JPH0981572A - 翻訳装置及び辞書優先度設定方法 - Google Patents

翻訳装置及び辞書優先度設定方法

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JPH0981572A
JPH0981572A JP7234030A JP23403095A JPH0981572A JP H0981572 A JPH0981572 A JP H0981572A JP 7234030 A JP7234030 A JP 7234030A JP 23403095 A JP23403095 A JP 23403095A JP H0981572 A JPH0981572 A JP H0981572A
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JP7234030A
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Yumiko Yoshimura
裕美子 吉村
Satoshi Kinoshita
聡 木下
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ユーザの訳語選択の結果を学習材料として、ユ
ーザの意識しないうちに、初期の優先度指定内容をより
翻訳対象文書に適応した優先度に調整し、訳語選択・後
編集の手間を軽減する。 【解決手段】辞書部15に予め用意された各辞書の中で
オプショナル辞書として指定された辞書の種類とその優
先度に従って、翻訳部14により翻訳対象となる第1の
言語が第2の言語に翻訳処理される。その際に、優先度
設定部12によって翻訳結果として得られる訳語の選択
内容に基づいて優先度の変更の必要性が判断され、優先
度の変更が必要である場合に、最も訳語選択の多い辞書
を優先するように、その優先度の調整が行われる。これ
により、ユーザの訳語選択により、常に最適な優先度で
複数辞書の登録訳語を訳文に生成することができ、その
結果、ユーザの訳語選択・後編集の手間を軽減すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、第1言語の文を
第2言語の文に翻訳するための翻訳装置に係り、特に標
準辞書の他に、ユーザ辞書、専門用語辞書をオプショナ
ル辞書として翻訳処理に用いる際に好適な翻訳装置及び
辞書優先度設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータを利用して、ある言
語の文章を自動的に別の言語の文章に変換する機械翻訳
システムに対する注目が高まっている。現在利用されて
いる機械翻訳システムは、システム固有の標準辞書の他
に、ユーザ辞書、専門用語辞書をオプショナル辞書とし
て利用できる環境を提供しているのが通常である。ま
た、ユーザ辞書、専門用語辞書のそれぞれについても複
数個を使った翻訳を可能にしているシステムも多い。
【0003】このような各種の辞書を用いて翻訳処理を
行う場合には、基本的には、翻訳対象文書の内容に従っ
てユーザが辞書間の優先度を指定できる。これにより、
ある見出し語が複数の辞書にまたがって登録されている
場合には、翻訳システム側はユーザの指定に従い、優先
度の高い辞書に登録されている訳語を訳文に生成するよ
うにする。
【0004】ところが、常にユーザが翻訳対象の個々文
書の内容を把握しきれているわけでもなく、また、文書
の内容が異なる毎に辞書の優先度を指定をし直すことも
ユーザには手間となる。このため、結果として、内容的
に優先度を低くするべき辞書の訳語が訳出されてしまう
ことは回避しきれない。
【0005】これに対しては、ユーザは「訳語選択」の
手段を行ない、訳語の学習を行なうことで対処してい
た。「訳語選択」とは、翻訳結果として出力された複数
の訳語候補の中で所望の訳語を選択することである。こ
の選択された訳語を記憶(学習)しておくことで、以
後、同じ単語が入力された際に、その訳語を優先出力す
ることがきる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従
来、標準辞書の他に、ユーザ辞書、専門用語辞書といっ
