JPH0971701A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0971701A
JPH0971701A JP25475395A JP25475395A JPH0971701A JP H0971701 A JPH0971701 A JP H0971701A JP 25475395 A JP25475395 A JP 25475395A JP 25475395 A JP25475395 A JP 25475395A JP H0971701 A JPH0971701 A JP H0971701A
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JP
Japan
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weight
styrene
acrylate
thermoplastic resin
methacrylate
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Application number
JP25475395A
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English (en)
Inventor
Toshie Ogura
利江 小椋
Masaaki Motai
政明 馬渡
Masayuki Sekiguchi
関口  正之
Hisao Nagai
久男 永井
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形品表面外観、ウェルド外観性およびウェ
ルド強度に優れた熱可塑性樹脂を提供する。 【構成】 (A)ゴム質重合体(a)存在下又は非存在下に(b)芳香族ビニル化合物、ま たは芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量 体を重合してなる重合体から選ばれた少なくとも1種からなるスチレン系樹脂 20〜95重量% (B)木粉 80〜5重量% 上記(A)+(B)100重量部に対して (C)ポリオルガノシロキサンとアクリル系ポリマーからなる複合ゴムに、1種 または2種以上のビニル単量体がグラフト重合されてなるオルガノシロキサン系 グラフト共重合体 1〜60重量部 からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品表面外観、ウェ
ルド外観性およびウェルド強度に優れた熱可塑性樹脂に
関する。
【0002】
【従来の技術】木粉は製材工場、木工工場、パルプ製造
工場などから副生物、廃棄物として豊富に供給され、一
般に他の樹脂用充填剤に比べて安価である。木粉を熱可
塑性樹脂に配合することにより、成形品の剛性の向上、
低比重化などの効果が期待されるため、従来から木粉を
熱可塑性樹脂に配合し、押出成形、射出成形、圧縮成形
などを行う技術が行われている。しかしながら単純に木
粉と熱可塑性樹脂を混合した場合、木粉が樹脂中に均一
に分散せず、その成形品は滑らかな表面を有さず、表面
光沢がないなどの問題や、射出成形においてはウェルド
部が目立ち、ウェルド強度が弱いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、成形品表面外観、ウ
ェルド外観性およびウェルド強度に優れ広範囲の用途に
使用し得る熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために次の構成をとる。 (A)ゴム質重合体(a)存在下又は非存在下に(b)芳香族ビニル化合物、ま たは芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量 体を重合してなる重合体から選ばれた少なくとも1種からなるスチレン系樹脂 20〜95重量% (B)木粉 80〜5重量% 上記(A)+(B)100重量部に対して (C)ポリオルガノシロキサンとアクリル系ポリマーからなる複合ゴムに1種ま たは2種以上のビニル単量体がグラフト重合されてなるオルガノシロキサン系グ ラフト共重合体 1〜60重量部 からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。を提供
するものである。
【0005】本発明の(A)スチレン系樹脂は、ゴム質
重合体の存在下または非存在下に、芳香族ビニル化合物
または芳香族ビニル化合物とこれと共重合可能な他の単
量体からなる単量体成分を(グラフト)重合して得られ
る(グラフト)重合体樹脂(ゴム変性芳香族ビニル樹
脂)であっても、また上記の単量体成分を重合して得ら
れる熱可塑性樹脂と該グラフト重合体樹脂とをブレンド
して得られるブレンド系のグラフト共重合体樹脂であっ
てもよい。
【0006】ここで使用されるゴム質重合体としては、
例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、
スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含量5〜60
重量%が好ましい)、スチレン−イソプレン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−α
−オレフィン系共重合体、エチレン−α−オレフィン−
