JPH0973309A - 5軸ncデータのチェック方法 - Google Patents

5軸ncデータのチェック方法

Info

Publication number
JPH0973309A
JPH0973309A JP22545795A JP22545795A JPH0973309A JP H0973309 A JPH0973309 A JP H0973309A JP 22545795 A JP22545795 A JP 22545795A JP 22545795 A JP22545795 A JP 22545795A JP H0973309 A JPH0973309 A JP H0973309A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
point
end mill
data
tool
axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22545795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3148108B2 (ja
Inventor
Koji Ishida
康二 石田
Masatomo Uchida
雅智 内田
Makoto Genba
誠 玄葉
Hideyuki Horii
秀行 堀井
Kotaro Tanaka
耕太郎 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP22545795A priority Critical patent/JP3148108B2/ja
Publication of JPH0973309A publication Critical patent/JPH0973309A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3148108B2 publication Critical patent/JP3148108B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】切削対象であるプレス金型等の加工形状面に対
して工具通路を与える5軸NCデータの良否を、工具の
シミュレーション作動によりチェックする。 【解決手段】5軸NCデータである工具通路データによ
る加工形状面に対する切削状態をシミュレーションによ
りチェックする際に、加工形状面データを読み込み(S
2)、この加工形状面データに基づいて、ポイントデー
タを発生させる(S4)。また、工具通路データを読み
込み(S1)、工具の軸方向を計算する(S5)。さら
に、工具の種類、径等のパラメータを含む工具データを
読み込む(S3)。そして、工具の位置、すなわち工具
通路データを基準とする局所座標系を認識して、ポイン
トデータの座標を局所座標系に変換する。その後、工具
の種類に応じた、工具通路データとポイントデータとの
距離計算を行い、削りの干渉チェック処理を行う(S
6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、切削乃至研削対
象、言い換えれば、削り対象であるプレス金型等のワー
クの加工形状面に対して工具通路を与える5軸NCデー
タの良否を、ワークに対する工具のシミュレーション作
動によりチェックする5軸NCデータのチェック方法に
関する。
【0002】工具は、5軸の数値制御工作機械(以下、
NC工作機械ともいう。)である5軸NCマシニングセ
ンタ等に装着され、外周及び端面に切れ刃を有するエン
ドミルが対象とされる。
【0003】
【従来の技術】この種の先行技術として、本出願人の出
願による特開昭63−119934号公報に公表された
技術がある。この技術は、加工形状面に対して発生させ
た点群(パウダともいう。)と工具通路(カッターパス
ともいう。)とから、これら点群と工具通路に係る干渉
の有無を演算による、いわゆるシミュレーションにより
チェックすることにより、実際にワークを加工する前に
NCデータとして与えられる工具通路データの良否を確
実にチェックすることを可能とする優れた技術である。
【0004】そして、点群と工具通路とが干渉した場合
(干渉有りの場合)には、例えば、所望の削り状態(単
に、削りともいう。)と判断し、非干渉の場合(干渉無
しの場合)には、削り残し状態(単に、削り残しともい
う。)と判断する。この場合、所望の削り状態の点を削
り点、削り残し状態の点を削り残し点という。
【0005】ところで、この先行技術は、相互に直交す
る3軸を有するNC工作機械が前提となっており、ま
た、この3軸のNC工作機械の主軸ヘッドに装着される
工具も、先端が半円形を呈する、いわゆるボールエンド
ミルの工具通路データとしての3軸NCデータに限られ
ていた。
【0006】ところが、プレス金型等のワークの外形形
状は、一般には、自由曲面を有しており、このような自
由曲面形状を正確かつ効率良く短時間で加工するために
は、旋回する2軸と直交する3軸とを有する5軸NC工
作機械(詳しくは後に説明する。)を用いて加工するこ
とが好適である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来、この5軸NC工
作機械に与えられる5軸NCデータによる削りの良否を
シミュレーションによりチェックする方法はなかった。
このため、従来、5軸NCデータによる削りの良否をチ
ェックする際には、その5軸NCデータに基づいて実際
に作動する5軸NC工作機械により、いわゆるテストピ
ースに対して実際に試し加工を行う必要があった。
【0008】したがって、従来は、5軸NCデータによ
る削りの良否のチェックのために工数(時間)がかか
り、また、試し加工のための高価なテストピースを準備
しなければならないという問題があった。
【0009】この発明は、このような課題を考慮してな
されたものであって、切削乃至研削対象であるプレス金
型等のワークの加工形状面に対して工具通路を与える5
軸NCデータの削りの良否を、ワークに対する工具のシ
ミュレーション作動により、いわゆる机上でチェックす
ることを可能とする5軸NCデータのチェック方法を提
供することを目的とする。
【0010】さらに一般的には、工具の方向、工具の形
状が任意に設定できる5軸NCデータに対する加工形状
面の削り残しの汎用的な発見方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、加工形状面
に所定ピッチで点群を発生させ、NCデータで表される
工具通路による削り状態をシミュレーションによりチェ
ックする5軸NCデータのチェック方法において、工具
の属性を設定するとともに、前記5軸NCデータから前
記工具の傾きを抽出し前記工具の位置を基準とする局所
座標系を認識するステップと、前記点群発生用のデータ
を前記局所座標系基準のデータに変換するステップと、
前記加工形状面に対して、前記工具の通路に沿って前記
工具を走査し、前記工具と前記点群との干渉をチェック
して前記点群の削り残し点を抽出するステップとを有す
ることを特徴とする。
【0012】この場合、加工形状面に対して発生させた
点群を、工具の位置を基準とする局所座標系のデータに
変換しているので、工具通路を与える5軸NCデータと
加工形状面との干渉チェックの際の計算が簡単になり、
