JP2631580B2 - 内燃機関の空燃比学習制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比学習制御装置

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JP2631580B2
JP2631580B2 JP17523591A JP17523591A JP2631580B2 JP 2631580 B2 JP2631580 B2 JP 2631580B2 JP 17523591 A JP17523591 A JP 17523591A JP 17523591 A JP17523591 A JP 17523591A JP 2631580 B2 JP2631580 B2 JP 2631580B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の空燃比学習制
御装置に関し、詳しくは、自動車用内燃機関における吸
入混合気の空燃比を目標空燃比にフィードバックするた
めの補正値の学習制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空燃比フィードバック補正制御機
能をもつ電子制御燃料噴射装置を備えた内燃機関におい
ては、特開昭60−90944号公報,特開昭61−1
90142号公報等に開示されるように、空燃比の学習
制御が採用されているものがある。
【0003】空燃比フィードバック補正制御は、目標空
燃比(例えば理論空燃比)に対する実際の空燃比のリッ
チ・リーンを機関排気系に設けた酸素センサにより判別
し、該判別結果に基づき空燃比フィードバック補正係数
LMDを比例・積分制御などにより設定し、機関吸入空
気量Q又は吸気圧力PBと機関回転速度Nとに基づいて
算出される基本燃料噴射量Tpを、前記空燃比フィード
バック補正係数LMDで補正することで、実際の空燃比
を目標空燃比にフィードバック制御するものである。
【0004】ここで、前記空燃比フィードバック補正係
数LMDの基準値(初期値)からの偏差を、機関負荷や
機関回転速度などの機関運転条件に基づき複数に区分さ
れた運転領域毎に学習して学習補正係数KBLRC(空燃比学
習補正値)を定め、基本燃料噴射量Tpを前記学習補正
係数KBLRC により補正して、補正係数LMDなしで得ら
れるベース空燃比が略目標空燃比に一致するようにし、
空燃比フィードバック制御中は更に前記補正係数LMD
で補正して燃料噴射量Tiを演算するよう構成された空
燃比学習制御装置がある。
【0005】かかる空燃比学習により、運転条件によっ
て異なる空燃比補正要求に対応した燃料補正が行え、空
燃比フィードバック補正係数LMDを基準値付近に安定
させて、空燃比制御性を向上させることができる。とこ
ろで、前記運転領域別の空燃比学習補正係数KBLRC は、
前述のように運転条件の違いによる空燃比補正要求の違
いに対応すべく設定されるものであるから、運転領域を
極力細かく区分して学習させれば、それだけ学習精度が
向上することになる。しかしながら、運転領域を細かく
区分して狭い運転領域毎に学習させるようにすると、そ
れぞれの運転領域における学習機会が減少し、学習の収
束性が悪化すると共に、学習済領域と未学習領域とが混
在することになって、運転領域間で大きな空燃比段差が
発生してしまうという問題がある。
【0006】そこで、本出願人は、学習初期は大きな範
囲の運転領域における学習から行わせ、学習の進行と共
に学習させる運転領域を徐々に狭めるように構成し、初
期の学習収束性と運転条件別の学習精度との両立を図っ
た空燃比学習装置を先に提案した(実開昭63−450
43号公報,特願平1−282883号参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に学習運転領域を学習進行に応じて徐々に狭めるように
する場合、比較的大きな運転領域で学習を行わせる初期
学習においては、広い運転領域内のどこの運転条件に対
応した学習が行われるか不定であり、例えば、該当運転
領域の中で比較的空燃比ずれの少ない運転条件のときに
学習が行われ、該学習が収束することによって当該運転
