JP2007213716A - 磁気記録媒体製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度にパターニングされた記録磁性部を有する磁気記録媒体を効率よく製造するのに適した方法を提供すること。
【解決手段】本発明の磁気記録媒体製造方法は、例えば、厚さが漸次変化する厚さ変化部を有する樹脂膜21を磁性膜12A’上に形成する工程〔図3(b)〕と、スタンパ本体22a、および、厚さ変化部に複数の凹部を形成するための、スタンパ本体22aから延出する複数の凸部22b、を有するスタンパ22を樹脂膜21に押し付けることにより、樹脂膜21の厚さ変化部に複数の凹部を形成する工程〔図3(c),図3(d)〕と、樹脂膜21の側から磁性膜12A’に対してエッチングを施すことにより、当該磁性膜12A’をパターニングする工程とを含む。スタンパ22においては、樹脂膜21の厚さ変化部にて相対的に厚い箇所に対応する凸部22bほど、スタンパ本体22aからの延出長は長い。
【選択図】図3

Description

本発明は、パターニングされた記録磁性部を有する磁気記録媒体の製造方法に関する。
ハードディスクなどの記憶装置を構成するための記録媒体として、磁気ディスク(磁気記録媒体)が知られている。磁気ディスクは、ディスク基板と所定の磁性構造を有する記録層とを含む積層構造を有する。コンピュータシステムにおける情報処理量の増大に伴い、磁気ディスクについては高記録密度化の要求が高まっている。
磁気ディスクへの情報記録に際しては、磁気ディスクの記録面(実質的に記録層により構成される)に対して記録用の磁気ヘッドが近接配置され、当該磁気ヘッドにより、記録層に対し、その保磁力より強い記録磁界が印加される。磁気ディスクに対して磁気ヘッドが相対移動されつつ磁気ヘッドからの記録磁界の向きが順次反転されることにより、記録層の情報トラックにて、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)がディスク周方向に連なって形成される。このとき、記録磁界方向を反転させるタイミングが制御されることにより、各々に所定の長さで記録マークが形成される。このようにして、記録層において、磁化方向の変化として所定の信号ないし情報が記録される。
また、磁気ディスクの技術分野においては、高記録密度化を図るのに好ましい媒体として、いわゆるディスクリートトラック(DT)型の磁気ディスクが知られている。DT型磁気ディスクについては、例えば下記の特許文献1〜3に記載されている。
特開2005−71467号公報 特開2005−166115号公報 特開2005−293730号公報
図9および図10は、DT型の従来の磁気ディスク90を表す。図9は、磁気ディスク90の平面図であり、図10は、磁気ディスク90のディスク径方向に沿った部分拡大断面図である。
磁気ディスク90は、ディスク基板91、記録層92、および保護膜93(図9では図示略)からなる積層構造を有する。ディスク基板91は、開口部91aを有する。記録層92は、複数の記録磁性部92Aと複数の非磁性部92Bとからなる。複数の記録磁性部92Aは、磁気ディスク90の回転軸心A’を共通中心としてディスク基板91上にて同心円状に配置され、当該記録磁性部92Aに情報トラックが設定される。また、複数の非磁性部92Bは、図9にて一部を模式的に太線で示すように、磁気ディスク90の回転軸心A’を共通中心としてディスク基板91上にて同心円状に配置される。各非磁性部92Bは、記録磁性部92A間に介在する。
このようなDT型の磁気ディスク90への情報記録時には、磁気ヘッドによる記録磁界の印加によって、記録層92の一の記録磁性部92Aにて、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)がディスク周方向に連なって形成される。このとき、情報記録進行中であって磁界が順次印加される記録磁性部92Aと、これの隣りの別の記録磁性部92Aとが、非磁性部92Bにより分断されているため、当該隣りの記録磁性部92Aの記録マークが消失ないし劣化するというクロスライト現象が抑制される。クロスライト現象が抑制される磁気ディスクは、トラックの狭ピッチ化ないし高記録密度化を図るうえで、好ましい。
従来の磁気ディスク90の一の製造方法においては、まず、ディスク基板91上に磁性膜が形成される。次に、磁性膜上にフォトレジスト膜が形成される。次に、フォトリソ法により、当該フォトレジスト膜がパターニングされる。当該フォトリソ法においては、具体的には、所定の電子ビーム描画装置によって所定パターン(潜像)がフォトレジスト膜に露光形成された後、当該フォトレジスト膜に現像処理が施される。これにより、磁性膜上に所定のレジストパターンが形成される。次に、このレジストパターンがマスクとして利用されて、磁性膜に対して所定のエッチングが施され、当該磁性膜がパターニングされる。これにより、上述の記録磁性部92Aがパターン形成されることとなる。この後、記録磁性部92A間に非磁性部92Bが形成され、そして、保護膜93が形成される。以上のようにして、パターニングされた記録磁性部92Aを有する従来の磁気ディスク90が製造され得る。
しかしながら、本方法は、製造効率の観点から好ましくなく、磁気ディスク90の量産に適さない。本方法では、記録磁性部92Aをパターニングするのに要するレジストパターンの形成にあたり、電子ビーム描画装置による露光を経てフォトレジスト膜をパターニングする必要があり、磁気ディスク90ごとの製造過程において電子ビーム描画装置を使用しなければならないところ、電子ビーム描画装置を使用して行うフォトレジスト膜の露光には数時間を要するからである。
