JPH0972969A - 時計の磁気方式指針位置検出装置とその製造方法 - Google Patents

時計の磁気方式指針位置検出装置とその製造方法

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JPH0972969A
JPH0972969A JP22953595A JP22953595A JPH0972969A JP H0972969 A JPH0972969 A JP H0972969A JP 22953595 A JP22953595 A JP 22953595A JP 22953595 A JP22953595 A JP 22953595A JP H0972969 A JPH0972969 A JP H0972969A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 指針1を運針する歯車2上に、指針1の
位置をデジタルコード化した放射状硬磁性膜パターン8
を形成する。硬磁性膜パターン8に対向して時計基板4
bにホール素子7を設置し、時計基板4bに歯車回転面
に平行に磁界を印加しロータ9を着磁する。最後に、時
計基板4bに歯車回転面に垂直に磁界を印加して硬磁性
膜パターン8を着磁する。 【効果】 時計の指針位置を安定して認識できる検出シ
ステムで、システム全体が超小型、低消費電流、低製造
コストである。また、現在の時計の製造工程に適合でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気を利用した時計
の指針位置検出機構の構造およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】これまでの磁気を用いた位置検出装置
は、特開平4−262502号公報や、特開平4−26
2501号公報に示されるように、デジタルコード化パ
ターンやアナログパターンが形成されたバルクの永久磁
石材料に被測定物体を接続し、磁石の動作や位置を被測
定物体のものとして磁気センサで認識させるものや、H
DDやFDDのように薄膜の磁気メディアを用い、磁気
ヘッドで磁気情報(データの位置)を読み取るものであ
った。
【0003】また、これまでの時計の指針位置検出装置
には、接触通電方式、磁気方式、光方式、静電方式があ
った。
【0004】接触通電方式は、特開昭61−11148
4号公報に示されるように、アースされた指針の一部が
文字板上に形成された電極に接触しながら回転掃引、前
記電極の両端から電流を流すことで指針位置の検出をし
ていた。
【0005】磁気方式は、特開昭54−118870号
公報に示されるように、文字板の検出したい位置にMR
素子等の磁気感応素子を配し、磁化した指針が前記磁気
感応素子上を横切る際の磁束増加を検出していた。
【0006】光方式は、特開昭55−154485号公
報、特開昭61−17317号公報に示されるように、
文字板上にCCDや、太陽電池等の光感応素子を配し、
素子上を指針が横切る際の光量の変化を検出する方式
や、特開平3−239963号公報に示すように、歯車
の軸中心外に小穴をあけ、その小穴を通過する光を複数
の光センサーにて測定し、指針の回転を検出していた。
【0007】静電方式は、特開昭62−222183号
公報に示されるように、単電極の文字板上植字の上を指
針が横切る際に発生する静電容量を時定数として測定
し、指針位置の検出をしていた。
【0008】また、磁気方式指針位置検出装置の製造方
法は、まず特開平4−262501号公報のように着磁
されたバルクの永久磁石をレーザーを用いて部分的に加
熱磁化し磁化パターンを形成、または特開平4−262
502号公報のように着磁されていないバルクの永久磁
石材料を部分的にレーザー加熱しながらその部分が磁化
するのに必要な磁界を印加することで磁化パターンを形
成し、それらの磁化パターンの配列で、位置情報を記録
している。次に、その磁化パターン配列に向かい合わせ
て相対的な動作をするMR素子等の磁気センサーを設置