領域を更に複数に区分する運転領域別の学習に移行して
しまうと、初期学習の効果が発揮されなくなってしまう
という問題があった。
【0008】即ち、初期の広い運転領域での学習におい
ては、空燃比ずれ巾を所定レベル内に抑えるように速や
かに学習させることが要求されるから、各運転領域内で
特に空燃比ばらつきの大きな運転条件で学習することが
望まれるが、従来では、その領域内のどこの運転条件で
あるかを問わず学習が行われ、空燃比ばらつきの大小と
は関係なく学習機会の多い運転条件で学習がなされる傾
向にあった。
【0009】例えば図8に示すような運転領域の区分状
態においては、低負荷・低回転領域である運転領域
(1)の中で、減速時に使われることになる低負荷部分
(図8中斜線示の部分)での空燃比ばらつきが、燃料噴
射弁の低流量域での噴射量ばらつきが大きいことなどを
理由として特に大きくなる。従って、前記低負荷部分で
初期学習を行わせたいが、従来では、前記運転領域
(1)内であればどの運転条件の時にも学習される構成
であったから、領域(1)内において学習機会の多い高
負荷側(空燃比ばらつきが比較的小さい側)で学習され
ることが多くなってしまう。例えば学習機会の多い図8
のa点で初期学習された場合には、前記a点の空燃比ば
らつきは比較的小さいから、このa点での学習結果に基
づいて前記低負荷部分での空燃比ばらつきを充分に減少
させることができず、図9に示すように、学習運転領域
の区分を固定とした空燃比学習と殆ど変わらない学習結
果になってしまう。
【0010】一方、前記低負荷部分に近い図8中のb点
で初期学習が行われたとすれば、最も大きな減速時の空
燃比ばらつきを収束させることができるから、図9に示
すように、学習運転領域を学習進行に応じて徐々に狭め
るよう構成したことによる効果を発揮させて、排気性状
を改善できるようになるが、前述のように前記b点は学
習機会が少ないから、初期学習の効果を充分に発揮させ
ることができない前記a点で学習が行われることが多か
った。
【0011】尚、図8のb点で初期学習がなされた場合
には、かかる学習結果は、a点などでは過補正となる
が、前記a点などの高負荷側は学習機会が多いため、b
点での学習が収束し,より細かな運転領域別の学習に移
行したときに、速やかに修正されることになる。本発明
は上記問題点に鑑みなされたものであり、空燃比学習を
行わせる運転領域を学習進行と共に狭めて行くよう構成
された空燃比学習制御装置において、比較的広い運転領
域での初期学習によって、空燃比ばらつきの速やかな収
束が確実に得られるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのため本発明にかかる
内燃機関の空燃比学習制御装置は、図1に示すように構
成される。図1において、空燃比フィードバック補正値
演算手段は、空燃比検出手段で検出された機関吸入混合
気の空燃比と目標空燃比とを比較し、実際の空燃比を前
記目標空燃比に近づけるように空燃比フィードバック補
正値を演算する。
【0013】空燃比学習手段は、機関運転条件に基づき
複数に区分される各運転領域別に空燃比フィードバック
補正値を学習し、かかる学習結果を空燃比学習補正値と
して前記運転領域毎に更新して記憶する。また、学習区
分数制御手段は、空燃比学習手段において空燃比フィー
ドバック補正値を学習する各運転領域の領域範囲を学習
進行に応じて狭めるように、運転領域の区分数を学習の
進行に応じて段階的に増大させる。
【0014】更に、限定領域学習手段は、学習区分数制
御手段によって所定の最大区分数よりも少ない区分数に
制御されているときに、区分された複数運転領域の中の
少なくとも1つの運転領域において該運転領域に含まれ
る所定の限定運転領域のときにのみ前記空燃比学習手段
による学習を行わせる。そして、空燃比調整手段は、空
燃比フィードバック補正値演算手段で演算された空燃比
フィードバック補正値及び空燃比学習手段に記憶された
該当運転領域の空燃比学習補正値に基づいて機関吸入混
合気の空燃比を調整する。
【0015】ここで、限定領域学習手段により所定の限
定運転領域のみで学習させる区分された運転領域が、機
