JPH0979071A - 内燃機関の空燃比学習制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比学習制御装置

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JPH0979071A
JPH0979071A JP7231659A JP23165995A JPH0979071A JP H0979071 A JPH0979071 A JP H0979071A JP 7231659 A JP7231659 A JP 7231659A JP 23165995 A JP23165995 A JP 23165995A JP H0979071 A JPH0979071 A JP H0979071A
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air
fuel ratio
learning
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JP7231659A
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Masao Nakamura
正生 中村
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】運転領域を段階的に狭めて行なわれる運転領域
別空燃比学習において、空燃比バラツキが大きい場合で
も、早期に初期学習を終了できる。 【解決手段】学習値KBLRCnewが、リミット値の範囲内に
収まっているか否かを判断し(S30)、収まっている
ときには、S31へ進み、そのまま学習値KBLRCnewを新
たな更新値KBLRC としてマップを書き換える(S3
3)。収まっていないときには、S32で、学習値KBLR
Cnewを採用せず、更新値KBLRC をリミット値(B或いは
B’)に制限する。このリミット値を、通常学習時に比
べて、初期学習時には大きく設定するようにする。これ
により、空燃比バラツキが大きく、学習しても、空燃比
フィードバック補正係数LMDが基準値±2%の範囲に
収束できず、初期学習の終了判定が行なえなくなり、以
って通常学習への移行やアイドル運転時のクランプ制御
が行なえなくなるといった惧れを解消できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の空燃比学
習制御装置に関し、詳しくは、自動車用内燃機関におけ
る吸入混合気の空燃比を目標空燃比にフィードバックす
るための補正値の学習制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空燃比フィードバック補正制御機
能をもつ電子制御燃料噴射装置を備えた内燃機関におい
ては、特開昭60−90944号公報,特開昭61−1
90142号公報等に開示されるように、空燃比の学習
制御が採用されているものがある。
【0003】空燃比フィードバック補正制御は、目標空
燃比(例えば理論空燃比)に対する実際の空燃比のリッ
チ・リーンを機関排気系に設けた空燃比センサにより判
別し、該判別結果に基づき空燃比フィードバック補正係
数LMDを比例・積分制御などにより設定し、機関吸入
空気量Q又は吸気圧力PBと機関回転速度Nとに基づい
て算出される基本燃料噴射量Tpを、前記空燃比フィー
ドバック補正係数LMDで補正することで、実際の空燃
比を目標空燃比にフィードバック制御するものである。
【0004】ここで、前記空燃比フィードバック補正係
数LMDの基準値からの偏差を、機関負荷や機関回転速
度などの機関運転条件に基づき複数に区分された運転領
域毎に学習して学習補正係数KBLRC(空燃比学習補正値、
以下単に学習値とも言う)を定め、基本燃料噴射量Tp
を前記学習補正係数KBLRC により補正して、補正係数L
MDなしで得られるベース空燃比が略目標空燃比に一致
するようにし、空燃比フィードバック制御中は更に前記
補正係数LMDで補正して燃料噴射量Tiを演算するよ
う構成された空燃比学習制御装置がある。
【0005】かかる空燃比学習により、運転条件によっ
て異なる空燃比補正要求に対応した燃料補正が行え、空
燃比フィードバック補正係数LMDを基準値付近に安定
させて、空燃比制御性を向上させることができる。とこ
ろで、前記運転領域別の空燃比学習補正係数KBLRC は、
前述のように運転条件の違いによる空燃比補正要求の違
いに対応すべく設定されるものであるから、運転領域を
極力細かく区分して学習させれば、それだけ学習精度が
向上することになる。しかしながら、運転領域を細かく
区分して狭い運転領域毎に学習させるようにすると、そ
れぞれの運転領域における学習機会が減少し、学習の収
束性が悪化すると共に、学習済領域と未学習領域とが混
在することになって、運転領域間で大きな空燃比段差が
発生してしまうという問題がある。
【0006】そこで、本出願人は、学習初期は大きな範
囲の運転領域における学習から行わせ、学習の進行と共
に学習させる運転領域を徐々に狭めるように構成し、初
期の学習収束性と運転条件別の学習精度との両立を図っ
た空燃比学習装置を先に提案している(実開昭63−4
5043号公報,特願平1−282883号公報,特願
平3−175235号公報等参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に学習運転領域を学習進行に応じて徐々に狭めるように
する場合、比較的大きな運転領域で学習を行わせる初期
学習においては、以下のような制御ロジックとなってい
た。即ち、 アイドル条件を含む初期学習領域において初期学習が
終了していないときには、早期に学習を収束させるため
にアイドル運転時でも学習を進行させる。
【0008】このため、アイドル運転中であっても、
初期学習中は、空燃比フィードバック制御が行なわれ空
燃比フィードバック補正係数LMDはクランプされな
い。 上記初期学習進行中に逐次得られる初期学習値を燃料
噴射量Tiに反映させ、上記空燃比フィードバック補正
係数LMDが所定値(基準値)±2%の範囲内に収束し
たら、初期学習を終了させ、アイドル運転時においては
空燃比フィードバック補正係数LMDをクランプさせ
