JP5186187B2 - 熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法、並びに、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルムおよび液晶表示装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法、並びに、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルムおよび液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法に関する。また、本発明は光学特性を有する熱可塑性樹脂フィルムを用いた偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルムおよび液晶表示装置に関する。
従来、熱可塑性樹脂フィルムを延伸し、面内のレターデーション、厚み方向のレターデーションを発現させ、液晶表示素子の位相差膜として使用し、視野角拡大を図ることが実施されている。特に近年TN液晶表示のテレビ用途への展開のために、液晶表示装置に組み入れたときに高コントラストを実現できる位相差膜が必要とされている。
位相差膜として、熱可塑性樹脂フィルムを延伸したものが知られており、例えば縦(長手)方向に延伸する方法(縦延伸)や、横(幅)方向に延伸する方法(横延伸)、或いは縦延伸と横延伸を順に行う方法(逐次2軸延伸)、縦延伸と横延伸を同時に行う方法(同時2軸延伸)が行われていた。しかしこれらの方法では、液晶表示装置に組み入れたときに高コントラストを実現できない、生産性が悪い等の問題があった。例えば特許文献1には、1軸延伸による位相差膜の製造方法が記載されているが、この方法により製造される位相差膜は、遅相軸が縦方向を向いており偏光子、偏光板との貼り合せをRoll to
Rollで行えず生産性が著しく低かった。このため、特許文献2には遅相軸を横方向に向け、さらにNZ値が0.90〜1.20のフィルムが提案されている。また特許文献3には縦延伸し横延伸をした後、縦方向に収縮させ面内のレターデーションむらを低減している。
しかし、これらの方法では液晶表示装置の画面サイズが大きくなるに従って、画面内に色相むらが発生、特に温度変化を与えると顕在化し改良が望まれていた。
特開2001−305342号公報 特開2007−108529号公報 特開平9−138307号公報
上述の従来技術の課題を解決すべく、本発明は、大型液晶表示装置に組み入れたときに温度変化があっても色相むらが発生しない熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明においては、前記熱可塑性樹脂フィルムを用いた偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルム、および、これらを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明の前記目的は以下の構成を有する本発明により達成される。
[1]
熱可塑性樹脂フィルムを横延伸と同時に又は横延伸後に、縦方向に収縮させる熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、下記(1)式を満足して製膜された原反フィルム(未延伸フィルム)を延伸することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
50(T1−T2)×L1000 (1)式
T1=ダイ出口のメルト温度(℃)、T2=第1冷却ロールに接触した時のメルト温度(℃)
L=ダイのスリット間隔(μm)/第1冷却ロールから剥離する時のフィルム厚み(μm)
[2]
該原反フィルムが、下記(2)式で表される第1冷却ロール上のメルトの冷却速度Vが10℃/秒以上200℃/秒以下で製膜されたことを特徴とする[1]に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
V=(T2−Tg)/t (2)式
T2=第1冷却ロールに接触した時のメルト温度(℃)
Tg=メルトのガラス転移温度(℃)
t=第1冷却ロールにメルトが接触してからTgに達するまでの時間(秒)
[3]
該縦方向の収縮率が1%以上50%以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
[4]
該横延伸の倍率が1.1倍以上3倍以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
[5]
該熱可塑性樹脂フィルムがセルロースアシレート、シクロオレフィン、ラクトン環含有重合体、ポリカーボネイト系重合体からなることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
[6]
該原反フィルムがタッチロール製膜法により製膜されたことを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
[7]
幅方向に遅相軸を有し、Rth/Re比が0.5を超え1未満、光弾性係数の長手方向、幅方向の変動(面内変動)が0.1%以上15%以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム。
[8]
[1]〜[6]のいずれか一項に記載の製造方法によって調製されたことを特徴とする[7]に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[9]
[7]又は[8]の熱可塑性樹脂フィルムを用いた偏光板。
[10]
[7]又は[8]の熱可塑性樹脂フィルムを用いた光学補償フィルム。
[11]
[7]又は[8]の熱可塑性樹脂フィルムを用いた液晶表示装置。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、大型液晶表示装置に組み入れたときに色相むらを抑制できる。また、本発明の製造方法によれば、このような特徴を有する熱可塑性樹脂フィルムを効率よく製造することができる。さらに、本発明の偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルム、液晶表示装置は優れた光学特性を有する。
以下において、本発明の熱可塑性樹脂フィルムとその製造方法、およびその用途について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明では、上記のような画面内に色相むら、特に温度変化を与えた時の色相むらが、フィルム面内の光弾性係数のむらに起因することを解明し、本発明に至った。本発明では、光弾性係数の長手方向、幅方向の変動が0.1%以上15%以下であることが好ましく、より好ましくは変動が0.3%以上10%以下、さらに好ましくは0.5%以上%5以下である。液晶表示装置の中では熱可塑性樹脂フィルムはガラス板に貼り付けて使用されており、これに温度差が与えられるとガラスと熱可塑性樹脂フィルムの間の熱膨張係数の差に起因する収縮または伸張応力が発生する。この応力により熱可塑性樹脂フィルムは光弾性による位相差を発現する。この光弾性係数が不均一だと位相差むらを引起し、これが画像(色相)むらとなっていた。光弾性係数のむら(変動)が本発明の範囲を超えると、上記理由により色相むらが発生し好ましくない。一方本発明の範囲を下回って全面均一となってもが画像むらが発生し好ましくない。光弾性係数が全面均一すぎても温度変化が発生した時の色むらが増加する。これは温度差に由来する収縮応力が液晶表示板の端部と中央で差があり、光弾性係数が全面均一だと発生する位相差は(応力)×(光弾性係数)で発現するため、応力差に対応して位相差むらが発生するためである。
さらに本発明の熱可塑性樹脂フィルムは幅方向に遅相軸を有していることが好ましく、遅相軸と熱可塑性樹脂フィルムの長手方向の軸の成す角度が90°±5°以内が好ましく、より好ましくは90°±2°以内、さらに好ましくは90°±1°以内である。これにより偏光子と貼り合せる際にロール ツー ロールで行なえ好ましい。
さらに本発明の熱可塑性樹脂フィルムはRth/Reが0.5を超え1未満であることが好ましい。より好ましくは0.5を超え0.9以下、さらに好ましくは0.5を超え0.85以下である。この範囲にすることにより、液晶表示装置のコントラストを上げることができる。
このような熱可塑性樹脂フィルムは横延伸と同時に、あるいは横延伸後に縦方向に収縮させることで調製されるが、本発明では下記のように延伸前の原反(未延伸)フィルムの調整法に特徴を有する。
即ち、横延伸は両端をクリップで把持しこれを拡幅することで行われるが、チャク近傍と幅方向中央部とでは延伸挙動に差が生じ、中央部よりチャック近傍のほうが延伸により分子配向し易い。即ち延伸により伸張される分、物質収支を合せるため周囲から補給しようとするが、中央部は両脇から補給できるのに対し端部は片端からしか補給されない。この結果中央部に要する応力は小さく、端部は大きな応力を要する。この応力が分子を配向させるため、中央部は配向が弱く端部の配向が強くなる。このような配向のむらが光弾性係数の不均一性をもたらし、これは縦収縮によりさらに助長され顕著となる。即ち、中央部は配向が弱いため(Reが小さく)縦収縮し難いためRthが減少しにくいため、Rth/Reはより大きくなりやすく、一方端部は配向が強いため(Reが大きく)縦収縮が発生し易くRthが低下し易く、Rth/Reは小さくなり易い。このように縦収縮処理により面内のむらが顕在化し易い。
このような端部と中央の差を減少させるために、端部の分子を予め長手(MD)方向に配向させておくことが好ましい。これにより端部の分子は横延伸中に長手方向から横方向に変化するため、横方向に配向し易い分が原反の長手方向配向の分差し引かれ、中央部の配向と同程度となり、光弾性係数のむらを低減できる。
このような両端が配向した未延伸フィルムは、溶融製膜においてダイから出たメルトを(1−1)式を満足させることで達成できる。
50≦(T1−T2)×L≦1000 (1−1)式
T1=ダイ出口のメルト温度(℃)、T2=第1冷却ロールに接触した時のメルト温度(℃)
L=ダイのスリット間隔(μm)/第1冷却ロールから剥離する時のフィルム厚み(μm)
より好ましくは(1−2)式であり、さらに好ましくは(1−3)式である。
80≦(T1−T2)×L≦800 (1−2)式
100≦(T1−T2)×L≦700 (1−3)式
(T1−T2)はメルト(樹脂の溶融体)がダイから出された時の温度とメルトが冷却ロールに接する際の温度差を示し、これが大きいほど冷却ロール近傍でメルトが冷やされていることを示す。また、ダイのスリット間隔と第1冷却ロールから剥離する時のフィルム厚みの比(L)が大きいほどダイと冷却ロールの間でメルトが伸張されたこと(伸張倍率)を示す(冷却ロール上ではフィルム厚みは殆ど変化しないため、この比は冷却ロールに接触した際のメルトの厚みとダイのスリット間隔の比と同じであるため)。
このようなメルトの配向は低温ほど進行し易く、伸張倍率が大きいほど進行し易い。即ち、(T1−T2)が大きいほど、Lが大きいほどダイと冷却ロールの間でメルトが伸張し易いことを示す。ダイ−冷却ロール間では幅方向が細くなるネックイン現象が発生し、伸張の大きさに伴いネックイン量が増加する。ネックインした端部はMD配向しやすく、上記のような端部がMD配向した未延伸フィルムを実現できる。
さらに、本発明では未延伸フィルムが、(2)式で表される第1冷却ロール上のメルトの冷却速度Vが10℃/秒以上200℃/秒以下、より好ましくは20℃/秒以上180℃/秒以下、さらに好ましくは30℃/秒以上150℃/秒以下で製膜することが好ましい。
V=(T2−Tg)/t (2)式
T2=第1冷却ロールに接触した時のメルト温度(℃)
Tg=メルトのガラス転移温度(℃)
t=第1冷却ロールにメルトが接触してからTgに達するまでの時間(秒)
このように冷却ロール上でもメルトはTg以下になるまで伸張されMD配向するが、ここでも両端のほうがMD配向し易い。
これらのT1はダイリップの温度の調整により達成でき、T2はダイと冷却ロールの距離の調整(長くすることでT2を高くできる)、ダイと冷却ロールの間に遮風板を取り付けたり、ヒーターを設置することでも調整できる。tは冷却ロールに熱媒を通し、その温度を調整することで達成できる。
さらに本発明では未延伸フィルムの製膜にタッチロール製膜法を使用することが好ましい。タッチロール製膜法とは冷却ロールと弾性変形可能はタッチロールの間にメルトを通過させる方法である。この方法を用いるとメルトが2本のロールで引っ張られるためMD配向が発現し易いが、両端部が上記条件でネックインしていると両端の厚みが厚くなり、ロール間により強い力で挟まれ、両端のMD配向を実現し易い。
このような未延伸フィルムを用いて横延伸中あるいは横延伸後に縦収縮するのが好ましい。横延伸倍率は1.1倍以上3倍以下、より好ましくは、より好ましくは1.2倍以上2.5倍以下、さらに好ましくは1.3倍以上2.1倍以下である。ここでいう延伸倍率とは下記式で定義されるものである。
延伸倍率=(延伸後の長さ)/(延伸前の長さ)