していた。磁気センサーが磁束の変化を検出することで
位置情報を認識、位置を特定していた。またFDD、H
DDに見られるような磁気ヘッド等を用い磁気媒体の一
部を磁化し、その磁化の配列パターンで位置情報を記録
することも行われている。さらに、特開昭54−118
870号公報の時計の指針位置検出装置の製造方法は詳
記されていないが、時計ムーブメントは通常の時計の製
造方法と同じで、文字板にMRセンサーを設置し、磁化
した指針を最終組立工程で組み立てると考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の特開平
4−262502号公報のような磁気方式位置検出方法
では、以下のような課題を有していた。
【0010】1)被測定物体に接続したバルクの永久磁
石の位置を検出するものであって、被測定物体の位置を
直接検出していないため、位置検出精度に誤差が大き
い。
【0011】2)被測定物体に重いバルクの永久磁石を
接続することが、被測定物体の動作、位置に影響を与え
る。特に、腕時計のような駆動トルクの小さい機械系に
設置すると指針を動かすこともできない。
【0012】3)被測定物体に、バルクの永久磁石、磁
気センサ等の位置検出装置を接続するので、システムと
して大きくなる。腕時計のようにスペースが限られたも
のでは設置できない場合も多い。
【0013】4)前記課題1、2、3を対策するものと
して、被測定物体自体を、鋳造や焼結により製造された
バルクの永久磁石から作製することがあるが、永久磁石
自体が非常に加工しにくい材料であり、さらにボンド磁
石では、形状は作り込みやすいものの、機械要素として
強度的に適さない場合が多いなど、制約が多い。
【0014】さらに、HDDやFDDでは、磁気メディ
アが薄膜のため磁気情報の漏れ磁界が小さく、磁気ヘッ
ドを磁気メディアから1ミクロン以内、もしくは接触さ
せねばならなかった。距離を1ミクロン以下に非接触で
保持するためには、磁気メディアを高速で回転させ、か
つ磁気ヘッドの形状を特殊に加工して、フライングさせ
ねばならなかった。また、磁気ヘッドの磁気情報検出起
電力を大きくするためにも磁気メディアを高速で回転さ
せねばならなかった。これらのため、低速で移動する物
体の位置検出にこの方式は適さず、かつ、磁気ヘッドを
フライングさせたり、磁気メディアに接触させたりする
ために、磁気ヘッドの特殊加工や耐摩耗性向上の保護膜
形成など磁気ヘッドコストが高いという課題を有してい
る。さらに、FDDのように磁気ヘッドを磁気媒体に接
触させる方式では時計のように駆動トルクの小さな駆動
系には適さない。
【0015】また、従来の時計の指針位置検出方法では
以下の課題を有している。
【0016】1)接触通電方式は、電気接点間への異物
の侵入や、接点の電蝕により、位置検出の信頼性が悪
い。
【0017】2)これまでの磁気方式は、多点検出、例
えば秒針の1秒毎の検出等が非常に困難で製造コストも
高い。また指針に磁石や、高透磁率材料を用いるため、
外部磁界に対し弱く、誤差を生じやすい。
【0018】3)光方式も、多点検出が困難で、コスト
高となる。外部光により検出誤差も生じやすい。
【0019】4)静電方式は、湿度変化等の環境変化に
より、検出誤差を生じやすい。
【0020】さらに、特開平4−262501号公報、
特開平4−262502号公報のような従来の磁気方式
の位置検出装置の製造方法では時計の製造への適合性が
ない。すなわち時計の製造方法は、まず着磁していない
ロータ、ステータ、歯車等を組立て、構造上はムーブメ
ントの完成体とし、次にムーブメント全体に20Kエル
ステッドの磁界を歯車回転面に平行に印加し、ロータの
着磁をしている。ロータを組立前に着磁しておくと、組
立時に軟磁性体であるステータにロータが接合してしま
い組立できない。よって、特開平4−262501号公
報のように位置を記録した永久磁石をムーブメント内に
歯車と連結設置しておくと、組立後の着磁で位置情報が
消去、または誤情報となるという課題を有する。これを
