JPH0981931A - 磁気ディスク - Google Patents

磁気ディスク

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JPH0981931A
JPH0981931A JP23662795A JP23662795A JPH0981931A JP H0981931 A JPH0981931 A JP H0981931A JP 23662795 A JP23662795 A JP 23662795A JP 23662795 A JP23662795 A JP 23662795A JP H0981931 A JPH0981931 A JP H0981931A
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head
landing zone
film
information recording
substrate
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JP23662795A
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Katsutaro Ichihara
勝太郎 市原
Futoshi Nakamura
太 中村
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報記録面からヘッドランディングゾーンへ
ヘッドをシークする際にヘッドクラッシュを抑制し、C
SS耐久性を含む動作信頼性を向上した磁気ディスクを
提供する 【解決手段】 基板上(1)に形成された、平坦な情報
記録面(12)と、凹凸を有するヘッドランディングゾ
ーン(11)とを具備した磁気ディスクにおいて、基板
(1)面からヘッドランディングゾーン(11)の凸部
(111)までの高さが基板(1)面から情報記録面
(12)までの高さと等しいかより低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気的に情報の記録
・保存・再生を行う磁気ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気的に情報の記録・保存・再生を行う
磁気ディスク装置は、大容量性と高速アクセス性を併せ
持ち、計算機周辺記憶装置の主流をなしている。今後、
さらなる記録密度の向上によって、マルチメディアの中
核記憶装置としての発展も期待されている。
【0003】磁気ディスクの高密度化のためには、ヘッ
ド−媒体間のスペーシングを狭めて、記録・再生損失を
低減することが重要である。しかし、従来の磁気ディス
クにおいてはディスク停止時にヘッドが媒体面に吸着す
るのを防止する目的で、情報記録面に物理的な凹凸(テ
クスチャー)を形成しているため、この凹凸によってヘ
ッドの低浮上化が制限され、ひいてはヘッド−媒体間の
狭スペーシング化にも限界があった。
【0004】これらの技術的課題を解決するために、ゾ
ーンテクスチャー方式の磁気ディスクが開発されてい
る。これは、情報記録面を物理的な凹凸のない平坦面と
し、情報記録面以外に物理的な凹凸を形成して、ディス
ク停止時にヘッドを凹凸面上に移動させてランディング
させる技術である。ヘッドランディングゾーンは、記録
面の利用効率を高める目的で一般的にはディスク最内周
側に数mmの幅で設けられる。そして、回転中のディス
クを停止動作に移行させる際には、情報記録面上で浮上
動作状態にあるヘッドをヘッドランディングゾーンにシ
ークさせてランディングさせる。また、停止状態から記
録再生動作に移行させる際には、ヘッドランディングゾ
ーンでヘッドを浮上させて情報記録面側にシークさせ
る。
【0005】従来、このようなゾーンテクスチャー方式
の磁気ディスクを作製する方法として、以下に示す2種
類の提案がなされている。 (a)ガラス基板にテクスチャーを設ける方法。具体的
には平坦なガラス基板の最内周側にインクを付けた数1
0μmの直径を有するパッドを押し当てて基板上にイン
クを転写し、インクを固化する。このようにして固化し
たインクはポーラスになる。次いで、ウェットエッチン
グを行った後、インクを除去する。この際、ガラス基板
面のインクの盛られていない部位(情報記録面を含む)
は所定の深さだけエッチングされ、インクの盛られた部
位は凸部として残る。そして、上記のように固化後のイ