このような横延伸はガラス転移温度(Tg)−20℃以上Tg+50℃以下で行われることが好ましく、より好ましくはTg−10℃以上Tg+40℃以下、さらに好ましくはTg−5 ℃以上Tg+30℃以下である。
横延伸の前に予熱、横延伸の後に後熱処理を行うことで延伸後のRe,Rth分布を小さくし、ボーイングに伴う配向角のばらつきを小さくできる。予熱、後熱処理はどちらか一方であっても良いが、両方行うのがより好ましい。後熱処理は延伸温度より1℃以上50℃以下、より好ましく2℃以上40℃以下、さらに好ましくは3℃以上30℃以下低くすることが好ましい。さらに好ましくは延伸温度以下でかつTg以下にするのが好ましい。予熱は延伸温度〜延伸温度+50℃、より好ましくは延伸温度+3℃〜延伸温度+35℃、さらに好ましくは延伸温度+5℃〜延伸温度+20℃である。後熱処理後のボーイングが進行方向に凹の場合は予熱温度を上げる、又は後熱処理温度を下げるのが好ましく、進行方向に凸の場合は逆にすると良い。
縦収縮量は1%以上50%以下が好ましく、より好ましくは2%以上40%以下、さらに好ましくは3%以上35%以下である。縦収縮率は以下のように定義される。
縦収縮率(%)=100×{(縦収縮前の長さ)−(縦収縮後の長さ)}/(縦収縮前の長さ)
縦収縮の速度は0.05%/秒〜10%/秒とし、好ましくは0.1%/秒〜8%/秒、より好ましくは0.3%/秒〜5%/秒である。
縦収縮の温度は(Tg−20)℃〜(Tg+50)℃、より好ましくは(Tg−10)℃〜(Tg+40)℃、さらに好ましくは(Tg−5℃)〜(Tg+30)℃である。
縦収縮処理に要する時間は1秒以上10分以下が好ましく、より好ましくは5秒以上8分以下、さらに好ましくは10秒以上5分以下である。
縦収縮は横延伸中に実施しても良く、横延伸後に実施しても良い。縦収縮は具体的には下記<1>〜<4>で実施できるが、より好ましいのが<2>、<4>である。これらは単独で実施しても良く、組合わせて実施しても良い。
(1)横延伸後に縦収縮
<1>横延伸(テンター延伸)に引き続き行うテンター内の搬送におけるクリップの搬送速度を、延伸中のクリップの搬送速度より遅くする。この時のテンター出口の速度の50%〜99%、好ましくは60%〜98%、より好ましくは70%〜97%で搬送する。
このような縦収縮は、例えば横延伸と縦収縮を別のテンターレールを用意し、速度を独立に制御できるようにすることで達成できる。例えば特開平6−210726号公報、特開平6−278204号公報、特開平11−77825号公報、特開2004−195712号公報、特開2006−142595号公報等に記載のようなものを使用し、縦(搬送方向)に収縮させることで実現できる。
<2>テンターによる横延伸の後(テンターのクリップを外した後)、熱処理ゾーンに延伸フィルムを入れ、延伸フィルムの搬送速度を入口側より出口側の遅くしながら熱処理することにより成され、出口側の搬送速度を入口側速度の好ましくは50%〜99%、より好ましくは60%〜98%、さらに好ましくは70%〜97%で搬送する。さらに縦方向の収縮を優先的に発生させるために、熱処理ゾーンの縦横比(ゾーン長を入口側フィルム幅で割った値)は0.01〜2であることが好ましく、より好ましくは0.05〜1.6、さらに好ましくは0.1〜1.3である。
このような縦収縮は、例えばテンターの後に設けられる熱処理ゾーンの出口にニップロールを設け、この速度をテンターの搬送速度より上記の様に遅らせることで達成できる。また、2対以上のニップロールを用意し、出口側の搬送速度を入口側より上記のように遅らせることで達成できる。このような熱処理はニップロール間に熱処理ゾーンやヒーターを設けて行ってもよく、またニップロールを加熱し熱可塑性樹脂フィルムを上記範囲に調整することで行ってもよい。この縦収縮は、横延伸の後に引き続き実施してもよく、あるいは横延伸後一度巻き取ったものを送り出して実施してもよい。
このような出口側の搬送速度を下げる縦収縮は、搬送張力を弱くしただけの熱処理とは効果が全く異なる。即ち搬送張力低下だけではRth/Reを1未満にできず、上記のように積極的に搬送速度を遅くすることが必要である。
さらに、Rth/Reをより低下させるためには、横方向の収縮を抑制し縦方向にのみ収縮を行わせる必要がある。これには多数のロール間を通過させることで、ロールと熱可塑性樹脂フィルムの間の摩擦力で幅方向収縮を抑制でき有効である。ロールラップ長(W)/ロール間長(G)が0.01以上3以下が好ましく、より好ましくは0.03以上1以下、さらに好ましくは0.05以上0.5以下である。ロールの数は2本以上100本以下が好ましく、より好ましくは3本以上50本以下、さらに好ましくは4本以上20本以下である。好ましいロールの直径は5cm以上100cm以下が好ましく、より好ましくは10cm以上80cm以下、さらに好ましくは15cm以上60cm以下である。
<3>テンターのチャック上で熱可塑性樹脂フィルムを搬送方向に収縮させることにより達成される。即ち、横延伸中あるいは横延伸後にチャック上で熱可塑性樹脂フィルムを搬送方向にスリップさせることで縦収縮させることができる。延伸した熱可塑性樹脂フィルムは収縮しようとし収縮応力が働くが、延伸(幅)方向にはチャックで把持されており収縮できない。一方、チャックに搬送(縦)方向に熱可塑性樹脂フィルムが滑るようにしておくと、この収縮応力により縦収縮させることができる。このような方法としては特に限定されないが、例えばチャックのクリップ部に搬送方向に滑車を設置することでも達成でき、またクリップの熱可塑性樹脂フィルム把持面に滑性の素材(例えばテフロン)を貼り付けてもよい。縦収縮率は好ましくは1%〜50%、より好ましくは2%〜40%、さらに好ましくは3%〜30%である。
(2)横延伸中に縦収縮
<4>横延伸中の縦収縮は、横延伸中にテンター内のクリップの搬送速度を入口側から出口側に向かって遅くしながら幅方向に延伸することで達成でき、例えば、二軸延伸機を用いて行うことができ、具体的には、横延伸と縦収縮とを自動的に行うことができる。例えば、特開2003−211533、特開平6−210726、特開平6−278204、特開平11−77825、特開2000−246795、特開2004−106434、特開2004−195712、特開2006−142595、特開2006−22916等に記載の装置を使用できる。具体的には、市金工業社製の高機能薄膜装置(商品名FITZ)等が使用できる。この装置は、縦方向(フィルムの長手方向=フィルムの進行方向)の延伸倍率と横方向(幅方向=フィルムの進行方向と垂直方向)の延伸倍率を任意に設定でき、さらに縦方向(長手方向)の収縮倍率も任意に設定可能であるため、延伸および収縮を同時に所定の条件で行うことができる。また、例えば、一般的に知られているレール幅制御方式、パンダグラフ方式、リニアモーターによる走行速度を制御する方式等を適宜組み合わせることによって、幅方向の延伸倍率を制御するとともに、フィルム端部を挟時したクリップの間隔を変化させて長手方向の長さを制御するようにした二軸延伸機等も使用できる。
本発明の延伸は、遅相軸が幅方向に配向している限り横延伸に縦延伸を組合わせることができる。縦延伸は2対のニップロールの間を熱可塑性樹脂フィルムを加熱しながら搬送し、出口側のニップロールの周速を入口側のニップロールの周速より速くすることで達成できる。縦延伸の好ましい延伸温度は(Tg−10℃)〜(Tg+50)℃、より好ましくは(Tg−5℃)〜(Tg+40)℃、さらに好ましくは(Tg)〜(Tg+30)℃である。好ましい延伸倍率は1.02倍以上2倍以下であり、より好ましくは1.04倍以上1.8倍以下、さらに好ましくは1.06倍以上1.6倍以下である。
これらの横延伸、縦収縮、縦延伸は熱可塑性樹脂フィルム中の残留溶剤が0.1wt%以下で行うのが好ましく、より好ましくは0wt%である。
このようにして得た横延伸・縦収縮後の熱可塑性樹脂フィルムは
280≧Re≧20
150≧Rth≧10
であり、より好ましくは
200≧Re≧30
120≧Rth≧15
であり、さらに好ましくは
120≧Re≧40
100≧Rth≧20
である。
延伸後のフィルムの厚みは15μm〜200μmが好ましく、より好ましくは20μm〜120μm、さらに好ましくは25μm〜90μmである。厚みむらは長手方向、幅方向いずれも0%〜3%が好ましく、より好ましくは0%〜2%、さらに好ましくは0%〜1%である。延伸後のフィルムの幅は0.7m以上4m以下が好ましく、0.9m以上3.5m以下がより好ましく、さらに好ましくは1.1m以上3m以下である。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定されるもので、測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルまたはプログラム等で交換して測定するができる。
測定されるフイルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフイルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレタデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレタデーションの値がゼロとなる方向をもつフイルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレタデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフイルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレタデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(1)及び式(2)よりRthを算出することもできる。
Figure 0005186187
注記:
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレタデーション値をあらわす。
式(1)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルム厚みを表す。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d −−− 式(2)
測定されるフイルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフイルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレタデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
以下に本発明を順を追って説明を加える。
(1)熱可塑性樹脂フィルムの素材
本発明で使用する熱可塑性樹脂フィルムは特に限定されないが、好ましくはセルロースアシレート、ラクトン環含有重合体、環状オレフィン、ポリカーボネイトが挙げられる。中でも好ましいのがセルロースアシレート、環状オレフィンであり、中でも好ましいのがアセテート基、プロピオネート基を含むセルロースアシレート、付加重合によって得られた環状オレフィンであり、さらに好ましくは付加重合によって得られた環状オレフィンである。
1)セルロースアシレート
セルロースアシレートは例えば特開2006−45500、特開2006−241433、特開2007−138141、特開2001−188128、特開2006−142800、特開2007−98917記載のものを使用でき、全アシル置換度は2.1以上3.0以下が好ましく、アセチル基の置換度は0.05以上2.5以下が好ましく、より好ましくは0.05以上0.5以下あるいは1.5以上2.5以下である。プロピオニル置換度は0.1以上2.8以下が好ましく、より好ましくは0.1以上1.2以下あるいは2.3以上2.8以下である。
2)環状オレフィン
環状オレフィンはノルボルネン系化合物から重合されるものが好ましい。この重合は開環重合、付加重合いずれの方法でも行える。付加重合としては例えば特許3517471のものや特許3559360、特許3867178、特許3871721、特許3907908、特許3945598、特表2005−527696、特開2006−28993、WO2006−004376に記載のものが挙げられる。特に好ましいのは特許3517471に記載のものである。
開環重合としてはWO98−14499、特許3060532、特許3220478、特許3273046、特許3404027、特許3428176、特許3687231、特許3873934、特許3912159に記載のものが挙げられる。なかでも好ましいのがWO98−14499、特許3060532に記載のものである。
これらの環状オレフィンの中でも付加重合のもののほうがより好ましい。
3)ラクトン環含有重合体
下記一般式(1)で表されるラクトン環構造を有するものを指し
Figure 0005186187
(式中、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の有機残基を表す。なお、有機残基は酸素原子を含んでいても良い。)
