JP2000298210A - 長尺状光学補償シートの製造方法 - Google Patents

長尺状光学補償シートの製造方法

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JP2000298210A
JP2000298210A JP10840699A JP10840699A JP2000298210A JP 2000298210 A JP2000298210 A JP 2000298210A JP 10840699 A JP10840699 A JP 10840699A JP 10840699 A JP10840699 A JP 10840699A JP 2000298210 A JP2000298210 A JP 2000298210A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示素子に装着した場合に、その液晶表
示素子の視野角を拡大することを可能にするチルト配向
した光学異方層を有する光学補償シートを、工業的に効
率よく製造することができる製造方法を提供すること。 【解決手段】 配向膜形成用樹脂層を表面に備えた長尺
状の透明支持体をその長さ方向に移動させながら、該配
向膜形成用樹脂層の表面をラビング処理することによ
り、該樹脂層を配向膜層とし、次に該配向膜層の表面に
液晶性化合物溶液を塗布し、乾燥することにより、ラビ
ング方向に配向した液晶性化合物層を形成した後、加熱
気体を、該液晶性化合物層の表面に接触させながら、上
記ラビング処理の方向とは異なる方向に移動させること
によって、該液晶性化合物層の表面側の液晶性化合物を
加熱気体の移動方向に沿って配向させ、次いでその配向
状態を固定することにより、該液晶性化合物層をツイス
ト配向した光学異方層とすることを特徴とする長尺状光
学補償シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子に組
み込こむことにより、液晶表示素子の表示コントラスト
及び表示色の視角特性を中心とする諸特性を改善するこ
とを可能にする光学補償シートの製造方法に関する。本
発明は特に、ねじれネマチック液晶分子を表示材料とし
て用いる液晶表示素子の表示コントラスト及び表示色の
視角特性を中心とする諸特性を改善することを可能にす
るツイスト配向した光学異方層を備えた光学補償シート
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在普及している液晶表示素子(もしく
は液晶表示装置、以下LCDと称す)の多くは、ねじれ
ネマチック液晶を用いている。このような液晶表示素子
は、一般に、液晶セルとその両側に設けられた偏光板か
ら構成されている。このような液晶を用いた表示方式
は、複屈折モードと旋光モードとの二つの方式に大別で
きる。
【0003】複屈折モードを利用する超ねじれ(スーパ
ーツィスティッド)ネマチック液晶表示装置(以下ST
N−LCDと称す)は、90度を超えるねじれ角と急峻
な電気光学特性とを有するスーパーツィスティッドネマ
チック液晶を用いている。STN−LCDで実用的なコ
ントラストが得ることができるのは、イエローモード
(黄緑/濃紺)及びブルーモード(青/淡黄)だけであ
り、白黒モードを得るには位相差板(光学補償シート)
を設ける必要がある。しかし、一軸延伸ポリマーフィル
ムや補償用液晶セルを位相差板として用いると、表示色
や表示コントラストが、液晶表示装置を見る時の角度に
よって変化し易い(視野角特性)との問題がある。
【0004】また、TN−LCDの表示モードである旋
光モードでは、高速応答性(数十ミリ秒)及び高いコン
トラストが得られる。しかしながら、TN−LCDもや
はり視野角特性の問題を有する。
【0005】たとえば、TN−LCDにおける視野角特
性を改善するため(即ち、視野角の拡大のため)、一対
の偏光板と液晶セルとの間に位相差板(光学補償シー
ト)を設ける提案が、特開平4−229828号公報及
び特開平4−258923号公報に記載されている。こ
れらの公報で提案されている位相差板は、液晶セルに対
して垂直方向の位相差はほぼ0であるように設計されて
いて、真正面からは何ら光学的作用を与えないが、傾け
た時に位相差が発現するため、液晶セルで発生する位相
差を補償することが可能となる。
【0006】特開平6−75115号公報、特開平4−
169539号公報及び特開平4−276076号公報
には、負の複屈折を有し、かつ光軸が傾いている光学補
償シートが開示されている。これらの公報に記載の光学
補償シートは、ポリカーボネートやポリエステル等のポ
リマーフィルムを延伸することにより製造され、そして
シートの法線から傾いた主屈折率の方向を持つ。しか
し、ポリマーフィルムの延伸処理により上記シートを製
造するには、極めて複雑な延伸処理が必要とされるた
め、これらの延伸法によって大面積の光学補償シートを
製造することは極めて困難である。
【0007】一方、液晶性ポリマーを用いた光学補償シ
ートも知られている。例えば、特開平3−9326号公
報及び特開平3−291601号公報には、液晶性を有
するポリマーを支持フィルム上の配向膜表面に塗布する
ことにより得られる光学補償シートが開示されている。
【0008】また特開平5−215921号公報には、
支持体上に、正の複屈折を有する液晶性で重合性の棒状
化合物からなる層が形成されている光学補償シート(複
屈折板)が開示されている。この光学補償シートは、重
合性棒状化合物の溶液を支持体上に塗布し、加熱硬化す
ることにより得られる。
【0009】また、全方向視野角が拡大した光学補償シ
ートとして、透明フィルム上にラビング処理により配向
膜を形成し、配向膜上に負の一軸配向した液晶性ディス
コティック化合物の層を形成した光学補償シートが提案
されている。(特開平8−50206号公報、および特
開平9−178937号公報)。
【0010】上記のような液晶性化合物を用いる光学補