図11および図12は、従来の磁気ディスク90の他の製造方法を表す。この方法では、まず、図11(a)に示すように、開口部91aを有するディスク基板91上に磁性膜92A’が形成される。次に、図11(b)に示すように、スピンコーティング法により、磁性膜92A’上に所定の樹脂膜94が形成される。具体的には、ディスク基板91がスピンテーブル(図示略)に支持され且つ回転軸心A’まわりに所定の回転速度で回転されている状態で、磁性膜92A’上に所定量の樹脂材料が滴下されて供給される。回転中心でない箇所に樹脂材料が滴下供給されて形成される樹脂膜94は、不可避的に、回転軸心A’から遠い箇所ほど大きな厚さを有することとなる。
次に、図11(c)および図11(d)に示すように、スタンパ95を使用したインプリント工程が行われる。スタンパ95は、スタンパ本体95aと、当該スタンパ本体95aから延出する複数の凸部95bとからなる。各凸部95bのスタンパ本体95aからの延出長さは全て同じであり、各凸部95bの幅は全て同じである。本工程では、このようなスタンパ95が樹脂膜94に押し付けられ、当該樹脂膜94において、凸部95bに応じた凹部が形成される(即ち、スタンパ95の凹凸情報が樹脂膜94に転写される)。具体的には、インプリント工程以前には樹脂膜94における凹部形成予定箇所に位置していた樹脂材料が、スタンパ95の各凸部95bにより、当該凹部形成予定箇所から押し退けられることにより、樹脂膜94に各凹部が形成される。また、本工程では、スタンパ95の各凸部95bは磁性膜92A’に至らず、磁性膜92A’と各凸部95bとの間には樹脂材料が残存することとなる。スタンパ95の凸部95bが磁性膜92A’に至ると、磁性膜92A’に対する樹脂膜94の接触面積が低下するなどして樹脂膜94が磁性膜92A’から剥離しやすくなってしまうので、そのような剥離が生じないように、磁性膜92A’と各凸部95bとの間に樹脂材料が意図的に残されるのである。
本方法においては、次に、樹脂膜94上からスタンパ95を取り除いた後、図12(a)に示すように、樹脂膜94の側から磁性膜92A’に対してドライエッチングが施され(即ち、樹脂膜94がマスクパターンとして利用されて磁性膜92A’に対してドライエッチングが施され)、磁性膜92A’がパターニングされる。これにより、上述の記録磁性部92Aがパターン形成されることとなる。
次に、図12(b)に示すように、樹脂膜94が除去される。次に、図12(c)に示すように、記録磁性部92A間に非磁性部92Bが形成される。次に、図12(d)に示すように、保護膜93が形成される。以上の方法によっても、パターニングされた記録磁性部92Aを有する従来の磁気ディスク90は製造され得る。
本方法では、記録磁性部92Aをパターニングするのに要するマスクパターン(所定の凹部を有する樹脂膜94)の形成にあたり、スタンパ95を使用して行うインプリント法が採用されるため、電子ビーム描画装置を使用する必要はない(即ち、磁気ディスク90ごとの製造過程において、長時間にわたる電子ビーム描画装置による露光処理を行う必要はない)。したがって、本方法によると、磁気ディスク90の量産化を図りやすい。
しかしながら、本方法においては、記録磁性部92Aを高精度にパターニングするのが困難である。図11(c)および図11(d)を参照して上述したインプリント工程では、スタンパ95の各凸部95bにより、上述のように、樹脂膜94を構成する樹脂材料が部分的に押し退けられて当該樹脂膜94に各凹部が形成されるところ、回転軸心A’からの距離によって、凸部95bによる樹脂材料の押し退けやすさは異なる。樹脂膜94において回転軸心A’に近い箇所ほど、インプリント工程にて凸部95bは樹脂材料を押し退けやすく、樹脂膜94において回転軸心A’から遠い箇所ほど、インプリント工程にて凸部95bは樹脂材料を押し退けにくい。例えば図11(d)に示すように、凸部95b間におけるスタンパ本体95aと樹脂膜94との間の隙間の有無や大きさが、回転軸心A’からの距離によって異なるからである。そのため、このようなインプリント工程により磁性膜92A’と各凸部95bとの間に残存形成される樹脂残存部は、回転軸心A’からの距離によって異なる厚さを有することとなる。具体的には、例えば図13に示すように、回転軸心A’に近い残存樹脂部94aほど薄く(磁性膜92A’から樹脂膜94の凹部までの距離が短い)、回転軸心A’から遠い残存樹脂部94aほど厚い(磁性膜92A’から樹脂膜94の凹部までの距離が長い)。
そして、各樹脂残存部94aの厚さが異なると、図12(a)を参照して上述したエッチング工程では、各記録磁性部92Aの形成サイズを制御するのが困難となる。図14は、図12(a)を参照して上述したエッチング工程の過程を段階的に表したものである。図14に示すように、当該エッチング工程では、回転軸心A’に近い図中左端側の残存樹脂部94aほど早期に除去され、そして、磁性膜92A’において回転軸心A’に近い位置に形成される溝ほど早期にディスク基板91に至り、そのため、樹脂膜94において回転軸心A’に近い凹部ほど広がりやすく、その結果、樹脂膜94の凹部に対応して磁性膜92A’に形成される溝(非磁性部92Bが設けられるスペース)のうち、回転軸心A’に近い位置に形成されるものほど、幅広となる傾向がある(即ち、非磁性部92B間に挟まれることとなる記録磁性部92Aのうち、回転軸心A’に近い位置に形成されるものほど、幅狭となる傾向がある)。インプリント工程で使用されるスタンパ95の凸部95bの幅ないし樹脂膜94に形成される凹部の幅と、これに対応して磁性膜92A’に形成される溝(記録磁性部92A間の溝)の幅との差が、回転軸心A’からの距離によってこのように異なるのでは、各記録磁性部92Aの形成サイズを制御するのは困難である。したがって、本方法においては、記録磁性部92Aを高精度にパターニングするのは困難なのである。
