JPH0968161A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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Publication number
JPH0968161A
JPH0968161A JP7223893A JP22389395A JPH0968161A JP H0968161 A JPH0968161 A JP H0968161A JP 7223893 A JP7223893 A JP 7223893A JP 22389395 A JP22389395 A JP 22389395A JP H0968161 A JPH0968161 A JP H0968161A
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JP
Japan
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oil
chamber
gas
hole
suction
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Pending
Application number
JP7223893A
Other languages
English (en)
Inventor
Isato Ikeda
勇人 池田
Yasushi Sato
裕史 佐藤
Masanori Yokoi
雅宣 横井
Kiichi Ideto
紀一 出戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吐出圧力脈動の緩和と吐出ガスの油分離を同時
に達成するとともに、分離油の活用を図る。 【解決手段】両シリンダブロック1、2の上部合せ面を
またいで空洞状に形成され、かつ両吐出室16、17と
それぞれ独立したガス通路31、32によって連通され
た鎮制室50を設け、合せ面封止用のガスケット60に
鎮制室50を局部的に仕切る油分離スクリーン60aを
延設して両ガス通路31、32の開口と対向させるとと
もに、鎮制室50を底部の還油孔36及び両シリンダブ
ロック1、2の上部位置を占める吸入系とは絶縁された
ボルト挿通孔1a’、2a’を介して、中心軸孔2bの
後端部を含む油溜室Sと連通せしめたことにより、脈動
緩和、油分離とともに、回転系軸受部の潤滑を全うす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧冷媒ガスの油
分離機構を内蔵した圧縮機、具体的には斜板などのカム
プレートを備えた圧縮機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】主として車両空調用に供されるこれらの
圧縮機では、吐出圧力脈動の緩和を意図して機内の吐出
系通路中にマフラ機構を内蔵させたものが知られてお
り、一方、吐出冷媒ガス中にミスト状に混在されている
油成分を分離回収して、摺動各部の潤滑に供すると同時
に冷凍回路における熱交換効率の低下を防止するといっ
た着想もまた知られており、上記マフラ機構と同様、圧
縮機に直接油分離機構を内蔵させた構成の提案も少なく
ない。。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、上述した油分離
機構内蔵型の圧縮機では、油分離機構の形態もさること
ながら、機内に多量の潤滑油を貯溜しようとすると、油
溜室のスペース確保のために機体の大型化が避けられな
いといった問題がある。また、機内の高圧領域で分離さ
れた分離油を回収する油溜室と、該分離油を還給する低
圧領域(例えばクランク室)とは通常還油孔によって連
通せしめられており、適正な還油量の保持や、機台停止
後の貯溜油枯渇時、該還油孔を経由して生じる高圧冷媒
ガスの逆流抑制といった点を考慮して、浮子弁など各種
の弁装置が配設されているが、還油孔の通路断面積が小
さいだけに作動不良を生じやすいといった問題もある。