償シートは、光学異方層として、一定の方向に配向した
液晶性組成物がその状態で固定された液晶性組成物層を
利用しているが、前述のように、通常の液晶表示素子
は、ねじれネマチック液晶分子を表示材料として用いて
いるため、その液晶表示素子の位相差を高精度に補償す
るためには、光学異方層もねじれ(ツイスト)配向して
いることが望ましい。しかしながら、通常のラビング処
理した配向膜を用いて光学異方層を製造する方法では、
ねじれ配向した光学異方層を製造することができない。
【0011】上記のねじれ配向した光学異方層を製造す
る方法としては、光学異方層の形成材料の液晶性化合物
に旋光性化合物を混合して、層を形成する方法が知られ
ているが、液晶性化合物と旋光性化合物の組合わせの選
定に自由度が少なく、また形成される光学異方層に形成
されるねじれ配向が充分でない場合が多い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、液晶表示素子に装着した場合に、その液晶表示素子
の視野角を拡大することを可能にする、構成分子がねじ
れ配向した光学異方層を有する光学補償シートを工業的
に効率よく製造することができる製造方法を提供するこ
とにある。さらに詳しくは、本発明は、LCD、特にT
NーLCDにおける良好な視野角特性を表示画面全面に
わたって均一に、かつ高精度に付与することができる光
学異方層を有する光学補償シートを製造する方法を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、配向膜形成用
樹脂層を表面に備えた長尺状の透明支持体をその長さ方
向に移動させながら、該配向膜形成用樹脂層の表面をラ
ビング処理することにより、該樹脂層を配向膜層とし、
次に該配向膜層の表面に液晶性化合物溶液を塗布し、乾
燥することにより、ラビング方向に配向した液晶性化合
物層を形成した後、加熱気体を、該液晶性化合物層の表
面に接触させながら、上記ラビング処理の方向とは異な
る方向に移動させることによって、該液晶性化合物層の
表面側の液晶性化合物を加熱気体の移動方向に沿って配
向させ、次いでその配向状態を固定することにより、該
液晶性化合物層をツイスト配向した光学異方層とするこ
とを特徴とする長尺状光学補償シートの製造方法にあ
る。
【0014】本発明の長尺状光学補償シートの製造に際
して実施するラビング方向は、長尺状透明支持体の移動
方向と同一の方向としてもよく、あるいは長尺状透明支
持体の移動方向に対して斜めとなる方向としてもよい。
【0015】本発明の長尺状光学補償シートの製造方法
において、加熱気体の温度及び速度のそれぞれが、加熱
気体の移動方向に対して横断方向に沿って一定であるこ
とが望ましい。また、本発明の記載の長尺状光学補償シ
ートの製造方法では、加熱気体を長尺状透明支持体の上
方に配置された二次元ノズルから供給することが望まし
い。
【0016】本発明の長尺状光学補償シートの製造方法
において、液晶性化合物が液晶性ディスコティック化合
物であることが望ましく、特に重合性基を有する液晶性
ディスコティック化合物であることが望ましい。後者の
場合、液晶性化合物層中の液晶性化合物の配向状態を該
ディスコティック化合物の重合により固定することがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法により得られる
光学補償シートにより視野角特性が改善される対象の液
晶表示素子(LCD)は、光学的に異方性を示すもので
あり、具体的には、TNおよびSTNなどのねじれネマ
チック液晶配向を用いたLCD、そして0CB(Optica
lly Compensated Birefringence)モードのLCDなど
があげられる。
【0018】本発明の光学補償シートの製造方法を添付
図面を参照しながら説明する。添付図面中の図1は本発
明の光学補償シートを製造する方法の工程を概略を示す
図である。
【0019】支持体送り出し機11から送り出された長
尺状透明支持体12(配向膜形成用樹脂層13が支持体
の下面に形成されているもの)の配向膜形成用樹脂層1
3の表面に、公知のラビング装置14と静電式ダスト除
去装置15を利用して、支持体12の移動方向に沿っ
て、ラビング処理を施す。図1では、公知のラビング装
置14と静電式ダスト除去装置15は二組設置されてい
るが、ラビング装置やダスト除去装置の種類、ラビング
処理の方法や条件などは任意に選択することができる。
上記の方法によって配向膜形成用樹脂層13の表面にラ
ビング処理を施して形成された配向膜16には、ラビン
グ処理により生成したダストが残存している場合が多い
ため、所望により、別に用意した静電式ダスト除去装置
などのダスト除去装置17により更にダスト除去処理す
ることもできる。
【0020】次に、重合性基を有する液晶性ディスコテ
ィック化合物などの液晶性化合物を含む塗布液(液晶性
化合物溶液)18が塗布装置19により配向膜16の表
面に塗布される。液晶性化合物溶液が塗布された支持体
12は、次に乾燥ゾーン20に入り、その乾燥ゾーン内
で溶剤が蒸発して液晶性化合物層21が形成され、次い
で加熱ゾーン22において、液晶性化合物層21の液晶
性化合物の温度を該液晶性化合物のネマチック転移温度
以上、かつアイソトロピックネマチック転移温度以下に
保つことができる温度に加熱した気体(空気など)を、
移動する支持体12の液晶性化合物層21の表面に、支
持体12の移動方向と異なる方向に整流状態にて移動さ
せながら接触させる。この接触によって、液晶性化合物
層21の表面側の液晶性化合物は加熱気体の移動方向に
沿って(従って、配向膜16上に施されたラビング処理
の方向とは異なる方向に沿って)配向して光学異方層2
3となる。次いで光学異方層23に紫外線照射装置24
からの紫外線の照射処理により重合させるなどの方法を
利用して、その配向状態を固定することにより、本発明
の長尺状光学補償シート25が得られる。そして、最後
