JPH0967506A - ポリピロール含有ラテックスの製造方法、ラテックス組成物及び導電性フォーム - Google Patents
ポリピロール含有ラテックスの製造方法、ラテックス組成物及び導電性フォームInfo
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- JPH0967506A JPH0967506A JP7248605A JP24860595A JPH0967506A JP H0967506 A JPH0967506 A JP H0967506A JP 7248605 A JP7248605 A JP 7248605A JP 24860595 A JP24860595 A JP 24860595A JP H0967506 A JPH0967506 A JP H0967506A
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Abstract
また、過剰量の触媒も使用せず、固形分量の多い、ポリ
ピロール含有ラテックスを製造する方法を提供する。更
に、このラテックスに特定の他のラテックスを混合した
ラテックス組成物、これらのラテックスに軟質ポリウレ
タンフォーム等の連泡性フォームを含浸させて得られる
導電性フォームを提供する。 【解決手段】 室温において、水50gに、ノニオン性
クロロプレンゴムラテックス15g、15%過酸化水素
水6g、0.5N塩酸20g及びピロール6gを添加し
て攪拌した。この水分散性混合物を攪拌しながら5℃に
冷却し、重合触媒として塩化第二鉄の3%水溶液5gを
徐々に滴下して加えた。10〜30分でピロールの酸化
重合が進み、黒色のポリピロール含有ラテックスを得
た。このラテックスは室温で1ケ月に渡り沈殿を生ずる
ことなく安定に存在した。
Description
電性材料として含むポリピロール含有ラテックス(以
下、PPy含有ラテックスという。)の製造方法、及び
この方法により製造されるラテックスに更に特定のラテ
ックスを添加して得られるラテックス組成物に関する。
また、上記PPy含有ラテックス又はラテックス組成物
中の固形分粒子が、その気泡壁等に付着した導電性フォ
ームに関する。本発明のPPy含有ラテックス、ラテッ
クス組成物及び導電性フォームは、導電性ロールなど複
写機等の部材を製造するための原材料等として利用され
る。
フェニレン及びポリチオフェン等と同様に、π電子共役
系を有する導電性高分子化合物である。これらの中で特
にポリピロールは、その導電性が高く、且つ空気中で安
定しており、導電性材料としての実用化のための研究が
進められている。このポリマーはモノマーを電気化学的
に酸化重合(電解重合)又は化学的に酸化重合(化学重
合)することによって得られる。しかし、上記の酸化重
合によって得られるポリピロールは、不溶不融であるた
め成形性に劣っており、用途が限定されている。
媒質として最も使用し易い水にポリピロール等を分散さ
せ、安定した水分散液を得る方法が広く検討されてい
る。例えば、特開昭63−193926号公報、特開平
1−304117号公報及び特開平3−730号公報に
は、ピロール等をポリビニルアルコールなどの保護コロ
イドとして作用する分散剤と、乳化剤として作用するア
ニオン性、カチオン性等の界面活性剤の存在下に重合す
ることを特徴とするポリピロール等含有水分散液の調製
方法が開示されている。
天然ゴム或いは合成ゴム等、実質的に導電性を有さない
高分子材料を固形分粒子とするラテックス中で、ピロー
ルやアニリン等のモノマーを触媒存在下に酸化重合する
ことにより、その中に導電性高分子複合材料からなる固
形分粒子が分散されたラテックスを得る方法が記載され
ている。
開昭63−193926号公報等に開示されたポリピロ
ール等含有水分散液では、分散剤として吸水性の大きい
ポリビニルアルコールなどを使用しているため、この水
分散液を使用してフィルム等を成形した場合、成形品が
膨潤することがある。この膨潤の程度が高まるにつれ、