たオプショナル辞書をそれぞれ複数有して翻訳処理を行
う場合には、その都度、ユーザが各辞書の優先度を指定
していた。
【0007】しかしながら、常に所望の訳語を得るに
は、翻訳対象となる文書の内容を把握し、その文書内容
毎に優先度を指定する必要があるため、かなりの困難を
要することになる。
【0008】また、「訳語選択」によって対処したとし
ても、根本的にオプショナル辞書の最初の優先度指定が
不適切であると、何度となく「訳語選択」を行なうこと
になる。このため、ユーザに負担をかける等の問題があ
った。
【0009】本発明は上記のような点に鑑みなされたも
ので、ユーザの訳語選択の結果を学習材料として、ユー
ザの意識しないうちに、初期の優先度指定内容をより翻
訳対象文書に適応した優先度に調整し、訳語選択・後編
集の手間を軽減することのできる翻訳装置及び辞書優先
度設定方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、自然言語を他の言語に変換するための複
数の辞書を記憶した辞書記憶手段と、翻訳対象となる第
1の言語を入力する入力手段と、上記辞書記憶手段に記
憶された各辞書を用いて、上記入力手段によって入力さ
れた第1の言語を第2の言語に翻訳処理する翻訳手段
と、この翻訳手段によって得られた翻訳結果を出力する
出力手段と、上記辞書記憶手段に記憶された各辞書の中
でオプショナル辞書の種類とその優先度を指定する辞書
指定手段と、上記出力手段によって出力された翻訳結果
の中から訳語を選択する訳語選択手段と、上記辞書指定
手段によって指定されたオプショナル辞書の種類とその
優先度に基づいて上記翻訳手段が翻訳処理で用いる辞書
の優先度を決定し、かつ、上記訳語選択手段によって選
択された訳語の選択内容に基づいて優先度の変更の必要
性を判断し、優先度の変更が必要である場合に、オプシ
ョナル辞書の優先度の調整を行なう優先度設定手段とを
具備したことを特徴とする。
【0011】このような構成によれば、予め用意された
各辞書の中でオプショナル辞書として指定された辞書の
種類とその優先度に従って、翻訳対象となる第1の言語
が第2の言語に翻訳処理される。
【0012】その際に、翻訳結果として得られる訳語の
選択内容に基づいて優先度の変更の必要性が判断され、
優先度の変更が必要である場合に、最も訳語選択の多い
辞書を優先するように、その優先度の調整が行われる。
【0013】これにより、ユーザの訳語選択により、常
に最適な優先度で複数辞書の登録訳語を訳文に生成する
ことができ、その結果、ユーザの訳語選択・後編集の手
間を軽減することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る
翻訳装置の構成を示すブロック図である。本装置は、入
力部11、優先度設定部12、制御部13、翻訳部1
4、辞書部15、出力部16を有する。
【0015】入力部11は制御部13に接続され、制御
部13は出力部16に接続される。また、制御部13
は、辞書指定手段13a、訳語選択手段13bを有し、
優先度設定部12および翻訳部14と双方向に接続され
ている。
【0016】さらに、翻訳部14は辞書部15と双方向
に接続されている。辞書部15は、形態素解析規則15
a、構文・意味解析規則15b、変換規則15c、生成
規則15d、標準辞書15e、専門用語辞書15f、ユ
ーザ辞書15g、学習辞書15hからなる。学習辞書1
5hとは、ユーザの訳語選択により学習された訳語の情
報を収納する辞書である。
【0017】入力部11は、制御部13に対して、翻訳
対象となる文の入力や各種コマンドの入力を行なうため
のものである。通常、この入力部11としては、キーボ
ード、マウスなどが用いられる。また、翻訳対象文の入
力には、OCRの他、フロッピーディスク、磁気テー
プ、磁気ディスクからの読み込みも考えられる。
【0018】出力部16は、翻訳部14によって得られ
た翻訳結果を出力したり、各種命令に対する制御部13
の応答を表示するためのものである。この出力部16と
しては、CRT (Cathode Ray Tube) やLCD (Liquid
Crystal Display) 等の各種ディスプレイ装置が通常で
あるが、翻訳結果の出力には、印刷機などの印字手段、