にその長尺状光学補償シート25を巻取装置26で巻き
取って保存する。
【0021】図2は、図1の加熱ゾーン22の内部構造
を詳しく示す図であり、加熱ゾーン22に長尺状透明支
持体12が送り込まれる側から見た図として示してい
る。図2において、長尺状透明支持体12(表面に配向
層16と液晶性化合物層21が形成されている)は、搬
送ロール27によって手前側から奥側に向けて搬送され
ている。別に設けられた加熱装置(図示せず)において
加熱された空気(加熱気体)28は、スリット状のノズ
ル29より、搬送中の長尺状透明支持体12の移動方向
に沿って平行流(二次元流)になるように整流され、さ
らに整流板30によって、熱風を長尺状透明支持体の移
動方向に直角な方向の流れとなるように整流される。熱
風28は、整流板30による整流下、長尺状透明支持体
12の表面上に、配向膜16を介して形成された液晶性
化合物層21と接触しながら、液晶性化合物層21の移
動方向と直角となる方向に移動し、その後、給気用スリ
ット状ノズル29に相対する位置に設けられた排気口3
1を介して加熱ゾーン22から排気される。この工程
で、液晶性化合物層21は、ネマチック相を持ち、その
底面側で長尺状透明支持体12の搬送方向と平行方向に
配向処理され、一方、表面側では、熱風28の移動方向
と平行方向(底面側の配向方向と直角な方向)に配向処
理された状態のツイスト配向された光学異方層23とな
る。
【0022】上記の工程で液晶化合物層16から形成さ
れた光学異方層23は、次いで、図1に示したように、
紫外線照射装置(ランプ)24によって重合処理が施さ
れるか、または、冷却処理により相転移を起こさないよ
うに固定化される。そして、その後巻き取り装置22で
巻き取られる。
【0023】図1と図2においては、長尺状透明支持体
の表面に設けられた配向膜形成用樹脂膜のラビング処理
を、長尺状透明支持体の移動方向と平行方向に行ない、
一方では、液晶性化合物層の表面の熱風による配向方向
を長尺状支持体の移動方向と直角な方向に平行な方向と
することにより、ねじれネマティック相を有する光学異
方層を形成する方法を示したが、長尺状透明支持体の表
面に設けられた配向膜形成用樹脂膜のラビング処理を、
長尺状透明支持体の移動方向に対して斜めとなる方向に
施すこともできる。そのような場合に於けるラビング方
法と熱風配向処理の方法について、添付した図3と図4
を参照しながら次に説明する。
【0024】図3は、長尺状透明支持体の表面に設けら
れた配向膜形成用樹脂膜のラビング処理を、長尺状透明
支持体の移動方向に対して斜めとなる方向に施すために
利用される公知の斜めラビング方法を示す図である。す
なわち、図3に示すように、搬送ロール41a、41b
によって矢印の方向に搬送されて、移動する配向膜形成
用樹脂膜を備えた長尺状透明支持体42に対して、45
゜傾いて配置されたラビングロール43を回転させて配
向膜形成用樹脂膜にラビング処理を行なう方法を利用す
ることができる。
【0025】図4は、図3に示した方法によって、長尺
状透明支持体の搬送方向(すなわち移動方向)に対して
45゜傾いたラビング処理により形成された配向膜44
の上に液晶性化合物溶液を塗布乾燥して形成された液晶
性化合物層45の表面側を支持体の搬送方向に配向する
ための熱風処理を施す加熱ゾーンの構成を示す図であ
る。
【0026】図4において、液晶性化合物層45を斜め
配向膜44を介して備えた長尺状透明支持体42は、加
熱ゾーン46に、搬送ロール47によって引き入れられ
る。別に設けられた加熱装置(図示せず)において加熱
された空気(加熱気体)48は、スリット状のノズル4
9より、搬送中の長尺状透明支持体12の移動方向に直
角な方向に沿って平行流(二次元流)になるように整流
される。そして、さらに整流板50によって、熱風を長
尺状透明支持体の移動方向に沿った流れとなるように整
流される。熱風48は、整流板50による整流下にて、
長尺状透明支持体42の表面上に、配向膜44を介して
形成された液晶性化合物層45と接触しながら、液晶性
化合物層45の移動方向と平行な方向に移動し、その
後、給気用スリット状ノズル49に相対する位置に設け
られた排気口51を介して加熱ゾーン46から排気され
る。この工程で、液晶性化合物層45は、ネマチック相
を持ち、その底面側で長尺状透明支持体42の搬送方向
と45゜傾斜し、一方、表面側では、支持体42の移動
方向と平行方向(底面側の配向方向と45゜傾斜した方
向)に配向処理された状態のツイスト配向された光学異
方層となる。
【0027】本発明の長尺状光学補償シートの製造に使
用する長尺状の透明支持体は、透明である限り、どのよ
うな材料の支持体でも使用することができるが、光透過
率が80%以上を有する、長尺状の可撓性樹脂シートで
あることが望ましい。透明支持体は、特に正面から見た
時に光学的等方性を有するものが好ましい。従って、透
明支持体は、固有複屈折が小さい樹脂材料から製造した
ものであることが好ましい。このような樹脂材料として
は、セルローストリアセテート[市販品の例、ゼオネッ
クス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日本合成ゴ
ム(株)製)、及びフジタック(富士写真フイルム
(株)製)]を使用することが好ましい。なお、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン、及びポ
リエーテルスルホンなどのような固有複屈折率の大きい
樹脂素材であっても、溶液流延、溶融押し出し等の条
件、さらには縦、横方向に延伸状検討を適宜設定するこ
とによって、正面から見た時に光学的等方性を示す透明
支持体とすることができる。
【0028】なお、長尺状透明支持体は、その透明支持
体面内の二軸の主屈折率をそれぞれnx、ny、厚み方向
の主屈折率をnz、フイルムの厚さをdとしたとき、三
軸の主屈折率の関係が、nz<ny=nx(負の一軸性)
を満足し、式[(nx+ny)/2−nz]×dで表され
