JP3554411B2 - 導電性フォームの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、連泡性フォームの気泡壁等に付着したピロールを酸化重合することにより、導電性フォームを製造する方法に関する。本発明の方法により得られる導電性フォームは、導電性ロールなどオフィスオートメーション用機器等の部材を製造するための原材料等として利用される。
【0002】
【従来の技術】
ピロール、チオフェン等の芳香族複素環化合物を適当な条件下で重合させ、導電性有機高分子を得る方法は既によく知られている。主な重合方法は電解重合法と化学重合法であるが、大量生産という点では化学重合法が有利である。しかし、化学重合法によって得られるポリピロール、ポリチオフェン等は、一般に不溶不融の粉末であることが多く、連泡性フォームの気泡壁等に付着させることは困難である。この問題を解決するため、従来から媒質中にポリピロール等を分散させ、例えば水分散液とし、この分散液に連泡性フォームを接触させて、その気泡壁等にポリピロール等を付着させるなど様々な工夫がなされている。
【0003】
米国特許第5247001号明細書には、イソシアネート成分にピロールを、ポリオール成分に塩化鉄をそれぞれ配合し、それを混合、攪拌することにより得られる導電性ポリウレタンフォームが記載されている。また、特開昭63−128034号公報には、酸化剤を担持した多孔質架橋ポリマーをピロール溶液に含浸させ、成型体中でポリピロールを生成させる技術が開示されている。更に、特公平6−18083号公報には、塩化鉄水溶液にポリウレタンフォームを浸漬して、塩化鉄をフォーム中に含浸させ、これにピロール水溶液を添加して重合させることにより、ポリピロールが複合された導電性フォームを製造する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記米国特許第5247001号明細書に記載された導電性ポリウレタンフォームでは、ポリピロールの多くがウレタン樹脂内部に取り込まれることになる。そのため、十分な導電性を得るためには、高価なピロールを多量に使用する必要があり、同時に重合触媒である塩化鉄も多量に必要となる。従って、得られるフォームを構成するウレタン樹脂中には、多量のポリピロール或いは塩化鉄が含まれることになり、フォーム本来の物性等が損なわれるとともに発錆の問題も生ずる。
【0005】
また、特開昭63−128034号公報に開示された技術では、酸化剤が担持されたポリマーをピロール溶液に浸漬するため、酸化剤がピロール溶液中に溶けだし、溶液が汚染されるという問題がある。更に、ピロール溶液に有機溶媒を使用しなければならないこと、及び酸化剤を担持させた後と、ピロール溶液に浸漬させた後の2度乾燥しなければならないこと等の問題もある。
【0006】
更に、特公平6−18083号公報に開示された方法では、バインダーとなるポリマーを使用していないため、ポリピロールがフォーム表面から欠落し易く、ポリピロールの分散性も不良で、導電性のバラツキも大きい。尚、上記の導電性フォームでは、いずれの例においても、導電性が不均一であり、また、導電率の制御が困難である等の問題もある。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するものであり、所要量のピロール及び比較的少量の塩化鉄等の酸化剤の使用により、良好な導電性を有するフォームを得ることができる導電性フォームの製造方法を提供することを目的とする。本発明の方法では、重合前のピロールが塩化鉄等によって汚染されることがなく、また、フォームの気泡壁表面等には十分な量のポリピロールが付着し、得られるフォームの導電性は高く、且つ均一であり、更に、その導電率を容易に制御することもできる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1発明の導電性フォームの製造方法は、ピロール及び過酸化水素をラテックスに分散させて得られるエマルジョンに、連泡性フォームを浸漬し、その後、該連泡性フォームを該エマルジョン中より取り出し、脱水し、次いで、この脱水した連泡性フォームを、酸化剤水溶液に浸漬し、ピロールを酸化重合させ、その後、この浸漬した連泡性フォームを該酸化剤水溶液中より取り出し、脱水し、次いで、乾燥することを特徴とする。
【0009】
上記「ピロール」としては、ピロール、N−メチルピロール、3−メチルピロール等のピロール化合物、及びそれらの混合物を使用することができる。これらの中で、置換基を有さないピロールが導電性の面では好ましく、例えばN−メチルピロールを使用すれば、ピロールを使用した場合に比べて、得られる導電性フォームの抵抗は相対的に高くなる。このように、本発明では、ピロールの種類によって抵抗値を適宜調整することもできる。
【0010】
上記「過酸化水素」は、通常10〜20重量%程度の濃度の水溶液として用いられる。この過酸化水素は、第2発明のように、ピロール1モルに対して0.1〜0.6モル使用することが好ましい。過酸化水素そのものに換算したこの使用量が0.1モル未満では、ピロールを十分に酸化重合することができない。また、使用量が0.6モルを越える場合は、フォームを酸化剤水溶液に浸漬した際の発熱が過大となり、フォームの劣化を招く恐れがある。この過酸化水素の使用量は、0.2〜0.4モルの範囲が特に好ましく、この範囲であればピロールの重合は十分に進み、発熱も小さい。