ポリエン共重合体、シリコーンゴム、アクリルゴム、ブ
タジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプ
レンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、水素化ブタジエン系重合体、エチレン
系アイオノマーなどが挙げられる。また、スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロ
ック共重合体には、AB型、ABA型、テーパー型、ラ
ジアルテレブロック型の構造を有するものなどが含まれ
る。さらに、水素化ブタジエン系重合体は、上記ブロッ
ク共重合体の水素化物のほかに、スチレンブロックとス
チレン−ブタジエンランダム共重合体のブロック体の水
素化物、ポリブタジエン中の1,2−ビニル結合含量が
20重量%以下のブロックと1,2−ビニル結合含量が
20重量%を超えるポリブタジエンブロックからなる重
合体の水素化物などが含まれる。これらのゴム状重合体
は、1種単独でまたは2種以上で使用される。耐衝撃性
の面からゴム質重合体存在下に得られたスチレン系樹脂
またはゴム質重合体存在下に得られたスチレン系樹脂と
ゴム質重合体非存在下に重合して得られたスチレン系樹
脂との混合物を使用することが好ましい。
【0007】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチ
レン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、
N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、ビニル
ピリジン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジク
ロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレ
ン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタ
レンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレ
ンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、1種単
独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0008】また、他の単量体としては、アクリロニト
リル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合
物;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、アミノアクリレ
ート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリ
レート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート
などのアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、アミノメタクリレート、ヘキシルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレー
ト、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート
などのメタクリル酸エステル;無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水物;ア
クリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マレイミド、
N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、 N−
(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα,β−
不飽和ジカルボン酸のイミド化合物;グリシジルメタク
リレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基
含有不飽和化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド
などの不飽和カルボン酸アミド;アクリルアミン、メタ
クリル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエーテル、
メタクリル酸アミノプロピル、アミノスチレンなどのア
ミノ基含有不飽和化合物;3−ヒドロキシ−1−プロペ
ン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキ
シ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテ
ン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、ヒドロキシスチレンなどの水酸基含有
不飽和化合物;ビニルオキサゾリンなどのオキサゾリン
基含有不飽和化合物などが挙げられる。
【0009】芳香族ビニル化合物と共重合可能な上記単
量体の中で特に好ましいものは、シアン化ビニル化合