一般式(1)のラクトン環構造の含有割合は、好ましくは5〜90重量%、より好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。
一般式(1)で表されるラクトン環構造以外に、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有単量体、不飽和カルボン酸、下記一般式(2a)で表される単量体から選ばれる少なくとも1種を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)が好ましい。
Figure 0005186187
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、−OAc基、−CN基、−CO−R基、または−C−O−R基を表し、Ac基はアセチル基を表し、RおよびRは水素原子または炭素数1〜20の有機残基を表す。)
例えば、WO2006/025445、特開2007−70607、特開2007−63541、特開2006−171464、特開2005−162835記載のものを用いることができる。
4)ポリカーボネイト系樹脂
ジヒドロキシ成分とカーボネート前駆体とを界面重合法または溶融重合法で反応させて得られるものであり、例えば、特開2006−277914に記載のものや特開2006−106386、特開2006−284703記載のものが好ましく用いることができる。
5)添加剤
これらの熱可塑性樹脂フィルムには、可塑剤としてアルキルフタルリルアルキルグリコレート類、リン酸エステル類、カルボン酸エステル類、多価アルコール類を0〜20質量%添加できる。安定剤としてホスファイト系安定剤(例えばトリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト)、フェノール系安定剤(たとえば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチルテトラキス[.3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドキシフェニル)プロピオレート、4,4−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオレート]、エポキシ化合物、チオエーテル化合物を0〜3質量%添加できる。マット剤としてシリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、炭酸カルシウム、クレイ等の無機微粒子、架橋アクリル、架橋スチレン等の有機微粒子を0〜1000ppm添加できる。また紫外線吸収剤(例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2,−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]])や赤外線吸収剤、レターデーション調整剤を添加することも好ましい。
(2)熱可塑性樹脂フィルムの製膜
イ)ペレット化
前記熱可塑性樹脂と添加物とは溶融製膜に先立ち混合しペレット化するのが好ましい。
ペレット化は前記熱可塑性樹脂と添加物を乾燥した後、2軸混練押出機を用い150℃〜300℃で溶融後、ヌードル状に押出したものを空気中あるいは水中で固化し裁断することで作製できる。また、押出機による溶融後水中に口金より直接押出ながらカットする、アンダーウオーターカット法等によりペレット化を行ってもかまわない。
押出機は単軸スクリュー押出機、非かみ合い型異方向回転二軸スクリュー押出機、かみ合い型異方向回転二軸スクリュー押出機、かみ合い型同方向回転二軸スクリュー押出機などを用いることができる。押出機の回転数は10rpm〜1000rpmが好ましく、より好ましくは20rpm〜700rpmである。押出滞留時間は10秒以上10分以内、より好ましくは20秒間〜5分以内である。
好ましいペレットの大きさは1mm3〜1000mm2がこのましく、より好ましくは3mm3〜100mm3である。
ロ)混練溶融
溶融製膜に先立ちペレット中の水分を減少させることが好ましい。好ましい乾燥温度は40〜200℃、さらに好ましくは60〜150℃である。これにより含水率が1.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。乾燥は空気中で行っても良く、窒素中で行っても良く、真空中で行っても良い。
乾燥したペレットは押出機の供給口を介してシリンダー内に供給され混練、溶融される。シリンダー内は供給口側から順に、供給部(領域A)、圧縮部(領域B)、計量部(領域C)とで構成される。押出機のスクリュー圧縮比は1.5〜4.5が好ましく、シリンダー内径に対するシリンダー長さの比(L/D)は20〜70が好ましく、シリンダー内径は30mm〜150mmが好ましい。押出温度は190〜300℃が好ましい。さらに残存酸素による溶融樹脂の酸化を防止するため、押出機内を不活性(窒素等)気流中、あるいはベント付き押出し機を用い真空排気しながら実施するのも好ましい。
ハ)濾過
樹脂中の異物濾過のためブレーカープレート式の濾過やリーフ型ディスクフィルターを組み込んだ濾過装置を設けることが好ましい。濾過は1段で行っても良く多段濾過でもよい。濾過精度は15μm〜3μmが好ましくさらに好ましくは10μm〜3μmである。濾材はステンレス鋼を用いることが望ましい。濾材の構成は、線材を編んだもの、金属繊維もしくは金属粉末を焼結したもの(焼結濾材)が使用でき、中でも焼結濾材が好ましい。
ニ)ギアポンプ
吐出量の変動を減少させ厚み精度を向上させるために、押出機出機とダイの間にギアポンプを設けることが好ましい。これによりダイ内の樹脂圧力変動巾を±1%以内にできる。
ギアポンプによる定量供給性能を向上させるために、スクリューの回転数を変化させて、ギアポンプ前の圧力を一定に制御する方法も用いることができる。
ホ)ダイ
前記の如く構成された押出機によって溶融され、必要に応じ濾過機、ギアポンプを経由して溶融樹脂がダイに連続的に送られる。ダイはTダイ、フィッシュテールダイ、ハンガーコートダイの何れのタイプでも構わない。またダイの直前に樹脂温度の均一性アップのためスタティックミキサーを入れることも好ましい。
ダイは5〜50mm間隔で厚み調整可能であることが好ましい。また下流のフィルム厚み、厚み偏差を計算し、その結果をダイの厚み調整にフィードバックさせる自動厚み調整ダイも有効である。
単層製膜装置以外にも、多層製膜装置を用いて製造も可能である。
このようにして、樹脂が供給口から押出機に入ってからダイから出るまでの滞留時間は3分〜40分が好ましく、さらに好ましくは4分〜30分である。
ヘ)キャスト
ダイよりシート上に押し出された溶融樹脂(メルト)をキャスティングドラム上で冷却固化し、フィルムを得る。
メルトがキャスティングドラムに接触する際、静電印加法、エアナイフ法、エアーチャンバー法、バキュームノズル法、タッチロール法等を用い、キャスティングドラムとメルトとの密着を上げることが好ましく、このような密着向上法はメルトの全面に実施してもよく、一部に実施してもよい。中でもタッチロール法が好ましい。
タッチロール法により上述のように端部をMD配向でき、光弾性率の変動を本発明の範囲に入れることができる。
タッチロール法とは、キャストドラム上にタッチロールを置いてフィルム表面を整形するものである。この時、タッチロールは通常の剛性の高いものではなく、弾性を有するものが好ましい。これにより過剰な面圧により生成したフィルム面内に局所的な残留歪の発生を抑制し、この結果光弾性係数を本発明の範囲にできる。このような弾性を有するタッチロールは、ロールの外筒厚みを通常のロールよりも薄くすることが必要であり、外筒の肉厚Zは、0.05mm〜7.0mmが好ましく、より好ましくは0.2mm〜5.0mm、さらに好ましくは0.3mm〜3.5mmである。タッチロールは金属シャフトの上に設置し、その間に熱媒(流体)を通してもよく、外筒と金属シャフトの上に間に弾性体層を設け、外筒の間に熱媒(流体)を満たしたものが挙げられる。タッチロールによる押付けは弱いほうが残留歪に因る光弾性の変動が小さくでき好ましいが、小さすぎるとタッチロールによりキャスティングドラムに均一に密着させる効果が低減し光弾性率のむらが増加し好ましくない。このためタッチロールの面圧は0.1MPa〜5MPaが好ましく、より好ましく0.2MPa〜3MPa、さらに好ましくは0.3MPa〜2MPaである。ここでいう面圧とはタッチロールを押し付けている力を熱可塑性樹脂フィルムとタッチロールの接触面積で割った値である。
タッチロールの温度は60℃〜160℃、より好ましくは70℃〜150℃、さらに好ましくは80℃〜140℃に設定するのが好ましい。このような温度制御はこれらのロール内部に温調した液体、気体を通すことで達成できる。このように内部に温調機構を有するものがより好ましい。
タッチロールの材質は金属であることが好ましく、より好ましくはステンレスであり、表面にメッキを行うことも好ましい。一方ゴムロールやゴムでライニングした金属ロール
ではゴム表面の凹凸が大きすぎ、上記の表面凹凸を持つ熱可塑性樹脂フィルムを製膜できず好ましくない。
タッチロール、キャスティングロールの表面は、算術平均高さRaが100nm以下、好ましくは50nm以下、さらに好ましくは25nm以下である。
タッチロールは例えば特開平11−314263号公報、特開2002−36332号公報、特開平11−235747号公報、国際公開第97/28950号パンフレット、特開2004−216717号公報、特開2003−145609号公報記載のものを利用できる。
キャスティングドラム(ロール)は複数本用いて徐冷することがより好ましい(このうち前記タッチロールを用いるのは最上流側(ダイに近い方)の最初のキャスティングロールにタッチさせるように配置する)。一般的には2〜5本の冷却ロールを用いることが比較的よく行われているが、この限りではない。ロールの直径は100mm〜1500mmが好ましく、より好ましくは150mm〜1000mmである。複数本あるロールの間隔は、面間で0.3mm〜300mmが好ましく、より好ましくは、1mm〜100mm、さらに好ましくは3mm〜30mmである。キャスティングドラムは60℃〜160℃が好ましく、より好ましくは70℃〜150℃、さらに好ましくは80℃〜140℃である。
この後、キャスティングドラムから剥ぎ取り、ニップロールを経た後巻き取る。巻き取り速度は10m/分〜100m/分が好ましく、より好ましくは15m/分〜80m/分、さらに好ましくは20m/分〜70m/分である。
製膜幅は0.7m〜3mが好ましく、1m〜2mがさらに好ましい。製膜後(未延伸)の厚みは30μm〜300μmが好ましく、より好ましくは40μm〜250μm、さらに好ましくは60μm〜200μmである。
ト)トリミング、厚みだし加工、巻取り
このようにして延製膜した後、両端をトリミングすることも好ましい。トリミングで切り落とした部分は破砕し、再度原料として使用してもよい。
また片端あるいは両端に厚みだし加工(ナーリング処理)を行うことも好ましい。厚みだし加工による凹凸の高さは1μm〜50μmが好ましく、より好ましくは3μm〜20μmである。厚みだし加工は両面に凸になるようにしても、片面に凸になるようにしても構わない。厚みだし加工の幅は1mm〜50mmが好ましく、より好ましくは3mm〜30mmである。押出し加工は室温〜300℃で実施できる。
巻き取る前に片面或いは両面にラミフィルムを付けることも好ましい。ラミフィルムの厚みは5μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。材質はポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン等、特に限定されない。
好ましい巻き取り張力は2kg/m幅〜50kg/m幅、より好ましくは5kg/m幅〜30kg/m幅である。
(3)延伸
溶融製膜した熱可塑性樹脂フィルムは上述のように横延伸、縦収縮を行うのが好ましい。必要に応じて縦延伸を行っても良い。
(4)フィルムの加工
このようにして得た本発明の熱可塑性樹脂フィルム単独で使用してもよく、これらと偏光板と組み合わせて使用してもよく、これらの上に液晶層や屈折率を制御した層(低反射層)やハードコート層を設けて使用してもよい。これらは以下の工程により達成できる。(表面処理)
1)セルロースアシレートフィルム
表面処理を行うことによって、各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の
向上させることができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ鹸化処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torr(0.13〜2700Pa)の低圧ガス下でおこる低温プラズマ処理を含む。また、大気圧下でのプラズマ処理も好ましいグロー放電処理である。
これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理である。