加工形状面の点群の削り残し点を容易に抽出することが
できる。
【0013】また、この発明は、前記工具がボールエン
ドミルであるとき、前記ボールエンドミルの先端位置を
半径分だけ前記ボールエンドミルの軸方向に上昇させた
中心位置座標を求め、前記上昇させた中心位置座標より
も軸方向上側に発生された点群と前記ボールエンドミル
の軸との間の距離を計算し、この距離が前記ボールエン
ドミルの半径を超える前記点群は削り残し点とし、前記
距離が前記ボールエンドミルの半径以内の前記点群は削
り点とし、前記上昇させた中心位置座標よりも軸方向下
側に発生された点群と前記上昇させたボールエンドミル
の先端位置との間の距離を計算して、この距離が前記ボ
ールエンドミルの半径を超える前記点群は削り残し点と
し、前記距離が前記ボールエンドミルの半径以内の前記
点群は削り点とすることを特徴とする。この場合、ボー
ルエンドミルの先端位置を半径分だけ軸方向に上昇させ
た中心位置座標を、局所座標系の基準である原点と考
え、この原点を通る軸と点群との間の距離を計算してボ
ールエンドミルの半径を超える点群は削り残し点とし、
さらに原点と点群との間の距離を計算してボールエンド
ミルの半径を超える点群は削り残し点とし、ボールエン
ドミルの半径以内の点群は所望の削り点と認識する。こ
のため、簡単な計算処理によりボールエンドミルによる
加工の削り残し点を容易に抽出することができる。
【0014】工具がスクエアエンドミルであるときに
は、スクエアエンドミルの先端中心位置座標を、局所座
標系の基準である原点であると考え、この原点より軸方
向上側に発生された点群とスクエアエンドミルの軸との
間の距離を計算してスクエアエンドミルの半径を超える
点群は削り残し点とし、スクエアエンドミルの半径以内
の点群は削り点と認識する。このため、スクエアエンド
ミルの場合であっても簡単な計算処理により削り残し点
を容易に抽出することができる。
【0015】工具がラディアスエンドミルであるときに
は、ラディアスエンドミルの軸と点群との間の距離を計
算し、この距離が{(D−2R)/2}を超える点群は
残存させ、前記距離が{(D−2R)/2}以内の点群
は削り点とし、ラディアスエンドミルを軸方向にR分だ
け上昇させたときの軸と点群との間の距離を計算し、
(D/2)以下になる点群は削り点とし、さらに、R形
状の中心位置座標と点群との間の距離を計算し、R以下
となる点群は削り点とし、削り点とならなかった点群を
削り残し点としている。このため、ラディアスエンドミ
ルの場合であっても簡単な計算処理により削り残し点を
容易に抽出することができる。
【0016】さらにまた、加工形状面上に削り残し点デ
ータで位置が指定される点群を表示させることで、削り
残し点を視覚的かつ直感的に認識することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0018】まず、5軸NC工作機械の一般的な構成を
説明する。
【0019】図1は、5軸NC工作機械のヘッド11を
含む部分の一般的な構成を示している。ヘッド11は、
5軸NC工作機械本体に移動自在に取り付けられた移送
軸12に取り付けられている。この移送軸12は、直交
3軸であるXYZ軸用の各モータ(図示していない)に
よって、それぞれ送り機構を通じてX軸、Y軸、Z軸方
向に移送されるようになっている。
【0020】所定の平らな傾斜面13aを有する略三角
柱状の第1回転部材13がZ軸と平行なC軸の回りをC
軸モータ15により矢印α方向に旋回できるようになっ
ている。また、前記傾斜面13aと摺接する傾斜面14
aを有し、かつ、前記C軸に対してθ°、例えば、50
°傾斜したB軸に対してφ°、例えば、10°傾斜した
方向に延びる腕部14cを有する第2の回転部材14
が、B軸の回りをB軸モータ16により矢印β方向に旋
回できるようになっている。なお、第2の回転部材14
は、上記傾斜面14aを有するフランジ部14bと、こ
のフランジ部14bに対して一体的に製作される腕部1
4cと、この腕部14cの一端側に固着されたチャック
固定部14dとから構成されている。
【0021】第2の回転部材14中のチャック固定部1
4dにはチャック17が一体的に固定される。チャック
17の一端部には、直径がDであり、側周面と底面に切
れ刃のあるエンドミル等の回転加工工具1が取り付けら
れる。工具1は、図示しない工具モータにより矢印γ方
向またはその反対方向に高速で、例えば、10000r
pm程度以上の速度で回転することが可能なように構成
されている。
【0022】このような構成のもとで、工具1は、移送
軸12を通じてX、Y、Z方向に移送されるとともに、
C軸モータ15によって回転される第1の回転部材13
によりC軸回りに旋回され、B軸モータ16によって回
転される第2の回転部材14によりB軸の回りに旋回さ
れることになる。このように、5軸NC工作機械は、直
交3軸であるXYZ軸と旋回する2軸B、Cを有する機
械であるといえる。
【0023】この5軸NC工作機械の工具通路データ
は、工具1の先端(先端中心点ともいう。)1bのXY
Z座標と工具1の軸(軸線)1aの傾斜角で決定され
る。この場合、傾斜角は、図2に示すように、工具1の
軸1aをYZ平面から見た傾斜角(傾きともいう。)A
Yと、XZ平面から見た傾斜角(傾きともいう。)AX
とで表されるようになっている。なお、図2中、符号1
ax、1ayは、それぞれ工具1の軸1aのXZ平面へ
の射影及びYZ平面への射影を示している。
【0024】したがって、5軸NC工作機械の工具通路
データ(5軸NCデータ、工具軌跡データともいう。)
をNdで表すと、工具通路データNdは、Nd=Nd
(x,y,z,AX,AY)の5軸NCデータで表され
ることになる。 図3は、この発明の実施の形態が適用
されたNCデータチェックシステム21の構成を示して
いる。このNCデータチェックシステム21は、コンピ
ュータからなり、干渉(削り又は削り残し)チェック手
段又は点群データ発生手段等として機能する制御部22
を有している。
【0025】制御部22には、図示していないプレス金
型等のワーク加工用の切削乃至研削工具1であるエンド
ミルの径、種類、形状等の諸元、いわゆる属性(パラメ
ータ)を表す工具データTdと、ワークの加工形状面に
対して予め図示していないNCデータ作成装置(CAD
/CAM装置)で作成されている5軸NCデータである
工具通路データNdとがそれぞれデータベース23、2
4から供給される。また、制御部22には、ワークの加
工面の形状を表す3次元データ、いわゆるサーフェイス
モデルデータ又はソリッドモデルデータである加工形状
面データSdがデータベース25から供給される。
【0026】制御部22はコンピュータであり、周知の
ように、中央処理装置(CPU)と、この中央処理装置
に接続されるI/Oポート、システムプログラム等が書
き込まれた読み出し専用メモリ(ROM)、処理データ
を一時的に保存等するランダムアクセスメモリ(RAM
であり、書き込み読み出しメモリ)、点群データ発生プ
ログラム・干渉(削り又は削り残し)チェックプログラ
ム等のアプリケーションプログラムが格納されるハード
ディスク等の外部メモリを有し、表示手段としてのCR
T等のディスプレイ31、夫々が入力手段である、デジ
タイザ用のタブレット32、キーボード33、マウス3
