JP2008175971A - ラビング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラビングに伴う製品中の欠点の発生を低減できるラビング方法の提供する。
【解決手段】径糸、緯糸および洗浄したパイル糸を製織し、2枚の基布の間に、パイル糸を織り込んだ織り組織を2枚にカットして得られるベルベット織物を用いて、直径150ミリのラビングローラーに巻き付け45度の角度で熱可塑性樹脂長尺フィルムを搬送しながら周速比28にて連続的にラビングし、ラビングローラーに巻き取り、液晶性ポリエステルの溶液を高分子長尺フィルム上に塗布したあと、溶媒を感想除去し、加熱処理をして冷却し液晶性高分子の配向を固定化した、ラビング方法。
【選択図】なし
【解決手段】径糸、緯糸および洗浄したパイル糸を製織し、2枚の基布の間に、パイル糸を織り込んだ織り組織を2枚にカットして得られるベルベット織物を用いて、直径150ミリのラビングローラーに巻き付け45度の角度で熱可塑性樹脂長尺フィルムを搬送しながら周速比28にて連続的にラビングし、ラビングローラーに巻き取り、液晶性ポリエステルの溶液を高分子長尺フィルム上に塗布したあと、溶媒を感想除去し、加熱処理をして冷却し液晶性高分子の配向を固定化した、ラビング方法。
【選択図】なし
Description
本発明はラビング方法に関する。
液晶表示装置等における、液晶セル中の液晶分子の配向用に基板上に高分子化合物からなる膜を設けた配向基板が使用されている。また、配向基板としてフィルムを用い、該配向基板フィルム上に液晶性高分子層を形成したものを直接または該液晶性高分子層を透光性基板フィルム上に転写して得られた視野角改良板、位相差板、色補償板等の液晶光学フィルムが知られている。このような配向基板は、ラビング布を貼り付けたラビングロールを一定方向に回転させて、該ラビング布の繊維毛足が、配向基板となる高分子基板フィルムの表面またはガラス等の基板上に設けた高分子膜の表面を、一定方向に擦ることによって得られる。
液晶光学フィルムでは製品中の欠点発生が問題となっている。欠点が発生することにより生産歩留りが大幅に低下するため解決が望まれている。これら欠点の発生源としては、製造部材に基因するもの、工程に基因するもの、環境に基因するもの等が考えられ、種々の対策が施されているが、未だ根本解決には至っていない。ラビング布も欠点発生源の一つとみなされている。 ラビング時に高分子基板フィルムと接触するパイル糸は、その製造過程で様々な油剤等、例えば紡績油、サイジング剤、糊剤、撚糸油等が使用される。これらの油剤等がラビング時にラビング対象表面に移染したりして欠点の発生原因となる場合があり、改良が望まれている。
これらの改良方法として、ラビング処理前にラビング布を洗浄してパイル糸に付着した電着処理剤を除去する方法(特許文献1)やラビング布のパイル部の表面に付着した柔軟剤を洗浄除去する方法(特許文献2)が提案されている。しかしながら、これらの提案は織りあがったラビング布を対象としており、パイル糸部分の洗浄が必ずしも十分になされるとは言い難かった。また、ラビング布の洗浄によって、ラビング布中の他の部材に含まれる成分がパイル糸に移染し、逆にパイル糸を汚染してしまう虞もある。
特開平6−289397号
特開2003−140156号
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので、製品中の欠点発生が少ないラビング方法を提供しようとするものである。
本発明は、経糸、緯糸および洗浄したパイル糸を製織し、2枚の基布の間に、パイル糸を織り込んだ織り構造を有する織り組織を2枚にカットして得られたベルベット織物を用い、長尺フィルムを連続的にラビングすることを特徴とするラビング方法に関する。
パイル糸から得られたラビング布を用いた本発明のラビング方法によれば、ラビング布を洗浄する方法と比較して、製品中の欠点の発生を大幅に抑えることができ、生産歩留りが向上する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のラビング方法では、経糸、緯糸およびパイル糸を製織し、2枚の基布の間に、パイル糸を織り込んだ織り構造を有する織り組織を2枚にカットして得られたベルベット織物を用いる。経糸および緯糸を製織することにより得られた1枚の基布の緯糸を切断してパイル糸としたベッチン織物や、2本の引きそろえた糸を編み、うち1本をパイル糸として引き出し、切断してカットパイルとしたニットベロア織物を使用した場合と比較して、パイルの直立性に優れるため好ましい。