あるいは直接フロッピーディスク、磁気テープ、磁気デ
ィスクへ出力する手段や、他のメディアへ送信する送信
手段でも良い。
【0019】制御部13は、本装置全体の制御を行うも
のである。辞書指定手段13aは、翻訳処理に用いるオ
プショナル辞書とその種類を指定するためのものであ
る。訳語選択手段13bは、翻訳処理によって得られた
翻訳結果の中から訳語を選択するためのものである。
【0020】このような構成において、ユーザは、入力
部11より制御部13の辞書指定手段13aを介して、
翻訳処理に用いるオプショナルの専門用語辞書15f、
ユーザ辞書15gの種類を指定する命令を制御部13に
送る。専門用語辞書15f、ユーザ辞書15gをそれぞ
れ複数個指定する際には、その辞書間の優先度の指定も
制御部13に送る。
【0021】ユーザから辞書の指定がなされると、その
指定内容は制御部13を通じて優先度設定部12に送ら
れる。これにより、優先度設定部12は、初期設定とし
てユーザの指定内容を保持する。
【0022】入力部11により翻訳対象の原文が入力さ
れると、その入力データは制御部13に送られる。制御
部13は、原文のデータを翻訳部14に送る。翻訳部1
4は、制御部13を通じて優先度設定部12からオプシ
ョナル辞書の種類とその優先度の情報を得る。そして、
翻訳部14は、その情報と辞書部15の知識・規則を利
用して、入力原文に対して第2言語の文あるいは第1言
語の文字列を含んだ第2言語の文への翻訳処理を行な
う。
【0023】翻訳処理が終了すると、その翻訳結果は制
御部13を通じて出力部16に送られ、一通りの処理を
終える。ここで、翻訳結果が得られた状態で、入力部1
1より制御部13の訳語選択手段13bを介してある語
に対する訳語選択の命令が制御部13に送られると、制
御部13は、ユーザの選択内容に従った表示命令を出力
部16に送る。それと同時に、訳語選択の内容が優先度
設定部12にも送られる。
【0024】この訳語選択により、どの辞書の訳語が選
択・学習され、どの辞書の訳語が置き換えられたか、現
状でどの辞書の訳語が訳文に生成されているかなどをも
とに、優先度設定部12は現状の辞書間の優先度の再評
価を行なって、最適な優先度を再設定する。
【0025】それ以降の翻訳処理は、訳語選択が行なわ
れる度に、新規の優先度に従って訳語設定が行なわれ
る。次に、制御部13における対話的な翻訳処理の流れ
について説明する。
【0026】図2はその対話的な翻訳処理の流れを示す
フローチャートである。翻訳に際し、まず、ユーザによ
りオプショナル辞書として使用する辞書の指定が行なわ
れる(ステップS201)。
【0027】指定の内容は優先度設定部12に送られ、
辞書の種類、辞書間の優先度が初期値として保持される
(ステップS202)。この段階で、優先度設定部12
は、後述するステップS215の辞書間優先度更新の処
理に用いる頻度カウントテーブルを初期化する。この頻
度カウントテーブルの扱いについては、後に詳しく説明
する。
【0028】以降、制御部13は、入力部11から何等
かのキー入力があると(ステップS203)、ステップ
S204〜209にて、キー・コマンドに応じた処理を
実行する。
【0029】すなわち、例えば入力部11より終了命令
が入力されると(ステップS204のYes)、制御部
13は全ての処理を終了する。また、入力部11より翻
訳指示命令を受けた場合には(ステップS205のYe
s)、ステップS210へ進み、制御部13は指示対象
文に対する翻訳処理開始命令を翻訳部14に送る。この
ときの翻訳部14における翻訳処理の流れについては図
4を参照して後に説明する。
【0030】翻訳処理が終了するとステップS211へ
進み、制御部13は出力部16に対して訳文を表示する
命令を送る。また、入力部11より文字キーの入力があ
った場合には(ステップS206のYes)、ステップ
S212へ進み、制御部13は原文の文字列として出力
部16に表示命令を送る。
【0031】また、入力部11より編集キーの入力があ
った場合には(ステップS207のYes)、ステップ
S213へ進み、制御部13は編集処理を行なう。入力
部11より訳語選択の命令が入力された場合には(ステ
