JP2005010774A - 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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伸隆 深川
Yoji Ito
洋士 伊藤
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Abstract

【課題】 コントラストおよび色味が正常な範囲で、液晶表示装置の視野角を拡大する。
【解決手段】 透明支持体上に、液晶性分子を含む光学異方性層を少なくとも二層有する光学補償シートにおいて、二層の光学異方性層が、液晶性分子の平均傾斜角、面内レターデーション値の波長分散値および面内レターデーション値からなる群より選ばれる少なくとも一つの光学的性質について実質的に異なるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、透明支持体上に、液晶性分子を含む光学異方性層を少なくとも二層有する光学補償シートに関する。さらに本発明は、光学補償シートを用いた偏光板および液晶表示装置にも関する。
光学補償シートは、液晶表示装置の視野角を拡大し、画像着色を解消するために用いられている。最近では、透明支持体上に液晶性分子を含む光学異方性層を有する光学補償シートが使用されている。特に円盤状液晶性分子を用いた光学補償シートは光学的性質の調整が容易であって、様々な表示モードの液晶表示装置に適した光学補償シートを製造することができる。
近年では、液晶表示装置の用途が拡大され、表示される画質についての要求が高くなっている。例えば、単なる視野角の拡大ではなく、コントラストおよび色味が正常な範囲での視野角の拡大が要求されている。従来の光学補償シートを用いて、これらの要求を満足することは難しくなっている。
光漏れを防止し、広い視野角で高いコントラストを実現するため、液晶性分子を含む光学異方性層を少なくとも二層有する光学補償シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。二層の光学異方性層は、液晶性分子の平均傾斜角が相違する。
特開2001−91742号公報
本発明の目的は、コントラストおよび色味が正常な範囲で、液晶表示装置の視野角を拡大することである。
本発明は、下記の光学補償シート、偏光板および画像表示装置を提供する。
(1)透明支持体上に、液晶性分子を含む光学異方性層を少なくとも二層有する光学補償シートであって、二層の光学異方性層が、液晶性分子の平均傾斜角、面内レターデーション値の波長分散値、面内レターデーション値からなる群より選ばれる少なくとも一つの光学的性質について実質的に異なることを特徴とする光学補償シート。
液晶性分子の平均傾斜角(β)は、円盤状液晶性分子の場合、分子の円盤面と透明支持体平面との平均角度を意味する。棒状液晶性分子の場合、分子の長軸方向と透明支持体平面との平均角度を意味する。
液晶性分子の平均傾斜角(β)が実質的に異なることは、二つの平均傾斜角(β1、β2)の差|β1−β2|が2゜よりも大きいことを意味する。
面内レターデーション値の波長分散値(α)は、下記式(I)で定義される。
(I)α=Re(400nm)/Re(550nm)
式中、Re(400nm)は、波長400nmの光で測定したRe(面内)レターデーション値であり;そして、Re(550)は、波長550nmの光で測定したRe(面内)レターデーション値である。なお、Re(面内)レターデーション値は、下記式(II)で定義する。
面内レターデーション値の波長分散値(α)が実質的に異なるとは、二つの波長分散値(α1、α2)の差|α1−α2|が0.05よりも大きいことを意味する。
Re(面内)レターデーション値は、下記式(II)で定義される。
(II)Re=(nx−ny)×d
式中、nxは、光学異方性層面内の遅相軸方向の屈折率であり;nyは、光学異方性層面内の進相軸方向の屈折率であり;そして、dは、光学異方性相の厚さである。なお、特に定義しない場合、測定に用いる光の波長は、632.8nmである。
面内レターデーション値(Re)が実質的に異なるとは、二つの面内レターデーション値(Re1、Re2)の差|Re1−Re2|が2nmよりも大きいことを意味する。
(2)二層の光学異方性層において、液晶性分子の平均傾斜角が、いずれも5゜乃至60゜である(1)に記載の光学補償シート。
(3)二層の光学異方性層において、液晶性分子の種類が異なる(1)に記載の光学補償シート。
(4)二層の光学異方性層が、いずれも二種類以上の液晶性分子を含む(1)に記載の光学補償シート。
(5)二層の光学異方性層がそれぞれ含む二種類以上の液晶性分子がいずれも同一の種類であり、かつ二層の光学異方性層において、二種類以上の液晶性分子の組成比が異なる(4)に記載の光学補償シート。
(6)二層の光学異方性層が、さらに非液晶性分子を含み、かつ二層の光学異方性層において、非液晶性分子の種類が異なる(1)に記載の光学補償シート。
(7)二層の光学異方性層が、さらに同じ種類の非液晶性分子を含み、かつ二層の光学異方性層において、非液晶性分子の添加量が異なる(1)に記載の光学補償シート。
(8)二層の光学異方性層において、液晶性分子がいずれも円盤状液晶性分子である(1)に記載の光学補償シート。
(9)偏光膜およびその両側に配置された二枚の保護フイルムからなる偏光板であって、少なくとも一方の保護フイルムが(1)に記載の光学補償シートであることを特徴とする偏光板。
(10)液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなる液晶表示装置であって、少なくとも一方の偏光板が(9)に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
(11)液晶セルが、TNモード、ベンド配向モードまたは垂直配向モードである(10)に記載の液晶表示装置。
本発明に従い、光学的性質が異なる二つの光学異方性層を設けることで、光学補償シートの光学的性質を適切に調節することができる。光学的性質が適切に調節された光学補償シートを用いることで、液晶表示装置の視野角を改善できる。
[光学異方性層]
光学補償シートは、光学異方性層を少なくとも二層有する。二層の光学異方性層は、いずれも液晶性分子を含む。
液晶性分子は、円盤状液晶性分子または棒状液晶性分子であることが好ましい。
光学異方性層は、配向膜を用いて液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定することにより形成することが好ましい。液晶性分子の配向状態を固定するため、液晶性分子は重合性基を有することが好ましい。
円盤液晶性分子は、分子の円盤面と透明支持体平面との角度が光学異方性層の深さ方向において連続的に変化している(ハイブリッド配向している)ことが好ましい。円盤状液晶性分子は、様々な文献(例えば、C.Destrade et.al., Mol.Cryst. vol. 71, page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et.al., Angew. Chem. Soc. Chem., Comm., page 1794(1985);J.Zhang et.al., J. Am. Chem. Soc., vol. 116, page 2655(1994))に記載されている。光学異方性層に好ましく用いられる円盤状液晶性分子については、特開平8−50286号公報にも記載がある。
棒状液晶性分子は、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましい。低分子の液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
棒状液晶性分子は、重合性基を有することが好ましく、棒状分子構造の両端に、二つの重合性基を有することがさらに好ましい。好ましい重合性棒状液晶性分子を、下記式(IV)で示す。
(IV)Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3)n−Cy3−L4−Q2
式中、Q1およびQ2は、それぞれ独立に、重合性基であり;L1およびL4は、それぞれ独立に、二価の連結基であり;L2およびL3は、それぞれ独立に、単結合または二価の連結基であり;Cy1、Cy2およびCy3は、それぞれ独立に、二価の環状基であり;そして、nは、0、1または2である。
Q1およびQ2の重合性基は、付加重合反応、開環重合反応または縮重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に、重合性基の例を示す。
Figure 2005010774
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重合性基は、付加重合反応が可能な官能基(例、Q−1〜Q−7)または開環重合反応が可能な官能基(例、Q−8、Q−9)がより好ましく、付加重合反応が可能な官能基がさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(例、Q−1〜Q−6)が最も好ましい。
L1、L2、L3およびL4における二価の連結基は、−O−、−S−、−CO−、−NR−(Rは、水素原子または炭素原子数が1乃至7のアルキル基)、二価の鎖状基およびそれらの組み合わせから選ばれることが好ましい。以下に、組み合わせからなる二価の連結基の例を示す。以下の例における左右は、逆になってもよい。
L−1:−CO−O−
L−2:−CO−NH−
L−3:−O−CO−O−
L−4:−二価の鎖状基−O−