【0004】さらに、このような分離油がクランク室へ
還給されたとしても、吸入ポートからクランク室内に流
入した冷媒ガスは構造上の必然性からクランク室の周壁
に沿って流動するため、とかく中心近傍の領域では冷媒
ガスが希薄化されるといった傾向がある。その結果、と
くに駆動軸を支承するラジアル軸受に潤滑不足が生じや
すく、また、合理化対策の一環としてカムプレートを挟
持するスラスト軸受に複合型の滑り軸受の採用を試みた
ものでは、ころがり軸受にみられるような大きな遊隙と
して存在しえない滑り面への給油が極端に悪化すること
となって、上記ラジアル軸受ともども早期摩耗が避けら
れないといった問題もある。
【0005】本発明の第1の解決課題は、機体の大型化
を招くことなく、吐出圧力脈動の緩和と吐出ガスの油分
離とを同時に達成することであり、第2の解決課題は、
分離油の還油孔に配置される弁装置などを用いることな
く回転系軸受部の潤滑不足を良好に解消することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の圧縮機は、前後に複数のボアを並設して結合
部分にクランク室を形成した対のシリンダブロックと、
両シリンダブロックの中心軸孔にラジアル軸受を介して
嵌挿支承された駆動軸と、クランク室内の該駆動軸に装
着され、かつスラスト軸受を介して両シリンダブロック
に挟持されたカムプレートと、該カムプレートに係留し
て前後のボア内を直動するピストンと、各ボアに対応す
る吸入孔及び吐出孔を貫設した弁板と、吸入室及び吐出
室を画設し、かつ吸入弁及び吐出弁を装備した該弁板を
挟持して通しボルトによりシリンダブロックの両外端を
閉塞するハウジングとを有し、上記通しボルトの周域に
上記クランク室と上記吸入室とを連通する吸入通路を開
設した圧縮機において、上記両シリンダブロックの上部
合せ面をまたいで空洞状に形成され、かつ両吐出室とそ
れぞれ独立したガス通路によって連通された鎮制室を設
け、上記合せ面封止用のガスケットに該鎮制室を局部的
に仕切る油分離スクリーンを延設して両ガス通路の開口
と対向させるとともに、該鎮制室をオイル通路を介して
油溜室と連通せしめたことを特徴としている。
【0007】請求項2記載の圧縮機は、上記鎮制室に連
通される両ガス通路が、上記油分離スクリーンからほぼ
等距離に開口されていることを特徴としている。請求項
3記載の圧縮機は、上記油分離スクリーンに多数の小孔
若しくはスクリットが貫設されていることを特徴として
いる。請求項4記載の圧縮機は、上記オイル通路が上記
鎮制室底部の還油孔であり、上記油溜室が両シリンダブ
ロックの上部位置を占める吸入系とは絶縁されたボルト
挿通孔であることを特徴としている。
【0008】請求項5記載の圧縮機は、上記吸入系とは
絶縁されたボルト挿通孔が、前部又は後部シリンダブロ
ックの外端閉塞域に設けられた絞り通路を介して上記中
心軸孔と連通されていることを特徴としている。請求項
6記載の圧縮機は、上記オイルが上記鎮制室底部の還油
孔及び両シリンダブロックの上部位置を占める吸入系と
は絶縁されたボルト挿通孔を含むことを特徴としてい
る。
【0009】請求項7記載の圧縮機は、上記吸入系とは
絶縁されたボルト挿通孔が、後部シリンダブロックの外
端閉鎖域に設けられた絞り通路を介して上記中心軸孔の
後端部を含む油溜室と接続されていることを特徴として
いる。請求項8記載の圧縮機は、上記シリンダブロック
の両外端面に、吸入系とは絶縁された上記ボルト挿通孔
の少なくとも他の一つと両中心軸孔とをそれぞれ連通す
る油溝が刻設されていることを特徴としている。
【0010】請求項9記載の圧縮機は、上記ラジアル軸
受の双方が滑り軸受、上記スラスト軸受の双方が複合型
の滑り軸受で構成されていることを特徴としている。な
お、上記絞り通路が形成される前部及び後部シリンダブ
ロックの外端閉塞域とは、該シリンダブロックの外端面
又はこれに密合される封止部材(ガスケット)などを含
む称呼である。
【0011】
【作用】請求項1〜6記載の圧縮機では、各ボアから吐
出された高圧の吐出ガスは、両吐出室からそれぞれ独立