物、(メタ)アクリル酸エステル、不飽和酸無水物、不
飽和酸、α,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物、
エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物
から選ばれた1種または2種以上の単量体である。好ま
しい芳香族ビニル化合物と共重合可能な他の単量体の具
体的なものとしては、アクリロニトリル、メタクリル
酸、メチルメタクリレート、無水マレイン酸、N−フェ
ニルマレイミド、グリシジルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートなどである。特に好ましい
ものは、水酸基含有不飽和化合物である。
【0010】(A)成分の単量体構成として好ましいも
のは、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチ
レン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/N−
フェニルマレイミド共重合体、スチレン/N−フェニ
ルマレイミド/無水マレイン酸共重合体、スチレン/
アクリロニトリル/ヒドロキシル基含有不飽和化合物共
重合体、スチレン/アクリロニトリル/不飽和酸共重
合体、スチレン/アクリロニトリル/エポキシ基含有
不飽和化合物共重合体、スチレン/アクリロニトリル
/オキシザゾリン基含有不飽和化合物共重合体である。
芳香族ビニル化合物と共重合可能な上記ビニル単量体の
量は、全単量体中、60重量%以下が好ましく、さらに
好ましくは50重量%以下である。上記α,β−不飽和
カルボン酸のイミド化合物において、前記芳香族ビニル
化合物と前記不飽和酸無水物との共重合体を、後イミド
化(完全又は部分)したものも本発明の(A)成分に含
まれる。
【0011】(A)成分としては、上記した重合体の1
種単独または2種以上併用して使用されるが、本発明の
目的を達成する上で特に好ましい組み合わせは下記のも
のである。ゴム質重合体存在下にスチレンとアクリロニ
トリル、メタクリル酸メチルから選ばれた少なくとも1
種と必要に応じてカルボキシル基、酸無水物基、エポキ
シ基、ヒドロキシル基、オキサゾリン基から選ばれた少
なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物から選ばれ
た少なくとも1種を重合したグラフト体の1種、または
2種以上と、スチレンとアクリロニトリル、メタクリル
酸メチルから選ばれた少なくとも1種とカルボキシル
基、酸無水物基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキサ
ゾリン基、マレイミド基から選ばれた少なくとも1種の
官能基を有する不飽和化合物から選ばれた少なくとも1
種を重合した官能基変性スチレン系樹脂の1種または2
種以上および芳香族ビニル化合物とアクリロニトリル、
メタクリル酸メチル、マレイミド化合物から選ばれた少
なくとも1種を重合したスチレン系樹脂からなり、官能
基変性スチレン系樹脂の官能基含有不飽和化合物の共重
合量が0.5〜30重量%で、(A)成分中の官能基含
有不飽和化合物の量が0.001〜20重量%であるも
のが特に好ましい。
【0012】(A)成分がゴム成分を含む場合、好まし
いグラフト率は10〜200重量%である。又(A)成
分のメチルエチルケトン可溶分の固有粘度(メチルエチ
ルケトンを溶媒として30℃で測定)は好ましくは0.
2〜0.8dl/g、さらに好ましくは0.3〜0.7
dl/gである。本発明の(A)成分は公知の重合法で
ある乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合等で得る
ことができる。特に好ましいのは、乳化重合、溶液重合
で得られたものである。本発明の上記(A)成分の使用
量は、(A)+(B)100重量部に対して20〜95
重量%、好ましくは30〜90重量%、さらに好ましく
は40〜80重量%である。その使用量が20重量%未
満では成形品表面外観、ウェルド外観及びウェルド強度
が劣り、その使用量が95重量%を超えると木粉を配合
して得られる効果が期待できない。
【0013】本発明の(B)成分で使用される木粉とし
ては樹木の種類を特に限定するものではなく、エゾマ
ツ、トドマツ、カラマツなどのマツ類、ツガ、サクラ、
スギ、ナラ、ヒノキ、シナノキ、ブナ、ラワン、もみな
どが挙げられる。これらの原木を裁断し、製材する際に
発生するノコくずやおがくずおよび木材の細片などを破
砕したものが使用される。また例えば竹草などの粉末お
よび紙、パルプ、もみがらなどの粉末も含まれる。これ
らの粉末は通常50メッシュ以上の粉末にしたものが使
用される。本発明の熱可塑性樹脂組成物中の(B)成分
の使用量は、(A)+(B)成分100重量部に対して
80〜5重量%、好ましくは70〜10重量%、さらに
好ましくは60〜20重量%である。その使用量が5重
量%未満では木粉を配合して得られる効果が期待でき
ず、80重量%を超えると成形品表面外観、ウェルド外
観性及びウェルド強度が劣る。
【0014】本発明の(C)成分は、ポリオルガノシロ
キサンとアクリル系ポリマーからなる複合ゴムに、1種
または2種以上のビニル単量体がグラフト重合されてな
るオルガノシロキサン系グラフト重合体であり、ポリオ