る。
【0009】なお、初期学習における学習値リミッタ
は、通常学習(初期学習後に行なわれる学習運転領域を
更に細かく区分した運転領域別の学習)時と同一の値を
使用するようになっている。前記学習値リミッタは、誤
学習や運転性,排気性能等の面を考慮して決定されてい
るものである。このため、例えば、アイドル運転時を含
む初期学習エリアで空燃比バラツキが大きく(空燃比セ
ンサや燃料噴射弁等の劣化等に起因)、図12に示すよう
に、初期学習値(A+B)が前記学習値リミッタ(A)
を越えるような場合には、学習値がリミット値(A)に
制限されてしまうので、その差分(B)を吸収できない
まま空燃比フィードバック制御が行なわれることになる
ので、空燃比フィードバック補正係数LMDが所定値
(基準値)±2%の範囲内に収束することができず、初
期学習を終了できなくなる惧れがある。このような場合
には、例えば、アイドル運転時において、いつまでも空
燃比フィードバック補正係数LMDをクランプすること
ができない事態となり、以ってアイドル運転性(回転変
動)や排気性能等を悪化させてしまう惧れがあった。
【0010】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、空燃比学習を行わせる運転領域を学習進行と共に
狭めて行くよう構成された空燃比学習制御装置におい
て、空燃比バラツキが大きい場合でも、早期に初期学習
制御を終了させることができるようにして、以って学習
の収束性と学習精度とを高めることができるようにする
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため本発明の請求項
1に記載の発明にかかる内燃機関の空燃比学習制御装置
は、図1に示すように、機関吸入混合気の空燃比を検出
する空燃比検出手段と、該空燃比検出手段で検出された
空燃比と目標空燃比とを比較して実際の空燃比を前記目
標空燃比に近づけるように空燃比フィードバック補正値
を演算する空燃比フィードバック補正値演算手段と、機
関運転条件に基づき複数に区分される各運転領域別に前
記空燃比フィードバック補正値の基準値からの偏差を学
習し、該学習結果を空燃比学習補正値として前記運転領
域毎に更新して記憶する空燃比学習手段と、該空燃比学
習手段において空燃比フィードバック補正値を学習する
各運転領域の領域範囲を学習進行に応じて狭めるよう
に、運転領域の区分数を学習の進行に応じて段階的に増
大させる学習区分数制御手段と、前記空燃比フィードバ
ック補正値演算手段で演算された空燃比フィードバック
補正値及び前記空燃比学習手段に記憶された該当運転領
域の空燃比学習補正値に基づいて機関吸入混合気の空燃
比を調整する空燃比調整手段と、を備えた内燃機関の空
燃比学習制御装置において、前記学習区分数制御手段
が、学習する各運転領域の領域範囲を所定の最小区分数
で制御しているときに、区分された複数運転領域の中の
運転状態に応じて選択された該当運転領域において、前
記空燃比フィードバック補正値が基準値に対して所定範
囲内に収束したことに基づいて、該当運転領域における
学習終了を判定し、該学習終了判定に基づいて運転領域
の区分数を増大させるように構成された場合に、学習す
る各運転領域の領域範囲を所定の最小区分数で制御して
いるときの空燃比学習補正値を規制する上下限値を、運
転領域の区分数を増大させて制御しているときの空燃比
学習補正値を規制する上下限値より拡大して設定する第
1空燃比学習補正値上下限値設定手段を含んで構成し
た。
【0012】なお、前記第1空燃比学習補正値上下限値
設定手段を、請求項2に記載の発明のように、学習する
各運転領域の領域範囲を所定の最小区分数で制御してい
るときには、空燃比学習補正値を規制する上下限値を設
けず、運転領域の区分数を増大させて制御しているとき
にのみ空燃比学習補正値を規制する上下限値を設定する
第2空燃比学習補正値上下限値設定手段に置き換えるこ
ともできる。
【0013】上記構成によれば、まず、運転領域を例え
ば4つに大きく区分して、かかる区分領域での補正要求
を学習(以下、初期学習とも言う)し、この初期学習が
終了した段階で、かかる初期学習の結果を踏まえてより
区分数を大きくして細かく区分した運転領域別の学習
(以下、通常学習とも言う)へと移行させ、これによ
り、学習の収束性と学習精度との両立を図ることができ
る。なお、運転領域を大きく区分して学習する初期学習
において空燃比バラツキが大きく、初期学習終了判定が
行なわれ難いような場合には、通常学習にいつまでも移
行できず、結局、学習の収束性と学習精度の向上を図れ
なくなるが、本発明では、初期学習中にあっては空燃比
学習補正値を規制する上下限値(以下、リミット値とも
言う)を拡大して設定する(或いは上下限値自体を設け
ない)ようにして、空燃比バラツキが大きくても初期学
習を早期に終了させ、通常学習へ速やかに移行できるよ
うにしたので、以って学習の収束性と学習精度との両立
の実効を図ることができると共に、空燃比学習補正値の
リミット制御による運転性や排気性能の確保をも図るこ
とができる。
【0014】特に、従来においては、初期学習中におい
て空燃比バラツキが大きい場合には、初期学習(了判定
がなされず、アイドル運転中でも空燃比フィードバック
制御をクランプできないという事態が発生する惧れがあ
り、アイドル運転の安定性や排気性能を悪化させること
となっていたが、上記構成によれば、初期学習の終了判
定を速やかに行なわせることができるので、これを効果
的かつ確実に防止することができる。請求項3に記載の
発明では、前記学習終了判定に基づいて運転領域の区分
数を増大させて制御する場合の空燃比学習補正値の初期
値として、所定の最小区分数で制御しているときに学習
された空燃比学習補正値に基づく値と、運転領域の区分
数を増大させて制御する場合に対応させて予め設定して
ある空燃比学習補正値を規制する上下限値の絶対値と、
を比較して、小さい方の値を選択する空燃比学習補正値
初期値設定手段を含んで構成するようにした。
【0015】従って、学習の収束性と学習精度との両立
の実効を図ることができると共に、通常学習中の空燃比
学習補正値のリミット制御による運転性や排気性能の確
保をも図りつつ、更に加えて、初期学習から通常学習へ