織り構造としてはV織り、W織り等のベルベット織りとして通常用いられる構造が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
経糸および緯糸としては綿、レーヨン、ポリエステル、アセテート、ナイロン等が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明のラビング方法では、経糸、緯糸およびパイル糸を製織し、2枚の基布の間に、パイル糸を織り込んだ織り構造を有する織り組織を2枚にカットして得られたベルベット織物を用いる。経糸および緯糸を製織することにより得られた1枚の基布の緯糸を切断してパイル糸としたベッチン織物や、2本の引きそろえた糸を編み、うち1本をパイル糸として引き出し、切断してカットパイルとしたニットベロア織物を使用した場合と比較して、パイルの直立性に優れるため好ましい。
織り構造としてはV織り、W織り等のベルベット織りとして通常用いられる構造が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
経糸および緯糸としては綿、レーヨン、ポリエステル、アセテート、ナイロン等が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明に使用するパイル糸としては綿、羊毛、絹、麻、モヘヤ、カシミヤ、レーヨン、酢酸セルロース繊維、キュプラ、ナイロン、ビニロン、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ジアセテート、トリアセテート等のアセテート、ポリフェニレンスルフィド、ポリノジック、アラミド、ポリクラール、ベンゾエート、モダル、ガラス繊維等を用いることができるが、好ましくは汎用性の面から綿、レーヨン、キュプラ、ナイロン、ジアセテート、トリアセテート等のアセテート、ポリフェニレンスルフィドを、さらに好ましくはレーヨン、キュプラ、ジアセテート、最も好ましくはレーヨンを挙げることができる。
パイル糸の繊度は、0.5〜8デニール、好ましくは0.8〜6デニール、さらに好ましくは2〜6デニールの範囲で選択することができる。繊度が0.5デニール未満ではラビング時に糸の切断が起きやすく、また7デニールを越えると繊維径が太くなりラビング時に配向基板にキズを発生させたりして好ましくない。
本発明の出発原料として用いるパイル糸は、通常、繊維用油剤が付着している。繊維用油剤としては、紡糸油、紡績油、撚糸油、サイジング剤、糊剤等が挙げられるが、そのほかに静電気防止剤、柔軟平滑剤、仕上剤等が適宜付着していてもよい。
パイル糸を洗浄する方法としては特に制限はなく、例えば糸を綛(かせ)、コーン巻きまたはチーズ巻きとし、洗浄釜・槽にて洗浄する方法が挙げられる。パイル糸を綛、コーン巻きまたはチーズ巻きとして洗浄する場合の1綛、1コーンまたは1チーズあたりの糸の重量は50g〜1kg、好ましくは100〜500gとすることが望ましい。50gを下回る場合は作業効率が大幅に落ち、また1kgを上回る場合は十分な洗浄効果が得られないため、それぞれ好ましくない。
洗浄の際にはパイル糸の撚糸を適宜行ってもよい。
洗浄の際にはパイル糸の撚糸を適宜行ってもよい。
洗浄に用いる溶媒としては水、メタノール、エタノール、アセトン、ベンゼン、イソプロピルアルコール、エーテル、メチルエチルケトンおよびクロロホルム等を挙げることができ、好ましくは水およびイソプロピルアルコール、特に好ましくは水が挙げられる。これらは適宜、混合して使用することができる。例えば水とメタノール、水とエタノール、水とアセトン、水とイソプロピルアルコール、メタノールとベンゼン、エタノールとベンゼン等が好適に用いられる。水を使用する場合は上水、イオン交換水を使用することができるが、ラビング布の清浄度を上げるためにはイオン交換水の方が好ましい。
