JP4272745B2 - 長尺状光学補償シートの製造方法 - Google Patents

長尺状光学補償シートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子に組み込こむことにより、液晶表示素子の表示コントラスト及び表示色の視角特性を中心とする諸特性を改善することを可能にする光学補償シートの製造方法に関する。本発明は特に、ねじれネマチック液晶分子を表示材料として用いる液晶表示素子の表示コントラスト及び表示色の視角特性を中心とする諸特性を改善することを可能にするツイスト配向した光学異方層を備えた光学補償シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在普及している液晶表示素子(もしくは液晶表示装置、以下LCDと称す)の多くは、ねじれネマチック液晶を用いている。このような液晶表示素子は、一般に、液晶セルとその両側に設けられた偏光板から構成されている。このような液晶を用いた表示方式は、複屈折モードと旋光モードとの二つの方式に大別できる。
【0003】
複屈折モードを利用する超ねじれ(スーパーツィスティッド)ネマチック液晶表示装置(以下STN−LCDと称す)は、90度を超えるねじれ角と急峻な電気光学特性とを有するスーパーツィスティッドネマチック液晶を用いている。STN−LCDで実用的なコントラストが得ることができるのは、イエローモード(黄緑/濃紺)及びブルーモード(青/淡黄)だけであり、白黒モードを得るには位相差板(光学補償シート)を設ける必要がある。しかし、一軸延伸ポリマーフィルムや補償用液晶セルを位相差板として用いると、表示色や表示コントラストが、液晶表示装置を見る時の角度によって変化し易い(視野角特性)との問題がある。
【0004】
また、TN−LCDの表示モードである旋光モードでは、高速応答性(数十ミリ秒)及び高いコントラストが得られる。しかしながら、TN−LCDもやはり視野角特性の問題を有する。
【0005】
たとえば、TN−LCDにおける視野角特性を改善するため(即ち、視野角の拡大のため)、一対の偏光板と液晶セルとの間に位相差板(光学補償シート)を設ける提案が、特開平4−229828号公報及び特開平4−258923号公報に記載されている。これらの公報で提案されている位相差板は、液晶セルに対して垂直方向の位相差はほぼ0であるように設計されていて、真正面からは何ら光学的作用を与えないが、傾けた時に位相差が発現するため、液晶セルで発生する位相差を補償することが可能となる。
【0006】
特開平6−75115号公報、特開平4−169539号公報及び特開平4−276076号公報には、負の複屈折を有し、かつ光軸が傾いている光学補償シートが開示されている。これらの公報に記載の光学補償シートは、ポリカーボネートやポリエステル等のポリマーフィルムを延伸することにより製造され、そしてシートの法線から傾いた主屈折率の方向を持つ。しかし、ポリマーフィルムの延伸処理により上記シートを製造するには、極めて複雑な延伸処理が必要とされるため、これらの延伸法によって大面積の光学補償シートを製造することは極めて困難である。
【0007】
一方、液晶性ポリマーを用いた光学補償シートも知られている。例えば、特開平3−9326号公報及び特開平3−291601号公報には、液晶性を有するポリマーを支持フィルム上の配向膜表面に塗布することにより得られる光学補償シートが開示されている。
【0008】
また特開平5−215921号公報には、支持体上に、正の複屈折を有する液晶性で重合性の棒状化合物からなる層が形成されている光学補償シート(複屈折板)が開示されている。この光学補償シートは、重合性棒状化合物の溶液を支持体上に塗布し、加熱硬化することにより得られる。
【0009】
また、全方向視野角が拡大した光学補償シートとして、透明フィルム上にラビング処理により配向膜を形成し、配向膜上に負の一軸配向した液晶性ディスコティック化合物の層を形成した光学補償シートが提案されている。(特開平8−50206号公報、および特開平9−178937号公報)。
【0010】
上記のような液晶性化合物を用いる光学補償シートは、光学異方層として、一定の方向に配向した液晶性組成物がその状態で固定された液晶性組成物層を利用しているが、前述のように、通常の液晶表示素子は、ねじれネマチック液晶分子を表示材料として用いているため、その液晶表示素子の位相差を高精度に補償するためには、光学異方層もねじれ(ツイスト)配向していることが望ましい。しかしながら、通常のラビング処理した配向膜を用いて光学異方層を製造する方法では、ねじれ配向した光学異方層を製造することができない。
【0011】
