JP3999773B2 - 機械翻訳プログラム、機械翻訳システム、機械翻訳方法 - Google Patents
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Description
機械翻訳システムにおける翻訳処理は、まず、入力原文を形態素解析して処理単位に分割し、次に構文解析・意味解析等によって、原言語の構文構造を分析して意味構造を構築し、続いて、翻訳辞書中に含まれる翻訳規則の中から当該入力文に適する翻訳規則を検索して適用し、対応する目的言語の構文、訳語を決定する。
最後に、決定した構文、訳語を所定の訳文生成規則に従って1次元的な第2言語の文字列に変換し、入力原文に対する訳文を得るようになっている。
但し、この自動判定のためにも知識が必要であり、現実にはあらゆるユーザが翻訳しようとするあらゆる種類の原文書に対応して、常に望ましい訳出方法を翻訳システムが自動的に選択していくというのは非常に困難である。
このため、ユーザは、原言語の語句に対する複数の訳語候補の中から、入力文書の種類やユーザの好みに応じて、適した訳語を個々に選択・学習する作業を行う必要がある。
このような自動訳語学習方式では、目的言語文書をユーザが用意することによって、そのユーザが翻訳させたい文書に適した自動的な訳語学習が可能になる。
「目的言語の単言語コーパスを利用した訳語学習方式」(言語処理学会第8回年次大会論文週、2002 Vol1.1、pp276−280)
特に、誤って登録したことに後になって気付いた場合や、翻訳に用いてみて登録した文書が適切でなかったことに気付いた場合など、どの文書を登録しなおせばよいかという情報すら明確でないことが多く、困難をきたしていた。
「対応文書ID」とは、当該DBを作成した際に登録した目的言語文書固有の識別情報、つまり文書IDである。
このDB8aの目的言語文書には「内容」として、キーワードや自然言語文を合わせて記憶させることができる。この「内容」は、DBや目的言語文書を検索するのに使われる。「共起情報」は、登録した文書の中に生起した共起関係を、頻度と相互情報量と対応付けた情報である。頻度と相互情報量を統計情報という。頻度と相互情報量には強度(強度情報)が設定可能である。
減算に先立ってユーザにより(3)の選択肢が選択された場合、強度の欄に例えば加算不要フラグの「1」が設定され、以降の更新処理では統計に関する新たな情報が加算されないように頻度を0に固定する。
また、減算の際に、表示画面から下記(1)、(2)のいずれか一方の選択肢がユーザにより選択された場合、DB管理部6は、選択された選択肢の強度に応じた削減処理を行う。(1)、(2)では強度自体が異なり、例えば(1)は頻度を単純減算とする、(2)は頻度を0に初期化するという選択肢であり、これらの中から一つを選択して設定可能である。詳細については図7の説明で詳述する。
また、ローカルマシン以外の任意の場所における目的言語文書の「格納場所」としては、例えばネットワーク上のサーバがあげられる。この場合、検索部6aは、削減モード時に、入力部1によりキー情報として入力された自然言語文あるいはキーワードに基づいてインターネット上の所定のサーバから関連する目的言語文書を検索し、ヒットした削減対象となる目的言語文書のリストを新たに作成し表示画面に表示する。
文書管理テーブル9の「文書ID」の例えば“3”の内容で、「格納場所」として、“管理フォルダ”と登録されているのは、DB管理部6が管理するファイルの保存場所である。ネットワーク上の文書を検索して、それを目的言語文書DB8に登録したが、ユーザ自身では、登録内容を管理したくなく、かつ検索した文書の保存だけはしておきたい、というものを管理する場所として“管理フォルダ”を用いる。この“管理フォルダ”は、インターネット上の一時的なページを目的言語文書DB8に登録した場合等にも使われる。
変換処理が終了すると、翻訳部3は、訳語選択処理(ステップS504)を開始する。
訳語選択処理は、目的言語構造中の各要素について、訳語が一意に決められているかどうかをチェックし、一意に決まっておらず、複数の訳語が出力された見出し語について、目的言語文書DB8中の統計情報と照合し、訳語間の優先順の調整を行う。
具体的には、複数の訳語があてられた個々の見出し語ごとに以下のような判定と処理を行う。
(1)目的言語文書DB8中の共起関係情報中から当該見出し語にあてはまる関係を選び出す。(訳語候補のどれかが共起関係情報に挙がっているかどうかをチェックする。)
↓
共起関係の種類と入力文の解析構造を照合し、当てはまるものを見つける。
↓