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであり、高精度にパターニングされた記録磁性部を有する磁気記録媒体を効率よく製造するのに適した方法を提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面により提供される磁気記録媒体製造方法は、少なくとも、樹脂膜形成工程と、インプリント工程と、エッチング工程とを含む。樹脂膜形成工程では、厚さが漸次変化する厚さ変化部を有する樹脂膜を、磁性膜上に形成する。本発明における厚さ変化部とは、樹脂膜において、相対的に厚い箇所から相対的に薄い箇所にかけて膜厚が次第に小さくなっているような、膜厚が次第に変化している部位をいう。インプリント工程では、スタンパ本体と、樹脂膜の厚さ変化部に複数の凹部を形成するための、スタンパ本体から延出する複数の凸部と、を有するスタンパを樹脂膜に押し付けることにより、樹脂膜の厚さ変化部に複数の凹部を形成する。スタンパにおいては、樹脂膜の厚さ変化部にて相対的に厚い箇所に対応する凸部ほど、スタンパ本体からの延出長は長い。エッチング工程では、凹部が形成された樹脂膜の側から磁性膜に対してエッチングを施すことにより、即ち、凹部が形成された樹脂膜をマスクとして利用して磁性膜に対してエッチングを施すことにより、当該磁性膜をパターニングする。これにより、磁気的信号が記録されて保持される記録磁性部が形成されることとなる。
本方法においては、記録磁性部をパターニングするのに要するマスクパターン(所定の凹部を有する樹脂膜)の形成にあたり、スタンパを使用して行うインプリント法を採用するため、電子ビーム描画装置を使用する必要はない(即ち、磁気記録媒体ごとの製造過程において、長時間にわたる電子ビーム描画装置による露光処理を行う必要はない)。したがって、本方法は、磁気記録媒体を効率よく製造するのに適している。
また、本方法のインプリント工程では、スタンパの各凸部により、樹脂膜を構成する樹脂材料を部分的に押し退けて当該樹脂膜に各凹部を形成するところ、当該インプリント工程は、凸部による樹脂材料の押し退けやすさについて、凸部の位置に拘らず均一化するのに適している。当該インプリント工程にて使用するスタンパでは、樹脂膜の厚さ変化部において相対的に厚い箇所に対応する凸部ほどスタンパ本体からの延出長が長いため、当該インプリント工程にてスタンパの各凸部が樹脂膜に突入し始めて(突入開始時)から突入し終わる(突入終了時)までの過程において、隣り合う凸部間におけるスタンパ本体と樹脂膜の厚さ変化部との間の隙間の有無や大きさについて、均一化することが可能だからである。このようなインプリント工程は、樹脂膜の厚さ変化部に形成される各凸部と磁性膜との間に生ずる樹脂残存部について、当該厚さ変化部内での位置に関わらず均一な厚さで形成するうえで好適である。そして、各樹脂残存部の厚さが均一であると、エッチング工程では、各樹脂残存部を同時期に完全除去しやすく、従って、樹脂残存部の除去により磁性膜において露出する箇所に対して同時点からエッチング処理を施しやすく、その結果、インプリント工程で使用されるスタンパの凸部の幅ないし樹脂膜に形成される凹部の幅と、これに対応して磁性膜に形成される溝(記録磁性部間の溝)の幅との差を、均一化しやすい。そのため、当該エッチング工程では、各記録磁性部の形成サイズを制御しやすい。このようなエッチング工程を含む本方法は、記録磁性部を高精度にパターニングするのに適している。
以上のように、本発明の第1の側面に係る磁気記録媒体製造方法は、高精度にパターニングされた記録磁性部を有する磁気記録媒体を効率よく製造するのに適している。
本発明の第2の側面により提供される磁気記録媒体製造方法は、少なくとも、樹脂膜形成工程と、インプリント工程と、エッチング工程とを含む。樹脂膜形成工程では、厚さが漸次変化する厚さ変化部を有する樹脂膜を磁性膜上に形成する。インプリント工程では、厚さ変化部に複数の凹部を形成するための3以上の複数の凸部と、当該複数の凸部間の溝部と、を有するスタンパを樹脂膜に押し付けることにより、樹脂膜の厚さ変化部に複数の凹部を形成する。スタンパにおいては、樹脂膜の厚さ変化部にて相対的に厚い箇所に対応する溝部ほど深い。エッチング工程では、凹部が形成された樹脂膜の側から磁性膜に対してエッチングを施すことにより、即ち、凹部が形成された樹脂膜をマスクとして利用して磁性膜に対してエッチングを施すことにより、当該磁性膜をパターニングする。これにより、磁気的信号が記録されて保持される記録磁性部が形成されることとなる。
本方法においては、上述の第1の側面に係る方法と同様に、記録磁性部をパターニングするのに要するマスクパターン(所定の凹部を有する樹脂膜)の形成にあたり、スタンパを使用して行うインプリント法を採用する。したがって、本方法は、第1の側面に係る方法と同様に、磁気記録媒体を効率よく製造するのに適している。
また、本方法のインプリント工程では、スタンパの各凸部により、樹脂膜を構成する樹脂材料を部分的に押し退けて当該樹脂膜に各凹部を形成するところ、当該インプリント工程は、凸部による樹脂材料の押し退けやすさについて、凸部の位置に拘らず均一化するのに適している。当該インプリント工程で使用するスタンパでは、樹脂膜の厚さ変化部において相対的に厚い箇所に対応する溝部ほど深いため、当該インプリント工程にてスタンパの各凸部が樹脂膜に突入し始めて(突入開始時)から突入し終わる(突入終了時)までの過程において、隣り合う凸部間すなわち溝部におけるスタンパ本体と樹脂膜の厚さ変化部との間の隙間の有無や大きさについて、均一化することが可能だからである。このようなインプリント工程は、樹脂膜の厚さ変化部に形成される各凸部と磁性膜との間に生ずる樹脂残存部について、当該厚さ変化部内での位置に関わらず均一な厚さで形成するうえで好適である。そして、各樹脂残存部の厚さが均一であると、エッチング工程では、第1の側面に関して上述したのと同様に、各樹脂残存部を同時期に完全除去しやすく、樹脂残存部の除去により磁性膜において露出する箇所に対して同時点からエッチング処理を施しやすく、インプリント工程で使用されるスタンパの凸部の幅ないし樹脂膜に形成される凹部の幅と、これに対応して磁性膜に形成される溝(記録磁性部間の溝)の幅との差を、均一化しやすく、各記録磁性部の形成サイズを制御しやすい。このようなエッチング工程を含む本方法は、記録磁性部を高精度にパターニングするのに適している。