L−5:−二価の鎖状基−CO−
L−6:−二価の鎖状基−O−CO−
L−7:−二価の鎖状基−CO−O−
L−8:−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−9:−O−二価の鎖状基−O−
L−10:−O−二価の鎖状基−CO−
L−11:−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−12:−O−二価の鎖状基−CO−O−
L−13:−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−14:−CO−二価の鎖状基−CO−
L−15:−CO−二価の鎖状基−O−CO−
L−16:−CO−二価の鎖状基−CO−O−
L−17:−CO−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基−CO−O−
L−20:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−21:−O−CO−二価の鎖状基−CO−O−
L−22:−O−CO−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−23:−O−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−24:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−
L−25:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−CO−
L−26:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−27:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−CO−O−
L−28:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−29:−O−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−
L−30:−O−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−CO−
L−31:−O−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−32:−O−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−CO−O−
L−33:−O−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−34:−CO−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−CO−
L−35:−CO−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−36:−CO−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−CO−O−
L−37:−CO−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−38:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−39:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−CO−O−
L−40:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−41:−O−CO−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−CO−O−
L−42:−O−CO−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−43:−O−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−44:−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−O−
L−45:−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−CO−
L−46:−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−O−CO−
L−47:−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−CO−O−
L−48:−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−49:−O−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−O−
L−50:−O−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−CO−
L−51:−O−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−O−CO−
L−52:−O−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−CO−O−
L−53:−O−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−54:−CO−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−CO−
L−55:−CO−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−O−CO−
L−56:−CO−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−CO−O−
L−57:−CO−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−58:−CO−O−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−O−CO−
L−59:−CO−O−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−CO−O−
L−60:−CO−O−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−61:−O−CO−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−CO−O−
L−62:−O−CO−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−63:−O−CO−O−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−O−CO−O−
二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基および置換アルキニレン基からなる群より選ばれる。アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基および置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基またはアルケニレン基がさらに好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることが最も好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換アルキレン基の置換基の例には、ハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることが最も好ましい。
置換アルケニレン基のアルケニレン部分は、上記アルケニレン基と同様である。置換アルケニレン基の置換基の例には、ハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることが最も好ましい。
置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換アルキニレン基の置換基の例には、ハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の例には、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、1−メチルテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、1−メチルトリメチレンおよび2−メチルトリメチレンが含まれる。
Cy1、Cy2およびCy3における二価の環状基が有する環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。
環状基が有する環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環の方が好ましい。