成形品の導電性等の物性は一般に大きく低下する。ま
た、特開昭63−193926号公報に記載された水分
散液では、各種の高分子化合物、特に合成樹脂エマルジ
ョンを混合して分散液の安定化が図られている。しか
し、それでも上記の膨潤による物性の低下を十分に抑制
することはできない。
触媒を、ピロール1モルに対して1〜5モルと多量に使
用しなければ、良好な導電性を有するフィルム等を成形
できる水分散液を得ることができない場合が多い。しか
し、このように多量の触媒を使用して得られる分散液で
は、その安定性が低下し、成形したフィルム等の導電性
が不安定となり、同時に他の物性の低下も見られる。
合は、フィルム等が金属と接触したときに、金属が腐食
され易いという問題もある。尚、特開平6−93190
号公報に開示されている導電性高分子材料ラテックスで
は、吸水性の高い分散剤や過剰の触媒は使用されていな
い。しかし、ゲル化防止等、ラテックスの安定化を図る
ために、非常に固形分の少ないラテックスとなってお
り、これでは実用的な導電性等を有するフィルムなどを
得ることはできない。
又はラテックスに、連泡性の軟質ポリウレタンフォーム
等の発泡体を浸漬し、脱水、乾燥して導電性フォームを
得ようとしても、十分な導電性を有するフォームは得ら
れないことが多い。その理由は、吸水性の分散剤を使用
した場合は、前記のような膨潤による導電性の低下又は
不安定といった問題があり、一方、分散剤を使用しない
場合は、接着強度の不足によりポリピロール粒子がフォ
ームのセル壁等に十分に付着せず、脱水時にセル壁等か
ら脱落してしまうためである。
が得られたとしても、ポリビニルアルコールを使用した
ときなどは、前記のフィルムの場合と同様の膨潤の問題
に加えて、フォームが硬くなるという問題もある。その
ため、軟質フォームが本来有する柔軟性が失われ、実用
的な導電性フォームは得られない。
分含有量は通常相当に低いため、たとえポリピロールが
フォームのセル壁に付着したとしても、十分な導電性を
有するフォームは得られなかった。また、上記のように
固形分含有量が少ないラテックス等では、フォームを浸
漬した場合、フォームは十分に吸水して、ポリピロール
も一旦フォームの内部に取り込まれるが、脱水時にポリ
ピロール等の固形分も水とともに流出してしまう。その
ため、フォームの内部においてはポリピロールがセル壁
に付着、残留せず、表面だけに少量付着したフォームし
か得られない。このようなフォームでは、フォームを切
断して切り口の抵抗値を測定してみると、表層近傍以外
での抵抗値の低下はほとんどみられない。
あり、吸水性の高い分散剤等は使用せず、また、過剰の
触媒を使用することもなく、ポリピロールを含有するラ
テックスを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の方法により製造されるラテックスは、固形分含
有量が多く、且つポリピロールがラテックス中に安定に
存在するため、このラテックスを使用して良好な導電性
を有するフィルム等を成形することができる。
スに少量のノニオン性ポリウレタンラテックス(以下、
ノニオン性PUラテックスという。)を添加したラテッ
クス組成物、及び上記PPyラテックス又はラテックス
組成物中に連泡性フォームを浸漬し、脱水、乾燥して得
られ、そのセル壁にポリピロール等からなる導電性粒子
が付着した、導電性に優れたフォームを提供することを
目的とする。
テックスの製造方法は、水、ノニオン性クロロプレンゴ
ムラテックス、過酸化水素、無機酸及びピロールからな
る水分散性混合物に、触媒として遷移金属又は遷移金属
化合物を加え、上記ピロールを重合することを特徴とす
る。また、第2発明は、上記ピロール1モルに対して、
上記過酸化水素は0.09〜0.5モルであり、上記遷
移金属又は遷移金属化合物は0.004〜0.05モル
であることを特徴とする。更に、第3発明は、上記ノニ
オン性クロロプレンゴムラテックスを、固形分換算にて
100重量部とした場合に、上記ピロールは60〜11