予め定めた頻度閾値ないしは相互情報量閾値以上であれば、共起関係情報に挙がっている訳語を訳語候補の再優先訳語とする。
(2)目的言語文書DB8中の単語頻度情報中から当該見出し語にあてはまるものを選び出す。(訳語候補のどれかが単語頻度情報にリストされているかどうかをチェックする。)
↓
予め定めた頻度閾値以上であれば、単語頻度情報にリストされている訳語を訳語候補の再優先訳語とする。
表示画面に表示された検索結果リストを確認したユーザが、特定のDBを選択する操作を行った場合(ステップS605のYes)、制御部2は、指定されたDBの実体を同定し、翻訳処理の準備としてデータベースファイルをオープンし(ステップS606)、処理を終了する。それ以外の操作であった場合(ステップS605のNo)、制御部2は、ステップS602の処理に戻り、指示された命令に沿った処理を行う。
また、ユーザの指示操作が、データベース指定処理の終了であった場合(ステップS607のYes)、制御部2は、画面を閉じて処理を終了する。
このようにこの動作例では、ユーザは、目的言語文書DBの名前を直接指定しなくとも、自然言語検索で所望のDBを選び、翻訳に用いることができる。
(2)既存のDBに新たに目的言語文書を登録する。
(=特定の目的言語文書内の統計情報を既存DBに加算する)
(3)既存のDBに対して、特定の目的言語文書の内容分の内容キャンセルを行う
(=特定の目的言語文書内の統計情報を既存DBから減算する)
ユーザからの指示命令が上記(1)である場合(ステップS701のYes)、制御部2は、処理モードを「追加」(「mode」=「add」)に設定した上で、表示画面にデータベース名の指定欄を表示して、新規作成するデータベース名をユーザに指定(入力)させ、指定(入力)されたデータベースファイルをオープンする(ステップS702)。その後、ステップS707の目的言語文書の指定処理に進む。
この実施形態では、DB指定処理は、図6を用いて説明した「翻訳に用いるDBの指定処理」と同じ処理を行うので、ここでの再度の説明は省略する。
データベース指定処理の後、制御部2は、目的言語文書を指定する処理を行う。
この目的言語文書指定処理において、処理モードが「追加」(「mode=add」)のとき、制御部2は、新規に登録する文書を指定する欄を表示して、ユーザに文書の指定を行わせる。
文書の指定処理の流れの大枠は、図6を用いて説明したDBの指定処理と共通であるので、ここでは新たに図を設けず、図中の判断・処理内容を適宜読み変え、違いに焦点をあてて説明する。
ステップS602:目的言語文書名の指定
例えばWindowsなどのOSに標準で備わっている「参照」機能を用いてファイルの指定ができる。なおWindowsは登録商標である。
ステップS604:検索実行、結果リスト表示
「mode=delete」の場合は、減算対象とする文書は、文書管理テーブル9の文書管理情報として登録されているものを優先して検索を実行する。一般に検索対象は、ユーザの指示によりローカルマシン内とされるが、この実施形態の検索部6aは、ローカルマシンの外、つまりネットワーク上のサーバコンピュータや外部記憶装置へアクセスし、例えばインターネット上のサーバコンピュータに保持されている目的言語文書の検索も可能である。つまりインターネットを利用し広い範囲の文書の指定が可能である。
ステップS606:指定文書ファイルの同定、ファイルの取得/オープン
検索結果リストから指定された文書ファイルの実体を取得しファイルのオープンを行う。
ステップS702、S705、S707で更新先のDBと更新の材料となる目的言語文書ファイル(目的言語文書データ)が特定されると、設定された「mode」に応じて、それぞれDB中の統計情報の加算処理、減算処理が行われる。
この機械翻訳システムでは、翻訳時に用いる目的言語文書DB8を指定するために検索部6aを設けており、この検索部6aを介してキーワードや自然言語文を使って、数あるDBの中から翻訳対象文書に適したDBを選択できる。
また、この機械翻訳システムでは、一旦、目的言語データや目的言語文書を登録して作成した目的言語文書DB8から、特定の目的言語文書を指定して、その内容分の統計情報を少なくとも含む情報をDBから減算するので、目的言語文書DB8を容易に減算更新することができる。減算する文書、データを指定するために、キーワードや自然言語文による検索部6aを設けたので、ユーザは、前に自然言語で登録した文を忘れていても、簡単な操作で、減算する目的言語文書、目的言語データを指定することができる。
また、一旦登録した内容を削除する際に、今後の登録への影響度を「強度」の形で指定できるようにすることで、一時的な削除だけでなく、今後の登録へ削除処理を波及させることができる。
