JPH0970568A - 長尺状光学補償シートの製造方法 - Google Patents

長尺状光学補償シートの製造方法

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JPH0970568A
JPH0970568A JP25024895A JP25024895A JPH0970568A JP H0970568 A JPH0970568 A JP H0970568A JP 25024895 A JP25024895 A JP 25024895A JP 25024895 A JP25024895 A JP 25024895A JP H0970568 A JPH0970568 A JP H0970568A
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JP
Japan
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liquid
coating
liquid crystal
coating liquid
wire bar
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Application number
JP25024895A
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English (en)
Inventor
Yasushi Suga
康司 菅
Kenji Nakajima
賢二 中嶌
Kiyoshi Kobayashi
清 小林
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視野角が拡大し、且つ画像ムラのない大きい
面積の光学補償シートを容易に製造することができる光
学補償シートの製造方法を提供する。 【解決手段】 軸を中心に回転するワイヤーバーと塗布
液循環装置とを備え、循環装置から供給される塗布液の
一次側液溜り部と循環装置へ排出される塗布液の二次側
液溜り部とを区画する隔壁を有する塗布液保持容器から
なるワイヤーバー塗布装置を用意し、この塗布液保持容
器内に液晶性ディスコティック化合物含有塗布液を供給
しながら、ワイヤーバーを回転させ、この回転下のワイ
ヤーバーの表面に、配向膜を備えた長尺状透明樹脂フィ
ルムの配向膜表面を連続的に接触させることにより、デ
ィスコティック含有塗布液を配向膜表面に塗布し、形成
された塗布液層を、次いで加熱することによりディスコ
ティックネマティック相の液晶層とすることからなる長
尺状光学補償シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学補償シートの
製造方法に関し、特に表示コントラスト及び表示色の視
角特性を改善するために有用な光学補償シートの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管型画像表示装置であるCRT
(Cathode-ray tube)に対して、薄型、軽量、低消費電力
という大きな利点をもつ液晶表示装置は、特に携帯用の
ワードプロセッサーやパーソナルコンピュータの表示装
置として一般的に使用されている。現在普及している液
晶表示素子(以下LCDと称す)の多くは、ねじれネマ
チック液晶を用いている。このような液晶表示素子は、
一般に、液晶セルとその両側に設けられた偏光板からな
る。このような液晶を用いた表示方式は、複屈折モード
と旋光モードとの二つの方式に大別できる。
【0003】複屈折モードを利用する超ねじれ(スーパ
ーツィスティッド)ネマチック液晶表示装置(以下ST
N−LCDと称す)は、90度を超えるねじれ角及び急
峻な電気光学特性を有するスーパーツィスティッドネマ
チック液晶を用いている。このため、このようなSTN
−LCDは、時分割駆動による大容量の表示が可能であ
る。しかしながら、STN−LCDで実用的なコントラ
ストが得られるのは、イエローモード(黄緑/濃紺)及
びブルーモード(青/淡黄)であり、白黒モードを得る
には位相差板(一軸延伸ポリマーフィルムや補償用液晶
セル)を設ける必要があった。TN−LCDの表示モー
ドである旋光モードでは、高速応答性(数十ミリ秒)及
び高いコントラストが得られる。従って、旋光モード
は、複屈折モードや他のモードに比べて多くの点で有利
である。しかしながら、TN−LCDは、STN−LC
Dのように位相差板を備えていないので、表示色や表示
コントラストが液晶表示装置を見る時の角度によって変
化し易い(視野角特性)との問題がある。
【0004】上記TN−LCDにおける視野角特性を改
善するため(即ち、視野角の拡大のため)、一対の偏光
板と液晶セルとの間に位相差板(光学補償シート)を設
けるとの提案が、特開平4−229828号公報及び特
開平4−258923号公報に記載されている。上記公
報で提案されている位相差板は、液晶セルに対して垂直
方向の位相差はほぼ0であるため真正面からは何ら光学
的作用を与えないが、傾けた時に位相差が発現し、これ
で液晶セルで発生する位相差を補償するものである。
【0005】特開平6−75115号公報、特開平4−
169539号公報及び特開平4−276076号公報
には、負の複屈折を有し、かつ光軸が傾いてい光学補償
シートが開示されている。即ち、上記シートは、ポリカ
ーボネートやポリエステル等のポリマーを延伸すること
により製造され、そしてシートの法線から傾いた主屈折
率の方向を持つ。延伸処理により上記シートを製造する
には、極めて複雑な延伸処理が必要とされるため、大面
積の光学補償シートを開示されている方法で製造するこ
とは極めて困難である。
【0006】一方、液晶性ポリマーを用いたものも知ら
れている。例えば、特開平3−9326号公報及び特開
平3−291601号公報には、液晶性を有するポリマ
ーを支持フィルム上の配向膜表面に塗布することにより
得られる光学補償シートが開示されている。しかしなが
ら、液晶性を有するポリマーは、配向させるために高温
で長時間の熟成が必要なため、生産性が極めて低く大量
生産に向いていない。また特開平5−215921号公