るレタデーションが、20nmから400nm(特に、
30〜150nm)であることが好ましい。ただし、n
xとnyとの値は厳密に等しい必要はなく、ほぼ等しけれ
ば充分である。すなわち、例えば、|nx−ny|/|n
x−nz|≦0.3の範囲を満足すれば実用上問題はな
い。また、|nx−ny|×dで表される正面レターデー
ションは、50nm以下であることが好ましく、20n
m以下であることがさらに好ましい。
【0029】前述のように、長尺状透明支持体には配向
膜形成用樹脂層を設けてもよい。配向膜形成用樹脂層
は、ラビング処理により、その上に設けられる液晶性化
合物の配向方向を規定するように機能する配向膜とな
る。本発明の長尺状光学補償シートの製造方法において
は、この配向膜による配向機能が、配向膜の上に形成さ
れる液晶性化合物層の前述の整流熱風との接触による配
向作用を促進するように、あるいは高めるように働く。
【0030】配向膜形成用樹脂層は通常、樹脂材料ある
いはカップリング剤などから形成される。その樹脂材料
の例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸
/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共
重合体、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロール
アクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合
体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロー
ス、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、
エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセル
ロース、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリカーボ
ネート等のポリマーが挙げられ、カップリング剤として
は、シランカップリング剤を挙げることができる。好ま
しいポリマーの例としては、ポリイミド、ポリスチレ
ン、スチレン誘導体のポリマー、ゼラチン、ポリビニル
アルコール及びアルキル基(炭素原子数6以上が好まし
い)を有する変性ポリビニルアルコールを挙げることが
できる。
【0031】配向膜形成用樹脂層の形成に用いるポリマ
ーの中で、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルア
ルコールが好ましい。ポリビニルアルコールとしては、
例えば鹸化度70〜100%のものが用いられ、好まし
くは鹸化度80〜100%のものであり、より好ましく
は鹸化度85乃至95%のものである。重合度として
は、100〜3000の範囲が好ましい。変性ポリビニ
ルアルコールとしては、共重合変性したもの(変性基と
しては、例えば、COONa、Si(OX)3 、N(C
33 ・Cl、C919COO、SO3 、Na、ある
いはC1225等が導入される)、また、連鎖移動により
変性したもの(変性基として、例えば、COONa、S
H、C1225等が導入されている)、ブロック重合によ
る変性をしたもの(変性基として、例えば、COOH、
CONH2 、COOR、C65 等が導入される)等の
ポリビニルアルコールの変性物を挙げることができる。
その重合度としては、100〜3000のも範囲が好ま
しい。これらの中で、好ましいのは、鹸化度80〜10
0%の未変性乃至変性ポリビニルアルコールであり、よ
り好ましくは鹸化度85乃至95%の未変性ないしアル
キルチオ変性ポリビニルアルコールである。
【0032】変性ポリビニルアルコールとして、特に、
特願平7−20583号明細書に記載の変性ポリビニル
アルコール、および特願平7−255598号明細書の
記載の変性ポリビニルアルコールを用いることが好まし
い。
【0033】また、LCDの配向膜として広く用いられ
ているポリイミド膜(好ましくはフッ素原子含有ポリイ
ミドから形成された配向膜形成用樹脂膜)も好ましい。
これは、ポリアミック酸(例えば、日立化成(株)製の
LQ/LXシリーズ、日産化学(株)製のSEシリーズ
等)を支持体面に塗布し、100〜300℃で0.5〜
1時間焼成することにより形成することができる。
【0034】長尺状透明支持体の表面に形成された配向
膜形成用樹脂層をラビング処理するためには一般に、レ
ーヨン、ナイロン、絹、人絹などの起毛布をロールに巻
き付けたラビングロールを走行する長尺状の配向膜用樹
脂層に押し当てつつ高速回転させる方法が利用される。
押しつけ圧力は10〜500gf/cm2が好ましく、
ラビングロールの周速としては0.1〜2m/秒が好ま
しい。ラビングロールを長尺状配向膜用樹脂層に押し当
てる位置としては、長尺状配向膜用樹脂層がバックアッ
プされたパスロール上でもよいし、バックアップロール
間でもよい。
【0035】本発明の長尺状光学補償シートの光学異方
層の形成に用いられる液晶性化合物としては、ディスコ
ティック液晶性化合物、あるいはネマチック液晶性化合
物などの非ディスコティック液晶性化合物が好ましい。
なかでも、ディスコティック液晶性化合物が好ましく利
用される。
【0036】ディスコティック液晶化合物として代表的
なものは、C.Destradeらの研究報告、Mol. Cryst.Li
q. Cryst. 71巻、111頁(1981年)や、日本化
学会編、季刊化学総説 No. 22 液晶の化学 第5
章、第10章2節(1994年刊)、さらにB.Kohne
らの研究報告、Angew.Chem. 96巻、70頁(1984
年)J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Soc.Chem.Co
mmun.,1794頁(1985年)やJ.Zhang 、J.