環状基が有する環は、芳香族環、脂肪族環または複素環である。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、1,3−ジオキサン環、1,3,2−ジオキサボラン環、2,4,7−トリオキサビシクロ〔2.2.2〕オクタン環、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する環状基は、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基は、1,5−ナフチレンおよび2,6−ナフチレンが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基は、1,4−シクロへキシレンが好ましい。1,3−ジオキサン環を有する環状基は、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルが好ましい。1,3,2−ジオキサボラン環を有する環状基は、1,3,2−ジオキサボラン−2,5−ジイルが好ましい。2,4,7−トリオキサビシクロ〔2.2.2〕オクタン環を有する環状基は、2,4,7−トリオキサビシクロ〔2.2.2〕オクタン−1,4−ジイルが好ましい。ピリジン環を有する環状基は、2,5−ピリジンジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基は、2,5−ピリミジンジイルが好ましい。
環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、炭素原子数が1乃至5のアルキル基、炭素原子数が1乃至5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1乃至5のアルコキシ基、炭素原子数が1乃至5のアルキルチオ基、炭素原子数が1乃至5のアシル基、炭素原子数が2乃至6のアシルオキシ基、炭素原子数が2乃至6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル、炭素原子数が2乃至6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2乃至6のアミド基が含まれる。
式(IV)におけるnが2の場合、二つのL3は異なってもよく、二つのCy2も異なってもよい。nは、1または2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。
以下に、式(IV)で表される重合性棒状液晶性分子の例を示す。
Figure 2005010774
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光学異方性層は、液晶性分子および必要に応じて重合開始剤や任意の添加剤(例、可塑剤、モノマー、界面活性剤、配向温度低下剤、カイラル剤)を含む塗布液を配向膜の上に塗布することで形成できる。
塗布液の塗布量Y(mL/m)と塗布液の固形分濃度X(%)との関係は、0.17X+2.0>Y>0.10X+2.0となるように調整することが好ましい。
すなわち、XとYとの関係は、下記の式(1)及び(2)のようにも表現できる。
(1)Y>0.10X+2.0
(2)Y<0.17X+2.0
ここで、Xは、塗布液中の固形分重量×100/(溶媒重量+塗布液中の固形分重量)(単位:重量%)であり、Yは、塗布液の単位面積当りの塗布量(単位:mL/m)である。
また、前記塗布液の25℃における粘度を1〜20mPa・secの範囲に調整することが好ましく、1〜10mPa・secの範囲に調整することが更に好ましい。
塗布液の塗布量と塗布液の固形分濃度との関係、及び塗布液の粘度が上記範囲に選択されることにより、膜厚が均一で、かつ、表面の膜厚ムラが生じにくい光学異方性を得ることが可能になる。
また、本発明において、前記塗布液において前記液晶性組成物は有機溶媒中に溶解しており、前記塗布液を前記配向膜の上に塗布してから前記有機溶媒の残存率が10重量%以下になるまでの時間が3〜20秒となるように調整することが好ましい。このように、光学異方性層の膜厚均一性は、塗布後の有機溶媒の蒸発時間にも影響を受ける。
透明支持体の配向膜の上に塗布してから、有機溶媒の残存率が10重量%以下になるまでの時間が3秒未満の場合は乾燥ムラが生じ易く、膜厚を均一にすることはできない。又、この時間が20秒を超える場合は、生産性が低下し、また、設備のサイズが大きくなり、経済性が悪く、好ましくない。有機溶媒の残存率をコントロールするのは、塗布部及び乾燥工程部の雰囲気温度及び体積、循環風量等を最適化することが有効である。
本発明の光学異方性層はE型ギーサー等の手段により2層以上を同時塗布してもよいし、あるいは1層ずつを逐次塗布してもよい。
1層ずつを逐次塗布する場合はワイヤバーコーター、グラビアコーター、ロールコーター等の手段により塗布することができる。このうちワイヤバーコーターが薄い光学異方性層を均一に塗布する上で特に好ましい。
ワイヤバーの回転周速Vbと前記透明支持体の搬送速度Vwとの比Vb/Vwを0.3〜1.7に設定することが好ましい。このように、塗布手段としてワイヤバーコーターを使用すると、塗布膜厚のコントロールが容易となり、また、Vb/Vwを適正範囲とすることにより、塗布膜厚のコントロールは一層容易となる。
すなわち、塗布液の塗布量(mL/m)は、塗布中のワイヤバーの回転周速Vb(m/分)と塗布中の透明支持体の搬送速度Vw(m/分)との比で調整することが可能である。Vb/Vwを調整することにより、上記式(1)及び(2)を満足する固形分濃度及びワイヤバーの選択範囲が広がり、生産性の向上及び品質安定性を確保することが可能となる。ただし、VbとVwとの比が大きくなると、ワイヤバー表面の不整部分によって点状欠陥が透明支持体の走行方向に拡大されるおそれがあるため、VbとVwとの比は、上記範囲が好ましい。
また、本発明において、前記ワイヤバーコーターの前記ワイヤバーに巻回されるワイヤの直径が40〜90μmであることが好ましい。このようにすることにより、塗布膜厚のコントロールは一層容易となる。
また、本発明において、前記光学異方性層の任意の箇所における膜厚が、該光学異方性層の平均膜厚に対して±3%以内の範囲にあることが好ましい。このような膜厚偏差の少ない光学異方性層とすれば、光学補償シートとしての性能が十分に発揮できる。
以下、添付図面に従って本発明に係る光学補償シート及びその製造方法の好ましい実施の形態について詳説する。図1は、本発明に係る光学補償シートの製造方法が適用される光学補償シートの製造ラインを説明する説明図である。図2は、この製造ラインのうち、塗布手段であるワイヤバー塗布装置10の一例を示す断面図である。
光学補償シートの製造ラインは、図1に示されるように、送り出し機66から予め配向膜形成用のポリマー層が形成された透明支持体であるウエブ16が送り出されるようになっている。ウエブ16はガイドローラ68によってガイドされてラビング処理装置70に送りこまれるようになっている。ラビングローラ72は、ポリマー層にラビング処理を施すべく設けられている。ラビングローラ72の下流には除塵機74が設けられており、ウエブ16の表面に付着した塵を取り除くことができるようになっている。
除塵機74の下流にはワイヤバー塗布装置10が設けられており、液晶性化合物を含む塗布液がウエブ16に塗布できるようになっている。この下流には、乾燥ゾーン76、加熱ゾーン78が順次設けられており、ウエブ16上に液晶層が形成できるようになっている。更に、この下流には紫外線ランプ80が設けられており、紫外線照射により、液晶を架橋させ、所望のポリマーを形成できるようになっている。そして、この下流に設けられた巻取り機82により、ポリマーが形成されたウエブ16が巻き取られるようになっている。
図2に示されるように、ワイヤバー塗布装置10は、一対のガイドローラ18、18でガイドされて走行するウエブ16に対して、塗工用ワイヤバー12を備えた塗布ヘッド14で塗布液を塗布する装置である。一対のガイドローラ18、18は、ウエブ16が塗工用ワイヤバー12に近接走行するように配置されている。
塗布ヘッド14は主として、塗工用ワイヤバー12、バックアップ部材20、コーターブロック22、24で構成され、塗工用ワイヤバー12は、バックアップ部材20に回動自在に支持されている。バックアップ部材20と各コーターブロック22、24との間には、マニホールド26、28及びスロット30、32が形成され、各マニホールド26、28に塗布液が供給される。各マニホールド26、28に供給された塗布液は、狭隘なスロット30、32を介してウエブ幅方向で均一に押し出される。これにより、塗工用ワイヤバー12に対してウエブ16の送り方向の上流側(以下、「1次側」という)に1次側塗布ビード34が形成され、下流側(以下「2次側」という)に2次側塗布ビード36が形成される。これらの塗布ビード34、36を介して、走行するウエブ16に塗布液が塗布される。
マニホールド26、28から過剰に供給された塗布液は各コーターブロック22、24とウエブ16との間からオーバーフローし、図示しない側溝を介して回収される。なお、マニホールド26、28への塗布液の供給はマニホールド26、28の中央部から行なっても、又は端部から行なってもよい。
塗工用ワイヤバー12は、図3に示されるように、丸棒状のロッド38にワイヤ40を螺旋状に密着巻回して形成されたワイヤ列42を備えており、このワイヤ列42に塗布液を保持させることにより、走行するウエブ16に塗布液を転移塗布する。
塗工用ワイヤバー12を構成するロッド38及びワイヤ40の材質としては、ステンレスをはじめとする各種金属が使用可能であり、塗布液を汚染させず、強度的に満足するものであればよい。また、ロッド38は、5〜15mmの径のものが好適に使用される。