ンクはポーラスになっているので、数10μm径のパッ
ドパターン内部もランダムにエッチングされ、個々のエ
ッチングパターンは直径数μm、高さ数10nm程度の
凸部となる。
【0006】(b)Al合金基板上に形成されたNiP
メッキ層にテクスチャーを設ける方法。具体的には基板
を回転させながら、非晶質NiPメッキ層上にスポット
サイズが数μm〜数10μm径のレーザビームをパルス
状に照射してNiP層を結晶化させ、上からみて同心円
状または螺旋状に断続した直径数μm〜数10μm、高
さ数10nmの凸部を形成する。
【0007】しかし、上述した従来のゾーンテクスチャ
ー技術では、ヘッドランディングゾーンに凸部が形成さ
れ、その凸部の高さが情報記録面よりも高くなっている
ため、回転中のディスクを停止動作に移行させる際にヘ
ッドをシークすると、ヘッドが凸部に衝突してクラッシ
ュしやすいという重大な問題点がある。
【0008】なお、インクパッドを用いる方法では、パ
ターンを反転させることにより、ヘッドランディングゾ
ーンに凹部を形成することも考えられる。しかし、この
方法では情報記録面にもインクを塗布することになり、
ポーラスなインクパターンを通してエッチングすると、
情報記録面にもテクスチャーが形成されるので、ゾーン
テクスチャー方式の本来の目的を達成することが不可能
である。
【0009】また、NiPメッキ層をレーザビーム照射
で結晶化させる方法では原理的に凸部しか形成すること
ができない。しかも、この方法では熱的にメッキ層の体
積を膨張させるため、凸部の機械的強度が凹部に比較し
て弱く、十分なコンタクト・スタート・ストップ耐久性
(CSS耐久性)が得られないという問題点もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低浮
上動作に適したゾーンテクスチャー方式の磁気ディスク
において、情報記録面からヘッドランディングゾーンへ
ヘッドをシークする際にヘッドクラッシュを抑制し、C
SS耐久性を含む動作信頼性を向上した磁気ディスクを
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスク
は、基板上に形成された、平坦な情報記録面と、凹凸を
有するヘッドランディングゾーンとを具備した磁気ディ
スクにおいて、前記基板面から前記ヘッドランディング
ゾーンの凸部までの高さが前記基板面から前記情報記録
面までの高さと等しいか低いことを特徴とするものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明に係る磁気ディスクにおいては、その表面
が平坦な情報記録面と凹凸を有するヘッドランディング
ゾーンとに区画される。本発明ではヘッドランディング
ゾーンの位置は特に限定されず、ディスク最内周、ディ
スク中央部、ディスク外周部のいずれの領域でもよい。
また、ヘッドランディングゾーンを設ける領域の数も限
定されず、単数でも複数でもよい。
【0013】本発明に係るゾーンテクスチャー方式の磁
気ディスクを作製するには、以下のような方法を用いる
ことができる。 (1)磁気ディスクの一部を機械的にこすり取る方法。
具体的には、基板上への磁性膜および保護膜の成膜時に
生じた記録面上の微小突起を除去するためのテープバニ
ッシング工程を利用し、一部にダイアモンド粉を塗布し
たバニッシングテープを用い、ヘッドランディングゾー
ンを形成すべき領域に対してダイアモンド粉を塗布した
バニッシングテープの部分を押し当てて、膜の一部を機
械的にこすり取って除去する。また、テープバニッシン
グ工程の前にダイアモンド膜が形成された治具をヘッド
ランディングゾーンに適当な圧力で押し当てて膜の一部
をこすり取る方法でもよい。
【0014】この方法では、膜の除去によって粉が生じ
るが、作業時に空気流を適当に調整することにより、情
報記録面への粉の再付着を防止できる。形成されるヘッ
ドランディングゾーンの凹部は幅が数100μmの同心
円状で、深さは10nm〜除去する膜の膜厚程度とな
る。このように凹部の幅は数100μmと従来技術に比
べて大きいが、ヘッドスライダーのサイズに比較すれば
一桁程度小さな大きさなので、ヘッドスライダーの吸着
防止の観点からは問題ない。除去する膜は膜厚方向に沿
って、保護膜の一部、保護膜の全部と磁性膜の一部、保
護膜および磁性膜の全部と下地膜の一部、または保護膜
から下地膜までの全部と基板の一部のいずれでもよい。
これらは、ヘッドランディングゾーンの形成工程におけ