S.Moore らの研究報告、J.Am.Chem.Soc.,116巻、
2655頁(1994年)に記載された種々の誘導体が
挙げられる。
【0037】更に詳しく説明すると、好ましいディスコ
ティック液晶化合物は、円盤状に似た形状を有する中心
部分、例えばベンゼン環、シクロヘキサン環、トリフェ
ニレン環、トルキセン環、コロネン環、フタロシアニン
環、アザクラウン環、アセチレンマクロサイクル環、β
−ジケトン系金属錯体から放射状に、複数個の互いに同
一または異なる側鎖部分が伸びた構造を有する化合物で
ある。
【0038】側鎖部分を形成する基の例としては、アル
カノイルオキシ基(例、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノ
イルオキシ、オクタノイルオキシ、ノナノイルオキシ、
デカノイルオキシ、ウンデカノイルオキシ)、アルキル
スルホニル基(例、ヘキシルスルホニル、ヘプチルスル
ホニル、オクチルスルホニル、ノニルスルホニル、デシ
ルスルホニル、ウンデシルスルホニル)、アルキルチオ
基(例、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、
ノニルチオ、デシルチオ、ウンデシルチオ、ドデシルチ
オ)、アルコキシ基(例、ブトキシ、ペンチルオキシ、
ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノ
ニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ)、2−
(4−アルキルフェニル)エチニル基(例、アルキル基
としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルを有するも
の)、末端ビニルアルコキシ基(例、4−ビニルブトキ
シ、5−ビニルペンチルオキシ、6−ビニルヘキシルオ
キシ、7−ビニルヘプチルオキシ、8−ビニルオクチル
オキシ、9−ビニルノニルオキシ)、4−アルコキシフ
ェニル基(例、アルコキシ基として、前述のアルコキシ
基で例示したものを有するもの)、アルコキシメチル基
(例、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で例示
したものを有するもの)、アルキルチオメチル基(例、
アルキルチオ基として、前述のアルキルチオ基で例示し
たものを有するもの)、2−アルキルチオエトキシメチ
ル基(例、アルキルチオ基として、前述のアルキルチオ
基で例示したものを有するもの)、2−アルコキシエト
キシメチル基(例、アルコキシ基として、前述のアルコ
キシ基で例示したものを有するもの)、2−アルコキシ
カルボニルエチル基(例、アルコキシ基として、前述の
アルコキシ基で例示したものを有するもの)、コレステ
リルオキシカルボニル、β−シトステリルオキシカルボ
ニル、4−アルコキシフェノキシカルボニル基(例、ア
ルコキシ基として、前述のアルコキシ基で例示したもの
を有するもの)、4−アルコキシベンゾイルオキシ基
(例、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で例示
したものを有するもの)、4−アルキルベンゾイルオキ
シ基(例、アルキル基として、前述の2−(4−アルキ
ルフェニル)エチニル基のアルキル基で例示したものを
有するもの)、4−アルコキシベンゾイル基(例、アル
コキシ基として、前述のアルコキシ基で例示したものを
有するもの)、更に前述のベンゾイル基がシンナモイル
基に置き換ったものが挙げられる。
【0039】また、前述の基のうち、フェニル基は、他
のアリール基(例、ナフチル基、フェナンスリル基、ア
ントラセニル基)であってもよいし、また前述の置換基
に加えて更に置換されていてもよい。また、該フェニル
基は複素芳香族環(例、ピリジル基、ピリミジル基、ト
リアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピ
ラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、チアゾ
リル基、オキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジ
アゾリル基、キノリル基、イソキノリル基)に置き換わ
ってもよい。さらに、側鎖部分に光学活性(キラル)化
合物基を導入することで、より均一なカイラル性を付与
することも可能になる。
【0040】本発明の長尺状光学補償シートの製造方法
で用いるために好ましいディスコティック化合物につい
ては、特開平9−104656号公報に詳しい記載があ
る。
【0041】液晶性化合物層は、前述した液晶性化合
物、そして所望により、添加剤化合物を溶剤に溶解した
溶液を、長尺状透明支持体もしくは配向膜の上に塗布、
乾燥することにより得られる。添加剤化合物の例として
は、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマー
などがあげられる。
【0042】上記可塑剤、界面活性剤及び重合性モノマ
ーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合
物の配向を阻害しない限り、どのような化合物も使用す
ることができる。これらの中で、重合性モノマー(例、
ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基、あるいは
メタクリロイル基を有する化合物)が好ましい。上記化