0重量部であることを特徴とする。
1〜3発明いずれかの方法により製造されるPPy含有
ラテックス100重量部に対して、10〜30重量部の
ノニオン性PUラテックスを添加したことを特徴とす
る。更に、第5発明の導電性フォームは、第1〜3発明
いずれかの方法により製造されるPPy含有ラテックス
或いは第4発明のラテックス組成物に、連泡性フォーム
を浸漬し、その後、該PPy含有ラテックス又は該ラテ
ックス組成物中より、該連泡性フォームを取り出し、脱
水し、その後、乾燥して得られることを特徴とする。
クス」(以下、ノニオン性CRラテックスという。)と
しては、市販のもの等を特に制限されることなく使用す
ることができる。本発明では、特に固形分含有量50重
量%程度のノニオン性CRラテックスを、上記「水」1
00重量部に対して、20〜40重量部程度使用するこ
とが好ましい。
Py含有ラテックス」中の全固形分は、過酸化水素他、
各成分中の水の量を考慮しても、重合して固形分の一部
となるピロールも含め、このラテックス100重量部
中、約10〜15重量部となり、固形分濃度の高いPP
y含有ラテックスが得られる。また、必要に応じてクロ
ロプレンゴムの加硫を行うことにより、上記ラテックス
をフィルム状とした場合などに、その機械的強度などを
高めることもできる。
量%程度の濃度の水溶液として用いられる。ピロールモ
ノマー1モルに対して、過酸化水素そのものに換算した
使用量が0.09モル未満では、ピロールモノマーを十
分に酸化重合することができず好ましくない。また、そ
の使用量が0.5モルを越える場合は、触媒を添加した
時の発熱が過大となり、得られるPPy含有ラテックス
が不安定になり易い。この過酸化水素の使用量は、特に
0.2〜0.4モルの範囲が好ましく、この範囲であれ
ばピロールの重合は十分に進み、触媒添加時の発熱も小
さい。
酸等を適宜使用することができる。これら無機酸は、通
常0.5〜1.0N程度の希薄水溶液として使用され
る。その無機酸そのものに換算した使用量は、ピロール
モノマー1モルに対して、0.08〜0.15モル程度
が好ましい。この使用量が0.08モル未満では、フォ
ームに導電性を付与することができず、0.15モルを
越える場合は、ラテックスが不安定となるため好ましく
ない。尚、この無機酸を、予め水分散性混合物に添加し
ておかなくても、ピロールの重合は可能である。しか
し、その場合は、ピロールの重合度が低く、良好な特性
を有するラテックスは得られない。
−メチルピロール、3−メチルピロール等のピロール化
合物、及びそれらの混合物を使用することができる。こ
れらの中で、置換基を有さないピロールが導電性の面で
は好ましく、例えばN−メチルピロールを使用すれば、
ピロールを使用した場合に比べて、成形されるフィルム
等の抵抗は相対的に高くなる。このように、本発明で
は、ピロールの種類によって抵抗値を適宜調整すること
もできる。
性CRラテックス中の固形分100重量部に対して、6
0〜110重量部程度使用することが好ましい。この使
用量が60重量部未満では、ノニオン性CRラテックス
のクロロプレンゴム粒子に担持されるポリピロールの量
が少なくなり、得られるフィルム等成形品の導電性が不
十分となることがある。一方、110重量部を越える
と、ラテックス中に単独で存在するポリピロールの量が
多くなり、ラテックスが不安定となり易い。このピロー
ルモノマーの量は75〜95重量部程度が特に好まし
く、この範囲であれば、供給したピロールモノマーの多
くがノニオン性CRラテックスに付着し、効率よく、優
れた特性のPPy含有ラテックスを得ることができる。
の IIIA〜 VIIA、VIII及びI Bの各族の元素が該当
し、例えばFe、Cu、Mo、Pt、Mn、Vなどが挙
げられる。また、上記「遷移金属化合物」としては、上
記各遷移金属の硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩など各種酸の
塩、及びキレート化合物等を使用することができる。本