さらに、実際の翻訳で訳語選択の副作用を見付けたときに、選択のキーとなった統計情報をクリアしてDB格納情報を最適化できる。
この第2の実施形態では、上記図7のステップS711の減算処理において、「強度」を指定する処理を追加する。ユーザが目的の文書の統計情報を削除する際に、下記(3)を指定した場合、DB管理部6は、該当する情報の「強度」の欄に強度情報として、以降、統計への加算を不可とするフラグ「1」を書き込む。
また、目的の文書の統計情報を削除する際に、(1),(2)を指定した場合、該当する下記(1),(2)の強さで頻度の情報を更新する。
なお、この強度の指定内容は、一例に過ぎず、この他、さまざまな選択肢の与え方を行ってもよい。例えば文書管理テーブル9に強度情報と選択肢を設定してもよい。
(2)頻度は0に初期化する。
(3)今後の更新処理で加算されないように頻度を0に固定する。
(1)の選択肢は、当該目的言語文書の統計情報を単純にマイナスする処理とする。
(2)の選択肢は、当該目的言語文書の分析で抽出された共起情報、単語に関する情報を全てクリアする処理とする。
(3)の選択肢は、今後の更新処理で再び加算されないように、共起情報、単語情報の強度の欄に加算不要フラグの「1」を設定し、加算不要フラグがセットされている共起情報、単語情報は、以降の「加算処理」では変更は行わないように制御部2によって制御される。
また、過去に登録した文書の名前と内容をDB毎にすべてユーザが記録しておかなくとも、システム側が自動的に管理し、検索機能を使って、所望の文書やDBを選び出すことができる。
さらに、減算の強度を指定することで、一時的な減算だけでなく、将来的な情報の固定も指定でき、特定分野の翻訳に望まない特定の統計情報が後の更新処理で再度登録されることを排除することができる。
目的言語文書DBを用いた翻訳結果から、訳語選択のキーとなったDBは同定できる。
この第3の実施形態では、図1に示したような構成に、ユーザが特定の訳語を指定する訳語指定手段と、翻訳時にどの訳語がどの統計情報により選択されたかの情報を保持する統計情報同定手段とを追加する。
(1)当該統計情報を単純にクリアする。
(2)当該統計情報が後にも加算されないように頻度を0に固定する。
Claims (9)
- コンピュータを、
原言語から目的言語へ翻訳するために前記目的言語による少なくとも1つの目的言語文書に基づいて分野毎に構築され、分野を示すデータベースの名称、前記目的言語文書固有の識別情報、文書を検索するためのキーワードおよび/または自然言語文、前記文書の中に生起した単語同士の共起関係を、その発生頻度の値に対応付けた共起情報を含む項目で目的言語文書情報が記憶された複数のデータベースと、
前記複数のデータベースの情報を追加または削減するための動作モードの設定と、削減の対象となる目的言語文書あるいは目的言語データを指定するための自然言語文またはキーワードを入力する入力手段と、
削減モードにおいて、前記入力手段により入力されたキーワードおよび/または自然言語文を検索キーとして前記複数のデータベースの少なくとも一つのデータベースに記憶されている削減対象の目的言語文書および/または作成済み目的言語データを指定する指定手段と、
作成済みの目的言語データが格納されたデータベースの名称と、前記データベースを作成する際に使用した文書名とその格納場所、前記発生頻度の値を固定、減算または加算する指標となる強度情報を記憶する文書管理テーブルと、
前記指定手段により指定された前記削減対象の目的言語文書固有の識別情報および/または作成済み目的言語データを検索キーにして前記文書管理テーブルを参照し、前記削減対象の目的言語文書および/または作成済み目的言語データが記憶されているデータベースを特定する特定手段と、
前記文書管理テーブルの強度情報に基づいて、特定された前記データベースの該当目的言語文書の共起情報の発生頻度の値を固定、減算または加算して前記データベースを更新する更新手段
として機能させるための機械翻訳プログラム。 - 前記文書管理テーブルに管理されている、前記データベースと目的言語文書との対応関係を画面に表示する手段として前記コンピュータを機能させることを特徴とする請求項1記載の機械翻訳プログラム。
- 前記指定手段は、
