JPH0978152A - アルミニウムスクラップの精製方法 - Google Patents

アルミニウムスクラップの精製方法

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JPH0978152A
JPH0978152A JP26622795A JP26622795A JPH0978152A JP H0978152 A JPH0978152 A JP H0978152A JP 26622795 A JP26622795 A JP 26622795A JP 26622795 A JP26622795 A JP 26622795A JP H0978152 A JPH0978152 A JP H0978152A
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cooling bodies
vibration
particles
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JP26622795A
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Takayuki Saotome
貴之 五月女
Mitsuhiro Otaki
光弘 大滝
Koichi Ohara
弘一 尾原
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【構成】 溶融アルミニウム内に1又は2以上の冷却体
を浸漬し、該冷却体の抜熱量を時間的に変動させながら
晶出粒子を発生させ、これら晶出粒子を落下、堆積させ
て堆積した晶出粒子群を回収することを特徴とするアル
ミニウムスクラップの精製方法。 【効果】 本発明のアルミニウムスクラップの精製方法
は、アルミニウムスクラップ中に含まれるSi等の不純
物を効率的に除去できる。従ってブレージングシート等
のアルミニウムスクラップを効率的に再生し、アルミニ
ウム資源の有効利用を促す等、工業上の貢献は顕著なも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム合金の
スクラップを効率良く精製する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】FeやSi等の元素を含有するアルミニ
ウムスクラップの効率的精製技術の開発は、資源の有効
活用並びに原料費削減に対する最重要課題である。例え
ば、自動車用アルミニウム製ラジエータの冷媒を通すチ
ューブにはAl−1wt%Mn合金の芯材にAl−3wt%
Si合金をクラッドした複合材が用いられており、その
製造過程で圧延材のスリッター屑等が大量に発生する。
このようなアルミニウム合金のスクラップは、大半がそ
のまま鋳物用低級地金として利用されている。しかしこ
の複合材が展伸材の原料に転回できれば原料費の大幅な
削減がはかれ、延いては資源の有効活用に繋がる。
【0003】ところでこのようにスクラップを原料とし
て展伸材を得るには、該スクラップからより純度の高い
Alを精製して回収する必要がある。そしてアルミニウ
ムスクラップの精製方法としては、現在結晶分別法が普
通に行われている。
【0004】この結晶分別法は合金溶湯が凝固する時の
溶質の分配法則を応用した精製方法である。ここで、前
記の分配法則を平衡状態図を参照して説明しておく。図
6は、分配係数K[K=液相線温度に達した時の(晶出
固相の溶質濃度)/(初期溶質濃度)]が1よりも小さ
い溶質を含有する金属の例としてAl−Si合金の平衡
状態図であり、Al合金では不純物の大半はK<1であ
る。さて、この平衡状態図で溶質即ちSi濃度C0 の溶
湯を冷却し、その温度が液相線温度T1 に到達するとC
1 濃度の初晶(固相粒子)が最初に晶出する。さらに温
度を下げていくと晶出する固相粒子中の溶質濃度は次第
に高くなるが、温度をT1 に保持している間は常時溶質
濃度C1 の初晶粒子が晶出していることになる。従って
この初晶粒子を回収すればより純度の高いAlが得られ
る。
【0005】以下にこの原理を用いてAl−Si合金の
スクラップからAlを純化処理する装置について図1に
より説明する。抵抗炉(1)内の溶湯保持容器(2)内