上記のねじれ配向した光学異方層を製造する方法としては、光学異方層の形成材料の液晶性化合物に旋光性化合物を混合して、層を形成する方法が知られているが、液晶性化合物と旋光性化合物の組合わせの選定に自由度が少なく、また形成される光学異方層に形成されるねじれ配向が充分でない場合が多い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、液晶表示素子に装着した場合に、その液晶表示素子の視野角を拡大することを可能にする、構成分子がねじれ配向した光学異方層を有する光学補償シートを工業的に効率よく製造することができる製造方法を提供することにある。さらに詳しくは、本発明は、LCD、特にTNーLCDにおける良好な視野角特性を表示画面全面にわたって均一に、かつ高精度に付与することができる光学異方層を有する光学補償シートを製造する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、配向膜形成用樹脂層を表面に備えた長尺状の透明支持体をその長さ方向に移動させながら、該配向膜形成用樹脂層の表面をラビング処理することにより、該樹脂層を配向膜層とし、次に該配向膜層の表面に液晶性化合物溶液を塗布し、乾燥することにより、ラビング方向に配向した液晶性化合物層を形成した後、加熱気体を、該液晶性化合物層の表面に接触させながら、上記ラビング処理の方向とは異なる方向に移動させることによって、該液晶性化合物層の表面側の液晶性化合物を加熱気体の移動方向に沿って配向させ、次いでその配向状態を固定することにより、該液晶性化合物層をツイスト配向した光学異方層とすることを特徴とする長尺状光学補償シートの製造方法にある。
【0014】
本発明の長尺状光学補償シートの製造に際して実施するラビング方向は、長尺状透明支持体の移動方向と同一の方向としてもよく、あるいは長尺状透明支持体の移動方向に対して斜めとなる方向としてもよい。
【0015】
本発明の長尺状光学補償シートの製造方法において、加熱気体の温度及び速度のそれぞれが、加熱気体の移動方向に対して横断方向に沿って一定であることが望ましい。また、本発明の記載の長尺状光学補償シートの製造方法では、加熱気体を長尺状透明支持体の上方に配置された二次元ノズルから供給することが望ましい。
【0016】
本発明の長尺状光学補償シートの製造方法において、液晶性化合物が液晶性ディスコティック化合物であることが望ましく、特に重合性基を有する液晶性ディスコティック化合物であることが望ましい。後者の場合、液晶性化合物層中の液晶性化合物の配向状態を該ディスコティック化合物の重合により固定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法により得られる光学補償シートにより視野角特性が改善される対象の液晶表示素子(LCD)は、光学的に異方性を示すものであり、具体的には、TNおよびSTNなどのねじれネマチック液晶配向を用いたLCD、そして0CB(Optically Compensated Birefringence)モードのLCDなどがあげられる。
【0018】
本発明の光学補償シートの製造方法を添付図面を参照しながら説明する。添付図面中の図1は本発明の光学補償シートを製造する方法の工程を概略を示す図である。
【0019】
支持体送り出し機11から送り出された長尺状透明支持体12(配向膜形成用樹脂層13が支持体の下面に形成されているもの)の配向膜形成用樹脂層13の表面に、公知のラビング装置14と静電式ダスト除去装置15を利用して、支持体12の移動方向に沿って、ラビング処理を施す。図1では、公知のラビング装置14と静電式ダスト除去装置15は二組設置されているが、ラビング装置やダスト除去装置の種類、ラビング処理の方法や条件などは任意に選択することができる。上記の方法によって配向膜形成用樹脂層13の表面にラビング処理を施して形成された配向膜16には、ラビング処理により生成したダストが残存している場合が多いため、所望により、別に用意した静電式ダスト除去装置などのダスト除去装置17により更にダスト除去処理することもできる。
【0020】
次に、重合性基を有する液晶性ディスコティック化合物などの液晶性化合物を含む塗布液(液晶性化合物溶液)18が塗布装置19により配向膜16の表面に塗布される。液晶性化合物溶液が塗布された支持体12は、次に乾燥ゾーン20に入り、その乾燥ゾーン内で溶剤が蒸発して液晶性化合物層21が形成され、次いで加熱ゾーン22において、液晶性化合物層21の液晶性化合物の温度を該液晶性化合物のネマチック転移温度以上、かつアイソトロピックネマチック転移温度以下に保つことができる温度に加熱した気体(空気など)を、移動する支持体12の液晶性化合物層21の表面に、支持体12の移動方向と異なる方向に整流状態にて移動させながら接触させる。この接触によって、液晶性化合物層21の表面側の液晶性化合物は加熱気体の移動方向に沿って(従って、配向膜16上に施されたラビング処理の方向とは異なる方向に沿って)配向して光学異方層23となる。次いで光学異方層23に紫外線照射装置24からの紫外線の照射処理により重合させるなどの方法を利用して、その配向状態を固定することにより、本発明の長尺状光学補償シート25が得られる。そして、最後にその長尺状光学補償シート25を巻取装置26で巻き取って保存する。
【0021】