一方、ワイヤ40は、真円度が2μm以下のものが使用される。具体的には、ワイヤ40の単位断面積(仮想真円)に対し、欠損や突起等の不整部分の面積の割合が小さいもの(たとえば0.5%以下のもの)を使用することが好ましい。上記のように構成された塗工用ワイヤバー12は、図2に示されるように、ウエブ16の搬送方向に対して順転又は逆転される。
ワイヤバーコーターのワイヤバー12に巻回されるワイヤ40の直径は40〜90μmであることが好ましい。
本実施の形態において、ワイヤバー塗布装置10は、クリーンルーム等の清浄な雰囲気に設置するとよい。その際、清浄度はクラス1000以下が好ましく、クラス100以下がより好ましく、クラス10以下が更に好ましい。
上述したワイヤバー塗布装置10は特に薄層塗布に有効であるので、たとえば、ウエット塗布量が10mL/m以下の超薄層塗布を行う光学補償シートの製造ラインに好適に適用することができる。
光学異方性層の厚さは、0.5乃至100μmであることが好ましく、0.5乃至30μmであることがさらに好ましい。
配向させた液晶性分子は、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5乃至5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J/cm2 の範囲にあることが好ましく、20乃至5000mJ/cm2 の範囲にあることがより好ましく、100乃至800mJ/cm2 の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。
[光学的性質の調節]
本発明では、少なくとも二層の光学異方性層を設けて、二層の光学的性質を相対的に調節する。具体的には、二層の光学異方性層が、液晶性分子の平均傾斜角、面内レターデーション値の波長分散値、面内レターデーション値からなる群より選ばれる少なくとも一つの光学的性質について実質的に異なるように調節する。
二層の光学異方性層が、液晶性分子の平均傾斜角について実質的に異なる場合、二層の液晶性分子の平均傾斜角(β1、β2)の差|β1−β2|は、下記式(Va)を満足することが好ましく、下記式(Vb)を満足することがさらに好ましく、下記式(Vc)を満足することが最も好ましい。
(Va) 2゜<|β1−β2|<70゜
(Vb) 2゜<|β1−β2|<50゜
(Vc) 4゜<|β1−β2|<20゜
液晶性分子の平均傾斜角は、界面活性剤(例えば、特開2001−330725号公報記載)、ポリマー(例えば、セルロースエステル、セルロースエーテル)あるいはカルボン酸の添加により調節することができる。セルロースエステルは、セルロースの低級脂肪酸エステル(例、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート)が好ましい。セルロースエーテルの例には、ヒドロキシプロピルセルロースが含まれる。
二層の光学異方性層が、面内レターデーション値の波長分散値について実質的に異なる場合、二層の面内レターデーション値の波長分散値(α1、α2)の差|α1−α2|は、下記式(VIa)を満足することが好ましく、下記式(VIb)を満足することがさらに好ましく、下記式(VIc)を満足することが最も好ましい。
(VIa)0.05<|α1−α2|<2.0
(VIb)0.10<|α1−α2|<1.5
(VIc)0.20<|α1−α2|<1.0
面内レターデーション値の波長分散値は、液晶性分子の混合比を調整することで調節できる。一般に共役構造の広い液晶性分子では、波長分散値の値が大きくなることが知られている。従って、共役構造が異なる二種類以上の液晶性分子を使用し、二層の光学異方性層において混合比を変化させればよい。
二層の光学異方性層が、面内レターデーション値について実質的に異なる場合、二層の面内レターデーション値の差|Re1−Re2|は、下記式(VIIa)を満足することが好ましく、下記式(VIIb)を満足することがさらに好ましく、下記式(VIIc)を満足することが最も好ましい。
(VIIa)2nm<|Re1−Re2|<200nm
(VIIb)2nm<|Re1−Re2|<100nm
(VIIc)2nm<|Re1−Re2|<50nm
面内レターデーション値は、液晶性分子と相溶性を有する化合物を添加することで低下させることができる。また、平均傾斜角を増加させることにより、面内レターデーション値を増加させることもできる。
光学補償シートの透明支持体としては、一般に光学等方性のポリマーフイルムが用いられる。ただし、液晶表示モードの種類によっては、透明支持体として光学異方性のポリマーフイルムが用いられる場合もある。
支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。
光学等方性とは、具体的には、面内レターデーション値(Re)が4nm未満であることが好ましく、2nm未満であることがさらに好ましい。また、厚み方向のレターデーション値(Rth)は、25nm未満であることが好ましく、15nm未満であることがさらに好ましい。
透明支持体の面内レターデーション値(Re)と厚み方向のレターデーション値(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。
(IX)Re=(nx−ny)×d
(X)Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d
式中、nxおよびnyは透明支持体の面内屈折率であり、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そして、dは透明支持体の厚さである。
光学等方性のポリマーフィルムはIPSモード用の光学補償フィルムの支持体として好ましく用いられる。
透明支持体として光学異方性のポリマーフイルムを用いる場合、光学異方性層の光学異方性に、透明支持体の光学異方性を加えて、液晶セルの光学異方性に対応(光学的に補償)することができる。光学異方性とは、具体的には、面内レターデーション値(Re)が4nm以上、及び/あるいは、厚み方向のレターデーション値(Rth)が、25nm以上であることをさす。
前記光学異方性を有する透明支持体の好ましいレターデーションは対応する液晶モードによって異なる。TNモード用の光学補償フィルムに用いられる透明支持体のReは15nm以下が好ましい。Rthは30nm以上200nm以下が好ましく、60nm以上150nm以下がさらに好ましい。OCBモード用の光学補償フィルムに用いられる透明支持体のReは15nm以上80nm以下が好ましく、25nm以上60nm以下がさらに好ましい。Rthは100nm以上400nm以下が好ましく、150nm以上300nm以下がさらに好ましい。
透明支持体を形成する材料は、光学等方性支持体とするか、光学異方性支持体とするかに応じて決定する。光学等方性支持体の場合は、一般にガラスまたはセルロースエステルが用いられる。光学異方性支持体の場合は、一般に合成ポリマー(例、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ノルボルネン樹脂)が用いられる。合成ポリマーフイルムを延伸することにより、光学異方性が得られる。
なお、一般に光学等方性とされるセルロースエステルフイルムであっても、欧州特許0911656A2号公報に記載されている(1)レターデーション上昇剤の使用、(2)セルロースアセテートの酢化度の低下、あるいは(3)冷却溶解法によるフイルムの製造により、レターデーションが高い(光学異方性の)セルロースエステルフイルムを製造することができる。
支持体に用いるポリマーフイルム(セルロースエステルフイルムや合成ポリマーフイルム)は、ソルベントキャスト法により製造することが好ましい。
透明支持体の厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、50乃至200μmであることがさらに好ましい。
透明支持体とその上に設けられる層(接着層、配向膜あるいは光学異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
[配向膜]
配向膜は、光学異方性層に含まれる液晶性分子の配向方向を決定する機能を有する。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア−ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。
ポリマーは、ポリビニルアルコールが好ましい。疎水性基が結合している変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。疎水性基は、光学異方性層の液晶性分子と親和性があるため、疎水性基をポリビニルアルコールに導入することで、液晶性分子を均一に配向させることができる。疎水性基は、ポリビニルアルコールの主鎖末端または側鎖に結合させる。
疎水性基は、炭素原子数が6以上の脂肪族基(好ましくは、アルキル基またはアルケニル基)または芳香族基が好ましい。
ポリビニルアルコールの主鎖末端に疎水性基を結合させる場合、疎水性基と主鎖末端との間に連結基を導入することが好ましい。連結基の例には、−S−、−C(CN)R1 −、−NR2 −、−CS−およびそれらの組み合わせが含まれる。上記R1 およびR2 は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基(好ましくは、炭素原子数が1乃至6のアルキル基)である。
ポリビニルアルコールの側鎖に疎水性基を導入する場合は、ポリビニルアルコールの酢酸ビニル単位のアセチル基(−CO−CH3 )の一部を、炭素原子数が7以上のアシル基(−CO−R3 )で置き換えればよい。R3 は、炭素原子数が6以上の脂肪族基または芳香族基である。市販の変性ポリビニルアルコール(例、MP103、MP203、R1130、クラレ(株)製)を用いてもよい。