洗浄に際し、添加剤を使用することができる。添加剤としては市販の界面活性剤や水素イオン濃度調整剤を使用することができる。界面活性剤としてはカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤が挙げられる。これらは適宜組み合わせて使用することもできる。また、水素イオン濃度調整剤としては水酸化ナトリウム、塩酸、硫酸等を用いることができる。
洗浄に際し、水素イオン濃度調整剤を使用した場合は、これらを除去する目的で中和剤を使用することができる。水素イオン濃度調整剤としてアルカリを用いた場合には酸を、酸を用いた場合はアルカリを使用し、水素イオン濃度を監視し、中性になることを確認する。
また、洗浄に使用した界面活性剤、水素イオン濃度調整剤および/または中和剤を除去する目的で洗浄溶媒で十分に濯ぎを実施することが好ましい。
また、洗浄に使用した界面活性剤、水素イオン濃度調整剤および/または中和剤を除去する目的で洗浄溶媒で十分に濯ぎを実施することが好ましい。
洗浄時の溶媒の温度は特に制限は無く、使用する溶媒や添加剤の種類に依り、適宜選択することができる。例えば溶媒として水を選択した場合、20〜120℃、好ましくは30〜100℃の範囲で、洗浄効果の最も高い温度、または使用する界面活性剤等の添加剤の洗浄効果が最も発揮される温度を選択する。温度条件に応じて、適宜加圧して行うこともできる。
洗浄時間は、使用するパイル糸の繊度や材質、強度等および使用溶媒、洗浄方法等により一概には決定できないが、1回の洗浄時間は通常、5分〜4時間、好ましくは、10分〜2時間である。さらに好ましくは20分〜1時間である。10分未満では洗浄が不十分になる恐れがあって好ましくなく、4時間を超えると徒に時間を要して経済的でないなど好ましくない。なお、洗浄は必要により繰り返して行ってもよい。
洗浄は糸を洗浄釜・槽中の洗浄溶媒に浸けて実施しても良いし、糸に洗浄溶媒を掛け流して実施しても良い。
洗浄を行う際は溶媒に流れを加えても良い。例えば市販の衣類用洗濯機の如く、溶媒に回転の流れを加えることもできる。回転軸は重力と平行方向でも鉛直方向でも良い。また、回転方向を適宜逆転しても良い。また、回転途中で流れを止めることも妨げない。
洗浄に際し、添加剤等を用いた場合はその後、十分に濯ぎを行い添加剤等が糸に残存しないように注意する。濯ぎの回数は使用した添加剤の溶媒への溶解度や使用する溶媒量、さらには溶媒を除去した後の糸中の残存溶媒量等により変化するためその回数は一概に決定できないが、通常は1〜10回、好ましくは2〜5回程度である。1回の濯ぎの時間は上記の洗浄時間と同様でよい。
洗浄や濯ぎの終了を判断する的確な指針はないが、例えば界面活性剤を用いた場合は泡の発生が見られなくなるまで行う等して判断する。
洗浄時間は、使用するパイル糸の繊度や材質、強度等および使用溶媒、洗浄方法等により一概には決定できないが、1回の洗浄時間は通常、5分〜4時間、好ましくは、10分〜2時間である。さらに好ましくは20分〜1時間である。10分未満では洗浄が不十分になる恐れがあって好ましくなく、4時間を超えると徒に時間を要して経済的でないなど好ましくない。なお、洗浄は必要により繰り返して行ってもよい。
洗浄は糸を洗浄釜・槽中の洗浄溶媒に浸けて実施しても良いし、糸に洗浄溶媒を掛け流して実施しても良い。
洗浄を行う際は溶媒に流れを加えても良い。例えば市販の衣類用洗濯機の如く、溶媒に回転の流れを加えることもできる。回転軸は重力と平行方向でも鉛直方向でも良い。また、回転方向を適宜逆転しても良い。また、回転途中で流れを止めることも妨げない。
洗浄に際し、添加剤等を用いた場合はその後、十分に濯ぎを行い添加剤等が糸に残存しないように注意する。濯ぎの回数は使用した添加剤の溶媒への溶解度や使用する溶媒量、さらには溶媒を除去した後の糸中の残存溶媒量等により変化するためその回数は一概に決定できないが、通常は1〜10回、好ましくは2〜5回程度である。1回の濯ぎの時間は上記の洗浄時間と同様でよい。
洗浄や濯ぎの終了を判断する的確な指針はないが、例えば界面活性剤を用いた場合は泡の発生が見られなくなるまで行う等して判断する。
洗浄の終了したパイル糸は脱水を行うことが望ましい。脱水時間は30秒〜30分、好ましくは1〜20分で実施する。脱水は例えば市販の衣類用洗濯機のように槽を回転することにより実施することができる。