報には、支持体と液晶性及び正の複屈折を有する重合性
棒状化合物からなる光学補償シート(複屈折板)が開示
されている。この光学補償シートは、重合性棒状化合物
の溶液を支持体に塗布、加熱硬化することにより得られ
る。しかしながら、この液晶性を有するポリマーは、光
学的に正の一軸性であるため、全方向視野角をほとんど
拡大することができない。
【0007】そこで、簡単な製法により全方向視野角が
拡大した光学補償シートとして、透明フィルム上に配向
膜を形成し、配向膜上に液晶性ディスコティック化合物
の層が形成された光学補償シートも知られている(EP
0646829A1公開明細書)。
【0008】しかしながら、大きい面積の光学補償シー
トを作成するためには、大面積のフィルム上に液晶性デ
ィスコティック化合物の層を均一な膜厚で形成する必要
がある。ところが、上記EP0646829A1に記載
された光学補償シートの製造方法では、透明フィルム上
に透明樹脂層を形成する工程、この透明樹脂層をラビン
グして配向膜にする工程、配向膜上に液晶性ディスコテ
ィック化合物の層を形成する工程が、それぞれ独立して
行なうことが記載されているに過ぎない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、大面積の
フィルム上に液晶性ディスコティック化合物の層を均一
な膜厚で形成する方法について検討を重ねたところ、ワ
イヤーバー塗布装置を用いて液晶性ディスコティック化
合物を含む塗布液を塗布することが塗布量を一定に制御
し易く有利であることを見いだした。しかしながら、長
尺状のフィルム(配向膜)を搬送させながら、その上に
液晶性ディスコティック化合物を含む塗布液を連続的に
塗布した場合、塗布層に塗布ムラに起因するスジが発生
し、得られた光学補償シートを液晶表示装置に組み込ん
だ場合に表示画面にムラが発生する場合がある。ワイヤ
ーバー塗布装置は、軸を中心に回転するワイヤーバーと
塗布液循環装置とを備え、循環装置から供給される塗布
液の一次側液溜り部と循環装置へ排出される塗布液の二
次側液溜り部とを区画する隔壁を有する塗布液保持容器
からなるものであるが、ワイヤーバーに塗布液を供給す
る側の一次側液溜り部の塗布液の粘度は、塗布を継続す
るに従い増粘し、増粘し過ぎると、塗布層に等間隔のス
ジが発生することが明らかとなった。また塗布液中に存
在する異物が、塗布を継続すると共に大きくなり、その
大きさが10μm近くになると塗布層のスジの発生につ
ながることも分かった。これらを防止するため鋭意研究
を重ねた結果、ワイヤーバーに塗布液を供給する側の一
次側液溜りの塗布液を、できるだけ速く循環させて、常
に適当な粘度を維持するように調整することが、増粘の
防止のみならず、異物の成長防止にもつながることも明
らかとなった。
【0010】従って、本発明の目的は、液晶表示装置に
使用した場合、視野角が拡大し、且つ画像ムラのない大
きい面積の光学補償シートを工業的に効率良く製造する
ことができる長尺状光学補償シートの製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、軸を中心に
回転するワイヤーバーと塗布液循環装置とを備え、循環
装置から供給される塗布液の一次側液溜り部と循環装置
へ排出される塗布液の二次側液溜り部とを区画する隔壁
を有する塗布液保持容器からなるワイヤーバー塗布装置
を用意し、この塗布液保持容器内に液晶性ディスコティ
ック化合物含有塗布液を供給しながら、ワイヤーバーを
回転させ、この回転下のワイヤーバーの表面に、配向膜
を有する長尺状透明樹脂フィルムの配向膜表面を連続的
に接触させることにより、ディスコティック含有塗布液
を配向膜表面に塗布し、形成された塗布液層を、次いで
加熱することによりディスコティックネマティック相の
液晶層とすることからなる、透明樹脂フィルムの表面に
配向膜とディスコティックネマティック相の液晶層とが
形成された長尺状光学補償シートの製造方法により達成
することができる。
【0012】上記光学補償シートの製造方法の好ましい
態様は、下記のとおりである。 1)ワイヤーバー塗布装置の一次側液溜り部における液
晶性ディスコティック化合物含有塗布液の滞留時間を1
0秒以下(好ましくは0.2〜10秒)に維持する。上
記一次側液溜りの塗布液の滞留時間(T)は下記式で定
義される。 T=V1 /Q 上記式に於て、V1 は一次側液溜り部の体積(cm3)を表
わし、そしてQは、循環流量(cm3/秒) を表わす。 2)液晶性ディスコティック化合物含有塗布液が、液晶
性ディスコティック化合物を15〜50重量%含有し且
つ25℃の粘度が1〜20mPa・sである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の光学補償シートの製造方法は、配向膜が
形成された長尺状透明樹脂フィルムを搬送させながら、
その配向膜表面にに液晶性ディスコティック化合物を含
む塗布液を、ワイヤーバー塗布装置を用いて塗布する
(好ましくはワイヤーバーに塗布液を供給する一次側液
溜り部の塗布液の滞留時間を10秒以下に維持する)こ
とに特徴を有する。
【0014】上記製造方法は、例えば下記の工程より行
なわれる。 1)透明樹脂フィルムの送出工程; 2)透明樹脂フィルムの表面に配向膜形成用樹脂を含む
塗布液を塗布、乾燥する配向膜形成用樹脂層の形成工
程; 3)表面に配向膜形成用樹脂層が形成された透明樹脂フ
ィルム上に、樹脂層の表面にラビング処理を施し透明樹
脂フィルム上に配向膜を形成するラビング工程; 4)液晶性ディスコティック化合物を含む塗布液を、配
向膜上に塗布する液晶性ディスコティック化合物の塗布
工程; 5)該塗布層を乾燥して該塗布層中の溶媒を蒸発させる
乾燥工程; 6)該塗布層をディスコティックネマティック相形成温
度に加熱して、ディスコティックネマティック相の液晶
層を形成する液晶層形成工程; 7)該液晶層を固化する(即ち、液晶層形成後急冷して
固化させるか、あるいは、架橋性官能基を有する液晶性
ディスコティック化合物を使用した場合、液晶層を光照
射(または加熱)により架橋させる)工程; 8)該配向膜および液晶層が形成された透明樹脂フィル