4、ボリュームスイッチ35、及び出力手段であるプロ
ッタ・プリンタ等(図示していない。)が接続されてい
る。
【0027】制御部22は、干渉チェック結果の削りチ
ェックデータCdをデータベース26に格納する。な
お、データベース23〜26は、それぞれ、ハードディ
スク等の記憶手段であり、1箇の記憶手段を共用する構
成に変更してもよいことはいうまでもない。
【0028】次に、上記実施の形態の動作をまず図4に
示す全体フローに基づいて説明する。なお、特に断らな
い限り、制御主体は制御部22である。
【0029】制御部22は、5軸NCデータであり、工
具1の先端の軌跡(走査軌跡)と工具1の傾き(AX,
AY)を表す工具通路データNd(Ndj)をデータベ
ース24から読み込む(ステップS1)。
【0030】次に、データベース25から加工対象(切
削乃至研削対象)のワークの加工形状面データSd(加
工対象面ともいう。)を読み込む(ステップS2)。
【0031】次いで、工具データTdを読み込み、キー
ボード33、マウス34を利用してディスプレイ31上
の画面を見ながら工具等のパラメータ(属性)の設定
(選択)を行う(ステップS3)。工具等のパラメータ
の設定としては、次に示す(1)〜(5)の5項目があ
る。
【0032】(1) まず、工具の形状としては、図5
Aに示す先端部切れ刃部が半円形をなすボールエンドミ
ル1bc、図5Bに示す外周刃と底刃が角状であり、側
面削り、段削り、溝削り等に使用されるスクエアエンド
ミル1sc及び図5Cに示す角部(隅部)にR形状を持
つラディアスエンドミル1rc等が挙げられる。
【0033】(2) 次に、工具径(直径)Dが選択さ
れる。この場合、工具1がボールエンドミル1bcであ
る場合、刃面の半径RはR=D/2として計算される。
【0034】(3) 次いで、ラディアスエンドミル1
rcを選択した場合の角部のR形状(底面R部brとい
う。)の半径Rが選定される。この半径Rを選定した場
合、底面の刃部の直線部分(距離ともいう。)Dsは、
距離Ds=(D−2R)で与えられる。後にも説明する
ように、ラディアスエンドミル1rcは、直径Dのスト
レート部と直径(D−2R)のストレート部と直径(D
−2R)の円周上の底面R部brとから構成されている
と考えることができる。
【0035】(4) また、加工形状面データSdで表
される加工対象面に対する点群の所望のピッチ、すなわ
ち所望の密度及び各点群面(パウダ面)と加工対象面と
の間の所望の距離を設定する。なお、加工対象面は自由
曲面であり、点群面は、この自由曲面に平行的に張られ
る。
【0036】(5) さらに、加工対象面の板厚の設定
を行う。なお、この板厚の設定とは、加工対象がプレス
金型である場合にそのプレス金型(上型と下型)によっ
て成形されるプレス製品の板厚分の設定である。
【0037】ステップS3における工具等のパラメータ
の設定処理の後に、ステップS2で読み込んだ加工形状
面に対して、所望密度の点群(パウダ)を付与する(ス
テップS4)。これにより、加工形状面の表面から上方
及び下方の一定距離(一定厚み)内に、削り状態(干渉
状態)をチェックするための点群面(パウダ面)を1又
は複数枚前記加工形状面に平行的(加工形状面と点群面
との対応点間の距離が一定の意味)に形成する。この場
合、各点群面(パウダ面)には、それぞれ一定の密度で
点(座標点、必要に応じて、理解の容易化のために、ポ
イント、点データ、ポイントデータ、点群データ又はパ
ウダデータともいう。)が形成される。
【0038】なお、点P(Piともいう。)は、図6に
示すように、識別番号である点番号i、その点Piの座
標co=co(x,y,z)及び削り残し結果(状態)
を表すフラグfの3つのデータから構成されている。フ
ラグfの値がf=1である場合を削り残し(未だ未切削
の場合も含む。)といい、フラグfの値がf=0である
場合を干渉した状態又は削り状態という。この意味か
ら、発明の理解を容易にするために、フラグfの値がf
=1の場合には、フラグf=残すともいい、又、フラグ
f=0の場合には、フラグf=消すともいうこととす
る。
【0039】次に、工具1の傾き、すなわち軸方向を算
出する(ステップS5)。上述したように、工具通路デ
ータNdが、Nd=Nd(x,y,z,AX,AY)で
表されるので、工具1の軸1aをYZ平面から見た傾斜
角AYと、XZ平面から見た傾斜角AXとから容易に算
出(抽出)することができる(図2参照)。
【0040】なお、工具通路データNdとポイントデー
タPiのそれぞれのXYZ直交座標成分を区別する場合
には、工具通路データNdは、Nd=Nd(xn,y
n,zn,AX,AY)と表し、ポイントデータPi
は、Pi=Pi(xp,yp,zp)で表す。
【0041】次いで、工具通路データNdにより特定さ
れる工具通路が、点群データPにより特定される各点群
面(を構成する点群)と干渉するかどうか、特定の工具
1毎に加工形状面を仮想的に走査してチェックする(ス
テップS6)。この場合、この干渉チェック、言い換え
れば、削り残しチェック結果に基づき、工具による削り
チェックデータCdをデータベース26に格納するとと
もに、前記加工形状面上に削り状態を表示させた表示を
ディスプレイ31上で行う。なお、削りチェックデータ
Cdは、必要に応じて、削り残しと削りの両方又はいず
れか一方を意味するものとする。
【0042】次に、ステップS6の加工干渉チェックの
詳細について、工具1が、ボールエンドミル1bc、ス
クエアエンドミル1sc及びラディアスエンドミル1r
cのそれぞれの場合に分けて説明する。
【0043】なお、説明が理解し易いように、詳細な説
明の前に、このステップS6における加工干渉チェック
の前提となる事項を説明する。
【0044】図7に示すように、ボールエンドミル1b
cの先端1bの座標点を表す工具通路データNdjは、
例えば、Nd1、Nd2、…Ndmで示すように、不連
続な座標点(各点を補間基準点ともいう。)として与え
られる。隣合う補間基準点間の軌跡は、例えば、直線補
間、円弧補間、スプライン補間等により与えられるが、
この実施の形態においては、工具通路データNdjの各
座標点において、図4中、ステップS6の加工干渉(削
り残し)チェックが行われる。この工具通路データNd
j及びワークである加工形状面データ(単に、加工面又
は加工形状面ともいう。)Sdの3次元位置(x,y,
z)は、XYZ直交3軸座標系の原点OGを基準とした
データとしてそれぞれ与えられている。この意味で、原
点OGを基準とする座標系を基準座標系という。
【0045】なお、図7中、ドットで描いている箇所
が、加工形状面Sdに発生されたポイントデータPiで
ある。
【0046】また、この図7例において、ボールエンド
ミル1bcは、Z軸から傾いているので(もちろんZ軸
と平行な場合もある。)、その先端(先端中心座標とも
いう。)1bが加工形状面Sdに接してはいない。さら
に、加工形状面Sdは、自由曲面である。
【0047】そして、この実施の形態において、加工干
渉チェックを行う際には、工具通路データNdjの各補
間基準点において、ボールエンドミル1bcの先端1b
の原点(座標点)OG′を局所座標系の原点とみなして
いる。したがって、その原点OG′において、工具通路
データNdj=Ndj(xn,yn,zn,AX,A
Y)は、工具通路データNdj=Ndj(0,0,0,