【0011】
上記「ラテックス」としては、一般的な樹脂ラテックス又はゴムラテックス等を特に制限されることなく使用することができる。具体例としては、アクリルラテックス、ウレタンラテックス、エチレン酢酸ビニルラテックス、酢酸ビニルラテックス、クロロプレンラテックス、スチレンブタジエンラテックス等が挙げられる。これらの中では、抵抗値の低いフォームが得られ易いアクリルラテックス、ポリピロールとの接着性に優れるクロロプレンラテックス等が好適である。尚、ラテックスは、アニオン性、カチオン性、ノニオン性等、特に制限はなく、いずれのものも同様に使用することができる。
【0012】
また、上記ピロールは、第3発明のように、ラテックス中の固形分100重量部に対して、8〜33重量部程度使用することが好ましい。この使用量が8重量部未満では、ラテックス粒子とともにフォームの気泡内に取り込まれるピロールの量が少なくなり、得られるフォームの導電性が不十分となることがある。一方、33重量部を越えると、ラテックス粒子の表面等に付着することなく、エマルジョン中に単独で存在するピロールの量が多くなり、エマルションが不安定となり易い。
【0013】
尚、この単独で存在するピロールは、浸漬されるフォーム中に取り込まれず、或いは一旦取り込まれても、脱水時に水とともに流出してしまう可能性が高く、従って、その多くは重合に与からないことになる。しかし、本発明では、このピロールを含むエマルジョンは繰り返し使用することができるため、高価なピロールが無駄になることはない。
【0014】
上記のようにピロールが無駄になることはないものの、エマルジョンの安定性を考慮すれば、このピロールの量は8〜20重量部程度が特に好ましい。この範囲であれば、供給したピロールの多くがラテックス粒子とともにフォームの気泡内に取り込まれ、効率よく、優れた特性の導電性フォームを得ることができる。また、エマルジョンにピロールを追加供給して繰り返し使用しても、十分な安定性が保たれる。
【0015】
更に、上記「エマルジョン」中にピロールを均一に分散させるためには、第4発明のように、ピロール及び過酸化水素とともに、「界面活性剤」をラテックスに添加することが好ましい。この界面活性剤の種類は特に制限されず、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、直鎖アルキル硫酸ナトリウム、アニオン性高級アルコール系、脂肪酸エタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール等を使用することができる。
【0016】
上記の界面活性剤は適宜混合して使用することもでき、エマルジョンを長期間安定な分散状態で保持することができる。尚、界面活性剤を併用した場合は、エマルジョン中により多くのピロールを分散させることができ、上記のピロールの上限量を43重量部程度とすることができる。これによって、フォーム中により多くのピロールを含有させることができ、更に優れた導電性を有するフォームを得ることができる。
【0017】
上記「連泡性フォーム」としては、ポリウレタンフォーム、シリコーンフォーム、ポリビニルアルコールフォームなどを使用することができ、特に連泡性の軟質ポリウレタンフォームが好ましい。また、ラテックスとして、ポリウレタンラテックス、クロロプレンラテックスといった柔軟性に優れる固形分を含むものを使用すれば、これら固形分からなる粒子が、その気泡壁に付着した上記の連泡性フォームは、本来の優れた柔軟性を失うことがなく好ましい。更に、これらラテックスを使用した場合、得られる「導電性フォーム」は、環境変化による導電性の変動も小さく、優れた導電性が安定して維持される。
【0018】
フォームを「浸漬」する際の、エマルジョンの温度は特に問わないが、0℃〜室温程度が好ましく、5℃〜室温程度の範囲が特に好ましい。また、フォームを浸漬する時間は1〜5分程度がよい。この温度が0℃未満ではエマルジョンがゲル化することがあり、一方、室温、例えば30℃程度の温度を上回る場合は、ピロールを分散させたエマルジョンが不安定となり好ましくない。
【0019】
更に、上記の浸漬時間が1分未満では、ラテックス粒子、ピロール及び過酸化水素がフォームの気泡内に十分取り込まれず、フォームの導電性が不十分となる。また、5分を越えて浸漬しても、それ以上多くの粒子等を入り込ませることはできない。エマルジョン中から取り出したフォームは、例えば二軸のロールを通過させるなどの方法により「脱水」し、本発明の方法では、この脱水したフォームを乾燥することなく、酸化剤水溶液に浸漬する。
【0020】