ップS208のYes)、ステップS214へ進み、制
御部13はユーザに訳語選択を促す処理を行なう。
【0032】図3は出力部16に表示してユーザの訳語
選択処理をガイドする画面の一例である。この例は、英
日翻訳において英単語「facility」に対する訳
語の一覧を表示し、ユーザの選択を委ねる画面である。
【0033】訳語の右に表示される「T1」,「T
2」,「T3」はそれぞれ専門用語辞書1,2,3に登
録されている訳語であることを示す。同様に、「U
1」,「U2」はユーザ辞書1,2に登録されているこ
とを示す。残る「C」は標準辞書に登録されていること
を示す。
【0034】しかして、ステップS214において、訳
語の選択が行なわれると、制御部13は選択内容を学習
辞書15hに保存すると共に、ステップS215へ進
み、その選択内容を優先度設定部12に送る。
【0035】優先度設定部12では、その内容に基づい
て辞書間の優先度の再評価を行ない、優先度の更新を行
なう。この詳細については、後に図5を参照して詳しく
説明する。
【0036】次に、翻訳部14における翻訳処理の流れ
を説明する。図4はその翻訳処理の流れを示すフローチ
ャートである。まず、翻訳部14は、制御部13を経て
優先度設定部12が保存しているオプショナル辞書の種
類情報と辞書間の優先度情報を入手する(ステップS4
01)。
【0037】これらの情報が入手されると、翻訳部14
は、辞書部15に記憶された形態素解析規則15a、標
準辞書15e、さらに優先度設定部12より得たオプシ
ョナル辞書の種類情報に基づいて専門用語辞書15f、
ユーザ辞書15gを選出し、形態素解析・辞書引き処理
を行なう(ステップS402)。
【0038】この段階では、入力文中に複数の辞書に登
録されている語句があると、それぞれの辞書からの登録
情報が検索される。そこで、続くステップS403で
は、複数の辞書から得られた登録内容をマージする処理
を行なう。
【0039】すなわち、翻訳部14は、優先度設定部1
2から得た辞書間の優先度情報に基づいて、一つの見出
し語に対する複数の登録内容を、あたかも1つの辞書か
ら得られた登録内容であるかのようにマージを行なう。
【0040】以下に、オプショナル辞書の種類・優先度
とそれに応じた見出し語「facility」の登録内
容のマージ結果の例を挙げる。*オプショナル辞書の種
類 専門用語辞書1,2,3 ユーザ辞書1,2 *辞書間優先度(優先度順に列挙) 専門用語辞書1,2,3 ユーザ辞書2,1 *登録内容 専門用語辞書1 訳語=機能,施設,装置 専門用語辞書2 訳語=機能 専門用語辞書3 訳語=装置,機構 ユーザ辞書1 訳語=ファシリティ ユーザ辞書2 訳語=設備 標準辞書 訳語=機能,施設,機構,設備,能力 なお、T1〜T3は専門用語辞書、U1,U2はユーザ
辞書、Cは標準辞書を示す。
【0041】上記例では、一般にユーザ辞書の登録内容
は専門用語辞書より優先度を高めるという仕様をとって
おり、辞書間優先度については専門用語辞書はその専門
用語辞書同志、ユーザ辞書はそのユーザ辞書同志のみ優
先度を指定するようにしている。当然ながら、専門用語
辞書とユーザ辞書とを区別せずに、一元化して優先度を
指定できるようにする実施方法も可能である。
【0042】ここで、ユーザにより別に行なわれた訳語
選択による訳語の学習情報が学習辞書15hにある場合
は、翻訳部14は上記マージ後に第一訳語(ここでは
「設備(U2,C)」が学習された訳語と同じであるか
のチェックを行ない、第一訳語以外の訳語が学習された
訳語と一致する場合には、訳語のマージ結果に対して、
訳語の順番の入れ替えを行なう。
【0043】また、学習された訳語がマージ結果の中に
ない場合は、翻訳部14は学習された訳語をマージ結果
の最初に挿入する処理を行なう。例えば、学習された訳
語が「機能」である場合には、以下のようになる。
【0044】 また、学習された訳語が「便宜」である場合には、以下
のようになる。
【0045】 このようにして、辞書情報のマージが終わると、翻訳部
14は辞書毎に原文中に登録語が現われるカウントを保
存した頻度カウントテーブルをアップデートする(ステ
ップS404)。
【0046】なお、この頻度カウントテーブルは、翻訳
部14の中の図示せぬ作業領域に設けられており、ここ