発明では、この遷移金属又は遷移金属化合物は、ピロー
ルモノマー1モルに対して0.004〜0.05モル程
度使用する。この使用量が0.004モル未満では、ピ
ロールモノマーを十分重合させることができず、0.0
5モルを越える場合は、形成されるラテックスが不安定
になり易い。
ス、過酸化水素他の各成分を予め混合し、十分攪拌して
「水分散性混合物」を調製し、その後、重合触媒である
遷移金属等を徐々に添加する。反応温度は−5〜30℃
の範囲が好ましく、特に1〜15℃程度が好適である。
この温度が−5℃未満では、ラテックスがゲル化を生ず
ることがあり、また、30℃を越える場合は、副生物が
生成し、良好な導電性を有するフィルム等を成形できる
PPy含有ラテックスを得ることができない。尚、この
反応温度は3〜10℃程度が更に好ましく、この温度範
囲であれば優れた性質のラテックスを安定して得ること
ができる。
としては、乳化剤を使用し、ジアミンによって鎖延長し
て得られるものを使用することができる。この他、ビス
(2−シアノエチルアミノ)エタンのような特殊な鎖延
長剤を用いて得られるものであってもよい。また、長鎖
アルコールのアルキレンオキサイド縮合物と、ヒドロキ
シ基のような親水基を有するアミンとを、ウレタンプレ
ポリマーと反応させて得られるものもあり、本発明で
は、これらを特に制限されることなく使用することがで
きる。
粒子は含有しないが、塩素イオン、鉄イオンなどの存在
下で安定である。そのため、得られる上記「ラテックス
組成物」は、PPy含有ラテックスに比べ、導電性の面
ではやや劣るものの、ラテックスの安定性の面ではより
優れている。このノニオン性PUラテックスの使用量
が、PPy含有ラテックス100重量部に対して、10
重量部未満では、ラテックス安定化の効果が十分ではな
い。また、30重量部を越える場合は、ラテックス組成
物中で、導電性を有さないこのノニオン性PUラテック
スの相対量が多くなり、上記ラテックス組成物を使用し
て成形したフィルム等の導電性が低下する。ノニオン性
PUラテックスの使用量は、15〜25重量部の範囲が
特に好ましく、この範囲であれば、安定性が高く、且つ
十分な導電性を有するフィルム等を得ることができる。
己架橋型のものを使用すれば、ラテックス組成物を使用
してフィルムなどを成形した場合に、その機械的強度、
基材となる樹脂フィルム等との密着性などが向上するた
め好ましい。尚、このノニオン性PUラテックスに代え
て、ノニオン性CRラテックスを使用した場合、PPy
含有ラテックス中のノニオン性CRラテックスとの親和
性がよいため、凝集を生じて、ラテックス組成物が固化
してしまい、フィルム成形などに使用可能なラテックス
組成物を得ることができない。
レタンフォーム、ラテックスラバーフォームなどを使用
することができ、特に連泡性の軟質ポリウレタンフォー
ムが好ましい。本発明では、基本的なラテックスとし
て、クロロプレンゴムラテックス、ポリウレタンラテッ
クスといった柔軟性に優れる固形分を含むものを使用し
ている。そのため、これら固形分からなる粒子が、その
気泡壁に付着した上記の連泡性フォームも、本来の優れ
た柔軟性を失うことはない。また、得られる「導電性フ
ォーム」は、環境変化による導電性の変動も小さく、優
れた導電性が安定して維持される。
ラテックス或いはラテックス組成物の温度は特に問わな
いが、通常、室温でよく、また、浸漬する時間は1〜5
分程度がよい。この浸漬時間が1分未満では、固形分粒
子が気泡壁に十分付着せず、フォームの導電性が不十分
となる。また、5分を越えて浸漬しても、それ以上多く
の粒子を付着させることはできない。
成物中に浸漬したフォームは、例えば二軸のロールを通
過させるなどの方法により「脱水」する。「乾燥」はど
のような手段で行ってもよいが、40〜70℃程度の比
較的低温で実施することが好ましい。乾燥温度が低すぎ
る場合は、十分な乾燥には長時間を要し、高すぎる場合
はフォームそのもの、或いは付着した固形分粒子の熱劣
化を生ずることがある。この乾燥は、減圧乾燥であるこ