関アイドル運転状態を含む運転領域であり、前記所定の
限定運転領域をアイドル運転状態とすることができる。
【0016】
【作用】かかる構成において、空燃比フィードバック補
正値を学習する運転領域は、学習の進行に応じて狭くな
るが、最大の区分数によって最も細かく区分される前の
段階の比較的広い運転領域別に学習を行わせるときに、
実際の運転条件が前記比較的広い運転領域の中のどこに
該当していても学習を行わせるのではなく、ある限定さ
れた領域に含まれるときにだけ学習を行わせる。
【0017】即ち、比較的広い運転領域別に学習が行わ
れる学習の初期状態においては、区分された運転領域内
の更に限定された領域のときだけ学習を行わせることに
よって、前記限定運転領域に対応する学習を行わせてか
らより細かく区分された運転領域別の学習へと移行させ
るものである。これにより、学習の収束性が要求される
初期学習において前記学習収束性に最も影響が大きい運
転領域を限定して学習させることが可能となり、区分数
を少なくして比較的大きな運転領域別に行われる初期学
習によって、空燃比ばらつきを速やかに収束させること
が確実に行えるようになる。
【0018】また、限定運転領域をアイドル運転状態と
して、かかるアイドル運転状態を含む領域においては、
アイドル運転状態でのみ学習を行わせるようにすれば、
学習機会を確保しつつ空燃比ばらつきが比較的大きな低
負荷域に対応した学習を行わせることができる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図2において、内燃機関1にはエアクリーナ2か
ら吸気ダクト3,スロットル弁4及び吸気マニホールド
5を介して空気が吸入される。吸気マニホールド5の各
ブランチ部には、各気筒別に燃料噴射弁6が設けられて
いる。この燃料噴射弁6は、ソレノイドに通電されて開
弁し、通電停止されて閉弁する電磁式燃料噴射弁であっ
て、後述するコントロールユニット12からの駆動パルス
信号により通電されて開弁し、図示しない燃料ポンプか
ら圧送されてプレッシャレギュレータにより所定の圧力
に調整された燃料を、機関1に間欠的に噴射供給する。
【0020】機関1の各燃焼室には点火栓7が設けられ
ていて、これにより火花点火して混合気を着火燃焼させ
る。そして、機関1からは、排気マニホールド8,排気
ダクト9,三元触媒10及びマフラー11を介して排気が排
出される。コントロールユニット12は、CPU,RO
M,RAM,A/D変換器及び入出力インタフェイス等
を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種
のセンサからの入力信号を受け、後述の如く演算処理し
て、燃料噴射弁6の作動を制御する。
【0021】前記各種のセンサとしては、吸気ダクト3
中にエアフローメータ13が設けられていて、機関1の吸
入空気流量Qに応じた信号を出力する。また、クランク
角センサ14が設けられていて、機関回転に同期したパル
ス信号を出力する。ここで、前記パルス信号の周期、或
いは、所定時間内における前記パルス信号の発生数を計
測することにより、機関回転速度Nを算出できる。
【0022】また、機関1のウォータジャケットの冷却
水温度Twを検出する水温センサ15が設けられている。
また、排気マニホールド8の集合部に空燃比検出手段と
しての酸素センサ16が設けられ、排気中の酸素濃度を介
して吸入混合気の空燃比を検出する。前記酸素センサ16
は、排気中の酸素濃度が理論空燃比(本実施例における
目標空燃比)を境に急変することを利用して、実際の空
燃比の理論空燃比に対するリッチ・リーンを検出する公
知のものであり、本実施例では、理論空燃比よりもリッ
チ空燃比であるときには1V付近の高い電圧信号を出力
し、逆にリーン空燃比であるときには0V付近の低い電
圧信号を出力するものとする。
【0023】ここにおいて、コントロールユニット12に
内蔵されたマイクロコンピュータのCPUは、図3〜図
6のフローチャートにそれぞれ示すROM上のプログラ
ムに従って演算処理を行い、空燃比フィードバック補正
制御及び運転領域別の空燃比学習補正制御を実行しつつ
