JPH0971135A - サンルーフのサンシェード装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性，コスト性に優れ、スライド移動時の
サンシェードを確実に拘束保持する。 【解決手段】 ガイドレール９に、サンシェード７の両
端部が乗り上がる弾性変形可能な抵抗体２７を設け、抵
抗体２７の上面に、抵抗体２７と一体に連続成形される
と共に、前記サンシェード７と弾接し合う複数の突起部
２９を設け、抵抗体２７を単一部品にする。また、複数
の突起部と弾接し合う接触圧によりサンシェードを保持
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、サンルーフのサ
ンシェード装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にサンルーフにあっては、開閉可能
なリッドの内側に、日除けとなるサンシェードを設ける
タイプが知られている。

【０００３】サンシェードは、ルーフ開口に設けられた
ガイドレールによって前後にスライド自在に両端支持さ
れ、手動により前方へスライドさせることで、ルーフ開
口の下方に臨む使用状態となる。また、手動により使用
状態から後方へスライド移動させることで、ルーフ開口
から後退した非使用状態が得られるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】サンシェードは、手動
によって前後にスライド移動させる所から、例えば、実
公昭５７−５６８９６号公報にみられるように、トリム
上に、植毛等の滑動部を設けておき、その滑動部によっ
て、サンシェードに所定の摺動抵抗を与えると共に操作
性の向上を図った手段が公知となっている。

【０００５】しかしながら、前記手段にあっては、トリ
ムに直接、滑動部を植毛するため、２部品となり加工
性，コスト性の面で望ましくないこと、また、サンシェ
ードの両端部が乗り上がる滑動部は、植毛のため、サン
シェードを拘束する十分な摩擦抵抗が得られず、例え
ば、サンシェードを後方へスライド移動させた非使用状
態時に、急停車すると、急停車の時の慣性力によってサ
ンシェードが前方へスライド移動してしまう不具合があ
った。

【０００６】そこで、この発明は、加工性，コスト性の
面で優れると共に、急停車等の慣性力が働いてもサンシ
ェードの動きを確実に拘束するサンルーフのサンシェー
ド装置を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は、車体のルーフ開口の両サイドに設けら
れたガイドレールに支持され、前後にスライド可能なサ
ンシェードを有するサンルーフにおいて、前記ガイドレ
ールに、サンシェードの両端部が乗り上がる弾性変形可
能な抵抗体を設け、抵抗体の上面に、抵抗体と一体に連
続成形すると共に、前記サンシェードと弾接し合う複数
の突起部を設ける。

【０００８】そして好ましい実施形態として、抵抗体
を、全閉時及び全開時にサンシェードの両端部が乗り上
がるように、前記ガイドレールの前後に設ける。あるい
は、前後の抵抗体の内、少なくとも一方の抵抗体に設け
られた突起部を、サンシェードの乗り上げ時の進行方向
に沿って傾斜する傾斜姿勢とする。

【０００９】かかるサンルーフのサンシェード装置によ
れば、抵抗体は単一部品となるため、安く、しかも容易
に加工できる。一方、サンシェードが、ルーフ開口から
後退すると、サンシェードの両端部は抵抗体の上面に乗
り上がるようになる。この時、抵抗体に乗り上がる時の
反作用で上面に設けられた突起部は、サンシェードと弾
接し合い、接触圧による所定の摺動抵抗が確保される。
この場合、突起部を、サンシェードの乗り上げ方向に傾
斜する傾斜姿勢とすることで、サンシェードの荷重によ
り倒れると共に、乗り上げ方向と反対の戻り方向には、
傾斜姿勢に対して逆らう作用となるため、サンシェード
は所定のスライド位置で確実に拘束される。したがっ
て、例えば、急停車してもサンルーフが前方へスライド
移動することがなくなる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図１乃至図４の図面を参照
しながらこの発明の一実施形態を詳細に説明する。

【００１１】図４において、１はルーフパネル３に設け
られたルーフ開口を示している。ルーフ開口１には、透
明又は半透明の材質で作られたリッド５と、リッド５の
内側で、日除けとなるサンシェード７がそれぞれ設けら
れ、リッド５及びサンシェード７は、ガイドレール９に
沿って前後にスライド移動が可能となっている。

【００１２】ガイドレール９は、平面から見て逆Ｕ字状
に形成され、ルーフ開口１の前方領域から両側方の領域
にわたって配置されている。

【００１３】ガイドレール９は、図２に示すように、ほ
ぼ水平なベース部１１から立上がり壁１３が垂直に立上
がり、さらに側方へフランジ部１５が延長された断面ク
ランク状の形状となっていて、ベース部１１には、ケー
ブル案内溝１７を有する左右のレール部１９が設けられ
ている。レール部１９と立上り壁１３との間は、雨水等
をドレン孔２１内へ誘導する樋部２３となっている。

