JPH0980960A - 画像形成装置及び定着器ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】用紙８上のトナー像をフラッシュの光により融
着させる定着器ユニット９を設けた画像形成装置におい
て、装置の大きさを変えずに、フラッシュ定着の面積を
拡張して装置の高速化に対応する。合わせて、緊急停止
時の用紙のたるみにより、用紙８が定着器ユニット９の
ガラスに接触してガラスを汚すことや、用紙８の焦げを
防止する。 【解決手段】定着器ユニット９の用紙対向面を湾曲構造
にするとともに、該湾曲面に沿うように略一定の間隙を
設けて用紙８を搬送させる用紙ガイド１３を前記定着器
ユニット９に対して進退動可能な構造として、緊急停止
時に用紙ガイド１３を退避させる構造にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置に使
用される定着器ユニット及び画像形成装置に関し、詳し
くは、ガラス面を湾曲させた定着器ユニット及び、該定
着器ユニットを使用し、該ガラス面に沿うように一定の
間隙を設けて用紙を搬送する用紙ガイドを設け、定着部
の用紙搬送経路を湾曲状の軌道にして定着面積を拡張
し、高速化に対応するとともに、障害時はガイドを下げ
て用紙を定着器から離間させる画像形成装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、画像形成装置には図８に示すとお
り、感光ドラム２に形成されたトナー像を転写ユニット
６で用紙８に転写した後、この用紙８上のトナーを定着
させる定着器ユニット９１が設けられている。かかる定
着器ユニットの一例を図３により説明すれば、定着器ユ
ニット９１は筐体３１の内部にキセノン管３２と、前記
キセノン管３２の背面にフラッシュ光を効率よく用紙側
に反射させる図示しない反射板とを有し、前記キセノン
管３２の前面に位置するように透明なガラス板３３を設
けて構成されている。

【０００３】この定着器ユニット９１は図５に示すとお
り用紙ガイド１１と一定の距離を離してガラス面を該用
紙ガイドに対向させて、該用紙ガイドとガラス面とを平
行にして配置している。そして図８に示すとおり、用紙
８に感光ドラム２からトナー像を転写し、上面にトナー
像を担持した該用紙８がスカッフローラ１７により用紙
ガイド１１を通って定着器ユニット９１の下へ案内さ
れ、該定着器ユニットに内蔵されたキセノン管３２のフ
ラッシュ光により用紙８上のトナーを加熱溶融させ、ト
ナーを用紙８に定着する。

【０００４】定着後の用紙８はスカッフローラ１７でス
イングガイド１８に送られ、該スイングガイド１８にて
折り畳まれ、スタッカーテーブル１９に溜められる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、より高
速で印字させる場合は、用紙８の搬送スピードの高速化
に合わせてキセノン管３２のフラッシュ回数を時間当た
り多くするか、又は、キセノン管３２を用紙移動方向に
複数個並べ、フラッシュ面積を広くするかどちらかであ
るが、前者のフラッシュ回数はキセノン管の寿命との関
係で上限があり、後者はキセノン管３２を複数個用紙の
移動方向に並べるため大きな面積を持ったフラッシュ定
着器を必要とし、装置が大きくなる問題があった。

【０００６】また、別な問題として装置が緊急停止した
場合、用紙８がたるみ、高温になっている定着器のガラ
ス板３３や筐体３１に接触してガラス面を汚したり、用
紙の焦げ、及び発煙の可能性があった。本発明は上記の
事情に鑑みなされたもので、定着部の用紙搬送経路を湾
曲状の軌道にして定着面積を拡張させ、高速化に対応す
る。

【０００７】併せて、用紙停止時に用紙をガラス面から
離すように用紙ガイドを移動させることで、万一、装置
が緊急停止しても用紙がたるんで定着器ユニットのガラ
ス面等に接触しないようにした画像形成装置及び定着器
ユニットを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、請求項１に係る装置は、図１に示すように、用紙
８上のトナーをフラッシュランプの光により融着させる
定着器ユニット９を設けた画像形成装置において、前記
定着器ユニット９の用紙対向面を湾曲構造にするととも
に、該湾曲面に沿うように略一定の間隙を設けて用紙８
を搬送させる用紙ガイド１３を設けた。

【０００９】請求項２に係る装置は、図６に示すよう
に、用紙８上のトナーをフラッシュランプの光により融
着させる定着器ユニット９を設けた画像形成装置におい
て、前記定着器ユニット９の用紙対向面側に沿うように
略一定の間隙を設けて用紙８を搬送させる用紙ガイド１
３を設け、前記定着器ユニット９または用紙ガイド１３
を進退動可能な構造とした。

