JPH0978164A - 溶接チタン管 - Google Patents
溶接チタン管Info
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- JPH0978164A JPH0978164A JP23849495A JP23849495A JPH0978164A JP H0978164 A JPH0978164 A JP H0978164A JP 23849495 A JP23849495 A JP 23849495A JP 23849495 A JP23849495 A JP 23849495A JP H0978164 A JPH0978164 A JP H0978164A
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Abstract
つ、高速造管を行っても溶接ビード部のミクロクラック
の発生を充分に抑制する。 【解決手段】 帯板状のチタン材を管状に成形しつつ長
手方向接合縁を溶接して形成されるチタン管であって、
上記チタン材中のFeとOとの各含有量をそれぞれa重
量%,b重量%とするとき、a:0.08重量%以下、b:
0.40重量%以下、かつ、 53・a+117・b+28.31≧45 である。
Description
ラントの熱交換器等に使用される伝熱用の溶接チタン管
に関するものである。
ラントの復水器や海水淡水化装置など、主に海水を冷却
媒として利用する装置の伝熱管として大量に使用されて
いる。これら装置では、雰囲気温度がせいぜい 100℃
で、伝熱管への付加応力も低いために、通常肉厚が 0.5
〜0.7mm 、強度レベルも JIS H4631(伝熱用純チタン
管)2種相当の比較的軟質な薄肉溶接チタン管が使用さ
れている。
の帯板材を室温で各種成形ロールに順次通過させて管状
体に成形し、該管状体の長手方向に亘る接合縁を溶接す
ることにより製造されている。上記のような溶接チタン
管の造管に際しては、図2に示すように、溶接管20の
溶接ビード部21の内面にミクロクラック22が発生す
ることがある。そして、このミクロクラックの発生は、
図3に示すように、溶接直前のほぼ円形状にまで成形さ
れた素材のスプリングバック量δと造管速度とに密接に
関係することが明らかになっている。すなわち、同図に
示すように、溶接域では溶融プール24がスクイズロー
ル23の中心に置いた溶接トーチ位置から造管方向に長
く伸び、スクイズロール23の中心から離れた最終凝固
点近傍ではスクイズロール23による圧下が十分効かな
くなる。このため、素材のスプリングバックによる円周
方向応力が最終凝固点近傍に働いてミクロクラックが発
生すると考えられる。従って、素材のスプリングバック
量が大きくなるほど、又、造管速度が速いほど(溶融プ
ール長さが長くなるため)、ミクロクラックが発生し易
くなる。
度を向上させる方法として、特公平1−54122号公
報に温間成形法が、また、特公平5−51373号公報
に非対称成形法がそれぞれ開示されている。これらはい
ずれも成形後の素材のスプリングバック量を抑制してミ
クロクラックを防止する方法であり、前記した薄肉溶接
チタン管に対しては十分な効果が認められている。
タン(JIS1種)では、Feを0.03重量%,Oを0.05
重量%程度含有するが、これより強度レベルの高いJI
S2種或いは3種の工業用純チタンでは、高強度化のた
めにFe及びOが同時に添加される。特に、JIS3
種、或いは引張強さが45kgf/mm2 を越えるような高強度
純チタンの場合は、Fe,Oともに 0.1重量%を越える
量が添加されている。
ような化学プラントや石油精製プラントでは、雰囲気温
度が 200℃を越え、伝熱管への付加応力も高くなる。そ
のため、従来、これらの装置に用いられる伝熱管には、
1mmを越える比較的厚肉で、強度レベルも45kgf/mm2 を
越えるようなJIS3種相当の厚肉シームレス管が使用
されている。しかし、最近になってコストダウンのため
にシームレス管を溶接管に代替しようとの動きがあり、
高強度厚肉溶接チタン管へのニーズが新たに生じてき
た。
ーズに対応するために、例えば前述したJIS3種相当
のチタン材を使用し、かつ、前記公報記載の温間成形法
や非対称成形法を併用して高強度厚肉溶接チタン管を造
管しようとしても、充分な生産性が得られないという問
題を生じている。
溶接入熱を大きくする必要があり、このために溶融プー
ルが長くなることから、ミクロクラックが非常に発生し
易くなる。更に、肉厚が厚い分、薄肉溶接チタン管より
もスプリングバックを小さくすべきところが、高強度材
であるために通常はスプリングバックが大きくなり易
く、前記の温間成形法や非対称成形法を適用しても、満