したガス通路を経て鎮制室へと導入され、該鎮制室のも
つ膨張形のマフラ機能によって圧力脈動成分が減衰せし
められたのち、吐出フランジ(吐出ポート)を経てこれ
に接続された外部冷凍回路へと送出されることになる
が、この場合、合せ面を封止するガスケットから一体的
に拡延されて鎮制室を局部的に仕切る油分離スクリーン
が両ガス通路の開口と対向する形態で設けられており、
ガス通路から放出される吐出ガスは直接油分離スクリー
ンに衝突せしめられる。
【0012】このため、吐出ガス中に混在する油成分は
慣性や比重差などにより分離されて該スクリーン面上を
流下し、該鎮制室の底部に開口する還油孔から吸入系と
は絶縁されたボルト挿通孔へ導入されて貯溜される。請
求項7記載の圧縮機では、さらに該貯溜油が後部シリン
ダブロックの中心軸孔、とくに中立的雰囲気である同中
心軸孔を含んで形成された油溜室に逐次導入貯溜され
る。該中心軸孔内には駆動軸を支承するラジアル軸受が
収嵌されており、駆動軸との嵌合細隙がもたらす減圧作
用が該貯溜油を吸引し、カムプレートを挟持するスラス
ト軸受部に到達した油成分は遠心力の助勢を得てクラン
ク室内へと還元される。とくに請求項5及び7記載の圧
縮機では、分離油が前部又は後部シリンダブロックの外
端閉塞域に形成された狭隘な絞り通路を介して該シリン
ダブロックの中心軸孔に導かれており、この絞り通路が
油量調整機能に加えて貯溜油枯渇時における高圧冷媒ガ
スの逆流を抑止する実質的な弁機能を備えている。
【0013】請求項8記載の圧縮機では、油溜室内の貯
溜油を油溝及び吸入系と絶縁された他のボルト挿通孔を
介してフロント側の中心軸孔へも供給することにより、
クランク室へ還元される分離油をそのまま活用して、と
かく不十分であった回転系軸受部の全てを積極的に潤滑
しうるので、請求項9記載の圧縮機のように、合理化に
不可欠なラジアル、スラスト両軸受の滑り軸受への転換
も十分可能とすることができる。また、分離油がクラン
ク室へ還元されるまでの道程がきわめて長く、しかも導
油路を形成するボルト挿通孔を含んでその貯油能力が大
幅に高められるので、油温の低下に基づく潤滑性の向上
とともに、長期にわたる油切れを巧みに防止することが
できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図に基づいて本発明の実施
の形態を具体的に説明する。図1、図2は片側5気筒の
両頭斜板式圧縮機を示すもので、前後に対設されたシリ
ンダブロック1、2の両端部は前後の弁板3、4を介し
てフロント及びリヤのハウジング5、6により閉塞さ
れ、これらはボルト挿通孔1a、2aに挿通された複数
本の通しボルト7によって結合されている。シリンダブ
ロック1、2の結合部分にはクランク室としての斜板室
8が形成され、そこには両シリンダブロック1、2の中
心軸孔1b、2bを貫通する駆動軸9に固定されたカム
プレートとしての斜板10が収容されている。上記シリ
ンダブロック1、2には、5対のボア11が、駆動軸9
と平行に、かつ駆動軸9を中心とする放射位置に形成さ
れ、各ボア11には両頭形のピストン12が嵌挿され
て、各ピストン12は半球状のシュー13を介して斜板
10に係留されている。
【0015】上記フロント及びリヤのハウジング5、6
にはそれぞれ外方域に吸入室14、15が形成され、内
方域に吐出室16、17が形成されている。また、前後
の弁板3、4にはそれぞれ吸入室14、15から各ボア
11内に低圧の冷媒ガスを吸入するための吸入孔18、
19と、各ボア11から吐出室16、17内に圧縮され
た高圧の冷媒ガスを吐出するための吐出孔20、21と
が形成されている。さらに、弁板3、4のシリンダブロ
ック1、2側には吸入弁22、23が設けられ、弁板
3、4のハウジング5、6側には吐出弁24、25が設
けられている。
【0016】両シリンダブロック1、2から弁板3、4
を通して穿設された上記ボルト挿通孔1a、2aの一部
(実施例においては2個)は、通しボルト7との間の拡
大遊隙によって実質的に斜板室8と吸入室14、15と