に該スクラップの金属溶湯(A)を収容してこの溶湯
(A)をその液相線温度以上に保持する。そして内部に
冷却媒体を流通させた冷却体(3)と該冷却体に連結し
た振動器(4)からなる初晶発生器(5)の該冷却体
(3)を上記溶湯(A)に漬ける。こうすることによっ
て該冷却体(3)の表面に初晶が晶出して該表面に付置
するようになる。この初晶粒子は上記溶湯よりもSi濃
度は低下しており、一方いまだ溶融状態にある残りの溶
湯は上記溶湯よりもSi濃度が高い濃化液相である。こ
こで冷却体(3)に振動を付与すると上記初晶粒子は冷
却体(3)の表面から脱離し、溶湯との比重差から溶湯
保持容器(2)の底部に自由落下して堆積する。従って
この初晶粒子堆積部を回収することによりAlの純度を
上げることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の金属の純化方法
では、初晶粒子堆積部を回収する際に少なからず該堆積
部に共存する溶湯を一緒に回収することになる。ところ
がこのような初晶粒子堆積部に存在するこれら粒子間の
溶湯は不純物が濃縮した液相であるため、回収する初晶
粒子堆積部の純度を高めるには該液相をできるだけ排除
しなければならない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み検討
の結果、上記の初晶粒子堆積部から不純物濃度の高い液
相を十分に排除して純度の高いAlの得られるアルミニ
ウムスクラップの精製方法を提供するものである。
【0008】即ち本発明精製方法の第一は、溶融アルミ
ニウム内に1又は2以上の冷却体を浸漬し、該冷却体の
抜熱量を時間的に変動させながら晶出粒子を発生させ、
これら晶出粒子を落下、堆積させて堆積した晶出粒子群
を回収することを特徴とするものである。
【0009】また本発明精製方法の第二は、溶融アルミ
ニウム内に1又は2以上の冷却体を浸漬し、該冷却体に
振動を付与しながら晶出粒子を発生させてこれら粒子を
落下、堆積させ、堆積した晶出粒子群を回収するにあた
り、付与する振動の振動数、又は振幅のうち少なくとも
いずれか一方を時間的に変動させることを特徴とするも
のである。
【0010】また本発明精製方法の第三は、溶融アルミ
ニウム内に1又は2以上の冷却体を浸漬し、該冷却体に
対して断続的に振動を付与するにあたり、長周期の非振
動インターバルと短周期の非振動インターバルを交互に
設けながら晶出粒子を発生させ、これら晶出粒子を落
下、堆積させて堆積した晶出粒子群を回収することを特
徴とするものである。
【0011】また本発明精製方法の第四は、溶融アルミ
ニウム内に複数の冷却体を浸漬し、これら冷却体を抜熱
量の異なる少なくとも2群に分けて、それぞれ晶出粒子
を発生させ、これら晶出粒子を落下、堆積させて堆積し
た晶出粒子群を回収することを特徴とするものである。
【0012】また本発明精製方法の第五は、溶融アルミ
ニウム内に複数の冷却体を浸漬し、該冷却体に振動を付
与しながら晶出粒子を発生させてこれら粒子を落下、堆
積させ、堆積した晶出粒子群を回収するにあたり、これ
ら冷却体を該冷却体に付与する振動の振動数、又は振幅
の少なくともいずれか一方が異なる2群以上に分けるこ
とを特徴とするものである。
【0013】また本発明精製方法の第六は、溶融アルミ
ニウム内に複数の冷却体を浸漬し、これら冷却体を長周
期の断続的振動を付与する群と、短周期の断続的振動を
付与する少なくとも2群に分けることを特徴とするもの
である。
【0014】図2に従来技術の精製方法によって初晶粒
子群が堆積している状況を模式的に示す。即ち従来の方
法ではほぼ同じ粒径の初晶が発生して堆積するものであ
った。本発明者らは初晶粒子の間隙の不純物の濃縮した
液相を排除して初晶粒子堆積部の純度を向上させるため
には、該堆積部の初晶粒子の充填率を高めることにより
前記液相を初晶堆積部から排除すればよいと考えた。
【0015】しかしながら、上記装置による従来のアル
ミニウムの精製方法では、精製処理中、即ち、冷却体を
アルミニウム溶湯内に浸漬・振動中においては、冷却体
の振動条件、冷却体抜熱条件は同一であるため、沈降・
堆積する純度の高い初晶粒子群の個々の粒径はほぼ同一
である。このため、初晶粒子堆積部では径がほぼ同一な