図2は、図1の加熱ゾーン22の内部構造を詳しく示す図であり、加熱ゾーン22に長尺状透明支持体12が送り込まれる側から見た図として示している。図2において、長尺状透明支持体12(表面に配向層16と液晶性化合物層21が形成されている)は、搬送ロール27によって手前側から奥側に向けて搬送されている。別に設けられた加熱装置(図示せず)において加熱された空気(加熱気体)28は、スリット状のノズル29より、搬送中の長尺状透明支持体12の移動方向に沿って平行流(二次元流)になるように整流され、さらに整流板30によって、熱風を長尺状透明支持体の移動方向に直角な方向の流れとなるように整流される。熱風28は、整流板30による整流下、長尺状透明支持体12の表面上に、配向膜16を介して形成された液晶性化合物層21と接触しながら、液晶性化合物層21の移動方向と直角となる方向に移動し、その後、給気用スリット状ノズル29に相対する位置に設けられた排気口31を介して加熱ゾーン22から排気される。この工程で、液晶性化合物層21は、ネマチック相を持ち、その底面側で長尺状透明支持体12の搬送方向と平行方向に配向処理され、一方、表面側では、熱風28の移動方向と平行方向(底面側の配向方向と直角な方向)に配向処理された状態のツイスト配向された光学異方層23となる。
【0022】
上記の工程で液晶化合物層16から形成された光学異方層23は、次いで、図1に示したように、紫外線照射装置(ランプ)24によって重合処理が施されるか、または、冷却処理により相転移を起こさないように固定化される。そして、その後巻き取り装置22で巻き取られる。
【0023】
図1と図2においては、長尺状透明支持体の表面に設けられた配向膜形成用樹脂膜のラビング処理を、長尺状透明支持体の移動方向と平行方向に行ない、一方では、液晶性化合物層の表面の熱風による配向方向を長尺状支持体の移動方向と直角な方向に平行な方向とすることにより、ねじれネマティック相を有する光学異方層を形成する方法を示したが、長尺状透明支持体の表面に設けられた配向膜形成用樹脂膜のラビング処理を、長尺状透明支持体の移動方向に対して斜めとなる方向に施すこともできる。そのような場合に於けるラビング方法と熱風配向処理の方法について、添付した図3と図4を参照しながら次に説明する。
【0024】
図3は、長尺状透明支持体の表面に設けられた配向膜形成用樹脂膜のラビング処理を、長尺状透明支持体の移動方向に対して斜めとなる方向に施すために利用される公知の斜めラビング方法を示す図である。すなわち、図3に示すように、搬送ロール41a、41bによって矢印の方向に搬送されて、移動する配向膜形成用樹脂膜を備えた長尺状透明支持体42に対して、45゜傾いて配置されたラビングロール43を回転させて配向膜形成用樹脂膜にラビング処理を行なう方法を利用することができる。
【0025】
図4は、図3に示した方法によって、長尺状透明支持体の搬送方向(すなわち移動方向)に対して45゜傾いたラビング処理により形成された配向膜44の上に液晶性化合物溶液を塗布乾燥して形成された液晶性化合物層45の表面側を支持体の搬送方向に配向するための熱風処理を施す加熱ゾーンの構成を示す図である。
【0026】
図4において、液晶性化合物層45を斜め配向膜44を介して備えた長尺状透明支持体42は、加熱ゾーン46に、搬送ロール47によって引き入れられる。別に設けられた加熱装置(図示せず)において加熱された空気(加熱気体)48は、スリット状のノズル49より、搬送中の長尺状透明支持体12の移動方向に直角な方向に沿って平行流(二次元流)になるように整流される。そして、さらに整流板50によって、熱風を長尺状透明支持体の移動方向に沿った流れとなるように整流される。熱風48は、整流板50による整流下にて、長尺状透明支持体42の表面上に、配向膜44を介して形成された液晶性化合物層45と接触しながら、液晶性化合物層45の移動方向と平行な方向に移動し、その後、給気用スリット状ノズル49に相対する位置に設けられた排気口51を介して加熱ゾーン46から排気される。この工程で、液晶性化合物層45は、ネマチック相を持ち、その底面側で長尺状透明支持体42の搬送方向と45゜傾斜し、一方、表面側では、支持体42の移動方向と平行方向(底面側の配向方向と45゜傾斜した方向)に配向処理された状態のツイスト配向された光学異方層となる。
【0027】
本発明の長尺状光学補償シートの製造に使用する長尺状の透明支持体は、透明である限り、どのような材料の支持体でも使用することができるが、光透過率が80%以上を有する、長尺状の可撓性樹脂シートであることが望ましい。透明支持体は、特に正面から見た時に光学的等方性を有するものが好ましい。従って、透明支持体は、固有複屈折が小さい樹脂材料から製造したものであることが好ましい。このような樹脂材料としては、セルローストリアセテート[市販品の例、ゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日本合成ゴム(株)製)、及びフジタック(富士写真フイルム(株)製)]を使用することが好ましい。なお、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン、及びポリエーテルスルホンなどのような固有複屈折率の大きい樹脂素材であっても、溶液流延、溶融押し出し等の条件、さらには縦、横方向に延伸状検討を適宜設定することによって、正面から見た時に光学的等方性を示す透明支持体とすることができる。