を連通する複数の吸入通路として形成されており、図示
しない吸入ポートから斜板室8に吸入された冷媒ガスが
この吸入通路を通って吸入室14、15内に導入され
る。なお、27は軸封装置である。
【0017】本実施形態の特徴的構成である鎮制室50
は、図1に示すように、両シリンダブロック1、2の上
部合せ面をまたいで空洞状に形成され、両吐出室16、
17からそれぞれ独立して延びるガス通路31、32が
該鎮制室50に連通されるとともに(図2、図5)、シ
リンダブロック2側の鎮制室50bに配設されたフラン
ジ孔(吐出ポート)33は、これに嵌合される図示しな
いホースジョイントを介して外部冷凍回路に接続されて
いる。
【0018】シリンダブロック1、2側の各鎮制室50
a、50bのほぼ中央に位置する上記合せ面には、封止
用のガスケット60が挟装されており、該ガスケット6
0には、前後のガス通路31、32の開口と対向する約
半面部分を仕切る油分離スクリーン60aが延設され、
残余の半面部分には適宜形状の通孔61(図3は6個の
円孔を示す)が形成されて、鎮制室50a、50bは相
互に導通されている。
【0019】そして図3に示すように、湾曲状をなす鎮
制室50a、50bの下底部合せ面に穿設された還油孔
36が、斜板室8及び吸入室14、15と絶縁されたボ
ルト挿通孔1a’、2a’のうち、両シリンダブロック
1、2の上部位置を占める一つと結ばれており、該ボル
ト挿通孔1a’、2a’は分離油の一時貯溜部であると
同時に、下部位置を占める他の一つと共に導油路を形成
している(図1参照)。そして上部位置を占める該ボル
ト挿通孔2a’の外端開口は、同外端面に形成された狭
隘な絞り通路38を介して中心軸孔2bに連通される
が、この絞り通路38は後部シリンダブロック2の外端
面と密合するガスケット(図示せず)にスリットを設け
るか又はエンボシング加工を施して形成することも可能
である。
【0020】次いで本実施形態における回転系軸受部並
びにその潤滑機構について説明する。すなわち、上記還
油孔36、上部位置を占めて導油路を形成するボルト挿
通孔1a’、2a’及び絞り通路38によって上記鎮制
室50と連通された中心軸孔2bの後端部は、リヤハウ
ジング6の中心領域を含んで中立的圧力雰囲気の油溜室
Sとして形成され、該中心軸孔2bに該油溜室Sとは油
路48を有する隔壁49を隔ててラジアル軸受71が収
嵌されている。なお、本実施形態は分離油の回収還元と
潤滑とを両立させて、両ラジアル軸受70、71の滑り
軸受化と共に、シリンダブロック1、2と斜板10との
間に挟装されるスラスト軸受40、41も複合型の滑り
軸受で構成されている。そして前部のスラスト軸受40
を挟持する斜板10の前部ボス並びに前部シリンダブロ
ック1の支承部には、互いに対向するフラットな受圧座
が形成され、内輪40a、外輪40bが両受圧座と密合
することにより、該スラスト軸受は安定、かつリジッド
に挟持されている。
【0021】これに対し挟持手段を異にする後部のスラ
スト軸受41には、アキシャル荷重を吸収する緩衝機能
が付与されている。すなわち斜板10の後部ボスには比
較的大径の環状受圧座10aが形成されて、内輪41a
はその外径近傍で該環状受圧座10aと衝接し、一方、
後部シリンダ2の支承部には比較的小径の環状受圧座2
cが形成されて、外輪41bはその内径近傍で該環状受
圧座2cと衝接せしめられている。
【0022】そして両スラスト軸受40、41は図6に
示すように、互いに対向する滑り面によって内輪40
a、41aと外輪40b、41bとが密合されており、
内輪40a、41aの滑り面には例えばフッ素樹脂など
の低摩擦樹脂皮膜45が形成されている。また、外輪4
0b、41bの滑り面には内周縁から外周縁に向う適数
条の潤滑溝46が刻設され、該潤滑溝46は内周面を軸
方向に延びる通溝47と連接されている。
【0023】シリンダブロック1、2の両外端面には、
上記下部位置を占めて導油路を形成するボルト挿通孔1
a’、2a’と上記中心軸孔1b、2bとを連通する油
溝30が刻設されており、このような一連の油路によっ