配向膜に用いる(変性)ポリビニルアルコールのケン化度は、80%以上であることが好ましい。(変性)ポリビニルアルコールの重合度は、200以上であることが好ましい。
ラビング処理は、配向膜の表面を、紙や布で一定方向に数回こすることにより実施する。長さおよび太さが均一な繊維を均一に植毛した布を用いることが好ましい。
なお、光学異方性層の液晶性分子を配向膜で配向させた後、配向膜を除去しても、液晶性分子の配向状態を維持することができる。すなわち、配向膜は液晶性分子を配向させるため、光学補償シートの製造において必須であるが、製造された光学補償シートにおいては必須ではない。
配向膜を透明支持体と光学異方性との間に設ける場合は、さらに接着層(下塗り層)を透明支持体と配向膜との間に設けてもよい。
[偏光膜]
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコールフイルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
[透明保護フイルム]
偏光板は、一般に、偏光膜とその両側に配置された二枚の保護フイルムからなる。一方の保護フイルムとして、本発明に従う光学補償シートを用いることができる。他方の保護フイルムは、通常の透明保護フイルムであってもよい。
透明保護フイルムとしては、ポリマーフイルムが用いられる。保護フイルムが透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。透明保護フイルムとしては、一般に、セルロースエステルフイルム、好ましくは、セルローストリアセテートフイルムが用いられる。セルロースエステルフイルムは、ソルベントキャスト法により製造することが好ましい。
透明保護フイルムの厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、50乃至200μmであることがさらに好ましい。
[液晶表示装置]
本発明に従う光学補償シートは、様々な表示モード(例、TN、OCB、VA、HAN)の液晶セルに使用できる。液晶表示装置については、例えば、特開2001−166144号公報に記載がある。
[実施例1]
(セルロースアセテート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
────────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成
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酢化度60.9%のセルロースアセテート 100.0質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.0質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 4.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
────────────────────────────────────────
(マット剤分散液の調製)
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を分散し、マット剤分散液を調製した。
────────────────────────────────────────
マット剤分散液組成
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平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 11.4質量部
調製したセルロースアセテート溶液 10.3質量部
────────────────────────────────────────
(レターデーション上昇剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
────────────────────────────────────────
レターデーション上昇剤溶液組成
────────────────────────────────────────
下記のレターデーション上昇剤 19.8質量部
下記の紫外線吸収剤A 0.02質量部
下記の紫外線吸収剤B 0.10質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
調製したセルロースアセテート溶液 12.8質量部
────────────────────────────────────────
Figure 2005010774
Figure 2005010774
Figure 2005010774
(セルロースアセテートフイルムの作製)
調製したセルロースアセテート溶液94.6質量部、マット剤分散液1.3質量部およびレターデーション上昇剤溶液4.1質量部を、それぞれ濾過後に混合した。レターデーション上昇剤のセルロースアセテートに対する質量比は、4.6%であった。
混合液を、バンド流延機を用いて流延した。形成されたフイルムを、残留溶剤量が30質量%の状態でバンドから剥離した。130℃の条件で、残留用材料が13質量%のフイルムをテンターを用いて28%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の幅のまま、140℃で30秒間保持した。その後、テンターのクリップを外して、140℃で40分間乾燥し、セルロースアセテートフイルムを作製した。作製したセルロースアセテートフイルムは、残留溶剤量が0.2質量%で、膜厚が92μmであった。
(光学的性質の測定)
作製したセルロースアセテートフイルムについて、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用い、面内レターデーション値(Re0)を測定した。次に、面内の遅相軸をあおり軸とし、軸を40゜および−40゜あおって、レターデーション値(Re40、Re−40)を測定した。膜厚および遅相軸方向の屈折率(nx)をパラメータとし、これらの測定値(Re0、Re40、Re−40)にフィッティングするように、進相軸方向の屈折率(ny)および厚み方向の屈折率(nz)を計算で求め、厚み方向のレターデーション値を決定した。測定波長は、632.8nmとした。その結果、面内レターデーション値は38nm、厚み方向のレターデーション値は173nmであった。
(セルロースアセテートフイルムのケン化処理)
セルロースアセテートフイルムの一方の面に、下記の組成のケン化液を5.2ml/m2 塗布し、60℃で10秒間乾燥した。フイルム表面を流水で10秒間洗浄し、25℃の空気を吹き付けてフイルム表面を乾燥した。
────────────────────────────────────────
ケン化液組成
────────────────────────────────────────
イソプロピルアルコール 818質量部
水 167質量部
プロピレングリコール 187質量部
水酸化カリウム 777質量部
────────────────────────────────────────
(配向膜の形成)
セルロースアセテートフイルム(透明支持体)のケン化処理面に、下記の組成の塗布液を、#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2 塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
次に、セルロースアセテートフイルムの延伸方向(遅相軸とほぼ一致)と45゜の方向に、形成した膜に対してラビング処理を実施した。
────────────────────────────────────────
配向膜塗布液組成
────────────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
────────────────────────────────────────
Figure 2005010774
(第1光学異方性層の形成)
配向膜上に、下記の組成の塗布液(メチルエチルケトン溶液)を、#1.4のワイヤーバーコーターで2.7ml/m2 塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、130℃の恒温槽中で2分間加熱し、ディスコティック液晶性分子を配向させた。次に、120W/cmの高圧水銀灯を用いて、90℃で1分間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性分子を重合させた。その後、室温まで放冷した。
────────────────────────────────────────
第1光学異方性層塗布液組成
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下記のディスコティック液晶性分子I 91質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 9質量部
セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 1.5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
メチルエチルケトン 214.2質量部
────────────────────────────────────────
Figure 2005010774
(第2光学異方性層の形成)