ムを巻き取る巻取り工程。
【0015】図面を参照しながら詳しく説明する。図1
及び図2に光学補償シートの製造方法の概略図を示す。
フィルムの長尺ロール(フィルムロール)5aから送出
機1aにより送り出された長尺状の透明樹脂フィルム4
aは、駆動ローラにより搬送され、表面除塵機2により
除塵された後、塗布機3により配向膜形成用樹脂を含む
塗布液が塗布され、加熱乾燥ゾーン5で乾燥され、樹脂
層がフィルム表面上に形成される(上記1)〜2)の工
程)。得られたフィルムはここで一旦巻き取っても良
い。
【0016】配向膜形成用樹脂層を有する透明樹脂フィ
ルム4bは、ラビングローラ8、スプリングでローラス
テージに固定されたガイドローラ6及びラビングローラ
に備え付けられた除塵機7からなるラビング装置によ
り、ラビング処理が施され、形成された配向膜の表面
は、ラビング装置に隣接して設けられた表面除塵機9に
より除塵される(上記3)の工程)。ラビング装置は、
上記以外の公知の装置を使用しても良い。配向膜が形成
された透明樹脂フィルム4cは、駆動ロールにより搬送
され、配向膜上に、液晶性ディスコティック化合物を含
む塗布液がワイヤーバー塗布装置10により塗布され
(上記4)の工程)、次いで、溶剤を蒸発させた後(上
記5)の工程)、加熱ゾーン11において、塗布層をデ
ィスコティックネマティック相形成温度に加熱して(こ
こで塗布層の残留溶剤も蒸発する)、ディスティックネ
マティック相の液晶層を形成する(上記6)の工程)。
【0017】上記液晶層は、次いで、紫外線(UV)ラ
ンプ12により紫外線が照射され、液晶層は架橋する
(上記7)の工程)。架橋させるためには、液晶性ディ
スコティック化合物として架橋性官能基を有する液晶性
ディスコティック化合物を使用する必要がある。架橋性
官能基を持たない液晶性ディスコティック化合物を用い
た場合は、この紫外線照射工程は省略され、直ちに冷却
される。この場合、ディスコティックネマティック相が
冷却中に破壊されないように、冷却は急速に行なう必要
がある。配向膜及び液晶層が形成された透明樹脂フィル
ムは、検査装置13により透明樹脂フィルム表面の光学
特性が測定され、異常がないかどうか検査が行なわれ
る。次いで、液晶層表面に保護フィルム14がラミネー
ト機15によりラミネートされ、巻き取り装置に巻き取
られる。
【0018】一旦巻き取られた配向膜形成用樹脂層を有
する巻取フィルムを用いて、図2に示すように光学補償
シートを作成して巻き取るまでの前記の工程を連続的
に、一貫生産で行なっても良い。配向膜形成用樹脂層を
有するフィルムロール5bから、フィルム4bが送出機
1bにより送り出され、ラビング工程以下の工程が上記
図1と同様に行なわれる。
【0019】上記1)〜8)の工程は図1のように全て
連続で行なっても良いし、図2に示すように2段階で行
なっても良いし、更に樹脂層の形成工程、ラビング工程
及び液晶層形成工程を別に行なっても良い。勿論更に細
分化して行なっても良い。
【0020】本発明の光学補償シートの製造方法は、配
向膜が形成された長尺状透明樹脂フィルムを搬送させな
がら、配向膜表面に液晶性ディスコティック化合物を含
む塗布液を、ワイヤーバー塗布装置を用いて(好ましく
は一次側液溜り部の該塗布液の滞留時間を10秒以下に
保持して)塗布を行なうことに特徴を有する。本発明の
液晶性ディスコティック化合物を含む塗布液の塗布方法
について以下に説明する。配向膜上に液晶性ディスコテ
ィック化合物を含む塗布液を塗布する塗布工程(上記
4)の工程)を、図3〜図5を参照しながら詳しく説明
する。図3はワイヤーバー塗布装置の平面図、図4はワ
イヤーバー塗布装置の断面図である。ワイヤーバー31
は、両端がベアリング33で支持され、またそのベアリ
ングの間にある部分の下側には、隔壁32によりバーよ
り落下する塗布液が受けられるようになっている。バー
の端部はカップリング34でモータ35に連結されてい
る。液晶性ディスコティック化合物を含む塗布液は、供
給口39Aから送られ、一次側液溜り部36、更に隔壁
を通る連結管46を経て二次側液溜り部37に充填され
る。一次側液溜り部36と二次側液溜り部37の液面
は、液面規制板42により規制され、オーバーフローし
た液は、オーバーフロー液溜り部38を介して排出液口
39Bから排出される。連結管を設けず、塗布しながら
順次二次側液溜り部37に塗布液を送っても良いが、塗
布液の均一性を維持するためには設けた方が有利であ
る。排出された塗布液は、粘度調整室45で、溶剤を加
えることにより適当な粘度に調整され、ポンプ47で送
液されながら、フィルタ43でろ過され後、再び供給口
69Aに送られる。フィルタ73の前で密度計が配置さ
れており、この密度の値を基に粘度調整が行なわれるよ
うにされている。
【0021】粘度調整室45の内部を図5に示す。排出
液口39Bから排出された塗布液は、流入口57から大
量の塗布液が満たされた塗布液槽52内に送られる。こ
の塗布液槽52内の塗布液は、適当な粘度になるように
制御されており、排出された塗布液が流入する量と同量
の適当な粘度に調製された塗布液が流出口58より塗布
機の供給口69Aに送られる。即ち、粘度調整室45の
流出口58から送られた塗布液の密度が、図4の密度計
で測定され、その値が制御ユニット56に入力されるよ
うになっており、これにより空圧ユニット55が制御さ
れて、塗布液が常に適当な粘度になるように溶剤タンク
54中の溶剤(例、メチルエチルケトン)がドージング
バルブ53から供給される。また塗布液槽52内の塗布
液は、モータ59aにより駆動される攪拌翼59bの回
転により、常に攪拌され、均一な相を形成している。
【0022】塗布は、搬送される配向膜を有するフィル
ム44aの配向膜面に、上記適当な粘度に調製された塗
布液が付着したワイヤーバー31を接触あるいは塗布液
を介して接触することにより行なわれる。ワイヤーバー
31は、一般に直径5〜20mmのロッドに直径20〜
150μmのワイヤを密に巻付けたもので、例えばこれ
をフィルム44aの搬送方向と同方向に、且つ搬送速度
とほぼ同速度で回転させ、一次側液溜り36から引き揚
げられた塗布液をフィルム34aに接触させることによ