避けるためには、特開平4−262502号公報を応用
し、磁化していない永久磁石をムーブメント内に歯車と
連結設置、ムーブメント組立後のロータ着磁の後にムー
ブメント全体にロータに影響しない小さな磁界を印加し
ながらレーザーで磁化情報を永久磁石に書き込むことが
考えられるが、ムーブメント内に設置された永久磁石は
最大、時、分、秒に対応した3つとなり、かつ構造上ム
ーブメント中心、歯車の間に設置されるため、その一つ
一つに位置情報を書き込むことは、量産性が無いという
課題を有している。HDDやFDDで用いられる磁気ヘ
ッドで永久磁石に位置情報を磁化する場合も同じ課題を
有し、さらには磁化パターンのピッチにより漏れ磁束密
度が異なり、情報の認識が難しいという課題も合わせ持
つ。
【0021】そこで本発明は、このような課題を解決す
るものであって、その目的とするところは、 1)極低速から高速までの速度で移動する移動物体の位
置を直接認識でき、その位置検出ピッチは百ミクロン程
度であり、時計の指針位置を1秒ごと安定して認識でき
る 2)検出システム全体が超小型で、組み込まれるデバイ
ス等の形状を変更する必要や、デバイス等の動きや機能
に影響を及ぼすことがない 3)実効消費電流が小さく、低製造コストである 4)現在広く実用化されている時計の製造工程に適合で
きる 時計の磁気方式指針位置検出装置とその製造方法を提供
することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためのものであり、以下にその内容を説明す
る。
【0023】請求項1記載の時計の磁気方式指針位置検
出装置は、指針に接続しこれを回転駆動する歯車と、歯
車を回転駆動させるロータと、歯車およびロータを支持
する時計基板を有する時計において、歯車の回転面上に
歯車中心より放射状に指針の回転位置をデジタルコード
化した硬磁性膜パターンが形成され、かつ硬磁性膜パタ
ーンが垂直磁化されており、硬磁性膜パターンに対向し
て時計基板にホール素子が設置されていることを特徴と
している。
【0024】請求項1記載の発明は、指針(特に秒針)
の回転位置に対応した歯車部(すなわち、指針と同期し
て回転する歯車部)に、指針の絶対位置を示す情報を、
デジタルコード化して硬磁性膜パターンとして形成し、
このパターンをホール素子によって磁気的に検出するこ
とで、指針の絶対位置を検出するものである。これによ
って、時計の指針位置を1秒ごと安定して認識すること
が可能となる。さらに、硬磁性膜パターンは歯車部に対
して薄膜状に形成されているほか、ホール素子の大きさ
も非常に小さいので、位置検出システム全体としても超
小型となる。このため、他の構成部品に対する機能上・
レイアウト上の影響はほとんどない。また、位置検出の
ためのホール素子には駆動電流を印加しなければならな
いのであるが、指針の動き(回転)にあわせて断続的に
駆動すればよいので、実効的な消費電流を少なくするこ
とができる。このため、腕時計のような電池駆動型の携
帯時計においては、指針の位置検出によって電池寿命を
いたずらに縮めることがない。
【0025】また、請求項1においては、硬磁性膜パタ
ーンの存在を検出する素子としてGaAsホール素子を
用いることが好ましい。GaAsホール素子を用いるこ
とで、環境温度の変動に対しても非常に安定して検出す
ることが可能となり、検出の信頼性を大きく向上させる
ことができるようになる。
【0026】請求項3記載の時計の磁気方式指針位置検
出装置の製造方法は、指針に接続しこれを回転駆動する
歯車と、歯車を回転駆動させるロータと、歯車およびロ
ータを支持する時計基板を有する時計の製造方法におい
て、 1)歯車の回転面上に歯車中心より放射状に指針の回転
位置をデジタルコード化した硬磁性膜パターンを印刷
し、硬磁性膜パターンを垂直磁化する第1の工程と、 2)歯車・ロータ・硬磁性膜パターンに対向させたホー
ル素子を時計基板に組み立てる第2の工程と、 3)時計基板に歯車回転面に平行に磁界を印加しロータ
