JPH0971798A - 微粉体含有造粒物の製造法 - Google Patents

微粉体含有造粒物の製造法

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JPH0971798A
JPH0971798A JP7230007A JP23000795A JPH0971798A JP H0971798 A JPH0971798 A JP H0971798A JP 7230007 A JP7230007 A JP 7230007A JP 23000795 A JP23000795 A JP 23000795A JP H0971798 A JPH0971798 A JP H0971798A
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淳良 仁科
Fumiko Kajishima
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Yukiya Kojima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粉体状の食品、飼料、医薬品等の素材を、
結合材を一切用いることなく造粒する方法を提供するも
のである。 【解決手段】 微粉体状の素材を、それより比重および
粒径の大きい核となる粉体と混合して付着物を生成さ
せ、これに溶融した脂質またはこの粉体より粒径の小さ
な脂質粉体を混合することにより脂質で被覆された造粒
物が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粉体状の素材を
含有する造粒物の製造法に関し、特に健康食品として有
用な微粉体状の素材を含有する造粒物の製造に応用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】近年の我々を取りまく社会環境の変化の
中で食生活の多様化は日常的でかつ身近な事象として認
識できる。たとえば、食品の形態も固形状、ゲル状、ペ
ースト状、フレーク状、乳化状、ゼリー状、粉状、液状
など様々なものが市場に出ている。つまり食品の栄養
価、機能、特性はもとより、味覚、臭覚、視覚などの官
能特性を引き出す目的で形態が決定されている場合も多
い。これらの食品の素材そのものは、一般消費者はもと
より、食品加工メーカーでその特性を生かしながら用
途、末端消費者の嗜好、年代、性別などに応じて様々に
加工し、出来るだけ摂取しやすい形態にされている。摂
餌効率という広い観点からすれば、対象が人間以外の家
畜、ペット、養殖魚等であってもよく、摂取させる素材
として一般的な食品以外の飼料、栄養強化剤、健康食
品、医薬品、食品添加物、飼料添加物、調味料、酵素製
剤、生菌類などがあげられる。
【0003】上記の素材において、微粉体状のものが数
多く存在し、これらは取扱いにくくまた加工しにくい。
そのままでは摂取し難い欠点がある。また、これらの素
材の中には、苦味、渋味、えぐみなどを有するものも多
くて摂取する際の障害となるため、これらの味のマスキ
ングも必要となってくる。例えば食品素材の中で、近年
の健康志向にともない、イチョウ葉エキス末、ギムネマ
シルベスタ、茶抽出物等の健康食品素材、あるいはビフ
ィズス菌に代表される有用腸内細菌、あるいはクロレ
ラ、スピルリナ等の藻類乾燥品は、非常に微細な粉体と
して流通される場合が多い。また、ガン抑制効果や免疫
賦活効果があるといわれているシイタケ、ヒメマツタ
ケ、マイタケ、サルノコシカケ(霊芝)等の菌子体抽出
物は、多くは凍結乾燥された微粉体として流通してい
る。
【0004】そのほか、凍結乾燥野菜、凍結乾燥果実、
魚介類エキスの微粉末、粉末醤油、粉末味噌などの素材
も一般的には、微粉体であるために重量あたりの表面積
が大きく、非常に吸湿性が高いものが多くて保存性や取
り扱いに問題があった。従来は、上記の微粉体を流動層
中で水、油脂類を結合剤として用い、デンプン、糖類、