り塗布が行なわれる。ワイヤーバーの回転速度は、フィ
ルム搬送速度の0.8〜1.2倍が好ましい。
【0023】本発明では、塗布によるスジの発生を抑え
るために、一次側液溜りでの塗布液の滞留時間を10秒
以下(好ましくは9秒以下)にすることが好ましい。下
限は一般に0.2秒である。上記塗布液の滞留時間
(T)は、下記式により定義される。 T=V1 /Q 上記式に於て、V1 は一次側液溜りの体積(cm3)を表わ
し、そしてQは、循環流量(cm3/秒) を表わす。
【0024】塗布液は、液晶性ディスコティック化合物
濃度が15〜50重量%の範囲が好ましく(特に、15
〜40重量%の範囲)、塗布液の粘度は、1〜20mP
a・sの範囲が好ましい(特に、1〜15mPa・sの
範囲)。塗布は一般に10〜40℃で行なわれる。ワイ
ヤーバー塗布装置としては、上記以外に例えば特公昭5
8−4589号公報に記載のものも使用することができ
る。
【0025】上記のように形成された液晶性ディスコテ
ィック化合物の塗布層は、前記図1に示すように、乾
燥、次いで加熱される。即ち、該塗布層中の溶媒を蒸発
させたのち、ディスコティックネマティック相形成温度
に加熱して、ディスコティックネマティック相の液晶層
を形成する。上記のようにして得られた液晶層は、架橋
性官能基を持たない液晶性ディスコティック化合物を使
用した場合は、空冷あるいは冷却されたドラムに液晶層
を有するフィルムを接触させることにより、急激に冷却
する。これにより、乾燥に形成された液晶相を維持した
まま固化することができる。上記のようにして得られた
液晶層が、架橋性官能基を有する液晶性ディスコティッ
ク化合物を使用している場合は、直ちに光照射(好まし
くは紫外線照射)により架橋させる。
【0026】以上説明した本発明の光学補償シートを製
造する方法により得られる光学補償シートは、液晶層に
スジの発生がなく、これを液晶表示装置に装着した場
合、ディスコティック液晶層に由来する視野角の拡大が
得られるだけでなく画像ムラもほとんどないものとな
る。
【0027】本発明の製造方法により得られる光学補償
シートは、透明樹脂フィルム、その上に設けられた配向
膜及び配向膜上に形成されたディスコティックネマティ
ック相の液晶層(光学異方層とも言う)からなる基本構
成を有する。上記透明樹脂フィルムの材料としては、透
明である限りどのような材料でも使用することができ
る。光透過率が80%以上を有する材料が好ましく、特
に正面から見た時に光学的等方性を有するものが好まし
い。従って、透明樹脂フィルムは、小さい固有複屈折を
有する材料から製造することが好ましい。このような材
料としては、セルローストリアセテート{市販品の例、
ゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日
本合成ゴム(株)製)及びフジタック(富士写真フイル
ム(株)製)}を使用することができる。さらに、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン及びポ
リエーテルスルホンなどの固有複屈折率の大きい素材で
あっても、溶液流延、溶融押し出し等の条件、さらには
縦、横方向に延伸状検討を適宜設定することにより、得
ることができる。
【0028】透明樹脂フィルムの面内の主屈折率をn
x、ny、厚み方向の主屈折率をnz、フイルムの厚さ
をdとしたとき、三軸の主屈折率の関係がnz<ny=
nx(負の一軸性)を満足し、式{(nx+ny)/2
−nz}×dで表されるレタデーションが、0nmから
300nm(好ましくは30〜150nm)であること
が好ましい。但し、nxとnyの値は厳密に等しい必要
はなく、ほぼ等しければ充分である。具体的には、|n
x−ny|/|nx−nz|≦0.2であれば実用上問
題はない。|nx−ny|×dで表される正面レターデ
ーションは、50nm以下であることが好ましく、20
nm以下であることがさらに好ましい。
【0029】配向膜は、一般に透明樹脂フィルム上に設
けられる。配向膜は、その上に設けられる液晶性ディス
コティック化合物の配向方向を規定するように機能す
る。そしてこの配向が、光学補償シートから傾いた光軸
を与える。配向膜は、光学異方層に配向性を付与できる
ものであれば、どのような層でも良い。配向膜の好まし
い例としては、有機化合物(好ましくはポリマー)のラ
ビング処理された層を挙げることができる。
【0030】配向膜用の有機化合物の例としては、ポリ
メチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重
合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニル
アルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、
スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化
ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩
素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸
ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共
重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、
ポリプロピレン及びポリカーボネート等のポリマー及び
シランカップリング剤等の化合物を挙げることができ
る。好ましいポリマーの例としては、ポリイミド、ポリ
スチレン、スチレン誘導体のポリマー、ゼラチン、ポリ
ビニルアルコール及びアルキル基(炭素原子数6以上が
好ましい)を有する変性ポリビニルアルコールを挙げる
ことができる。これらのポリマーの層を配向処理するこ
とにより得られる配向膜は、液晶性ディスコティック化
合物を斜めに配向させることができる。
【0031】上記ポリマーの中で、ポリビニルアルコー
ル又は変性ポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニ
ルアルコールとしては、例えば鹸化度70〜100%の
ものであり、一般に鹸化度80〜100%のものであ
り、より好ましくは鹸化度85乃至95%のものであ
る。重合度としては、100〜3000のも範囲が好ま
しい。変性ポリビニルアルコールとしては、共重合変性
したもの(変性基として、例えば、COONa、Si
(OX)3 、N(CH33 ・Cl、C919COO、
SO3 、Na、C1225等が導入される)、連鎖移動に
より変性したもの(変性基として、例えば、COON
a、SH、C1225等が導入されている)、ブロック重
合による変性をしたもの(変性基として、例えば、CO
OH、CONH2 、COOR、C65 等が導入され
る)等のポリビニルアルコールの変性物を挙げることが
できる。重合度としては、100〜3000のも範囲が
好ましい。これらの中で、鹸化度80〜100%の未変
性乃至変性ポリビニルアルコールであり、より好ましく
は鹸化度85乃至95%の未変性ないしアルキルチオ変
性ポリビニルアルコールである。
【0032】変性ポリビニルアルコールとして、特に、
下記一般式(1):
【0033】
【化1】 (但し、R1 は無置換のアルキル基又はアクリロイル
基、メタクリロイル基あるいはエポキシ基で置換された
アルキル基を表わし、Wはハロゲン原子、アルキル基又
はアルコキシ基を表わし、Xは活性エステル、酸無水物
及び酸ハロゲン化物を形成するために必要な原子群を表
わし、lは0または1を表わし、そしてnは0〜4の整
数を表わす。)で表わされる化合物とポリビニルアルコ
ールとの反応物が好ましい。上記反応物(特定の変性ポ
リビニルアルコール)は、さらに下記一般式(2):
【0034】
【化2】 (但し、X1 は活性エステル、酸無水物及び酸ハロゲン
化物を形成するために必要な原子群を表わし、そしてm
は2〜24の整数を表わす。)で表わされる化合物とポ
リビニルアルコールとの反応物が好ましい。
【0035】本発明の一般式(1)および一般式(2)
により表される化合物と反応させるために用いられるポ
リビニルアルコールとしては、上記変性されていないポ
リビニルアルコール及び上記共重合変性したもの、即ち
連鎖移動により変性したもの、ブロック重合による変性
をしたもの等のポリビニルアルコールの変性物、を挙げ
ることができる。上記特定の変性ポリビニルアルコール
の好ましい例としては、下記の化合物を挙げることがで
きる。これらは、特願平7−20583号明細書に詳し
く記載されている。また下記の特定の変性ポリビニルア
ルコールも特に好ましい。
【0036】
【化3】
【0037】上記一般式のx、y及びz(単位モル%)
の例を下記に示す。 ポリマーA:x=87.2、y=0.8、z=12.0 ポリマーB:x=88.0、y=0.003、z=1
2.0 ポリマーC:x=87.86、y=0.14、z=1
2.0 ポリマーD:x=87.94、y=0.06、z=1
2.0 ポリマーE:x=86.9、y=1.1、z=12.0 ポリマーF:x=98.5、y=0.5、z=1.0 ポリマーG:x=97.8、y=0.2、z=2.0 ポリマーH:x=96.5、y=2.5、z=1.0 ポリマーI:x=94.9、y=4.1、z=1.0
【0038】
【化4】
【0039】上記一般式のn、x、y及びz(単位モル
%)の例を下記に示す。 ポリマーJ:n=3、x=87.8、y=0.2、z=
12.0 ポリマーK:n=5、x=87.85、y=0.15、
z=12.0 ポリマーL:n=6、x=87.7、y=0.3、z=
12.0 ポリマーM:n=8、x=87.7、y=0.3、z=
12.0
【0040】下記のポリマーを構成する各単位の数値
は、モル%で示した。
【0041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】また、LCDの配向膜として広く用いられ
ているポリイミド膜(好ましくはフッ素原子含有ポリイ
ミド)も有機配向膜として好ましい。これはポリアミッ
ク酸(例えば、日立化成(株)製のLQ/LXシリー
ズ、日産化学(株)製のSEシリーズ等)を支持体面に
塗布し、100〜300℃で0.5〜1時間焼成した
後、ラビングすることにより得られる。
【0044】また前記ラビング処理に使用するラビング
用布としては、ゴム、ナイロン、ポリエステル等から得
られるシート、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等から
得られるシート(ベルベットなど)、紙、ガーゼ、フェ
ルトなどを挙げることができる。配向膜表面と布の相対
速度は、50〜1000m/分が一般的で、特に100
〜500m/分が好ましい。長尺状フィルムに形成され
た配向膜を連続的にラビング処理するために、パスロー
ルの外周面に前記布を巻き付けた、所謂ラビングロール
を、搬送する長尺状フィルムがパスロール(バックアッ
プロール)で支持された位置で押しつける(バックアッ
プラビング)あるいは搬送する長尺状フィルムが支持さ
れているパスロール(バックアップロール)間で押しつ
ける(ラップラビング)。図1で示したようにラップラ
ビングが好ましい。
【0045】上記ディスコティックネマティック相の液
晶層は、配向膜上に形成される。本発明の液晶層は、液
晶性ディスコティック化合物を配向後冷却固化させる、
あるいは重合性の液晶性ディスコティック化合物の重合
(硬化)により得られる負の複屈折を有する層である。
上記のディスコティック化合物の例としては、C.De
stradeらの研究報告、Mol.Cryst.、7
1巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼ
ン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mo
l.Cryst.、122巻、141頁(1985
年)、Physics lett.、A,78巻、82
頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、
B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.