では翻訳部14を通じてアップデートされる。また、初
期時において、この頻度カウントテーブルは、図2のス
テップS202で初期化されている。
【0047】図7(a)は頻度カウントテーブルのこの
時点での内容を示す図である。ここに示されているよう
に、第一訳語とその他の訳語とで区別してカウントす
る。ただし、第一訳語にも第二訳語以降にも同じ辞書の
訳語が登録されている場合には「その他の訳語」として
は計上しない。このような計上を翻訳終了の命令が指示
されるまで累計して行なう。
【0048】その後、翻訳部14は構文・意味解析規則
15bを用いて入力文の構文・意味解析を行ない(ステ
ップS405)、続いて、変換規則15cを用いて解析
結果から第2言語の構造への変換を行なう(ステップS
406)。そして、最後に、翻訳部14は生成規則15
dを用いて第2言語の文章として生成を行ない、一単位
の翻訳処理を終了する(ステップS407)。
【0049】次に、訳語選択後に行なわれる優先度設定
部12における辞書間優先度再評価・更新の処理の流れ
を説明する。図5はその処理の流れを示すフローチャー
トである。ユーザにより第一訳語以外の訳語が訳語選択
されると、優先度設定部12はその新たに選択された訳
語が登録されていた辞書の種類と、もともとの訳語が登
録されていた辞書の種類の情報に基づいて、辞書毎の上
記頻度カウントテーブルの内容をアップデートする(ス
テップS501)。
【0050】上記「facility」の例を用いれ
ば、ユーザ辞書2の訳語が第一訳語であり、それが訳文
にも生成されている状態で、訳語選択によりユーザ辞書
1に登録されている「ファシリティ」が選択されたとす
ると、頻度カウントテーブルは図7(b)に示すように
書き換えられる。
【0051】この場合、ユーザ辞書1の第一訳語のカウ
ント数を「14」から「15」にカウントアップし、そ
の他の訳語のカウント数を「5」から「4」にカウント
ダウンする。これに対し、ユーザ辞書2の第一訳語のカ
ウント数を「11」から「10」にカウントダウンし、
その他の訳語のカウント数を「0」から「1」にカウン
トアップする。
【0052】このようにして、頻度カウントテーブルが
アップデートされると、優先度設定部12はその内容を
もとに辞書間の優先度の変更が必要かどうかを判定する
(ステップS502)。
【0053】本実施形態では、以下の条件を全て満たす
ときに優先度の変更を行なうものとする。条件1.直前
の訳語選択において選択された訳語が登録されている辞
書の第一訳語の総数が、優先度がひとつ上位の辞書より
多い。
【0054】条件2.直前の訳語選択において選択され
た訳語が登録されている辞書の訳語選択による選択回数
がその他の訳語の数より多い。上記「facilit
y」の例を用いれば、訳語選択により頻度のカウントテ
ーブルが図7(c)に示すような状況になったとき、ユ
ーザ辞書1とユーザ辞書2の間の優先度の変更が必要で
あると判断する。
【0055】すなわち、ユーザ辞書1の第一訳語のカウ
ント数は「17」であり、優先度がひとつ上のユーザ辞
書2のカウント数である「8」より大きいため、条件1
を満たしている。また、ユーザ辞書1に関しては、訳語
選択により訳語が選択された回数が3回であり、訳語が
第1訳語以外のものが選択された回数である2回より大
きいため、条件2を満たしている。これにより、2つの
条件が満たされているため、ユーザ辞書1をユーザ辞書
2より優先させる処理を行う。
【0056】なお、ここで挙げた優先度変更の必要性判
断に用いた条件はあくまでも一例であり、他の基準を設
定することも当然ながら可能である。例えば、より複雑
には、2対の辞書毎に同じ見出し語で異なる訳語が登録
されている際の訳語で、対立全てに対してユーザによる
選択結果の比率を基準にして優先度を判定することもで
きる。
【0057】また、より簡易には、訳語選択による第一
訳語の総数の変化のみをキーにして優先度を判定するこ
ともできる。ステップS502での判定の結果、優先度
の変更の必要はないと判定された場合はそのまま処理を
終了する。優先度の変更の必要があると判定された場合
は、ステップS503へ進み、優先度設定部12は優先