前記入力された自然言語文あるいはキーワードに基づいて前記データベースを検索し、削減対象となる目的言語文書のリストを画面に表示し、そのリストの中から選択を促す手段を有することを特徴とする請求項1記載の機械翻訳プログラム。 - 前記入力された自然言語文あるいはキーワードに基づいてローカルマシンあるいはそれ以外の任意の場所から関連する目的言語文書を検索し、削減対象となる目的言語文書のリストを画面に表示し、そのリストの中から選択を促す手段を有することを特徴とする請求項1に記載の機械翻訳プログラム。
- 前記画面に表示されたリストの中から選択された目的言語文書、あるいは目的言語文書とデータベースとの組を削減対象の情報とすることを特徴とする請求項3または4いずれか記載の機械翻訳プログラム。
- 前記強度情報は、
前記データベースの共起情報の各単語に付されている発生頻度の値を減算する第1の選択肢、前記発生頻度の値をゼロに初期化する第2の選択肢、今後の更新処理で加算されないように前記発生頻度の値をゼロに固定する第3の選択肢のすくなくとも一つの選択肢を有することを特徴とする請求項1記載の機械翻訳プログラム。 - 指定された特定の訳語と、訳語選択のキーとなった前記データベース中の統計情報とを同定する統計情報同定手段と、
同定された統計情報を削除する手段
として前記コンピュータを機能させることを特徴とする請求項1記載の機械翻訳プログラム。 - 原言語から目的言語へ翻訳するために前記目的言語による少なくとも1つの目的言語文書に基づいて分野毎に構築され、分野を示すデータベースの名称、前記目的言語文書固有の識別情報、文書を検索するためのキーワードおよび/または自然言語文を、登録した文書の中に生起した単語同士の共起関係を、その発生頻度の値に対応付けた共起情報を含む項目で目的言語文書情報が記憶された複数のデータベースと、
前記複数のデータベースの情報を追加または削減するための動作モードの設定と、削減の対象となる目的言語文書あるいは目的言語データを指定するためのキーワードおよび/または自然言語文を入力する入力手段と、
削減モードにおいて、前記入力手段により入力された自然言語文またはキーワードを検索キーとして前記複数のデータベースの少なくとも一つのデータベースに記憶されている削減対象の目的言語文書および/または作成済み目的言語データを指定する指定手段と、
作成済みの目的言語データが格納されたデータベースの名称と、前記データベースを作成する際に使用した文書名とその格納場所、前記発生頻度の値を固定、減算または加算する指標となる強度情報を記憶する文書管理テーブルと、
前記指定手段により指定された前記削減対象の目的言語文書固有の識別情報および/または作成済み目的言語データを検索キーにして前記文書管理テーブルを参照し、前記削減対象の目的言語文書および/または作成済み目的言語データが記憶されているデータベースを特定する手段と、
前記文書管理テーブルの強度情報に基づいて、特定された前記データベースの該当目的言語文書の共起情報の発生頻度の値を固定、減算または加算して前記データベースを更新する更新手段と
を具備したことを特徴とする機械翻訳システム。 - 原言語から目的言語へ翻訳するために前記目的言語による少なくとも1つの目的言語文書に基づいて分野毎に構築され、分野を示すデータベースの名称、前記目的言語文書固有の識別情報、文書を検索するためのキーワードおよび/または自然言語文を、登録した文書の中に生起した単語同士の共起関係を、その発生頻度の値に対応付けた共起情報を含む項目で目的言語文書情報が記憶された複数のデータベースの情報を削減するにあたり、削減の対象となる目的言語文書あるいは目的言語データを指定するキーワードおよび/または自然言語文が入力手段から入力された場合、前記指定手段が、入力された前記キーワードおよび/または自然言語文を検索キーとして前記複数のデータベースの少なくとも一つのデータベースに記憶されている削減対象の目的言語文書および/または作成済み目的言語データを指定するステップと、
特定手段が、指定された前記削減対象の目的言語文書固有の識別情報および/または作成済み目的言語データを検索キーにして、作成済みの目的言語データが格納されたデータベースの名称と、前記データベースを作成する際に使用した文書名とその格納場所、前記発生頻度の値を固定、減算または加算する指標となる強度情報を記憶する文書管理テーブルを参照し、前記削減対象の目的言語文書および/または作成済み目的言語データが記憶されている該当データベースを特定するステップと、
更新手段が、前記文書管理テーブルの強度情報に基づいて、特定された前記データベースの該当目的言語文書の共起情報の発生頻度の値を固定、減算または加算して前記データベースを更新するステップと
を有することを特徴とする機械翻訳方法。
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