燃料噴射量Tiを設定し、機関1への燃料供給を制御す
る。
【0024】尚、本実施例において、空燃比フィードバ
ック補正値演算手段,空燃比学習手段,学習区分数制御
手段,限定領域学習手段,空燃比調整手段としての機能
は、前記図3〜図6のフローチャートに示すようにコン
トロールユニット12がソフトウェア的に備えている。図
3のフローチャートに示すプログラムは、基本燃料噴射
量Tpに乗算される空燃比フィードバック補正係数LM
D(空燃比フィードバック補正値)を、比例・積分制御
により設定するプログラムであり、機関1の1回転(1
rev)毎に実行される。
【0025】まず、ステップ1(図中ではS1としてあ
る。以下同様)では、実際の空燃比を目標空燃比である
理論空燃比にフィードバック制御する条件が成立してい
るか否かを判別する。本実施例では、例えば機関の高負
荷,冷機時,始動時などの理論空燃比よりもリッチな空
燃比で燃焼させたい場合には、理論空燃比への空燃比フ
ィードバック制御を行わず空燃比フィードバック補正係
数LMDはクランプされ、更に、アイドル運転時におけ
る運転安定性を確保するために基本的にはアイドル運転
時にもフィードバック制御をオープン制御とするものと
する。尚、特に前記アイドル運転時のクランプ制御につ
いては、図6のフローチャートに従って後に詳細に説明
する。
【0026】ステップ1で空燃比フィードバック制御条
件が成立していると判別されたときには、ステップ2へ
進み、酸素センサ(O2 /S)16から排気中の酸素濃度
に応じて出力される電圧信号を読み込む。そして、次の
ステップ3では、ステップ2で読み込んだ酸素センサ16
からの電圧信号と、目標空燃比(理論空燃比)相当のス
ライスレベル(例えば500mV)とを比較する。
【0027】酸素センサ16からの電圧信号がスライスレ
ベルよりも大きく空燃比が理論空燃比よりもリッチであ
ると判別されたときには、ステップ4へ進み、今回のリ
ッチ判別が初回であるか否かを判別する。リッチ判別が
初回であるときには、ステップ5へ進んで前回までに設
定されている空燃比フィードバック補正係数LMDを最
大値aにセットする。
【0028】次のステップ6では、前回までの補正係数
LMDから所定の比例定数Pだけ減算して補正係数LM
Dの減少制御を図る。また、ステップ7では、比例制御
を実行したことを示すフラグFPに1をセットする。一
方、ステップ4で、リッチ判別が初回でないと判別され
たときには、ステップ8へ進み、積分定数Iに最新の燃
料噴射量Tiを乗算した値を、前回までの補正係数LM
Dから減算して補正係数LMDを更新する。
【0029】また、ステップ3で酸素センサ16からの電
圧信号がスライスレベルよりも小さく空燃比が目標に対
してリーンであると判別されたときには、リッチ判別の
ときと同様にして、まず、ステップ9で今回のリーン判
別が初回であるか否かを判別し、初回であるときには、
ステップ10へ進んで前回までの補正係数LMDを最小値
bにセットする。
【0030】次のステップ11では、前回までの補正係数
LMDに比例定数Pを加算して更新することにより燃料
噴射量Tiの増量補正を図り、ステップ12では、比例制
御が実行されたことを示すフラグFPに1をセットす
る。ステップ9でリーン判別が初回でないと判別された
ときには、ステップ13へ進み、積分定数Iに最新の燃料
噴射量Tiを乗算した値を、前回までの補正係数LMD
に加算し、補正係数LMDを徐々に増大させる。
【0031】このように、空燃比フィードバック補正係
数LMDは、実際の空燃比を目標空燃比(理論空燃比)
に近づける方向に比例・積分制御によって増減設定さ
れ、この空燃比フィードバック補正係数LMDで基本燃
料噴射量Tpを補正することで、機関吸入混合気の空燃
比が調整される。次に図4及び図5のフローチャートに
従って、前記空燃比フィードバック補正係数LMDを、
区分された運転領域別に学習する空燃比学習制御につい
て説明する。
【0032】まず、ステップ21では、前記フラグFPの
判別を行い、空燃比フィードバック制御において比例制
御が行われたか否か、換言すれば、空燃比のリッチ・リ
ーン反転があったか否かを判別する。比例制御の実行に