粒子を最密に充填させることになるが、このような状態
では粒子間隙の液相の排除は不充分であった。さらに、
上記装置を用いてアルミニウムスクラップの精製処理を
行った場合には、高濃度の不純物元素のために初晶粒子
はデンドライト状に成長する傾向が強くなり、デンドラ
イト間隙や結晶粒間に捕捉させる不純物元素量が増大す
ることから、初晶粒子純度の低下を助長していた。
【0016】そこで本発明者らはさらに検討の結果、初
晶の粒径は冷却体の振動数、振幅又は冷却体からの抜熱
量の変動により制御可能であることが判明した。従って
これら条件を変更することにより、図3に示すように粒
径の大きな初晶粒子(P)群とより粒径の小さい初晶粒
子(Q)群とを混在させて大きな初晶粒子(P)の間隙
に小さな初晶粒子(Q)を充填するようにすれば、図2
のように同一粒子径の初晶粒子のみが堆積したのに比べ
て粒子充填率が格段に向上する。なお初晶粒子径は図3
のように大小の2種類に分けてもよいが、3種類以上に
分けてもよく、また連続的に粒子径を変化させてもよ
い。
【0017】そして上記の冷却体の振動数、振幅及び抜
熱量の変動を2水準に設定すれば初晶粒子径は2種類と
なり、3水準に設定すれば3種類となるので、本発明で
は2水準以上に設定することが必要である。また設定値
は2種類又は3種類以上の所定の粒径の初晶粒子が堆積
するように、冷却体のサイズや溶湯量によって適宜決定
される。なお冷却体の数は1本でも2本以上でもかまわ
ない。
【0018】さらに冷却体の振動数、振幅及び抜熱量の
変動周期は、得ようとする初晶粒子径の大きさやその種
類の数等によって適宜設定される。例えば振動数を変動
させる場合は、その振動数の時間的変動は、非定常波で
表わされる関係であってもよいが、図4(イ)のように
正弦波的、図4(ロ)のように矩形波的、又は図4
(ハ)のようにノコギリ波的な定常波で表わされる場合
の方がより制御し易いので好ましい。また振動を付与す
る手段としては電気的あるいは機械的等どのような方法
であっても、任意の振動数と振幅を選択できるものであ
ればよい。なお振動の方向としては左右方向、上下方向
のいずれでもかまわない。
【0019】なお冷却体に振動を付与する場合は衝撃的
な振動を断続的に与えることも考えられる。即ち該冷却
体をハンマー等で叩くような場合である。この場合図4
(ニ)に示すように衝撃的な振動から次の衝撃的な振動
までの非振動インターバルは、これを長時間に設定して
おくものと短時間に設定しておくものとを交互に設ける
ことにより、長時間の非振動インターバル間で発生して
成長する晶出粒子と短時間の非振動インターバル間で発
生して成長する晶出粒子の粒径は異なるものとなる。従
ってこのように成長した晶出粒子に対して図4(ニ)に
概念的に示すように衝撃的な振動を与えれば粒子径の大
きい晶出粒子と粒子径の小さい晶出粒子が交互に落下、
堆積することになる。
【0020】次に冷却体の抜熱量を変動させるには、冷
却体を冷却する冷媒の種類やその流通量を変更する方法
が利用でき、いずれの場合も初晶発生に見合う抜熱量を
確保できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0021】また本発明では、一つの溶湯保持容器に対
して複数本の冷却体を浸漬し、これら冷却体を2群以上
に分け、ある群内の冷却体の抜熱量を他の群のものの抜
熱量より大きく、あるいは小さく設定する。即ち各群毎
に抜熱量の異なる冷却体を設置する。こうして各群の冷
却体毎に粒子径の異なる初晶粒子が発生して落下、堆積
するので初晶粒子の充填率はやはり向上する。
【0022】また本発明では複数本の冷却体を2群以上
に分け、各群毎の冷却体に付与する振動の振動数及び/
又は振幅を異ならしめるものもある。この場合も各群の
冷却体からは異なる粒径の晶出粒子が発生して落下、堆
積する。
【0023】さらに本発明では上記と同様冷却体を2群
以上に分け、より長い周期で衝撃的な振動を与える群と
より短い周期で衝撃的な振動を与える群、さらにこれら
とは異なった周期で衝撃的な振動を与える複数の群を設
けることによって粒径の異なる晶出粒子を得る。
【0024】また溶湯保持容器底部に堆積したAl純度
の高い初晶粒子とその上部の液相とを分離するには、例