足すべき造管速度までミクロクラックを抑制するだけの
スプリングバック量は達成できない。結果として、高強
度厚肉溶接チタン管では従来の薄肉溶接チタン管に比べ
極めて遅い速度で造管する必要があり、このために、生
産性に大きな問題が生じていた。
で、強度が45kgf/mm2 以上の高強度を有し、かつ、高速
造管を行っても溶接ビード部のミクロクラックの発生が
充分に抑制された溶接チタン管を提供することを目的と
する。
本発明者らは溶接時のミクロクラックの発生に及ぼす要
因を詳細に検討した結果、チタン材中のFeの含有量が
ミクロクラックの発生に大きく影響していることを新た
に知見し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明の
溶接チタン管は、帯板状のチタン材を管状に成形しつつ
長手方向接合縁を溶接して形成される溶接チタン管であ
って、上記チタン材中のFeとOとの各含有量をそれぞ
れa重量%,b重量%とするとき、a:0.08重量%以
下、b:0.40重量%以下、かつ、 53・a+117・b+28.31≧45 …(1) であることを特徴としている。
下に抑えると、ミクロクラックの発生が抑制されると共
に満足できる範囲まで造管速度を上昇でき、特に0.05重
量%以下では大きな効果が得られる。なお、現状では、
最も高純度のチタンスポンジを使用しても0.03重量%程
度のFeが含有されている。一方、Fe量を低減させる
と強度が低下するため、O量を増加させて強度を補う。
この場合、引張強さが45kgf/mm2 以上となるように、換
算式(1)を用いてOの含有量を設定する。なお、O量
を増加させると強度は上昇するが、延性が低下するた
め、極端に延性を損ねない範囲の0.40重量%をO量の上
限値とする。
では、高速造管しても、溶接ビード部にミクロクラック
が殆ど認められず、品質に優れた高強度厚肉溶接チタン
管として提供することができる。なお、このような溶接
チタン管の肉厚については、 0.7mm未満では溶接時の溶
融プールの長さが短いためにミクロクラックの問題が発
生し難く、また、2.5mmを越える肉厚の溶接管について
は、前記した溶接管製造方法の採用が困難となるため、
肉厚の範囲を 0.7〜2.5mm に設定する。
実施形態を説明する。初めに、図1を参照して溶接チタ
ン管の造管ラインについて説明する。同図において、1
はストリップ(帯板材)、2はアンコイラー、BPはブ
レークダウンロール3を備えたブレークダウンパス、F
Pはフインパスロール4を備えたフインパス、5はスク
イズロール、SPはサイジングロール6を備えたサイジ
ングパス、8はTIGトーチ7を有する溶接部、9は走
行切断機、10は造管方向を夫々示す。尚、ロールの配
列はこの他何種類か使われているが本質的には同じであ
る。
製造が次のように行われる。すなわち、アンコイラー2
に巻かれた純チタン材からなる素材ストリップ1が、室
温(非加熱状態)で、ブレークダウンパスBP,フイン
パスFPによって管状に成形され、管状体の長手方向に
亘る接合縁を溶接部8でTIGトーチ7により溶接され
て、溶接チタン管として造管される。
量をそれぞれa重量%,b重量%とするとき、 a:0.08重量%以下、b:0.40重量%以下 53・a+117・b+28.31≧45 肉厚: 0.7〜2.5mm の条件を満たすように調整されている。これら調整条件
〜は、溶接ビード部にミクロクラックが発生するこ
となく、高速造管が可能なように設定したものであり、
次に、このように設定した理由について説明する。
いて説明する。溶接チタン管の製造に際して、溶接域の
状況は図3の如くであり、溶融プール24がスクイズロ
ール23の中心に置いた溶接トーチ位置から造管方向に
長く伸び、最終凝固点がスクイズロール23の中心から
離れている。このため、最終凝固点近傍ではスクイズロ
ール23による圧下が十分効かなくなり、素材のスプリ
ングバックによる円周方向応力が最終凝固点近傍に働い
てミクロクラックが発生すると考えられる。
様に、母材27に溶融部25,半溶融部28,凝固部2
6が形成され造管方向に沿って変化すると予想され、液
相と固相とが共存する半溶融部28がビード内面に形成
された段階、すなわち図4(d)のC−C’断面近傍に
円周方向のスプリングバック力が付加されることによっ
て、ビード内面部にミクロクラック(図2参照)が発生
する。例えば、外径22mm、肉厚 0.7mmの溶接チタン管
(材質:JIS2種)を造管した場合のミクロクラック
の発生状況を図5に示す。同図より、スプリングバック
量δが大きくなるほど、又、造管速度vが速いほど(溶
融プール長さが長くなるため)、ミクロクラックが発生
し易くなっている。
るために、本発明者らは溶融プールでの半溶融部、すな
わち液相と固相が共存する二相域を制御する方法に着目