上記「酸化剤」は、ピロールの酸化重合の触媒として作用するものであり、遷移金属又はその化合物、無機酸、過ヨウ素酸等を使用することができる。酸化剤としては、第5発明のように、「遷移金属又はその化合物」が好適である。遷移金属としては、元素周期律表の IIIA〜 VIIA、VIII及びI Bの各族の元素が該当し、例えばFe、Cu、Mo、Pt、Mn、Vなどが挙げられる。更に、遷移金属化合物としては、上記各遷移金属の硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩など各種酸の塩、及びキレート化合物等を使用することができる。また、無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸等を適宜使用することができ、これら無機酸は、通常0.5〜1.0N程度の希薄水溶液として使用される。
【0021】
これら遷移金属又はその化合物或いは無機酸等は、ピロール1モルに対して0.077〜0.310モル、特に0.210〜0.310モル程度使用することができる。この使用量が0.077モル未満では、ピロールを十分重合させることができず、0.310モルを越える場合は、得られる導電性フォームの物性が低下するため好ましくない。尚、使用量が0.210〜0.310モルの範囲であれば、導電性、物性ともに優れたフォームを得ることができる。
【0022】
更に、酸化剤としては、遷移金属化合物であるFeの三価の塩が多用され、そのような鉄塩としては、塩化第二鉄、ヨウ化第二鉄、フェリシアン化カリウム及びフェリシアン化ナトリウム等が挙げられる。特に、導電性フォームの発泡方向等の導電性の均一化と、導電率の制御のためには、第6発明のように、酸化剤として「三価鉄塩」を使用し、これに更に「界面活性剤」を併用することが好ましい。
【0023】
上記の界面活性剤としては、前記のエマルジョン中に配合するものと同じものを使用することができる。また、非イオン性エーテル型、イソプロピルアルコール、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等の他、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、ソディウムジオクチルスルフォサクシネート等のアニオン性界面活性剤などを用いることもできる。
【0024】
上記「酸化剤水溶液」中においてピロールは酸化重合され、ポリピロールが生成する。この酸化剤水溶液の温度、すなわち反応温度は特に制限されないが、導電性フォームの導電率を高くするためには1〜30℃程度が好ましい。この温度が1℃未満では、フォームの導電率の制御が困難になることがあり、また、30℃を越える場合は、フォームの導電率が低く、良好な導電性を有するフォームが得られない。尚、この溶液温度は5〜30℃程度が特に好ましく、この温度範囲であれば優れた導電性を有するフォームを安定して得ることができる。
【0025】
更に、酸化剤水溶液に浸漬する時間、すなわち反応時間は0.5〜60分程度であればよく、1〜30分程度が好ましい。浸漬時間が0.5分未満では、ピロールの重合が十分進まず、また、ラテックス中にピロールを多量に分散させた場合であっても、60分浸漬させれば反応は十分に完了する。この浸漬時間は1〜10分程度が特に好ましく、この範囲であれば、ピロールの分散量にかかわりなく、実質的にすべてのモノマーを重合させることができる。
【0026】
酸化剤水溶液中から取り出したフォームの「脱水」は、エマルジョン中から取り出した後と同様の方法によって行うことができる。また、「乾燥」はどのような手段で行ってもよいが、40〜70℃程度の比較的低温で実施することが好ましい。乾燥温度が低すぎる場合は、十分な乾燥には長時間を要し、高すぎる場合はフォームそのもの、或いは付着したラテックス粒子の熱劣化を生ずることがある。この乾燥は、減圧乾燥であることが好ましく、減圧にすれば比較的低温、短時間で、十分な乾燥が可能である。
【0027】
【作用】
本発明の導電性フォームの製造方法では、先にフォームを浸漬するエマルジョン中には三価鉄塩等の酸化剤が存在しない。そのため、ピロールを分散させたエマルジョン中に過酸化水素以外の酸化剤が混在することがなく、エマルジョン中でピロールが重合する恐れもない。従って、エマルジョンは何回でも繰り返して使用することができ、高価なピロールを無駄に消費することがない。また、ピロールと三価鉄塩等が共存する水溶液では、粒子に電荷がなく、酸化剤に対して安定なノニオン性ラテックスを選択する必要があるが、本発明では、アニオン性、カチオン性等特に考慮せず、各種のラテックスを使用することができる。
【0028】
更に、本発明の方法では、酸化剤が比較的少量であってもピロールを十分重合させることができ、また、例えば遷移金属又は遷移金属化合物に過酸化水素を併用することにより、反応効率をより高めることができる。但し、過酸化水素は金属塩と接触すると分解してしまうため、本反応では、過酸化水素は酸化剤水溶液ではなく、エマルジョン中に添加している。
【0029】
尚、アクリルラテックスを使用すれば導電性の高いフォームが得られ易く、また、ポリピロールとの接着性が良好な、例えばクロロプレンゴムを固形分とするラテックスを使用することによっても、優れた導電性を有するフォームが得られる。このクロロプレンラテックス等では、フォームを酸化剤水溶液に浸漬後、脱水する工程において、ポリピロールが水とともにフォーム外へ流出することなく、ゴム粒子とともにフォームの気泡壁表面等に固定され、優れた導電性がもたらされるものである。このように個々のラテックスが本来有する特性を考慮して選択することで、より優れた導電性を有するフォームを得ることもできる。