アルカリ鹸化処理は、鹸化液に浸漬してもよく(浸漬法)、鹸化液を塗布してもよい(塗布法)。浸漬法の場合は、NaOHやKOH等のpH10〜14の水溶液を20℃〜80℃に加温した槽を0.1分間から10分間通過させたあと、中和、水洗、乾燥することで達成できる。
塗布法の場合、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法およびE型塗布法を用いることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、濡れ性向上のためアルコール系溶媒を用いるのが好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、KOH、NaOH等を用いることができる。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。鹸化条件は、室温で5秒〜5分が好ましく、20秒〜3分が特に好ましい。鹸化反応後、水洗することが好ましい。塗布式鹸化処理と後述の配向膜解塗設を連続して行うことができ、工程数を減少できる。これらの鹸化方法は、例えば特開2002−82226号公報、国際公開第02/46809号パンフレットに内容の記載が挙げられる。
機能層との接着のため下塗り層を設けることも好ましい。この層は前記表面処理をした後、塗設してもよく、表面処理なしで塗設してもよい。下塗層についての詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁に記載されている。
これらの表面処理、下塗り工程は、製膜工程の最後に組み込むこともでき、単独で実施することもでき、後述の機能層付与工程の中で実施することもできる。
2)セルロースアシレート以外の本発明の熱可塑性樹脂フィルム
セルロースアシレート以外の本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torr(0.13〜2700Pa)の低圧ガス下でおこる低温プラズマ処理を含む。また、大気圧下でのプラズマ処理も好ましいグロー放電処理である。
これらの中でも好ましいのがグロー放電処理、コロナ処理、火炎処理であり、さらに好ましのがコロナ処理である。
機能層との接着のため下塗り層を設けることも好ましい。この層は前記表面処理をした後、塗設してもよく、表面処理なしで塗設してもよい。下塗層についての詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁に記載されている。
これらの表面処理、下塗り工程は、製膜工程の最後に組み込むこともでき、単独で実施することもでき、後述の機能層付与工程の中で実施することもできる。
(機能層の付与)
本発明の熱可塑性樹脂フィルムに、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に詳細に記載されている機能性層を組み合わせることが好ましい。中でも好ましいのが、偏光層の付与(偏光板)、光学異方性層(光学補償層)の付与、反射防止層の付与(反射防止フィルム)である。
<光学異方性層>
光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶性化合物を補償する
ように設計することが好ましい。黒表示における液晶セル中の液晶性化合物の配向状態は、液晶表示装置のモードにより異なる。この液晶セル中の液晶性化合物の配向状態に関しては、IDW'00、FMC7−2のP411〜414等に記載されている。
光学異方性層は、支持体上に直接液晶性化合物から形成するか、もしくは配向膜を介して液晶性化合物から形成する。配向膜は、10μm以下の膜厚を有することが好ましい。
光学異方性層に用いる液晶性化合物には、棒状液晶性化合物およびディスコティック液晶性化合物が含まれる。棒状液晶性化合物およびディスコティック液晶性化合物は、高分子液晶でも低分子液晶でもよく、さらに、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。光学異方性層は、液晶性化合物および必要に応じて重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成できる。本発明の配向膜として好ましい例は、特開平8−338913号公報に記載されている。
(棒状液晶性化合物)
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性化合物として用いることができる。すなわち、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性化合物については、例えば、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載のものを採用できる。
棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、不飽和重合性基またはエポキシ基が好ましく、不飽和重合性基がさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基が最も好ましい。
(ディスコティック液晶性化合物)
ディスコティック液晶性化合物には、C.Destradeらの研究報告(Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年))に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告(Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990))に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告(Angew.Chem.96巻、70頁(1984年))に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告(J.C.S.,Chem.Commun.,1794頁(1985年))、J.Zhangらの研究報告(J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年))に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
ディスコティック液晶性化合物としては、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造の化合物も含まれる。分子または分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。ディスコティック液晶性化合物から形成する光学異方性層は、最終的に光学異方性層に含まれる化合物がディスコティック液晶性化合物である必要はなく、例えば、低分子のディスコティック液晶性分子が熱や光で反応する基を有しており、結果的に熱、光で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失った化合物も含まれる。ディスコティック液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記式(5)で表わされる化合物であることが好ましい。
一般式(5)
D(−LQ)r
(一般式(5)中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基であり、rは4〜12の整数である。)
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。
Figure 0005186187
Figure 0005186187
Figure 0005186187
Figure 0005186187
Figure 0005186187
Figure 0005186187
Figure 0005186187
Figure 0005186187
Figure 0005186187
一般式(5)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
L1:−AL−CO−O−AL−、
L2:−AL−CO−O−AL−O−、
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−、
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−、
L5:−CO−AR−O−AL−、
L6:−CO−AR−O−AL−O−、
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−、
L8:−CO−NH−AL−、
L9:−NH−AL−O−、
L10:−NH−AL−O−CO−、
L11:−O−AL−、
L12:−O−AL−O−、
L13:−O−AL−O−CO−、
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−、
L15:−O−AL−S−AL−、
L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO−、
L17:−O−CO−AR−O−AL−CO−、
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−、
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−、
L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−、
L21:−S−AL−、
L22:−S−AL−O−、
L23:−S−AL−O−CO−、
L24:−S−AL−S−AL−、
L25:−S−AR−AL−。
一般式(5)の重合性基(Q)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示す。
Figure 0005186187
重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1、Q2、Q3、Q7、Q8、Q15、Q16、Q17)またはエポキシ基(Q6、Q18)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q1、Q7、Q8、Q15、Q16、Q17)であることが最も好ましい。具体的なrの値は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
ハイブリッド配向では、ディスコティック液晶性化合物の長軸(円盤面)と支持体の面との角度、すなわち傾斜角が、光学異方性層の深さ(すなわち、透明支持体に垂直な)方向でかつ偏光膜の面からの距離の増加と共に増加または減少している。角度は、距離の増加と共に増加することが好ましい。さらに、傾斜角の変化としては、連続的増加、連続的
減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、あるいは、増加および減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少していればよい。しかしながら、傾斜角は連続的に変化することが好ましい。
ディスコティック液晶性化合物の長軸(円盤面)の平均方向(各分子の長軸方向の平均)は、一般にディスコティック液晶性化合物あるいは配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)のディスコティック液晶性化合物の長軸(円盤面)方向は、一般にディスコティック液晶性化合物あるいはディスコティック液晶性化合物と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。
ディスコティック液晶性化合物と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマーおよびポリマーなどを挙げることができる。長軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性分子と添加剤との選択により調整できる。
ディスコティック液晶性化合物と共に使用する可塑剤、界面活性剤および重合性モノマーは、ディスコティック液晶性化合物と相溶性を有し、ディスコティック液晶性化合物の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。添加成分の中でも重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基を有する化合物)の添加が好ましい。上記化合物の添加量は、ディスコティック液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が4以上のモノマーを混合して用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高めることができる。