の切り換え時に空燃比段差等が生じることをも良好に抑
制することができる。請求項4に記載の発明では、機関
吸入混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、該空
燃比検出手段で検出された空燃比と目標空燃比とを比較
して実際の空燃比を前記目標空燃比に近づけるように空
燃比フィードバック補正値を演算する空燃比フィードバ
ック補正値演算手段と、機関運転条件に基づき複数に区
分される各運転領域別に前記空燃比フィードバック補正
値の基準値からの偏差を学習し、該学習結果を空燃比学
習補正値として前記運転領域毎に更新して記憶する空燃
比学習手段と、該空燃比学習手段において空燃比フィー
ドバック補正値を学習する各運転領域の領域範囲を学習
進行に応じて狭めるように、運転領域の区分数を学習の
進行に応じて段階的に増大させる学習区分数制御手段
と、前記空燃比フィードバック補正値演算手段で演算さ
れた空燃比フィードバック補正値及び前記空燃比学習手
段に記憶された該当運転領域の空燃比学習補正値に基づ
いて機関吸入混合気の空燃比を調整する空燃比調整手段
と、を備えた内燃機関の空燃比学習制御装置において、
前記学習区分数制御手段が、学習する各運転領域の領域
範囲を所定の最小区分数で制御しているときに、区分さ
れた複数運転領域の中の運転状態に応じて選択された該
当運転領域において、空燃比学習補正値が所定の上下限
値に到達した状態で、かつ、前記空燃比フィードバック
補正値が所定範囲内に収束したことに基づいて、該当運
転領域における学習終了を判定し、該学習終了判定に基
づいて運転領域の区分数を増大させる学習終了判定手段
を含んで構成されるようにした。
【0016】これにより、空燃比バラツキが比較的大き
く、学習補正値が上下限値に到達するような場合で、空
燃比フィードバック補正値が基準値に対して所定の範囲
に収束できず初期学習が終了したと判定できないような
場合でも、初期学習における空燃比学習補正値が上下限
値に到達し、かつ、空燃比フィードバック補正値が所定
範囲内に収束した場合には、初期学習が終了したと判定
させることができるので、従来のように空燃比バラツキ
が大きく初期学習がなかなか終了できず、以って通常学
習制御に移行できず、また、アイドル運転中にも空燃比
フィードバック制御をクランプできなくなるといった不
具合を確実に解消することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を添付の
図面に基づいて説明する。第1の実施形態を示す図2に
おいて、内燃機関1にはエアクリーナ2から吸気ダクト
3,スロットル弁4及び吸気マニホールド5を介して空
気が吸入される。吸気マニホールド5の各ブランチ部に
は、各気筒別に燃料噴射弁6が設けられている。この燃
料噴射弁6は、ソレノイドに通電されて開弁し、通電停
止されて閉弁する電磁式燃料噴射弁であって、後述する
コントロールユニット12からの駆動パルス信号により通
電されて開弁し、図示しない燃料ポンプから圧送されて
プレッシャレギュレータにより所定の圧力に調整された
燃料を、機関1に間欠的に噴射供給する。
【0018】機関1の各燃焼室には点火栓7が設けられ
ていて、これにより火花点火して混合気を燃焼させる。
そして、機関1からは、排気マニホールド8,排気ダク
ト9,三元触媒10及びマフラー11を介して排気が排出さ
れる。コントロールユニット12は、CPU,ROM,R
AM,A/D変換器及び入出力インタフェイス等を含ん
で構成されるマイクロコンピュータを備え、各種のセン
サからの入力信号を受け、後述の如く演算処理して、燃
料噴射弁6の作動を制御する。
【0019】前記各種のセンサとしては、吸気ダクト3
中にエアフローメータ13が設けられていて、機関1の吸
入空気流量Qに応じた信号を出力する。また、クランク
角センサ14が設けられていて、機関回転に同期したパル
ス信号を出力する。ここで、前記パルス信号の周期、或
いは、所定時間内における前記パルス信号の発生数を計
測することにより、機関回転速度Nを算出できる。
【0020】また、機関1のウォータジャケットの冷却
水温度Twを検出する水温センサ15が設けられている。
また、排気マニホールド8の集合部に空燃比検出手段と
しての空燃比センサ16が設けられ、排気中の特定成分濃
度(例えば酸素濃度)を検出して吸入混合気の空燃比を
検出する。前記空燃比センサ16は、排気中の特定成分濃
度が目標空燃比(例えば、理論空燃比)を境に急変する
ことを利用して、実際の空燃比の理論空燃比に対するリ
ッチ・リーンを検出する公知のものであり、本実施形態
では、理論空燃比よりもリッチ空燃比であるときには1
V付近の高い電圧信号を出力し、逆にリーン空燃比であ
るときには0V付近の低い電圧信号を出力するものとす
る。なお、空燃比センサ16としては、排気空燃比に対し
てリニアな出力特性を有する所謂広域空燃比センサを用
いることもできる。
【0021】ここにおいて、コントロールユニット12に
内蔵されたマイクロコンピュータのCPUは、図3〜図
6のフローチャートにそれぞれ示すROM上のプログラ
ムに従って演算処理を行い、空燃比フィードバック補正
制御及び運転領域別の空燃比学習補正制御を実行しつつ
燃料噴射量Tiを設定し、機関1への燃料供給を制御す
る。
【0022】尚、本実施形態において、空燃比検出手
段、空燃比フィードバック補正値演算手段、空燃比学習
手段、学習区分数制御手段、空燃比調整手段、第1空燃
比学習補正値上下限値設定手段としての機能は、前記図
3〜図6のフローチャートに示すようにコントロールユ
ニット12がソフトウェア的に備えている。図3のフロー
チャートに示すプログラムは、基本燃料噴射量Tpに乗
算される空燃比フィードバック補正係数LMD(空燃比
フィードバック補正値)を、比例・積分制御により設定
するプログラムであり、機関1の1回転(1rev)毎に実
行される。
【0023】まず、ステップ1(図中ではS1としてあ
る。以下同様)では、実際の空燃比を目標空燃比である
理論空燃比にフィードバック制御する条件が成立してい
るか否かを判別する。本実施形態では、例えば機関の高
負荷,冷機時,始動時などの理論空燃比よりもリッチな