を着磁する第3の工程と、 4)時計基板に歯車回転面に垂直に第3の工程より小さ
い磁界を印加し硬磁性膜パターンを着磁する第4の工
程、 を有することを特徴とする。
【0027】この製造方法を採用することにより、現在
広く実用化されている時計の製造方法を大きく変更する
ことなく、指針位置検出装置を組み込むことが可能にな
る。すなわち、通常の時計の製造方法の場合、指針を駆
動するためのモータの主要構成部品であるロータを、時
計駆動部ユニット(ムーブメント)に組み込んだ状態で
磁界を印加して着磁作業を行うのであるが、本発明の硬
磁性膜パターンは垂直磁化法を用いており、さらに印加
磁界の大きさを調整して再着磁を行うことにより、ロー
タと硬磁性膜パターンが形成された歯車の双方を組み込
んだ状態でムーブメントに対して着磁作業を行っても、
ロータ及び硬磁性膜パターンを区別してそれぞれ正しく
着磁することができる。
【0028】また、請求項3においては、第4の工程の
印加磁界が、ロータ保磁力の1/2以下で、かつ第1の
工程の硬磁性膜保磁力の3倍以上であることが望まし
い。
【0029】このことにより、第4の工程によってロー
タの特性に悪影響を及ぼすことがなく、かつ硬磁性膜パ
ターンを正しく着磁することが可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を図面に基づいて
詳細に説明する。
【0031】本発明の一実施形態の構成を示す基本図を
図1、図2に示す。図1は腕時計に代表される小型の時
計駆動部ユニットであるムーブメントの断面図であり、
図2は、図1のA−A’断面である。図において、時刻
を表示する指針1を支える指針軸5に、垂直磁化されて
いる硬磁性膜パターン8が成膜されている歯車2がダイ
レクトに接続されている。歯車2は、ロータ9とダイレ
クトに接続されている歯車22、及び歯車22と連結さ
れている歯車21と連結されており、ロータ9の回転に
従い回転する。ロータ9は、ステータ10と共にステッ
プモータを構成しており、1ステップで180度ごと回
転するようになっている。このため、歯車2は歯車2
1、22の減速比に応じた一定角度でステップ回転する
ようになっている。また、歯車2、歯車21、歯車2
2、ロータ9は、時計基板4a、4bによって回転可能
に支持固定されている。時計基板4bの上部には時計基
板4b全体を覆うように、時刻文字・記号・数字などが
表面上に形成された文字板3が設けられている。そし
て、このムーブメントは全体として数mm程度の厚さに
抑えられている。本例においては、指針1として秒針を
想定しているが、通常の時計の場合はこのほかに分針、
時針も設けられている。ただし、図1においては、図面
を簡略化し説明をわかりやすくするために分針と時針は
図示を省略した。
【0032】硬磁性膜パターン8と対向する時計基板4
a上にはホール素子7が設置されており、磁化情報を硬
磁性膜パターン8から検出する。ボンディングワイヤ6
の配線でホール素子制御電流をホール素子7に流し、ホ
ール素子起電力を測定する。ホール素子7と硬磁性膜パ
ターン8とは非接触であり、運針への影響をなくしてい
る。また、GaAsホール素子はノンパッケージ品で3
00μm*300μm*150μm厚と非常に小さく、
時計のムーブメントに容易に入れこむことができ、時計
の厚みを変える必要もない。
【0033】硬磁性膜パターン8は、図2に示すように
歯車2中心より放射状に配置されている。図において、
形成角度θ1 、θ3で指示された囲み枠部分が硬磁性膜
パターン8が形成されている部分であり、それ以外の領
域には硬磁性膜パターン8は形成されていない。そし
て、歯車2の回転位置をで絶対位置(アブソリュート位
置)として認識できるように、形成角度θ1 、θ3 、ギ
ャップ角度θ2 を適切に制御している。図2では歯車2
の一部しか示していないが、実際には残りの歯車部分に
も硬磁性膜パターン8があり、制御する形成角度、ギャ
ップ角度はこれのみではない。すなわち、歯車2の回転
位置に応じて硬磁性膜パターン8はそれぞれ異なってい