るテープの押し付け圧力、ディスク回転速度、ダイアモ
ンド粉を塗布したテープの送り速度などによって調整で
きる。
【0015】(2)磁性膜および保護膜などを成膜する
前に基板に凹部パターンを形成する方法。具体的には、
ガラス基板上にレジストを塗布してパターニングした
後、ウェットエッチングまたはドライエッチングにより
ヘッドランディングゾーンのガラス基板を選択的にエッ
チングして凹部パターンを形成する。次いで、残存する
レジストを除去した後、ガラス基板上に磁性膜、保護膜
などを成膜する。
【0016】この方法は、(1)の機械的な方法に比べ
て、ヘッドランディングゾーンを高精度で形成できるの
で、情報記録面を設計通り確保できる点で好ましい。 (3)基板上に磁性膜および保護膜などを成膜した後、
これらの膜に凹部パターンを形成する方法。具体的に
は、基板上に磁性膜および保護膜などを成膜した後、基
板全面にレジストを塗布してパターニングし、ウェット
エッチングまたはドライエッチングによりヘッドランデ
ィングゾーンの膜を選択的にエッチングして凹部パター
ンを形成する。次いで、残存するレジストをアッシング
または剥離液によって除去すれすることにより高精度で
ゾーンテクスチャーが形成できる。
【0017】この方法では、適当なエッチャントを選択
すれば、エッチングすべき膜の下に形成されている膜ま
たは基板をエッチングストッパーとして利用することが
できる。例えば、ガラス基板上にCr系下地膜、Co基
磁性膜、SiO2 保護膜を順次成膜した構成の磁気ディ
スクでは、C−F系ガスを使用するドライプロセスを採
用すればSiO2 保護膜のみを選択的に除去できる。ま
た、SiO2 保護膜の代わりにC保護膜を用いた磁気デ
ィスクでは、例えば酸素添加ガスを使用するイオンミリ
ングを採用すれば、C保護膜のみを選択的に除去でき
る。なお、保護膜のみに凹凸を設けるだけではヘッドの
吸着防止の点で不十分な場合には、保護膜に加えて磁性
膜をエッチングしてもよい。この方法では、凹部の深さ
を上記(2)の方法よりも高精度で制御できる。
【0018】(4)ヘッドランディングゾーンと情報記
録面とで膜の構成を変える方法。具体的には、基板上に
光ビームの照射により形状が変化する膜、例えばTe−
C膜を形成し、ヘッドランディングゾーン上にマスクを
設け、情報記録面に磁性膜および保護膜などを形成した
後、ヘッドランディングゾーンにレーザビームを照射す
ると、レーザービームが照射された部分ではTe−Cが
微結晶化して溶融し、表面張力によって凹部が形成され
る。この際、凹部のパターンはレーザビームの照射方法
により種々変化させることができる。
【0019】なお、Al合金基板上に形成されたNiP
メッキ層のヘッドランディングゾーンに凸部を形成した
後、ヘッドランディングゾーン上にマスクを形成して情
報記録面に磁性膜および保護膜などを形成する方法、ま
たはAl合金基板上に形成されたNiPメッキ層のヘッ
ドランディングゾーンにマスクを形成し、情報記録面に
磁性膜および保護膜などを形成した後、ヘッドランディ
ングゾーンのNiPメッキ層に凸部を形成する方法を採
用してもよい。ただし、この方法では、従来技術で述べ
たようにCSS耐久性にはやや課題がある。
【0020】上記のような方法で作製される本発明の磁
気ディスクは、基板面からヘッドランディングゾーンの
凸部までの高さが基板面から情報記録面までの高さと等
しいかより低くなっている。このようなゾーンテクスチ
ャーを有する本発明の磁気ディスクを用いれば、情報記
録面からヘッドランディングゾーンへヘッドをシーク際
にヘッドクラッシュを防止でき、低浮上動作の信頼性を
高めることができる。また、ヘッドランディングゾーン
の機械的強度を確保して実用的に十分なCSS耐久性を
得ることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。なお、各図面において同一の機能を有する構成部
材については同一番号を付して説明する。図1は本発明
に係る磁気ディスクを示す斜視図である。図1に示すよ
うに、磁気ディスク10の表面は、ヘッドランディング
ゾーン11と情報記録面12とに区画されている。以下
の実施例においてはいずれも、図1に示すようにディス
ク最内周にのみヘッドランディングゾーン11を設け
た。ただし、本発明ではヘッドランディングゾーン11
の位置は特に限定されず、中央部に設けても外周部に設