空燃比で燃焼させたい場合には、理論空燃比への空燃比
フィードバック制御を行わず空燃比フィードバック補正
係数LMDはクランプされ、更に、アイドル運転時にお
ける運転安定性を確保するために基本的にはアイドル運
転時にもフィードバック制御をオープン制御とするもの
とする。尚、特に前記アイドル運転時のクランプ制御に
ついては、図6のフローチャートに従って後に詳細に説
明する。
【0024】ステップ1で空燃比フィードバック制御条
件が成立していると判別されたときには、ステップ2へ
進み、空燃比センサ(酸素センサ)16から排気中の酸素
濃度に応じて出力される電圧信号を読み込む。そして、
次のステップ3では、ステップ2で読み込んだ空燃比セ
ンサ16からの電圧信号と、目標空燃比(理論空燃比)相
当のスライスレベル(例えば500mV)とを比較する。
【0025】空燃比センサ16からの電圧信号がスライス
レベルよりも大きく空燃比が理論空燃比よりもリッチで
あると判別されたときには、ステップ4へ進み、今回の
リッチ判別が初回であるか否かを判別する。リッチ判別
が初回であるときには、ステップ5へ進んで前回までに
設定されている空燃比フィードバック補正係数LMDを
最大値aにセットする。
【0026】次のステップ6では、前回までの補正係数
LMDから所定の比例定数Pだけ減算して補正係数LM
Dの減少制御を図る。また、ステップ7では、比例制御
を実行したことを示すフラグFPに1をセットする。一
方、ステップ4で、リッチ判別が初回でないと判別され
たときには、ステップ8へ進み、積分定数Iに最新の燃
料噴射量Tiを乗算した値を、前回までの補正係数LM
Dから減算して補正係数LMDを更新する。
【0027】また、ステップ3で酸素センサ16からの電
圧信号がスライスレベルよりも小さく空燃比が目標に対
してリーンであると判別されたときには、リッチ判別の
ときと同様にして、まず、ステップ9で今回のリーン判
別が初回であるか否かを判別し、初回であるときには、
ステップ10へ進んで前回までの補正係数LMDを最小値
bにセットする。
【0028】次のステップ11では、前回までの補正係数
LMDに比例定数Pを加算して更新することにより燃料
噴射量Tiの増量補正を図り、ステップ12では、比例制
御が実行されたことを示すフラグFPに1をセットす
る。ステップ9でリーン判別が初回でないと判別された
ときには、ステップ13へ進み、積分定数Iに最新の燃料
噴射量Tiを乗算した値を、前回までの補正係数LMD
に加算し、補正係数LMDを徐々に増大させる。
【0029】このように、空燃比フィードバック補正係
数LMDは、実際の空燃比を目標空燃比(理論空燃比)
に近づける方向に比例・積分制御によって増減設定さ
れ、この空燃比フィードバック補正係数LMDで基本燃
料噴射量Tpを補正することで、機関吸入混合気の空燃
比が調整される。次に、図4及び図5のフローチャート
に従って前記空燃比フィードバック補正係数LMDを、
区分された運転領域別に学習する空燃比学習制御につい
て説明する。
【0030】まず、ステップ21では、前記フラグFPの
判別を行い、空燃比フィードバック制御において比例制
御が行われたか否か、換言すれば、空燃比のリッチ・リ
ーン反転があったか否かを判別する。比例制御の実行に
伴って前記フラグFPに1がセットされているときに
は、ステップ22に進んで前記フラグFPをゼロリセット
した後、ステップ23へ進む。
【0031】ステップ23では、機関負荷を代表する基本
燃料噴射量Tpと機関回転速度Nとに基づいて運転領域
(空燃比フィードバック制御領域)を領域φ〜3の4つ
に分割した図7に示すような学習マップ上で、現在の基
本燃料噴射量Tp(=K×Q/N;Kは定数)及び機関
回転速度Nが該当する領域を検出する。そして、次のス
テップ24では、前記ステップ23で検出した4分割の中の
該当領域の学習が終了しているか否かを判別する。当該
判別は、後述するステップ26の判定結果に基づき判別さ
れる。
【0032】なお、本実施形態では、図7に示す4分割
された運転領域別の学習を最初に行わせ、4つの運転領
域で学習が収束した領域については、当該学習済領域を
更に16に区分する運転領域別の通常学習へと移行し、最
終的には、基本燃料噴射量Tp及び機関回転速度Nをそ
れぞれ8ステップに量子化して区分される8×8=64領
域毎に空燃比学習を行わせるようになっている。換言す
れば、本実施形態では、領域の区分数を4から64へと学
習進行と共に段階的に変化させ、学習領域を段階的に狭
めるものであり、最大区分数は64で、最大区分数よりも
少ない区分数とは4である。
【0033】ステップ24で、4分割学習マップ上で該当
する領域の学習が終了していないと判別されたときに
は、ステップ25へ進む。ステップ25では、空燃比フィー
ドバック補正係数LMDが所定値(基準値)±2%の範
囲に収束したか否かを判別する。当該判別は従来同様で
あるので説明を省略する。
【0034】YESの場合には、ステップ26へ進み、4
分割マップ上で現在該当している運転領域における初期
学習が終了したことを判別し記憶する。そして、ステッ
プ26で初期学習済の判別が下された4分割マップ上の領
域においては、次回ルーチン実行時に、前述したよう
に、ステップ24において初期学習済みと判別され、ステ
ップ27以降へ進み、更に細分した領域別の学習へと移行
することになる。
【0035】一方、NOの場合には、初期学習を継続す
べく、ステップ26を飛ばしてステップ28へ進む。ステッ
プ28では、現在の運転条件が該当している運転領域に対
応して記憶されている学習補正係数KBLRC を検索して読
み出し、これを前回値としてKBLRC -1にセットする。
【0036】ステップ29では、空燃比フィードバック補
正係数LMDの平均値(a+b)/2の初期値1.0 に対
する偏差の所定割合Xを、前回までのマップ値に加算し
て、該加算結果を更新データとしてKBLRC new にセット
する。前記aはLMDの反転中の最大値,bはLMDの
反転中の最小値を採用することができる。ステップ30で
は、前記KBLRC new が、所定の範囲内にあるか否かを判
断し、所定範囲内に収まっているときにはステップ31へ
進み、所定範囲内に収まっていないときにはステップ34
へ進む。