る。
【0034】ここで、図2において、ホール素子7検出
部が運針(歯車2のステップ回転)毎に静止対向する歯
車2の位置の一例を×印(ア〜キ)で示した。前記した
ように、歯車2はステップ回転するために、歯車2の静
止位置×は不連続になる。ステップ回転するたびにホー
ル素子7にホール素子制御電流10mAをパルス的(断
続的)に流すことにより磁化情報を検出できる。パルス
幅はμ秒のオーダーで良いため、10mAという比較的
大きな電流量であっても、消費電流としては運針の際に
ロータ9を回転させるために必要となる電流と同程度で
あり、非常に低消費電流である。歯車2の回転に合わせ
ホール素子7の検出する位置が図2中ア、イ、ウ・・と
いうようにステップ移動していくが、その際ホール素子
起電力VH は図3に示すように変化する。ア、イ、ウで
は垂直磁化された硬磁性膜パターン8に対向しているた
め+の起電力を生ずるが、エ、オ、カ、キでは硬磁性膜
パターン8からはずれ磁束の向きが逆になるので−とな
る。ホール素子検出部と硬磁性膜パターン間距離は10
0μm程度であるため、ホール素子7にGaAsホール
素子を用いても10mAのホール素子制御電流で数mV
の起電力は確保でき、十分検出可能である。また、硬磁
性膜パターン8からホール素子検出位置がはずれるポイ
ントを図3に示すように明確に検出できることになる。
そして、歯車2がアからカの6ステップ回転する間に+
++−−−の磁化情報を検出することになるが、その一
連の6ステップの磁化情報群でカの位置は例えば35秒
であるというアブソリュートの位置情報を認識させる。
この対応関係は予めコード化、記憶させておく。秒や分
認識では一周60分割の認識が一般に求められるため、
6ビットの位置認識が必要となり、最低6ステップ回転
させ前記磁化情報群を形成することになる(なぜなら、
少なくとも26=64通りの組み合わせが必要となるか
ら)。本例においては秒針を例にとって説明している
が、例えば時針に関しての時認識においては一周12分
割であるので、最低4ステップ回転でよい。次に、更に
1ステップ回転させキの位置で−情報を得て、イからの
6磁化情報は++−−−−の磁化情報群となり、これを
36秒と認識するようにコード化、記憶させておく。こ
のように位置情報群が重複しないように硬磁性膜パター
ン8のθ1 、θ2 等を制御する。
【0035】次に、磁気方式指針位置検出装置の製造方
法を記することとする。まず、真鍮の歯車21、歯車2
2、歯車2をホブ歯切りにて作製する。歯車材質は真鍮
に限定されず、非磁性材料なら何でも良い。ただし、磁
性材料を用いるのは好ましくない。軟磁性材料等の磁性
材料を用いると、後記する硬磁性膜パターン8の垂直磁
化がしずらくなる欠点があるためである。
【0036】次に、粒径0.7ミクロンのBaフェライ
ト粉を1液性のエポキシ樹脂に85wt%混練し、Ba
フェライト印刷ペーストを作製する。この時、Baフェ
ライト粉が個々に分散するように十分混練する。Baフ
ェライト粉の磁気特性は、保磁力:900エルステッ
ド、残留磁化:3KGであった。ここで、Baフェライ
ト粉の粒径は5ミクロン程度以下が良い。粒径が大きす
ぎると硬磁性膜の磁気の効率が悪くなり、また印刷パタ
ーン表面粗さが大きくなることで実質的な硬磁性膜パタ
ーン/ホール素子間ギャップが拡大してしまうためであ
る。また、Baフェライトの混練比であるが、大きいほ
ど硬磁性膜パターン8の磁気特性が向上するものの、大
きすぎると印刷性が悪くなるため80〜90wt%が適
した条件である。さらに、Baフェライトの保磁力は、
後記のロータ着磁と硬磁性膜パターン着磁を実施する際
のお互いの影響度合いに大きく影響する。すなわち、充
分な硬磁性膜着磁には保磁力の3倍以上の磁界印加が必
要になるが、この印加磁界がロータ9の保磁力の1/2
以下でないとロータ着磁特性への影響が大きくなり時計
の運針に支障をきたす場合もないとはいえないからであ
る。ロータ9の材質としてはSmCoが一般的に使われ