合物は、液晶性化合物に対して一般に1〜50重量%
(好ましくは5〜30重量%)の量にて使用される。
【0043】上記ポリマーとしては、液晶性化合物と相
溶性を有し、液晶性化合物にチルト角を与えることがで
きる限り、どのようなポリマーでも使用することができ
る。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げ
ることができる。セルロースエステルの好ましい例とし
ては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプ
ロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース及びセル
ロースアセテートブチレートを挙げることができる。上
記ポリマーは、液晶性化合物の配向を阻害しないよう
に、液晶性化合物に対して一般に0.1〜10重量%
(好ましくは0.1〜8重量%、特に0.1〜5重量
%)の量にて使用される。
【0044】液晶性化合物層を形成するための塗布液
は、液晶性化合物及び前述の添加剤化合物などを溶剤に
溶解することにより調製することができる。用いること
のできる溶剤の例としては、N,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)
及びピリジン等の極性溶剤、ベンゼン及びヘキサン等の
無極性溶剤、クロロホルム及びジクロロメタン等のアル
キルハライド類、酢酸メチル及び酢酸ブチル等のエステ
ル類、アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類、
及びテトラヒドロフラン及び1,2−ジメトキシエタン
等のエーテル類を挙げることができる。特に、アルキル
ハライド類及びケトン類が好ましい。溶剤は単独でも、
組合わせて使用しても良い。
【0045】上記塗布液を塗布する方法の例としては、
バーコーティング、カーテンコーティング、エクストル
ージョンコーティング、ロールコーティング、ディップ
コーティング、スピンコーティング、印刷コーティン
グ、スプレーコーティング及びスライドコーティングを
挙げることができるが、特にバーコーティング、エクス
トルージョンコーティング、スライドコーティングが好
ましい。
【0046】長尺状透明支持体上の配向膜の表面に形成
された液晶性化合物層は、次いで、加熱ゾーンにおい
て、本発明の特徴的な工程である整流下にある加熱空気
(熱風)に接触せしめられ、ねじれ配向を示すようにな
る。熱風は、塗布乾燥した液晶性化合物層に、ラビング
処理方向と異なる方向となるように、吹き付ける。風速
は7m/秒以上が好ましく、温度は30〜160℃が好
ましい。加熱ゾーン内の風の流れ方向を一定に保つため
には、加熱ゾーンに整流板を取り付け、排気口もスリッ
ト形状の開口を有することが望ましく、給気口(二次元
ノズル)と排気口は加熱ゾーンの両端に設置することが
好ましい。
【0047】上記の加熱ゾーンでの整流下にある加熱空
気との接触により、液晶性化合物層の液晶性化合物はツ
イスト配向したネマチック相を示す光学異方層となる。
この液晶性化合物層のツイスト配向したネマチック相の
固定化方法としては、UV光を照射してラジカル重合さ
せる、いわゆるUV硬化、もしくは熱重合による熱硬
化、あるいは急速にネマチック転移温度より低い温度ま
で冷却する方法などが利用される。
【0048】上記の製法により製造された長尺状光学補
償シートは、所望により、所定の寸法の光学補償シート
となるように裁断される。
【0049】本発明により得られる光学補償シートのネ
マティック相の光学異方層は、一般に光学補償シートの
法線方向から傾いた方向に、0以外のレターデーション
の絶対値の最小値を有する(すなわち、光軸を持たな
い)。上記の液晶層を含む光学補償シートの代表的な構
成例を図5に示す。図5において、透明支持体111、
配向膜112、そして光学異方層113が、順に積層さ
れ、光学補償シートを構成している。Rは配向方向を示
す。n1、n2 、n3 は、それぞれ光学補償シートの三
軸方向の屈折率を表わし、正面から見た場合にn1 ≦n
3 ≦n2 の関係を満足する。βは、Re(レターデーシ
ョン)の最小値を示す方向の光学異方層の法線114か
らの傾きである。
【0050】例えば、TN−LCD及びTFT−LCD
の視野角特性を改善するためには、Reの絶対値の最小
値を示す方向が、光学異方層の法線114から、5〜5
0度(傾きの平均値)傾いていることが好ましく、更に
10〜40度傾いていることが好ましい。更に、上記シ
ートは、下記の条件: 50≦[(n3 +n2 )/2−n1 ]×D≦400(n
m) (但し、Dはシートの厚さ)を満足することが好まし
く、更に下記の条件: 100≦[(n3 +n2 )/2−n1 ]×D≦400
(nm) を満足することが特に好ましい。
【0051】本発明により得られる光学補償シートが組
み込まれた液晶表示装置の代表的構成例を図6に示す。
図6において、透明電極を備えた一対の基板とその基板
間に封入された、ねじれ配向したネマチック液晶とから
なる液晶セルTNC、液晶セルの両側に設けられた一対
の偏光板A、B、液晶セルと偏光板との間に配置された
光学補償シートRF1 、RF2 及びバックライトBL
が、組み合わされて液晶表示装置を構成している。光学
補償シートは、液晶セルTNCの一方の側のみに配置し
ても良い(即ち、RF1 またはRF2 のいずれか)。R
1 は光学補償シートRF1 の、正面から見た場合の配向
方向を示し、R2 は光学補償シートRF2の配向方向を