【００１０】請求項３に係る装置は、図４に示すよう
に、用紙上のトナーをガラス板３５を介してフラッシュ
ランプの光により融着させる画像形成装置用定着器ユニ
ットであって、搬送される用紙８と一定の間隙を介して
対向する前記ガラス板３５を湾曲させた。上記のよう
に、定着ユットの用紙対向面を湾曲構造とすることによ
り、用紙搬送路が長くなりフラッシュ露光される面積が
増大されるので、装置の大きさを変えずに搬送系を高速
にでき、装置の高速化に対応可能となる。

【００１１】また、用紙ガイド１３を定着ユニット９に
対して進退動可能としたので、紙詰まりなどの異常発生
時に用紙ガイド１３を退却させ、用紙８がガラス面など
に接触し、ガラス面の汚れや用紙８の損傷が発生すのこ
とを防止できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明を、実施例により添
付図面を参照して説明する。図１は本発明の一実施例を
説明する図である。本発明の画像形成装置は図１に示す
とおり、感光ドラム２の周囲に、その回転方向Ａの順に
前帯電器３と光学ユニット４と現像器ユニット５と転写
ユニット６とクリーナ７とを有している。

【００１３】そして画像形成装置１は、前帯電器３にて
感光ドラム２の表面を一様帯電させ、光学ユニット４に
て前記感光ドラム２上に静電潜像を画像形成し、現像器
ユニット５のトナーにて感光ドラム２上の静電潜像を現
像する。一方、前記感光ドラム２の上流側には用紙搬送
トラクタ１２を設け、用紙８を感光ドラム２と転写ユニ
ット６の間に搬送し、該転写ユニット６にて感光ドラム
２上のトナー像を用紙８に転写する。

【００１４】転写後の感光ドラム２に残ったトナーはク
リーナ７で清掃回収され、続いて前帯電器３の下に移動
して、上記工程を繰り返す。転写ユニット６の下流側に
は、図４に示すように円弧状のガラス板３５を用紙対向
面に設け、用紙対向面を湾曲構造とした定着器ユニット
９と、図１に示すように前記定着器ユニットの下部の湾
曲面に沿うように一定の間隙を設けて用紙８をガイドす
る用紙ガイド１３とを設け、転写後の用紙８を定着器ユ
ニットの下へ搬送し、前記定着器ユニット９に内蔵させ
たキセノン管３２（図４参照）をフラッシュさせて、用
紙８上のトナーを熱溶融し、永久像として用紙８に定着
する。

【００１５】続いて、定着された用紙８は、スカッフロ
ーラ１７を介してスイングガイド１８に搬送され、スイ
ングガイド１８にて折り畳まれてスタッカーテーブ１９
に載置され一連の印刷処理を終了する。図６は本発明の
トナー定着手段で、定着器ユニットと用紙ガイドとの動
きを詳細に説明する図である。

【００１６】図６に示すとおり、トナー定着手段は、用
紙対向面を湾曲構造とした定着器ユニット９と、該定着
器ユニット９の下部の湾曲面に沿うように一定の間隙を
設けて用紙をガイドする用紙ガイド１３と、該ガイドを
前記定着器ユニット９に接近、あるいは離反させるソレ
ノイドあるいはモータとカムの組み合わせ等からなる用
紙ガイド上下駆動手段２１と、該用紙ガイド上下駆動手
段２１を制御する制御装置２２とを有している。

【００１７】印刷時のトナー定着処理を実施している場
合は、用紙ガイド１３の円弧状のガイド先端は、前記用
紙ガイド上下駆動手段２１の働きにより、図６の実線で
示すように用紙搬送路の高さＨよりも高い位置ＨＨにあ
る。従って、用紙８の定着経路は円弧状の経路となり、
従来の直線の定着経路よりも定着経路が長くなる。

【００１８】従って、キセノン管３２のフラッシュ光の
照射される面積が従来装置より増大されるので、用紙の
搬送速度を増加することが可能となり、画像形成装置の
高速化に対応可能となる。また、この定着器ユニット９
のガラス面を湾曲構造としたため、用紙８を定着器で覆
った構造となり、従来の定着器ユニットの時よりもトナ
ーの熱溶融面への空気の流れ込みを防止でき、フラッシ
ュ光だけでなく、周囲の余熱も利用可能で、トナーの定
着効率が良くなる効果がある。

【００１９】また、前記構成にしたことにより、もし装
置に異常が発生して用紙を緊急停止させる事態が発生し
ても、用紙ガイド上下駆動手段２１を動作させ、前記用
紙ガイド１３の円弧状のガイド先端を用紙搬送路の高さ
よりも更に下（点線の高さ）ＨＬになるように退避させ
ると、用紙搬送トラクタ１２（図１参照）とスカッフロ
ーラ１７（図１参照）とで用紙８に直前まで掛けていた
テンションの働きにより、用紙８は点線に示す用紙搬送
路の直線位置Ｈまで降下し、完全に定着器ユニット９か
ら離間させることが出来る。