96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキ
サン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.C
hem.、Commun.、1794頁(1985
年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Che
m.Soc.、116巻、2655頁(1994年)に
記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系
マクロサイクルなどを挙げることができる。上記ディス
コティック(円盤状)化合物は、一般的にこれらを分子
中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置
換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置
換された構造であり、液晶性を示し、一般的にディスコ
ティック液晶とよばれるものが含まれる。ただし、分子
自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるもの
であれば上記記載に限定されるものではない。また、本
発明において、円盤状化合物から形成したとは、最終的
にできた物が前記化合物である必要はなく、例えば、前
記低分子ディスコティツク液晶が熱、光等で反応する基
を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合また
は架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれ
る。
【0046】上記ディスコティック化合物の好ましい例
を下記に示す。
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】
【化12】
【0053】
【化13】
【0054】
【化14】
【0055】
【化15】
【0056】
【化16】
【0057】
【化17】
【0058】上記ディスコティックネマティック相の液
晶層は、一般にディスコティック化合物及び他の化合物
を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に前記のように塗布
し、乾燥し、次いでディスコネマチック相形成温度まで
加熱し、その後配向状態(ディスコティックネマチック
相)を維持して冷却することにより得られる。あるい
は、上記液晶層は、ディスコティック化合物及び他の化
合物(更に、例えば重合性モノマー、光重合開始剤)を
溶剤に溶解した溶液を配向膜上に前記のように塗布し、
乾燥し、次いでディスコティックネマチック相形成温度
まで加熱したのち重合させ(UV光の照射等により)、
さらに冷却することにより得られる。本発明に用いるデ
ィスコティック液晶性化合物のディスコネマティック液
晶相−固相転移温度としては、70〜300℃が好まし
く、特に70〜170℃が好ましい。
【0059】例えば、支持体(透明樹脂フィルム)側デ
ィスコティック化合物の配向時のチルト角は、一般にデ
ィスコティック化合物あるいは配向膜の材料を選択する
ことにより、またはラビング処理方法の選択することに
より、調整することができる。また、表面側(空気側)
のディスコティック単位の傾斜角は、一般にディスコテ
ィック化合物あるいはディスコティック化合物とともに
使用する他の化合物(例、可塑剤、界面活性剤、重合性
モノマー及びポリマー)を選択することにより調整する
ことができる。
【0060】上記可塑剤、界面活性剤及び重合性モノマ
ーとしては、ディスコティック化合物と相溶性を有し、
液晶性ディスコティック化合物にチルト角を与えられる
か、あるいは配向を阻害しない限り、どのような化合物
も使用することができる。これらの中で、重合性モノマ
ー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及
びメタクリロイル基を有する化合物)が好ましい。上記
化合物は、ディスコティック化合物に対して一般に1〜
50重量%(好ましくは5〜30重量%)の量にて使用
される。
【0061】上記ポリマーとしては、ディスコティック
化合物と相溶性を有し、液晶性ディスコティック化合物
にチルト角を与えられる限り、どのようなポリマーでも
使用することができる。ポリマー例としては、セルロー
スエステルを挙げることができる。セルロースエステル
の好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロ
ースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセ
ルロース及びセルロースアセテートブチレートを挙げる
ことができる。上記ポリマーは、液晶性ディスコティッ
ク化合物の配向を阻害しないように、ディスコティック
化合物に対して一般に0.1〜10重量%(好ましくは
0.1〜8重量%、特に0.1〜5重量%)の量にて使
用される。
【0062】ディスコティックネマティック相の液晶層
を形成するための塗布液は、ディスコティック化合物及
び前述の他の化合物を溶剤に溶解することにより作製す
ることができる。上記溶剤の例としては、N,N−ジメ
チルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルフォキシド
(DMSO)及びピリジン等の極性溶剤;ベンゼン及び
ヘキサン等の無極性溶剤;クロロホルム及びジクロロメ
タン等のアルキルハライド類;酢酸メチル及び酢酸ブチ
ル等のエステル類;アセトン及びメチルエチルケトン等
のケトン類;及びテトラヒドロフラン及び1,2−ジメ
トキシエタン等のエーテル類を挙げることができる。ア
ルキルハライド類及びケトン類が好ましい。溶剤は単独
でも、組合わせて使用しても良い。
