JP3526080B2 - 半導電性フッ素樹脂組成物 - Google Patents
半導電性フッ素樹脂組成物Info
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Description
の相溶性に優れた高分子型帯電防止剤を含有してなる、
電子写真、ファクシミリ、レーザープリンター等の画像
形成プロセスに使用するのに好適な性質を有する半導電
性フッ素樹脂組成物、及びそれから得られる半導電性フ
ィルムに関するものである。
止性や導電性を付与する目的で有機系の帯電防止剤やカ
ーボンブラック、金属粉末等の導電性物質を添加混合す
ることが行われている。ところが、カーボンブラックや
金属粉末等の導電性物質は、極めて高い導電性を付与で
きる反面、添加量の僅かな変化によって体積固有抵抗が
大きく変化するという問題があった。特に、体積固有抵
抗を1×105〜1×1011Ω・cmの範囲でコントロ
ールすることは、例えば、カーボンブラック添加系にお
いては極めて困難であった。更に、このような導電性物
質を添加した場合、プラスチック材料の透明性は損なわ
れ、大量に配合した場合に製品の機械的強度が低下した
り、表面が粗面化するといった問題もあった。
や機械的強度の低下という問題は少ないものの、通常の
添加量では1×1011Ω・cm以下の体積固有抵抗を発
現するのが困難であった。また、有機系の帯電防止剤は
一般に低分子量であるため、環境依存性が大きいこと、
時間の経過にしたがって帯電防止剤がプラスチック材料
表面にブリードアウトしてくるので、周囲を汚染した
り、体積固有抵抗が変化するといった問題もあった。
えば、特定の構造を有するポリエーテル−エステル−ア
ミドを用いる永久帯電防止性樹脂組成物(特公平4−7
2855号公報)、側鎖に4級アンモニウム塩を有する
アクリルアミド系共重合体(特開平4−198307号
公報)等のような高分子型の帯電防止剤が提案されてい
る。これらの高分子型帯電防止剤は従来の有機系の帯電
防止剤に比べると環境依存性やブリードアウトの問題が
かなり改善されており、また、多量配合も可能であるこ
とから、1010Ω・cm前後のレベルも達成できるよう
になってきている。
止剤は一般に、汎用プラスチック材料であるポリオレフ
ィン系樹脂やポリスチレン、ABS樹脂等に適用できる
ように設計されているため、非汚染性、耐熱性、耐候
性、耐オゾン性、難燃性等の優れた特性を有している熱
可塑性フッ素樹脂に適用しても相溶性が悪く、多量配合
すると加工性や物性が低下し、薄いフィルムが得られ難
いという問題があった。また、環境依存性についても充
分なものとはいえないものであった。
混合したプラスチック材料を電子写真の原理を応用した
複写機やファクシミリ、レーザープリンター等のOA機
器における帯電、露光、現像、転写、定着、除電の各プ
ロセスで静電気を精密にコントロールするための各種ロ
ール、ベルト、ブレード等に使用するにあたっては前記
した条件に加えて、帯電防止剤の添加量を厳密に制御し
なくても、1×105〜1×1012Ω・cm、特に1×
105〜1011Ω・cmの範囲の所定の体積固有抵抗を
安定して付与できることが要望されている。また、体積
固有抵抗の環境依存性やブリードアウトを更に小さくす
ることが望まれている。
型帯電防止剤ではこれらの要望を全て満たすことは困難
であり、特にプラスチック材料として熱可塑性フッ素樹
脂を使用する場合に適したものは提供されてはいなかっ
た。
やブリードアウトが少なく、熱可塑性フッ素樹脂との相
溶性に優れ、電子画像形成プロセスの要求水準を満たす
高分子型帯電防止剤を添加した半導電性フッ素樹脂組成
物、及びそれから得られる半導電性フィルムを提供する
ことを目的とする。
性フッ素樹脂95〜30重量%と、分子中に下記一般式
(I)及び一般式(II)で表されるポリアルキレンオキ
サイド鎖及びポリフルオロアルキレン鎖を有するポリオ
キシアルキレンモノ(メタ)アクリレートとポリフルオ
ロアルキル(メタ)アクリレートの共重合体からなる高
分子型帯電防止剤5〜70重量%とからなり、体積 固有
抵抗が1×10 5 〜3.1×10 12 Ω・cmであるこ
とを特徴とする半導電性フッ素樹脂組成物が提供され
る。
ンオキサイド鎖がポリエチレンオキサイド鎖、ポリプロ