洗浄の終了したパイル糸の乾燥は、洗浄した形態にて実施することが好ましい。例えば洗浄を綛状態にて実施した場合は乾燥もそのまま綛状態で実施し、また洗浄をコーン巻きまたはチーズ巻きにて実施した場合も通常は乾燥もそのままコーン巻きまたはチーズ巻きにて実施するのが好ましい。但し、綛状態で洗浄した場合に、あらためてコーン巻きやチーズ巻きに巻き替えて乾燥してもよい。乾燥は恒温装置にて実施しても良く、また自然乾燥でも良い。恒温装置の乾燥温度は30〜100℃、好ましくは40〜90℃で実施することが望ましい。30℃に満たない場合は乾燥が十分ではなく、また100℃を超える場合は繊維に損傷を与えるおそれがあるため好ましくない。また乾燥時間は0.5〜7日間、好ましくは1〜5日間実施することが望ましい。0.5日間に満たない場合は乾燥が十分ではなく、また7日間を超える場合は繊維に損傷を与えるおそれがあるため好ましくない。
洗浄の終了したパイル糸の乾燥は、洗浄した形態にて実施することが好ましい。例えば洗浄を綛状態にて実施した場合は乾燥もそのまま綛状態で実施し、また洗浄をコーン巻きまたはチーズ巻きにて実施した場合も通常は乾燥もそのままコーン巻きまたはチーズ巻きにて実施するのが好ましい。但し、綛状態で洗浄した場合に、あらためてコーン巻きやチーズ巻きに巻き替えて乾燥してもよい。乾燥は恒温装置にて実施しても良く、また自然乾燥でも良い。恒温装置の乾燥温度は30〜100℃、好ましくは40〜90℃で実施することが望ましい。30℃に満たない場合は乾燥が十分ではなく、また100℃を超える場合は繊維に損傷を与えるおそれがあるため好ましくない。また乾燥時間は0.5〜7日間、好ましくは1〜5日間実施することが望ましい。0.5日間に満たない場合は乾燥が十分ではなく、また7日間を超える場合は繊維に損傷を与えるおそれがあるため好ましくない。
このようにして洗浄したパイル糸を用いてラビング布を製造する典型的な方法を以下に説明する。
パイル糸の洗浄を綛にて実施した場合は、整経機に適用する必要があることからコーン巻きに巻き替える。また、洗浄をコーン巻きまたはチーズ巻きにて実施した場合は、巻き替えずにそのまま整経機に適用することができる。
整経後、経糸、緯糸および洗浄したパイル糸を用いて製織工程を実施し、2枚にカットした後、シャーリングによりパイル長を調整し、バックコート樹脂形成工程を経ることにより、本発明で用いるラビング布を得ることができる。
製織工程で各種の加工助剤を使用せず行うことが望ましいが、シャーリング油剤等を使用することは妨げない。
バックコート樹脂としては酢酸ビニル系、アクリル系、SBR等のゴム系が挙げられる。
パイル糸の洗浄を綛にて実施した場合は、整経機に適用する必要があることからコーン巻きに巻き替える。また、洗浄をコーン巻きまたはチーズ巻きにて実施した場合は、巻き替えずにそのまま整経機に適用することができる。
整経後、経糸、緯糸および洗浄したパイル糸を用いて製織工程を実施し、2枚にカットした後、シャーリングによりパイル長を調整し、バックコート樹脂形成工程を経ることにより、本発明で用いるラビング布を得ることができる。
製織工程で各種の加工助剤を使用せず行うことが望ましいが、シャーリング油剤等を使用することは妨げない。
バックコート樹脂としては酢酸ビニル系、アクリル系、SBR等のゴム系が挙げられる。
ラビング布のフィラメント密度は、パイル糸の繊度や材質、強度等により一概に決定できないが、通常、100〜600(単位:千フィラメント/inch2;以下同様)好ましくは120〜400、さらに好ましくは150〜250の範囲で選択することができる。フィラメント密度が100より小さい場合はラビング密度が小さくなるためラビングスジ発生の原因となり、600より大きい場合はフィラメント密度が大きすぎるために毛並みに乱れが生じるおそれがあるため望ましくない。
ラビング布の基布厚を含めたパイル長は1.0mm〜7.0mm、好ましくは1.5mm〜6.5mmの範囲で選択することができる。パイル長が1.0mmより小さい場合は、ラビングロールに若干の偏心があった場合にはラビングロールとウェブが接触する虞があり、7.0mmより大きい場合は配向乱れが生ずる虞があるため望ましくない。