デキストリン等を増量材として用いて造粒または顆粒化
する方法(流動層造粒)あるいは予めこれらの増量材と
混合したのち蒸気を吹き付けて加熱しながら押し出す方
法(押し出し造粒法)が一般的であった。また、水分を
使用する方法では、必ず造粒工程後に乾燥工程が入るた
め、味や風味を損なう場合が多い。また、生菌類および
酵素類等の生体由来の微粉体を用いて造粒する場合に
は、これらの素材が、死滅あるいは失活するために使用
できない。
【0005】特開平6−125717号公報には水を使
用しない食品の乾式造粒方法が開示されており、特定の
融点をもつ油脂類を粘結剤とし、油脂添加量、造粒方
法、工程温度を規定し造粒食品を得ている。また、特開
平6−229961号公報には、遠心流動層内において
球形顆粒を核とし、表面に粉体を吹き付けた後、糖質水
溶液等をさらに噴霧被覆してなる多層造粒物の製造方法
が提案されている。これらは、いずれの場合も水あるい
は溶媒を介在させ被膜材を均一にコーティングし、かつ
最終的に乾燥工程を経て造粒物を得るものである。しか
しながら、これらの乾式造粒法では、得られた造粒物の
強度が弱くて被覆性が充分でないことが問題であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、非常
に細かい微粉体状の素材を取り扱い易い粒状物にすると
ともに、流動性の改善、脂質による被覆を完全にして吸
湿性の抑制、臭味改善(マスキング)などの機能を付与
する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、素材である微
粉体と核となるそれ以上の粒径と比重をもつ粒状粉体と
を攪拌混合し、結合材を一切用いることなく、粒状粉体
に微粉体を靜電気力により付着させ、さらに、脂質によ
り被覆して微粉体を含有する造粒物を製造する方法であ
る。本発明においては微粉体を付着さる粒状粉体を用い
ることが大きな特徴であり、これが核となる。すなわ
ち、本発明の第1の発明は、(A)微粉体とその微粉体
より粒径および比重が大きい粒状粉体とを混合攪拌する
ことによ粒状粉体の表面にこの微粉体を付着せしめて造
粒させた後、(B)溶融状態にある脂質を噴霧すること
により、造粒物に脂質を被覆する微粉体含有造粒物の製
造法である。本発明の第2の発明は、(A)工程で造粒
させた後、粒径が造粒物より小さい脂質粉体と造粒物と
を混合攪拌して脂質を造粒物に被覆する微粉体含有造粒
物の製造法である。また、本発明の第3の発明は、
(A)工程で造粒させた後、(B)工程で脂質を噴霧す
ることにより脂質を被覆し、さらに(C)工程でその被
覆造粒物より粒径の小さい脂質粉体とその造粒物とを混
合攪拌して脂質を造粒物に被覆する微粉体含有造粒物の
製造法である。本発明に用いる粒状粉体は、非常に種
類、品種が多く、用途またはその後の加工に併せて選択
が可能であり応用範囲が広い。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の造粒方法は、(A)工
程、(B)工程と(C)工程の3工程からなり、(A)
工程は粒状粉体の表面に、微粉体を電気的力で付着せし
める方法であり、(B)工程は脂質を溶融・噴霧するこ
とにより被覆する方法と脂質を物理力で被覆する方法と
であり、(C)工程はさらに脂質を物理力で被覆する方
法である。本発明における(A)工程は粒状粉体の表面
に、微粉体を電気的力で付着せしめて造粒させる方法で
ある。この粒状粉体の粒径は微粉体の粒径の10〜10
00倍で、比重が微粉体の1.2〜100倍である。粒
状粉体の粒径が微粉体粒径の10倍未満で、比重が微粉
体の1.2倍未満であると微粉体が粒状粉体表面にコー
テングできない。粒状粉体の粒径が微粉体粒径の100
0倍を超え、比重が微粉体の100倍を超えると微粉体
が粒状粉体表面にコーテングできない。次に、(B)工
程で脂質素材を物理力で被覆する方法の場合はその脂質
の粒径が(A)工程で得られる造粒物の粒径の0.00
1〜0.99倍である。脂質の粒径が造粒物の粒径の