第1光学異方性層上に、下記の組成の塗布液(メチルエチルケトン溶液)を、#1.4のワイヤーバーコーターで2.7ml/m2 塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、130℃の恒温槽中で2分間加熱し、ディスコティック液晶性分子を配向させた。次に、120W/cmの高圧水銀灯を用いて、90℃で1分間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性分子を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして光学補償シートを作製した。
────────────────────────────────────────
第2光学異方性層塗布液組成
────────────────────────────────────────
下記のディスコティック液晶性分子II 91質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製) 9質量部
セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 1.5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
メチルエチルケトン 214.2質量部
────────────────────────────────────────
Figure 2005010774
(光学的性質の測定)
二層(第1光学異方性層、第2光学異方性層)の光学異方性層全体について、液晶性分子の平均傾斜角(β)、面内レターデーション値の波長分散値(α)、面内レターデーション値(Re)を測定した。
なお、ディスコティック液晶性分子の傾斜角は、膜厚方向で徐々に変化しているため、面内レターデーションの測定結果から計算により求めた。具体的には、エリプソメーターを用いて面内レターデーション値(Re)を測定し、Jones-matrix法により算出されるRe値の傾斜角度依存性から最小自乗法により平均傾斜角(β)を求めた。
結果は、第1表に示す。
(偏光板の作製)
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作製した。
光学補償シートの透明支持体側を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の片側に貼り付けた。透明支持体の遅相軸と偏光膜の透過軸とは平行になるように配置した。
市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)の片面を、光学補償シートの透明支持体と同様にケン化処理した。セルローストリアセテートフイルムのケン化処理面側を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側(光学補償シートを貼り付けなかった側)に貼り付けた。
このようにして、偏光板を作製した。
(ベンド配向液晶セルの作製)
ITO電極付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板を、ラビング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャップを5.7μmに設定した。セルギャップに、Δnが0.1396の液晶性化合物(ZLI1132、メルク社製)を注入し、ベンド配向液晶セルを作製した。
(液晶表示装置の作製)
作製したベンド配向セルを挟むように、作製した偏光板を二枚貼り付けた。偏光板の光学異方性層がセル基板に対面し、液晶セルのラビング方向と、それに対面する光学異方性層のラビング方向とが反平行となるように配置した。
作製した液晶表示装置にバックライトを取り付け、液晶セルに白表示電圧2Vおよび黒表示電圧6.0Vを印加し、測定機(EZ-Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、コントラスト視野角(コントラスト比が10以上となる角度範囲)を測定した。また、中間調電圧3Vを印加し、色味視野角(ΔCuvが0.02以下となる角度範囲)を測定した。
結果は、第2表に示す。
[比較例1]
塗布量を5.4ml/m2 に変更して第1光学異方性層のみを設けた(第2光学異方性層を設けなかった)以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、偏光板および液晶表示装置を作製して評価した。
結果は、第1表および第2表に示す。
[比較例2]
塗布量を5.4ml/m2 に変更して第2光学異方性層のみを配向膜の上に直接設けた(第1光学異方性層を設けなかった)以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、偏光板および液晶表示装置を作製して評価した。
結果は、第1表および第2表に示す。
第1表
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光学補償シート β α Re
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実施例1 11゜ 1.5 42nm
比較例1 12゜ 1.3 43nm
比較例2 11゜ 1.7 43nm
────────────────────────────────────────
第1表に示す結果から、本発明に従う光学補償シートを構成する二つの光学異方性層の波長分散値が1.3、1.7と異なっていることがわかる。
第2表
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コントラスト視野角 色味視野角
液晶表示装置 左右 上下 左右 上下
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実施例1 160゜ 160゜ 130゜ 140゜
比較例1 160゜ 160゜ 70゜ 55゜
比較例2 160゜ 160゜ 75゜ 60゜
────────────────────────────────────────
第2表に示す結果から、本発明に従う二つの光学異方性層からなる光学補償シートを用いると、色味視野角が改良されることがわかる。
[実施例2]
(セルロースアセテートフイルムの作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
────────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成
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酢化度60.9%のセルロースアセテート 100.0質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.0質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 4.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
────────────────────────────────────────
別のミキシングタンクに、実施例1で用いたレターデーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液474質量部に、レターデーション上昇剤溶液11質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、1.6質量部であった。
得られたドープを、流延速度45m/分でバンド流延機を用いて流延し、残留溶剤量が30質量%になるまで乾燥した後、バンドからフイルムを剥ぎ取った。フイルムを140℃の乾燥風で10分間乾燥し、残留溶剤量が0.3質量%で、厚みが60μmのセルロースアセテートフイルムを作製した。
(光学的性質の測定)
作製したセルロースアセテートフイルムについて、実施例1と同様にレターデーション値を測定したところ、面内レターデーション値は9.7nm、厚み方向のレターデーション値は80.3nmであった。
(光学補償シートの作製)
作製したセルロースアセテートフイルムに対して、実施例1と同様にケン化処理を行い、配向膜および第1光学異方性層を形成した。
第1光学異方性層上に、下記の組成の塗布液(メチルエチルケトン溶液)を、#1.4のワイヤーバーコーターで塗布し、実施例1と同様にして厚さ0.9μmの第2光学異方性層を形成した。このようにして光学補償シートを作製した。
────────────────────────────────────────
第2光学異方性層塗布液組成
────────────────────────────────────────
実施例1で用いたディスコティック液晶性分子I 92質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製) 9質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
下記のフッ素系界面活性剤 0.4質量部
メチルエチルケトン 214.2質量部
────────────────────────────────────────
Figure 2005010774
(光学的性質の測定)
第1光学異方性層および第2光学異方性層について、液晶性分子の平均傾斜角(β)、面内レターデーション値の波長分散値(α)、面内レターデーション値(Re)を測定した。
結果は、第4表に示す。
(偏光板の作製)