以上のように、本発明の第2の側面に係る磁気記録媒体製造方法は、高精度にパターニングされた記録磁性部を有する磁気記録媒体を効率よく製造するのに適している。
本発明の第3の側面により提供される磁気記録媒体製造方法は、少なくとも、樹脂膜形成工程と、インプリント工程と、第1エッチング工程と、樹脂膜除去工程と、第2エッチング工程とを含む。樹脂膜形成工程では、厚さが漸次変化する厚さ変化部を有する樹脂膜を、磁性膜上のマスク層の上に形成する。インプリント工程では、スタンパ本体と、樹脂膜の厚さ変化部に複数の凹部を形成するための、スタンパ本体から延出する複数の凸部と、を有するスタンパを樹脂膜に押し付けることにより、樹脂膜の厚さ変化部に複数の凹部を形成する。スタンパにおいては、樹脂膜の厚さ変化部にて相対的に厚い箇所に対応する凸部ほど、スタンパ本体からの延出長は長い。第1エッチング工程では、凹部が形成された樹脂膜の側からマスク層に対してエッチングを施すことにより、即ち、凹部が形成された樹脂膜をマスクとして利用してマスク層に対してエッチングを施すことにより、当該マスク層をパターニングする。樹脂膜除去工程では、樹脂膜を除去する。第2エッチング工程では、パターニングされたマスク層の側から磁性膜に対してエッチングを施すことにより、即ち、パターニングされたマスク層をマスクとして利用して磁性膜に対してエッチングを施すことにより、当該磁性膜をパターニングする。これにより、磁気的信号が記録されて保持される記録磁性部が形成されることとなる。
本方法においては、記録磁性部をパターニングするのに要するマスクパターン(所定のパターン形状を有するマスク層)の形成にあたり(インプリント工程,第1エッチング工程)、スタンパを使用して行うインプリント法を利用するため、電子ビーム描画装置を使用する必要はない(即ち、磁気記録媒体ごとの製造過程において、長時間にわたる電子ビーム描画装置による露光処理を行う必要はない)。したがって、本方法は、磁気記録媒体を効率よく製造するのに適している。
また、本方法のインプリント工程は、第1の側面に関して上述したのと同様の理由で、凸部による樹脂材料の押し退けやすさについて、凸部の位置に拘らず均一化するのに適している。このようなインプリント工程は、樹脂膜の厚さ変化部に形成される各凸部とマスク層との間に生ずる樹脂残存部について、当該厚さ変化部内での位置に関わらず均一な厚さで形成するうえで好適である。各樹脂残存部の厚さが均一であると、第1エッチング工程では、各樹脂残存部を同時期に完全除去しやすく、従って、樹脂残存部の除去によりマスク層において露出する箇所に対して同時点からエッチング処理を施しやすく、その結果、マスク層を高精度でパターニングしやすい(形状精度の高いマスクパターンを形成しやすい)。そして、このようにして形成されるマスクパターンをマスクとして利用して行う第2エッチング工程は、記録磁性部を高精度にパターニングするのに適している。
以上のように、本発明の第3の側面に係る磁気記録媒体製造方法は、高精度にパターニングされた記録磁性部を有する磁気記録媒体を効率よく製造するのに適している。
本発明の第4の側面により提供される磁気記録媒体製造方法は、少なくとも、樹脂膜形成工程と、インプリント工程と、第1エッチング工程と、樹脂膜除去工程と、第2エッチング工程とを含む。樹脂膜形成工程では、厚さが漸次変化する厚さ変化部を有する樹脂膜を、磁性膜上のマスク層の上に形成する。インプリント工程では、樹脂膜の厚さ変化部に複数の凹部を形成するための3以上の複数の凸部と、当該複数の凸部間の溝部と、を有するスタンパを樹脂膜に押し付けることにより、樹脂膜の厚さ変化部に複数の凹部を形成する。スタンパにおいては、樹脂膜の厚さ変化部にて相対的に厚い箇所に対応する溝部ほど深い。第1エッチング工程では、凹部が形成された樹脂膜の側からマスク層に対してエッチングを施すことにより、即ち、凹部が形成された樹脂膜をマスクとして利用してマスク層に対してエッチングを施すことにより、当該マスク層をパターニングする。樹脂膜除去工程では、樹脂膜を除去する。第2エッチング工程では、パターニングされたマスク層の側から磁性膜に対してエッチングを施すことにより、即ち、パターニングされたマスク層をマスクとして利用して磁性膜に対してエッチングを施すことにより、当該磁性膜をパターニングする。これにより、磁気的信号が記録されて保持される記録磁性部が形成されることとなる。
本方法においては、上述の第3の側面に係る方法と同様に、記録磁性部をパターニングするのに要するマスクパターン(所定のパターン形状を有するマスク層)の形成にあたり(インプリント工程,第1エッチング工程)、スタンパを使用して行うインプリント法を利用する。したがって、本方法は、第3の側面に係る方法と同様に、磁気記録媒体を効率よく製造するのに適している。
また、本方法のインプリント工程は、第2の側面に関して上述したのと同様の理由で、凸部による樹脂材料の押し退けやすさについて、凸部の位置に拘らず均一化するのに適している。このようなインプリント工程は、樹脂膜の厚さ変化部に形成される各凸部とマスク層との間に生ずる樹脂残存部について、当該厚さ変化部内での位置に関わらず均一な厚さで形成するうえで好適である。各樹脂残存部の厚さが均一であると、第3の側面に関して上述したのと同様に、第1エッチング工程では、各樹脂残存部を同時期に完全除去しやすく、従って、樹脂残存部の除去によりマスク層において露出する箇所に対して同時点からエッチング処理を施しやすく、その結果、マスク層を高精度でパターニングしやすい(形状精度の高いマスクパターンを形成しやすい)。そして、このようにして形成されるマスクパターンをマスクとして利用して行う第2エッチング工程は、第3の側面に関して上述したのと同様に、記録磁性部を高精度にパターニングするのに適している。