した。例えば、溶接管の外径,肉厚,造管速度やスプリ
ングバック量等の造管条件などが一定の場合は、ミクロ
クラック発生のし易さは二相域の広さに依存するものと
推定され、そして、このチタン材料の二相域の広さは含
有する元素に依存することが考えられる。
IS2種材及び3種材相当の2種類の純チタン帯板を用
いて、19Φ×1.57tmmの溶接管を造管した。造管方法は
上記に述べた方法を採用し、いずれの材料に対しても、
フインパスロールの圧下量を変えることにより、溶接直
前のほぼ円形状まで成形された素材(オープン管)のス
プリングバック量を変化させ、かつ、造管速度も種々変
化させて造管を行った。その後、すべての試料について
内面カラーチェックを行い、ビード中央部ミクロクラッ
クの発生の有無を確認した結果を図6に示す。なお、本
実験では、オープン管のスプリングバック量を、スクイ
ズロールの直前で切り出したオープン管の両エッジの隙
間間隔を測定して評価した。
有量:0.05重量%、Oの含有量:0.12重量%)に比べ
て,FeとOとの含有量が共に0.10重量%を越えるJI
S3種材の方が、ミクロクラック発生限界は大幅に低速
度、低スプリングバック量側にきており、JIS3種材
ではミクロクラックが極めて発生し易くなっていること
が明らかである。通常、高強度材の方がスプリングバッ
クが大きくなり易いため、ミクロクラックが発生し易い
が、図6の結果では同一のスプリングバック量でも明ら
かにJIS2種材とJIS3種材とでは発生限界が異な
っている。
法,スプリングバック量,造管速度,溶接電流などのす
べての造管条件を同一にして実験を行っているため、J
IS2種材とJIS3種材のミクロクラック発生限界の
差は表1に示す不純物組成の差に起因すると考えられ
る。従って、本結果から、FeとOとの含有量の差が影
響を与えているものと判断される。
ミクロクラックの発生に大きく関係していることが明ら
かとなったが、これら2種類のどちらが真の影響因子で
あるか確認するために、次に、Fe及びOの含有量が異
なる表2に示すような純チタン帯板を準備して造管実験
を行った。この実験では、次の条件をすべて同一にして
造管した場合のミクロクラック発生の有無を調査し、ミ
クロクラック発生に及ぼすFe量とO量の影響を個別に
評価した。
れる最適電流に設定 ミクロクラック発生の有無を調べた結果を表2に併せて
示している。なお、同表中の引張強さは、引張強さTS
の換算式の一例として提案されている次式を利用して求
めたものである。
+28.310 ここで、a,bはそれぞれFe及びOの含有量(重量
%)である。
主にFe量に依存しており、Fe量が0.08重量%以下で
は少なくとも 2.0m/分の速度までスピードアップでき
ることが明らかである。このように、Fe量を0.08重量
%以下に抑えると、ミクロクラックを発生させることな
く、満足できる範囲まで造管速度を向上することができ
る。また、Feの減少とともに限界スピードは向上し、
0.05重量%以下で特に大きな効果が得られている。な
お、現状では、最も高純度のチタンスポンジを使用して
も、0.03重量%程度のFeが含有されている。
eとOとの含有量によって強度レベルをコントロールし
ている。そして、高強度化のためにFeとOとを同時に
添加しているが、上記のようにFe量を低減させる分、
強度が低下するため、Oを増加させて強度を補うことが
必要となる。そこで、このOの含有量を、引張強さが45
kgf/mm2 以上になるように、前記の調整条件の式に基
づいて設定する。
は、Oを少なくとも 0.106重量%以上含有させる。一
方、Oの含有量を増加させると強度は上昇するが延性が
低下するため、極端に延性を損ねない範囲の0.40重量%
を上限値としている。なお、その他の元素については精
錬, 溶解時にコントロールの対象となっていないが、H
の含有量が高すぎると水素化合物が生成して延性を極端
に低下させるため、上限値を0.01重量%にしている。N
はO以上に強度上昇と延性低下に影響を与える元素であ
り、著しい延性低下を防止するために上限値を0.05重量
%に設定している。なお、H,N含有量を下げることに
ついては、Oの含有量を若干増加させることで強度低下
に対応することができ、その他の弊害も考えられないた
め、両元素を含まないようにすることも可能である。
が 0.7mm未満ではもともと溶融プールの長さが短く、ミ
クロクラックの問題が発生し難いため、下限を 0.7mm以
上とし、また、2.5mm を越えると、前記の溶接管製造方
法の採用が困難となるため、上限を2.5mm としている。
以上の説明のように、本実施形態での溶接チタン管は、
前述した調整条件〜を満たすチタン材からなること
により、45kgf/mm2 以上の引張強さを有し、しかも、高
