JPH0967467A - 赤リン含有球状樹脂粒子、その製造方法及び難燃剤 - Google Patents

赤リン含有球状樹脂粒子、その製造方法及び難燃剤

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JPH0967467A
JPH0967467A JP24512295A JP24512295A JPH0967467A JP H0967467 A JPH0967467 A JP H0967467A JP 24512295 A JP24512295 A JP 24512295A JP 24512295 A JP24512295 A JP 24512295A JP H0967467 A JPH0967467 A JP H0967467A
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red phosphorus
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spherical resin
resin
resin particles
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JP24512295A
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Masato Tanaka
真人 田中
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 赤リンの難燃効果及び赤リンによる暗赤色の
着色を消色させた赤リン含有球状樹脂粒子を提供する。 【構成】 球状熱硬化性樹脂粒子のマトリクス中に赤リ
ン粒子又は赤リン粒子及びTiO2 等の微細無機粒子を
10〜80wt%含有させて多核カプセル化してなる赤
リン含有球状樹脂粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤リン含有球状樹
脂粒子、その製造方法及び難燃剤に関する。更に詳述す
れば、少なくとも赤リン粒子を逆相懸濁重合で得られる
球状樹脂粒子のマトリクスに含有させて多核的にマイク
ロカプセル化し、発火点が高く、ホスフィン発生量が少
ない赤リン含有球状樹脂粒子及び高分子材料等の難燃剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、赤リンが合成樹脂に対して優れた
難燃効果を付与することは周知のことであり、実際にも
難燃剤として使用されている。しかしながら、赤リンは
そのまま使用する場合、水分と接触してホスフィンガス
の発生を伴う加水分解反応を生ずるので、従来より赤リ
ンを有機又は無機の材料により被覆して安定化した多く
の改質赤リンが提案され、また使用されている。
【0003】例えば、赤リンを熱硬化性樹脂で被覆した
改質赤リン(特開昭51−105996号公報)、赤リ
ン表面を金属リン化物化した後に熱硬化性樹脂で被覆し
た改質赤リン(特開昭52−125489号公報)、あ
るいは赤リンを水酸化アルミニウム、その他の金属水酸
化物等及び無機又は有機の被覆剤で三重層に被覆した改
質赤リン(特開昭55−10462号公報)、赤リン粒
子表面を無電解めっき皮膜で被覆した改質赤リン(特開
昭63−69704号公報)等が知られている。しか
し、このような改質赤リンも安定化が不充分なため使用
態様によっては自ずと制限され場合がある。
【0004】一方、赤リン単独、あるいは上記の方法に
より安定化された赤リンは、いずれも一般には固有の濃
い暗赤色を呈するため、樹脂の難燃剤として使用する場
合、樹脂を不適当な色彩に着色するために、色調を問題
とする樹脂部材への使用も制限されている。
【0005】本出願人は、赤リン固有の濃い暗赤色を隠
ぺい消色すると共に、安定化した改質赤リンを用いて、
難燃化される樹脂の自由な着色を可能にする方法とし
て、既に特開昭59−195512号公報に示す改質赤
リンを提案した。この改質赤リンは、赤リンを酸化チタ
ン、有機ポリマーで被覆したものであり、赤リンの暗赤
色の隠ぺい、消色はかなりの程度まで改善されるが、ホ
スフィン発生の抑制に関しては用途によってなお不十分
な点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来技術の問題点を改善するために、赤リンの分解に伴う
ホスフィンガスの発生を実質的完全に抑制し、かつ赤リ
ン固有の濃い暗赤色を隠ぺい、消色する方法を探索して
鋭意研究を行ってきたところ、少なくとも赤リン粒子を
分散させて逆相懸濁重合法により得られる球状樹脂粒子
のマトリクス中に封じ込めてマイクロカプセル化するこ
とによって、発火点が高く、ホスフィン発生量が少ない
赤リン含有球状樹脂粒子を得ることができ、更に必要に
応じ微細無機粒子を添加することにより、上記赤リンの