以上のように、本発明の第4の側面に係る磁気記録媒体製造方法は、高精度にパターニングされた記録磁性部を有する磁気記録媒体を効率よく製造するのに適している。
本発明の第1から第4の側面において、好ましくは、スタンパは、厚さが漸次変化する厚さ変化部を含むスタンパ本体を有し、複数の凸部は、当該厚さ変化部から延出する。このようなスタンパは、本発明における上述のインプリント工程を実施するのに好適である。
図1および図2は、本発明に係る磁気ディスク製造方法により製造することのできるディスクリートトラック(DT)型の磁気ディスクXを表す。図1は、磁気ディスクXの平面図であり、図2は、図1の磁気ディスクXの径方向に沿った部分拡大断面図である。
磁気ディスクXは、ディスク基板11、記録層12、軟磁性層13、および保護膜14(図1では図示略)を含む積層構造を有する。
ディスク基板11は、主に、磁気ディスクXの剛性を確保するための部位であり、例えば、アルミニウム合金、ガラス、または樹脂よりなる。また、ディスク基板11は、開口部11aを有する。
記録層12は、図2に示すように、複数の記録磁性部12Aおよび複数の非磁性部12Bを有する。複数の記録磁性部12Aは、磁気ディスクXの回転軸心Aを共通中心として同心円状に配置され、当該記録磁性部12Aに情報トラックが設定される。記録磁性部12Aは、例えば垂直磁化膜よりなる。記録磁性部12Aの構成材料としては、例えばCoCrPtを採用することができる。また、複数の非磁性部12Bは、図1にて一部を模式的に太線で示すように、磁気ディスクXの回転軸心Aを共通中心としてディスク基板11上にて同心円状に配置される。各非磁性部12Bは、記録磁性部12A間に介在し、例えばSiNやSiO2よりなる。記録層12の厚さは例えば20〜30nmであり、記録磁性部12Aの幅は例えば20〜100nmであり、非磁性部12Bの幅は例えば20〜50nmである。
軟磁性層13は、記録時等に稼動する磁気ヘッドからの磁束を再び当該ヘッドに環流させる磁路を効率よく形成するためのものであり、高透磁率を有して大きな飽和磁化を有するとともに小さな保磁力を有する軟磁性材料よりなる。軟磁性層13を構成するための軟磁性材料としては、例えば、FeC、FeNi、FeCoB、FeCoSiC、FeCo−AlOが挙げられる。
保護膜14は、記録層12や軟磁性層13を外界から物理的および化学的に保護するための部位であり、例えば、SiN、SiO2、またはダイアモンドライクカーボンよりなる。
以上のようなディスク基板11、記録層12、軟磁性層13、および保護膜14を含む磁気ディスクXの積層構造中には、必要に応じて他の層が含まれてもよい。
このような磁気ディスクXの情報記録時には、磁気ヘッド(図示略)による記録磁界の印加によって、記録層12の一の記録磁性部12Aにて、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)がディスク周方向に連なって形成される。このとき、情報記録進行中であって磁界が順次印加される記録磁性部12Aと、これの隣りの別の記録磁性部12Aとが、非磁性部12Bにより分断されているため、当該隣りの記録磁性部12Aの記録マークが消失ないし劣化するというクロスライト現象が抑制される。クロスライト現象が抑制される磁気ディスクは、トラックの狭ピッチ化ないし高記録密度化を図るうえで、好ましい。
図3および図4は、本発明の第1の実施形態に係る磁気ディスク製造方法を表す。本方法は、磁気ディスクXを製造するための第1の方法である。
本方法においては、まず、図3(a)に示すように、ディスク基板11上に軟磁性層13および磁性膜12A’を順次形成する。軟磁性層13の形成においては、例えばスパッタリング法により、ディスク基板11上に上述の軟磁性材料を成膜する。磁性膜12A’の形成においては、例えばスパッタリング法により、記録磁性部12Aについて上述した構成材料を軟磁性層13上に成膜する。
次に、図3(b)に示すように、スピンコーティング法により、磁性膜12A’上に樹脂膜21を形成する。具体的には、開口部11aを有するディスク基板11がスピンテーブル(図示略)に支持され且つ回転軸心Aまわりに所定の回転速度で回転されている状態で、磁性膜12A’上に所定量の樹脂材料が滴下されて供給される。回転中心でない箇所に樹脂材料が滴下供給されて形成される樹脂膜21は、不可避的に、回転軸心Aから遠い箇所ほど大きな厚さを有することとなる。すなわち、樹脂膜21は、厚さが漸次変化する厚さ変化部を有することとなる。
次に、図3(c)および図3(d)に示すように、スタンパ22を使用してインプリント工程を行う。スタンパ22は、スタンパ本体22aと、樹脂膜21の厚さ変化部に複数の凹部を形成するための複数の凸部22bと、複数の凸部22b間の溝部22cとからなる。スタンパ本体22aは、厚さが漸次変化する厚さ変化部を含む。当該厚さ変化部における漸次的な厚さ変化は、樹脂膜21の厚さ変化部における漸次的な厚さ変化と同一または略同一である。各凸部22bは、上述の非磁性部12Bに対応したパターン形状を有し、スタンパ本体22aの厚さ変化部から同一方向に延出する。スタンパ22においては、樹脂膜21の厚さ変化部にて相対的に厚い箇所に対応する凸部22bほど、スタンパ本体22aからの延出長は長い。また、スタンパ22においては、樹脂膜21の厚さ変化部にて相対的に厚い箇所に対応する溝部22cほど深い。スタンパ本体22aからの凸部22bの延出長さは例えば20〜50nmである。また、各凸部22bの幅は全て同一であって例えば20〜50nmであり、各溝部22cの幅は全て同一であって例えば20〜100nmである。