示す。液晶セルTNCの実線の矢印は、液晶セルの偏光
板B側の基板のラビング方向を表わし、液晶セルTNC
の点線の矢印は、液晶セルの偏光板A側の基板のラビン
グ方向を表わす。PA及びPBは、それぞれ偏光板A、
Bの偏光軸を表わす。
【0052】
【実施例】[実施例1]トリアセチルセルロース[フジ
タック、富士写真フイルム(株)製、厚さ:100μ
m)の長尺状フィルムの一方の側に、長鎖アルキル変性
ポバール(MP−203、クラレ(株)製]2重量%溶
液をフィルム1m2当たり25mL塗布した後、60℃
で1分間乾燥させて、配向膜形成用樹脂層を形成した。
続いて、速度20m/分で搬送しながら、配向膜形成用
樹脂層の表面を図1に示すような方法によって、搬送方
向に直角な方向に配置されたラビングロール(直径:3
00mm)を用いて、搬送方向に平行な方向のラビング
処理を行なった。ラビングロールの押しつけ圧力は、配
向膜形成用樹脂層の表面積1cm2当たり、10gf/
cm2とした。ラビングロールの回転速度は、300r
pmとした。
【0053】配向膜形成用樹脂層を搬送方向にラビング
処理して形成された配向膜の上に、ディスコティック液
晶性化合物混合物に、光重合開始剤(商品名:イルガキ
ュア907、日本チバガイギー(株)製)を上記混合物
に対して1重量%添加した混合物の40重量%メチルエ
チルケトン溶液を、塗布器を用いて、配向膜形成用樹脂
層の表面に1m2当たり、5mLとなる量にて塗布し、
乾燥ゾーンで乾燥し、次いで図2に示すような、加熱ゾ
ーンを通過させた。乾燥ゾーンでは100℃に加熱され
た空気(熱風)を線速度0.1m/秒で送り、加熱ゾー
ンでは、スリット状ノズルを、長尺状透明支持体の移動
方向に対し直角な流れになるように加熱ゾーンの側面に
設置して熱風を吹き付けた。熱風はその温度が130℃
に、その線速度が8m/秒に調整した。
【0054】長尺状透明支持体は、ディスコティック液
晶性化合物混合物を塗布した後、3秒後に乾燥ゾーンに
入り、次の3秒後に加熱ゾーンに入った。液晶性化合物
層は加熱ゾーンに3分間滞在して、底面側が長尺状透明
支持体の移動方向(ラビング方向)に配向され、表面側
が底面側の配向方向に対して直角に配向した状態のツイ
スト配向したネマチック相を形成した。
【0055】続いて、このツイスト配向された液晶化合
物ネマチック層を表面に有する長尺状透明支持体を、連
続して20m/分で搬送しながら、液晶化合物ネマチッ
ク層の表面に紫外線ランプにより紫外線を照射し後、巻
き取った。
【0056】上記の方法によって製造した長尺状光学補
償シートを所定の寸法に裁断したのち、これを用いて図
6に示す液晶表示装置を組み立てた。その結果、得られ
た光学補償シートは、ツイスト配向したネマティック相
の光学異方層を形成しており、実用性の高い光学補償シ
ートとして用いることができることが確認された。
【0057】[実施例2]実施例1と同様にして長尺状
透明支持体の表面に配向膜形成用樹脂層を形成した後、
20m/分で搬送しながら、今度は、図3に示した方法
によって斜め方向(45゜)のラビング処理を行って配
向膜とした。ラビング処理は、直径が300mmのラビ
ングロールの中心軸角度を、支持体の搬送方向に対して
45度とした。配向膜形成用樹脂層に対する、ラビング
ロールの押しつけ圧力は、配向膜形成用樹脂層の表面積
1cm2当たり、10gf/cm2とした。ラビングロー
ルの回転速度は、300rpmとした。
【0058】配向膜形成用樹脂層を斜めラビング処理し
て得られた配向膜上に、液晶性ディスコティック化合物
の混合物に、光重合開始剤(イルガキュア907、日本
チバガイギー(株)製)を上記混合物に対して1重量%
添加した混合物の40重量%メチルエチルケトン溶液を
を、塗布器を利用して、配向膜の表面に、1m2当た
り、5mLの塗布量となるように塗布し、次いで塗布物
を乾燥ゾーン及び加熱ゾーンを通過させた。乾燥ゾーン
には、100℃に加熱調整された風を、線速度が0.1
m/秒で送った。加熱ゾーンは図4に示したような構成
の物であって、スリット状ノズルを長尺状透明支持体の
移動方向に対して直角になるように加熱ゾーン入口直後
に設置し、加熱した空気(熱風)が支持体の移動方向と
平行流になるようにして液晶性ディスコティック化合物
層の表面に吹き付けた。熱風は、その温度が130℃
に、その線速度が8m/秒になるように調整した。排気
口の位置は加熱ゾーン出口直前に設置した。
【0059】長尺状透明支持体は、その配向膜の上にデ
ィスコティック液晶性化合物混合物を塗布した後、3秒
後に乾燥ゾーンに入り、次の3秒後に加熱ゾーンに入っ
た。液晶性化合物は加熱ゾーンに3分間滞在して、底面
側が長尺状透明支持体の移動方向に45゜傾いた方向
(ラビング方向)に配向され、表面側が長尺状透明支持
体の搬送方向に配向した状態のツイスト配向したネマチ
ック相を形成した。
【0060】続いて、この配向された液晶化合物ネマチ
ック層を表面に有する長尺状透明支持体を、連続して2
0m/分で搬送しながら、液晶化合物ネマチック層の表
面に紫外線ランプにより紫外線を照射し後、巻き取っ
た。
【0061】上記の方法によって製造した長尺状光学補
償シートを所定の寸法に裁断したのち、これを用いて図
6に示す液晶表示装置を組み立てた。その結果、得られ
た光学補償シートは、ツイスト配向したネマティック相
の光学異方層を形成しており、実用性の高い光学補償シ
ートとして用いることができることが確認された。
【0062】
【発明の効果】本発明の長尺状光学補償シートの製造方