【0037】なお、本実施形態においては、前記所定の
範囲を画する上限リミット値B,下限リミット値B’
は、初期学習中の場合には、前述したように、空燃比バ
ラツキが大きい場合に初期学習が終了できなくなるのを
防止するために、ステップ24でYES判定された場合
(即ち通常学習へ移行許可された場合)に比べ、図9に
示すように、拡大した値に設定されるようになっている
(即ち、前記所定の範囲の領域を広く設定するようにな
っている)。このように構成することが、本発明にかか
る第1空燃比学習補正値上下限値設定手段を構成するこ
とになる。
【0038】また、初期学習中の場合には、リミット値
を設けないようにしてもよい。即ち、初期学習が終了し
ていない間は、当該ステップ30を飛ばしてステップ31へ
進ませるようにしてもよい。このように構成すること
が、本発明にかかる第2空燃比学習補正値上下限値設定
手段を構成することになる。ところで、初期学習中であ
っっても、特に、アイドル運転中に、空燃比センサの応
答性の低下や燃料噴射弁のバラツキの影響が大きくなっ
て空燃比バラツキが大きくなり、以って初期学習が終了
できなくなる惧れ高いので、初期学習中のアイドル運転
時に限って、他の領域における初期学習や通常学習に対
してリミット値を拡大して設定する(或いはリミット値
を設けない)ようにしてもよい。
【0039】ステップ31では、該当領域の学習補正係数
KBLRC のデータとして、前記KBLRC new をセットして、
ステップ33へ進む。ステップ32では、該当領域の学習補
正係数KBLRC のデータとして、リミット値をセットし
て、ステップ33へ進む。ステップ33では、現在マップデ
ータ上に記憶されている学習補正係数KBLRC を書き換え
る。ところで、ステップ24で、4分割マップ上で該当す
る領域が学習済であると判別されたときには、ステップ
27へ進み、4分割マップ上の4領域をそれぞれに更に16
分割してなる64分割マップ上での該当領域を検出する。
【0040】そして、次にステップ28〜33へ進み、前述
同様に、補正係数LMDの平均値の初期値に対する偏差
の所定割合を、それまでのマップデータに加算して書き
換える学習を行わせる。尚、4分割マップを更に区分し
た64分割マップ上での学習に移行させるときには、4分
割マップ上での学習結果を初期値として64分割マップで
の学習が行われるようになっている。
【0041】ところで、この通常学習の場合には、前記
リミット値は、初期学習中に比べ、小さな値に設定され
ており、運転性や排気性能の向上を優先させることがで
きるようになっている(図9参照)。このように、本実
施形態では、まず、運転領域を4つに大きく区分して、
かかる区分領域での補正要求を学習し、この初期学習が
終了した段階で、かかる初期学習の結果を踏まえてより
区分数を大きくして細かく区分した運転領域別の学習へ
と移行させるものであり、これにより、学習の収束性と
学習精度との両立を図れるようにしているが、初期学習
中において空燃比バラツキが大きく、初期学習終了判定
が行なわれない場合には、通常学習にいつまでも移行で
きず、結局、学習の収束性と学習精度の向上を図れなく
なるので、これを防止すべく、初期学習にあっては前記
リミット値を拡大して設定する(或いはリミット値自体
を設けない)ようにして、極力、初期学習を早期に終了
させ、通常学習へ速やかに移行できるようにしたので、
以って学習の収束性と学習精度との両立の実効を図るこ
とができると共に、学習リミット値による運転性や排気
性能の確保を図ることができる。
【0042】特に、空燃比バラツキが大きい場合には、
初期学習終了判定がなされず、以下に説明するように、
従来においては、アイドル運転中でも空燃比フィードバ
ック補正制御をクランプできないことになり、アイドル
運転の安定性や排気性能を悪化させることとなっていた
が、本実施形態によれば、これを効果的に防止すること
ができる。
【0043】ここで、本実施形態におけるアイドル運転
時の空燃比フィードバック制御のクランプ制御について
説明する。即ち、アイドル運転状態では基本的に空燃比
フィードバック制御をクランプして、アイドル時の運転
安定性や排気性能を確保するのが望ましいが、クランプ
されると空燃比学習が行えず、然も、アイドル以外の低
負荷域(図7中斜線部)では学習機会を充分に確保する
ことができないので、初期学習時に限ってはアイドル運
転時にも空燃比フィードバック制御を行わせるようにし
てあり、かかるアイドル運転時のクランプ制御を図6の
フローチャートに示してある。
【0044】ステップ41では、アイドル運転以外のクラ
ンプ条件が成立しているか否かを判別する。前記アイド
ル運転以外のクランプ条件とは、例えば始動時,冷機
時,機関高負荷時などであり、かかる運転条件のときに
は空燃比を理論空燃比よりもリッチ化させるので、この
場合には、ステップ44へ進んで理論空燃比へのフィード
バック制御をクランプさせる処理を選択させ、前記図3
のフローチャートにおけるステップ1でフィードバック
制御条件が成立していないと判別されるようにする。
【0045】一方、アイドル運転以外のクランプ条件が
成立していない場合には、ステップ42へ進み、機関がア
イドル運転状態であるか否かをスロットル弁4に付設さ
れたアイドルスイッチ(図示省略)等に基づいて判別す
る。ここで、アイドル運転状態でないと判別されたとき
には、クランプ条件が全く成立してしない状態であるか
ら、ステップ45へ進み、図3のフローチャートに基づい
て補正係数LMDの比例・積分制御が行われるようにす
る。
【0046】一方、アイドル運転状態であると判別され
たときには、ステップ43へ進み、前記領域φにおける学
習が終了しているか否かを判別する。4分割マップ上の
領域φにおいては、前述のように低負荷側で学習される
ことが望まれ、然も、学習機会を確保するためには、低
負荷の中でもアイドル運転時に学習を行わせたいので、
前記初期学習が終了していないときには、ステップ45へ
進んで、アイドル運転状態でのフィードバック制御を行
わせる。一方、領域φにおける学習が終了している場合
には、アイドル運転時の運転安定性を優先させて、ステ
ップ44へ進み、アイドル運転時における空燃比フィード
バック制御をクランプさせる。