AX,AY)に座標変換される。この場合、局所座標系
のX軸、Y軸であるX′軸、Y′軸は、それぞれ、基準
座標系のX軸、Y軸に平行であり、局所座標系のZ軸
は、基準座標系のZ軸から軸1aの方向に傾いたZ′軸
である。
【0048】ポイントデータPiは、この局所座標系を
基準のデータに変換される。すなわち、基準座標系の原
点OGから定義されたポイントデータPiは、Pi=P
i(xp,yp,zp)であるが、これが、局所座標系
の原点OG′から定義されたポイントデータPi=Pi
(xp−xn,yp−yn,zp−zn)に変換され
る。
【0049】加工干渉チェックは、このように、工具通
路データNdとポイントデータPiとをそれぞれ局所座
標系のデータに変換した後、ボールエンドミル1bcの
切れ刃部分(ボールエンドミル1bcでは、先端部分と
外周部分)とポイントデータPiで特定されるポイント
位置との干渉が発生したポイント位置は削りポイント
(削り点)位置として、また、干渉が発生しなかったポ
イント位置は削り残しのポイント(削り残し点)位置と
して処理を行う。この処理は、工具通路データNdの全
ての点とポイントデータPiの全ての点に対して、各工
具通路データNdj毎に行なえばよい。すなわち、例え
ば、ポイントデータPiの数(パラメータともいう。)
iがi=1〜nであって、工具通路データNdjの補間
基準点の数(パラメータともいう。)jがj=1〜mの
場合、最初に、工具通路データNd1で表される補間基
準点において、全てのポイントデータPiとの加工干渉
チェックを行い、この加工干渉チェックの終了後、次の
工具通路データNd2で表される補間基準点において、
干渉有り(削り点)とならなかった残り全てのポイント
データPiとの加工干渉チェックを行うというような処
理を、工具通路データNdmで表される最後の加工点ま
で続行すればよい。
【0050】なお、以下の説明において、繁雑さを避け
るためと直感的理解の容易性のために、工具通路データ
Ndjを補間基準点Ndjともいう。
【0051】スクエアエンドミル1sc及びラディアス
エンドミル1rcの干渉チェック処理も、基本的には上
述のボールエンドミル1bcにおける加工干渉チェック
処理と同様である。
【0052】以上の説明が、ステップS6における加工
干渉チェックの前提となる事項、特に、局所座標系への
変換に関する説明である。
【0053】次に、ステップS6の加工干渉チェック
(加工残りチェック)の詳細について、まず、工具1が
ボールエンドミル1bcの場合について説明する。
【0054】図8は、工具1がボールエンドミル1bc
の場合のステップS6の加工残りチェックの詳細なフロ
ーチャートを示している。
【0055】まず、加工形状面Sdに対して発生された
全てのポイントPiのフラグfをf=残すとする(ステ
ップS11)。この処理により、全てのポイントPiが
削り残し点として認識される。
【0056】次に、パラメータjをj=1とし(ステッ
プS12)、最初の工具通路データNd1の座標点を認
識し、その座標点を局所座標系の原点とする(ステップ
S13)。
【0057】次いで、フラグf=残すとなっている全て
のポイントPiの座標を、工具通路データNd1を原点
とする局所座標系に変換する(ステップS14)。
【0058】次に、パラメータiをi=1として、ポイ
ントPiがPi=P1についての干渉チェックを考慮す
る(ステップS15)。
【0059】そこで、ポイントP1が工具通路データN
d1で表される工具先端座標よりZ′軸方向のマイナス
側に存在するポイントである場合には、ポイントP1の
フラグfはf=残すとする(ステップS16)。この処
理では、図9Aに示すように、ボールエンドミル1bc
の先端1bの補間基準点Ndjを通る基準線43(Z′
軸、すなわち、工具軸1aと直交)よりZ′軸上マイナ
ス側にポイントP1がある場合には、そのポイントP1
のフラグfはf=残すとする。同図中、ドットで示すポ
イントPiがこのステップS15の処理によりフラグf
がf=残すとされたポイントである。
【0060】なお、図9Aにおいて、加工形状面Sdを
基準にして、上側は、削り部41であり、下側は非削り
部42である。図9Aから分かるように、この例では、
ボールエンドミル1bcの先端1bが加工形状面Sdと
接しているのではなく、先端R部の側部1cが加工形状
面Sdと接している。
【0061】次に、ボールエンドミル1bcを半径R
(D/2)分だけZ′軸のプラス方向に上昇させたボー
ルエンドミル1bcの中心点座標(中心位置座標ともい
う。)Ncj(図9A、図9B参照)を求める(ステッ
プS17)。
【0062】ここで、中心点座標Ncjを通る基準線4
4(図9B参照)よりZ′軸方向のプラス側に存在する
ポイントPiとボールエンドミル1bcの軸1a、すな
わち、Z′軸との間の距離Liを計算する。そして、L
i>R(ボールエンドミル1bcの半径)であるポイン
トPiのフラグfはf=残すとし、Li≦Rとなるポイ
ントPiのフラグfはf=消すとする(ステップS1
8)。このステップS18の処理により、図9B中、ハ
ッチングで示す部分がシミュレーション上で削られるこ
とになる。なお、同図中、基準線44のプラス側に描い
たドットが、フラグfがf=残すとされたポイントPi
を表している。
【0063】さらに、図9Cに示すように、中心点座標
Ncjを通る基準線44よりZ′軸方向のマイナス側に
存在するポイントPiと中心点座標Ncjとの間の距離
PLiを計算する。そして、PLi>Rであるポイント
Piのフラグfはf=残すとし、PLi≦Rとなるポイ
ントPiのフラグfはf=消すとする(ステップS1
9)。このステップS19の処理により、図9C中、図
9Bのハッチング方向とは方向の異なるハッチングで示
す部分がシミュレーション上、実際に削られることにな
る。
【0064】ステップS16〜S19までの1回目の処
理により、工具軌跡データNd1についてのポイントP
1に対する加工干渉(削り残し)チェックが完了する。
【0065】そこで、パラメータiがi=nであるかど
うかを判定し(ステップS20)、パラメータiをi=
i+1(ステップS21)としてステップS16〜S1
9の処理をパラメータiがi=n(ステップS20にお
いて「YES」)になるまで繰り返す。
【0066】ステップS16〜ステップS20において
「YES」までの上述の処理により、工具軌跡データN
d1の補間基準点における全ポイントPiに対する加工
干渉(削り残し)チェック処理が完了する。
【0067】そこで、次に、パラメータjをj=j+1
(ステップS22)とし、すなわち、工具であるボール
エンドミル1bcと次の補間基準点Ndi+2まで走査
し、パラメータjが最後の補間基準点Ndmを表すj=
mとなったかどうかをチェックして(ステップS2
3)、次の補間基準点Nd2についてのフラグfがf=
残すとなった残りのポイントPiについての干渉チェッ
ク(ステップS13〜ステップS20において「YE
S」)を、パラメータjがj=mとなるまでそれぞれ繰
り返すことで、全工具軌跡データNdjに対する加工干
渉チェックが完了する。
【0068】このように、加工形状面Sdに対して、ボ
ールエンドミル1bcの通路に沿ってボールエンドミル
1bcを走査し、ボールエンドミル1bsとポイントP
iとの干渉をチェックすることで、ポイントPiの削り