ラビング布の基布厚を含めたパイル長は1.0mm〜7.0mm、好ましくは1.5mm〜6.5mmの範囲で選択することができる。パイル長が1.0mmより小さい場合は、ラビングロールに若干の偏心があった場合にはラビングロールとウェブが接触する虞があり、7.0mmより大きい場合は配向乱れが生ずる虞があるため望ましくない。
このようにして得られたラビング布をラビングロールに貼り付けて、配向基板の表面を常法に従ってラビングする。
ラビングは、好ましくは長尺フィルムの長さ方向(MD)に対して所定の任意の角度、好ましくは0度〜45度の角度でラビングするものである。なお、この角度(ラビング角度)はラビング面を上からみたときにMDから時計回り方向の角度とする。
ラビング処理は、任意の方法で行うことができる。たとえばその一つの方法としてにより説明すると、配向基板としての長尺フィルム(12)をMDに搬送するステージ(11)上に、長尺フィルム(12)およびそのMDに対して任意の角度でラビングロール(10)を配置し、該長尺フィルム(12)を搬送しながら該ラビングロール(10)を回転させ、該フィルム(12)表面をラビング処理する。ラビングロール(10)とステージ(11)の移動方向とが成す角度は自在に調整し得る機構である。
ラビングロール表面には、前述の本発明のラビング布が貼付してある。
ラビングは、好ましくは長尺フィルムの長さ方向(MD)に対して所定の任意の角度、好ましくは0度〜45度の角度でラビングするものである。なお、この角度(ラビング角度)はラビング面を上からみたときにMDから時計回り方向の角度とする。
ラビング処理は、任意の方法で行うことができる。たとえばその一つの方法としてにより説明すると、配向基板としての長尺フィルム(12)をMDに搬送するステージ(11)上に、長尺フィルム(12)およびそのMDに対して任意の角度でラビングロール(10)を配置し、該長尺フィルム(12)を搬送しながら該ラビングロール(10)を回転させ、該フィルム(12)表面をラビング処理する。ラビングロール(10)とステージ(11)の移動方向とが成す角度は自在に調整し得る機構である。
ラビングロール表面には、前述の本発明のラビング布が貼付してある。
ラビング処理では、配向基板表面の硬度を勘案して、配向基板表面を一定方向に擦ることが大切である。かかる観点から、ラビング圧力、ラビングロールの回転数などを適宜に設定する。通常は、配向基板を0.5〜100m/分、好ましくは1〜30m/分の速度で移送させ、ラビングロール回転数は周速比が1〜1000、好ましくは5〜200の範囲となるように選択される。ラビング圧力は、わずかにラビング布表面が接する程度でよく、ラビング布の毛先の押し込み程度が0.1mm〜5.0mm、好ましくは0.1mm〜2.0mm程度とすることができる。必要により、ラビングされた表面に加圧気体の吹き付けや粘着ロールとの接触等により清浄化処理を行ってもよい。
前記の長尺フィルムとなる高分子としては、ラビング処理により表面が物理的または物理化学的に変性され、その後該ラビング処理表面と接触した液晶分子が該ラビング処理に対応して配向し得るようなものならばいずれのものも採用することができ、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれでもよく、たとえばポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、トリアセチルセルロース(TAC)などのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。
上記高分子フィルムそれ自身にラビング処理をすることもできるし、またこれら高分子フィルムを基材としてその表面に通常公知の配向剤、例えばポリビニルアルコール、ポリイミド、各種の長鎖アルキル基を有する界面活性剤等の有機薄膜(配向膜)を形成してなるものも例示される。
上記高分子フィルムそれ自身にラビング処理をすることもできるし、またこれら高分子フィルムを基材としてその表面に通常公知の配向剤、例えばポリビニルアルコール、ポリイミド、各種の長鎖アルキル基を有する界面活性剤等の有機薄膜(配向膜)を形成してなるものも例示される。