消色を効果的に可能とする赤リン球状樹脂粒子を見い出
した。
【0007】また、この赤リン球状樹脂粒子を難燃剤と
して高分子材料に配合すると、優れた難燃性を有する難
燃性高分子材料が得られることを知見し、本発明を完成
した。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、球状樹
脂粒子のマトリクス中に赤リン粒子又は赤リン粒子及び
微細無機粒子を10〜80wt%含有させて多核カプセ
ル化してなることを特徴とする赤リン含有球状樹脂粒子
である。また、本発明は、上記の赤リン含有球状樹脂粒
子からなることを特徴とする難燃剤である。
【0009】さらに、本発明は、赤リン粒子又は赤リン
粒子及び微細無機粒子と硬化剤および熱硬化性樹脂モノ
マーを水中に分散して分散溶液を調製し、次いで該分散
溶液を有機相中で逆相懸濁重合を行うことを特徴とする
赤リン含有球状樹脂粒子の製造方法である。
【0010】本発明においては、微細無機粒子が赤リン
含有球状樹脂粒子の表面に微細無機粒子層を形成してい
るのが好ましい。また、赤リン含有球状樹脂粒子中の球
状樹脂粒子のマトリクスは、熱硬化性樹脂からなるのが
好ましい。また、赤リン含有球状樹脂粒子中に分散含有
されている微細無機粒子は二酸化チタン、酸化亜鉛、ア
パタイトから選ばれる少なくとも1種以上であるのが好
ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の赤リン含有球状樹脂粒子
は、球状樹脂粒子のマトリクス中に赤リン粒子又は赤リ
ン及び微細無機粒子を10〜80wt%含有させ多核カ
プセル化してなることを特徴とする。
【0012】本発明の球状樹脂粒子マトリクスに含有さ
れる赤リンは、工業的に入手できるものであれば特に制
限されるものではないが、例えば、従来、公知の不定形
の破砕赤リンや黄リンの部分転化によって得られる球状
赤リンの粒子である。その平均粒子径は100μm以
下、好ましくは50μm以下であり、Mg、Zn、T
i、Zr等の金属水酸化物又は酸化物等で表面処理され
ているものであってもよい。
【0013】球状樹脂粒子のマトリクスとしては、例え
ばフェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアル
デヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、
アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、トリアリルシヌレート樹脂、トリス(2−ヒドロキ
シエチル)イソシアヌレートのホルムアルデヒド樹脂、
アクロレイン系樹脂、ホスホニトリルジハロゲン化物系
重合体誘導体、シクロペンタジエンからの熱硬化性樹
脂、環状尿素樹脂による架橋反応、トリアジン系樹脂、
エポキシ樹脂等が挙げられるが、好ましくはフェノール
樹脂である。
【0014】また、球状樹脂粒子のマトリクスに封じ込
めた粒子には、赤リン単独のみならず微細無機粒子が同
時に含まれていてもよい。かかる無機粒子は、主に赤リ
ンの分解に伴うホスフィンガスを吸着したり、加水分解
により生成するリン酸、亜リン酸等のリンのオキシ酸を
固定する或いは赤リンによる暗赤色の着色を消色させる
ため等の機能をもつものであるが、例えば、Zn、A
1、Mg、Ti等の酸化物又は水酸化物、リン酸塩等の
微粉末である。なお、ここでは微細粒子というのは一次
粒子が赤リン粒子よりも少なくとも小さいものをいう。
具体的には、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、アパタイ
ト等が挙げられるが、なかでも二酸化チタンがより赤リ
ンの濃い暗赤色を隠蔽し、白色にするので好ましい。
【0015】赤リン粒子または赤リン粒子及び無機粒子
(以下、赤リン等という)が球状樹脂粒子中に含まれる
量は10〜80wt%、好ましくは30〜70wt%で
ある。ただし、必要に応じて添加される無機粒子の量
は、球状樹脂粒子に多くても10wt%、好ましくは
0.2〜5wt%である。赤リン等の含有量が10wt
%未満では難燃効果が十分に発現できず、また80wt
%を越えると赤リンのカプセル化が良好に行なわれなく
なり、しかもホスフィンの発生量が多量になるので好ま
しくない。
【0016】本発明に係る赤リン含有球状樹脂粒子は、
逆相懸濁法によって製造されるために、従来の赤リンを
熱硬化性樹脂で被覆したものとは構造が異なり、その形
状は実質的に球状を呈し、各粒子は単分散し易いもので
ある。その各粒子は、いわば少なくとも赤リン粒子が複
数個含まれた、いわゆる赤リンを核とした多核カプセル
化したものとして捉えることができる。
【0017】また、本発明に係る赤リン含有球状樹脂粒
子において、微細な無機粒子を含有する場合には、後記
製造条件の選択によって幾つかの粒子特性をもつことが