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作製した。
光学補償シートの透明支持体側を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の片側に貼り付けた。透明支持体の遅相軸と偏光膜の透過軸とは平行になるように配置した。
市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)の片面を、実施例1における光学補償シートの透明支持体と同様にケン化処理した。セルローストリアセテートフイルムのケン化処理面側を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側(光学補償シートを貼り付けなかった側)に貼り付けた。
このようにして、偏光板を作製した。
(液晶表示装置の作製)
TN型液晶セルを使用した20インチの液晶表示装置(LC−20V1、シャープ(株)製)から、一対の偏光板を剥がし、代わりに作製した偏光板を二枚、粘着剤を介して貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とが、直交するように配置した。
液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印可し、白表示2Vおよび黒表示5Vにおける白表示と黒表示との透過率をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。
結果は、第5表に示す。
[実施例3、4、比較例3、4]
第1光学異方性層の厚み、および第2光学異方性層の組成(各成分の添加量)と厚みとを第3表(第2光学異方性層各成分の添加量は質量部)に示すように変更した以外は、実施例2と同様にして、光学補償シート、偏光板および液晶表示装置を作製して評価した。
なお、実施例2〜4では、第1光学異方性層および第2光学異方性層の塗布量は、いずれも2.7ml/m2 であり、比較例3、4では、第1光学異方性層の塗布量が2.7ml/m2 、第2光学異方性層の塗布量が1.9ml/m2 であった。
結果は、第4表および第5表に示す。
第3表
────────────────────────────────────────
第1層 第2光学異方性層 光学補償シート 厚み 液晶I 液晶II CAB TPP 厚み
────────────────────────────────────────
実施例2 0.7μm 92 0 0 0.0 0.9μm
実施例3 0.8μm 45 46 1.5 0.0 0.7μm
実施例4 0.8μm 91 0 1.5 1.0 0.8μm
比較例3 0.7μm 91 0 1.5 0.0 0.5μm
比較例4 0.8μm 91 0 1.5 0.0 0.6μm
────────────────────────────────────────
(註)
第1層:第1光学異方性層
液晶I:液晶性分子I
液晶II:液晶性分子II
CAB:セルロースアセテートブチレート
TPP:トリフェニルホスフェート
第4表
────────────────────────────────────────
第1光学異方性層 第2光学異方性層
光学補償シート β α Re β α Re
────────────────────────────────────────
実施例2 26゜ 1.3 16nm 16゜ 1.3 16nm
実施例3 27゜ 1.3 17nm 27゜ 1.3 32nm
実施例4 27゜ 1.3 17nm 20゜ 1.3 16nm
比較例3 26゜ 1.3 16nm 26゜ 1.3 16nm
比較例4 27゜ 1.3 17nm 27゜ 1.3 17nm
────────────────────────────────────────
第5表
────────────────────────────────────────
液晶表示装置 上下方向視野角 左右方向視野角
────────────────────────────────────────
実施例2 105゜ 135゜
実施例3 103゜ 138゜
実施例4 107゜ 136゜
比較例3 95゜ 120゜
比較例4 92゜ 117゜
────────────────────────────────────────
[実施例5]
(セルロースアセテート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
────────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成
────────────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100.0質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.0質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 4.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
────────────────────────────────────────
(マット剤分散液の調製)
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を分散し、マット剤分散液を調製した。
────────────────────────────────────────
マット剤分散液組成
────────────────────────────────────────
平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 11.4質量部
調製したセルロースアセテート溶液 10.3質量部
────────────────────────────────────────
(レターデーション上昇剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
────────────────────────────────────────
レターデーション上昇剤溶液組成
────────────────────────────────────────
実施例1で用いたレターデーション上昇剤 19.8質量部
実施例1で用いた紫外線吸収剤A 0.02質量部
実施例1で用いた紫外線吸収剤B 0.10質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
調製したセルロースアセテート溶液 12.8質量部
────────────────────────────────────────
(セルロースアセテートフイルムの作製)
調製したセルロースアセテート溶液94.6質量部、マット剤分散液1.3質量部およびレターデーション上昇剤溶液4.1質量部を、それぞれ濾過後に混合した。レターデーション上昇剤のセルロースアセテートに対する質量比は、4.6%であった。
混合液を、バンド流延機を用いて流延した。形成されたフイルムを、残留溶剤量が30質量%の状態でバンドから剥離した。130℃の条件で、残留用材料が13質量%のフイルムをテンターを用いて28%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の幅のまま、140℃で30秒間保持した。その後、テンターのクリップを外して、140℃で40分間乾燥し、セルロースアセテートフイルムを作製した。作製したセルロースアセテートフイルムは、残留溶剤量が0.2質量%で、膜厚が92μmであった。
(光学的性質の測定)
作製したセルロースアセテートフイルムについて、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用い、面内レターデーション値(Re0)を測定した。次に、面内の遅相軸をあおり軸とし、軸を40゜および−40゜あおって、レターデーション値(Re40、Re−40)を測定した。膜厚および遅相軸方向の屈折率(nx)をパラメータとし、これらの測定値(Re0、Re40、Re−40)にフィッティングするように、進相軸方向の屈折率(ny)および厚み方向の屈折率(nz)を計算で求め、厚み方向のレターデーション値を決定した。測定波長は、632.8nmとした。
その結果、面内レターデーション値は38nm、厚み方向のレターデーション値は173nmであった。
(セルロースアセテートフイルムのケン化処理)
セルロースアセテートフイルム上に、温度60℃の誘電式加熱ローラを通過させ、フィルム表面温度40℃に昇温させた後に、下記に示す組成のケン化液をロッドコーターを用いて塗布量15mL/m2 で塗布し、110℃に加熱したスチーム式遠赤外ヒーター(ノリタケカンパニーリミテド製)の下に15秒滞留させた後に、ロッドコーターを用いて純水を3mL/m2 塗布した。この時のフィルム温度は40℃であった。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に70℃の乾燥ゾーンに5秒間滞留させて乾燥させた。
────────────────────────────────────────
ケン化液組成
────────────────────────────────────────
イソプロピルアルコール 818質量部
水 167質量部
プロピレングリコール 187質量部
水酸化カリウム 68質量部
界面活性剤(n−C1633O(C10H) 12質量部
────────────────────────────────────────
(配向膜の形成)