【0063】本発明により得られるディスコティックネ
マティック相の液晶層(光学異方層)は、一般に光学補
償シートの法線方向から傾いた方向に、0以外のレター
デーションの絶対値の最小値を有する(光軸を持たな
い)。上記液晶層を含む光学補償シートの代表的な構成
例を図6に示す。図6において、透明支持体111、配
向膜112そしてディスコティック相の液晶層(光学異
方層)113が、順に積層され、光学補償シートを構成
している。Rは配向膜のラビング方向を示す。n12
及びn3 は、光学補償シートの三軸方向の屈折率を表わ
し、正面から見た場合にn1 ≦n3 ≦n2 の関係を満足
する。βは、Re(レターデーション)の最小値を示す
方向の光学異方層の法線114からの傾きである。TN
−LCD及びTFT−LCDの視野角特性を改善するた
めに、Reの絶対値の最小値を示す方向が、光学異方層
の法線44から5〜50度(傾きの平均値)傾いている
ことが好ましく、更に10〜40度が好ましい(上記
β)。更に、上記シートは、下記の条件: 50≦[(n3 +n2 )/2−n1 ]×D≦400(nm) (但し、Dはシートの厚さ)を満足することが好まし
く、更に下記の条件: 100≦[(n3 +n2 )/2−n1 ]×D≦400(nm)
【0064】本発明により得られる光学補償シートが組
み込まれた液晶表示装置の代表的構成例を図7に示す。
図7において、透明電極を備えた一対の基板とその基板
間に封入されたねじれ配向したネマチック液晶とからな
る液晶セルTNC、液晶セルの両側に設けられた一対の
偏光板A、B、液晶セルと偏光板との間に配置された光
学補償シートRF1 、RF2 及びバックライトBLが、
組み合わされて液晶表示装置を構成している。光学補償
シートは一方のみ配置しても良い(即ち、RF1 または
RF2 )。R1 は光学補償シートRF1 の、正面から見
た場合のラビング方向を示し、R2 は光学補償シートR
2 のラビング方向を示す。液晶セルTNCの実線の矢
印は、液晶セルの偏光板B側の基板のラビング方向を表
わし、液晶セルTNCの点線の矢印は、液晶セルの偏光
板A側の基板のラビング方向を表わす。PA及びPB
は、それぞれ偏光板A、Bの偏光軸を表わす。
【0065】
【実施例】
[実施例1]ゼラチン薄膜(0.1μm)を塗設した1
00μm厚さを有するトリアセチルセルロースの長尺状
フィルム(幅:36cm、長さ:300m;富士写真フ
イルム(株)製)上に、下記の組成からなる配向膜形成
用塗布液をバーコーターで塗布し、60℃で4分間加熱
乾燥し、0.5μmの塗布膜を形成した。 <配向膜形成用塗布液> ポリビニルアルコール誘導体(前記ポリマーA) 10重量部 水 371重量部 メタノール 119重量部 グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5重量部
【0066】得られた塗布膜を、ラビングローラ(直径
150mm)を用いて、フィルム搬送速度15m/分、
ラビング回転数1200rpm及びフィルム基板搬送張
力4kgf/cmの条件でラビング処理を行ない、配向
膜を形成した。
【0067】前述した液晶性ディスコティック化合物T
E−8(8、m=4)(前記化合物例番号)182重量
部、エチレングリコール変性トリメチロールプロパント
リアクリレート(V#360;大阪有機化学工業(株)
製)18重量部、セルロースアセテートブチレート(C
AB551−0.2;イーストマンケミカル社製)4重
量部、光重合開始剤(イルガキュア−907;チバ・ガ
イギー社製)6重量部及び増感剤(カヤキュアーDET
X、日本化薬(株)製)2重量部を、343重量部のメ
チルエチルケトンに溶解して得られた液晶性ディスコテ
ィック化合物を含む塗布液を得た。
【0068】上記材料の化学構造を下記に示す。
【0069】
【化18】
【0070】前記で得られた配向膜を有する長尺状フィ
ルムを15m/分で搬送させながら、その配向膜表面
に、得られた液晶性ディスコティック化合物を含む塗布
液を図3〜図5に示すワイヤバー塗布機を用いて、下記
の条件で塗布した。 <ワイヤバー塗布条件> ワイヤーバーの直径:10mm 保持容器(一次側、二次側液溜り部等を含む)の材質:
ステンレス 一次側液溜り部体積:42.6cm3 循環流量:310cm3 /分 滞留時間=42.6/(310/60)=8.2 粘度:4.1mPa・s 塗布量:5.2cc/m2 塗布した長さ:300m 塗布幅:36cm
【0071】次いで、配向膜上に上記液晶性ディスコテ
ィック化合物を含む塗布液が塗布されたフィルムを、
0.1m/秒の風が搬送方向に流れる乾燥ゾーンを6秒
で通過させた後、130℃の加熱ゾーンを2分間通過さ
せた。
【0072】続いて、この配向膜及び液晶層が塗布され
たフィルムを、連続して15m/分で搬送させながら、
液晶層の表面に紫外線ランプ12(図1)により紫外線
を照射した。即ち、紫外線照射は、紫外線照射装置(紫
外線ランプ:出力120W/cm、発光長1.6m)に
より、照度600mWの紫外線を1秒間照射し、液晶層
を架橋させ、光学補償シートを得た。
【0073】[実施例2]実施例1において、上記液晶
性ディスコティック化合物を含む塗布液の塗布を、塗布
時の循環流量を下記のように変えて行なった以外は実施
例1と同様にして巻取光学補償シートを得た。 <ワイヤバー塗布条件> 循環流量:200cm3 /分 滞留時間=42.6/(200/60)=12.8
【0074】[実施例3]実施例1において、上記液晶
性ディスコティック化合物を含む塗布液の塗布を、塗布
時の循環流量を下記のように変えて行なった以外は実施
例1と同様にして巻取光学補償シートを得た。 <ワイヤバー塗布条件> 循環流量:243cm3 /分 滞留時間=42.6/(243/60)=10.5
【0075】(光学補償シートの評価) 1)上記液晶性ディスコティック化合物を含む塗布液の
塗布時に発生するスジの有無を目視で観察した。即ち、