0.001倍未満であるとコーテングできず、脂質の粒
径が造粒物の0.99を超えると脂質がコーテングでき
ない。好ましくは、(A)工程において粒状粉体の粒径
が微粉体粒径の2〜5倍で、粒状粉体の比重が微粉体の
比重が2〜3倍である。また、微粉状の素材の粒径とし
てはできるだけ小さい方が好ましい。
【0009】本発明の対象となる微紛体としては、健康
食品原料、調味料原料、香辛料原料、生菌、酵素、アミ
ノ酸、ペプタイド、ビタミン、有機酸、医薬品原料等が
あげられる。具体的には、健康食品として、イチョウ葉
エキス末、茶抽出物粉末、甘草抽出物粉末、ギムネマシ
ルベスタ、菌子体抽出物(シイタケ、ヒメマツタケ、マ
イタケ、カワラダケ、麗芝等)、プロポリス末、冬虫夏
草末、サメ軟骨粉末、朝鮮人参粉末、クロレラ粉末、ス
ピルリナ粉末、ロイヤルゼリー末、花粉、クマザサ末エ
ゾウコギ末、玄米酵素、納豆菌、酵母等があげられる。
また、調味料原料、香辛料原料としては、粉末味噌、粉
末醤油、粉末ソース、スパイス、粉末カレー粉等があげ
られる。また、生菌類としては有用腸内細菌としてのビ
フィズス菌をはじめとする乳酸菌等、酵素としては、リ
パーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ等の食
品工業用酵素があげられる。これらの微粉体は、一般食
品原料、健康食品原料、医薬品原料等として流通する際
には吸湿性が高く、また粉立ちがあるため取扱いが難し
く、また風味が悪いものも多いので、造粒物として取り
扱うことが好ましい。
【0010】本発明で使用する、造粒物の核となる粒状
粉体としては、例えば、蔗糖、グラニュー糖などの糖;
アビセルなどの結晶セルロース;エリスルトールなどの
糖アルコール;塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、硫酸
カルシウム、塩化マグネシウム等の無機塩;アスコルビ
ン酸、クエン酸、リンゴ酸、フマール酸、ソルビン酸、
コハク酸、酒石酸、グルコン酸等の有機酸;アスコルビ
ン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、クエン酸
ナトリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸第一鉄、グ
ルコン酸亜鉛等の有機酸塩などがあげられる。これらの
微粉体と粒状粉体との組合わせにおいて、例えば、イチ
ョウ葉エキス末とグラニュー糖、ビフィズス菌原末とグ
ルコン酸、クロレラパウダーとグラニュー糖、パンクレ
アチンとアビセル、ギムネマシルベスタとグラニュー糖
の組み合わせ等がある。
【0011】また本発明の造粒物の最外層となる脂質と
しては、融点として40℃以上、望ましくは50℃以上
のものであれば良く、特にその種類を限定するものでは
ない。 例えば、硬化油としては牛脂極度硬化油(融
点:58〜60℃)、菜種極度硬化油(融点:68〜6
9℃)、パーム極度硬化油(融点:66〜70℃)、大
豆極度硬化油(融点:69〜72℃)、硬化ホホバ油
(融点:68〜70℃)などがあげられる。また、ワッ
クスでは、カルナバワックス(融点:80〜86℃)、
ライスワックス(融点:70〜83℃)、キャンデリラ
ワックス(融点:68〜72℃)、ミツロウ(融点:6
5〜67℃)などを用いることも可能である。脂肪酸で
はステアリン酸(融点:68〜70℃)、ミリスチン酸
(融点:53〜55℃)、パルミチン酸(融点:62〜
64℃)、エイコサン酸(融点:75〜77℃)、ベヘ
ン酸(融点:80〜82℃)などを用いることができ
る。また、融点が非常に高いものとしては金属石鹸であ
るステアリン酸カルシウム(融点:158〜160
℃)、パルミチン酸カルシウム(融点:165〜170
℃)等がある。またステロールとしは、コレステロール
(融点:145〜149℃)、フコステロール(融点:
120〜124℃)、カンペステロール(融点:155
〜157℃)、ラノステロール(融点:135〜139