伴って前記フラグFPに1がセットされているときに
は、ステップ22に進んで前記フラグFPをゼロリセット
した後、ステップ23へ進む。
【0033】ステップ23では、機関負荷を代表する基本
燃料噴射量Tpと機関回転速度Nとに基づいて運転領域
(空燃比フィードバック制御領域)を領域φ〜3の4つ
に分割した図7に示すような学習マップ上で、現在の基
本燃料噴射量Tp(=K×Q/N;Kは定数)及び機関
回転速度Nが該当する領域を検出する。そして、次のス
テップ24では、前記ステップ23で検出した4分割の中の
該当領域の学習が終了しているか否かを判別する。本実
施例では、図7に示す4分割された運転領域別の学習を
最初に行わせ、4つの運転領域で学習が収束した領域に
ついては、当該学習済領域を更に16に区分する運転領域
別の学習へと移行し、最終的には、基本燃料噴射量Tp
及び機関回転速度Nをそれぞれ8ステップに量子化して
区分される8×8=64領域毎に空燃比学習を行わせるよ
うになっている。換言すれば、本実施例では、領域の区
分数を4から64へと学習進行と共に段階的に変化させ、
学習領域を段階的に狭めるものであり、最大区分数は64
で、最大区分数よりも少ない区分数とは4である。
【0034】ステップ24で、4分割学習マップ上で該当
する領域の学習が終了していないと判別されたときに
は、ステップ25へ進み、4分割マップ上で該当している
領域が、領域ナンバー=φの領域(図7参照)であるか
否かを判別する。前記領域ナンバーφの領域とは、アイ
ドル運転状態を含む低負荷・低回転領域であり、領域ナ
イバーφ以外の領域1〜3に該当しているときには、ス
テップ26をジャンプしてステップ27へ進むが、領域φに
該当しているときには、ステップ26で、現状の運転状態
がアイドル運転状態であるか否かを、スロットル弁4に
付設された図示しないアイドルスイッチなどに基づいて
判別する。
【0035】そして、アイドル運転状態を含む運転領域
φに該当している状態で、アイドル運転条件以外である
ときには、後述する学習を行わずにそのまま本プログラ
ムを終了させる。一方、アイドル運転状態を含む運転領
域φに該当している状態で、然も、そのときの運転条件
がアイドル運転状態であるときには、ステップ27以降へ
進んで空燃比学習を行わせる。
【0036】即ち、アイドル運転を含む領域φ以外に該
当するときには、運転条件を問わずに空燃比学習を行わ
せるが、アイドル運転を含む領域に該当しているときに
は、比較的広い運転領域の中で、アイドル運転状態のと
きにのみ学習を行わせるものであり、本実施例における
所定の限定運転領域とはアイドル運転状態を示す。ステ
ップ27では、空燃比フィードバック補正係数LMDの最
新の最大・最小値a,bの平均値が略1.0 であるか否か
を判別する。空燃比フィードバック補正係数LMDの初
期値は1.0 であり、後述するように、補正係数LMDの
前記初期値に対する偏差を減少させる方向に運転領域別
の空燃比学習補正係数KBLRC (空燃比学習補正値)を更
新学習させる。従って、補正係数LMDの平均値が初期
値付近である場合には、そのときに該当している運転領
域における補正要求が、学習補正係数KBLRC 側に吸収さ
れて、補正係数LMDによる補正を必要としていない学
習収束状態であると見做すことができる。
【0037】そこで、ステップ27で空燃比フィードバッ
ク補正係数LMDの平均値が略1.0であると判別された
ときには、ステップ28へ進み、4分割マップ上で現在該
当している運転領域の学習が終了したことを判別し記憶
する。ステップ28で学習済の判別が下された4分割マッ
プ上の領域においては、前記ステップ24で学習済の判定
が行われ、更に細分した領域別の学習へと移行する。
【0038】ステップ30では、現在の運転条件が該当し
ている運転領域に対応して記憶されている学習補正係数
KBLRC を検索して読み出し、これを前回値としてKBLRC
-1にセットする。そして、次のステップ31では、空燃比
フィードバック補正係数LMDの平均値(a+b)/2
の初期値1.0 に対する偏差の所定割合Xを、前回までの
マップ値に加算して、該加算結果を更新データとしてKB