えば、溶湯が凝固するまで冷却させてAl合金鋳塊を作
り、これを容器から取り出して切断や溶断等によって初
晶堆積部と濃化液相部とを分離する方法、スクリューコ
ンベア、ベルトコンベア等の初晶移送治具を用いて保持
容器内の溶湯底部に堆積した初晶粒子群を該容器外に連
続的に排出する方法等を用いることができる。
【0025】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0026】(実施例1)図1に示した装置を用いたア
ルミニウムスクラップ溶湯の精製実験を行った。原料に
は、アルミニウムブレージングシート屑(組成Al−3
%Si−1%Mn)を用いた。溶湯保持容器(2)は黒
鉛製で、全深さ 200mm、内径 100mmφの断面円形状であ
る。上記保持容器(2)を抵抗炉(1)に入れ、アルミ
ニウムスクラップ溶湯を注湯し、溶湯保持容器の溶湯温
度を予め求めた液相線温度より2度高く設定した。初晶
発生器(5)には、黒鉛製の内部ガス冷却式冷却体
(3)と機械振動式振動器(4)を用いた。該冷却体
(3)の外径は40mmφであり、この冷却体(3)を溶湯
保持容器(2)の溶湯上面にその先端を20mm浸漬し、内
部に常温の窒素ガスを25リットル/min 流した。さら
に、冷却体の振幅は5mmとし、その振動数を表1の通り
2水準設定しその水準間で振動数を変動させた。本実施
例で行った振動数2水準と振動数波形及び周期を表1に
示す。表1の条件でそれぞれ5分間、初晶発生処理を行
い溶湯保持容器内の溶湯を精製した後、溶湯を自然放冷
により冷却凝固させ、得られたアルミニウム鋳塊の中心
部であって溶湯保持容器底部位置のSi量を分析してそ
れらの結果を本発明例No.1〜No.3として表1に併記
した。
【0027】(比較例1)図1に示した装置により、冷
却体の振動数を20Hzで一定として他の条件は実施例1と
同一にしてアルミニウムスクラップ溶湯の精製実験を行
い、得られたAl鋳塊について同様にSi量を分析して
その結果を表1に併記した。
【0028】
【表1】
【0029】表1から明らかなように振動数を変動させ
ている本発明例No.1〜No.3は、振動数の一定な比較
例No.1に比べて初晶堆積部のAl純度が向上している
ことが認められる。
【0030】(実施例2)図1に示した装置により、実
施例1と同様にアルミニウムスクラップ溶湯の精製実験
を行った。冷却体の振動数は20Hzとし、その振幅を表2
のように2水準に設定してそれら水準間で振幅を変動さ
せた後、得られたAl鋳塊について実施例1と同様にS
i量を分析してそれらの結果を本発明例No.4〜No.6
として表2に併記した。
【0031】(比較例2)図1に示した装置を用い、冷
却体の振幅を5mmで一定とし他の条件は実施例2と同一
にしてアルミニウムスクラップ溶湯の精製実験を行い、
得られた鋳塊について同様にSi量を分析をして結果を
表2に示した。
【0032】
【表2】
【0033】表2から振幅を変動させることで初晶堆積
部のAl純度が向上していることが明らかである。
【0034】(実施例3)図1に示した装置により、実
施例1と同様にアルミニウムスクラップ溶湯の精製実験
を行った。冷却体の冷却方法を水冷としてその冷却水量
を表3のように2水準設定してそれらの水準間で冷却水
量を変動させることにより抜熱量を変動させた後、得ら
れたAl鋳塊について実施例1と同様にSi量を分析し
てそれらの結果を本発明例No.7として表3に併記し
た。
【0035】(比較例3)図1に示す装置を用い、冷却
体の冷却水量を 1.0リットル/min で一定とし、他の条
件は実施例3と同一にしてアルミニウムスクラップ溶湯
の精製実験を行い、得られた鋳塊について同様にSi量
を分析してその結果を表3に併記した。
【0036】
【表3】
【0037】表3より冷却体の冷却水量を変動させて抜
熱量を変動させることで初晶堆積部のAl純度が向上し
ていることが明らかである。
【0038】(実施例4)図1に示す装置において、さ
らに他の初晶発生器を設置し、表4に示すように一方の
冷却体の振動数を20Hzに設定し、他方の冷却体の振動数
を5Hzに設定し、さらにいずれの冷却体も振幅は5mm、
冷却体の冷却には窒素ガスを 1.0リットル/min 流し、