【0047】このように、4分割マップ上の領域φにお
ける初期学習が終了していないときにのみ、アイドル時
の空燃比フィードバック制御を行わせるようにして、領
域φにおいて空燃比バラツキの大きな低負荷域のみで学
習させるという要求を、学習機会を確保しつつ満たすよ
うにするものであるが、本実施形態では、従来のように
初期学習中のアイドル運転時に空燃比バラツキが大きい
場合には初期学習が終了できず、ステップ44(クランプ
制御)へ移行することができなかったという不具合を、
上述したように、学習値リミッタを拡大することで、例
え初期学習中のアイドル運転時に空燃比バラツキが大き
い場合であっても、初期学習を早期に終了させることが
できるようにしているので、以って当該アイドル運転時
の空燃比フィードバック制御のクランプ制御におけるメ
リットを最大に活かすことができるものである。なお、
上記のようにして設定される空燃比フィードバック補正
係数LMD及び学習補正係数KBLRC を用いた燃料噴射量
Tiの設定は、以下のようにして行われる。
【0048】まず、吸入空気流量Qと機関回転速度Nと
から基本燃料噴射量Tpを演算する一方で、冷却水温度
Twを基本して各種補正係数COEFを設定し、更に、
バッテリ電圧による燃料噴射弁6の有効開弁時間の変化
を補正する電圧補正分Tsを設定する。また、初期学習
が終了していないときには前記4分割マップ上で、初期
学習が終了しているときには64分割マップ上で、現在の
運転条件が該当する領域を特定し、その領域に対応して
記憶されている学習補正係数KBLRC を検索して求める。
そして、前記空燃比フィードバック補正係数LMDと共
に、上記の各補正項によって基本燃料噴射量Tpを補正
して、最終的な燃料噴射量Ti(=Tp×COEF×L
MD×KBLRC +Ts)を演算する。
【0049】かかる燃料噴射量Tiの演算を、所定微小
時間毎に行わせ、所定の噴射開始タイミングになったと
きに、最新に演算された燃料噴射量Tiに相当するパル
ス巾の噴射パルス信号を燃料噴射弁6に送って、燃料噴
射を行わせる。従って、本実施形態においては、吸入空
気流量Qに対する燃料噴射量Tiを調整することで、機
関吸入混合気の空燃比を調整するようになっている。次
に、本発明の第2の本実施形態について説明する。
【0050】従来より、初期学習値をそのまま通常学習
値に反映させてしまうと、切り換え時に空燃比段差が生
じる惧れがあるので、これを防止するために、初期の通
常学習値を初期学習値に対して所定の割合(例えば、6
0%)の値(即ち通常学習領域反映値)に設定するよう
にしているが、かかる場合に、第1の実施形態が採用さ
れ初期学習値が比較的大きく設定され、通常学習領域反
映値が通常学習に見合った学習リミット範囲外の値に設
定される場合があり、運転性や排気性能を悪化させる惧
れがある。そこで、本実施形態では、前記空燃比段差の
防止と運転性や排気性能の確保とを両立できるようにし
ている。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態と
は、通常学習領域反映値の設定以外は同様であるので、
当該部分についてのみ説明し、それ以外についての説明
は省略する。
【0051】ここで、本実施形態において行なわれる通
常学習領域反映値の設定制御について、図9のタイムチ
ャートを参照しつつ、図8のフローチャートに従って説
明する。当該フローは、該当領域での初期学習が終了し
た後に実行されるものである。ステップ51は、初期学習
値の通常学習領域への反映値を求めるステップである。
即ち、該当領域での初期学習値をKBLRCSとし、下式に基
づいて、通常学習領域反映値KBLRCTを求める。
【0052】KBLRCT=(KBLRCS−1)×RLRMID+1 ここで、RLRMIDは、初期学習値反映率(例えば、0.6 )
である。ステップ52では、算出された通常学習領域反映
値KBLRCTが、予め設定記憶されている通常学習リミッタ
上限値(RLRMAX)以下であるか否かを判定する。YES
であればステップ53へ進み、NOであればステップ55へ
進む。
【0053】ステップ53では、通常学習領域反映値KBLR
CTが、上限側では所定範囲内に収まっているので、下限
側において、所定範囲内に収まっているか否かを判定す
る。即ち、算出された通常学習領域反映値KBLRCTが、予
め設定記憶されている通常学習リミッタ下限値(RLRMI
N)以上であるか否かを判定する。YESであれば、通
常学習領域反映値KBLRCTが、所定範囲内に収まっている
ので、そのまま当該反映値KBLRCTを採用して通常学習へ
反映させる。
【0054】NOであればステップ54へ進む。ステップ
54では、通常学習領域反映値KBLRCTが、下限側において
所定範囲内に収まっていないので、運転性等を優先させ
るべく、通常学習領域反映値KBLRCTとして通常学習リミ
ッタ下限値(RLRMIN)をセットして、通常学習へ反映さ
せる。ステップ55では、通常学習領域反映値KBLRCTが、
上限側において所定範囲内に収まっていないので、運転
性等を優先させるべく、通常学習領域反映値KBLRCTとし
て通常学習リミッタ上限値(RLRMAX)をセットして、通
常学習へ反映させる。
【0055】これにより、初期学習値を、通常学習領域
に反映させて空燃比段差の防止を図りつつ、運転性や排
気性能が悪化する可能性が高い場合には、運転性や排気
性能の確保を優先させることができることとなる。な
お、上記フローが、本発明にかかる空燃比学習補正値初
期値設定手段を説明するものである。次に、本発明の第
3の実施形態について説明する。
【0056】第3の実施形態では、第1の実施形態に対
し、目的・課題を共通とし、その達成手法が異なるもの
である。即ち、第3の実施形態では、第1の実施形態の
ように、学習リミット値を初期学習中と通常学習中とで
別個のものとする(或いは初期学習中はリミット値を設
けないようにする)ことで、初期学習を早期に終了させ
るようにするという思想ではなく、学習リミット値の設
定は従来同様のまま、初期学習の終了判定条件を新たに
工夫するものである。
【0057】即ち、図4のステップ30〜ステップ32を省
略して従来同様とする一方で、図5のステップ25におい