LRC new にセットする。
【0039】ステップ32では、該当領域の学習補正係数
KBLRC のデータを、前記ステップ31で演算された更新デ
ータKBLRC new に書き換えて、書き換え結果を新たに記
憶させる。一方、ステップ24で、4分割マップ上で該当
する領域が学習済であると判別されたときには、ステッ
プ29へ進み、4分割マップ上の4領域をそれぞれに更に
16分割してなる64分割マップ上での該当領域を検出す
る。
【0040】そして、次にステップ30へ進み、前述のよ
うに、補正係数LMDの平均値の初期値に対する偏差の
所定割合を、それまでのマップデータに加算して書き換
える学習を行わせる。尚、4分割マップを更に区分した
64分割マップ上での学習に移行させるときには、4分割
マップ上での学習結果を初期値として64分割マップでの
学習が行われるようになっている。
【0041】このように、本実施例では、まず、運転領
域を4つに大きく区分して、かかる区分領域での補正要
求を学習し、この初期学習が終了した段階で、かかる初
期学習の結果を踏まえてより区分数を大きくして細かく
区分した運転領域別の学習へと移行させるものであり、
これにより、学習の収束性と学習精度との両立を図れる
ようにしているが、4分割マップ上の各領域φ〜3(図
7参照)において、アイドル運転状態を含む領域φにつ
いては、運転領域の中に含まれる更に限定された運転領
域(アイドル運転状態)においてのみ学習を行わせるよ
うになっている。
【0042】即ち、領域φは、アイドル運転状態以外の
運転条件も含まれ、通常であれば領域φの中のどの運転
条件であっても学習が進められることになるが、本実施
例では、領域φに該当しているときにはアイドル運転状
態でしか学習を行わせないようにしてある。これは、領
域φの中でも、減速時に用いられる低負荷側における空
燃比ばらつきが、燃料噴射弁6の流量ばらつきが大きい
ことなどを原因として特に大きくなり(図8参照)、か
かる空燃比ばらつきの大きな運転領域における補正要求
を満たさないと、領域φにおける空燃比ばらつきを収束
させることができないためである。例えば、領域φの中
でも比較的高負荷側で学習が行われると、かかる高負荷
側は元々空燃比ばらつきの比較的小さい領域であるか
ら、高負荷側での学習結果では、空燃比ばらつきの大き
な低負荷側の補正要求を満たすことはできず、大きな空
燃比ばらつきを発生させる領域を残したまま、次の64分
割マップ上の学習へと移行してしまい、運転領域を大き
く分割して行わせる初期学習による空燃比ばらつきの早
期収束という所期の目的を達成することができなくなっ
てしまう。
【0043】そこで、本実施例では、前記領域φ内で低
負荷を代表する運転領域としてアイドル運転状態を学習
領域として限定し、領域φにおいてはこのアイドル運転
状態においてのみ学習がなされ、領域φ内で最も補正要
求の高い領域における学習を強制的かつ確実に行わせる
ようにした。これにより、学習機会に影響されて領域φ
内でも補正要求の比較的小さい運転領域で学習が行わ
れ、この学習の収束によって次の学習段階(64分割マッ
プ学習)へ以降してしまわないようにした。
【0044】ところで、本実施例では、前述のように、
アイドル運転状態では基本的に空燃比フィードバック制
御をクランプして、アイドル時の運転安定性を確保する
ようにしているが、クランプされると空燃比学習が行え
ず、然も、アイドル以外の低負荷域(図7中斜線部)で
は学習機会を充分に確保することができない。そこで、
領域φ中の低負荷域を限定して学習を行わせ、然も、学
習機会を確保するために、初期学習時に限ってはアイド
ル運転時にも空燃比フィードバック制御を行わせるよう
にしてあり、かかるアイドル時のクランプ制御を図6の
フローチャートに示してある。
【0045】図6のフローチャートにおいて、まず、ス
テップ41ではアイドル運転以外のクランプ条件が成立し
ているか否かを判別する。前記アイドル運転以外のクラ
ンプ条件とは、例えば始動時,冷機時,機関高負荷時な
どであり、かかる運転条件のときには空燃比を理論空燃
比よりもリッチ化させるので、この場合には、ステップ