ピレンオキサイド鎖、またはその共重合鎖である、或い
は、前記高分子型帯電防止剤が分子中にフッ素原子を2
〜50重量%含有していることをそれぞれ特徴とする前
記半導電性フッ素樹脂組成物が提供される。
て、更に0.05〜5重量%のイオン電解質を添加する
こと、特に該イオン電解質が、アルカリ金属のチオシア
ン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ハロゲンの酸素酸塩のうち
少なくとも一種であることを特徴とする半導電性フッ素
樹脂組成物が提供される。更にまた、本発明によれば、
前記半導電性フッ素樹脂組成物を押し出し成形してなる
半導電性フィルムが提供される。
に、高分子型帯電防止剤について詳細に検討した結果、
分子中に前記一般式(I)及び一般式(II)で表される
ポリアルキレンオキサイド鎖及びポリフルオロアルキレ
ン鎖を有する高分子型帯電防止剤は、熱可塑性フッ素樹
脂との相溶性に優れており、熱可塑性フッ素樹脂95〜
30重量%と上記高分子型帯電防止剤5〜70重量%と
からなる組成物に、更にイオン電解質0.05〜5重量
%を添加した熱可塑性フッ素樹脂組成物は、概ね体積固
有抵抗1×105〜1×1011Ω・cmの安定したイオ
ン伝導性を示し、このような熱可塑性フッ素樹脂組成物
は優れた加工性を有しており、得られた成形品の透明性
も優れていることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
鎖かポリフルオロアルキレン鎖のいずれかしか含有して
いない重合体は、熱可塑性フッ素樹脂との相溶性が悪い
にも拘らず、本発明に用いられる分子中にポリアルキレ
ンオキサイド鎖及びポリフルオロアルキレン鎖の両方を
有する高分子型帯電防止剤は、熱可塑性フッ素樹脂との
相溶性が優れているので、透明性が上がると共に、加工
性も向上し、薄物のフィルムを製造することも可能であ
る。
用いられる高分子型帯電防止剤は分子中にポリアルキレ
ンオキサイド鎖とポリフルオロアルキレン鎖を有し、ポ
リアルキレンオキサイド鎖を有するモノマーとポリフル
オロアルキレン鎖を有するモノマーとを通常の方法で共
重合させて製造することができる。そして該高分子型帯
電防止剤は、分子中にフッ素原子を2〜50重量%含有
していることが好ましい。フッ素原子の含有量がこれよ
り多い場合は、熱可塑性フッ素樹脂と該重合体との相溶
性が低下するばかりでなく経済的にも好ましくなく、ま
た、これより少ない場合は、熱可塑性フッ素樹脂との相
溶性が悪くなるので好ましくない。
マーとはポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレー
トであり、該モノマーとしては、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレンオ
キサイド等のポリアルキレンオキサイド鎖を有する(メ
タ)アクリレートを用いることができ、特に、ポリエチ
レンオキサイド鎖、ポリプロピレンオキサイド鎖、また
はその共重合鎖を有する(メタ)アクリレートが好まし
い。具体的には、アルキレンオキサイドの繰り返し単位
が3〜30のポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポ
リプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポ
リテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート
等のポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートが
挙げられる。
モノマーとはポリフルオロアルキル(メタ)アクリレー
トであり、該モノマーとしては、例えば、トリフルオロ
エチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピルメタク
リレート、ノナフルオロヘキシルメタクリレート、ヘキ
サフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフル
オロブチルメタクリレート、オクタフルオロペンチル
(メタ)アクリレート、ウンデカフルオロヘプチルメタ
クリレート、ペンタデカフルオロノニルメタクリレー