て行なわれる初期学習の終了判定に相当する部分を、初
期学習中において図10のフローチャートに従って行なう
ようになっている。当該フローが、本発明の学習終了判
定手段に相当するものである。なお、その他の各種制御
やシステムの全体構成等は、第1の実施形態と同様であ
るので説明を省略する。
【0058】即ち、ステップ61では、初期学習値KBLRCS
が、上限リミット値(B)或いは下限リミット値
(B’)に到達したか否かを判断する。YESであれば
ステップ63へ進み、NOであれば従来同様の通常の初期
学習終了判定ルーチンへ移行する。
【0059】ステップ63では、これまでの空燃比フィー
ドバック補正係数LMDの平均値(即ち、初期学習値)
から1(空燃比フィードバック補正係数LMDの基準
値)を引いた値をA(基準値からのズレ量,初期値は
0)として、ステップ62へ進む。ステップ62では、ステ
ップ61で初期学習値KBLRCSが到達したリミット値を、学
習値として採用した状態で空燃比フィードバック制御を
行なった際の新たな空燃比フィードバック補正係数LM
Dの平均値から前記Aを差し引いた値が、所定範囲内に
収束しているか否かを判定する。即ち、初期学習値が制
限された後、空燃比フィードバック補正係数LMDの平
均値が安定しているか否かを判定する。
【0060】YESであればステップ64へ進み、NOで
あれば、後述するカウント値Xを0リセットしてステッ
プ61へリターンする。ステップ64では、カウント値X
(初期値は0)を1インクリメントする(X=X+
1)。ステップ65では、カウント値Xが、所定値以上と
なったか否かを判断する。
【0061】YESであれば初期学習を終了判定し、N
Oであればステップ62へリターンする。当該フローによ
れば、空燃比バラツキが比較的大きく、初期学習値が学
習リミット値に到達するような場合で、空燃比フィード
バック補正係数LMDが所定値(基準値)±2%の範囲
に収束できず初期学習が終了したと判定できないような
場合でも、初期学習値が学習リミット値に到達し、か
つ、空燃比フィードバック補正係数LMDが所定範囲内
に収束した状態で、所定回数(或いは所定時間)空燃比
フィードバック制御が継続されたことを条件に、初期学
習が終了したと判定させることができるので(図11のタ
イムチャート参照)、従来のように空燃比バラツキが大
きく初期学習がなかなか終了できず、以って通常学習制
御に移行できず、また、アイドル運転中にも空燃比フィ
ードバック制御をクランプできなくなるといった不具合
を解消することができる。
【0062】つまり、本実施形態では、まず、運転領域
を4つに大きく区分して、かかる区分領域での補正要求
を学習し、この初期学習が終了した段階で、かかる初期
学習の結果を踏まえてより区分数を大きくして細かく区
分した運転領域別の学習へと移行させるものであり、こ
れにより、学習の収束性と学習精度との両立を図れるよ
うにしているが、初期学習中において空燃比バラツキが
大きく、初期学習終了判定が行なわれない場合には、通
常学習にいつまでも移行できず、結局、学習の収束性と
学習精度の向上を図れなくなるので、これを防止すべ
く、本実施形態では、初期学習の初期学習終了判定条件
を工夫するようにしたので、極力、初期学習を早期に終
了させ、通常学習(或いはアイドル運転中の空燃比フィ
ードバック制御のクランプ制御)へ速やかに移行でき、
以って学習の収束性と学習精度との両立の実効を図りつ
つ、学習リミット値による運転性や排気性能の確保を図
ることができる。
【0063】ところで、上記各実施形態では、学習進行
と共に4分割マップから64分割マップへと移行させるよ
うにしたが、運転領域の区分数や区分数を変化させる段
階数を限定するものではなく、また、第1,第3の実施
形態は、運転領域の区分数の少ない初期状態での学習結
果をそのまま残しておいて、区分数の多い学習マップ上
の学習を初期値1.0 から行わせるようにした場合にも適
用できるものである。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、学
習の収束速度を確保しつつ運転条件の違いに対応し得る
細かな運転領域毎の学習を行わせるために、学習進行と
共に運転領域の区分数を段階的に増大させるようした学
習制御装置において、最小の区分数で学習制御を行なう
初期学習において空燃比バラツキが大きくても確実に初
期学習を早期に終了させることができるようになるの
で、次のステップ、例えば、通常学習制御や、アイドル
運転中の空燃比フィードバック補正値のクランプ制御等
へ速やかに移行させることができ、以って学習の収束性
と学習精度との両立の実効や、運転性や排気性能の確保
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態を示すシステム概略
図。
【図3】空燃比フィードバック制御を示すフローチャー
ト。
【図4】空燃比学習制御を示すフローチャート。
【図5】空燃比学習制御を示すフローチャート。
【図6】アイドル時の空燃比フィードバック制御の実行
・クランプ切り換えを示すフローチャート。
【図7】同上実施形態における学習マップの様子を示す
線図。
【図8】第2の実施形態における初期学習値の通常学習
への反映方法を説明するためのフローチャート。
【図9】学習リミット値の設定の様子と、通常学習時の
初期値の設定制御の様子を示すタイムチャート。
【図10】第3の実施形態における初期学習終了判定ルー
チンを説明するフローチャート。
【図11】同上実施形態の制御の様子を示すタイムチャー
ト。
【図12】従来学習における問題点発生の様子を示す線
図。
【符号の説明】
1 機関 6 燃料噴射弁 12 コントロールユニット 13 エアフローメータ 14 クランク角センサ 16 空燃比センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関吸入混合気の空燃比を検出する空燃比
    検出手段と、 該空燃比検出手段で検出された空燃比と目標空燃比とを
    比較して実際の空燃比を前記目標空燃比に近づけるよう
    に空燃比フィードバック補正値を演算する空燃比フィー
    ドバック補正値演算手段と、 機関運転条件に基づき複数に区分される各運転領域別に