とが好ましく、減圧にすれば比較的低温、短時間で、十
分な乾燥が可能である。
粒子に電荷がないため、カチオン性、アニオン性、両性
ラテックス等、他のラテックスよりも酸化剤、無機酸、
触媒に対して安定である。また、ノニオン性のラテック
スであっても、ポリウレタンラテックスなどでは、ピロ
ールモノマーとゲル化を生じてしまうが、ノニオン性C
Rラテックスは、ピロールモノマーとの安定性も高く、
良好な分散状態が長期間維持される。
本発明のラテックスのように特別な分散剤等を使用しな
い場合は、分散状態安定化のためにその固形分濃度は低
く抑えられていた。そのため、このラテックスを使用し
て得られるフィルム等の導電性は不十分なものであっ
た。これに対して、本発明のPPy含有ラテックスで
は、少なくとも13重量%程度の比較的高濃度の固形分
を含有させることができ、導電性に優れたフィルム等を
成形することができる。
ムとの接着性も良好であって、連泡性フォームを浸漬
後、脱水する工程においても、ポリピロールは水ととも
にフォーム外へ流出することなく、ゴム粒子表面に付着
したままとなる。そのため、得られる導電性フォーム
も、PPy含有ラテックスからなるフィルム等と同等の
優れた導電性を有するフォームとなる。
ックス中でピロールを重合させる場合、ピロールは主に
クロロプレンゴム粒子の表面で重合される可能性が高い
と考えられる。従って、ポリピロールの多くはゴム粒子
表面に付着しており、一部はポリピロール粒子が単独で
分散しているものと思われる。また、使用されるピロー
ルが比較的多量であれば、単独で分散しているポリピロ
ールの割合が多くなるものと思われる。このように本発
明のPPy含有ラテックスの性状は変化し得るが、いず
れにしても、本発明のPPy含有ラテックス又はラテッ
クス組成物では、優れた導電性を有するフィルム或いは
フォーム等を得ることができる。
は、固形分47.0%の市販のノニオン性CRラテック
スと、置換基を有さないピロールモノマーとを使用し、
ピロール等の重合において多用される塩化第二鉄の水溶
液を触媒として製造することができる。また、ラテック
ス組成物は、上記PPy含有ラテックス100重量部に
対して、固形分50.0%の市販のノニオン性PUラテ
ックスを、室温において20重量部程度配合し、混合す
ることにより容易に調製することができる。更に、導電
性フォームは、上記のようにして得られたPPy含有ラ
テックスに、連泡性の軟質ポリウレタンフォームを、室
温において数分間浸漬し、脱水、乾燥することにより得
ることができる。
的に説明する。尚、実施例、比較例のPPy含有ラテッ
クスからなるフィルムの抵抗値は、抵抗値測定装置(ヒ
ューレットパッカード社製、商品名「34401A M
ULTIMETER」)により測定した。
(昭和電工・デュポン株式会社製、商品名「Neopr
ene 115」)15g、15%過酸化水素水(和光
純薬株式会社製)6g、0.5N塩酸(和光純薬株式会
社製)20g及びピロール(純粋化学株式会社製)6g
を添加して攪拌した。この水分散性混合物を攪拌しなが
ら5℃に冷却し、重合触媒として3%塩化第二鉄水溶液
5gを徐々に滴下した。
が進み、上記混合物は黒色に変化した。このようにして
得られたポリピロールを含むラテックスは、室温で1ヶ
月に渡り沈澱を生ずることなく安定に存在した。このP
Py含有ラテックスをポリエチレンテレフタレート(以
下、PETという。)からなるフィルムの表面に塗布
し、60℃で1時間、加熱乾燥して、厚さ20μmのフ
ィルムを得た。このフィルムの抵抗値を上記の方法によ
って測定した。
で実施例2及び比較例1〜8のPPy含有ラテックスを
調製した。また、ゲル化を生ずることなくラテックスを
調製できた例については、同様にしてフィルムの抵抗値
を測定した。尚、表1には、PPy含有ラテックスの固
形分濃度を併せて示す。
〜は、具体的には下記のものである。 ノニオン性CRラテックス(昭和電工・デュポン株式
会社製、商品名「Neoprene 115」、固形