【0028】
なお、長尺状透明支持体は、その透明支持体面内の二軸の主屈折率をそれぞれnx、ny、厚み方向の主屈折率をnz、フイルムの厚さをdとしたとき、三軸の主屈折率の関係が、nz<ny=nx(負の一軸性)を満足し、式[(nx+ny)/2−nz]×dで表されるレタデーションが、20nmから400nm(特に、30〜150nm)であることが好ましい。ただし、nxとnyとの値は厳密に等しい必要はなく、ほぼ等しければ充分である。すなわち、例えば、|nx−ny|/|nx−nz|≦0.3の範囲を満足すれば実用上問題はない。また、|nx−ny|×dで表される正面レターデーションは、50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがさらに好ましい。
【0029】
前述のように、長尺状透明支持体には配向膜形成用樹脂層を設けてもよい。配向膜形成用樹脂層は、ラビング処理により、その上に設けられる液晶性化合物の配向方向を規定するように機能する配向膜となる。本発明の長尺状光学補償シートの製造方法においては、この配向膜による配向機能が、配向膜の上に形成される液晶性化合物層の前述の整流熱風との接触による配向作用を促進するように、あるいは高めるように働く。
【0030】
配向膜形成用樹脂層は通常、樹脂材料あるいはカップリング剤などから形成される。その樹脂材料の例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリカーボネート等のポリマーが挙げられ、カップリング剤としては、シランカップリング剤を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリイミド、ポリスチレン、スチレン誘導体のポリマー、ゼラチン、ポリビニルアルコール及びアルキル基(炭素原子数6以上が好ましい)を有する変性ポリビニルアルコールを挙げることができる。
【0031】
配向膜形成用樹脂層の形成に用いるポリマーの中で、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールとしては、例えば鹸化度70〜100%のものが用いられ、好ましくは鹸化度80〜100%のものであり、より好ましくは鹸化度85乃至95%のものである。重合度としては、100〜3000の範囲が好ましい。変性ポリビニルアルコールとしては、共重合変性したもの(変性基としては、例えば、COONa、Si(OX)3 、N(CH33 ・Cl、C919COO、SO3 、Na、あるいはC1225等が導入される)、また、連鎖移動により変性したもの(変性基として、例えば、COONa、SH、C1225等が導入されている)、ブロック重合による変性をしたもの(変性基として、例えば、COOH、CONH2 、COOR、C65 等が導入される)等のポリビニルアルコールの変性物を挙げることができる。その重合度としては、100〜3000のも範囲が好ましい。これらの中で、好ましいのは、鹸化度80〜100%の未変性乃至変性ポリビニルアルコールであり、より好ましくは鹸化度85乃至95%の未変性ないしアルキルチオ変性ポリビニルアルコールである。
【0032】
変性ポリビニルアルコールとして、特に、特願平7−20583号明細書に記載の変性ポリビニルアルコール、および特願平7−255598号明細書の記載の変性ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。
【0033】
また、LCDの配向膜として広く用いられているポリイミド膜(好ましくはフッ素原子含有ポリイミドから形成された配向膜形成用樹脂膜)も好ましい。これは、ポリアミック酸(例えば、日立化成(株)製のLQ/LXシリーズ、日産化学(株)製のSEシリーズ等)を支持体面に塗布し、100〜300℃で0.5〜1時間焼成することにより形成することができる。
【0034】
長尺状透明支持体の表面に形成された配向膜形成用樹脂層をラビング処理するためには一般に、レーヨン、ナイロン、絹、人絹などの起毛布をロールに巻き付けたラビングロールを走行する長尺状の配向膜用樹脂層に押し当てつつ高速回転させる方法が利用される。押しつけ圧力は10〜500gf/cm2が好ましく、ラビングロールの周速としては0.1〜2m/秒が好ましい。ラビングロールを長尺状配向膜用樹脂層に押し当てる位置としては、長尺状配向膜用樹脂層がバックアップされたパスロール上でもよいし、バックアップロール間でもよい。
【0035】
本発明の長尺状光学補償シートの光学異方層の形成に用いられる液晶性化合物としては、ディスコティック液晶性化合物、あるいはネマチック液晶性化合物などの非ディスコティック液晶性化合物が好ましい。なかでも、ディスコティック液晶性化合物が好ましく利用される。
【0036】