【００２０】従って、用紙が緊急停止しても、高温にな
っている定着器ユニット９のガラス面に用紙が接触する
こと無く、ガラス面の汚れや、用紙の損傷が防止でき
る。更に、別の実施例として図２に示すとおり、定着器
ユニット９の別な設置場所として、従来の定着後の用紙
８をスタッカテーブル１６へ落とし込む湾曲したコーナ
に設けても良い。

【００２１】この場合はコーナの湾曲部を用紙ガイドと
して前記同様の動作をさせることにより、従来の定着部
のスペースを省略して搬送経路を短くでき、従って装置
の小型化が図れる。更に、別の実施例として図７に示す
とおり、定着器ユニットは従来の形状の装置を使用し、
前用紙ガイド２３ａ，中央用紙ガイド２３ｂ，後用紙ガ
イド２３ｃのいずれか１つに前記用紙ガイド上下駆動手
段２１を設け、（図７では中央用紙ガイド２３ｂに用紙
ガイド上下駆動手段２１を設けている。）紙詰まりにな
どの異常発生時に前記用紙ガイド２３ａ〜２３ｃを退却
させ、（図７では中央用紙ガイド２３ｂを点線で示す位
置まで退却させる。）用紙８を定着器ユニット９から離
間させることにより、ガラス面の汚れや用紙の焦げや発
煙などの損傷を防止できる。

【００２２】更に、前記実施例の説明では用紙ガイドを
定着ユニットに対して進退動可能としたが、定着ユニッ
トを進退動可能としも同様の効果が得られる。なお、用
紙ガイド１３を押し上げた場合、該用紙ガイドの両端部
で用紙８が、用紙ガイド１３に沿わず、浮いた状態にな
り、定着ユニット９に接触する恐れがあるが、この用紙
８の浮き上がり防止のため、用紙８の未定着部分、例え
ば用紙搬送用穴の部分を図示しないローラ等で用紙ガイ
ド１３に押し付け、用紙８を強制的に用紙ガイドに沿わ
せることにより防止できる。

【００２３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、定着部の搬送路を湾曲状にしたことにより、従
来の装置よりフラッシュ定着の面積が拡大し、装置の大
きさを変えずに搬送系を高速にでき、画像形成処理の高
速化が可能になる。また、用紙ガイドを定着ユニットに
対して進退動可能としたので、紙詰まりになどの異常発
生時に用紙ガイドを退却することにより、用紙がガラス
面などから充分離間され、ガラス面の汚れや用紙の焦げ
や発煙などの損傷が防止できる優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例による画像形成装置の要部
を示す構成図である。

【図２】 本発明の別実施例による画像形成装置の要部
を示す構成図である。

【図３】 従来のフラッシュ定着器の構造を説明する図
である。

【図４】 本発明のフラッシュ定着器の構造を説明する
図である。

【図５】 従来の定着器ユニットの問題点を説明するた
めの図である。

【図６】 本発明のトナー定着手段で、定着器ユニット
と用紙ガイドとの動きを詳細に説明する図である。

【図７】 本発明の別実施例のトナー定着手段で、定着
器ユニットと用紙ガイドとの動作を詳細に説明するため
の図である。

【図８】 従来の画像形成装置の要部を示す構成図であ
る。

【符号の説明】

１ 画像形成装置 ２ 感光ドラム ３ 前帯電器 ４ 光学ユニット ５ 現像器ユニット ６ 転写ユニット ７ クリーナ ８ 用紙 ９、９１ 定着器ユニット １１ 用紙ガイド １２ 用紙搬送トラックタ １３ 用紙ガイド １７ スカッフローラ １８ スイングガイド １９ スタッカテーブル ２１ 用紙ガイド上下駆動手段 ２２ 制御装置 ２３ａ 前用紙ガイド ２３ｂ 中央用紙ガイド ２３ｃ 後用紙ガイド ３１、３４ 筐体 ３２ キセノン管 ３３ 平面ガラス板 ３４ 円弧状ガラス板 Ａ 感光ドラムの回転方向

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙上のトナーをフラッシュランプの
   光により融着させる定着器ユニットを設けた画像形成装
   置において、 前記定着器ユニットの用紙対向面を湾曲構造にするとと
   もに、該湾曲面に沿うように略一定の間隙を設けて用紙
   を搬送させる用紙ガイドを設けたことを特徴とする画像
   形成装置。
2. 【請求項２】 用紙上のトナーをフラッシュランプの
   光により融着させる定着器ユニットを設けた画像形成装
   置において、 前記定着器ユニットの用紙対向面側に沿うように略一定
   の間隙を設けて用紙を搬送させる用紙ガイドを設け、前
   記定着器ユニットまたは用紙ガイドを進退動可能な構造
   としたことを特徴とする画像形成装置。
3. 【請求項３】 用紙上のトナーをガラス板を介してフ
   ラッシュランプの光により融着させる画像形成装置用定
   着器ユニットであって、 搬送される用紙と一定の間隙を介して対向する前記ガラ
   ス面を湾曲させたことを特徴とする画像形成装置用定着
   器ユニット。