ルガノシロキサンゴム成分1〜99重量%、好ましくは
10〜90重量%とポリアルキル(メタ)アクリレート
ゴム成分99〜1重量%、好ましくは90〜10重量%
から構成される両ゴム成分が相互に絡み合い、実質上分
離できない構造を有する複合ゴムに、1種または2種以
上のビニル単量体をグラフト重合して得られる。ポリオ
ルガノシロキサンゴム成分が1重量%未満では、耐衝撃
性が低下し、99重量%を超えると成形品の表面外観が
低下し好ましくない。また該オルガノシロキサン系グラ
フト共重合体平均粒子径は0.08〜0.6μmの範囲
にあることが耐衝撃性ならびに成形品の表面外観上好ま
しくない。上記複合ゴムを構成するポリオルガノシロキ
サンゴム成分は、オルガノシロキサンおよび架橋剤を使
用し、好ましくは乳化重合により調製することができ、
またグラフト交叉剤を併用することもできる。
【0015】オルガノシロキサンは、例えば一般式 R′nSiO(4-n)/2 (式中、R′は置換または非置換の1価の炭化水素基で
あり、nは0〜3の整数を示す)で表される構造単位を
有するものであり、直鎖状、分岐状または環状構造を有
するが、好ましくは環状構造を有するオルガノシロキサ
ンである。このオルガノシロキサンの有する置換または
非置換の1価の炭化水素としては、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基およびそれ
らをハロゲン原子またはシアノ基で置換した置換炭化水
素基などを挙げることができる。オルガノシロキサンの
具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、
オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシク
ロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキ
サン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサンな
どの環状化合物のほかに、直鎖状あるいは分岐状のオル
ガノシロキサンを挙げることができる。これらは単独で
または2種以上を併用して用いられる。ポリオルガノシ
ロキサンゴム成分中のこれらの使用量は、好ましくは5
0重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上であ
る。
【0016】ポリオルガノシロキサンゴム成分に用いら
れる架橋剤は、トリまたはテトラアルコキシシラン類が
用いられ、例えばトリエトキシフェニルシラン、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プ
ロポキシシラン、テトラブトキシシラン等であり、テト
ラアルコキシシランが好ましく、特に好ましくはテトラ
エトキシシランである。架橋剤の使用量は、ポリオルガ
ノシロキサンゴム成分中、0.1〜30重量%である。
また、グラフト交叉剤とは、ポリオルガノシロキサン重
合時にゴム構造中に組み込まれるための官能基、例えば
珪素のついたアルコキシ基とゴム重合時に反応せず、そ
の後のポリオルガノシロキサンゴム存在下でのポリアル
キル(メタ)アクリレートゴム重合時に反応して、ポリ
アルキル(メタ)アクリレートゴムとポリオルガノシロ
キサンゴムとの間にグラフト結合を形成させる官能基
(例えばC−C不飽和結合、メルカプト基等)の両者を
有する単量体をいう。例えば、(メタ)アクリロイルオ
キシシロキサンであるβ−メタクリロイルオキシエチル
ジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メ
タクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が
耐衝撃性の面から好ましく用いられる。グラフト交叉剤
の使用量はポリオルガノシロキサンゴム成分中0〜10
重量%である。該ポリオルガノシロキサンゴム成分は公
知の方法により重合して得られる。
【0017】上記複合ゴムを構成するポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム成分は、アルキル(メタ)アクリ
レート、架橋剤及びグラフト交叉剤を用いて調製する。
アルキルアクリレートとしては、例えばメチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート等が挙
げられ、特にn−ブチルアクリレートが好ましい。 ポ
リアルキル(メタ)アクリレートゴム成分に用いられる
架橋剤としては、例えばエチレングリコールジメタクリ
レート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,
3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブ
チレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。ま
た該ゴム成分に用いられるグラフト交叉剤とは、ポリア
ルキル(メタ)アクリレートゴム重合時にゴム構造中に
組み込まれるための官能基と、ゴム重合時には反応せず
にグラフト鎖を形成させるための官能基の両者を有し、
例えばアリルメタクリレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート等があげられる。これ