本工程では、このようなスタンパ22を樹脂膜21に押し付け、当該樹脂膜21において、複数の凸部22bに応じた複数の凹部を形成する(即ち、スタンパ22の凹凸情報を樹脂膜21に転写する)。具体的には、インプリント工程以前には樹脂膜21における凹部形成予定箇所に位置していた樹脂材料を、スタンパ22の各凸部22bにより、当該凹部形成予定箇所から押し退けることにより、当該樹脂膜21に各凹部を形成する。また、本工程では、スタンパ22の各凸部22bは磁性膜12A’に至らず、磁性膜12A’と各凸部22bとの間には樹脂材料が残存することとなる。スタンパ22の凸部22bが磁性膜12A’に至ると、磁性膜12A’に対する樹脂膜21の接触面積が低下するなどして樹脂膜21が磁性膜12A’から剥離しやすくなってしまうので、そのような剥離が生じないように、磁性膜12A’と各凸部22bとの間に樹脂材料が意図的に残されるのである。
図5は、スタンパ22の作製方法を表す。スタンパ22の作製においては、まず、図5(a)に示すように、スピンコーティング法により、開口部31aを有するディスク状の基板31上にフォトレジスト膜32を形成する。具体的には、基板31がスピンテーブル(図示略)に支持され且つ回転軸心Bまわりに所定の回転速度で回転されている状態で、基板31上に所定量の液状のフォトレジストが滴下されて供給される。回転中心でない箇所に液状フォトレジストが滴下供給されて形成されるフォトレジスト膜32は、不可避的に、回転軸心Bから遠い箇所ほど大きな厚さを有することとなる。
次に、図5(b)に示すように、フォトリソ法により、フォトレジスト膜32をパターニングしてレジストパターン33を形成する。当該フォトリソ法においては、例えば、所定の電子ビーム描画装置によって所定パターン(潜像)をフォトレジスト膜32に露光形成した後、当該フォトレジスト膜32に現像処理を施す。例えばこのようにして、基板31上にレジストパターン33を形成することができる。レジストパターン33は、スタンパ22の凸部22bに対応した溝部33aを有する。
次に、図5(c)に示すように、電鋳法により、基板31およびレジストパターン33の上に例えばニッケルなどを成長させ、スタンパ22を形成する。この後、図5(d)に示すように、所定溶解液をレジストパターン33に作用させてレジストパターン33を溶解除去する。以上のようにして、厚さが漸次変化する厚さ変化部を含むスタンパ本体22aと、当該スタンパ本体22aから延出する複数の凸部22bとを有するスタンパ22を作製することができる。
磁気ディスクXを製造するための第1の方法においては、スタンパ22を使用して行うインプリント工程の後、図4(a)に示すように、スタンパ22を樹脂膜21から取り外す。
次に、図4(b)に示すように、樹脂膜21の側から磁性膜12A’に対してエッチングを施すことにより、即ち、凹部21aが形成された樹脂膜21をマスクとして利用して磁性膜12A’に対してエッチングを施すことにより、当該磁性膜12A’をパターニングする。これにより、軟磁性層13上に記録磁性部12Aがパターン形成されることとなる。この後、例えば所定の溶解を樹脂膜21に作用させることにより、樹脂膜21を除去する。
次に、図4(c)に示すように、記録磁性部12A間に非磁性部12Bを形成する。具体的には、記録磁性部12A間の隙間を充填しつつ記録磁性部12Aを覆うように、非磁性部12Bに関して上述した構成材料を堆積させた後、記録磁性部12A上の過剰分を例えば研磨除去することにより、記録磁性部12A間に介在する非磁性部12Bを形成することができる。本工程にて、記録層12が形成されることとなる。
次に、図4(d)に示すように保護膜14を形成する。保護膜14の形成においては、例えばスパッタリング法により、保護膜14に関して上述した構成材料を記録層12上に成膜する。以上のようにして、パターニングされた記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクXを製造することができる。
本方法においては、記録磁性部12Aをパターニングするのに要するマスクパターン(所定の凹部を有する樹脂膜21)の形成にあたり、スタンパ22を使用して行うインプリント法を採用するため、電子ビーム描画装置を使用する必要はない(即ち、磁気ディスクXごとの製造過程において、長時間にわたる電子ビーム描画装置による露光処理を行う必要はない)。したがって、本方法は、磁気ディスクXを効率よく製造するのに適している。
また、図3(c)および図3(d)を参照して上述した本方法のインプリント工程では、スタンパ22の各凸部22bにより、樹脂膜21を構成する樹脂材料を部分的に押し退けて当該樹脂膜21に各凹部を形成するところ、凸部22bによる樹脂材料の押し退けやすさについて、凸部22bの位置に拘らず均一化することができる。当該インプリント工程で使用するスタンパ22では、樹脂膜21の厚さ変化部において相対的に厚い箇所に対応する凸部22ほどスタンパ本体22aからの延出長は長いため、或は、樹脂膜21の厚さ変化部において相対的に厚い箇所に対応する溝部22cほど深いため、当該インプリント工程にてスタンパ22の各凸部22bが樹脂膜21に突入し始めて(突入開始時)から突入し終わる(突入終了時)までの過程において、隣り合う凸部22b間すなわち溝部22cにおけるスタンパ本体22aと樹脂膜21の厚さ変化部との間の隙間の有無または大きさについて、例えば図3(d)に示すように均一化することが可能だからである。このようなインプリント工程においては、例えば図6に示すように、樹脂膜21の厚さ変化部に形成される各凸部22bと磁性膜12A’との間に生ずる樹脂残存部21bについて、当該厚さ変化部内での位置に関わらず均一な厚さで形成することができる。そして、各樹脂残存部21bの厚さが均一であると、図4(b)を参照して上述したエッチング工程では、各樹脂残存部21bを同時期に完全除去しやすく、従って、樹脂残存部21bの除去により磁性膜12A’において露出する箇所に対して同時点からエッチング処理を施しやすく、その結果、インプリント工程で使用されるスタンパ22の凸部22bの幅ないし樹脂膜21に形成される凹部の幅と、これに対応して磁性膜12A’に形成される溝(記録磁性部12A間の溝)の幅との差を、均一化しやすい。そのため、当該エッチング工程では、各記録磁性部12Aの形成サイズを制御しやすい。このようなエッチング工程によると、記録磁性部12Aを高精度にパターニングすることが可能である。