残し点を抽出することが可能となる。
【0069】そして、削り残しフラグfがf=残すとな
ったポイントPiを、削りチェックデータCdとしてデ
ータベース26に保存するとともに、例えば、「X」印
等の図形に変換処理して、加工形状面Sdとともにディ
スプレイ31に出力する(ステップS24)。
【0070】これにより、ディスプレイ31の画面上で
干渉チェック結果(削り残し結果)を確認することがで
きる。
【0071】図10は、ディスプレイ31の画面上の干
渉チェック結果例の表示を示している。同図は、加工形
状面Sdに対して、φ30のボールエンドミル1bcを
矢印52の方向にステップ送りしながら、矢印51の方
向に加工走査させることで、加工形状面Sdの全面を荒
削りした後のポイントPiの残り状況(干渉結果)を示
している。なお、φ30のボールエンドミル1bcによ
る荒削りの場合には、加工形状面Sdの表面から上方1
mm程度までを削るので、全面が削り残し状態になる。
「X」印は、加工形状面Sdの表面上に発生させたポイ
ントPiを表している。
【0072】図11は、φ30のボールエンドミル1b
cでの加工干渉チェック処理終了後の加工形状面Sdに
対して、φ16のボールエンドミル1bcを矢印51の
方向にステップ送りしながら、矢印52の方向に加工走
査させることで、加工形状面Sdの全面を仕上げ削りし
た後のポイントPiの残り状況(干渉結果)を示してい
る。図11において、そのAA断面を表す図12に示す
ように、加工形状面Sd中の凹んでいる部分の寸法が4
Rになっているので、その部分には、ボールエンドミル
1bcの刃部が届かず削り残し部分53となる。その他
の白くなっている部分が所望削り部分54である。
【0073】図13は、φ16のボールエンドミル1b
cでの加工干渉チェック処理終了後の加工形状面Sdに
対して、φ6のボールエンドミル1bcを矢印51の方
向にステップ送りしながら、矢印52の方向に加工走査
させることで、加工形状面Sdの全面を精密仕上げ削り
した後のポイントPiの残り状況(干渉結果)を示して
いる。図13において、そのAA断面を表す図14に示
すように、加工形状面Sd中の凹んでいる部分の削り残
し部分53(図13参照)も所望削り部分54とされ
る。
【0074】以上の説明が、図4のステップS6の加工
干渉チェックにおいて、工具1が、ボールエンドミル1
bcの場合の詳細な説明である。
【0075】次に、ステップS6の加工干渉チェックに
おいて、工具1がスクエアエンドミル1sc(図5B参
照)である場合の詳細な処理について説明する。
【0076】図15は、スクエアエンドミル1scの場
合のステップS6の加工残りチェックの詳細なフローチ
ャートを示している。
【0077】ステップS31〜S36までの処理は、図
8のステップS11〜S16までの処理と同じである。
このステップS36の処理において、図16に示すよう
に、ポイントPiが工具通路データNdjで表される工
具先端座標よりZ′軸方向のマイナス側に存在するポイ
ントである場合には、ポイントP1のフラグfはf=残
すとされる。
【0078】すなわち、スクエアエンドミル1scの先
端1bの補間基準点Ndjを通る基準線43(Z′軸と
直交)よりZ′軸上マイナス側にポイントPiがある場
合には、そのポイントPiのフラグfはf=残すとされ
る。
【0079】次に、基準線43よりZ′軸方向のプラス
側に存在するポイントPiとスクエアエンドミル1sc
の軸1a、すなわち、Z′軸との間の距離Liを計算す
る。そして、Li>R(スクエアエンドミル1scの半
径)であるポイントPiのフラグfはf=残すとし、L
i≦RとなるポイントPiのフラグfはf=消すとする
(ステップS37)。このステップS37までの処理に
より、スクエアエンドミル1scの刃部による最初の補
間基準点Nd1とポイントPiとの干渉チェックが完了
する。
【0080】なお、スクエアエンドミル1scの場合に
は、中心点座標Ncjと補間基準点Ndjの座標は同一
と考えることができる。
【0081】残りのステップS38〜S42までの処理
は、全工具軌跡データNdjに対しての干渉チェックで
あり、図8のフローチャート中の、ステップS20〜S
24の処理と同様の処理であるのでその説明を省略す
る。
【0082】以上の説明が、図4のステップS6の加工
干渉チェックにおいて、工具1が、スクエアエンドミル
1scの場合の詳細な説明である。なお、図面が繁雑に
なるので、図16においては、加工形状面Sdを描いて
いないが、図9と同様に考えることができることはもち
ろんである。
【0083】図17は、工具1がラディアスエンドミル
1rcの場合の図4のステップS6の加工残りチェック
の詳細なフローチャートを示している。
【0084】図17において、ステップS51〜S57
までの処理は、図8のステップS11〜S16までの処
理と同じである。このステップS56の処理において、
図18Aに示すように、ポイントPiが工具通路データ
(工具先端点座標ともいう。)Ndjで表される工具先
端座標よりZ′軸方向のマイナス側に存在するポイント
である場合には、ポイントPiのフラグfはf=残すと
される。
【0085】すなわち、ラディアスエンドミル1rcの
先端1bの補間基準点Ndjを通る基準線43(Z′軸
と直交)よりZ′軸上マイナス側にポイントPiがある
場合には、そのポイントPiのフラグfはf=残すとさ
れる。
【0086】次に、ラディアスエンドミル1rcを角部
の底面R部brの半径R分だけZ′軸方向のプラス側に
上昇させたラディアスエンドミル1rcの中心点座標N
cj(図18B参照)を求める(ステップS57)。な
お、図面が繁雑になるので、図18においても、加工形
状面Sdを描いていないが、図9と同様に考えることが
できることはもちろんである。
【0087】次に、工具先端点座標Ndjを通る基準線
43よりZ′軸方向のプラス側に存在するポイントPi
とラディアスエンドミル1rcの軸1a、すなわち、
Z′軸との間の距離Liを計算する。そして、Li>R
1{R1=(D−2R)/2}であるポイントPiのフ
ラグfはf=残すとし、Li≦R1となるポイントPi
のフラグfはf=消すとする(ステップS58)。この
ステップS58の処理により、図18B中、ハッチング
で示す部分がシミュレーションにより削られることにな
る。 次いで、中心点座標Ncjを通る基準線44より
Z′軸方向のプラス側に残存しているフラグfがf=残
すとなっているポイントPiとZ′軸(軸1a)との間
の距離Laiを計算する。そして、距離Laiがラディ
アスエンドミル1rcの半径より小さい、すなわち、L
ai≦D/2であるポイントPiのフラグfはf=消す
とする(ステップS59)。このステップS59の処理
により、図18C中、ハッチングで示す部分がシミュレ
ーションにより削られることになる。
【0088】ステップS59までの処理により、図18
Dに示すハッチング部61が所望削りの部分とされ、そ
れを除いた部分が未削り部分62、すなわち、削り込み
フラグfがf=残すとなっているポイントPiの存在す
る部分とされる。
【0089】次に、フラグfがf=残すとなっているポ
イントPiと、ラディアスエンドミル1rcの底面R部
brの中心座標点rpcとの間の距離Lbi(図18E
参照)を算出し、Lbi≦R(底面R部のR)を満足す