ディスコティック液晶化合物として代表的なものは、C.Destradeらの研究報告、Mol. Cryst.Liq. Cryst. 71巻、111頁(1981年)や、日本化学会編、季刊化学総説 No. 22 液晶の化学 第5章、第10章2節(1994年刊)、さらにB.Kohne らの研究報告、Angew.Chem. 96巻、70頁(1984年)J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Soc.Chem.Commun.,1794頁(1985年)やJ.Zhang 、J.S.Moore らの研究報告、J.Am.Chem.Soc.,116巻、2655頁(1994年)に記載された種々の誘導体が挙げられる。
【0037】
更に詳しく説明すると、好ましいディスコティック液晶化合物は、円盤状に似た形状を有する中心部分、例えばベンゼン環、シクロヘキサン環、トリフェニレン環、トルキセン環、コロネン環、フタロシアニン環、アザクラウン環、アセチレンマクロサイクル環、β−ジケトン系金属錯体から放射状に、複数個の互いに同一または異なる側鎖部分が伸びた構造を有する化合物である。
【0038】
側鎖部分を形成する基の例としては、アルカノイルオキシ基(例、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ、オクタノイルオキシ、ノナノイルオキシ、デカノイルオキシ、ウンデカノイルオキシ)、アルキルスルホニル基(例、ヘキシルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル、ノニルスルホニル、デシルスルホニル、ウンデシルスルホニル)、アルキルチオ基(例、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、ノニルチオ、デシルチオ、ウンデシルチオ、ドデシルチオ)、アルコキシ基(例、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ)、2−(4−アルキルフェニル)エチニル基(例、アルキル基としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルを有するもの)、末端ビニルアルコキシ基(例、4−ビニルブトキシ、5−ビニルペンチルオキシ、6−ビニルヘキシルオキシ、7−ビニルヘプチルオキシ、8−ビニルオクチルオキシ、9−ビニルノニルオキシ)、4−アルコキシフェニル基(例、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で例示したものを有するもの)、アルコキシメチル基(例、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で例示したものを有するもの)、アルキルチオメチル基(例、アルキルチオ基として、前述のアルキルチオ基で例示したものを有するもの)、2−アルキルチオエトキシメチル基(例、アルキルチオ基として、前述のアルキルチオ基で例示したものを有するもの)、2−アルコキシエトキシメチル基(例、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で例示したものを有するもの)、2−アルコキシカルボニルエチル基(例、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で例示したものを有するもの)、コレステリルオキシカルボニル、β−シトステリルオキシカルボニル、4−アルコキシフェノキシカルボニル基(例、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で例示したものを有するもの)、4−アルコキシベンゾイルオキシ基(例、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で例示したものを有するもの)、4−アルキルベンゾイルオキシ基(例、アルキル基として、前述の2−(4−アルキルフェニル)エチニル基のアルキル基で例示したものを有するもの)、4−アルコキシベンゾイル基(例、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で例示したものを有するもの)、更に前述のベンゾイル基がシンナモイル基に置き換ったものが挙げられる。
【0039】
また、前述の基のうち、フェニル基は、他のアリール基(例、ナフチル基、フェナンスリル基、アントラセニル基)であってもよいし、また前述の置換基に加えて更に置換されていてもよい。また、該フェニル基は複素芳香族環(例、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基)に置き換わってもよい。さらに、側鎖部分に光学活性(キラル)化合物基を導入することで、より均一なカイラル性を付与することも可能になる。
【0040】
本発明の長尺状光学補償シートの製造方法で用いるために好ましいディスコティック化合物については、特開平9−104656号公報に詳しい記載がある。
【0041】
液晶性化合物層は、前述した液晶性化合物、そして所望により、添加剤化合物を溶剤に溶解した溶液を、長尺状透明支持体もしくは配向膜の上に塗布、乾燥することにより得られる。添加剤化合物の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマーなどがあげられる。
【0042】