以上のように、本方法によると、高精度にパターニングされた記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクXを効率よく製造することができる。
図7および図8は、本発明の第2の実施形態に係る磁気ディスク製造方法を表す。本方法は、磁気ディスクXを製造するための第2の方法である。
本方法においては、まず、図7(a)に示すように、ディスク基板11上に軟磁性層13、磁性膜12A’、およびマスク層23を順次形成する。軟磁性層13および磁性膜12A’の形成については、第1の方法に関して図3(a)を参照して上述したのと同様である。また、マスク層23の形成においては、例えばスパッタリング法により、所定の材料を磁性膜12A’上に成膜する。マスク層23の構成材料としては、例えばTa,Ruを用いることができる。
次に、図7(b)に示すように、スピンコーティング法により、厚さが漸次変化する厚さ変化部を有する樹脂膜21をマスク層23上に形成する。具体的には、磁性膜12A’上に樹脂膜21を形成する手法として図3(b)を参照して上述したのと略同様である。
次に、図7(c)および図7(d)に示すように、スタンパ22を使用してインプリント工程を行う。スタンパ22は、第1の方法において使用したものと同じものを使用することができる。また、本工程では、スタンパ22の各凸部22bはマスク層23に至らず、マスク層23と各凸部22bとの間には樹脂材料が残存することとなる。スタンパ22の凸部22bがマスク層23に至ると、マスク層23に対する樹脂膜21の接触面積が低下して樹脂膜21がマスク層23から剥離しやすくなってしまうので、そのような剥離が生じないように、マスク層23と各凸部22bとの間に樹脂材料が意図的に残されるのである。インプリント工程における他の具体的態様については、第1の方法におけるインプリント工程に関して図3(c)および図3(d)を参照して上述したのと同様である。
本方法においては、次に、スタンパ22を樹脂膜21から取り外した後、樹脂膜21の側からマスク層23に対してエッチングを施すことにより、即ち、凹部21aが形成された樹脂膜21をマスクとして利用してマスク層23に対してエッチングを施すことにより、図8(a)に示すように、当該マスク層23をパターニングする(第1エッチング工程)。
次に、図8(b)に示すように、例えば所定の溶解を樹脂膜21に作用させることにより、樹脂膜21を除去する。
次に、図8(c)に示すように、マスク層23の側から磁性膜12A’に対してエッチングを施すことにより、即ち、パターニングされたマスク層23をマスクとして利用して磁性膜12A’に対してエッチングを施すことにより、当該磁性膜12A’をパターニングする(第2エッチング工程)。これにより、軟磁性層13上に記録磁性部12Aがパターン形成されることとなる。この後、例えば所定の溶解液をマスク層23に作用させることにより、マスク層23を除去する。
次に、図8(d)に示すように、記録磁性部12A間に非磁性部12Bを形成し、更に保護膜14を形成する。これらの形成手法は、第1の方法に関して図4(c)および図4(d)を参照して上述したのと同様である。以上のようにして、パターニングされた記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクXを製造することができる。
本方法においては、記録磁性部12Aをパターニングするのに要するマスクパターン(所定のパターン形状を有するマスク層23)の形成にあたり(インプリント工程,第1エッチング工程)、スタンパ22を使用して行うインプリント法を利用するため、電子ビーム描画装置を使用する必要はない(即ち、磁気ディスクXごとの製造過程において、長時間にわたる電子ビーム描画装置による露光処理を行う必要はない)。したがって、本方法は、磁気ディスクXを効率よく製造するのに適している。
また、本方法のインプリント工程は、第1の方法に関して上述したのと同様の理由で、凸部22bによる樹脂材料の押し退けやすさについて、凸部22bの位置に拘らず均一化するのに適している。このようなインプリント工程においては、第1の方法に関して図6を参照して上述したのと略同様に、樹脂膜21の厚さ変化部に形成される各凸部22bとのマスク層23との間に生ずる樹脂残存部について、当該厚さ変化部内での位置に関わらず均一な厚さで形成することができる。各樹脂残存部の厚さが均一であると、図8(a)を参照して上述した第1エッチング工程では、各樹脂残存部を同時期に完全除去しやすく、従って、マスク層23において露出する箇所に対して同時点からエッチング処理を施しやすく、その結果、マスク層23を高精度でパターニングしやすい(形状精度の高いマスクパターンを形成しやすい)。そして、このようにして形成されるマスクパターンをマスクとして利用して行う、図8(c)を参照して上述した第2エッチング工程は、記録磁性部12Aを高精度にパターニングするのに適している。
以上のように、本方法によっても、高精度にパターニングされた記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクXを効率よく製造することができる。