長さ300mの上記長尺状フィルムを、連続的に搬送さ
せ、全長の塗布が完了したら(20分必要)、また次の
長尺状フィルムを搬送させるようにして100分間塗布
を行ない、その間にスジの発生があるかどうか目視で観
察した。 2)上記光学補償シート(スジの発生があった場合はそ
の部分を使用した)を、図7に示す液晶の異常光と常光
の屈折率の差と液晶セルのギャップサイズの積が510
nmでねじれ角が87゜のTN型液晶表示装置に装着し
た。図7の液晶表示装置のRF1及びRF2のように装
着し、得られた画像について、視認性(表示画像の乱れ
の有無等)を評価した。
【0076】上記結果を表1に示す。
【0077】
【表1】 表1 ─────────────────────────── 塗布層のスジの発生 視認性 ─────────────────────────── 実施例1 なし 表示ムラなし 実施例2 40分後発生 一部表示ムラあり 実施例3 80分後発生 一部表示ムラあり ───────────────────────────
【0078】
【発明の効果】本発明の光学補償シートを製造する方法
により得られる光学補償シートは、液晶層にスジの発生
がなく、これを液晶表示装置に装着した場合、ディスコ
ティック液晶層に由来する視野角の拡大が得られるだけ
でなく画像ムラもほとんどないものとなる。また実施例
から明らかなように、画像ムラのない液晶表示装置を与
える光学補償シートを、上記製造方法により容易に得る
ことができることから、本発明の製造方法により光学補
償シートの大量生産を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学補償シートの製造方法の全工程の
一例を示す概略図である。
【図2】本発明の光学補償シートの製造方法の全工程の
別の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の製造方法に使用することができるワイ
ヤーバー塗布の平面図の一例を示す。
【図4】本発明の製造方法に使用することができるワイ
ヤーバー塗布装置の断面図の一例を示す。
【図5】本発明の製造方法に使用することができるワイ
ヤーバー塗布装置の粘度調整室の拡大図を示す。
【図6】本発明により得られる光学補償シートの構成の
一例を示す斜視図である。
【図7】本発明により得られる光学補償シートが装着さ
れた液晶表示装置の構成の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1a、1b 送出機 2 表面除塵機 3 塗布機 4a 長尺状の透明フィルム 4b 樹脂層が形成された透明フィルム 4c 配向膜が形成された透明フィルム 5a、5b フィルムロール 5 加熱乾燥ゾーン 6 ガイドローラ 7 除塵機 8 ラビングローラ 9 表面除塵機 10 塗布機 11 加熱ゾーン 12 紫外線(UV)ランプ 13 検査装置 14 保護フィルム 15 ラミネート機 31 ワイヤーバー 33 ベアリング 32 隔壁 34 カップリング 35 モータ 39A 供給口 36 一次側液溜り部 46 連結管 37 二次側液溜り部 42 液面規制板 38 オーバーフロー液溜り部 39B 排出液口 43 フィルタ 45 粘度調整室 47 ポンプ 48 密度計 52 塗布液槽 53 ドージングバルブ 54 溶剤タンク 55 空圧ユニット 56 制御ユニット 57 流入口 58 流出口 TNC TN型液晶セル A、B 偏光板 PA、PB 偏光軸 RF1、RF2 光学補償シート BL バックライト R1、R2 光学補償シートのラビング方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸を中心に回転するワイヤーバーと塗布
    液循環装置とを備え、循環装置から供給される塗布液の
    一次側液溜り部と循環装置へ排出される塗布液の二次側
    液溜り部とを区画する隔壁を有する塗布液保持容器から
    なるワイヤーバー塗布装置を用意し、この塗布液保持容
    器内に液晶性ディスコティック化合物含有塗布液を供給
    しながら、ワイヤーバーを回転させ、この回転下のワイ
    ヤーバーの表面に、配向膜を有する長尺状透明樹脂フィ
    ルムの配向膜表面を連続的に接触させることにより、デ
    ィスコティック含有塗布液を配向膜表面に塗布し、形成
    された塗布液層を、次いで加熱することによりディスコ
    ティックネマティック相の液晶層とすることからなる、
    透明樹脂フィルムの表面に配向膜とディスコティックネ
    マティック相の液晶層とが形成された長尺状光学補償シ
    ートの製造方法。
  2. 【請求項2】 ワイヤーバー塗布装置の一次側液溜り部
    における液晶性ディスコティック化合物含有塗布液の滞
    留時間を10秒以下に維持する請求項1に記載の長尺状
    光学補償シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 液晶性ディスコティック化合物含有塗布
    液が、液晶性ディスコティック化合物を15〜50重量
    %含有し、且つ25℃の粘度が1〜20mPa・sであ
    る請求項1に記載の長尺状光学補償シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005279342A (ja) * 2004-03-26 2005-10-13 Fuji Photo Film Co Ltd 塗布液の塗布方法及び塗布システム、並びにその塗布システムで製造した光学機能性フィルム
JP2012137502A (ja) * 2000-03-08 2012-07-19 Fujifilm Corp 複屈折特性を有する部材の検査方法および複屈折特性を有する部材の製造方法

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