セルロースアセテートフイルム(透明支持体)のケン化処理面に、下記の組成の塗布液を、#14のワイヤーバーコーターで24ml/m塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
次に、図1の製造ラインを使用し、前記セルロースアシレートフィルムを55m/minで搬送しながら、セルロースアセテートフイルムの延伸方向(遅相軸とほぼ一致)と45゜の方向に、形成した膜に対してラビング処理を実施した。ラビング処理におけるラビングローラ72の押しつけ圧力は、配向膜樹脂層の1cm当たり9.8×10Pa(10kgf/cm)とするとともに、回転周速を5.0m/秒とした。
────────────────────────────────────────
配向膜塗布液組成
────────────────────────────────────────
実施例1で用いた変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
────────────────────────────────────────
(第1光学異方性層の形成)
配向膜上に、ワイヤーバー塗布装置10(図2参照)を使用して下記の組成の塗布液(メチルエチルケトン溶液)をワイヤーバーコーターで塗布した。塗工用ワイヤバー12はロッド径8mmのステンレス製で、ワイヤ40の真円度が5μm、ワイヤー径が35μmのものを使用した。この塗工用ワイヤバー12をセルロースアシレートフィルムに対して順回転させ、塗布液を塗布ヘッド(図2のように1次側の液溜まりの少ないブロックを採用)14から幅680mmの配向膜上に、塗布液量がウエブ16について1m当り2.7mLになるように塗布した。送液量は1次側のマニホールド26より1分間当たり2.0Lとし、2次側マニホールドより1分間当たり0.5Lとした。
塗布液が塗布されたセルロースアシレートフィルムは、100℃に調整された乾燥ゾーン76、及び、130℃に調整された加熱ゾーン78を通過させてネマチック相を形成した後、連続搬送しながら、液晶層の表面に紫外線ランプ(120W/cmの高圧水銀灯)80により90℃で1分間紫外線を照射した。
塗布液の粘度は振動粘度計タイプCJV−5000(秩父セメント社製)を用いて25℃で測定した。そして、25℃で1〜10mPa・sになるように管理した。
塗布液を配向膜の上に塗布してから、有機溶媒の残存率が10重量%以下になるまでの時間が10秒となるように管理した。なお、有機溶媒が10重量%以下迄に達する時間は、初期の溶媒量に対して残存溶媒量が10重量%以下になるまでの時間とした。
────────────────────────────────────────
第1光学異方性層塗布液組成
────────────────────────────────────────
実施例1で用いたディスコティック液晶性分子I 91質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製) 9質量部
セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 1.5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
メチルエチルケトン 214.2質量部
────────────────────────────────────────
(第2光学異方性層の形成)
第1光学異方性層上に、下記の組成の塗布液(メチルエチルケトン溶液)を、#1.4のワイヤーバーコーターで2.7ml/m塗布し、第1光学異方性層と同様にして第2光学異方性層を作製した。
────────────────────────────────────────
第2光学異方性層塗布液組成
────────────────────────────────────────
実施例1で用いたディスコティック液晶性分子II 91質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製) 9質量部
セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 1.5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
メチルエチルケトン 214.2質量部
────────────────────────────────────────
(光学的性質の測定)
二層(第1光学異方性層、第2光学異方性層)の光学異方性層全体について、液晶性分子の平均傾斜角(β)、面内レターデーション値の波長分散値(α)、面内レターデーション値(Re)を測定した。
なお、ディスコティック液晶性分子の傾斜角は、膜厚方向で徐々に変化しているため、面内レターデーションの測定結果から計算により求めた。具体的には、エリプソメーターを用いて面内レターデーション値(Re)を測定し、Jones-matrix法により算出されるRe値の傾斜角度依存性から最小自乗法により平均傾斜角(β)を求めた。
結果は、第1表に示す。
(偏光板の作製)
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作製した。
光学補償シートの透明支持体側を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の片側に貼り付けた。透明支持体の遅相軸と偏光膜の透過軸とは平行になるように配置した。
市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)の片面を、光学補償シートの透明支持体と同様にケン化処理した。セルローストリアセテートフイルムのケン化処理面側を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側(光学補償シートを貼り付けなかった側)に貼り付けた。
このようにして、偏光板を作製した。
(ベンド配向液晶セルの作製)
ITO電極付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板を、ラビング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャップを5.7μmに設定した。セルギャップに、Δnが0.1396の液晶性化合物(ZLI1132、メルク社製)を注入し、ベンド配向液晶セルを作製した。
(液晶表示装置の作製)
作製したベンド配向セルを挟むように、作製した偏光板を二枚貼り付けた。偏光板の光学異方性層がセル基板に対面し、液晶セルのラビング方向と、それに対面する光学異方性層のラビング方向とが反平行となるように配置した。
本発明に係る光学補償シートの製造方法が適用される光学補償シートの製造ラインを説明する説明図 ワイヤバー塗布装置の全体構成を説明する断面図 塗工用ワイヤバーを説明する部分拡大断面図
符号の説明
10 ワイヤバー塗布装置
12 塗工用ワイヤバー
14 塗布ヘッド
16 ウエブ
18 ガイドローラ
20 バックアップ部材
22、24 コーターブロック
26、28 マニホールド
30、32 スロット
34 1次側塗布ビード
36 2次側塗布ビード
38 ロッド
40 ワイヤ
42 ワイヤ列
66 送り出し機
68 ガイドローラ
70 ラビング処理装置
72 ラビングローラ
74 除塵機
76 乾燥ゾーン
78 加熱ゾーン
80 紫外線ランプ
82 巻取り機

Claims (11)

  1. 透明支持体上に、液晶性分子を含む光学異方性層を少なくとも二層有する光学補償シートであって、二層の光学異方性層が、液晶性分子の平均傾斜角、面内レターデーション値の波長分散値、面内レターデーション値からなる群より選ばれる少なくとも一つの光学的性質について実質的に異なることを特徴とする光学補償シート。
  2. 二層の光学異方性層において、液晶性分子の平均傾斜角が、いずれも5゜乃至60゜である請求項1に記載の光学補償シート。
  3. 二層の光学異方性層において、液晶性分子の種類が異なる請求項1に記載の光学補償シート。
  4. 二層の光学異方性層が、いずれも二種類以上の液晶性分子を含む請求項1に記載の光学補償シート。
  5. 二層の光学異方性層がそれぞれ含む二種類以上の液晶性分子がいずれも同一の種類であり、かつ二層の光学異方性層において、二種類以上の液晶性分子の組成比が異なる請求項4に記載の光学補償シート。
  6. 二層の光学異方性層が、さらに非液晶性分子を含み、かつ二層の光学異方性層において、非液晶性分子の種類が異なる請求項1に記載の光学補償シート。
  7. 二層の光学異方性層が、さらに同じ種類の非液晶性分子を含み、かつ二層の光学異方性層において、非液晶性分子の添加量が異なる請求項1に記載の光学補償シート。
  8. 二層の光学異方性層において、液晶性分子がいずれも円盤状液晶性分子である請求項1に記載の光学補償シート。
  9. 偏光膜およびその両側に配置された二枚の保護フイルムからなる偏光板であって、少なくとも一方の保護フイルムが請求項1に記載の光学補償シートであることを特徴とする偏光板。
  10. 液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなる液晶表示装置であって、少なくとも一方の偏光板が請求項9に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
  11. 液晶セルが、TNモード、ベンド配向モードまたは垂直配向モードである請求項10に記載の液晶表示装置。
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