ラビング処理された面に、例えば各種の反応性低分子液晶や主鎖型または側鎖型の各種の液晶高分子を溶解した溶液の塗布や溶融塗布などの適宜な方法により塗布し、必要により溶媒を除去し、加熱して液晶の配向を行わしめ、反応性の液晶では所望の反応を行わせた後、冷却してガラス状態とするなどして液晶相の配向を固定化して液晶光学フィルムを形成することができる。
以上のような方法で得られた液晶光学フィルムは、基板である長尺フィルム自体が、透光性基板であるときは液晶分子層が固定化された積層体を、そのままあるいは適宜に偏光板等の他の光学素材と組み合わせることにより光学素子に使用できる。そのほか長尺フィルムが液晶光学フィルムの最終用途において好ましくない光吸収や光学異方性を示す場合は、支持体としての適宜の透光性基板上に配向固定化された液晶分子層を移行させて最終的に光学素子として使用されることもできる。
透光性基板としては、透明性および光学的等方性を有し、液晶分子層を支持できるものならば特に限定されないが、長尺なものが好ましく、プラスチックフィルム、たとえばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、アモルファスポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)などを例示できる。これら透光性基板の厚みは、特に制限はないが通常は1〜500μmの範囲から選択される。
該透光性基板への移行は、任意の方法によることができ、たとえば転写法によることができる。この方法は、適宜の粘接着剤により液晶分子層を粘接着させて移行させる方法である。この粘接着剤層としては、透光性であって光学的に等方である限り任意のものが使用でき、アクリル系、エポキシ系、エチレン−酢酸ビニル系、ゴム系などが使用できる。好ましくはアクリル系粘接着剤によるものである。
透光性基板としては、透明性および光学的等方性を有し、液晶分子層を支持できるものならば特に限定されないが、長尺なものが好ましく、プラスチックフィルム、たとえばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、アモルファスポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)などを例示できる。これら透光性基板の厚みは、特に制限はないが通常は1〜500μmの範囲から選択される。
該透光性基板への移行は、任意の方法によることができ、たとえば転写法によることができる。この方法は、適宜の粘接着剤により液晶分子層を粘接着させて移行させる方法である。この粘接着剤層としては、透光性であって光学的に等方である限り任意のものが使用でき、アクリル系、エポキシ系、エチレン−酢酸ビニル系、ゴム系などが使用できる。好ましくはアクリル系粘接着剤によるものである。
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
パイル糸として繊度3デニールのレーヨンを使用し、綛の状態で洗浄釜にてパイル糸の洗浄を実施した。溶媒としては上水を使用し、約40〜50℃に加熱して、攪拌水流にて0.5時間洗浄を実施した。
その後、綛の状態で自然乾燥した。
経糸、緯糸および洗浄したレーヨンパイル糸を製織し、2枚の基布の間に、パイル糸を織り込んだV織り構造を有する織り組織を2枚にカットし、シャーリングによりパイル長を2.6mmに調整し、バックコート樹脂形成工程を経て、本発明で用いるラビング布を製造した。
得られたラビング布を用いて、下記の製法により液晶光学フィルムを製作したところ、ラビングロール周期の線状欠点は検出しなかった。また、点状欠点についても1mあたりの平均検出数を10個に抑えることができた。
その後、綛の状態で自然乾燥した。
経糸、緯糸および洗浄したレーヨンパイル糸を製織し、2枚の基布の間に、パイル糸を織り込んだV織り構造を有する織り組織を2枚にカットし、シャーリングによりパイル長を2.6mmに調整し、バックコート樹脂形成工程を経て、本発明で用いるラビング布を製造した。
得られたラビング布を用いて、下記の製法により液晶光学フィルムを製作したところ、ラビングロール周期の線状欠点は検出しなかった。また、点状欠点についても1mあたりの平均検出数を10個に抑えることができた。