らの架橋剤及びグラフト交叉剤は、それぞれ単独でもし
くは2種以上を併用して用いられる。これらの使用量
は、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分中各々
0.1〜10重量%である。
【0018】上記複合ゴムは、ラテックス状のポリオル
ガノシロキサンゴム粒子中にアルキル(メタ)アクリレ
ートゴムの合成用の原料を膨潤させて重合することがで
きる。これにより、両ゴム成分が相互に絡み合い、実質
上分離できない構造を有する複合ゴムとなる。この複合
ゴムに公知の方法によりビニル系単量体をグラフト重合
する。複合ゴムにグラフト重合させるビニル系単量体と
しては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニ
ル化合物、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エ
ステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの
シアン化ビニル化合物等が挙げられ、これらは単独でま
たは2種以上を組み合わせて使用できる。これらビニル
系単量体の中では(メタ)アクリル酸エステルが好まし
く、特にメチルメタクリレートが好ましい。
【0019】ビニル系単量体の(C)成分中の使用量
は、好ましくは5〜70重量%、特に好ましくは5〜3
0重量%である。残部(重量%)は上記複合ゴム成分と
なり、また必要に応じて上記成分の和100重量部に対
し、30重量部以下の範囲で他の化合物を使用すること
ができる。ビニル系単量体が5重量%未満では樹脂組成
物中での(C)成分の分散が十分でなく、また70重量
%を超えると耐衝撃性が低下し好ましくない。本発明の
熱可塑性樹脂組成物中の(C)成分の使用量は、(A)
+(B)成分が100重量部に対して1〜60重量部、
好ましくは2〜50重量部、さらに好ましくは2〜30
重量部である。その使用量が本発明の範囲外では、ウェ
ルド外観性、ウェルド強度及び成形品表面外観が劣る。
【0020】なお、本発明の組成物には、ガラス繊維、
炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、ワラストナイト、
ガラスのミルドファイバー、ロックフィラー、ガラスフ
レーク、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カオリン、
硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグネシ
ウム、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカ
ー、ガラスバルーン、セラミックバルーン等の充填材を
1種単独であるいは併用することができる。これらの充
填材のうちガラス繊維、炭素繊維の形状としては、6〜
60μmの繊維径と30μm以上の繊維長を有するもの
が好ましい。これらの充填材は、本発明の組成物100
重量部に対して、通常、1〜200重量部の範囲で用い
られる。
【0021】また、本発明の組成物には、公知のカップ
リング剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、難燃助剤、酸化
防止剤、耐候(光)剤、可塑剤、シリコーンオイル、ミ
ネラルオイル、及び他の各種親展油、着色剤(顔料、染
料等)、滑剤、金属粉等の添加物を配合することができ
る。
【0022】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各種押出
機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどを用
い、各成分を混練りすることによって得られる。好まし
い製造方法は、押出機を用いる方法である。また、各成
分を混練りするに際しては、各成分を一括混練りしても
よく、多段添加方式で混練りしてもよい。このようにし
て得られる本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、
シート押し出し、真空成形、異形成形、発泡成形、イン
ジェクションプレス、ガスアシスト成形、プレス成形、
ブロー成形などによって各種成形品に成形することがで
きる。上記成形法によって得られる各種成形品は、その
優れた性質を利用してOA・家電分野、車両・船舶分
野、家具・建材などの住宅関連分野、サニタリー分野、
玩具・スポーツ用品分野、その他雑貨などの幅広い分野
に使用することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例中、部及び%は特に断らない限り重
量基準である。また実施例中の各種評価は、次のように
して測定した値である。ウェルド強度、ウェルド外観、成形品表面外観 成形品の中央にウェルドラインができる金型を用いて、
成形した試験片を用いて、曲げ強度(Fm)を測定し、
次にウェルドラインの入らない金型で成形した試験片を
用いて、曲げ強度(F0)を測定した。ウェルド強度
は、曲げ強度(Fm、F0)から、下記の式に従って、ウ
ェルド強度の保持率を求めた。 保持率(%)=(Fm/F0)×100 ウェルド外観は、ウェルドラインの目立ちを観察し、