るので、Baフェライトの保磁力はおおむね1Kエルス
テッド程度が適していることになる。
【0037】次に、歯車2上にBaフェライトペースト
をメタルマスクを用い印刷し、硬磁性膜パターン8を5
0ミクロン厚で形成した。ここで硬磁性膜パターン8を
形成する方法としてメタルマスク印刷を提示したが、他
にも種々ある。メッシュのあるスクリーン印刷でも良い
し、歯車にあらかじめ凹み、貫通穴をプレス等で形成し
ておきBaフェライトペーストを埋め込む方法でも良
い。また、膜厚であるが基本的には10ミクロン以上で
あればいくらでも良い。ただし、印刷で歯車上に形成す
る場合は、ムーブメントの設計上の制約などであまり厚
くできず、50ミクロン程度となってしまう。前記の歯
車内に埋め込む方法であれば200ミクロン以上も可能
であり、漏れ磁束密度も大きく取れ適している。
【0038】硬磁性膜パターン8形成後、ただちに硬磁
性膜パターン8に5KGの垂直磁界を印加し、Baフェ
ライト粉の配向をそろえ、焼成した。この工程により硬
磁性膜パターン8の垂直方向残留磁化が700Gより1
500Gに増加、ホール素子7の検出起電力を増大さ
せ、温度等の環境外乱耐性に強くなった。前述したよう
にBaフェライト粉の保磁力が900エルステッドであ
り、着磁にはその3倍以上の約3KGの磁界が必要であ
るが、ここでは磁性粉の配向を揃える(磁性粉をペース
ト中で回転させる)ため更に大きな磁界が必要となり、
実際には5KG以上となった。ただし、あまり大きな磁
界ではペーストに角が発生するため、配向最低必要磁界
(約3KG)のおおむね2倍程度(約6KG)が限度で
あった。
【0039】次に、GaAsホールセンサを図1のよう
に時計基板4bに接着、ワイヤボンディング実装し、ホ
ール素子制御電流の印加、ホール素子起電力の検出を可
能とした。GaAsホールセンサは温度に対する特性変
化が非常に小さい(すなわち、環境温度に対いて特性が
安定している)ので用いた。他にInSb、InAs等
のホールセンサも試してみたが、いずれのホール素子を
用いても良好に硬磁性膜パターンを検出することができ
た。ただし、GaAsホールセンサ以外のものではどれ
も温度に対して敏感であるので、検出出力が変動しやす
く、+−の認識が変化してしまうという現象が見られる
ことがあった。
【0040】次に、前記作製した歯車に回転軸を圧入し
た。歯車22については無着磁SmCoロータ9の回転
軸に圧入した。続いて、組立ロボット等を用い、図1の
ようなムーブメント状態になるように組み立てた。ロー
タ9を無着磁の状態で組み立てるのは、組み立てロボッ
トにパーツフィーダー等でロータ9を供給する際、ロー
タ9同士が凝集・接合しないようにするためである。
【0041】次に、組み立てられたムーブメント(図1
の状態)に水平磁界20KGを印加し、SmCoロータ
9の着磁をした。この時、硬磁性膜パターン8について
も水平方向に着磁されてしまうため、硬磁性パターン8
のみ垂直方向に着磁し直す必要がある。そこで、更に垂
直方向に3KGの垂直磁界を印加し硬磁性膜パターン8
のみ着磁し直す。3KGの磁界ではSmCoロータへの
影響はほとんど無く、ロータ回転特性への影響は無視で
きた。
【0042】本発明による指針位置検出装置は、ホール
素子、Baフェライト印刷ペースト等の材料費、スクリ
ーン印刷、ワイヤボンディング等の製造費というよう
に、高価で特別なものがなく、またムーブメント組み立
て後にロータ着磁を実施するという従来の時計の製造工
程を踏襲しているため安価に製造できた。
【0043】磁気方式指針位置検出の短所として、強磁
界による外乱があるが、仮に硬磁性膜の着磁が消磁され
たとしても、再びムーブメント全体に垂直磁界を印加す
ることで容易に復帰させることが可能である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、従来不可能であった以
下の効果を同時に有する位置検出装置を得ることができ
た。
【0045】1)極低速の速度でステップ移動する時計