るポイントPiのフラグfはf=消すとする。この処理
により、角部底面R部br近傍の干渉チェックが完了
し、ラディアスエンドミル1rsの特定の工具軌跡デー
タNdjに対する全ての干渉チェックが完了する。
【0090】ステップS58〜S60までの処理の一部
を図19を参照してさらに詳しく説明する。
【0091】ラディアスエンドミル1rsは、上述した
ように、直径がDとD1=(D−2R)の2つのストレ
ート部(円柱状部)を有しているので、まず、直径がD
1=(D−2R)のストレート部で工具通路データNd
jを通る基準線43まで、すなわちl0部までのチェッ
クを行う(ステップS58に対応する。図19中、左下
がりのハッチングで表した部分のチェック)。次に、直
径がDのストレート部で中心点座標Ncjを通る基準線
44まで、すなわちl1部までのチェックを行う(ステ
ップS59に対応する。図19中、右下がりのハッチン
グで表した部分のチェック)。そして、最後に角部底面
R部brについて、中心座標点rpcが形成する円周6
3を所定分割し、例えば、64分割し、その分割点中心
座標点rpc毎に角部底面R部brの中心座標点rpc
とポイントPiとの間のチェックを行う。
【0092】以上が、図4のステップS6の加工干渉チ
ェックにおいて、工具1が、ラディアスエンドミル1r
cの場合の詳細な説明である。
【0093】このように、上述した実施の形態によれ
ば、5軸NCデータである工具通路データNdによる加
工形状面Sdに対する切削状態をシミュレーションによ
りチェックすることができる。すなわち、まず、データ
ベース25から加工形状面データSdを読み込み、この
加工形状面データSdに基づいて、加工形状面Sdに対
してポイントデータPiを発生させる。また、工具通路
データNdをデータベース23から読み込み、工具1の
軸方向Z′を計算する(抽出する)。さらに、工具1の
種類、径等のパラメータを含む工具データTdを読み込
む。そして、工具1の位置、すなわち工具通路データN
dを基準とする局所座標系を認識して、上述のポイント
データPiの座標を局所座標系に変換する。その後、工
具1の種類に応じた、工具通路データNdとポイントデ
ータPiとの距離計算を行うことで、削りの加工干渉チ
ェック処理が可能となる。
【0094】このため、切削乃至研削対象であるプレス
金型等のワークの加工形状面Sdに対して工具通路を与
える5軸NCデータNdの削りの良否を、ワークを実際
に削ることなく、ワークに対する工具1のシミュレーシ
ョン作動により容易にチェックすることができる。ま
た、上述の加工干渉チェック処理は、工具1の軸方向に
対して3軸直交座標系のような制限はなく、さらには、
工具1の任意の形状範囲で対応が可能であるので、5軸
NCデータNdに対する加工形状面Sdの削り残しの汎
用的な発見方法であるといえる。その上、加工形状面S
d上に削り残しデータ(フラグfがf=残すとなったポ
イントデータPiで位置が指定される点群)をディスプ
レイ31の画面上に表示させることで、削り残し点を視
覚的かつ直感的に認識することができるという効果も達
成される。
【0095】なお、この発明は上述の実施の形態に限ら
ず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を
採りうることは勿論である。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、5軸のNC工作機械に装着されるボールエンドミ
ル、スクエアエンドミル、ラディアスエンドミル等の任
意のエンドミルについての加工形状面に対する5軸NC
データの削り残しのシミュレーションを簡単に実施する
ことができるという効果が達成される。
【0097】シミュレーションにより削り残しのチェッ
クを行うことができるので、従来のように試験削り用の
テストピースを用意する必要がなく、削り残しチェック
のためのコストを低減することができるという効果が達
成される。すなわち、5軸NCデータの削りの良否をチ
ェックするまでの工数を従来技術に比較して飛躍的に短
縮することができる。
【0098】また、局所座標系で工具の刃部と点群との
間の距離の計算を行うようにしているので、計算時間を
短縮することができるという効果も達成される。
【0099】しかも、結果として、作成された5軸NC
データの信頼性、品質が高いものになるという効果も得
られる。
【0100】本発明によるシミュレーションは、従来不
可能であった、スクエアエンドミル、ラディアスエンド
ミル等、種々の形状のエンドミルに適用することができ
るので、汎用性に優れた方法であるといえる。
【0101】さらに、シミュレーション後に、ディスプ
レイ上に表示した加工形状面上に削り残しデータで位置
が指定される点群を表示させることで、削り残し点を視
覚的かつ直感的に認識することができるという効果も達
成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な5軸NC工作機械のヘッド部分の構成
を示す斜視図である。
【図2】工具の傾斜角の説明に供される図である。
【図3】この発明が適用されたNCデータチェックシス
テムの構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態に係る全体的かつ概略的
な処理フローを表すフローチャートである。
【図5】図5Aは、ボールエンドミルの構成を示す図、
図5Bは、スクエアエンドミルの構成を示す図、図5C
は、ラディアスエンドミルの構成を示す図である。
【図6】点データの構造を示す図である。
【図7】加工形状面に対する5軸作動のボールエンドミ
ルを表すとともに、基準座標系と局所座標系との説明に
供される図である。
【図8】工具がボールエンドミルである場合の削り残し
チェック処理の説明に供されるフローチャートである。
【図9】図9Aは、ボールエンドミルが原位置にある場
合の削り残しチェック処理の説明に供される図、図9B
は、ボールエンドミルが半径分だけ上昇した位置にあっ
て、軸とポイントとの間の距離を算出して削り残しチェ
ック処理を行う場合の説明に供される図、図9Cは、ボ
ールエンドミルが半径分だけ上昇した位置の先端座標点
とポイントとの間の距離を算出して削り残しチェック処
理を行う場合の説明に供される図である。
【図10】φ30のボールエンドミルで荒削りした場合
の削り残し結果を示す図である。
【図11】φ11のボールエンドミルで仕上げ削りした
場合の削り残し結果を示す図である。
【図12】図11中のAA線概略断面図である。
【図13】φ6のボールエンドミルで精密仕上げ削りし
た場合の削り残し結果を示す図である。
【図14】図13中のAA線概略断面図である。
【図15】工具がスクエアエンドミルである場合の削り
残しチェック処理の説明に供されるフローチャートであ
る。
【図16】スクエアエンドミルの削り残しチェック処理
の説明に供される図である。
【図17】工具がラディアスエンドミルである場合の削
り残しチェック処理の説明に供されるフローチャートで
ある。
【図18】図18Aは、ラディアスエンドミルが原位置
にある場合の削り残しチェック処理の説明に供される
図、図18B、図18Cは、それぞれ、ラディアスエン
ドミルが半径分だけ上昇した位置にあって、軸とポイン
トとの間の距離を算出して、異なる基準を基に、削り残