その他は実施例1と同様にしてアルミニウムスクラップ
溶湯の精製実験を行った。そして得られたAl鋳塊につ
いて実施例1と同様にSi量を分析してそれらの結果を
本発明例No.8として表4に併記した。
【0039】(比較例4)図1に示す初晶発生器が1台
の装置により、表4に示すようにその冷却体の振動数を
20Hzに固定し、他の条件は上記実施例4と同一にして得
られたAl鋳塊について同様にSi量を分析してその結
果を表4に併記した。
【0040】
【表4】
【0041】表4から振動数のみ異なる2台の冷却体に
よっても2種類の粒子径の初晶が発生するので初晶堆積
部のAl純度が向上することが判る。
【0042】(実施例5)図5に示した精製装置を用い
てアルミニウムスクラップ溶湯の精製実験を行った。こ
の装置は、図示しないスクラップ溶解炉、流入樋
(6)、溶湯保持容器(2)、初晶発生器(5)、ベル
トコンベア(7)、初晶堆積部回収槽(8)、液相回収
槽(9)、図示しないベルトコンベア駆動装置、溶湯保
持容器外周の抵抗発熱体から構成される。実施例1との
相違点は、溶湯底部の初晶堆積部をベルトコンベア
(7)を用いて連続的に溶湯保持容器外部に排出できる
点である。原料には、実施例1と同様にアルミニウムブ
レージングシート屑(組成Al−3%Si−1%Mn)
を用いた。
【0043】溶湯保持容器は黒鉛製で、初晶発生部と初
晶移送部から構成されている。初晶発生部は全深さ 200
mm、内径 100mmφの断面円形状であり、さらに、初晶移
送部は、ベルトコンベア(7)を収容する内径 100mmφ
の円筒状容器が傾斜されて該コンベア(7)の先端が初
晶発生部の容器底部に配置されている。そしてこの溶湯
保持容器(2)内を抵抗発熱体により所定温度に保持し
た後、アルミニウムスクラップ溶湯を流入樋(6)を通
して注湯し、溶湯保持容器(2)の溶湯温度を予め求め
た液相線温度より2度高く設定した。初晶発生器(5)
には、黒鉛製の内部ガス冷却式冷却体(3)、機械振動
式振動器(4)を用いた。冷却体の外径は40mmφであ
り、この初晶発生器の冷却体(3)を初晶発生室の溶湯
上面にその先端を20mm浸漬し、内部に常温の窒素ガスを
25リットル/min 流した。さらに、冷却体の振幅は5mm
とし、その振動数を表5に示すように2水準設定しその
水準間で振動数を変動させた。またベルトコンベア
(7)によって排出される初晶堆積部の排出量は 100g
/分、液相の排出量は200g/分であったため、それに
見合うスクラップをスクラップ溶解炉より流入させた。
精製処理を10分間行い、得られた初晶堆積部1kgのSi
量を分析してそれらの結果を本発明例No.9〜No.11と
して表5に併記した。
【0044】(比較例5)図5に示す装置により、表5
に示すように冷却体の振動数を20Hzに固定し、他の条件
を上記実施例5と同一にして得られた初晶堆積部のSi
量を分析してその結果を表5に併記した。
【0045】
【表5】
【0046】表5より連続的に初晶堆積部を回収できる
装置を用いた場合でも、振動数を変動させることによ
り、そのAl純度は向上することが判る。
【0047】
【発明の効果】以上、説明したように本発明のアルミニ
ウムスクラップの精製方法は、アルミニウムスクラップ
中に含まれるSi等の不純物を効率的に除去できる。従
ってブレージングシート等のアルミニウムスクラップを
効率的に再生し、アルミニウム資源の有効利用を促す
等、工業上の貢献は顕著なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する装置の一例を示す説明図であ
る。
【図2】従来法による初晶粒子の堆積状況を示す説明図
である。
【図3】本発明法による初晶粒子の堆積状況を示す説明
図である。
【図4】本発明で冷却体に付与する振動の具体例を示す
もので、(イ)は振動数の時間的変動例のうち正弦波
型、(ロ)は振動数の時間的変動例のうち矩形波型、
(ハ)は振動数の時間的変動例のうちノコギリ波型及び
(ニ)は衝撃的振動の付与の時間的変動例を示すそれぞ
れ線図である。
【図5】本発明を実施する他の装置の例を示す説明図で
ある。
【図6】溶質の分配法則を説明するAl−Si合金の平
衡状態図である。
【符号の説明】