前記光学異方性層は、ディスコティック液晶性化合物とともにポリマーを含有していてもよい。該ポリマーは、ディスコティック液晶性化合物とある程度の相溶性を有し、ディスコティック液晶性化合物に傾斜角の変化を与えられることが好ましい。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。ディスコティック液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、ディスコティック液晶性化合物に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
(液晶性分子の配向状態の固定)
配向させた液晶性分子を、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各公報記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号公報記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号公報記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各公報記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号公報記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号、米国特許4239850号の各公報記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号公報記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2の範囲にあることが好ましく、20mJ/cm2〜5000mJ/cm2の範囲にあることがより好ましく、100mJ/cm2〜800mJ/cm2の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。
前記光学異方性層は、前記液晶性化合物の少なくとも一種と、所望により重合性開始剤、フッ素系ポリマー等の添加剤を含有する塗布液を調製し、該塗布液を配向膜表面に塗布・乾燥することで形成することができる。
フッ素系化合物としては、従来公知の化合物が挙げられるが、具体的には、例えば特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]に記載のフッ素系化合物等が挙げられる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
均一性の高い光学補償フィルムを作製する場合には、前記塗布液の表面張力が25mN/m以下であることが好ましく、22mN/m以下であることが更に好ましい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
[偏光板]
(偏光膜)
本発明の偏光板に使用可能な偏光膜は、Optiva社製のものに代表される塗布型偏光膜、またはバインダーとヨウ素もしくは二色性色素とからなる偏光膜が好ましい。
偏光膜におけるヨウ素および二色性色素は、バインダー中で配向することで偏向性能を発現する。ヨウ素および二色性色素は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。
汎用の偏光子は、例えば、延伸したポリマーを、浴槽中のヨウ素もしくは二色性色素の溶液に浸漬し、バインダー中にヨウ素、もしくは二色性色素をバインダー中に浸透させることで作製することができる。
汎用の偏光膜は、ポリマー表面から4μm程度(両側合わせて8μm程度)にヨウ素もしくは二色性色素が分布しており、十分な偏光性能を得るためには、少なくとも10μmの厚みが必要である。浸透度は、ヨウ素もしくは二色性色素の溶液濃度、同浴槽の温度、同浸漬時間により制御することができる。
上記のように、バインダー厚みの下限は、10μmであることが好ましい。一方、厚みの上限については、特に限定はしないが、偏光板を液晶表示装置に使用した場合に発生する光漏れ現象の観点からは、薄ければ薄い程よい。現在、汎用の偏光板(約30μm)以下であることが好ましく、25μm以下が好ましく、20μm以下がさらに好ましい。20μm以下であると、光漏れ現象は、17インチの液晶表示装置では、観察されなくなる。
偏光膜のバインダーは架橋していてもよい。架橋しているバインダーは、それ自体架橋可能なポリマーを用いることができる。官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入して得られるバインダーを、光、熱あるいはpH変化により、バインダー間で反応させて偏光膜を形成することができる。
また、架橋剤によりポリマーに架橋構造を導入してもよい。反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてバインダー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、バインダー間を架橋することにより形成することができる。
架橋は一般に、ポリマーまたはポリマーと架橋剤の混合物を含む塗布液を、透明支持体上に塗布したのち、加熱を行なうことにより実施される。最終商品の段階で耐久性が確保できればよいため、架橋させる処理は、最終の偏光板を得るまでのいずれの段階で行なってもよい。
偏光膜のバインダーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。ポリマーの例には、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、ポリビニルトルエン、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、塩素化ポリオレフィン(例、ポリ塩化ビニル)、ポリエステル、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリカーボネイトおよびそれらのコポリマー(例、アクリル酸/メタクリル酸重合体、スチレン/マレインイミド重合体、スチレン/ビニルトルエン重合体、酢酸ビニル/塩化ビニル重合体、エチレン/酢酸ビニル重合体)が含まれる。水溶性ポリマー(例、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール)が好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールがさらに好ましく、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。
ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールのケン化度は、70〜100%が好ましく、80〜100%がさらに好ましく、95〜100%が最も好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜5000が好ましい。
変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールに対して、共重合変性、連鎖移動変性あるいはブロック重合変性により変性基を導入して得られる。共重合変性では、変性基として、−COONa、−Si(OH)3、N(CH33・Cl、C919COO−、−SO3Na、−C1225を導入することができる。連鎖移動変性では、変性基として、−COONa、−SH、−SC1225を導入することができる。変性ポリビニルアルコールの重合度は、100〜3000が好ましい。変性ポリビニルアルコールについては、特開平8−338913号、同9−152509号および同9−316127号の各公報に記載がある。
ケン化度が85〜95%の未変性ポリビニルアルコールおよびアルキルチオ変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。
ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールは、2種以上を併用してもよい。
バインダーの架橋剤は、多く添加すると、偏光膜の耐湿熱性を向上させることができる。ただし、バインダーに対して架橋剤を50質量%以上添加すると、ヨウ素、もしくは二色性色素の配向性が低下する。架橋剤の添加量は、バインダーに対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましい。
バインダーは、架橋反応が終了した後でも、反応しなかった架橋剤をある程度含んでいる。ただし、残存する架橋剤の量は、バインダー中に1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。バインダー層中に1.0質量%を
超える量で架橋剤が含まれていると、耐久性に問題が生じる場合がある。すなわち、架橋剤の残留量が多い偏光膜を液晶表示装置に組み込み、長期使用、あるいは高温高湿の雰囲気下に長期間放置した場合に、偏光度の低下が生じることがある。
架橋剤については、米国再発行特許23297号公報に記載がある。また、ホウ素化合物(例、ホウ酸、硼砂)も、架橋剤として用いることができる。
二色性色素としては、アゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素あるいはアントラキノン系色素が用いられる。二色性色素は、水溶性であることが好ましい。二色性色素は、親水性置換基(例、スルホ、アミノ、ヒドロキシル)を有することが好ましい。
二色性色素の例には、C.I.ダイレクト・イエロー12、C.I.ダイレクト・オレンジ39、C.I.ダイレクト・オレンジ72、C.I.ダイレクト・レッド39、C.I.ダイレクト・レッド79、C.I.ダイレクト・レッド81、C.I.ダイレクト・レッド83、C.I.ダイレクト・レッド89、C.I.ダイレクト・バイオレット48、C.I.ダイレクト・ブルー67、C.I.ダイレクト・ブルー90、C.I.ダイレクト・グリーン59、C.I.アシッド・レッド37が含まれる。二色性色素については、特開平1−161202号、同1−172906号、同1−172907号、同1−183602号、同1−248105号、同1−265205号、同7−261024号の各公報に記載がある。二色性色素は、遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩として用いられる。2種類以上の二色性色素を配合することにより、各種の色相を有する偏光膜を製造することができる。偏光軸を直交させた時に黒色を呈する化合物(色素)を用いた偏光膜、あるいは黒色を呈するように各種の二色性分子を配合した偏光膜または偏光板が、単板透過率および偏光率とも優れており好ましい。
液晶表示装置のコントラスト比を高めるためには、偏光板の透過率は高い方が好ましく、偏光度も高い方が好ましい。偏光板の透過率は、波長550nmの光において、30〜50%の範囲にあることが好ましく、35〜50%の範囲にあることがさらに好ましく、40〜50%の範囲にある(偏光板の単板透過率の最大値は50%である)ことが最も好ましい。偏光度は、波長550nmの光において、90〜100%の範囲にあることが好ましく、95〜100%の範囲にあることがさらに好ましく、99〜100%の範囲にあることが最も好ましい。
偏光膜と光学異方性層、あるいは、偏光膜と配向膜を、接着剤を介して配置することも可能である。接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂(アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基による変性ポリビニルアルコールを含む)やホウ素化合物水溶液を用いることができる。その中でもポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。接着剤層の厚みは、乾燥後に0.01〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05〜5μmの範囲にあることが特に好ましい。
(偏光板の製造)
偏光膜は、歩留まりの観点から、バインダーを偏光膜の長手方向(MD方向)に対して、10〜80度傾斜して延伸するか(延伸法)、もしくはラビングした(ラビング法)後に、ヨウ素、二色性染料で染色することが好ましい。傾斜角度は、LCDを構成する液晶セルの両側に貼り合わされる2枚の偏光板の透過軸と液晶セルの縦または横方向のなす角度にあわせるように延伸することが好ましい。
通常の傾斜角度は45度である。しかし、最近は、透過型、反射型および半透過型LCDにおいて必ずしも45度でない装置が開発されており、延伸方向はLCDの設計にあわせて任意に調整できることが好ましい。
延伸法の場合、延伸倍率は2.5〜30.0倍が好ましく、3.0〜10.0倍がさら
に好ましい。延伸は、空気中でのドライ延伸で実施できる。また、水に浸漬した状態でのウェット延伸を実施してもよい。ドライ延伸の延伸倍率は、2.5〜5.0倍が好ましく、ウェット延伸の延伸倍率は、3.0〜10.0倍が好ましい。延伸工程は、斜め延伸を含め数回に分けて行ってもよい。数回に分けることによって、高倍率延伸でもより均一に延伸することができる。斜め延伸前に、横あるいは縦に若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度)を行ってもよい。