ト、ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、ヘプタ
デカフルオロデシル(メタ)アクリレート、エイコサフ
ルオロデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明における高分子型帯電防止剤は、熱可塑性フッ素
樹脂に添加混合して使用される。熱可塑性フッ素樹脂と
しては、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン−エ
チレン共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレ
ン共重合体、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体、ポリ三フッ化塩化エチレン、
ポリ三フッ化塩化エチレン−フッ化ビニリデン−六フッ
化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エ
チレン−六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデ
ン−六フッ化プロピレン共重合体とフッ化ビニリデンと
のグラフト共重合体等が挙げられ、特に、ポリフッ化ビ
ニリデン、またはその共重合体が成形加工性の点で好ま
しい。
性フッ素樹脂との配合比は熱可塑性フッ素樹脂が30〜
95重量%、高分子型帯電防止剤が5〜70重量%であ
る。高分子型帯電防止剤が70重量%を越すると熱可塑
性フッ素樹脂の配合量が少なくなるためフッ素樹脂の特
性が失われるばかりでなく製品に粘着性が生じるので好
ましくなく、また、5重量%未満では添加効果が十分で
はないので好ましくない。本発明においては、この配合
比を適宜選択することによって所望する体積固有抵抗を
有する熱可塑性フッ素樹脂組成物を得ることができる。
を熱可塑性フッ素樹脂に添加混合する場合、特に体積固
有抵抗が1×105〜1×1011Ω・cmの半導電性領
域を目的とする場合には、更にイオン電解質を添加する
のが好ましい。本発明に用いられるイオン電解質として
は、アルカリ金属のチオシアン酸塩、リン酸塩、硫酸
塩、ハロゲンの酸素酸塩を用いることができ、これらの
うち特に、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過
塩素酸カリウム、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸
ナトリウム、チオシアン酸カリウムが好ましい。イオン
電解質の添加量は、熱可塑性フッ素樹脂と高分子型帯電
防止剤との合計量に対して0.05〜5重量%が好まし
い。また、必要に応じて、熱可塑性フッ素樹脂以外の合
成樹脂やその他公知の添加剤を少量配合することももち
ろん可能である。
述した熱可塑性フッ素樹脂、高分子型帯電防止剤、およ
び必要に応じてイオン電解質を通常のニーダー、ロー
ル、バンバリーミキサー、二軸混練機等で混練すること
によって製造することができる。また、この半導電性フ
ッ素樹脂組成物は用途に応じて、フィルム、シート、チ
ューブ等の形状に成形して使用される。特に、本発明の
半導電性フッ素樹脂組成物は加工性に優れているので押
し出し成形によってフィルム、シート、チューブ等に容
易に成形加工することが可能であるという特徴を有して
いる。
塑性フッ素樹脂と優れた相溶性を示す理由については明
確ではないが、分子中のポリアルキレンオキサイド鎖及
びポリフルオロアルキレン鎖の存在により高分子型帯電
防止剤の極性が熱可塑性フッ素樹脂の極性に近い値をと
るようになったためではないかと考えられる。また、こ
のようなフッ素樹脂組成物が半導電性領域に達するまで
の体積固有抵抗値を発現できるのは、熱可塑性フッ素樹
脂中のC−F結合が電気陰性度の最も大きいフッ素原子
により分極しているため、イオン電解質の解離を促進
し、さらに本発明に用いられる高分子型帯電防止剤中の
エーテル結合が、極性を有するマトリックス樹脂中で解
離した金属イオンの移動を著しく促進するためではない
かと考えられる。
止剤と熱可塑性フッ素樹脂、およびイオン電解質の配合
比を変化させることによって、容易に目的とする体積固