上記可塑剤、界面活性剤及び重合性モノマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物の配向を阻害しない限り、どのような化合物も使用することができる。これらの中で、重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基、あるいはメタクリロイル基を有する化合物)が好ましい。上記化合物は、液晶性化合物に対して一般に1〜50重量%(好ましくは5〜30重量%)の量にて使用される。
【0043】
上記ポリマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物にチルト角を与えることができる限り、どのようなポリマーでも使用することができる。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース及びセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。上記ポリマーは、液晶性化合物の配向を阻害しないように、液晶性化合物に対して一般に0.1〜10重量%(好ましくは0.1〜8重量%、特に0.1〜5重量%)の量にて使用される。
【0044】
液晶性化合物層を形成するための塗布液は、液晶性化合物及び前述の添加剤化合物などを溶剤に溶解することにより調製することができる。用いることのできる溶剤の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)及びピリジン等の極性溶剤、ベンゼン及びヘキサン等の無極性溶剤、クロロホルム及びジクロロメタン等のアルキルハライド類、酢酸メチル及び酢酸ブチル等のエステル類、アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類、及びテトラヒドロフラン及び1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類を挙げることができる。特に、アルキルハライド類及びケトン類が好ましい。溶剤は単独でも、組合わせて使用しても良い。
【0045】
上記塗布液を塗布する方法の例としては、バーコーティング、カーテンコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、印刷コーティング、スプレーコーティング及びスライドコーティングを挙げることができるが、特にバーコーティング、エクストルージョンコーティング、スライドコーティングが好ましい。
【0046】
長尺状透明支持体上の配向膜の表面に形成された液晶性化合物層は、次いで、加熱ゾーンにおいて、本発明の特徴的な工程である整流下にある加熱空気(熱風)に接触せしめられ、ねじれ配向を示すようになる。熱風は、塗布乾燥した液晶性化合物層に、ラビング処理方向と異なる方向となるように、吹き付ける。風速は7m/秒以上が好ましく、温度は30〜160℃が好ましい。加熱ゾーン内の風の流れ方向を一定に保つためには、加熱ゾーンに整流板を取り付け、排気口もスリット形状の開口を有することが望ましく、給気口(二次元ノズル)と排気口は加熱ゾーンの両端に設置することが好ましい。
【0047】
上記の加熱ゾーンでの整流下にある加熱空気との接触により、液晶性化合物層の液晶性化合物はツイスト配向したネマチック相を示す光学異方層となる。この液晶性化合物層のツイスト配向したネマチック相の固定化方法としては、UV光を照射してラジカル重合させる、いわゆるUV硬化、もしくは熱重合による熱硬化、あるいは急速にネマチック転移温度より低い温度まで冷却する方法などが利用される。
【0048】
上記の製法により製造された長尺状光学補償シートは、所望により、所定の寸法の光学補償シートとなるように裁断される。
【0049】
本発明により得られる光学補償シートのネマティック相の光学異方層は、一般に光学補償シートの法線方向から傾いた方向に、0以外のレターデーションの絶対値の最小値を有する(すなわち、光軸を持たない)。上記の液晶層を含む光学補償シートの代表的な構成例を図5に示す。図5において、透明支持体111、配向膜112、そして光学異方層113が、順に積層され、光学補償シートを構成している。Rは配向方向を示す。n1、n2 、n3 は、それぞれ光学補償シートの三軸方向の屈折率を表わし、正面から見た場合にn1 ≦n3 ≦n2 の関係を満足する。βは、Re(レターデーション)の最小値を示す方向の光学異方層の法線114からの傾きである。
【0050】
例えば、TN−LCD及びTFT−LCDの視野角特性を改善するためには、Reの絶対値の最小値を示す方向が、光学異方層の法線114から、5〜50度(傾きの平均値)傾いていることが好ましく、更に10〜40度傾いていることが好ましい。更に、上記シートは、下記の条件:
50≦[(n3 +n2 )/2−n1 ]×D≦400(nm)
(但し、Dはシートの厚さ)を満足することが好ましく、更に下記の条件:
100≦[(n3 +n2 )/2−n1 ]×D≦400(nm)
を満足することが特に好ましい。
【0051】