℃)などがあげられる。さらにグリセリンの部分脂肪酸
エステルとしては高融点のグリセリンモノ脂肪酸エステ
ル、グリセリンジ脂肪酸エステル等があげられ、具体的
には、ステアリン酸モノグリセリド(「エマルジーM
S」理研ビタミン(株)製:融点68〜69℃)、ステ
アリン酸ジグリセリド(「エマルジーB−200」理研
ビタミン(株)製:融点69〜70℃)などが使用され
る。これらの硬化油、ワックス、脂肪酸、金属石鹸、グ
リセリンの部分脂肪酸エステルは目的用途に応じて適宜
選択することができる。
【0012】つぎに各発明の具体的な製造法の操作につ
いて説明する。第1の発明においては微粉体と粒状粉体
とを混合攪拌する方法は通常の混合機を用いて両者を混
合攪拌するだけでよく、混合機としては市販の混合機や
混合造粒機を用いることができる。この場合に両者を付
着させる結合剤は必要とせず、両者は靜電気的に付着す
る。この際とくに加温する必要もない。つぎに、この表
面にこの微粉体を付着せしめた粒状粉体に溶解した脂質
を噴霧して添加する。添加された脂質は付加物表面で固
まり、粒状粉体の表面に微粉体の付着した粒子が脂質に
より被覆される。第2の発明は、第1の発明の前半の工
程で得られた微粉体を表面に付着した粒状粉体を混合攪
拌しつつ、粒状粉体より粒径の小さい脂質を加えて粉体
混合攪拌して脂質を微粉体が表面に付着した粒状粉体の
表面に付着することができる。第3の発明は、第1の発
明で得られた脂質で被覆された微粉体含有造粒物を混合
攪拌しつつ、さらにこの粒子より粒径の小さい脂質を加
えて粉体混合する。この粒子より粒径の小さい脂質は第
1の発明の造粒物をさらに被覆することになる。本発明
に用いる微粉体と粒状粉体との混合比は、重量基準で、
1:5〜1:100、好ましくは1:10であり、脂質
の使用量は微粉体との比は、重量基準で、1:1〜1
0:1、好ましくは1:1〜2:1である。本発明に用
いる粒状粉体は、非常に種類、品種が多く、用途または
その後の加工に併せて選択が可能であり応用範囲が広
い。
【0013】
【実施例】本発明を実施例および比較例によりさらに詳
細に説明する。 実施例1 苦味を有するイチョウ葉エキス末(フランス原産:平均
粒径70μm、嵩比重0.56)50gおよび日本坩糖
(株)製のグラニュー糖(平均粒径465μm:比重
1.1)350gを攪拌型造粒装置(奈良機械(株)製
OMD−3型)に投入し、機内温度20℃、窒素ガス
雰囲気下において、主軸回転数500rpm、副軸回転
数1000rpmで10分間攪拌して一次造粒物を得
た。この段階においてグラニュー糖にイチョウ葉エキス
末が均質に付着しており、殆ど未付着のイチョウ葉エキ
ス末は存在しなかった。さらに、この一次造粒物を主軸
回転数200rpm、副軸回転数500rpmの条件で
攪拌しながら、溶融した牛脂硬化油(融点48℃)10
gを噴霧器を用いて5分間かけて流動層内にゆっくりと
噴霧した。その後10分間攪拌を続けた。得られた造粒
物は非常に粒径が揃い、かつイチョウ葉エキスの持つ特
有の苦味はかなり減少していた。造粒物とイチョウ葉エ
キス原末のそれぞれについて、37℃の精製水900m
lにイチョウ葉エキス分として690mgを添加し、1
00rpmで60分間攪拌し、波長320nmの吸光度
から溶出率を測定した結果、造粒物の溶出率は原末の2
0%であった。
【0014】比較例1 実施例1で用いたイチョウ葉エキス末50gを実施例1
で用いた攪拌型造粒装置に投入し、機内温度20℃、窒
素ガス雰囲気下において、主軸回転数200rpm、副
軸回転数500rpmで攪拌しながら、溶融した牛脂硬
化油(融点48℃)10gを噴霧器を用いて5分間かけ
て流動層内にゆっくりと噴霧し攪拌造粒した。この段階
で、イチョウ葉エキスの苦味は抑制されていなかった。
また、流動性は不良であった。
【0015】実施例2 ビフィズス菌原末(新扶桑製薬(株)製、50%殺菌で
んぷん希釈品(平均粒径50μm、嵩比重0.5)50
gおよびグルコン酸(顆粒品、平均粒径200μm)4