しチェック処理を行う場合の説明に供される図、図18
Dは、図18A〜図18Cに基づく処理結果の説明に供
される図、図18Eは、角部底面R部による削り残しチ
ェックの説明に供される図である。
【図19】角部底面R部による削り残しチェックの詳細
な説明に供される図である。
【符号の説明】
1…工具 1a…軸 1b…工具先端 1bc…ボールエ
ンドミル 1sc…スクエアエンドミル 1rc…ラディア
スエンドミル 11…ヘッド 21…NCデータ
チェックシステム 22…制御部 Cd…削りチェッ
クデータ Nd…工具通路データ Sd…加工形状面
データ Td…工具データ P、Pi…点デー
タ(ポイントデータ) i…アドレス番号 f…削り残しフラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀井 秀行 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 田中 耕太郎 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工形状面に所定ピッチで点群を発生さ
    せ、NCデータで表される工具通路による削り状態をシ
    ミュレーションによりチェックする5軸NCデータのチ
    ェック方法において、 工具の属性を設定するとともに、前記5軸NCデータか
    ら前記工具の傾きを抽出し前記工具の位置を基準とする
    局所座標系を認識するステップと、 前記点群発生用のデータを前記局所座標系基準のデータ
    に変換するステップと、 前記加工形状面に対して、前記工具の通路に沿って前記
    工具を走査し、前記工具と前記点群との干渉をチェック
    して前記点群の削り残し点を抽出するステップとを有す
    ることを特徴とする5軸NCデータのチェック方法。
  2. 【請求項2】前記工具がボールエンドミルであるとき、 前記ボールエンドミルの先端位置を半径分だけ前記ボー
    ルエンドミルの軸方向に上昇させた中心位置座標を求
    め、 前記上昇させた中心位置座標よりも軸方向上側に発生さ
    れた点群と前記ボールエンドミルの軸との間の距離を計
    算し、この距離が前記ボールエンドミルの半径を超える
    前記点群は削り残し点とし、前記距離が前記ボールエン
    ドミルの半径以内の前記点群は削り点とし、 前記上昇させた中心位置座標よりも軸方向下側に発生さ
    れた点群と前記上昇させたボールエンドミルの先端位置
    との間の距離を計算して、この距離が前記ボールエンド
    ミルの半径を超える前記点群は削り残し点とし、前記距
    離が前記ボールエンドミルの半径以内の前記点群は削り
    点とすることを特徴とする請求項1記載の5軸NCデー
    タのチェック方法。
  3. 【請求項3】前記工具がスクエアエンドミルであると
    き、 前記スクエアエンドミルの先端中心位置座標よりも軸方
    向上側に発生された点群と前記スクエアエンドミルの軸
    との間の距離を計算し、この距離が前記スクエアエンド
    ミルの半径を超える前記点群は削り残し点とし、前記距
    離が前記スクエアエンドミルの半径以内の前記点群は削
    り点とすることを特徴とする請求項1記載の5軸NCデ
    ータのチェック方法。
  4. 【請求項4】前記工具の直径がDであって、底面周囲に
    R形状を有するラディアスエンドミルであるとき、 前記ラディアスエンドミルの先端位置を前記R分だけ前
    記ラディアスエンドミルの軸方向に上昇させ、先端中心
    位置座標と前記R形状の中心位置座標を求め、 前記点群と前記ラディアスエンドミルの軸との間の距離
    を計算し、この距離が{(D−2R)/2}を超える点
    群は削り残し点とし、前記距離が{(D−2R)/2}
    以内の点群は削り点とし、 前記上昇させた先端中心位置座標よりも軸方向上側にお
    いて、前記削り残し点を対象として、この削り残し点と
    前記ラディアスエンドミルの軸との間の距離を計算し、
    この距離が前記ラディアスエンドミルの半径(D/2)
    以下になる点群は削り点とし、 さらに、残存した削り残し点を対象として、この削り残
    し点と前記R形状の中心位置座標との間の距離を計算
    し、この距離が前記R以下となる点群は削り点とし、 前記削り点とならなかった点群を削り残し点とすること
    を特徴とする請求項1記載の5軸NCデータのチェック
    方法。
  5. 【請求項5】前記加工形状面上に前記削り残し点のデー
    タで位置が指定される点群を表示させたことを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の5軸NCデータ
    のチェック方法。
JP22545795A 1995-09-01 1995-09-01 5軸ncデータのチェック方法 Expired - Fee Related JP3148108B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22545795A JP3148108B2 (ja) 1995-09-01 1995-09-01 5軸ncデータのチェック方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22545795A JP3148108B2 (ja) 1995-09-01 1995-09-01 5軸ncデータのチェック方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0973309A true JPH0973309A (ja) 1997-03-18
JP3148108B2 JP3148108B2 (ja) 2001-03-19

Family

ID=16829646

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22545795A Expired - Fee Related JP3148108B2 (ja) 1995-09-01 1995-09-01 5軸ncデータのチェック方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3148108B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7433754B2 (en) 2006-04-24 2008-10-07 Fanuc Ltd Numerical controller
JP2011133970A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Jtekt Corp 加工シミュレーション装置および加工シミュレーション方法
CN102689044A (zh) * 2012-06-06 2012-09-26 沈阳飞机工业(集团)有限公司 弧形面中环形躲避槽的数控加工方法
CN107179742A (zh) * 2017-05-23 2017-09-19 成都飞机工业(集团)有限责任公司 一种数控切削刀轨数据去噪方法
DE102017003904A1 (de) 2016-04-28 2017-11-02 Fanuc Corporation Numerische Steuerung