の指針位置を直接認識できる 2)検出システム全体が超小型のため時計ムーブメント
を厚く変更する必要がなく、また運針に対しシステムが
非接触のため運針の動きや機能に影響を及ぼすことがな
い 3)実効消費電流が小さく、低製造コストである 4)無着磁ロータの状態でムーブメントを組み立て、そ
の後ムーブメント全体に強磁界を印加、ロータを着磁す
る時計の一般的な製造工程に適合できる これらにより、時計の指針位置検出装置に望まれる、極
低速の位置検出可能、消費電流が小さい、低コスト、超
小型、高精度の機能が達成できた。現在、時計では自動
現時刻復帰機能が付加されるようになってきている。こ
れは、現時刻の情報を含む電波をキャッチし、自動で指
針を正しい時刻に修正するものである。これには、時計
の指針が現在どこの位置にあるのかを検出する指針位置
検出機能が必須であるが、これまでは前記した精度、信
頼性のない従来技術しかなく商品価値は小さかった。し
かし、本発明により、例えば6度毎(秒針の1秒毎)に
精度よく指針位置を修正できるようになった。すなわ
ち、原子時計の精度を安価に達成できたことになり、そ
の効果の大きさがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における指針位置検出装置
の断面図。
【図2】図1におけるA−A’断面図。
【図3】本発明の一実施形態における歯車の動きに対す
るホール素子起電力の変化図。
【符号の説明】
1 指針 2 歯車 3 文字板 4a,4b 時計基板 5 指針軸 6 ボンディングワイヤ 7 ホール素子 8 硬磁性膜パターン 9 ロータ 10 ステータ 21 歯車 22 歯車

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指針と、該指針に接続し該指針を回転駆
    動する歯車と、該歯車を回転駆動させるロータと、該歯
    車および該ロータを支持する時計基板を有する時計にお
    いて、 該歯車の回転面上に歯車中心より放射状に該指針の回転
    位置をデジタルコード化した硬磁性膜パターンが形成さ
    れ、かつ該硬磁性膜パターンが垂直磁化されており、該
    硬磁性膜パターンに対向して該時計基板にホール素子が
    設置されていることを特徴とする時計の磁気方式指針位
    置検出装置。
  2. 【請求項2】 前記硬磁性膜パターンに対向して時計基
    板に設置されるホール素子が、GaAsホール素子であ
    ることを特徴とする請求項1記載の時計の磁気方式指針
    位置検出装置。
  3. 【請求項3】 指針と、該指針に接続し該指針を回転駆
    動する歯車と、該歯車を回転駆動させるロータと、該歯
    車および該ロータを支持する時計基板を有する時計の製
    造方法において、 該歯車の回転面上に歯車中心より放射状に該指針の回転
    位置をデジタルコード化した硬磁性膜パターンを印刷
    し、該硬磁性膜パターンを垂直磁化する第1の工程と、
    該歯車・該ロータ・該硬磁性膜パターンに対向させたホ
    ール素子を該時計基板に組み立てる第2の工程と、該時
    計基板に該歯車回転面に平行に磁界を印加し該ロータを
    着磁する第3の工程と、該時計基板に該歯車回転面に垂
    直に第3の工程より小さい磁界を印加し該硬磁性膜パタ
    ーンを着磁する第4の工程を有することを特徴とする時
    計の磁気方式指針位置検出装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第4の工程の印加磁界が、ロータ保
    磁力の1/2以下で、かつ第1の工程の硬磁性膜保磁力
    の3倍以上であることを特徴とする請求項3記載の時計
    の磁気方式指針位置検出装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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