有抵抗を発現することができ、特に本発明の配合割合に
おいて、従来極めて困難とされていた1×105〜1×
1011Ω・cmの領域を正確にコントロールすることが
できる。また、本発明の半導電性フッ素樹脂組成物は、
イオン電解質を含有しているにも拘わらず、高温高湿下
における体積固有抵抗と低温低湿下における体積固有抵
抗との差が少なく、使用環境が変化しても比較的安定し
たイオン伝導性を示すという特徴を有している。
する。なお、実施例中の部は重量部を示す。
びイオン電解質は以下に示す通りである。熱可塑性フッ素樹脂 フッ素樹脂A:フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン
共重合体にフッ化ビニリデンをグラフトしたグラフト共
重合体(セントラル硝子製:セフラルソフトG180) フッ素樹脂B:ポリフッ化ビニリデン(三菱油化製:カ
イナー2800) フッ素樹脂C:ポリ三フッ化塩化エチレン(ダイキン工
業製:NEOFLONCTFE)イオン電解質 イオン電解質A:過塩素酸リチウム イオン電解質B:チオシアン酸カリウム イオン電解質C:チオシアン酸ナトリウム
法は以下に示す通りである。 〈体積固有抵抗〉 三菱油化(株)製ハイレスタHRSプローブを用い、印
可電圧500Vで測定した。なお、体積固有抵抗の測定
は、特に断りがない限り、23℃、50%RH条件下で
行った。 〈相溶性〉 高分子型帯電防止剤と熱可塑性フッ素樹脂との相溶性
は、熱圧プレスにより得られたフィルムのヘイズを測定
することにより評価した。
lのセパラブルフラスコへ、ポリアルキレンオキサイド
鎖を有するモノマーであるポリプロピレングリコールモ
ノメタクリレート(オキシプロピレン単位の繰り返し
数:k=9)70g、ポリフルオロアルキレン鎖を有す
るモノマーであるトリフルオロエチルメタクリレート3
0g、四臭化炭素0.13g、アゾビスイソブチロニト
リル0.4g、ポリビニルアルコール1.03g、イオ
ン交換水100gを仕込み、窒素気流下に、80℃で3
時間、さらに90℃で4時間激しく撹拌しながら共重合
を行った。得られた重合体を濾別しイオン交換水で充分
洗浄後乾燥することにより、84.8gの本発明に用い
られる帯電防止剤A(フッ素原子含量:10.0重量
%)を得た。
造例) 表1に示したポリプロピレンオキサイド鎖を有するモノ
マー、およびポリフルオロアルキレン鎖を有するモノマ
ーを用い、実施例1と同様にして、帯電防止剤B〜Jを
得た。
例) 撹拌装置、および窒素ガス導入管を取り付けた500m
lのセパラブルフラスコへ、ポリアルキレンオキサイド
鎖を有するモノマーであるメトキシポリエチレングリコ
ールモノメタクリレート(オキシエチレン単位の繰り返
し数:k=9)45g、ポリフルオロアルキレン鎖を含
むモノマーであるペプタデカフルオロデシルアクリレー
ト21g、四臭化炭素0.1g、アゾビスイソブチロニ
トリル0.3g、ジメチルホルムアミド60gを仕込
み、窒素気流下に、80℃で3時間、さらに90℃で4
時間撹拌しながら共重合反応を行い、65.6gの帯電
防止剤K(フッ素原子含量:22.0重量%)を得た。
例) 撹拌装置、および窒素ガス導入管を取り付けた500m
lのセパラブルフラスコへ、ポリアルキレンオキサイド
鎖を有するモノマーであるポリプロピレングリコールモ
ノメタクリレート(オキシプロピレン単位の繰り返し
数:k=5〜6)70g、ポリフルオロアルキレン鎖を
有するモノマーであるペプタデカフルオロデシルメタク
リレート30g、四臭化炭素0.1g、アゾビスイソブ
チロニトリル0.4g、ジメチルホルムアミド60gを
仕込み、窒素気流下に、80℃で3時間、さらに90℃
で4時間撹拌しながら共重合反応を行い、87.2gの
帯電防止剤L(フッ素原子含量:17.0重量%)を得
た。
lのセパラブルフラスコへ、ポリアルキレンオキサイド
鎖を有するモノマーであるポリプロピレングリコールモ
ノメタクリレート(オキシプロピレン単位の繰り返し
数:k=9)100g、四臭化炭素0.13g、アゾビ
スイソブチロニトリル0.4g、ポリビニルアルコール
1.03g、イオン交換水100gを仕込み、窒素気流
下に、80℃で3時間、さらに90℃で4時間激しく撹
拌しながら重合反応を行った。得られた重合体を濾別し
イオン交換水で充分洗浄後乾燥することにより、91.