【００１４】また、内側のレール部１９の壁面からは、
長手方向に連続する保持部２５が突出しており、さら
に、保持部２５の下方で、かつ前記ベース部１１には、
別部材で形成された抵抗体２７が設けられている。

【００１５】抵抗体２７は、比較的摩擦抵抗の大きいゴ
ム又は合成樹脂等の材質で形成された弾性変形可能な板
状に形成されている。抵抗体２７の上面には、抵抗体２
７と一体に連続成形された突起部２９が長手方向に沿っ
て波形状に設けられ、押出し成形又は型により容易に成
形可能な単一部品の形状となっている。

【００１６】抵抗体２７には、スリット状の取付孔３１
が設けられ、取付孔３１は、ガイドレール９に形成され
た係合舌片３３に強制的に嵌挿させることで、ガイドレ
ール９に固定支持されている。

【００１７】なお、突起部２９の形状としては、図５に
示す如く抵抗体２７に設けられた突起部２９を、上面が
平らなギヤ形状としたもの、あるいは、図６に示す如く
抵抗体２７に設けられた突起体２９を半球形状としたも
のであってもよい。

【００１８】なお、抵抗体２７は、係合舌片３３への挿
入によって固定支持されるが、ベース部１１に対して接
着剤による接着タイプとしてもよい。

【００１９】リッド５は、ガイドレール９のレール部１
９，１９に対して前後にスライド可能な前方の移動シュ
ー３５と後方の移動シュー３７に取付ブラケット３９を
介して支持され、前方の移動シュー３５は支持用となっ
ている。また、後方の移動シュー３７は、リッド５の後
端側を上下動させる、いわゆるチルトアップ、チルトダ
ウンを図る昇降機能を備えており、レール部１９のケー
ブル案内溝１７内を走るギヤードケーブル４１によって
前後にスライド自在に制御される駆動用となっている。

【００２０】なお、ギヤードケーブル４１は、手元スイ
ッチによって正転・逆転可能な駆動モータＭによって作
動制御される。

【００２１】一方、サンシェード７はアルミ製の芯材と
表皮とから成り、サンシェード７の両側には、左右２箇
ずつ設けられた取付部材４３を介して両端支持されてい
る。

【００２２】取付部材４３は、ばね板で形成され、サン
シェード７に固着された本体部４５からハの字状に２本
の脚４７が延長されると共に、その脚４７の先端部に摺
動子４９が設けられている。摺動子４９は、前記ガイド
レール９の保持部２５にスライド自在に嵌合している。

【００２３】これにより、サンシェード７は、前記ばね
板製の取付部材４３により所定量上下方向の動きが可能
となっている。

【００２４】このように構成されたサンシェード装置に
よれば、抵抗体２７は単一部品となるため、安く、しか
も容易に加工ができると共に、スリット状の取付孔３１
をガイドレール９の係合舌片３３に強制的に嵌挿させる
ことで、迅速に固定支持が行なえるようになる。

【００２５】一方、サンシェード７を手によって前方へ
スライド移動させれば、ルーフ開口１に臨む使用状態が
得られる。また、サンシェード７を手によって後方へス
ライド移動させることで、開口途中の使用状態から一杯
に後退させた非使用状態まで得られるようになる。

【００２６】この場合、サンシェード７をルーフ開口１
から後退させた動作時において、サンシェード７の両端
部は、抵抗体２７の上面に乗り上がる時の反作用で、サ
ンシェード７は突起部２９と弾接し合うようになる。し
たがって、突起部２９は図３に示す如くサンシェード７
に対して帯状の面接触となり、所定の摺動抵抗が確保さ
れるため、例えば、急停車した際でもサンシェード７が
前方へスライド移動することがなくなる。

【００２７】また、抵抗体２７とサンシェード７との関
係は、突起部２９によって大きな摺接抵抗にはならず円
滑なスライド操作が可能となる。

【００２８】図７から図１１は抵抗体２７の別の実施形
態を示したものである。抵抗体２７は、比較的摩擦抵抗
の大きいゴム又は合成樹脂等の材質で形成された弾性変
形可能な板状に形成され、抵抗体２７は、図７に示す如
く前方，図面左側の左右に２箇所，後方，図面右側の左
右に２箇所、計４箇所に配置固定されている。図９，図
１０は前方の抵抗体２７を示し、全閉時にサンシェード
７が乗り上がるようになる。図８，図９は後方の抵抗体
２７を示し、全開時にサンシェード７が乗り上がるよう
になる。