度の変更処理を行ない、優先度評価・更新の処理を終了
する。具体的には、上記例でユーザ辞書間の優先度を
「ユーザ辞書2、ユーザ辞書1」の順序であったのを、
「ユーザ辞書1、ユーザ辞書2」へと変更する。
【0058】以上は、対話的に翻訳処理を行なっていく
上で辞書間の優先度を自動調節することにより、以降の
文の翻訳における後処理作業の手間を軽減することにつ
いて説明してきた。
【0059】このような対話的翻訳処理に対比する翻訳
作業の進め方として、最初に一括的に翻訳を行ない、そ
の後で、対話的に後編集を行なうという方法がある。後
編集は通常文書の先頭から後方へと進めていくことが多
い。
【0060】そこで、後編集時の訳語選択操作について
は、辞書間優先度判定のキーになる第一訳語、その他の
訳語のカウントは訳語選択の対象語のうち最も文書の後
方にある語の位置から文書の先頭位置までの範囲を対象
とする。
【0061】ある語に対する訳語選択と共に辞書間優先
度の変更の必要性があると判定され、優先度の更新がさ
れた場合は、最後方の訳語選択対象語以降の訳文におい
て、優先度の変更に応じて訳語のチェックを行ない、必
要ならば訳語の変更を行なう。
【0062】以下、図6を参照して後編集時での処理に
ついて説明する。図6は後編集時に訳語選択が行なわれ
た後の制御部13の流れを示すフローチャートである。
ある語に対して訳語選択が行われると、制御部13は、
まず、その語の位置が「最後方」であるか否かをチェッ
クする(ステップS601)。
【0063】「最後方」とは、訳語選択を行った語を含
む文の中で文頭から最も遠い文を指す。したがって、ス
テップS601で、「訳語選択しようとしている語の位
置が最後方である」とは、その後を含む文が、その時点
での最後方の文より後方に位置し、訳語選択後、新たな
「最後方」文になることを示す。
【0064】なお、後編集を開始して初めて訳語選択を
行う場合には、「最後方」文は存在しないため、便宜上
文書の先頭を仮想的に最後方文とみなす。ここで、後編
集における頻度カウントテーブルは、文書の先頭から最
後方の文までの範囲で作成するようにする。
【0065】「訳語選択しようとしている語の位置が最
後方である」場合には、制御部13は訳語選択対象文の
位置を訳語選択・優先度処理変更後に新たな最後方文と
して設定するため、その位置を記憶しておく。さらに、
制御部13は、まだ頻度カウントテーブルに反映されて
いない部分、すなわち、その時点での最後方の文の次の
文から、その語を含む文までの範囲を参照し、頻度カウ
ントテーブルをアップデートする(ステップS60
2)。
【0066】その後、制御部13は、実際に行われた訳
語の選択の結果に基づいて、頻度カウントテーブルのア
ップデートを行う(ステップS603)。次に、制御部
13は、当該語の位置にかかわらず、頻度カウントテー
ブルの内容に基づいて、辞書間優先度の変更が必要かど
うかを判定する(ステップS604)。
【0067】必要であると判定された場合、制御部13
は優先度設定部12を通じて優先度の変更を行ない(ス
テップS605)、続いて、訳語選択対象語のうち最後
方の語の位置より後方の訳文に関して、オプショナル辞
書の訳語が生成されている箇所を検索し、その訳語が変
更された優先度に適合するものかどうかをチェックする
(ステップS606)。適合しない場合には、優先度に
そった訳語と入れ替えを行なう。
【0068】最後に、制御部13は訳語選択対象語のう
ちの最後方の語の位置より後方に訳文に対して、当該訳
語選択による訳語の学習の内容の反映を行なって全ての
処理を終了する(ステップS607)。
【0069】なお、上記実施形態では、後編集における
ユーザの着眼点(後処理の対象語)の移動は、訳語選択
によるもの以外は対象から外しているが、他の編集作業
の対象も含めて着眼点の最後方語を定めてもよい。
【0070】また、上記実施形態では、辞書間優先度の
変更や訳語選択による訳語の学習があると、着眼点の最
後方の位置より後の訳文に対して(必要ならば)訳語の
入れ替えを自動的に行なうようにしているが、自動的に
は行なわずに、再翻訳の指示があった文に対してのみ変
更された優先度の内容、訳語学習の内容を反映するよう
にする実施の方法も可能である。