0gのフッ素原子を含有していない帯電防止剤Mを得
た。
lのセパラブルフラスコへ、ポリアルキレンオキサイド
鎖を有するモノマーであるメトキシポリエチレングリコ
ールモノメタクリレート(オキシエチレン単位の繰り返
し数:k=9)50g、四臭化炭素0.05g、アゾビ
スイソブチロニトリル0.25g、イソプロピルアルコ
ール50gを仕込み、窒素気流下に、80℃で3時間、
さらに90℃で4時間撹拌しながら重合反応を行い、4
8.5gのフッ素原子を含有していない帯電防止剤Nを
得た。
lのセパラブルフラスコへ、ペンダデカフルオロデシル
アクリレード30g、四臭化炭素0.04g、アゾビス
イソブチロニトリル0.12g、ポリビニルアルコール
0.31g、イオン交換水50gを仕込み、窒素気流下
に、80℃で3時間、さらに90℃で4時間激しく撹拌
しながら重合反応を行った。得られた重合体を濾別しイ
オン交換水で充分洗浄後乾燥することにより、28.5
gのポリアルキレンオキサイド鎖を含有していない帯電
防止剤O(フッ素原子含有量62.0%)を得た。
剤と熱可塑性フッ素樹脂からなる組成物について具体的
に説明する。 実施例13〜17、比較例4 表2に示した組成の熱可塑性フッ素樹脂、帯電防止剤、
イオン電解質を180℃のミキシングロールで均一に混
練した後プレス成形して、厚さ約120μmのフィルム
を製造した。得られたフィルムの諸性質を同じく表2に
示す。
ルキレン鎖を含有していない比較例1の帯電防止剤Mを
配合した組成物は、体積固有抵抗と環境低存性について
は優れているが、ヘイズが大きく熱可塑性フッ素樹脂と
の相溶性が悪いことがわかる。一方、本発明の高分子型
帯電防止剤を配合した組成物は、体積固有抵抗と環境依
存性に優れているばかりでなく、ヘイズが小さく、熱可
塑性フッ素樹脂との相溶性が良好であった。
イオン電解質を使用した以外は実施例13と同様にして
フィルムを製造した。諸性質を同じく表3に示す。
体積固有抵抗とヘイズに及ぼす影響を確認する目的で、
帯電防止剤としてフッ素原子含量が異なる帯電防止剤
E、G、H、I、J、M、Oを使用した以外は実施例1
3と同様にしてフィルムを製造し、体積固有抵抗とヘイ
ズを測定した。その結果を、図1に示す。図1から明ら
かなように、得られたフィルムは帯電防止剤中のポリフ
ルオロアルキレン鎖を有するモノマーの含量が一定量を
超えると体積固有抵抗が高くなって、帯電防止効果が低
下し、熱可塑性フッ素樹脂との相溶性も低下する。一
方、帯電防止剤中のポリフルオロアルキレン鎖を有する
モノマーの含有が少なくなり過ぎるとフィルムの体積固
有抵抗は低くなるもののヘイズが大きくなり、熱可塑性
フッ素樹脂との相溶性が悪くなることがわかる。
熱可塑性フッ素樹脂との相溶性に優れており、それを用
いた本発明の半導電性フッ素樹脂組成物は、環境依存性
が少なく、透明性、および加工法が良好で、フッ素樹脂
の特徴である非粘着性、防汚性、耐熱性、耐オゾン性、
難燃性等も有している。また、更にイオン電解質を配合
することにより、熱可塑性フッ素樹脂、高分子型帯電防
止剤、およびイオン電解質による優れた相互作用で1×
105〜1×1011Ω・cmの範囲において所望する体
積固有抵抗を精度良く発現できる。従って、本発明の半
導電性フッ素樹脂組成物及びそれから得られるフィルム
は、正確な半導電性が要求される電子写真材料等の分野
で好適に使用されるものである。
物からなるフィルムの帯電防止剤中のヘプタデカフルオ
ロデシルアクリレートの含量(この含量が多いとフッ素
原子含有量が大きい。)と体積固有抵抗、およびヘイズ
との関係を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 熱可塑性フッ素樹脂95〜30重量%
と、分子中に下記一般式(I)及び一般式(II)で表さ
れるポリアルキレンオキサイド鎖及びポリフルオロアル
キレン鎖を有するポリオキシアルキレンモノ(メタ)ア
クリレートとポリフルオロアルキル(メタ)アクリレー
トの共重合体からなる高分子型帯電防止剤5〜70重量
%とからなり、体積固有抵抗が1×10 5 〜3.1×1
0 12 Ω・cmであることを特徴とする半導電性フッ素
樹脂組成物。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】 前記ポリアルキレンオキサイド鎖が、ポ
リエチレンオキサイド鎖、ポリプロピレンオキサイド
鎖、またはその共重合鎖であることを特徴とする請求項
1に記載の半導電性フッ素樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記高分子型帯電防止剤が分子中にフッ
素原子を2〜50重量%含有していることを特徴とする
請求項1又は2に記載の半導電性フッ素樹脂組成物。 - 【請求項4】 前記組成物に対して、更に0.05〜5
重量%のイオン電解質を添加することを特徴とする請求
項1乃至3のいずれかに記載の半導電性フッ素樹脂組成
物。 - 【請求項5】 前記イオン電解質が、アルカリ金属のチ
オシアン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ハロゲンの酸素酸塩
のうち少なくとも一種である請求項4に記載の半導電性
フッ素樹脂組成物。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の半導
電性フッ素樹脂組成物を押し出し成形してなる半導電性
フィルム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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