分;47.0%、pH;7.0) カチオン性CRラテックス(昭和電工・デュポン株式
会社製、商品名「Neoprene 950」、固形
分;50.0%、pH;9.0以下) ノニオン性ウレタンラテックス(大日本化学工業株式
会社製、商品名「Vondic 1310NSC」、固
形分;50.0%、pH;9.0)
工業株式会社製、商品名「HUX−290H」、固形
分;62.0%、pH;7.5) アニオン性アクリレートラテックス(日本ゼオン株式
会社製、商品名「Nipol LX852」、固形分;
45.0%、pH;5.0)
成ゴム株式会社製、商品名「0640」、合成ゴム;ス
チレン・ブタジエン共重合体、固形分;48.0%、p
H;8.8〕 ポリビニルアルコールエマルジョン(株式会社マルバ
ン製、商品名「バンスターPX25」、固形分;15.
0%、pH;4.5) ポリ酢酸ビニルエマルジョン(株式会社マルバン製、
商品名「バンスターPS100」、固形分;55.0
%、pH;4.5)
は、温度、相対湿度によらず、成形されたフィルムの抵
抗値は、実施例1では約1×103 Ω、実施例2では約
2×103 Ωとなっている。このように各実施例では、
導電性材料として十分使用できるフィルム等を得ること
ができるPPy含有ラテックスが得られていることが分
かる。尚、これらの例では触媒として使用した塩化第二
鉄は、ピロールモノマー1モルに対して約0.005〜
0.01モルと非常に少量である。それでも本発明の方
法では、上記のように優れた導電性を有するフィルム等
を得ることができる。
重合後の混合物の安定性が崩れるためゲル化を生じ、ラ
テックスを得ることができなかった。また、比較例6〜
8では、ゲル化は生じなかったものの、フィルムの抵抗
値は全般に高く、しかも温度、湿度による抵抗値の変動
が各実施例に比べて大きい。特に比較例7〜8では、湿
度が低い場合には抵抗値が相当に高くなっていることが
分かる。更に、比較例6では、温度、湿度による抵抗値
の変動は小さいが、固形分が10重量%以下と少なく実
用的ではない。
して、ノニオン性PUラテックス(前記ラテックスと
同じものを使用した。)20gを添加し、室温で攪拌
し、混合した。得られたラテックス組成物をPETフィ
ルム上に塗布し、1時間自然乾燥させて、厚さ30μm
のフィルムを得た。このフィルムの抵抗値を実施例1と
同様にして測定した。
で比較例9〜11のラテックス組成物を調製した。表2
には、表1と同様、PPy含有ラテックスの固形分濃度
を併せて示す。尚、この固形分濃度は下記の式により求
めた。 PPy含有ラテックス中の固形分(重量%)=〔(〜
のラテックス又はエマルジョン中の固形分+ラテック
ス中で生成したポリピロール)/PPyラテックスの全
重量〕×100
ス組成物では、実施例1のPPy含有ラテックスに比べ
て抵抗値は高くなるものの、それでも実用上使用可能な
導電性フィルム等を成形することができるラテックス組
成物が得られていることが分かる。一方、比較例9で
は、添加したノニオン性CRラテックスと、ベースとな
るPPy含有ラテックスとの親和性が良いためにゲル化
してしまった。また、比較例10及び11では、カチオ
ン性又はアニオン性ラテックスが塩素イオン、鉄イオン
等の存在下では不安定であり、比較例9同様ゲル化して
しまった。
ーム(株式会社イノアックコーポレーション製、商品名
「EMM」、軟質連泡性ポリウレタンフォーム)を、室
温において3分間浸漬し、取り出したフォームを2軸ロ
ールを通過させて脱水した。その後、60℃で1時間加
熱乾燥し、全固形分の15重量%がポリピロールである
導電性フォームを得た。この導電性フォームの4端子法
で測定した抵抗値は1.2×105 Ω/cmであった。
ラテックス及び実施例3のラテックス組成物を用いて導
電性フォームを得た(実施例5、実施例6)。同様にし
て測定した抵抗値は、それぞれ2.8×105 Ω/cm
及び2.3×106 Ω/cmであった。また、比較例7
のPPy含有ラテックスを用いて導電性フォームを調製
したが(比較例12)、フォーム本来の柔軟性が失われ