延伸は、二軸延伸におけるテンター延伸を左右異なる工程で行うことによって実施できる。上記二軸延伸は、通常のフィルム製膜において行われている延伸方法と同様である。二軸延伸では、左右異なる速度によって延伸されるため、延伸前のバインダーフイルムの厚みが左右で異なるようにする必要がある。流延製膜では、ダイにテーパーを付けることにより、バインダー溶液の流量に左右の差をつけることができる。
以上のように、偏光膜のMD方向に対して10〜80度斜め延伸されたバインダーフイルムが製造される。
ラビング法では、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されているラビング処理方法を応用することができる。すなわち、膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維を用いて一定方向に擦ることにより配向を得る。一般には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布を用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。ロール自身の真円度、円筒度、振れ(偏芯)がいずれも30μm以下であるラビングロールを用いて実施することが好ましい。ラビングロールへのフィルムのラップ角度は、0.1〜90度が好ましい。ただし、特開平8−160430号公報に記載されているように、360度以上巻き付けることで、安定なラビング処理を得ることもできる。
長尺フィルムをラビング処理する場合は、フィルムを搬送装置により一定張力の状態で1〜100m/minの速度で搬送することが好ましい。ラビングロールは、任意のラビング角度設定のためフィルム進行方向に対し水平方向に回転自在とされることが好ましい。0〜60度の範囲で適切なラビング角度を選択することが好ましい。液晶表示装置に使用する場合は、40〜50度が好ましい。45度が特に好ましい。
[液晶表示装置]
本発明の光学補償フィルム及び偏光板は、種々のモードの液晶表示装置に用いることができる。以下、各液晶モードにおける光学異方性層の好ましい形態について説明する。
(TNモード液晶表示装置)
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
TNモードの黒表示における液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性化合物が寝た配向状態にある。
セル中央部分の棒状液晶性化合物に対しては、ホメオトロピック配向(円盤面が寝ている水平配向)のディスコティック液晶性化合物もしくは(透明)支持体で補償し、セルの基板近傍の棒状液晶性化合物に対しては、ハイブリット配向(長軸の傾きが偏光膜との距離に伴って変化している配向)のディスコティック液晶性化合物で補償することができる。
また、セル中央部分の棒状液晶性化合物に対しては、ホモジニアス配向(長軸が寝ている水平配向)の棒状液晶性化合物もしくは(透明)支持体で補償し、セルの基板近傍の棒状液晶性化合物に対しては、ハイブリット配向のディスコティック液晶性化合物で補償することもできる。
ホメオトロピック配向の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜
の面との角度が85〜95度の状態で配向している。
ホモジニアス配向の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が5度未満の状態で配向している。
ハイブリット配向の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が15度以上であることが好ましく、15度〜85度であることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層、さらにはホメオトロピック配向したディスコティック液晶性化合物とホモジニアス配向した棒状液晶性化合物の混合体からなる光学異方性層は、Rthレターデーション値が40nm〜200nmであり、Reレターデーション値が0〜70nmであることが好ましい。
ホメオトロピック配向(水平配向)しているディスコティック液晶性化合物層およびホモジニアス配向(水平配向)している棒状液晶性化合物層に関しては、特開平12−304931号および同12−304932号の各公報に記載されている。ハイブリット配向しているディスコティック液晶性化合物層に関しては、特開平8−50206号公報に記載がある。
(OCBモード液晶表示装置)
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性化合物を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルである。ベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置は、米国特許4583825号、同5410422号の各公報に開示されている。棒状液晶性化合物が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。
OCBモードの液晶セルもTNモード同様、黒表示においては、液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性化合物が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性化合物が寝た配向状態にある。
黒表示にTNモードと液晶の配向は同じ状態であるため、好ましい態様もTNモード対応を同じである。ただし、TNモードに比べ、OCBモードの方がセル中央部で液晶性化合物が立ち上がった範囲が大きいために、ディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層について、若干のレターデーション値の調整が必要である。具体的には、(透明)支持体上のディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層は、Rthレターデーション値が150nm〜500nmであり、Reレターデーション値が20〜70nmであることが好ましい。
(VAモード液晶表示装置)
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性化合物が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性化合物を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性化合物を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998
)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
VAモードの液晶表示装置の黒表示において、液晶セル中の棒状液晶性化合物は、そのほとんどが、立ち上がった状態であるため、ディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層で液晶性化合物を補償し、別に、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向し、棒状液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の透過軸方向との角度が5度未満である光学異方性層で偏光板の視角依存性を補償することが好ましい。
ディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層は、Rthレターデーション値が150nm〜500nmであり、Reレターデーション値が20〜70nmであることが好ましい。
(その他液晶表示装置)
ECBモードおよびSTNモードの液晶表示装置に対しては、上記と同様の考え方で光学的に補償することができる。
(ハ)反射防止層の付与(反射防止フィルム)
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの上に反射防止層を付与しても良い。反射防止膜は、一般に、防汚性層でもある低屈折率層、および低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、高屈折率層、中屈折率層)とを透明基体上に設けて成る。
屈折率の異なる無機化合物(金属酸化物等)の透明薄膜を積層させた多層膜として、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、金属アルコキシド等の金属化合物のゾルゲル方法でコロイド状金属酸化物粒子皮膜を形成後に後処理(紫外線照射:特開平9−157855号公報、プラズマ処理:特開2002−327310号公報)して薄膜を形成する方法が挙げられる。
一方、生産性が高い反射防止膜として、無機粒子をマトリックスに分散されてなる薄膜を積層塗布してなる反射防止膜が各種提案されている。
上述したような塗布による反射防止フィルムに最上層表面が微細な凹凸の形状を有する防眩性を付与した反射防止層から成る反射防止フィルムも挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは前記いずれの方式にも適用できるが、特に好ましいのが塗布による方式(塗布型)である。
(ハ−1)塗布型反射防止フィルムの層構成
基体上に少なくとも中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層(最外層)の順序の層構成から成る反射防止膜は、以下の関係を満足する屈折率を有する様に設計される。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
また、透明支持体と中屈折率層との間に、ハードコート層を設けてもよい。さらには、中屈折率ハードコート層、高屈折率層および低屈折率層からなってもよい。
例えば、特開平8−122504号公報、同8−110401号公報、同10−300902号公報、特開2002−243906号公報、特開2000−111706号公報等が挙げられる。
また、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層としたもの(例、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報等)等が挙げられる。
反射防止膜のヘイズは、5%以下あることが好ましく、3%以下がさらに好ましい。また、膜の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
(ハ−2)高屈折率層および中屈折率層
反射防止膜の高い屈折率を有する層は、平均粒子サイズ100nm以下の高屈折率の無機化合物超微粒子およびマトリックスバインダーを少なくとも含有する硬化性膜から成る。
高屈折率の無機化合物微粒子としては、屈折率1.65以上の無機化合物が挙げられ、好ましくは屈折率1.9以上のものが挙げられる。例えば、Ti、Zn、Sb、Sn、Zr、Ce、Ta、La、In等の酸化物、これらの金属原子を含む複合酸化物等が挙げられる。
このような超微粒子とするには、粒子表面が表面処理剤で処理されること(例えば、シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908号公報、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造とすること(:特開2001−166104等)、特定の分散剤併用(例、特開平11−153703号公報、特許番号US6210858B1、特開2002−2776069号公報等)等挙げられる。
マトリックスを形成する材料としては、従来公知の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂皮膜等が挙げられる。
さらに、ラジカル重合性および/またはカチオン重合性の重合性基を少なくとも2個以上含有の多官能性化合物含有組成物、加水分解性基を含有の有機金属化合物およびその部分縮合体組成物から選ばれる少なくとも1種の組成物が好ましい。例えば、特開2000−47004号公報、同2001−315242号公報、同2001−31871号公報、同2001−296401号公報等に記載の化合物が挙げられる。
また、金属アルコキドの加水分解縮合物から得られるコロイド状金属酸化物と金属アルコキシド組成物から得られる硬化性膜も好ましい。例えば、特開2001−293818号公報等に記載されている。
高屈折率層の屈折率は、−般に1.70〜2.20である。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
(ハ−3)低屈折率層
低屈折率層は、高屈折率層の上に順次積層して成る。低屈折率層の屈折率は1.20〜1.55である。好ましくは1.30〜1.50である。
耐擦傷性、防汚性を有する最外層として構築することが好ましい。耐擦傷性を大きく向上させる手段として表面への滑り性付与が有効で、従来公知のシリコーンの導入、フッ素の導入等から成る薄膜層の手段を適用できる。
