを採用したことを特徴とする高温電気
絶縁用シート状部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7234418A JPH0982162A (ja) | 1995-09-12 | 1995-09-12 | 高温電気絶縁用シート状部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7234418A JPH0982162A (ja) | 1995-09-12 | 1995-09-12 | 高温電気絶縁用シート状部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0982162A true JPH0982162A (ja) | 1997-03-28 |
Family
ID=16970712
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7234418A Pending JPH0982162A (ja) | 1995-09-12 | 1995-09-12 | 高温電気絶縁用シート状部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0982162A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7799857B2 (en) * | 2005-05-20 | 2010-09-21 | Sun Allomer Ltd. | Flame-retardant thermoplastic resin composition, molded product thereof and electric wire |
-
1995
- 1995-09-12 JP JP7234418A patent/JPH0982162A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7799857B2 (en) * | 2005-05-20 | 2010-09-21 | Sun Allomer Ltd. | Flame-retardant thermoplastic resin composition, molded product thereof and electric wire |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0337907A (ja) | 集成マイカ絶縁薄膜 | |
JPH0982162A (ja) | 高温電気絶縁用シート状部材 | |
JP3148079B2 (ja) | 高圧耐火ケーブル | |
JP3907146B2 (ja) | 耐火電線 | |
JP3594166B2 (ja) | 耐火電線 | |
JPH06203648A (ja) | 耐火電線及び耐火電線用マイカテープ | |
JP2008027878A (ja) | 耐火電線 | |
JPH0650180U (ja) | 耐熱マイカシート及びテープ | |
CN219546903U (zh) | 一种绝缘胶带 | |
JP2604827Y2 (ja) | 耐火ケーブル | |
JPS58102417A (ja) | 耐火性複合電気絶縁シ−ト | |
JPS6313612Y2 (ja) | ||
CN209357506U (zh) | 一种耐高温复合电力电缆 | |
JPH0644320U (ja) | 耐火形バスダクト | |
JPH08180732A (ja) | 耐火絶縁シート | |
JP3961111B2 (ja) | 耐火電線 | |
JPS6313614Y2 (ja) | ||
JP2790207B2 (ja) | 高温電気絶縁用マイカシート状部材 | |
JP2681976B2 (ja) | 積層フィルム及びその利用物 | |
JPH06203649A (ja) | 耐火電線及び耐火電線用マイカテープ | |
JPS6313616Y2 (ja) | ||
JP3885630B2 (ja) | 耐熱絶縁シート | |
JP4724304B2 (ja) | 耐熱形路側通信用同軸ケーブル | |
JP2002304915A (ja) | 高耐熱巻線 | |
JPH10275528A (ja) | 耐火電線 |