加えて、本方法におけるマスク層23の利用は、樹脂膜21の薄肉化に資する。上述の第1の実施形態のように、所定の凹部を有する樹脂膜21を、記録磁性部12Aのパターニング用のマスクとして直接利用する場合、当該エッチングにおける樹脂膜21のエッチングレートが比較的大きいので、樹脂膜21を相当程度厚く設けなければならない場合がある。これに対し、第2の実施形態に係る本方法では、記録磁性部12Aを形成するための磁性膜12A’に対するエッチングにおけるエッチングレートが比較的小さく且つ磁性膜12A’よりも薄いマスク層23を磁性膜12A’と樹脂膜21の間に設けることにより、所定の凹部を有して比較的薄い樹脂膜21をマスクとして利用して当該マスク層23を適切にパターニングすることができ、そして、当該パターニングされたマスク層23をマスクとして利用して磁性膜12A’を更にパターニングすることができるのである。
また、上述の第1および第2の方法は、ディスク周方向に延びる情報トラックが設定される複数の記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクXの製造方法に本発明を適用した場合の実施形態であるが、本発明に係る方法は、他の形状にパターニングされた磁性部を、または他の目的の下にパターニングされた磁性部を記録層内に有する磁気ディスクの製造方法に適用することもできる。
本発明に係る磁気ディスク製造方法により製造することのできる磁気ディスクの平面図である。 本発明に係る磁気ディスク製造方法により製造することのできる磁気ディスクの部分拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る磁気ディスク製造方法における一部の工程を表す。 図3の後に続く工程を表す。 スタンパの作製方法を表す。 本発明におけるインプリント工程後の部分拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る磁気ディスク製造方法における一部の工程を表す。 図7の後に続く工程を表す。 ディスクリートトラック型の従来の磁気ディスクの平面図である。 ディスクリートトラック型の従来の磁気ディスクの部分拡大断面図である。 従来の磁気ディスク製造方法における一部の工程を表す。 図11の後に続く工程を表す。 従来の技術におけるインプリント工程後の部分拡大断面図である。 従来の技術における磁性膜パターニング工程を表す。
符号の説明
X,90 磁気ディスク
11,91 ディスク基板
12,92 記録層
12A,92A 記録磁性部
12B,92B 非磁性部
12A’,92A’ 磁性膜
13 軟磁性層
14,93 保護膜
21,94 樹脂膜
22,95 スタンパ
22a,95a スタンパ本体
22b,95b 凸部
22c 溝部
23 マスク層

Claims (5)

  1. 厚さが漸次変化する厚さ変化部を有する樹脂膜を磁性膜上に形成する工程と、
    スタンパ本体、および、前記厚さ変化部に複数の凹部を形成するための、前記スタンパ本体から延出する複数の凸部、を有するスタンパを前記樹脂膜に押し付けることにより、前記樹脂膜の前記厚さ変化部に複数の凹部を形成する工程と、
    前記樹脂膜の側から前記磁性膜に対してエッチングを施すことにより、当該磁性膜をパターニングする工程と、を含み、
    前記スタンパにおいては、前記厚さ変化部にて相対的に厚い箇所に対応する凸部ほど、前記スタンパ本体からの延出長は長い、磁気記録媒体製造方法。
  2. 厚さが漸次変化する厚さ変化部を有する樹脂膜を磁性膜上に形成する工程と、
    前記厚さ変化部に複数の凹部を形成するための3以上の複数の凸部、および、当該複数の凸部間の溝部、を有するスタンパを前記樹脂膜に押し付けることにより、前記樹脂膜の前記厚さ変化部に複数の凹部を形成する工程と、
    前記樹脂膜の側から前記磁性膜に対してエッチングを施すことにより、当該磁性膜をパターニングする工程と、を含み、
    前記スタンパにおいては、前記厚さ変化部にて相対的に厚い箇所に対応する溝部ほど深い、磁気記録媒体製造方法。
  3. 厚さが漸次変化する厚さ変化部を有する樹脂膜を、磁性膜上のマスク層の上に形成する工程と、
    スタンパ本体、および、前記厚さ変化部に複数の凹部を形成するための、前記スタンパ本体から延出する複数の凸部、を有するスタンパを前記樹脂膜に押し付けることにより、前記樹脂膜の前記厚さ変化部に複数の凹部を形成する工程と、
    前記樹脂膜の側から前記マスク層に対してエッチングを施すことにより、当該マスク層をパターニングする工程と、
    前記樹脂膜を除去する工程と、
    パターニングされた前記マスク層の側から前記磁性膜に対してエッチングを施すことにより、当該磁性膜をパターニングする工程と、を含み、
    前記スタンパにおいては、前記厚さ変化部にて相対的に厚い箇所に対応する凸部ほど、前記スタンパ本体からの延出長は長い、磁気記録媒体製造方法。
  4. 厚さが漸次変化する厚さ変化部を有する樹脂膜を、磁性膜上のマスク層の上に形成する工程と、
    前記厚さ変化部に複数の凹部を形成するための3以上の複数の凸部、および、当該複数の凸部間の溝部、を有するスタンパを前記樹脂膜に押し付けることにより、前記樹脂膜の前記厚さ変化部に複数の凹部を形成する工程と、
    前記樹脂膜の側から前記マスク層に対してエッチングを施すことにより、当該マスク層をパターニングする工程と、
    前記樹脂膜を除去する工程と、
    パターニングされた前記マスク層の側から前記磁性膜に対してエッチングを施すことにより、当該磁性膜をパターニングする工程と、を含み、
    前記スタンパにおいては、前記厚さ変化部にて相対的に厚い箇所に対応する溝部ほど深い、磁気記録媒体製造方法。
  5. 前記スタンパは、厚さが漸次変化する厚さ変化部を含むスタンパ本体を有し、前記複数の凸部は、当該厚さ変化部から延出する、請求項1から4のいずれか一つに記載の磁気記録媒体製造方法。
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