法は、ツイスト配向した液晶性化合物からなる光学異方
層を有する光学補償シートを、工業的に効率よく大量に
製造するのに好適な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長尺状光学補償シートの製造方法の代
表的な例の全工程を説明する概略図である。
【図2】図1に示した加熱ゾーンの構成を詳しく示す図
である。
【図3】本発明の長尺状光学補償シートの製造方法で利
用されるラビング方法の別の操作例を説明する概略図で
ある。
【図4】図3に示したラビング処理によって配向処理さ
れた配向膜を有する長尺状透明支持体の上に形成された
液晶性化合物層の表面側を熱風により配向させる加熱ゾ
ーンの構成を詳しく示す図である。
【図5】本発明により得られる光学補償シートの構成の
一例を示す斜視図である。
【図6】本発明により得られる光学補償シートが装着さ
れた液晶表示装置の構成の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 長尺状透明支持体送出機 12 長尺状透明支持体 13 配向膜形成用樹脂層 14 ラビング装置 15 静電除塵装置 16 配向膜 17 ダスト除去装置 18 液晶性化合物溶液(塗布液) 19 塗布装置 20 乾燥ゾーン 21 液晶性化合物層 22 加熱ゾーン 23 光学異方層 24 紫外線照射装置 25 長尺状光学補償シート 26 長尺状光学補償シート巻取装置 27 搬送ロール 28 加熱気体 29 スリット状ノズル 30 整流板 31 スリット(排気口) 111 透明支持体 112 配向膜 113 光学異方層 114 光学異方層の法線 R 配向方向 β レターデーションの最小値を示す方向の光学異方層
の法線からの傾き TNC TN型液晶セル A、B 偏光板 PA、PB 偏光軸 RF1、RF2 光学補償シート BL バックライト R1、R2 光学補償シートの配向方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶌 賢二 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 伊藤 洋士 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BB43 BB49 BC02 BC04 BC05 BC09 BC22 2H090 HB08Y JB03 JB06 JB13 KA05 KA08 LA06 MB01 4F042 AA22 DB02 DB36 DB37

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向膜形成用樹脂層を表面に備えた長尺
    状の透明支持体をその長さ方向に移動させながら、該配
    向膜形成用樹脂層の表面をラビング処理することによ
    り、該樹脂層を配向膜層とし、次に該配向膜層の表面に
    液晶性化合物溶液を塗布し、乾燥することにより、ラビ
    ング方向に配向した液晶性化合物層を形成した後、加熱
    気体を、該液晶性化合物層の表面に接触させながら、上
    記ラビング処理の方向とは異なる方向に移動させること
    によって、該液晶性化合物層の表面側の液晶性化合物を
    加熱気体の移動方向に沿って配向させ、次いでその配向
    状態を固定することにより、該液晶性化合物層をツイス
    ト配向した光学異方層とすることを特徴とする長尺状光
    学補償シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 ラビング方向を、長尺状透明支持体の移
    動方向と同一の方向とすることを特徴とする請求項1に
    記載の長尺状光学補償シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 ラビング方向を、長尺状透明支持体の移
    動方向に対して斜めとなる方向とすることを特徴とする
    請求項1に記載の長尺状光学補償シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 加熱気体の温度及び速度のそれぞれが、
    加熱気体の移動方向に対して横断方向に沿って一定であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれかの
    項に記載の長尺状光学補償シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 加熱気体を透明支持体の上方に配置され
    た二次元ノズルから供給することを特徴とする請求項4
    に記載の長尺状光学補償シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 液晶性化合物が液晶性ディスコティック
    化合物であることを特徴とする請求項1乃至5のうちの
    いずれかの項に記載の長尺状光学補償シートの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 液晶性化合物が重合性基を有する液晶性
    ディスコティック化合物であって、液晶性化合物層中の
    液晶性化合物の配向状態の固定を該ディスコティック化
    合物の重合により行なうことを特徴とする請求項1乃至
    5のうちのいずれかの項に記載の長尺状光学補償シート
    の製造方法。
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