00gを攪拌型造粒装置(ヘンシルミキサー)に投入
し、回転数500rpmで10分間攪拌した。この段階
において、投入時のカサが明らかに減り、粉体が落ちつ
いて、ビフィズス菌末がグルコン酸顆粒に付着してきて
いた。この時の造粒物の平均粒径は280μmであつ
た。 さらに、微粉体の菜種極度硬化油(融点68℃、
平均粒径5μm、比重0.38)を50g投入し、回転
数700rpmで約10分間攪拌した。得られた造粒品
の菌数を直後と1ヶ月後(20℃保管)で比較したとこ
ろ、ほぼ配合理論値と同じ値を示した。
【0016】比較例2 実施例2で用いたビフィズス菌原末50gと実施例2で
用いた菜種極度硬化油400gとを実施例2で用いた攪
拌型造粒装置に投入し、回転数500rpmで10分間
攪拌した。この段階において、粉立ちして粉体の流動性
は不良であり、菌数も1ヶ月後(20℃保管)で、70
%に低下していた。
【0017】実施例3 クロレラパウダー(クロレラ工業(株)製:平均粒径2
0μm、嵩比重0.55)50gおよび実施例1で用い
たグラニュー糖400gを攪拌型造粒装置(深江工業
(株)製 ハイスピードミキサー)に投入し、主軸回転
数500rpm、機内温度20℃で10分間攪拌した。
この段階で比重の非常に軽いクロレラパウダーは、殆ど
グラニュー糖に付着しており、投入時のカサは明らかに
減少していた。しかしこの段階においては、表面のクロ
レラの青臭みは感じた。この時の造粒物の平均粒径は5
00μmであつた。つぎに、実施例2で用いた微粉体の
菜種極度硬化油50g投入し、主軸回転数700rpm
で約10分間攪拌した。得られたクロレラ造粒物はクロ
レラの青臭さが明らかに減少していた。
【0018】比較例3 実施例3で用いたクロレラパウダー50gと実施例2で
用いた微粉体の菜種極度硬化油400gを実施例3で用
いた攪拌型造粒装置に投入し、回転数600rpmで1
0分間攪拌した。この段階において、クロレラの青臭み
は消えていなかった。さらに、同じ菜種極度硬化油の微
粉体を50g添加し同様の条件で攪拌を10分間継続し
たが、クロレラの青臭みは消えていなかった。
【0019】実施例4 パンクレアチン(天野製薬(株)製:平均粒径30μ
m、比重0.62)50gとアビセル(旭化成 (株)
製:平均粒径150μm、比重0.87)350gを攪
拌型造粒装置(奈良機械(株)製 OMD−150型)
に投入し、機内温度20℃、窒素ガス雰囲気下におい
て、主軸回転数500rpm、副軸回転数1000rp
mで10分間攪拌した。この際、酵素製剤が非常に水を
嫌うため、機内の乾燥状態に留意した。この段階におい
て、仕込み当初のカサが明らかに減り、微粉状パンクレ
アチンの飛散も減少した。この時の造粒物の平均粒径は
214μmであつた。この段階においてはパンクレアチ
ン特有の酸味が認められた。さらに実施例2で用いた微
粉体の菜種極度硬化油100gを添加し、主軸回転数7
00rpm、副軸回転数1500rpmで約10分間攪
拌した。得られたパンクレアチン造粒物は酸味が消えて
おり、また良好な流動性を示した。
【0020】比較例4 実施例4で用いたパンクレアチン50gと実施例2で用
いた微粉体の菜種極度硬化油350gを実施例4で用い
た攪拌型造粒装置に投入し、機内温度20℃、窒素ガス
雰囲気下において、主軸回転数500rpm、副軸回転
数1000rpmで10分間攪拌した。この段階におい
て、パンクレアチンの酸味はやや希釈されたものの残っ
ていた。さらに同じ菜種極度硬化油微粉体50gを追加
し、攪拌造粒を20分間継続したが同じ状態で改善は認
められなかった。
【0021】実施例5 実施例1で用いたイチョウ葉エキス末50gと実施例1
で用いたグラニュー糖350gを実施例1で用いた攪拌
型造粒装置に投入し、機内温度20℃、窒素ガス雰囲気
下において、主軸回転数500rpm、副軸回転数10
00rpmで攪拌して一次造粒物を得た。この段階にお
いてグラニュー糖にイチョウ葉エキス末が均質に付着し