けてもよく、複数の領域に設けてもよい。また、各図に
おいて、111はヘッドランディングゾーンの凸部、1
12はヘッドランディングゾーンの凹部を示す。
【0022】実施例1 保護膜、または保護膜および磁性膜をエッチングするこ
とによりヘッドランディングゾーンを形成した例につい
て図2を参照して説明する。
【0023】まず、スパッタ装置を用いてガラス製の基
板1上に下地層を設けずに直接厚さ20nmのCoPt
Oからなる磁性膜2および厚さ10nmのSiO2 から
なる保護膜3を連続的に形成した後、スパッタ装置から
取り出した。
【0024】次に、保護膜3上にレジストをスピンコー
トし、マスクを通して露光し、現像処理してヘッドラン
ディングゾーンの凹部以外(情報記録面を含む)を覆う
レジストパターンを形成した。本実施例では、マーカー
を基準としてディスク最内周の幅2mmの部分に約2μ
mのサイズの凹部が約6μmのピッチで格子状に形成さ
れるようにレジストパターンを形成した。なお、ディス
ク上から見たパターンは数μm〜数100μmサイズの
凸部と凹部があれば特に制限されず、格子状に限らず同
心円状でも螺旋状でもよい。
【0025】次いで、このディスクをRIE装置に設置
してCHF3 ガスプラズマを用いて反応性イオンエッチ
ングに行い、レジストから露出した部分のSiO2 保護
膜3を除去して凹部112を形成した。保護膜3が膜厚
方向に完全に除去されると、CoPtO磁性膜2が露出
する。しかし、CoPtO磁性膜2はCHF3 プラズマ
によってほとんどエッチングされることはないので、エ
ッチングストッパーとして機能する。この結果、ヘッド
ランディングゾーン11の全面にわたり均一な深さで凹
部112が形成される。その後、ディスクをRIE装置
から取り出し、ディスクはアッシング装置に設置してレ
ジストを除去し、磁気ディスク(実施例1−1)を作製
した。
【0026】変形例として、上記と同様に保護膜をエッ
チングする工程まで経た後、さらに塩素系プラズマを用
いて反応性イオンエッチングを行い、磁性膜2をガラス
基板1面に達するまで除去して深い凹部112を形成し
た。この場合、ガラス基板1がエッチングストッパーと
して機能するので、精度よく均一な深さのテクスチャー
が形成できる。その後、ディスクをRIE装置から取り
出し、ディスクはアッシング装置に設置してレジストを
除去し、磁気ディスク(実施例1−2)を作製した。
【0027】実施例2 基板上に形成された膜の一部を機械的に削り取ってヘッ
ドランディングゾーンを形成した例について図3を参照
して説明する。
【0028】本実施例では、図3に示すように、アルミ
ニウムコート面51とダイアモンドコート面52とを有
するバニッシングテープ50を用いた。まず、磁気ディ
スク10の中心孔背部からポンプ排気して、ディスクの
外周から内周へ向かう空気流ができるようにした。次
に、磁気ディスク10上にバニッシングテープ50を載
せて磁気ディスク10を回転しながらバニッシングテー
プ50を送るとともに、バニッシングテープ50に高圧
空気を筋状に吹き付けて、テープの一部がディスク10
の半径方向に筋状に押し当てられるようにした。このよ
うな方法により、アルミニウムコート面51に接触する
情報記録面12は表面突起が除去されて平滑面になり、
これと同時にダイアモンドコート面52に接触するヘッ
ドランディングゾーン11は膜の一部が同心円状に削り
取られて凹部が形成される。なお、情報記録面12から
脱落した突起とヘッドランディングゾーン11から削ら
れた膜材料の粉末は、空気流にのってディスク中心孔か
ら排気されディスク面に再付着するのが防止される。こ
のようにして磁気ディスク(実施例2)を作製した。
【0029】実施例3 基板の一部をエッチングしてヘッドランディングゾーン
を形成した例について図4を参照して説明する。
【0030】磁性膜および保護膜を成膜する前に、ガラ
ス基板1上に実施例1と同様の方法で格子状にレジスト
パターンを形成し、ウェットエッチングを行いヘッドラ
ンディングゾーン11の凹部112を形成した。次に、
レジストを剥離した後、磁性膜2および保護膜3を順次
スパッタ形成して磁気ディスク(実施例3)を作製し
た。
【0031】実施例4 ヘッドランディングゾーンと記録記録面とで異なる膜構
成とした例について図5を参照して説明する。
【0032】まず、スパッタリング装置の基板1を設置
しスパッタ源としてTeターゲットを装着し、メタンと