てフロント側の回転軸受部も油溜室Sと巧みに接続され
ている。本実施形態は上述のように構成されており、駆
動軸9の回転により斜板10が回転されると、各ピスト
ン12がボア11内で往復動され、それによって冷媒ガ
スの吸入、圧縮及び吐出が行われる。圧縮された高圧の
冷媒ガスは吐出室16、17から各ガス通路31、32
を介して鎮制室50に導入される。このとき鎮制室50
内にはガスケット60から拡延されて鎮制室50を局部
的に仕切る油分離スクリーン60aが、両ガス通路3
1、32の開口からほぼ等距離で、しかも両開口と対向
する形態で設けられており、ガス通路31、32から鎮
制室50内に放出される吐出ガスは先行的に該油分離ス
クリーン60aに衝突せしめられる。
【0024】このため、吐出ガス中に混在する油成分は
慣性や比重差などにより有効、かつ均等に分離されて該
スクリーン面上を流下し、一方、後部のガス通路32か
ら鎮制室50b内に放出される吐出ガスは衝突後反転し
て直接に、また、前部のガス通路31から鎮制室50a
内に放出される吐出ガスは、衝突後再反転とガスケット
60に形成された通孔61を通過することにより、共に
吐出ポート33に向って流動する(図5)。そしてこの
間、鎮制室50のもつ膨張形のマフラ機能によって圧力
脈動成分を減衰せしめられた吐出ガスは、該吐出ポート
33から図示しないホースジョイントを介して外部冷凍
回路へと送出される。
【0025】図4に示す実施形態は、ガスケット60か
ら拡延された油分離スクリーン60a上に、図のような
多数の小孔62若しくはスリットを貫設したものであっ
て、このような構成によれば、ガス通路31、32から
鎮制室50内に放出される双方の吐出ガスの衝突と、一
部の吐出ガスが該小孔62群を潜通する際の抵抗とによ
って、混在油成分は一層効果的に分離される。
【0026】しかして、上述のようにスクリーン面上を
流下した分離油は湾曲状をなす鎮制室50の下底壁に案
内されて、各還油孔36から導油路を形成するボルト挿
通孔1a’、2a’に一時貯溜され、さらに絞り通路3
8を経由して油溜室S内に貯溜される。該中心軸孔2b
内には駆動軸9を支承するラジアル滑り軸受71が収嵌
されており、駆動軸9との嵌合細隙がもたらす減圧作用
が隔壁49に貫設された油路48を介して該貯溜油を誘
引し、斜板10を挟持するスラスト軸受41に到達した
油成分は遠心力の助勢も得て軸受空隙から斜板室8へと
還元される。この場合、後部シリンダブロック2の外端
面に形成された絞り通路38は、油量調整機能に加えて
貯溜油枯渇時における高圧冷媒ガスの逆流を抑止する実
質的な弁機能を果している。
【0027】さて、本実施形態においては通常、単に斜
板室8へ還元される分離油をそのまま活用して、とかく
不十分であったラジアル軸受70、71及びスラスト軸
受40、41の積極的な潤滑を果し、これらすべての軸
受要素を滑り軸受に転換して圧縮機の合理化に大きく寄
与することも狙いとしている。すなわち油溜室Sに貯え
られた貯溜油の一部は、両シリンダブロック1、2の外
端面に刻設された油溝30並びにこれら両油溝30を連
通するボルト挿通孔1a’、2a’を介して前部シリン
ダブロック1の中心軸孔1bへと供給される。このため
両中心軸孔1b、2b内の油成分がラジアル軸受70、
71からスラスト軸受40、41を構成する外輪40
b、41bの通溝47及び潤滑溝46を潜通する間に、
ラジアル軸受70、71、スラスト軸受40、41の各
滑り面は勿論、フロント側の軸封装置27も十分潤滑さ
れる。しかもスラスト軸受40、41の相対的な滑り面
のいずれか一方(図は内輪側)に低摩擦樹脂皮膜45を
形成したり、上記外輪40b、41bの潤滑溝46を図
のように駆動軸9の回転方向(矢印)の向きに湾曲せし
めたものでは、滑り面の良好な摺動と同時に油成分の流
動がさらに活発化される。
【0028】したがって、合理化対策に欠かせないスラ
スト軸受40、41及びラジアル軸受70、71の滑り
軸受への転換も、かかる貯溜油量の増大並びに潤滑機構
の改善によって十分可能とすることができる。なお、上