硬いフォームとなっていた。このフォームは、40℃、
90%RHの環境下で膨潤し、柔軟なフォームとするこ
とができるが、室温状態に戻すと再び硬くなってしまっ
た。
方法によれば、吸水性の高い分散剤を使用することな
く、ポリピロールがラテックス中に安定して分散したP
Py含有ラテックスを得ることができる。また、過剰量
の触媒を使用する必要もなく、ラテックス中の固形分の
多い製品が得られるため、良好な導電性を有するフィル
ム等を成形することができるPPy含有ラテックスが得
られる。更に、第2発明に特定された量の過酸化水素及
び触媒を使用し、又は第3発明に特定されたノニオン性
CRラテックスとピロールとの量比とすれば、より優れ
た性質を有するPPy含有ラテックスが得られる。
PPy含有ラテックスに、特定のノニオン性ラテックス
を特定量添加すれば、得られるフィルム等の導電性を容
易に調整することができ、且つ安定したラテックス組成
物を得ることができる。更に、第5発明の導電性フォー
ムでは、フォームを浸漬するラテックスの固形分濃度が
高いため、十分な量のポリピロールを含む固形分粒子が
気泡壁に担持され、しかも使用するラテックスの固形分
は柔軟性に優れるクロロプレンゴムが主体であるため、
フォーム本来の柔軟性が失われることもない。
Claims (5)
- 【請求項1】 水、ノニオン性クロロプレンゴムラテッ
クス、過酸化水素、無機酸及びピロールからなる水分散
性混合物に、触媒として遷移金属又は遷移金属化合物を
加え、上記ピロールを重合することを特徴とするポリピ
ロール含有ラテックスの製造方法。 - 【請求項2】 上記ピロール1モルに対して、上記過酸
化水素は0.09〜0.5モルであり、上記遷移金属又
は遷移金属化合物は0.004〜0.05モルである請
求項1記載のポリピロール含有ラテックスの製造方法。 - 【請求項3】 上記ノニオン性クロロプレンゴムラテッ
クスを、固形分換算にて100重量部とした場合に、上
記ピロールは60〜110重量部である請求項1又は2
記載のポリピロール含有ラテックスの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
方法により製造されるポリピロール含有ラテックス10
0重量部に対して、10〜30重量部のノニオン性ポリ
ウレタンラテックスを添加したことを特徴とするラテッ
クス組成物。 - 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
方法により製造されるポリピロール含有ラテックス或い
は請求項4記載のラテックス組成物に、連泡性フォーム
を浸漬し、その後、該連泡性フォームを該ポリピロール
含有ラテックス又は該ラテックス組成物中より取り出
し、脱水し、その後、乾燥して得られることを特徴とす
る導電性フォーム。
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JP24860595A JP3713314B2 (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | ポリピロール含有ラテックス及びその製造方法、ラテックス組成物並びに導電性フォーム |
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JPH0967506A true JPH0967506A (ja) | 1997-03-11 |
JP3713314B2 JP3713314B2 (ja) | 2005-11-09 |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP3713314B2 (ja) |
-
1995
- 1995-09-01 JP JP24860595A patent/JP3713314B2/ja not_active Expired - Lifetime
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