本発明により得られる光学補償シートが組み込まれた液晶表示装置の代表的構成例を図6に示す。図6において、透明電極を備えた一対の基板とその基板間に封入された、ねじれ配向したネマチック液晶とからなる液晶セルTNC、液晶セルの両側に設けられた一対の偏光板A、B、液晶セルと偏光板との間に配置された光学補償シートRF1 、RF2 及びバックライトBLが、組み合わされて液晶表示装置を構成している。光学補償シートは、液晶セルTNCの一方の側のみに配置しても良い(即ち、RF1 またはRF2 のいずれか)。R1 は光学補償シートRF1 の、正面から見た場合の配向方向を示し、R2 は光学補償シートRF2 の配向方向を示す。液晶セルTNCの実線の矢印は、液晶セルの偏光板B側の基板のラビング方向を表わし、液晶セルTNCの点線の矢印は、液晶セルの偏光板A側の基板のラビング方向を表わす。PA及びPBは、それぞれ偏光板A、Bの偏光軸を表わす。
【0052】
【実施例】
[実施例1]
トリアセチルセルロース[フジタック、富士写真フイルム(株)製、厚さ:100μm)の長尺状フィルムの一方の側に、長鎖アルキル変性ポバール(MP−203、クラレ(株)製]2重量%溶液をフィルム1m2当たり25mL塗布した後、60℃で1分間乾燥させて、配向膜形成用樹脂層を形成した。続いて、速度20m/分で搬送しながら、配向膜形成用樹脂層の表面を図1に示すような方法によって、搬送方向に直角な方向に配置されたラビングロール(直径:300mm)を用いて、搬送方向に平行な方向のラビング処理を行なった。ラビングロールの押しつけ圧力は、配向膜形成用樹脂層の表面積1cm2当たり、10gf/cm2とした。ラビングロールの回転速度は、300rpmとした。
【0053】
配向膜形成用樹脂層を搬送方向にラビング処理して形成された配向膜の上に、ディスコティック液晶性化合物混合物に、光重合開始剤(商品名:イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)を上記混合物に対して1重量%添加した混合物の40重量%メチルエチルケトン溶液を、塗布器を用いて、配向膜形成用樹脂層の表面に1m2当たり、5mLとなる量にて塗布し、乾燥ゾーンで乾燥し、次いで図2に示すような、加熱ゾーンを通過させた。乾燥ゾーンでは100℃に加熱された空気(熱風)を線速度0.1m/秒で送り、加熱ゾーンでは、スリット状ノズルを、長尺状透明支持体の移動方向に対し直角な流れになるように加熱ゾーンの側面に設置して熱風を吹き付けた。熱風はその温度が130℃に、その線速度が8m/秒に調整した。
【0054】
長尺状透明支持体は、ディスコティック液晶性化合物混合物を塗布した後、3秒後に乾燥ゾーンに入り、次の3秒後に加熱ゾーンに入った。液晶性化合物層は加熱ゾーンに3分間滞在して、底面側が長尺状透明支持体の移動方向(ラビング方向)に配向され、表面側が底面側の配向方向に対して直角に配向した状態のツイスト配向したネマチック相を形成した。
【0055】
続いて、このツイスト配向された液晶化合物ネマチック層を表面に有する長尺状透明支持体を、連続して20m/分で搬送しながら、液晶化合物ネマチック層の表面に紫外線ランプにより紫外線を照射し後、巻き取った。
【0056】
上記の方法によって製造した長尺状光学補償シートを所定の寸法に裁断したのち、これを用いて図6に示す液晶表示装置を組み立てた。その結果、得られた光学補償シートは、ツイスト配向したネマティック相の光学異方層を形成しており、実用性の高い光学補償シートとして用いることができることが確認された。
【0057】
[実施例2]
実施例1と同様にして長尺状透明支持体の表面に配向膜形成用樹脂層を形成した後、20m/分で搬送しながら、今度は、図3に示した方法によって斜め方向(45゜)のラビング処理を行って配向膜とした。ラビング処理は、直径が300mmのラビングロールの中心軸角度を、支持体の搬送方向に対して45度とした。配向膜形成用樹脂層に対する、ラビングロールの押しつけ圧力は、配向膜形成用樹脂層の表面積1cm2当たり、10gf/cm2とした。ラビングロールの回転速度は、300rpmとした。
【0058】
配向膜形成用樹脂層を斜めラビング処理して得られた配向膜上に、液晶性ディスコティック化合物の混合物に、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)を上記混合物に対して1重量%添加した混合物の40重量%メチルエチルケトン溶液をを、塗布器を利用して、配向膜の表面に、1m2当たり、5mLの塗布量となるように塗布し、次いで塗布物を乾燥ゾーン及び加熱ゾーンを通過させた。乾燥ゾーンには、100℃に加熱調整された風を、線速度が0.1m/秒で送った。加熱ゾーンは図4に示したような構成の物であって、スリット状ノズルを長尺状透明支持体の移動方向に対して直角になるように加熱ゾーン入口直後に設置し、加熱した空気(熱風)が支持体の移動方向と平行流になるようにして液晶性ディスコティック化合物層の表面に吹き付けた。熱風は、その温度が130℃に、その線速度が8m/秒になるように調整した。排気口の位置は加熱ゾーン出口直前に設置した。
【0059】