1 抵抗炉 2 溶湯保持炉 3 冷却体 4 振動器 5 初晶発生器 6 流入樋 7 ベルトコンベア 8 初晶堆積部回収槽 9 液相回収槽
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22B 9/02 C22B 9/02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融アルミニウム内に1又は2以上の冷
    却体を浸漬し、該冷却体の抜熱量を時間的に変動させな
    がら晶出粒子を発生させ、これら晶出粒子を落下、堆積
    させて堆積した晶出粒子群を回収することを特徴とする
    アルミニウムスクラップの精製方法。
  2. 【請求項2】 溶融アルミニウム内に1又は2以上の冷
    却体を浸漬し、該冷却体に振動を付与しながら晶出粒子
    を発生させてこれら粒子を落下、堆積させ、堆積した晶
    出粒子群を回収するにあたり、付与する振動の振動数、
    又は振幅のうち少なくともいずれか一方を時間的に変動
    させることを特徴とするアルミニウムスクラップの精製
    方法。
  3. 【請求項3】 溶融アルミニウム内に1又は2以上の冷
    却体を浸漬し、該冷却体に対して断続的に振動を付与す
    るにあたり、長周期の非振動インターバルと短周期の非
    振動インターバルを交互に設けながら晶出粒子を発生さ
    せ、これら晶出粒子を落下、堆積させて堆積した晶出粒
    子群を回収することを特徴とするアルミニウムスクラッ
    プの精製方法。
  4. 【請求項4】 溶融アルミニウム内に複数の冷却体を浸
    漬し、これら冷却体を抜熱量の異なる少なくとも2群に
    分けて、それぞれ晶出粒子を発生させ、これら晶出粒子
    を落下、堆積させて堆積した晶出粒子群を回収すること
    を特徴とするアルミニウムスクラップの精製方法。
  5. 【請求項5】 溶融アルミニウム内に複数の冷却体を浸
    漬し、該冷却体に振動を付与しながら晶出粒子を発生さ
    せてこれら粒子を落下、堆積させ、堆積した晶出粒子群
    を回収するにあたり、これら冷却体を該冷却体に付与す
    る振動の振動数、又は振幅の少なくともいずれか一方が
    異なる2群以上に分けることを特徴とするアルミニウム
    スクラップの精製方法。
  6. 【請求項6】 溶融アルミニウム内に複数の冷却体を浸
    漬し、これら冷却体を長周期の断続的振動を付与する群
    と、短周期の断続的振動を付与する少なくとも2群に分
    けることを特徴とするアルミニウムスクラップの精製方
    法。
JP26622795A 1995-09-20 1995-09-20 アルミニウムスクラップの精製方法 Pending JPH0978152A (ja)

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JP26622795A JPH0978152A (ja) 1995-09-20 1995-09-20 アルミニウムスクラップの精製方法

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JP26622795A Pending JPH0978152A (ja) 1995-09-20 1995-09-20 アルミニウムスクラップの精製方法

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JP (1) JPH0978152A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8202347B2 (en) 2006-06-23 2012-06-19 Constellium France Process for recycling aluminum alloy scrap coming from the aeronautical industry
JP2017035649A (ja) * 2015-08-07 2017-02-16 国立大学法人静岡大学 凍結分離装置および凍結分離方法

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