記スラスト軸受40、41の挟持手段の相違に基づいて
機能する変動荷重の吸収や不安定振動の抑制作用は、上
記滑り軸受への転換にかかわりなく発揮される。
【0029】なお、上記実施形態において、還油孔36
を介して鎮制室50と連通されるボルト挿通孔1a’,
2a’がそれ自身油溜室として充分な容積を有する場合
は、油溜室Sを省略する変形例も可能である。この場合
には、ボルト挿通孔1a’,2a’に貯溜された貯溜油
は、前部シリンダブロックの外端面に形成され、該ボル
ト挿通孔1a’,2a’と中心軸孔1bとを連通する後
部と同様の絞り通路38により、ラジアル軸受70、ス
ラスト軸受40及び軸封装置27等の各摺動部に供給す
ることが可能であり、さらに該貯溜油は、隔壁49が取
り払われた(油溜室Sが省略された)後の中心軸孔2b
と該ボルト挿入孔1a’,2a’とを連通する絞り通路
38により、ラジアル軸受71、スラスト軸受41等の
各摺動部に供給することが可能である。
【0030】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明は、特許請
求の範囲に記載した構成を有するものであるから、以下
に掲記する優れた効果を奏する。 (1)請求項1〜6記載の圧縮機では、両シリンダブロ
ックの上部合せ面をまたいで形成された鎮制室と、合せ
面封止用のガスケットから拡延された油分離スクリーン
の採用により、きわめて簡素、かつ安価な構成によっ
て、吐出圧力脈動の緩和と吐出ガスの油分離とを同時に
達成しうるので、冷房能力と共に圧縮機の信頼性を著し
く向上させることができる。 (2)とくに請求項2に記載された両ガス通路の開口と
油分離スクリーンとの相対位置関係や、請求項3に記載
された油分離スクリーン上の小孔群を備えた構成を採用
すれば、一層均等、かつ有効な油分離を行うことができ
る。 (3)さらに請求項7記載の圧縮機では、鎮制室内の分
離油は還油孔を経て導油路を形成するボルト挿通孔で一
時貯溜されたのち、中心軸孔の後端部を含んで形成され
た油溜室に導入貯溜され、中心軸孔内に収嵌されたラジ
アル軸受及びカムプレートを挟持するスラスト軸受を介
してクランク室へ還元される結果、分離油の貯溜量は十
分に確保される。しかも貯溜油量確保にボルト挿通孔を
活用しているため、機体の肥大化といった問題も全く生
じない。また、請求項5及び7記載の圧縮機では、後部
シリンダブロックの外端閉塞域に形成された絞り通路
が、貯溜油枯渇時における高圧冷媒ガスの逆流を抑止す
る弁機能と供給油量の調整機能を果すので、従来還油孔
に配設されていた弁手段を完全に省去することができ
る。 (4)請求項8及び9記載の圧縮機では、両中心軸孔を
導通することにより、クランク室へ還元される分離油を
そのまま活用して前後の回転軸受部を積極的に潤滑しう
るので、ラジアル、スラスト両軸受の滑り軸受への転換
を可能として、合理化対策にこよなく貢献しうるととも
に、圧縮機の信頼性を一層向上させることができる。 (5)また、分離油がクランク室へ還元されるまでの道
程がきわめて長く、しかも導油路を形成するボルト挿通
孔を含んでその貯油能力が大幅に高められるので、油温
の低下に基づく潤滑性の向上とともに、長期にわたる油
切れを巧みに防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る両頭斜板式圧縮機の全
容を示す断面図。
【図2】同圧縮機における後部シリンダブロックの外端
側面図。
【図3】鎮制室と油分離スクリーンを示す図1のA−A
線断面側面図。
【図4】油分離スクリーンの他の形態を示す側面図。
【図5】鎮制室と油分離スクリーンを示す図2のB−B
線断面平面図。
【図6】本発明の実施形態に係るスラスト軸受を示し、
(a)は断面正面図、(b)は滑り面の側面図。
【符号の説明】
1は前部シリンダブロック、2は後部シリンダブロッ
ク、1a、2aはボルト挿通孔、1a’、2a’は吸入
系と絶縁されたボルト挿通孔、1b、2bは中心軸孔、
3、4は弁板、5はフロントハウジング、6はリヤハウ