[比較例1]
パイル糸の洗浄工程を省略した以外は実施例1と同様に実施したところ、ラビングロール周期の線状欠点が1mあたり数十個検出した。また、点状欠点についても1mあたりの平均検出数が30個を超えた。
パイル糸の洗浄工程を省略した以外は実施例1と同様に実施したところ、ラビングロール周期の線状欠点が1mあたり数十個検出した。また、点状欠点についても1mあたりの平均検出数が30個を超えた。
[比較例2]
パイル糸の洗浄工程を省略した以外は実施例1と同様にして得たラビング布を、実施例1と同じ洗浄液を用いて、同じ温度、時間を洗浄した。乾燥後のラビング布のパイル糸部分は面内一様に起毛することができず、ラビングに適さなかった。
パイル糸の洗浄工程を省略した以外は実施例1と同様にして得たラビング布を、実施例1と同じ洗浄液を用いて、同じ温度、時間を洗浄した。乾燥後のラビング布のパイル糸部分は面内一様に起毛することができず、ラビングに適さなかった。
(液晶光学フィルムの製造)
に示す装置により、熱可塑性樹脂製長尺フィルムを搬送しながら、実施例1または比較例1で得たラビング布を巻き付けた直径150mmのラビングロールを熱可塑性樹脂製長尺フィルムのMDに対して45度に設定し、ラビング布の毛先の押し込みを0.7mとし、周速比28にて連続的にラビングをし、ロールに巻き取りを行った。
液晶性ポリエステル(液晶性高分子)の溶液を、上記ラビング処理をした高分子長尺フィルム上に塗布した後溶媒を乾燥除去し、加熱処理をして室温に冷却し液晶性高分子の配向を固定化した。
この液晶性高分子層/長尺フィルムの積層体からアクリル系接着剤を用いて常法により液晶性高分子層をTACフィルム上に転写した。
次に得られた液晶性高分子/TACの長尺な積層シートの液晶性高分子層上にオーバーコート層を積層し、液晶光学フィルムを得た。
に示す装置により、熱可塑性樹脂製長尺フィルムを搬送しながら、実施例1または比較例1で得たラビング布を巻き付けた直径150mmのラビングロールを熱可塑性樹脂製長尺フィルムのMDに対して45度に設定し、ラビング布の毛先の押し込みを0.7mとし、周速比28にて連続的にラビングをし、ロールに巻き取りを行った。
液晶性ポリエステル(液晶性高分子)の溶液を、上記ラビング処理をした高分子長尺フィルム上に塗布した後溶媒を乾燥除去し、加熱処理をして室温に冷却し液晶性高分子の配向を固定化した。
この液晶性高分子層/長尺フィルムの積層体からアクリル系接着剤を用いて常法により液晶性高分子層をTACフィルム上に転写した。
次に得られた液晶性高分子/TACの長尺な積層シートの液晶性高分子層上にオーバーコート層を積層し、液晶光学フィルムを得た。
本発明のラビング方法によれば、配向基板のラビングに由来する液晶表示装置あるいは視野角改良板、位相差板、色補償板等の液晶光学フィルム等における欠点を減少させることができるから、液晶表示装置や液晶光学フィルムの高精細化に対応することができる。
10 ラビングロール
11 配向基板を搬送するステージ
12 長尺フィルム状の配向基板
11 配向基板を搬送するステージ
12 長尺フィルム状の配向基板
Claims (1)
- 経糸、緯糸および洗浄したパイル糸を製織し、2枚の基布の間に、パイル糸を織り込んだ織り構造を有する織り組織を2枚にカットして得られたベルベット織物を用い、長尺フィルムを連続的にラビングすることを特徴とするラビング方法。
Priority Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013051278A1 (ja) * | 2011-10-06 | 2013-04-11 | パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 | ラビング用布の製造方法、ラビング用布、及び液晶表示装置の製造方法 |
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2007
- 2007-01-17 JP JP2007008236A patent/JP2008175971A/ja active Pending
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