ており、殆ど未付着のイチョウ葉エキス末は存在しなか
った。さらに、この一次造粒物を主軸回転数200rp
m、副軸回転数500rpmの条件で攪拌しながら、溶
融した牛脂硬化油(融点48℃)10gを噴霧器を用い
て5分間かけて流動層内にゆっくりと噴霧した後10分
間攪拌を続けた。この時の造粒物の平均粒径は610μ
mであつた。状態が落ちつくまで、約10分間攪拌を継
続し、実施例2で用いた微粉体の菜種極度硬化油の微粉
体90gを添加し、主軸回転数700rpm、副軸回転
数1500rpmの条件で攪拌し10分間攪拌して目的
の造粒物を得た。
【0022】比較例5 実施例1で用いたイチョウ葉エキス末50gと実施例2
で用いた菜種極度硬化油の微粉体350gを実施例1で
用いた攪拌型造粒装置に投入し、機内温度20℃、窒素
ガス雰囲気下において、主軸回転数500rpm、副軸
回転数1000rpmで攪拌して10分間攪拌して目的
の造粒物を得た。この段階で、イチョウ葉エキス末の苦
味は非常に強かった。また、流動性についても粉立ちが
して不良であつた。
【0023】実施例1〜5および比較例1〜5で製造し
た造粒物について被覆性、流動性を下記の評価基準で測
定し、その結果を表1および表2に示した。 [被覆性の評価基準] ○:被覆が完全で原末の臭いまたは味が感じられない。 △:被覆が不完全で原末の臭いまたは味がやや感じられ
る。 ×:被覆が不良で原末の臭いまたは味が強く感じられ
る。 [流動性の評価基準] ○:粉立ちせず、さらさらとしていて流動性は良好であ
る。 △:粉立ちはしないが、流動性はやや不良である。 ×:粉立ちしたり、べとべとしたりして流動性は不良で
ある。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表1の結果から、実施例1〜5は脂質の被
覆が完全であり、苦み、青臭み、酸味の風味は完全には
マスキングされており臭味改善ができたうえに、粉体の
流動性改善、吸湿性の抑制、粉立ち防止ができた。これ
に反し、表2の結果から、比較例1は被覆が完全でな
く、イチョウ葉エキスの苦味は抑制できず流動性も不良
で、比較例2は被覆が完全でなく、粉体の流動性は改善
されず菌数も1ヶ月後で70%に低下していた。比較例
3はクロレラの青臭みは、消えておらずマスキングは不
十分であった。また、比較例4は被覆が完全でなく、パ
ンクレアチンの酸味はやや希釈されたものの強く感じら
れた。比較例5は被覆が完全でなく、イチョウ葉エキス
の苦味は抑制できず流動性も不良であつた。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法により得られた微粉体含有
造粒物は、極めて被覆性と流動性に優れ、長期の保存と
取り扱いに効果的である。また、本発明の方法において
は水や溶媒を一切使用しないため、微粉体素材の変質は
極めて少く健康食品や医薬品の造粒化に極めて有用な方
法である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)微粉体とその微粉体より粒径およ
    び比重が大きい粒状粉体とを混合攪拌することにより粒
    状粉体の表面にこの微粉体を付着せしめて造粒させた
    後、(B)溶融状態にある脂質を噴霧することにより、
    造粒物に脂質を被覆する微粉体含有造粒物の製造法。
  2. 【請求項2】 (A)工程で造粒させた後、粒径が造粒
    物より小さい脂質粉体と造粒物とを混合攪拌して脂質を
    造粒物に被覆する請求項1記載の微粉体含有造粒物の製
    造法。
  3. 【請求項3】 (A)工程で造粒させた後、(B)工程
    で脂質を噴霧することにより脂質を被覆し、さらに
    (C)工程でその被覆造粒物より粒径の小さい脂質粉体
    とその被覆造粒物とを混合攪拌して脂質をさらに造粒物
    に被覆する請求項1記載の微粉体含有造粒物の製造法。
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