○△×で目視判定をした。 ○;ほとんど目立ちなし △;ややラインが目立つ ×;はっきりとラインが目立つ 成形品表面外観は、試験片の表面外観を目視判定した。 ○;きれいな鏡面 ×;フローマークなどの外観不良が見られる
【0024】ゴム質重合体(a)−1〜(a)−5の調
本発明の(A)スチレン系樹脂に用いられる(a)成分
としてゴム質重合体を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】樹脂A−1〜A−10の調製 前記ゴム質重合体(a)−1〜(a)−5存在下又は非
存在下に単量体成分を重合した樹脂をそれぞれ得た。こ
れらの樹脂の組成を表2に示した。
【0027】
【表2】
【0028】木粉(B)の調製 マツ/ツガ=50/50混合した粉砕品で100メッシ
ュパスしたものを用いた。オルガノシロキサン系グラフト共重合体(C)−1〜
(C)−3の調製 常法の乳化重合により、下記構成成分のオルガノシロキ
サン系グラフト共重合体を得た。なお、該グラフト共重
合体の複合ゴム成分は相互に絡み合い、実質上分離でき
ない構造であった。 (C)−1:ポリオルガノシロキサンゴム成分; ヘキサメチルシクロトリシロキサン 40重量% 架橋剤:テトラエトキシシラン 1重量% グラフト交叉剤:β-メタクリロイルオキシエチルシ゛メトキシメチルシラン 1重量% ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分; n-フ゛チルアクリレート 31重量% 架橋剤:エチレンク゛リコールメタクリレート 1重量% グラフト交叉剤:アリルメタクリレート 1重量% ビニル単量体;メチルメタクリレート 25重量% (C)−2:(C)−1において、ポリオルガノシロキ
サンゴム成分であるヘキサメチルシクロトリシロキサン
を15重量%に、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴ
ム成分であるn−ブチルアクリレートを56重量%にし
たもの。 (C)−3:三菱レイヨン(株)製 メタブレンS200
その他の成分 D−1:滑剤としてヘキスト社製ワックスE(モンタン
酸エステル)を用いた D−2:滑剤としてヘキスト社製ワックスOP(モンタ
ン酸エステルとモンタン酸カルシウムの混合物)を用い
【0029】実施例1〜15、比較例1〜3 各記、官能基含有重合体、スチレン系樹脂を水分量0.
1%以下まで木粉を水分量0.1%以下までそれぞれ乾
燥し、表3の配合処方で混合し、バンバリーミキサー、
ニーダーを使用して溶融混練りし、その後押出機でペレ
ット化した。得られたペレットを射出成形によりウェル
ド強度、評価用試験片を成形し、前記評価方法で評価し
た。結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】比較例1は、本発明の(C)成分の使用量
が発明の範囲外で少ない例であり、ウェルド強度、ウェ
ルド外観及び成形品表面外観が劣る。比較例2は、本発
明の(C)成分の使用量が発明の範囲外で多い例であ
り、ウェルド強度、ウェルド外観及び成形品表面外観が
劣る。比較例3は、本発明の(B)成分の使用量が発明
の範囲外で多い例であり、ウェルド強度、ウェルド外観
及び成形品表面外観が劣る。
【0032】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形品
表面外観、ウェルド外観性およびウェルド強度に優れて
おり、広範囲の用途、例えばOA・家電分野、車両・船
舶分野、家具・建材などの住宅関連分野、サニタリー分
野、玩具・スポーツ用品分野、その他雑貨などの幅広い
分野に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 久男 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ゴム質重合体(a)存在下又は非存在下に(b)芳香族ビニル化合物、ま たは芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量 体を重合してなる重合体から選ばれた少なくとも1種からなるスチレン系樹脂 20〜95重量% (B)木粉 80〜5重量% 上記(A)+(B)100重量部に対して (C)ポリオルガノシロキサンとアクリル系ポリマーからなる複合ゴムに1種ま たは2種以上のビニル単量体がグラフト重合されてなるオルガノシロキサン系グ ラフト共重合体 1〜60重量部 からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
JP25475395A 1995-09-06 1995-09-06 熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH0971701A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3632938B1 (en) * 2018-10-05 2023-05-03 Trinseo Europe GmbH Vinylidene substituted aromatic monomer and cyclic (meth)acrylate ester polymers

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