    前記空燃比フィードバック補正値の基準値からの偏差を
    学習し、該学習結果を空燃比学習補正値として前記運転
    領域毎に更新して記憶する空燃比学習手段と、 該空燃比学習手段において空燃比フィードバック補正値
    を学習する各運転領域の領域範囲を学習進行に応じて狭
    めるように、運転領域の区分数を学習の進行に応じて段
    階的に増大させる学習区分数制御手段と、 前記空燃比フィードバック補正値演算手段で演算された
    空燃比フィードバック補正値及び前記空燃比学習手段に
    記憶された該当運転領域の空燃比学習補正値に基づいて
    機関吸入混合気の空燃比を調整する空燃比調整手段と、 を備えた内燃機関の空燃比学習制御装置において、 前記学習区分数制御手段が、学習する各運転領域の領域
    範囲を所定の最小区分数で制御しているときに、区分さ
    れた複数運転領域の中の運転状態に応じて選択された該
    当運転領域において、前記空燃比フィードバック補正値
    が基準値に対して所定範囲内に収束したことに基づい
    て、該当運転領域における学習終了を判定し、該学習終
    了判定に基づいて運転領域の区分数を増大させるように
    構成された場合に、 学習する各運転領域の領域範囲を所定の最小区分数で制
    御しているときの空燃比学習補正値を規制する上下限値
    を、運転領域の区分数を増大させて制御しているときの
    空燃比学習補正値を規制する上下限値より拡大して設定
    する第1空燃比学習補正値上下限値設定手段を含んで構
    成したことを特徴とする内燃機関の空燃比学習制御装
    置。
  2. 【請求項2】機関吸入混合気の空燃比を検出する空燃比
    検出手段と、 該空燃比検出手段で検出された空燃比と目標空燃比とを
    比較して実際の空燃比を前記目標空燃比に近づけるよう
    に空燃比フィードバック補正値を演算する空燃比フィー
    ドバック補正値演算手段と、 機関運転条件に基づき複数に区分される各運転領域別に
    前記空燃比フィードバック補正値の基準値からの偏差を
    学習し、該学習結果を空燃比学習補正値として前記運転
    領域毎に更新して記憶する空燃比学習手段と、 該空燃比学習手段において空燃比フィードバック補正値
    を学習する各運転領域の領域範囲を学習進行に応じて狭
    めるように、運転領域の区分数を学習の進行に応じて段
    階的に増大させる学習区分数制御手段と、 前記空燃比フィードバック補正値演算手段で演算された
    空燃比フィードバック補正値及び前記空燃比学習手段に
    記憶された該当運転領域の空燃比学習補正値に基づいて
    機関吸入混合気の空燃比を調整する空燃比調整手段と、 を備えた内燃機関の空燃比学習制御装置において、 前記学習区分数制御手段が、学習する各運転領域の領域
    範囲を所定の最小区分数で制御しているときに、区分さ
    れた複数運転領域の中の運転状態に応じて選択された該
    当運転領域において、前記空燃比フィードバック補正値
    が基準値に対して所定範囲内に収束したことに基づい
    て、該当運転領域における学習終了を判定し、該学習終
    了判定に基づいて運転領域の区分数を増大させるように
    構成された場合に、 学習する各運転領域の領域範囲を所定の最小区分数で制
    御しているときには、空燃比学習補正値を規制する上下
    限値を設けず、運転領域の区分数を増大させて制御して
    いるときにのみ空燃比学習補正値を規制する上下限値を
    設定する第2空燃比学習補正値上下限値設定手段を含ん
    で構成したことを特徴とする内燃機関の空燃比学習制御
    装置。
  3. 【請求項3】前記学習終了判定に基づいて運転領域の区
    分数を増大させて制御する場合の空燃比学習補正値の初
    期値として、所定の最小区分数で制御しているときに学
    習された空燃比学習補正値に基づく値と、運転領域の区
    分数を増大させて制御する場合に対応させて予め設定し
    てある空燃比学習補正値を規制する上下限値の絶対値
    と、を比較して、小さい方の値を選択する空燃比学習補
    正値初期値設定手段を含んで構成したことを特徴とする
    請求項2に記載の内燃機関の空燃比学習制御装置。
  4. 【請求項4】機関吸入混合気の空燃比を検出する空燃比
    検出手段と、 該空燃比検出手段で検出された空燃比と目標空燃比とを
    比較して実際の空燃比を前記目標空燃比に近づけるよう
    に空燃比フィードバック補正値を演算する空燃比フィー
    ドバック補正値演算手段と、 機関運転条件に基づき複数に区分される各運転領域別に
    前記空燃比フィードバック補正値の基準値からの偏差を
    学習し、該学習結果を空燃比学習補正値として前記運転
    領域毎に更新して記憶する空燃比学習手段と、 該空燃比学習手段において空燃比フィードバック補正値
    を学習する各運転領域の領域範囲を学習進行に応じて狭
    めるように、運転領域の区分数を学習の進行に応じて段
    階的に増大させる学習区分数制御手段と、 前記空燃比フィードバック補正値演算手段で演算された
    空燃比フィードバック補正値及び前記空燃比学習手段に
    記憶された該当運転領域の空燃比学習補正値に基づいて
    機関吸入混合気の空燃比を調整する空燃比調整手段と、 を備えた内燃機関の空燃比学習制御装置において、 前記学習区分数制御手段が、学習する各運転領域の領域
    範囲を所定の最小区分数で制御しているときに、区分さ
    れた複数運転領域の中の運転状態に応じて選択された該
    当運転領域において、空燃比学習補正値が所定の上下限
    値に到達した状態で、かつ、前記空燃比フィードバック
    補正値が所定範囲内に収束したことに基づいて、該当運
    転領域における学習終了を判定し、該学習終了判定に基
    づいて運転領域の区分数を増大させる学習終了判定手段
    を含んで構成されることを特徴とする内燃機関の空燃比
    学習制御装置。
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