Arとの混合ガスプラズマでスパッタリングを行い、基
板1の上に膜厚50nmのTe−C膜4を形成した後、
スパッタリング装置から取り出した。ヘッドランディン
グゾーン11上にテーパの付いたマスク板を取り付け、
基板1を別のスパッタリング装置に移して情報記録面1
2に磁性膜2および保護膜3を順次形成した後、スパッ
タリング装置から取り出した。次に、基板1を光記録装
置に設置し、波長720nmの半導体レーザビームを対
物レンズを介して集光し、ヘッドランディングゾーン1
1に照射した。この結果、レーザービームが照射された
部分ではTe−Cが微結晶化して溶融し、表面張力によ
って凹部112が形成された。この際、基板1を回転さ
せながらレーザビームを連続照射すれば同心円状または
螺旋状に連続する凹部112が形成できる。一方、基板
1を回転させながらレーザビームをパルス状に照射すれ
ば、同心円状または螺旋状に断続的な凹部112が形成
される。また、溶融したTe−Cの一部は蒸発して、そ
の一部が凸部111の端部に付着して図5に模式的に示
したような突起が形成されるが、この突起の高さは高々
10nm程度にすることができる。なお、図5に示すよ
うにTe−C膜上に磁性膜を直接設けてもよいが、磁性
膜の特性を考慮すれば、Te−C膜と磁性膜との間にS
iO2 等のバッファ層を設けることが好ましい。このよ
うにして磁気ディスク(実施例4)を作製した。
【0033】比較例1、2 比較のために、従来の方法に従い、インクパッド方式で
ガラス基板の凸部を形成した磁気ディスク(比較例
1)、およびAl合金基板上のNiPメッキ層にレーザ
光を照射した凸部を形成した磁気ディスク(比較例2)
を用意した。
【0034】以上のようにして得られた実施例1〜実施
例4および比較例1、2の磁気ディスクについて、機械
特性の評価装置によって情報記録面からヘッドランディ
ングゾーンへのシーク動作特性およびヘッドランディン
グゾーンでのCSS耐久性を調べ、顕微鏡観察によって
ヘッドランディングゾーンの精度を調べた結果を表1に
まとめて記載する。より具体的には、以下のようにして
評価を行った。
【0035】(A)シーク動作特性。シーク時にヘッド
の浮上量を0.1μmから0.01μm刻みに低下させ
ていき、ヘッドがヘッドランディングゾーンの凸部に接
触し始める浮上量を調べ、これを臨界浮上量と定義し
た。なお、ヘッドのヘッドランディングゾーンへの接触
はAEセンサにより検出した。
【0036】(B)CSS耐久性。コンタクト・スター
ト・ストップ(CSS)動作を最大で100千回まで繰
り返して行い、ディスク回転用のスピンドルモータの起
動トルクの増加が初期値の20%を越えるCSS回数を
調べ、臨界CSS回数と定義した。
【0037】(C)テクスチャー精度。各々の方法で得
られた10枚の磁気ディスクについて、ヘッドランディ
ングゾーン11の半径の設計値に対するずれ量を測定
し、ずれ量の平均値を偏差と定義した。また、AFMを
使用して情報記録面12とヘッドランディングゾーン1
1凸部との高低差(S−T差)を測定した。なお、この
値は、情報記録面の方が高い場合には+、低い場合には
−と定義した。同様に、ヘッドランディングゾーン11
における凸部と凹部との高低差(凹凸差)を測定した。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示されるように、臨界浮上量は従来
の方法で得られた比較例1では50nm、比較例2では
60nmであるのに対し、実施例1〜4ではいずれもこ
れらよりも小さい値となっており、いずれも従来よりも
低浮上でシーク可能であった。これは実施例1〜4の磁
気ディスクでは全てS−T差が0または+、比較例1、
2の磁気ディスクでは全て−であることに起因する。た
だし、実施例2は他の実施例と比較して臨界浮上量が大
きいが、これは研磨中に削り取られた膜の一部が排気し
きれず残存したためであると考えられる。
【0040】ここで、臨界浮上量を決定する要因として
は、ヘッドランディングゾーンの凸部の高さ、および情
報記録面上に存在する突起の高さがある。後者の情報記
録面に存在する突起によって規定される浮上限界に関し
ては、情報記録面上のみでヘッドシークを繰返して調べ
た結果、おおよそ20nmであることが判明した。した
がって、表1において20nmという臨界浮上量が得ら
れている実施例1−1、1−2、3、4では、情報記録
面からヘッドランディングゾーンへのシーク動作時にお