CN110456730A (zh) * 2019-07-25 2019-11-15 上海拓璞数控科技股份有限公司 用于双五轴镜像铣设备的防碰撞系统和方法
JP2020110863A (ja) * 2019-01-10 2020-07-27 マツダ株式会社 切削加工方法及び切削加工装置並びにプレス成形用金型
DE112021004581T5 (de) 2020-11-05 2023-06-15 Fanuc Corporation Steuervorrichtung

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7433754B2 (en) 2006-04-24 2008-10-07 Fanuc Ltd Numerical controller
JP2011133970A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Jtekt Corp 加工シミュレーション装置および加工シミュレーション方法
CN102689044A (zh) * 2012-06-06 2012-09-26 沈阳飞机工业(集团)有限公司 弧形面中环形躲避槽的数控加工方法
DE102017003904A1 (de) 2016-04-28 2017-11-02 Fanuc Corporation Numerische Steuerung
US10521724B2 (en) 2016-04-28 2019-12-31 Fanuc Corporation Numerical controller with swarf removal calculations
CN107179742A (zh) * 2017-05-23 2017-09-19 成都飞机工业(集团)有限责任公司 一种数控切削刀轨数据去噪方法
CN107179742B (zh) * 2017-05-23 2019-05-21 成都飞机工业(集团)有限责任公司 一种数控切削刀轨数据去噪方法
JP2020110863A (ja) * 2019-01-10 2020-07-27 マツダ株式会社 切削加工方法及び切削加工装置並びにプレス成形用金型
CN110456730A (zh) * 2019-07-25 2019-11-15 上海拓璞数控科技股份有限公司 用于双五轴镜像铣设备的防碰撞系统和方法
CN110456730B (zh) * 2019-07-25 2021-05-11 上海拓璞数控科技股份有限公司 用于双五轴镜像铣设备的防碰撞系统和方法
DE112021004581T5 (de) 2020-11-05 2023-06-15 Fanuc Corporation Steuervorrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
JP3148108B2 (ja) 2001-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7269471B2 (en) Tool path data generation apparatus for NC machine tool and numerical controller provided with it
US6112133A (en) Visual system and method for generating a CNC program for machining parts with planar and curvilinear surfaces
US6772038B2 (en) Machining-related information generating apparatus and numerical controller having the same
Wang et al. Real-time verification of multiaxis NC programs with raster graphics
Young et al. A five-axis rough machining approach for a centrifugal impeller
JP5957070B2 (ja) ワーク加工面表示方法、ワーク加工面表示装置、工具経路生成装置およびワーク加工面表示プログラム
CA2818645C (en) Method of optimizing toolpaths using medial axis transformation
JP2005074569A (ja) プログラム、コンピュータ装置、多軸加工機、ncプログラムの生成方法、ワークの加工方法
Chen et al. Automated post machining process planning for a new hybrid manufacturing method of additive manufacturing and rapid machining
JP3148108B2 (ja) 5軸ncデータのチェック方法
US6676344B1 (en) Methods and apparatus for machining workpieces
JPH08229770A (ja) 5軸ncデータの作成方法
Ozturk et al. Analytical methods for increased productivity in five-axis ball-end milling
JPH08263124A (ja) 加工プログラム作成方法及びその装置
WO2000028393A1 (en) Visual cnc program for generating machining parts
JP2006244067A (ja) 工作機械の干渉判定方法
JPH03166039A (ja) 数値制御情報作成機能における内径加工方法の決定方法及び装置
JPH0767659B2 (ja) 仕上げ表面あらさを考慮した自由曲面の加工情報生成システム
JP2647650B2 (ja) 工具干渉を除去した自由曲面の加工情報生成方法
EP1116078B1 (en) Process and system for working a workpiece through numerically controlled machine tools
JP4700369B2 (ja) Cam装置、工具軌跡作成方法および工具軌跡作成プログラム
JP2001242919A (ja) 工具参照面計算方法、工具参照面計算プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び工具参照面計算装置
JPH08249036A (ja) Ncデータの作成方法
JPH08305427A (ja) 5軸加工機用面加工データの作成方法
Munlin Tool path simulation using a virtual 5-axis milling machine

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080112

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090112

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees