JPH0975929A - 液体の循環浄化装置、液体の浄化方法及び液体の循環浄化システム - Google Patents

液体の循環浄化装置、液体の浄化方法及び液体の循環浄化システム

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JPH0975929A
JPH0975929A JP8176898A JP17689896A JPH0975929A JP H0975929 A JPH0975929 A JP H0975929A JP 8176898 A JP8176898 A JP 8176898A JP 17689896 A JP17689896 A JP 17689896A JP H0975929 A JPH0975929 A JP H0975929A
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light source
circulation purification
light
capturing
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Shunsaku Harie
俊策 針江
Naoteru Ikeda
直輝 池田
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期使用しても濁度及び臭いを低減できる循環
浄化装置の提供。 【解決手段】内部を液体が循環するケーシング1と光源
2と光源の保護管3と汚濁成分の捕捉機構部10と液体
の流入部6と液体の排出部7とを有する液体の循環浄化
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光を照射して液体
の浄化を促進する循環浄化装置、液体の循環浄化方法及
び液体の循環浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】微生物の有機物質分解作用を利用した水
の循環浄化装置は、その取扱いが簡便であること、装置
が簡略化できること、特殊な薬剤を必要としないこと等
から広く実用に供されており、浴水循環浄化装置や排水
処理装置はその一例である。
【0003】上記装置は、一般に水を循環する配管系に
微生物浄化槽を設けており、被処理液である循環水中の
不溶性汚濁有機成分の一部及び可溶性汚濁有機成分が、
主として微生物浄化槽に存在する微生物により分解及び
消費され、水質の浄化が図られている。
【0004】このような浄水装置では、浄化を行う微生
物は、通常、水の循環系内で自然発生的に増殖する。す
なわち、循環系に存在する微生物は、通常、循環水中の
基質、ここでは被処理液体に存在する汚濁成分、及び溶
存酸素等を利用しながら徐々に増殖し、増殖した微生物
のほとんどは浄化槽内部に設けられた固定化用担体等に
付着して固定化され、担体等の表面でさらに増殖を続け
る。
【0005】一般的には、有機物質を分解する微生物の
量が増大するほど、系内での生分解能力は高まるため、
このような装置の浄化機能を維持するためには、浄化槽
内部の担体等に充分な量の微生物が固定化されることが
重要である。
【0006】しかし、このような装置の循環系内で浄化
微生物が増殖を続けていくと、増殖の過程で発生する種
々の代謝産物が循環系内に徐々に蓄積される。その結
果、これら代謝産物が処理液の異臭又は着色等の汚濁の
原因になることがある。特に、溶存酸素が系全体又は局
所的に不足する場合には、嫌気性菌の発生及び増殖が高
まることにより、汚濁や臭気の発生程度が大きくなるこ
とが多い。また、循環系内の浄化微生物は一定の期間を
経た後は徐々に死滅するため、これらの死滅した微生物
の菌体成分とその分解物も汚濁成分や臭気の一部とな
る。
【0007】このような問題を解決するために、紫外線
ランプを循環系に設置し、系内の微生物の増殖を適度に
抑制することが提案され、既に実用に供されている。し
かし、かかる紫外線ランプは、高出力のものほど、菌の
増殖抑制効果は高くなるが高価になること、及び紫外線
ランプの寿命は一般的に短く、その交換頻度が高いこと
から、長時間の使用に供するためには間欠運転等を行わ
ざるを得ないのが現状である。
【0008】したがって、通常の安価な低出力紫外線ラ
ンプのみでは微生物の増殖抑制の効果は低く、代謝産物
等の汚濁成分を分解する効率も悪いため、循環水中に発
生する異臭や着色等の汚濁成分を効果的に低減できない
といった問題がある。
【0009】また、このような装置ではその循環水中に
懸濁する浄化微生物をゼロにすることは事実上できない
ため、紫外線ランプの表面には次第に微生物及び汚濁成
分が付着し、紫外線ランプの光照射効率が低下する原因
となることが多かった。
【0010】上述した微生物の有機物質分解作用を利用
した水の循環浄化装置の欠点を解消すべく、酸化チタン
が付着したガラス玉を水槽の底に敷き詰め、水槽の外側
から蛍光灯で光照射して水を浄化することが提案されて
いる(特開平7−24451)。しかし、この水の浄化
手段では、蛍光灯の光の利用効率が悪く、水の浄化が不
充分であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記種々の問題点を解決する液体の循環浄化装置の提供
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部を液体が
循環するケーシングと、ケーシングの内部に設けられた
紫外波長領域を含む光を発光する光源と、汚濁成分を捕
捉する捕捉機構部と、液体の流入部と、液体の排出部と
を有することを特徴とする液体の循環浄化装置を提供す
る。
【0013】本発明では、循環浄化装置の光源の周囲の
一部又は全部に、微生物菌体と汚濁成分を捕捉する捕捉
体を設け、捕捉体中に被処理液を流動させることによっ
て、光源からの光が有効利用され、装置に汚濁成分が蓄
積することなく、被処理液中の汚濁成分を効率的に除去
できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にしたがって詳細に説明する。図1は本発明の液体の循
環浄化装置の代表例の基本的構成図、図2は図1のA−
A矢視断面図である。
【0015】図1において、1は本発明の液体の循環浄
化装置のケーシング、2はケーシング1の内部に設けら
れた光源、3は必要に応じて設けられ、光源を液体から
遮断するための例えば石英ガラス製等の保護管、4は汚
濁成分を捕捉するための捕捉体、5は保持体、6は被処
理液体の流入部、7は処理液体の排出部、8は捕捉体4
とケーシング1の内壁との間に形成され空隙、10は捕
捉体4と保持体5からなる捕捉機構部である。
【0016】捕捉体4が粒状体からなる場合、粒状体の
流出を防ぎ、かつ該粒状体からなる捕捉体4を光源近傍
に保持するための例えば多孔質板等からなる保持体5が
備えられる。なお、捕捉体4が液流によって流出しない
形態、例えば、多孔質シートやその他の自己形状保持多
孔質体等である場合は保持体5は必須ではない。
【0017】空隙8は本発明において必須ではないが、
被処理液を導入部6から高速で流入させる場合や、被処
理液体を装置内で螺旋状に流動させて処理する場合に
は、空隙8を設けることが好ましい。このように、捕捉
体4に液体を高速で流入させると流体に微小な気泡が発
生し、捕捉体4に接触するので汚濁成分等の浄化をより
効果的に行える。なお、この際液体に微小な気泡が発生
しやすいように、液体にあらかじめ空気を導入すべく空
気導入部を設けることが好ましい。
【0018】本発明の処理装置においては、被処理液体
が、図1の循環浄化装置の流入部6から導入される。被
処理液体中の汚濁成分は、循環を繰り返す過程で保持体
5を通過して捕捉体4に吸着される。同時に、被処理液
体中の微生物も同様に捕捉体4に吸着される。
【0019】捕捉体4に吸着された汚濁成分は、光源2
から照射される紫外波長領域を含む光を受けて変性又は
分解を受ける。また、吸着された微生物も照射光により
阻害を受け徐々に死滅する。
【0020】本発明の処理装置を含む循環浄化システム
においては、被処理液体中に存在する汚濁成分及び浄化
微生物は、該システム内で絶えず循環を繰り返してお
り、その過程でほとんどの汚濁成分は微生物浄化槽及び
上記装置内で分解される。
【0021】図3は、回分処理(非循環処理)で波長2
54nmの紫外線を含む光を被処理液体に照射したとき
の汚濁成分の経時変化を調べた結果を示す特性図であ
る。図3に示すように、光を照射しない場合と比べて、
紫外線を含む光を照射した場合には1〜2日後には汚濁
成分の指標である濁度及び臭いが顕著に低下することを
確認した。
【0022】また、本発明において、光照射による有機
化合物の分解効率の向上策として、酸化チタン等の光触
媒物質を利用した光触媒反応を応用することが好まし
い。本発明に用いられる捕捉体4の表面に酸化チタンを
設けることにより、汚濁成分が光触媒反応の効果でさら
に効率良く低減する。図3に光触媒反応の効果を示す。
【0023】例えば、捕捉体4の表面に、酸化チタンの
薄膜、酸化チタンの微粒子を含有する薄膜又は酸化チタ
ンの結晶の薄膜等を形成させる。なお、同様な効果は光
源2又は保護管3に酸化チタンを設けることによっても
得られる。すなわち、被処理液体と接触する面に酸化チ
タンを設けることによっても得られる。また、酸化チタ
ン以外の光触媒物質でも利用できる。
【0024】一方、大量の液体を微生物浄化で処理する
装置は、循環流で好気的条件を維持することが必須であ
り、図3に示す試験例のような非循環処理の採用は実際
上難しい。また、例えば、本発明の代表的な実施形態で
ある浴水浄化装置では光源を浴槽内に設置することは安
全上の観点からも問題がある。したがって、循環系で汚
濁成分を光照射で効率よく浄化するためには、光を汚濁
成分に対して充分に照射するための工夫が求められる。
【0025】しかし、通常の循環浄化システムの循環量
は10〜40リットル/分程度であり、被処理液体中の
汚濁成分が光照射を受ける時間は、図3の試験例におけ
る照射時間に比べるときわめて短時間である。したがっ
て、循環システムで光照射により汚濁成分を効果的に低
減するために種々検討を重ねた結果、図1に示すように
光源近傍に汚濁成分を捕捉する捕捉体を設け、捕捉体表
面に汚濁成分を吸着させ、該汚濁成分が光源近傍に滞留
する時間を長くすることにより、光照射による汚濁成分
の変性又は分解効率が高まり、濁度及び臭いが顕著に低
減することがわかった。
【0026】捕捉機構部10を構成する捕捉体4は、循
環水中の汚濁成分を捕捉体4表面で一時的に捕捉する。
その材質は該汚濁成分を物理吸着又はイオン吸着等のな
んらかの相互作用で捕捉できるものであれば、その材質
や形状は問わないが、紫外線を含む光を照射する場合で
も長期間劣化しない材質が好ましい。
【0027】捕捉体4としては、粒状体、シート状体等
が好ましく、その他所望の成形体等の形態又はこれらの
形態の組み合わせで使用される。浄化能力向上のために
は、粒状体がより好ましい。例えば、粒状体の場合には
平均粒径0.1〜10mm程度の光透過性粒状体及び/
又は光非透過性粒状体が使用される。また、多孔質体が
好ましい。
【0028】捕捉体4としてはその性質より、無機系材
料が好ましい。無機系材料としては、例えば、アルミ
ナ、ジルコニア等のセラミックス、ガラス、シリカ等、
活性炭、それらの表面を化学修飾したもの又はこれらの
2種以上の組み合わせからなる無機系材料が好ましい。
また、前記した通り、これらの材料の表面に酸化チタン
等の光触媒物質を設けることが特に好ましい。
【0029】また、捕捉体4としてガラス、セラミック
ス等の無機材料を使用する場合には、ナトリウム含有量
が0.5重量%以下のものが好ましく、この無機材料の
表面にコート等の手段によって酸化チタン等の光触媒物
質の薄膜を形成したものがより好ましい。ナトリウム含
有量が0.5重量%以下の無機材料は、0.5%重量超
の無機材料と比較して、数倍浄化能力が優れている。
【0030】ケーシング1の形状は、図1に示すものに
限定されないが、構造を単純化するため及び光源の一般
的形状が円筒状であるため、ケーシング1の形状も円筒
状が好ましい。また、ケーシング1と保護管3とで構成
される流路で被処理液体が均一に流れるようにするため
に、保持体5の形状も円筒形が好ましい。また、保護管
3は光源の光を透過する例えば石英ガラスのような材質
が好ましい。
【0031】ケーシング1の寸法は、ケーシング1内で
被処理液体を高流速で流入及び排出させるために、ケー
シング1の内径は、紫外線ランプ保護管の外径に比べて
あまり大きくないほうが好ましい。
【0032】捕捉体4が占める流れ方向の長さは、図1
では光源2をすべて覆うようになっているが、これに限
定されず、光源2の一部、例えば、半分を覆うようにし
てもある程度の効果を奏する。
【0033】捕捉機構部で処理される被処理液体は高流
速で流入及び排出させることが好ましい。すなわち、捕
捉機構部内部を流速20〜200cm/秒、特には流速
30〜110cm/秒、さらには流速50〜80cm/
秒の範囲で流れることが好ましい。
【0034】流速20〜200cm/秒の場合には、こ
の範囲以外の場合と比較して、約30%以上浄化能力が
向上する。また、流速30〜110cm/秒の場合に
は、この範囲以外の場合と比較して、約20%以上浄化
能力が向上する。また、流速50〜80cm/秒の場合
には、この範囲以外の場合と比較して、約10%以上浄
化能力が向上する。
【0035】光源及び捕捉体の表面には、循環水中に存
在する過剰の汚濁成分や微生物が次第に付着し蓄積して
くる。このような付着が進むと、捕捉体表面への光照射
効率が低下し、汚濁成分の低減効果が落ちる。図1に示
すような構造を採用して被処理液体を高流速で流入及び
排出させることにより、光源及び捕捉体での汚濁成分や
微生物の付着を防止できる。
【0036】被処理液体を装置内部に流入させる際に、
例えば、流入部6の中心をケーシング1の中心に対し偏
心させることにより、該被処理液体が装置内部で光源及
び捕捉体の周囲を螺旋状に循環(ケーシング1の中心を
回るように流れる)するようにすれば、汚濁成分等の付
着をさらに効果的に行える。
【0037】図4は、通常約20リットル/分の流量で
循環させる系において、図1の装置内流速を通常の約2
0%に低下させたときの汚濁成分の除去効果を観察した
結果を示す。日数の経過とともに捕捉体表面への付着が
進行し、付着が顕著となった8日目以降は濁度及び臭い
が増加した。
【0038】紫外波長領域の光としては、波長200〜
400nmの光が、通常、使用できる。この範囲の光に
は、酸化チタン等の光触媒物質から電子が飛び出した跡
にできる正孔が水を酸化して水酸化ラジカルを生成する
作用がある。水酸化ラジカルはきわめて強い酸化力を有
し、有機物質を分解するのに威力を発揮する。
【0039】したがって、200〜400nmの場合に
は、200〜400nmの範囲以外の場合と比較して、
有機物質を分解する能力、すなわち、本発明にとって好
ましい浄化能力がある。使用する光の波長の範囲のより
好ましい範囲は、250〜300nmである。
【0040】光源は、紫外波長領域の光を発生する紫外
線ランプが好ましい。光触媒反応の効果を利用する場合
には主として300nm台の近紫外波長領域の光を発生
するブラックライト又は通常のランプを用いてもよい。
【0041】また、捕捉体4としてシート状体又は多孔
質板を使用する場合、シート状体又は多孔質板が光源の
周囲を囲むように配して使用するのが好ましい。
【0042】捕捉体4を構成する浄化微生物の捕捉体4
が粒状体からなる場合、該粒状体の流出を防ぎ、かつ、
該粒状体からなる機構部を光源近傍に設置するために保
持体5を用いることが好ましい。
【0043】保持体5の材質は、耐久性を高め、かつ、
使用過程で錆の発生をさけるために、多孔質板、網状
体、複数孔を設けた板状体又は複数孔を設けた膜状体等
が好ましく、このうちで、浄化能力向上のためには液体
が通過しやすい網状体がより好ましい。
【0044】また、保持体5の材質は、具体的には銅、
亜鉛、ニッケル、銅と亜鉛の合金、銅とニッケルの合金
又はステンレススチール等を用いるのが好ましい。しか
し、これに限定されず、腐食しない材質であればどのよ
うなものでも使用できる。また、保持体の材質として、
より好ましいのは銅、亜鉛、ニッケル、銅とニッケルの
合金又は銅と亜鉛の合金である。一般細菌の増殖を抑制
する作用があるからである。
【0045】保持体5として多孔質板を用いる場合に
は、多孔質板の孔径は、被処理液体が吸着・捕捉用粒状
体に容易に接触でき、かつ、該粒状体が多孔質板から逸
脱しない程度のものが好ましい。
【0046】本発明の装置において処理される被処理液
体としては、水、アルコール、種々の油、石油類等が挙
げられ、他にも液体であれば特に限定されない。水の浄
化の場合には、浴水の浄化、風呂場の浄化、養魚水の浄
化等に適しており、水であれば特に限定されない。
【0047】以下、本発明の液体の循環浄化装置を利用
した浴水循環浄化方法及び浄化システムを図面にしたが
って説明する。図5は、本発明にかかる浴水循環浄化シ
ステムの代表例を示す構成図である。図5において、1
1は浴槽、12は第1の送水管、13は浴水、14は浴
水の吸入口、15はポンプ、16は生物浄化槽、17は
一次フィルタ、18は空気導入口、19は浄化微生物の
担持体、20は第2の送水管、21は吹き出し口、22
はヒータ、23は本発明の液体(浴水)の循環浄化装置
である。
【0048】浴槽11は、金属、ほうろう、プラスチッ
ク、コンクリート、木材等で構成された通常家庭等で使
用されるタイプのものである。外釜、内釜等の加熱手段
を有するものも使用できる。
【0049】第1の送水管12の一端は、浴槽内の浴水
13中に浸漬し、浴水の吸入口14、ポンプ15を介
し、第2の送水管20の他端は、生物浄化槽16に接続
されている。ポンプ15によって浴水13を吸引し、生
物浄化槽16に供給する。浴水の吸入口14には吸入抵
抗を生じない適度の開口部が設けられ、浴水の吸入口1
4の先端には一次フィルタ17が設けられている。
【0050】一次フィルタ17は、砂、毛、不溶性有機
物の一部といった比較的大きめの不溶性物質を循環系内
へ入り込ませないためのものであり、例えば、スポンジ
や不織布であってもよく、特に浴水に不適なものでなけ
れば材質を問わない。また、送水管12の材質は、浴室
中の雰囲気に耐える材質であればステンレススチールや
真鍮、プラスチック等、特に限定されない。
【0051】空気導入口18は、空気を浴水内に取り込
み、担持体19に固定化される浄化微生物の増殖を促進
したり、光触媒反応等の光照射による酸化反応を促進さ
せる。
【0052】生物浄化槽16の形状は容器状であり、内
部には微生物を担持する担持体19が収納されている。
生物浄化槽16の材質は錆発生を防ぐ処理を施した金属
であるか、プラスチック成形品であってもよい。担持体
19は、親水性があり、物理的吸着能を有し、浴水浄化
作用を有する微生物を固定化させる性質を持ったものが
望ましく、例えば、麦飯石のような天然鉱物、クリスト
バライトの天然鉱石、人工鉱石、活性炭又は各種繊維は
この目的に適する。
【0053】浄化部16の出口には、第2の送水管20
の一端が接続され、第2の送水管20の他端は浴槽内に
設けられた吹き出し口21に接続され、浄化した浴水を
浴槽11に送水する。ヒータ22及び本発明の液体(浴
水)の循環浄化装置23は、第2の送水管20に設けら
れる。ヒータ22は、循環によって降下する浴水の温度
を上昇及び保持するための機能を有する。ヒータ22の
熱源は電力、ガス、灯油、熱交換機等が使用できる。
【0054】浴水循環浄化システムの運転を開始する
と、徐々に担持体19に浄化能を有する浄化微生物が固
定化・増殖して、浴水中の汚濁成分はこれらの浄化微生
物の働きにより分解される。システムの循環系内で浄化
微生物が増殖を続ける過程で発生する種々の代謝産物は
異臭・着色等の汚濁の原因になるが、これらを液体(浴
水)の循環浄化装置23が除去するとともに、系内の微
生物の増殖を適度に抑制する。
【0055】
【実施例】
(例1)図1に示すような液体の循環浄化装置を製作し
た。紫外領域である波長254nmを中心とする光を照
射する光源部を囲む石英ガラス保護管の周囲に、捕捉体
として透明ガラスに酸化チタンの薄膜をコートした平均
粒径約2mmの粒状体を配した。該粒状体はステンレス
スチールの網状体で保持し、被処理液体である浴水は網
状体を介して粒状体に高流速で接触するようにした。網
状体は浴水の流れ方向に長さ160mmとし、粒状体が
充填した厚みは4.6mmとした。
【0056】また、被処理液体の循環量は約19リット
ル/分とし、捕捉機構部内部を流れる浴水の流速は75
cm/秒であった。上記循環系は図5に示すシステムを
用いた。また、浴水の量は約200リットルで、ヒータ
により約42℃に温度調節した。この状態で浴水にペプ
トンを毎日2g投入し、浴水の浄化機能を観察した。そ
の結果を図6に示す。
【0057】また、浴水約200リットルの8日後の一
般細菌数は4.6×103 であった。なお、浄化能力の
維持期間はほぼ3年であった。
【0058】(例2(比較例))本発明の循環浄化装置
23を用いない場合の循環システムを図5の要領で運転
したときの浴水の浄化機能も併せて観察した。その結果
を図7に示す。図7の例2では、汚濁物質の指標である
濁度、吸光度、及び臭いが、いずれも図6の例1に比べ
高値であり、特に例1においては臭いの低減効果が顕著
であった。
【0059】(例3)捕捉体としてナトリウム含有量が
0.05重量%以下のアルミナの平均粒径約2mmの粒
状体に酸化チタンの薄膜をコートしたものを使用した以
外は例1と全く同様の仕様にした液体の循環浄化装置を
例1と同条件で稼働させた。その結果、浄化能力の維持
期間はほぼ5年であった。
【0060】(例4)アルミナの代わりに捕捉体として
ナトリウム含有量が0.05重量%以下のジルコニアを
使用する以外は例3と全く同様の仕様にした。結果は例
3と同様であった。
【0061】(例5)保持体5である網状体を銅、亜
鉛、ニッケル、銅と亜鉛の合金及び銅とニッケルの合金
でそれぞれ製作した以外は例1と全く同様の仕様にし
た。それぞれの材質で別々に試験したとき、それぞれ結
果は同様であった。浴水約200リットルの8日後の一
般細菌数は1.9×103 であった。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、光源近傍に汚濁成分を
捕捉する捕捉体を設け、該機構部表面に汚濁成分を吸着
させ、該汚濁成分が光源近傍に滞留する時間を長くする
ことにより、光照射による汚濁成分の変性ないしは分解
の効率が高まり、濁度及び臭いを顕著に低減できる。
【0063】また、本発明によれば、光源である紫外線
ランプに微生物及び汚濁成分が付着することが少なく、
光照射効率が低下しない。したがって、通常の安価な低
出力紫外線ランプを用いても、被処理液の汚濁成分を効
果的に低減させうる。
【0064】また、本発明によれば、光源又は捕捉体の
表面に酸化チタン等の光触媒物質の薄膜を形成させるこ
とにより、該薄膜表面に付着する汚濁成分が光触媒反応
の効果でさらに効率良く低減し、光源の光の利用効率を
向上できる。また、被処理液体が装置内部で光源及び捕
捉体の周囲を螺旋状に循環するようにすることにより、
汚濁成分等の付着をさらに効果的に行いうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体の循環浄化装置の代表例の基本的
構成図。
【図2】図1のA−A矢視断面図。
【図3】回分処理で波長254nmの紫外線を含む光を
被処理液体に照射したときの汚濁成分の経時変化を示す
特性図。
【図4】図1の装置内流速を通常の約20%に低下させ
たときの汚濁成分の除去効果を観察した結果を示す特性
図。
【図5】本発明の実施例の浴水循環浄化システムの代表
例を示す構成図。
【図6】例1の結果を示す特性図。
【図7】例2の結果を示す特性図。
【符号の説明】
1:ケーシング 2:光源 3:保護管 4:捕捉体 5:多孔質板 6:流入部 7:排出部 8:空隙 10:捕捉機構部 11:浴槽 12:第1の送水管 13:浴水 14:浴水の吸入口 15:ポンプ 16:生物浄化槽 17:一次フィルタ 18:空気導入口 19:浄化微生物の担持体 20:第2の送水管 21:吹き出し口 22:ヒータ 23:本発明の液体(浴水)の循環浄化装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 9/00 504 C02F 9/00 504E

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部を液体が循環するケーシングと、ケー
    シングの内部に設けられた紫外波長領域を含む光を発光
    する光源と、汚濁成分を捕捉する捕捉機構部と、液体の
    流入部と、液体の排出部とを有することを特徴とする液
    体の循環浄化装置。
  2. 【請求項2】光源を液体から遮断する保護管を、光源と
    液体との間に設ける請求項1の液体の循環浄化装置。
  3. 【請求項3】捕捉機構部内部の液体が流速20〜200
    cm/秒で流れる請求項1又は2の液体の循環浄化装
    置。
  4. 【請求項4】捕捉機構部を構成する捕捉体が、平均粒径
    0.1〜10mmの粒状体である請求項1、2又は3の
    液体の循環浄化装置。
  5. 【請求項5】捕捉機構部を構成する捕捉体が無機系材料
    からなり、その主要成分が、ガラス、アルミナ、シリ
    カ、ジルコン、活性炭及びそれらの表面を化学修飾した
    ものから選ばれる1種以上である請求項1〜4いずれか
    の液体の循環浄化装置。
  6. 【請求項6】捕捉体としてナトリウム含有量が0.5重
    量%以下のセラミックスを使用する請求項1〜5いずれ
    かの液体の循環浄化装置。
  7. 【請求項7】光源の液体との接触面及び/又は捕捉体の
    少なくとも表面に光触媒物質が設けられている請求項1
    〜6いずれかの液体の循環浄化装置。
  8. 【請求項8】光触媒物質が酸化チタンである請求項1〜
    7いずれかの液体の循環浄化装置。
  9. 【請求項9】捕捉機構部が、光源を囲むように配されて
    いる請求項1〜8いずれかの液体の循環浄化装置。
  10. 【請求項10】光源の波長が200〜400nmである
    請求項1〜9いずれかの液体の循環浄化装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜10いずれかの液体の循環浄
    化装置を含むことを特徴とする液体の循環浄化システ
    ム。
  12. 【請求項12】液体中に存在する汚濁成分を、光照射に
    より変性又は分解して、液体の浄化を促進する液体の循
    環浄化方法において、液体中の汚濁成分を捕捉するため
    の捕捉体を光源の近傍に設け、該汚濁成分の光照射によ
    る浄化効率を高めることを特徴とする液体の循環浄化方
    法。
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