【0071】以上説明したように、オプショナル辞書間
の優先度の初期設定が実際の文書の内容とは適合してい
ない場合でも、ユーザが訳語選択をすることにより、意
識せずとも文書に合った優先度へと自動調整することが
できる。この場合、訳語選択による訳語学習の内容は保
存されているので、優先度の自動調整が選択した訳語に
対して副作用を及ぼすこともない。
【0072】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、複数のオ
プショナル辞書を使用して翻訳処理を行う場合におい
て、指定されたオプショナル辞書の種類とその優先度に
基づいて翻訳処理で用いる辞書の優先度を決定後、訳語
選択の内容に基づいて優先度の変更の必要性を判断し、
優先度の変更が必要である場合に、最も訳語選択の多い
辞書を優先するように、その優先度の調整を行なうよう
にしたため、オプショナル辞書間の優先度の初期設定が
実際の文書の内容とは適合していない場合であっても、
ユーザが訳語選択を繰り返すうちに当該文書に適応した
優先度を自動的に導出できる。これにより、訳語選択毎
に優先度が調整されていくにつれて、初期設定の不適切
さに起因する訳語選択の手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る機械翻訳装置の構成
を示すブロック図。
【図2】上記機械翻訳装置の制御部における対話的翻訳
処理の流れを示すフローチャート。
【図3】上記機械翻訳装置においてユーザの訳語選択処
理をガイドする画面の一例を示す図。
【図4】上記機械翻訳装置の翻訳部における翻訳処理の
流れを示すフローチャート。
【図5】上記機械翻訳装置の優先度設定部における処理
の流れを示すフローチャート。
【図6】上記機械翻訳装置の制御部における後編集時の
処理の流れを示すフローチャート。
【図7】上記機械翻訳装置で用いられる頻度カウントテ
ーブルの内容を示す図。
【符号の説明】
11…入力部、 12…優先度設定部、 13…制御部、 13a…辞書指定手段、 13b…訳語選択手段、 14…翻訳部、 15…辞書部、 15a…形態素解析規則、 15b…構文・意味解析規則、 15c…変換規則、 15d…生成規則、 15e…標準辞書、 15f…専門用語辞書、 15g…ユーザ辞書、 15h…学習辞書、 16…出力部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自然言語を他の言語に変換するための複
    数の辞書を記憶した辞書記憶手段と、 翻訳対象となる第1の言語を入力する入力手段と、 上記辞書記憶手段に記憶された各辞書を用いて、上記入
    力手段によって入力された第1の言語を第2の言語に翻
    訳処理する翻訳手段と、 この翻訳手段によって得られた翻訳結果を出力する出力
    手段と、 上記辞書記憶手段に記憶された各辞書の中でオプショナ
    ル辞書の種類とその優先度を指定する辞書指定手段と、 上記出力手段によって出力された翻訳結果の中から訳語
    を選択する訳語選択手段と、 上記辞書指定手段によって指定されたオプショナル辞書
    の種類とその優先度に基づいて上記翻訳手段が翻訳処理
    で用いる辞書の優先度を決定し、かつ、上記訳語選択手
    段によって選択された訳語の選択内容に基づいて優先度
    の変更の必要性を判断し、優先度の変更が必要である場
    合に、オプショナル辞書の優先度の調整を行なう優先度
    設定手段とを具備したことを特徴とする翻訳装置。
  2. 【請求項2】 自然言語を他の言語に変換するための複
    数の辞書を記憶した辞書メモリを有し、 この辞書メモリに記憶された各辞書の中でオプショナル
    辞書として指定された辞書の種類とその優先度に従っ
    て、翻訳対象となる第1の言語を第2の言語に翻訳処理
    し、 その翻訳結果として得られる訳語の選択内容に基づいて
    優先度の変更の必要性を判断した後、 優先度の変更が必要である場合に、オプショナル辞書の
    優先度の調整を行なうにしたことを特徴とする辞書優先
    度設定方法。
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