長尺状透明支持体は、その配向膜の上にディスコティック液晶性化合物混合物を塗布した後、3秒後に乾燥ゾーンに入り、次の3秒後に加熱ゾーンに入った。液晶性化合物は加熱ゾーンに3分間滞在して、底面側が長尺状透明支持体の移動方向に45゜傾いた方向(ラビング方向)に配向され、表面側が長尺状透明支持体の搬送方向に配向した状態のツイスト配向したネマチック相を形成した。
【0060】
続いて、この配向された液晶化合物ネマチック層を表面に有する長尺状透明支持体を、連続して20m/分で搬送しながら、液晶化合物ネマチック層の表面に紫外線ランプにより紫外線を照射し後、巻き取った。
【0061】
上記の方法によって製造した長尺状光学補償シートを所定の寸法に裁断したのち、これを用いて図6に示す液晶表示装置を組み立てた。その結果、得られた光学補償シートは、ツイスト配向したネマティック相の光学異方層を形成しており、実用性の高い光学補償シートとして用いることができることが確認された。
【0062】
【発明の効果】
本発明の長尺状光学補償シートの製造方法は、ツイスト配向した液晶性化合物からなる光学異方層を有する光学補償シートを、工業的に効率よく大量に製造するのに好適な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長尺状光学補償シートの製造方法の代表的な例の全工程を説明する概略図である。
【図2】図1に示した加熱ゾーンの構成を詳しく示す図である。
【図3】本発明の長尺状光学補償シートの製造方法で利用されるラビング方法の別の操作例を説明する概略図である。
【図4】図3に示したラビング処理によって配向処理された配向膜を有する長尺状透明支持体の上に形成された液晶性化合物層の表面側を熱風により配向させる加熱ゾーンの構成を詳しく示す図である。
【図5】本発明により得られる光学補償シートの構成の一例を示す斜視図である。
【図6】本発明により得られる光学補償シートが装着された液晶表示装置の構成の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 長尺状透明支持体送出機
12 長尺状透明支持体
13 配向膜形成用樹脂層
14 ラビング装置
15 静電除塵装置
16 配向膜
17 ダスト除去装置
18 液晶性化合物溶液(塗布液)
19 塗布装置
20 乾燥ゾーン
21 液晶性化合物層
22 加熱ゾーン
23 光学異方層
24 紫外線照射装置
25 長尺状光学補償シート
26 長尺状光学補償シート巻取装置
27 搬送ロール
28 加熱気体
29 スリット状ノズル
30 整流板
31 スリット(排気口)
111 透明支持体
112 配向膜
113 光学異方層
114 光学異方層の法線
R 配向方向
β レターデーションの最小値を示す方向の光学異方層の法線からの傾き
TNC TN型液晶セル
A、B 偏光板
PA、PB 偏光軸
RF1、RF2 光学補償シート
BL バックライト
1、R2 光学補償シートの配向方向

Claims (7)

  1. 配向膜形成用樹脂層を表面に備えた長尺状の透明支持体をその長さ方向に移動させながら、該配向膜形成用樹脂層の表面をラビング処理することにより、該樹脂層を配向膜層とし、次に該配向膜層の表面に液晶性化合物溶液を塗布し、乾燥することにより、ラビング方向に配向した液晶性化合物層を形成した後、加熱気体を、該液晶性化合物層の表面に接触させながら、上記ラビング処理の方向とは異なる方向に移動させることによって、該液晶性化合物層の表面側の液晶性化合物を加熱気体の移動方向に沿って配向させ、次いでその配向状態を固定することにより、該液晶性化合物層をツイスト配向した光学異方層とすることを特徴とする長尺状光学補償シートの製造方法。
  2. ラビング方向を、長尺状透明支持体の移動方向と同一の方向とすることを特徴とする請求項1に記載の長尺状光学補償シートの製造方法。
  3. ラビング方向を、長尺状透明支持体の移動方向に対して斜めとなる方向とすることを特徴とする請求項1に記載の長尺状光学補償シートの製造方法。
  4. 加熱気体の温度及び速度のそれぞれが、加熱気体の移動方向に対して横断方向に沿って一定であることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載の長尺状光学補償シートの製造方法。
  5. 加熱気体を透明支持体の上方に配置された二次元ノズルから供給することを特徴とする請求項4に記載の長尺状光学補償シートの製造方法。
  6. 液晶性化合物が液晶性ディスコティック化合物であることを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載の長尺状光学補償シートの製造方法。
  7. 液晶性化合物が重合性基を有する液晶性ディスコティック化合物であって、液晶性化合物層中の液晶性化合物の配向状態の固定を該ディスコティック化合物の重合により行なうことを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載の長尺状光学補償シートの製造方法。
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