【0030】
更に、本発明のように、ラテックス中にピロールを分散させた場合、ピロールはラテックス粒子表面に付着し、ともにフォームの気泡内等に取り込まれる可能性が高いと考えられる。そのため、ピロールは主にラテックス粒子の表面で重合されるものと思われ、生成するポリピロールの多くはラテックス粒子とともにフォームの気泡壁表面等に付着しており、一部はポリピロール粒子が単独で付着しているものと考えられる。また、使用されるピロールが比較的多量であれば、単独で付着しているポリピロールの割合が多くなるものと思われるが、いずれの形態にしろ、本発明では、優れた導電性を有するフォームを得ることができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。
尚、実施例、比較例の導電性フォームの抵抗値は、抵抗値測定装置(ヒューレットパッカード社製、商品名「34401A MULTIMETER」)を使用し、4端子法によって測定した。
【0032】
実施例
室温において、アニオン性アクリレートラテックス(日本ゼオン株式会社製、商品名「Nipol LX852」)160gに、15重量%過酸化水素水(関東化学株式会社製)を6g及び界面活性剤1gを添加し、これに更にエマルジョン中のピロール量が4重量%となるようにピロールを分散させた。このエマルジョンに、連泡性フォーム〔ポリウレタンフォーム(寸法;10×10×3cm、株式会社イノアックコーポレーション製、商品名「EMM」)〕を2分間浸漬した。
【0033】
このフォームをエマルジョン中から取り出し、二軸ロールによって脱水し、これを乾燥せずにそのまま室温の酸化剤水溶液に浸漬した。酸化剤水溶液としては、界面活性剤(花王株式会社製、商品名「ペレックスHB−L」)を0.3g添加した塩化第二鉄の1重量%水溶液450gを使用した。2分間浸漬後、フォームを酸化剤水溶液中から取り出し、上記と同様にして脱水し、60℃で4時間乾燥した。
【0034】
酸化剤水溶液に浸漬する前のフォームは白色であったが、得られた導電製フォームは黒色であり、ポリピロールの生成が確認された。この導電製フォームの抵抗値は2.1×10Ω・cmであって、良好な導電性を有するフォームが得られた。尚、フォーム中の抵抗値のばらつきは最大3倍であった。
【0035】
比較例
実施例において、エマルジョンと酸化剤水溶液とを予め混合し、この混合液中にフォームを浸漬した。混合液は安定性が低くゲル化を生じていた。混合液中から取り出し、脱水、乾燥して得られたフォームの抵抗値は1.0×1010Ω・cmと高く、導電性フォームは得られなかった。
【0036】
尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、フォームの形状は、スラブフォーム等から切り出すことにより、任意のものとすることができる。また、エマルジョン或いは酸化剤水溶液の調製においては、それらの構成成分の添加順序は、得られるフォームの導電性に大きな影響を与えることはなく、任意の順序で添加、分散等させることができる。
【0037】
【発明の効果】
第1発明の導電性フォームの製造方法によれば、比較的少量の酸化剤によって、高価なピロールを無駄にすることなく効率的に重合することができ、簡易な工程によって優れた導電性を有するフォームを得ることができる。また、第2〜6発明に特定された各成分の配合及びその量比等によれば、より導電性に優れたフォームを製造することができる。

Claims (6)

  1. ピロール及び過酸化水素をラテックスに分散させて得られるエマルジョンに、連泡性フォームを浸漬し、その後、該連泡性フォームを該エマルジョン中より取り出し、脱水し、次いで、この脱水した連泡性フォームを、酸化剤水溶液に浸漬し、ピロールを酸化重合させ、その後、この浸漬した連泡性フォームを該酸化剤水溶液中より取り出し、脱水し、次いで、乾燥することを特徴とする導電性フォームの製造方法。
  2. 上記ピロール1モルに対して、上記過酸化水素は0.1〜0.6モルである請求項1記載の導電性フォームの製造方法。
  3. 上記ラテックスを、固形分換算にて100重量部とした場合に、上記ピロールは8〜33重量部である請求項1又は2記載の導電性フォームの製造方法。
  4. 上記エマルジョンは、更に界面活性剤を含むものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の導電性フォームの製造方法。
  5. 上記酸化剤は遷移金属又は遷移金属化合物であり、上記ピロール1モルに対して、該遷移金属又は遷移金属化合物は0.077〜0.310モルである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の導電性フォームの製造方法。
  6. 上記酸化剤は三価鉄塩であり、且つ上記酸化剤水溶液は更に界面活性剤を含むものである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の導電性フォームの製造方法。
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