速造管を行っても溶接ビード部にミクロクラックが殆ど
認められず、品質に優れた高強度厚肉溶接チタン管とし
て提供することができる。
を2mm一定として不純物量の影響を調べたが、スプリン
グバック量を成形で小さくすればより一層のスピードア
ップが可能である。又、どのようなスプリングバック量
にしてもFe低減の効果は損なわれるものではない。一
方、製造方法についても、上記方法に限らず、例えば前
述した特公平1−54122号公報に記載の温間成形法
や特公平5−51373号公報に記載の非対称成形法を
併用して造管することも可能である。その他、多段スク
イズロールを用いて素材のスプリングバックを保持抑制
する方法や、電流を分散することにより最終トーチ後の
溶融プール長さを短くする多段電極溶接法などの製造法
と併用することも可能である。
管は、高速造管しても溶接ビード部にミクロクラックが
殆ど認められず、このため、生産性に優れ、かつ品質に
優れた高強度溶接チタン管として提供することができ
る。又、溶接チタン管の肉厚が 0.7〜2.5mm であるの
で、高強度を必要とする化学プラントや石油精製プラン
トの熱交換器等に使用することができる。
管ラインの概略を示す説明図である。
す断面図である。
る。
断面図、(b)はA−A’線断面図、(c)はB−B’
線断面図、(d)はC−C’線断面図である。
バック量の影響を示すグラフである。
界を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 帯板状のチタン材を管状に成形しつつ長
手方向接合縁を溶接して形成される溶接チタン管であっ
て、 上記チタン材中のFeとOとの各含有量をそれぞれa重
量%,b重量%とするとき、 a:0.08重量%以下、b:0.40重量%以下、かつ、 53・a+117・b+28.31≧45 であることを特徴とする溶接チタン管。 - 【請求項2】 肉厚が 0.7〜2.5mm であることを特徴と
する請求項1に記載の溶接チタン管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7238494A JP3035197B2 (ja) | 1995-09-18 | 1995-09-18 | 溶接チタン管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7238494A JP3035197B2 (ja) | 1995-09-18 | 1995-09-18 | 溶接チタン管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0978164A true JPH0978164A (ja) | 1997-03-25 |
JP3035197B2 JP3035197B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=17031090
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7238494A Expired - Lifetime JP3035197B2 (ja) | 1995-09-18 | 1995-09-18 | 溶接チタン管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3035197B2 (ja) |
Cited By (6)
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-
1995
- 1995-09-18 JP JP7238494A patent/JP3035197B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US6884305B1 (en) | 1999-08-12 | 2005-04-26 | Nippon Steel Corporation | High-strength α+β type titanium alloy tube and production method therefor |
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WO2015141532A1 (ja) * | 2014-03-18 | 2015-09-24 | 株式会社神戸製鋼所 | チタン溶接管、及びチタン溶接管の製造方法 |
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JP3035197B2 (ja) | 2000-04-17 |
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