ジング、7は通しボルト、8は斜板室、9は駆動軸、1
0は斜板、16、17は吐出室、30は油溝、31、3
2はガス通路、36は還油孔、38は絞り通路、40、
41はスラスト軸受、40a、41aは内輪、40b、
41bは外輪、45は低摩擦樹脂皮膜、46は潤滑溝、
47は通溝、50は鎮制室、60はガスケット、60a
は油分離スクリーン、62は小孔、70、71はラジア
ル軸受、Sは油溜室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04B 27/08 R (72)発明者 出戸 紀一 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前後に複数のボアを並設して結合部分にク
    ランク室を形成した対のシリンダブロックと、両シリン
    ダブロックの中心軸孔にラジアル軸受を介して嵌挿支承
    された駆動軸と、クランク室内の該駆動軸に装着され、
    かつスラスト軸受を介して両シリンダブロックに挟持さ
    れたカムプレートと、該カムプレートに係留して前後の
    ボア内を直動するピストンと、各ボアに対応する吸入孔
    及び吐出孔を貫設した弁板と、吸入室及び吐出室を画設
    し、かつ吸入弁及び吐出弁を装備した該弁板を挟持して
    通しボルトによりシリンダブロックの両外端を閉塞する
    ハウジングとを有し、上記通しボルトの周域に上記クラ
    ンク室と上記吸入室とを連通する吸入通路を開設した圧
    縮機において、上記両シリンダブロックの上部合せ面を
    またいで空洞状に形成され、かつ両吐出室とそれぞれ独
    立したガス通路によって連通された鎮制室を設け、上記
    合せ面封止用のガスケットに該鎮制室を局部的に仕切る
    油分離スクリーンを延設して両ガス通路の開口と対向さ
    せるとともに、該鎮制室をオイル通路を介して油溜室と
    連通せしめたことを特徴とする圧縮機。
  2. 【請求項2】上記鎮制室に連通される両ガス通路は、上
    記油分離スクリーンからほぼ等距離に開口されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 【請求項3】上記油分離スクリーンには多数の小孔若し
    くはスリットが貫設されていることを特徴とする請求項
    1又は2記載の圧縮機。
  4. 【請求項4】上記オイル通路は上記鎮制室底部の還油孔
    であり、上記油溜室は両シリンダブロックの上部位置を
    占める吸入系とは絶縁されたボルト挿通孔であることを
    特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  5. 【請求項5】上記吸入系とは絶縁されたボルト挿通孔
    は、前部又は後部シリンダブロックの外端閉塞域に設け
    られた絞り通路を介して上記中心軸孔と連通されている
    ことを特徴とする請求項4記載の圧縮機。
  6. 【請求項6】上記オイル通路は上記鎮制室底部の還油孔
    及び両シリンダブロックの上部位置を占める吸入系とは
    絶縁されたボルト挿通孔を含むことを特徴とする請求項
    1記載の圧縮機。
  7. 【請求項7】上記吸入系とは絶縁されたボルト挿通孔
    は、後部シリンダブロックの外端閉塞域に設けられた絞
    り通路を介して上記中心軸孔の後端部を含む油溜室と接
    続されていることを特徴とする請求項6記載の圧縮機。
  8. 【請求項8】上記シリンダブロックの両外端面には、吸
    入系とは絶縁された上記ボルト挿通孔の少なくとも他の
    一つと両中心軸孔とをそれぞれ連通する油溝が刻設され
    ていることを特徴とする請求項7記載の圧縮機。
  9. 【請求項9】上記ラジアル軸受の双方が滑り軸受、上記
    スラスト軸受の双方が複合型の滑り軸受で構成されてい
    ることを特徴とする請求項8記載の圧縮機。
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