含フッ素化合物の屈折率は1.35〜1.50であることが好ましい。より好ましくは1.36〜1.47である。また、含フッ素化合物はフッ素原子を35〜80質量%の範囲で含む架橋性若しくは重合性の官能基を含む化合物が好ましい。
例えば、特開平9−222503号公報明細書段落番号[0018]〜[0026]、同11−38202号公報明細書段落番号[0019]〜[0030]、特開2001−40284号公報明細書段落番号[0027]〜[0028]、特開2000−284102号公報等に記載の化合物が挙げられる。
シリコーン化合物としてはポリシロキサン構造を有する化合物であり、高分子鎖中に硬化性官能基あるいは重合性官能基を含有して、膜中で橋かけ構造を有するものが好ましい。例えば、反応性シリコーン(例、サイラプレーン(チッソ(株)製等)、両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報等)等が挙げられる。
架橋または重合性基を有する含フッ素および/またはシロキサンのポリマーの架橋または重合反応は、重合開始剤、増感剤等を含有する最外層を形成するための塗布組成物を塗布と同時または塗布後に光照射や加熱することにより実施することが好ましい。
また、シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化するゾルゲル硬化膜も好ましい。
例えば、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物またはその部分加水分解縮合物(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報記載等記載の化合物)、フッ素含有長鎖基であるポリ「パーフルオロアルキルエーテル」基を含有するシリル化合物(特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)等が挙げられる。
低屈折率層は、前記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム,フッ化カルシウム,フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820号公報の段落番号[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有することができる。
低屈折率層が最外層の下層に位置する場合、低屈折率層は気相法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等)により形成されてもよい。安価に製造できる点で、塗布法が好ましい。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
(ハ−4)ハードコート層
ハードコート層は、反射防止フィルムに物理強度を付与するために、透明支持体の表面に設ける。特に、透明支持体と前記高屈折率層の間に設けることが好ましい。
ハードコート層は、光および/または熱の硬化性化合物の架橋反応、または、重合反応により形成されることが好ましい。
前記硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、また、加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。
これらの化合物の具体例としては、高屈折率層で例示したと同様のものが挙げられる。
ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、国際公開第00/46617号パンフレット等記載のものが挙げられる。
高屈折率層はハードコート層を兼ねることができる。このような場合、高屈折率層で記載した手法を用いて微粒子を微細に分散してハードコート層に含有させて形成することが好ましい。
ハードコート層は、平均粒子サイズ0.2〜10μmの粒子を含有させて防眩機能(アンチグレア機能)を付与した防眩層(後述)を兼ねることもできる。
ハードコート層の膜厚は用途により適切に設計することができる。ハードコート層の膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7μmである。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
(ハ−5)前方散乱層
前方散乱層は、液晶表示装置に適用した場合の、上下左右方向に視角を傾斜させたときの視野角改良効果を付与するために設ける。前記ハードコート層中に屈折率の異なる微粒子を分散することで、ハードコート機能と兼ねることもできる。
例えば、前方散乱係数を特定化した特開平11−38208号公報、透明樹脂と微粒子の相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等が挙げられる。
(ハ−6)その他の層
前記の層以外に、プライマー層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けてもよい。
(ハ−7)塗布方法
反射防止フィルムの各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート、マイクログラビア法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、塗布により形成することができる。
(ハ−8)アンチグレア機能
反射防止膜は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を形成することにより得られる。反射防止膜がアンチグレア機能を有する場合、反射防止膜のヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
反射防止膜表面に凹凸を形成する方法は、これらの表面形状を充分に保持できる方法であればいずれの方法でも適用できる。例えば、低屈折率層中に微粒子を使用して膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号公報等)、低屈折率層の下層(高屈折率層、中屈折率層またはハードコート層)に比較的大きな粒子(粒子サイズ0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成し、その上にこれらの形状を維持して低屈折率層を設ける方法(例えば、特開2000−281410号公報、同2000−95893号公報、同2001−100004号公報、同2001−281407号公報等)、最上層(防汚性層)を、塗設後の表面に物理的に凹凸形状を転写する方法(例えば、エンボス加工方法として、特開昭63−278839号公報、特開平11−183710号公報、特開2000−275401号公報等記載)等が挙げられる。
《測定法》
以下に本発明で使用した測定法について記載する。
(1)メルト温度(T1、T2)、メルトの冷却速度(V)
ダイ出口、第一冷却ロールに接触した時のメルト温度(T1、T2)は、非接触式温度計を用い、幅方向中央部のメルト温度を測定した。
メルトが第1冷却ロールに接触した時点でメルトにマジックでマークを入れ、これが第1冷却ロールから剥離するまでの時間tを計測する。これから上記式(2)に従いVを求める。
(2)延伸後の熱可塑性樹脂フィルムのRe、Rth/Re比、配向角
1.延伸後、両端(チャック把持部から5cm)を裁断した後、両端2点、中央1点、両端と中点の中央点各2点の合計5点でサンプリング(3cm×3cmの正方形)した。この時正方形の各辺をMD(製膜方向)、TD(幅方向)に平行に切り出した。
2.サンプルフィルムを25℃・相対湿度60%に5時間以上調湿後、自動複屈折計(KOBRA−21ADH:王子計測器(株)製)を用いて、相対湿度25℃・60%におい
て、サンプルフィルム表面に対し垂直方向および、フィルム面法線から±40°傾斜させて方向から波長550nmにおけるレターデーション値を測定した。
3.垂直方向から面内のレターデーション(Re)、垂直方向、±40°方向の測定値から厚み方向のレターデーション(Rth)を算出した。
4.これらの各測定点のRth/Re比の平均値を「Re/Rth比」とした。
5.これらの各測定点のReの平均値をReとした。
6.両端のサンプルの配向角のうち、長手方向に対し90°からのずれの大きいほうの値を延伸フィルムの配向角とした。
(3)光弾性係数
1.延伸フィルムの両端(チャック把持部から5cm)を裁断した後、全幅に亘り等間隔で8点、これを長手方向20cm間隔で5回、合計40点で下記のようにMD,TD両方向にサンプリングした。
・MDサンプル:長手方向10cm×幅方向1cm
・TDサンプル:長手方向1cm×幅方向10cm
2.これをエリプソ測定装置(日本分光製 M−150)にセットし、長手方向(10cm長)に沿って100g、200g、300g、400g、500gの荷重を掛けながら、順次25℃60%において632.8nmの光でReを測定する。
3.各サンプル毎に横軸に応力(荷重をフィルム断面積で割った値(kgf/cm 2 ))、縦軸にRe変化(nm)をプロットし、この傾きから光弾性係数(cm 2 /kgf)を求める。
4.MDサンプル40点の光弾性係数のなかでの最大値と最小値の差を40点の平均値で割り百分率で示したものをMDの光弾性係数の率変動とし、TDサンプルも同様に求めTDの光弾性係数の率変動とした、両者のうち大きいほうを光弾性係数の面内変動とした。
(4)ガラス転移温度(Tg)
走査型示差熱量計(DSC)の測定パンにサンプルを20mg入れた。これを窒素気流中で、10℃/分で30℃から250℃まで昇温した後(1st-run)、30℃まで−10℃/分で冷却した。この後、再度30℃から250℃まで昇温した(2nd-run)。2nd-runでベースラインが低温側から偏奇し始める温度をガラス転移温度(Tg)とした。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
1.熱可塑性樹脂
(1)セルロースアシレート系樹脂
特開2007−98917の実施例1の下記組成のセルロースアセテートプロピオネート系ペレットを調製した。ペレット化は2軸混練押出し機を用い210℃で行った。これを樹脂CMとした。このTgは146℃であった。
セルロースアセテートプロピオネート 100重量部
(アセチル基の置換度1.95、プロピオニル基の置換度0.7、数平均分子量75,000)
トリメチロールプロパントリベンゾエート 10重量部
IRGANOX−1010(チバスペシャルティケミカルズ社製) 1重量部
特開2007−169588の実施例Bの実施例101で使用したペレットを用いた(T
g=131℃)。これを樹脂CNとした。
(2)シクロオレフィン系樹脂
下記樹脂に熱安定剤(IRGANOX−1010(チバスペシャルティケミカルズ社製)を0.3重量%添加し、2軸混練押出し機を用いTg+130℃でペレット化した。
樹脂COC−1:ポリプラスチックス(株)製TOPAS6013(Tg=130℃)
樹脂COC−2:三井化学(株)製APEL6013T(Tg=125℃)
樹脂COP−1:WO98/14499の実施例1の化合物(Tg=136℃)
樹脂COP−2:特開2007−108529実施例中の合成例1に記載の「樹脂A−1」(Tg=165℃)
樹脂COC−3:WO2006/057309の実施例3の化合物(Tg=141.4℃)
(3)ポリカーボネイト系樹脂
PC:特開2006−277914の実施例1のビスフェノールAのホモポリマーである、光学グレードのポリカーボネートペレット(商品名AD−5503、Tg;147℃、粘度平均分子量M;15,000)に熱安定剤(IRGANOX−1010(チバスペシャルティケミカルズ社製)を0.3重量%添加したものを用いた。
(4)ラクトン環含有重合体樹脂
LC:WO2006/025445実施例の製造例1に従いペレットを調製した(Tg=123℃)。
2.製膜
上記ペレットを真空乾燥機を用い、Tg−10℃で5時間以上乾燥し含水率を0.05%以下とした後、1軸混練押出し機を用い下記条件で混練押出しした。
樹脂名 供給部温度 圧縮・計量温度 圧縮比
CM 180℃ 250℃ 3
CN 180℃ 230℃ 3
COC−1 260℃ 260℃ 2
COC−2 260℃ 260℃ 2
COC−3 260℃ 270℃ 2
COP−1 240℃ 260℃ 2
COP−2 240℃ 260℃ 2
PC 260℃ 290℃ 3
LC 220℃ 250℃ 3
この後、ギアポンプから送り出した後、濾過精度5μmのリーフディスクフィルターにて濾過した。これをスタティックミキサーを経由してハンガーコートダイから第1冷却ロール上に押出し、表1記載の条件でキャストした。なおタッチロールは特開平11−235747号公報の実施例1に記載のもの(二重抑えロールと記載のあるもの)を用い、Tg−5℃に調温した(但し薄肉金属外筒厚みは2mmとした)。
この後、第1冷却ロールよりそれぞれ5℃、10℃低い第2、第3冷却ロールを通過させた後、幅1m、長さ3000m巻き取った。
2.横延伸・縦収縮
(1)横延伸後に縦収縮