けるヘッドクラッシュは実質的に無視できることを示し
ている。実際にこれらの実施例では、シーク動作時のヘ
ッドクラッシュがなく、安定な動作を示した。
【0041】臨界SCC回数に関しては、比較例2のN
iPメッキ層にレーザ光を照射した凸部を形成した磁気
ディスクでは40千回が耐久限界であるのに対し、実施
例1〜4の磁気ディスクではSCC動作を100千回繰
り返しても起動トルクに20%を越える大きな変化は認
められなかった。このことから、実施例1〜4の磁気デ
ィスクにおいては、ヘッドランディングゾーンの凸部が
十分な機械的強度を有することがわかる。
【0042】偏差に関しては、レジストパターニングを
マスクとしてエッチングする方法を採用した実施例1−
1、1−2および3が最も良好な値を示し、ついでレー
ザ露光による実施例4および比較例2、ついでダイアモ
ンド研磨による実施例2およびインクパッド方式による
比較例1の順に値が大きくなっている。この偏差は情報
記録面の利用効率の指標となるため、この点を重視する
場合には適当なヘッドランディングゾーンの形成方法を
採用することが好ましい。
【0043】さらに、S−T差および凹凸差に関して
は、いずれの磁気ディスクでも、平均値で見てほぼ設計
通りの値であった。以上の結果から、本発明の磁気ディ
スクは、偏差に改善の余地を残されている場合があるも
のの、最大の目的である低浮上シーク動作の安定性は格
段に向上していることが明らかである。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ス
ペーシング損失の少ない低浮上動作が可能なゾーンテク
スチャー方式の磁気ディスクにおいて、情報記録面から
ヘッドランディングゾーンへのヘッドシーク時のヘッド
クラッシュの発生を抑制でき、かつ十分なCSS耐久性
を得ることができるので、今後さらなる進展が要求され
ている低浮上動作における磁気ディスクの動作信頼性を
格段に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゾーンテクスチャー方式の磁気デ
ィスクの斜視図。
【図2】本発明の実施例1における磁気ディスクを一部
破断して示す斜視図。
【図3】本発明の実施例2における磁気ディスクの製造
方法を示す平面図。
【図4】本発明の実施例3における磁気ディスクの断面
図。
【図5】本発明の実施例4における磁気ディスクの断面
図。
【符号の説明】
1…基板、2…磁性膜、3…保護膜、4…Te−C膜、
10…磁気ディスク、11…ヘッドランディングゾー
ン、12…情報記録面、111…凸部、112…凹部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された、平坦な情報記録面
    と、凹凸を有するヘッドランディングゾーンとを具備し
    た磁気ディスクにおいて、前記基板面から前記ヘッドラ
    ンディングゾーンの凸部までの高さが前記基板面から前
    記情報記録面までの高さと等しいかより低いことを特徴
    とする磁気ディスク。
  2. 【請求項2】 前記ヘッドランディングゾーンの凹部
    は、基板上に成膜された膜を膜厚方向に一部または全部
    除去して形成されたものであることを特徴とする請求項
    1記載の磁気ディスク。
JP23662795A 1995-09-14 1995-09-14 磁気ディスク Pending JPH0981931A (ja)

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JP23662795A JPH0981931A (ja) 1995-09-14 1995-09-14 磁気ディスク

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JP23662795A JPH0981931A (ja) 1995-09-14 1995-09-14 磁気ディスク

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990057757A (ko) * 1997-12-30 1999-07-15 윤종용 하드 디스크
KR100462217B1 (ko) * 1997-09-03 2005-04-06 삼성전자주식회사 디스크텍스쳐링방법

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