44へ進んで理論空燃比へのフィードバック制御をクラン
プさせる処理を選択させ、前記図3のフローチャートに
おけるステップ1でフィードバック制御条件が成立して
いないと判別されるようにする。
【0046】一方、アイドル運転以外のクランプ条件が
成立していない場合には、ステップ42へ進み、機関がア
イドル運転状態であるか否かをスロットル弁4に付設さ
れたアイドルスイッチ(図示省略)等に基づいて判別す
る。ここで、アイドル運転状態でないと判別されたとき
には、クランプ条件が全く成立してしない状態であるか
ら、ステップ45へ進み、図3のフローチャートに基づい
て補正係数LMDの比例・積分制御が行われるようにす
る。
【0047】一方、アイドル運転状態であると判別され
たときには、ステップ43へ進み、前記領域φにおける学
習が終了しているか否かを判別する。4分割マップ上の
領域φにおいては、前述のように低負荷側で学習される
ことが望まれ、然も、学習機会を確保するためには、低
負荷の中でもアイドル運転時に学習を行わせたいので、
前記初期学習が終了していないときには、ステップ45へ
進んで、アイドル運転状態でのフィードバック制御を行
わせる。一方、領域φにおける学習が終了している場合
には、アイドル運転時の運転安定性を優先させて、ステ
ップ44へ進み、アイドル運転時における空燃比フィード
バック制御をクランプさせる。
【0048】このように、4分割マップ上の領域φにお
ける学習が終了していないときにのみ、アイドル時の空
燃比フィードバック制御を行わせるようにすれば、領域
φにおいて空燃比ばらつきの大きな低負荷域のみで学習
させるという要求を、学習機会を確保しつつ満たすこと
ができるようになり、また、初期学習が終了すればアイ
ドル時の空燃比フィードバック制御はクランプされるか
ら、無用にアイドル安定性を損なうことも防止できる。
【0049】尚、アイドル時においても、空燃比フィー
ドバック制御を行わせる機関においては、上記のよう
に、初期学習が終了しているか否かによって、アイドル
時の空燃比フィードバック制御を強制的に行わせる制御
は不要となる。上記のようにして設定される空燃比フィ
ードバック補正係数LMD及び学習補正係数KBLRC を用
いた燃料噴射量Tiの設定は、以下のようにして行われ
る。
【0050】まず、吸入空気流量Qと機関回転速度Nと
から基本燃料噴射量Tpを演算する一方で、冷却水温度
Twを基本して各種補正係数COEFを設定し、更に、
バッテリ電圧による燃料噴射弁6の有効開弁時間の変化
を補正する電圧補正分Tsを設定する。また、初期学習
が終了していないときには前記4分割マップ上で、初期
学習が終了しているときには64分割マップ上で、現在の
運転条件が該当する領域を特定し、その領域に対応して
記憶されている学習補正係数KBLRC を検索して求める。
そして、前記空燃比フィードバック補正係数LMDと共
に、上記の各補正項によって基本燃料噴射量Tpを補正
して、最終的な燃料噴射量Ti(=Tp×COEF×L
MD×KBLRC +Ts)を演算する。
【0051】かかる燃料噴射量Tiの演算を、所定微小
時間毎に行わせ、所定の噴射開始タイミングになったと
きに、最新に演算された燃料噴射量Tiに相当するパル
ス巾の噴射パルス信号を燃料噴射弁6に送って、燃料噴
射を行わせる。従って、本実施例においては、吸入空気
流量Qに対する燃料噴射量Tiを調整することで、機関
吸入混合気の空燃比を調整するようになっている。
【0052】尚、本実施例では、学習進行と共に4分割
マップから64分割マップへと移行させるようにしたが、
運転領域の区分数や区分数を変化させる段階数を限定す
るものではなく、また、運転領域の区分数の少ない初期
状態での学習結果をそのまま残しておいて、区分数の多
い学習マップ上の学習を初期値1.0 から行わせるように
しても良い。
【0053】また、本実施例では、学習の進行を、空燃
比フィードバック補正係数LMDの平均値が初期値付近
になったか否かによって判定させるようにしたが、例え
ば各領域内での空燃比の反転回数などによって学習進行
を判断させるようにしても良い。更に、本実施例では、
4分割マップ上の領域φにおいて、アイドル運転状態に