テンター内でTg+15℃で予熱した後、Tg+5℃で表1記載の倍率で延伸した。横延伸と同時あるいは後に下記方法(1)〜(5)を用いTg+5℃において30秒間、表1記載の収縮率で縦収縮を行った。なお、縦収縮は横延伸温度と同じ温度で実施した。
方法(1)(横延伸後に縦収縮):横延伸後にテンターのクリップ搬送速度を遅くし縦収
縮する。
方法(2)(横延伸後に縦収縮):横延伸の後テンターのクリップを外し熱処理ゾーンに延伸フィルムを入れ、入口のニップロールより出口のニップロールの搬送速度を遅くした。この時、ロールラップ長(W)/ロール間長(G)が0.2となるように配置した10本のロールを搬送させた。なお、各ロールの直径は40cm、ラップ角は120°とした。
方法(3)(横延伸後に縦収縮):搬送(縦)方向に滑車をつけたチャックを用い、横延伸後に縦収縮させた。縦収縮量はテンター出口の巻き取り機の張力を調整することで達成した。
方法(4)(横延伸中の縦収縮):市金工業社製の同時2軸延伸機(商品名FITZ)を用い、延伸中にチャックの搬送速度を遅くすることで達成した。
方法(5)(横延伸中の縦収縮):特開平9−138307の実施例2に記載の方法(テンターで横延伸中に縦方向に収縮させる)に従い実施した。
このようにして得た延伸フィルムを上記の方法でRe、Rth/Re比、光弾性係数の面内変動を測定し表1に記載した。
また本発明を実施したものの配向角はいずれも90±0.3°であり遅相軸はTD配向していた。
なお、表1記載のフィルムは全て延伸後の厚みが60μmとなるように調製した。延伸後の厚みは40μm、80μmでも実施したが、いずれも同様の結果を得た。
3.表面処理
(1)セルロースアシレートフィルム
2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥した。このPK−1の表面エネルギーを接触角法により求めたところ、いずれも60〜65mN/mであった。
(2)セルロースアシレートフィルム以外のフィルム
下記条件でコロナ放電処理を行った。
電極:VETAPONE社製 Coron−Plus
ジェネレーター:CP1C
出力:900W
フィルム搬送速度:6m/分
4.光学異方性層用の配向膜の作製
これらの熱可塑性樹脂フィルム上に、下記の組成の塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28mL/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
(1)配向膜塗布液組成
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
Figure 0005186187
(2)光学異方性層の作製
配向膜上に、下記塗布液を、#3.2のワイヤーバーを1171回転でフィルムの搬送方向と同じ方向に回転させて、30m/分で搬送されている上記ロールフィルムの配向膜面に連続的に塗布した。室温から100℃に連続的に加温する工程で、溶媒を乾燥させ、その後、135℃の乾燥ゾーンで、ディスコティック液晶化合物層にあたる膜面風速がフィルム搬送方向に平行に1.5m/secとなるようにし、約90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、80℃の乾燥ゾーンに搬送させて、フィルムの表面温度が約100℃の状態で、紫外線照射装置(紫外線ランプ:出力160W/cm、発光長1.6m)により、照度600mWの紫外線を4秒間照射し、架橋反応を進行させ、ディスコティック液晶化合物をその配向に固定した。その後、室温まで放冷し、円筒状に巻き取ってロール状の形態にした。光学異方性層の厚みは1.3μmであった。
また、得られた光学補償シートの弾性率を測定したところ2.4MPaであった。
(光学異方性層の塗布液組成)
下記の組成物を、97質量部のメチルエチルケトンに溶解して塗布液を調製した。
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製 4.06質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.34質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.11質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー1 0.56質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー2 0.06質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
ディスコティック液晶性化合物(1)
Figure 0005186187
Figure 0005186187
Figure 0005186187
偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(3)偏光板の作製
厚さ80μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、ヨウ素濃度0.05質量%のヨウ素水溶液中に30℃で60秒浸漬して染色し、次いでホウ酸濃度4質量%濃度のホウ酸水溶液中に60秒浸漬している間に元の長さの5倍に縦延伸した後、50℃で4分間乾燥させて、厚さ20μmの偏光膜を得た。
光学補償シートを1.5モル/Lで55℃の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した後、水で十分に水酸化ナトリウムを洗い流した。その後、0.005モル/Lで35℃の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
前記のように鹸化処理を行った光学補償シートを、同じく鹸化処理を行った市販のセルロースアシレートフィルムと組合せて前記の偏光膜を挟むようにポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合せ偏光板を得た。ここで市販のセルロースアシレートフィルムとしてはフジタックTF80UL(富士フイルム(株)製)を用いた。このとき、偏光膜および偏光膜両側の保護膜はロール形態で作製されているため各ロールフィルムの長手方向が平行となっており連続的に貼り合わされる。従って光学補償シートロール長手方向(セルロースアシレートフィルムの流延方向)と偏光子吸収軸とは平行な方向となった。
5.TN液晶パネルでの評価
TN型液晶パネルを使用した液晶表示装置(MDT−191S、三菱電(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記の作製した偏光板を、光学補償シートが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。このようにして作成したTN液晶パネルを全面白色表示し、これを0℃から30℃に急激な温度変化を与えた時に生じる色むら(肉眼で白色から色ずれしている部分の面積)を測定し、全面積に対する割合を求め表1に示した。
本発明1-1〜1-7及び比較例1-1,1-2は製膜時の(T1−T2)/Lの効果を示す。本発明を実施したものは良好な光弾性の面内変動、液晶表示むらを示す。
本発明2-1〜2-7は製膜時のVの効果を示す。Vを本発明の範囲とし(T1−T2)/Lと組合わせることでより良好な光弾性の面内変動、液晶表示むらを示す。
本発明3-1〜3-5は、製膜時のタッチロールの効果を示す。本発明のタッチ圧でタッチロールを使用したものは良好な光弾性の面内変動、液晶表示むらを示す。
本発明4-1〜4-5は縦収縮率の効果を示す。本発明の範囲の縦収縮率を実施することで良好な光弾性の面内変動、液晶表示むらを示す。
本発明5-1〜5-5は横延伸倍率の効果を示す。本発明の範囲の横延伸倍率を実施することで良好な光弾性の面内変動、液晶表示むらを示す。
本発明6-1〜6-4は縦収縮方式の効果を示した。方式(2)が特に良好であった。
本発明7-1〜7-9は熱可塑性樹脂フィルムの効果を示した。COC1−3(付加重合型シクロオレフィン)を用いたものが中でも良好であり、特にCOC−1が良好であった。
なお、上記の結果はいずれも縦延伸を実施しなかったが、横延伸前に1.2倍、1.4倍縦延伸を実施したものも、上記と同様に良好な結果が得られた。
比較例8-1は特開平9−138307号公報の実施例2に準じて行った水準である。横延伸前に1.1倍で縦延伸を行い、縦延伸、横延伸はTg+5℃で行ない、延伸後の厚みは60μmにした。一方、本発明8−1は比較例8−1に対し(T1−T2)/L、Vを本発明の範囲とし、かつタッチロールを使用し製膜した原反を使用した。本発明8-1は光弾性の面内変動が少なく、液晶表示での色むらも少なく良好な性能を示した。
Figure 0005186187
6.その他液晶表示素子の作製
前記本発明の偏光板を、特開平10−48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特開平9−26572号公報の実施例1に記載のディスコティック液晶分子を含む光学的異方性層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、特開2000−154261号公報の図2〜9に記載の20インチVA型液晶表示装置、特開2000−154261号公報の図10〜15に記載の20インチOCB型液晶表示装置、特開2004−12731号公報の図11に記載のIPS型液晶表示装置に用いた。さらに、本発明の低反射フィルムをこれらの液晶表示装置の最表層に貼り評価を行ったところ、良好な液晶表示素子を得た。
7.低反射フィルムの作製
本発明の延伸熱可塑性樹脂フィルムを発明協会公開技報(公技番号2001−1745)の実施例47に従い低反射フィルムを作製したところ、良好な光学性能が得られた。

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂フィルムを横延伸と同時に又は横延伸後に、縦方向に収縮させる熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、
    下記(1)式を満足して製膜された原反フィルム(未延伸フィルム)を延伸することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
    50(T1−T2)×L1000 (1)式
    T1=ダイ出口のメルト温度(℃)、T2=第1冷却ロールに接触した時のメルト温度(℃)
    L=ダイのスリット間隔(μm)/第1冷却ロールから剥離する時のフィルム厚み(μm)
  2. 該原反フィルムが、下記(2)式で表される第1冷却ロール上のメルトの冷却速度Vが10℃/秒以上200℃/秒以下で製膜されたことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
    V=(T2−Tg)/t (2)式
    T2=第1冷却ロールに接触した時のメルト温度(℃)
    Tg=メルトのガラス転移温度(℃)
    t=第1冷却ロールにメルトが接触してからTgに達するまでの時間(秒)
  3. 該縦方向の収縮率が1%以上50%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  4. 該横延伸の倍率が1.1倍以上3倍以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  5. 該熱可塑性樹脂フィルムがセルロースアシレート、シクロオレフィン、ラクトン環含有重合体、ポリカーボネイト系重合体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  6. 該原反フィルムがタッチロール製膜法により製膜されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  7. 幅(横)方向に遅相軸を有し、Rth/Re比が0.5を超え1未満、光弾性係数の長手方向、幅方向の変動(面内変動)が0.1%以上15%以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法によって調製されたことを特徴とする請求項7に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  9. 請求項7又は8の熱可塑性樹脂フィルムを用いた偏光
  10. 請求項7又は8の熱可塑性樹脂フィルムを用いた光学補償フィルム。
  11. 請求項7又は8の熱可塑性樹脂フィルムを用いた液晶表示装置。
JP2007298527A 2007-11-16 2007-11-16 熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法、並びに、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルムおよび液晶表示装置 Active JP5186187B2 (ja)

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