【００２９】後方の抵抗体２７の上面には、図８に示す
如く抵抗体２７と一体に連続成形された突起部５１が長
手方向に沿ってひだ状に設けられ、押出し成形又は型に
より容易に成形可能な形状となっている。突起部５１
は、所定の弾性復帰力を有し、全開時のサンシェード７
の乗り上げ時の進行方向（矢印）に対し所定角度θ傾斜
する傾斜姿勢となっていて、図９に示す如く乗り上がっ
たサンシェード７の荷重により弾性力に抗して傾斜方向
に対して倒れるようになっている。

【００３０】前方の抵抗体２７の上面には、図１０に示
す如く抵抗体２７と一体に連続成形された突起部５３が
長手方向に沿ってひだ状に設けられ、押出し成形又は型
により容易に成形可能な形状となっている。突起部５３
は、所定の弾性復帰力を有し、全閉時のサンシェード７
の乗り上げ時の進行方向（矢印）に対して所定角度θ傾
斜する傾斜姿勢となっていて、図１１に示す如く乗り上
がったサンシェード７の荷重により弾性力に抗して傾斜
方向に対して倒れるようになっている。この場合、突起
部５１，５３を傾斜姿勢とするのは、例えば、後方の抵
抗体２７のみとしてもよい。

【００３１】なお、図７において、他の構成要素は、図
１と同一のため同一符号を符して詳細な説明は省略す
る。

【００３２】したがって、この実施形態によれば、サン
シェード７の全閉時には、図１１に示す如く前方の抵抗
体２７の突起部５３に乗り上がるようになる。この時、
突起部５３は傾斜方向へ無理なく倒れるようになるた
め、大きな摺動抵抗につながることはなく円滑な全閉操
作が可能となる。また、全閉時において、開放（矢印と
逆方向）には、突起部５３の傾斜姿勢に対して逆らう方
向となるため、大きな摩擦抵抗が働き、確実な全閉状態
が確保されるようになる。

【００３３】一方、サンシェード７の全開時には、図９
に示す如く後方の抵抗体２７の突起部５１に乗り上がる
ようになる。この時、突起部５１は、傾斜方向へ無理な
く倒れるようになるため、大きな摺動抵抗につながるこ
とはなく、全開操作が円滑に完了するようになる。ま
た、全開時において、全閉（矢印とは逆方向）には、突
起部５１の傾斜姿勢に対して逆らう方向となるため、大
きな摩擦抵抗が働き確実な全開状態が確保されるように
なる。

【００３４】

【発明の効果】以上、説明したように、この発明のサン
シェード装置によれば、抵抗体を単一部品としたので、
加工性，コスト性の面で大変好ましいものとなる。ま
た、サンシェードは突起部との弾接により、所定の摺動
抵抗が確保され、急停車した際でも、サンシェードが前
方へスライド移動することがなくなると共に、手動によ
る円滑なスライド操作が行なえるようになる。

【００３５】また、乗り上げ方向に傾斜した突起部によ
って、サンシェードが戻る時には、突起部の傾斜と逆ら
う方向となるため、大きな摩擦抵抗の働きによって確実
な固定状態が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガイドレールに対するサンシェードと抵抗体と
の分解斜視図。

【図２】ガイドレールの係合舌片から抵抗体を取外した
分解斜視図。

【図３】係合舌片に取付けた抵抗体の拡大切断面図。

【図４】リッドを若干開いた自動車の概要平面図。

【図５】抵抗体の第１の変形例を示した斜視図。

【図６】抵抗体の第２の変形例を示した斜視図。

【図７】抵抗体の別の実施形態を示した図１と同様の分
解斜視図。

【図８】後方の抵抗体の説明図。

【図９】後方の抵抗体にサンシェードが乗り上げた動作
説明図。

【図１０】前方の抵抗体の説明図。

【図１１】前方の抵抗体にサンシェードが乗り上げた動
作説明図。

【符号の説明】

１ ルーフ開口 ７ サンシェード ９ ガイドレール ２７ 抵抗体 ２９ 突起部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体のルーフ開口の両サイドに設けられ
   たガイドレールに支持され、前後にスライド可能なサン
   シェードを有するサンルーフにおいて、前記ガイドレー
   ルに、サンシェードの両端部が乗り上がる弾性変形可能
   な抵抗体を設け、抵抗体の上面に、抵抗体と一体に連続
   成形されると共に、前記サンシェードと弾接し合う複数
   の突起部を設けたことを特徴とするサンルーフのサンシ
   ェード装置。
2. 【請求項２】 抵抗体を、全閉時及び全開時にサンシェ
   ードの両端部が乗り上がるように、前記ガイドレールの
   前後に設けたことを特徴とする請求項１記載のサンルー
   フのサンシェード装置。
3. 【請求項３】 前後の抵抗体の内、少なくとも一方の抵
   抗体に設けられた突起部を、サンシェードの乗り上げ時
   の進行方向に沿って傾斜する傾斜姿勢としたことを特徴
   とする請求項２記載のサンルーフのサンシェード装置。