のみ学習を行わせるようにしたが、アイドル運転状態を
含むより広い低負荷域を限定領域としても良く、また、
領域φ以外の領域1〜3においても予め空燃比ばらつき
の大きな限定される運転領域が知られていれば、領域φ
の場合と同様に限定された領域のみで学習を行わせるよ
うにしても良い。
【0054】また、初期学習中でアイドル運転時に空燃
比フィードバック制御させているときに、酸素センサ16
の出力異常などがあって、フィードバック制御をクラン
プに戻した場合に、一旦アイドル運転状態を脱するまで
クランプを継続させるのではなく、前記出力異常が回復
されれば直ちにフィードバック制御に戻すようにして、
学習機会を極力確保できるようにすることが好ましい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、学
習の収束速度を確保しつつ運転条件の違いに対応し得る
細かな運転領域毎の学習を行わせるために、学習進行と
共に運転領域の区分数を段階的に増大させるようした学
習制御装置において、区分数の比較的少ない初期学習に
おいて、区分された領域の中で空燃比ばらつきの大きな
限定される運転領域のみで学習を行わせることができ、
これにより、初期学習による空燃比ばらつきの収束性を
向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例を示すシステム概略図。
【図3】空燃比フィードバック制御を示すフローチャー
ト。
【図4】空燃比学習制御を示すフローチャート。
【図5】空燃比学習制御を示すフローチャート。
【図6】アイドル時の空燃比フィードバック制御の実行
・クランプ切り換えを示すフローチャート。
【図7】同上実施例における学習マップの様子を示す線
図。
【図8】従来学習における問題点発生の様子を示す線
図。
【図9】従来学習による学習結果の例を示す線図。
【符号の説明】
1 機関 6 燃料噴射弁 12 コントロールユニット 13 エアフローメータ 14 クランク角センサ 16 酸素センサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関吸入混合気の空燃比を検出する空燃比
    検出手段と、該空燃比検出手段で検出された空燃比と目
    標空燃比とを比較して実際の空燃比を前記目標空燃比に
    近づけるように空燃比フィードバック補正値を演算する
    空燃比フィードバック補正値演算手段と、 機関運転条件に基づき複数に区分される各運転領域別に
    前記空燃比フィードバック補正値を学習し、該学習結果
    を空燃比学習補正値として前記運転領域毎に更新して記
    憶する空燃比学習手段と、 該空燃比学習手段において空燃比フィードバック補正値
    を学習する各運転領域の領域範囲を学習進行に応じて狭
    めるように、運転領域の区分数を学習の進行に応じて段
    階的に増大させる学習区分数制御手段と、 該学習区分数制御手段によって所定の最大区分数よりも
    少ない区分数に制御されているときに、区分された複数
    運転領域の中の少なくとも1つの運転領域において該運
    転領域に含まれる所定の限定運転領域のときにのみ前記
    空燃比学習手段による学習を行わせる限定領域学習手段
    と、 前記空燃比フィードバック補正値演算手段で演算された
    空燃比フィードバック補正値及び前記空燃比学習手段に
    記憶された該当運転領域の空燃比学習補正値に基づいて
    機関吸入混合気の空燃比を調整する空燃比調整手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関の空燃比
    学習制御装置。
  2. 【請求項2】前記限定領域学習手段により所定の限定運
    転領域のみで学習させる区分された運転領域が、機関ア
    イドル運転状態を含む運転領域であり、前記所定の限定
    運転領域がアイドル運転状態であることを特徴とする請
    求項1記載の内燃機関の空燃比学習制御装置。
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