できる。このような粒子特性をもつ各粒子の態様につき
モデル化したものが図1である。図1(A)は無機粒子
を含まない赤リン粒子2を球状の熱硬化性樹脂マトリッ
クス1に封じ込めたものである。他は微細無機粒子とし
てTiO2 微粉末を赤リンと併用した場合を示し、製造
条件によって微細なTiO2 層3を形成したもの[図1
(B),(C)]、及び微粉TiO2 粒子4を赤リン粒
子と共に樹脂マトリックス内に分散状態で封じ込めたも
の[図1(D)]のような構造のものを代表的に挙げる
ことができる。
【0018】図1(B)、(C)、(D)に示す赤リン
と共にTiO2 を含有する球状樹脂粒子は、いずれも赤
リンとTiO2 との含有割合によって変化はあるけれど
も、TiO2 は隠ぺい力が大きな白色顔料であることか
ら赤リン特有の暗赤色が抑制されてこの色調を効果的に
消色させることができる。
【0019】尤も、球状樹脂粒子の表面部分にTiO2
の如き微細無機粒子層を形成しているものにあっては、
粒子表面が粗い球状粒子となる傾向にある。かかる赤リ
ン含有球状樹脂粒子の形状は、電子顕微鏡により確認す
ることができる。
【0020】また、無機粒子は、該粒子の表面処理され
たものであっても差し支えはなく、その処理剤の種類に
よっても赤リン含有球状樹脂粒子の表面状態を変えるこ
とができる。例えば、A123 で表面処理された二酸
化チタンを用いた場合は、表面層に移行し、またA12
3 およびオルガノシロキサンで表面処理された二酸化
チタンの場合は、図1(C)に示すモデルのように表面
層よりわずかに内側に層を形成させることができる。
【0021】このことは、該粒子の表面状態により水相
と油相に対する分散特性が変わり重合中に赤リン含有球
状樹脂粒子の表面層に層を形成するか、表面層より内側
に層を形成するかによると考えられる。
【0022】次に、本発明の赤リン含有球状粒子の製造
方法は、赤リン粒子又は赤リン及び微細無機粒子と硬化
剤および熱硬化性樹脂モノマーを水溶液中に分散し、次
いで該分散溶液を有機相中で逆相懸濁重合を行うことを
特徴とするものである。
【0023】本発明の製造方法においては、初めに反応
槽に硬化剤の水溶液に赤リン等の粉体と熱硬化性樹脂モ
ノマーを分散して水相(W相)を調製し、次いで該水相
(W相)を有機相(O相)中で逆相懸濁重合を行う。こ
の時赤リンと共に無機粒子を併用する場合、同時に添加
できる。
【0024】硬化剤は、例えばp−トルエンスルホン酸
(PTS酸)、ヘキサメチレンテトラミン、ベンゾール
スルホン酸、塩酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリム、水酸
化カリウム、アンモニア水、トリメチルアミン、ピリジ
ン等が挙げられるが、好ましくはp−トルエンスルホン
酸である。
【0025】上記重合反応の連続相である有機相を形成
するものとしては、熱硬化性樹脂モノマーを溶解させな
いものが好ましく、各種シリコンオイル等の公知の有機
溶媒が適用できるが、特にシリコンオイルが好ましい。
【0026】また、必要に応じて油溶性の界面活性剤を
添加することもでき、例えばソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステ
アレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリ
オレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アル
キルフェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂
肪酸アミド等が挙げられる。
【0027】かかる製造方法は、初めに硬化剤40〜7
0wt%水溶液に常温で赤リン等を添加し、攪拌下で反
応槽内に分散させる。次いで、該水溶液に熱硬化性樹脂
モノマーを添加し、混合して水相(W相)を形成した
後、該水相(W相)を有機相(O相)となるシリコンオ
イル等の溶媒、必要に応じて油溶性の界面活性剤を含有
する溶媒に添加する。
【0028】水相(W相):有機相(O相)の相比は、
1:1〜1:4、好ましくは1:2〜1:3である。硬
化剤の量は、熱硬化性樹脂モノマーの量によって変わる
が、熱硬化性樹脂モノマー1重量部に対して1〜3重量
部である。
【0029】油溶性界面活性剤の量は有機相100重量
部に対して多くとも10重量部、好ましくは1〜5重量
部である。逆相懸濁重合は、反応温度40〜100℃、
好ましくは50〜80℃、反応時間0.5時間以上で攪
拌下で行われる。
【0030】上記、条件により逆相懸濁重合をおこなっ
た後、常法により分離、洗浄、乾燥して本発明の赤リン
含有球状樹脂粒子を得ることができ、その粒子形状はS
EM写真により確認することができる。
【0031】本発明の方法によって得られる赤リン含有
球状樹脂粒子の平均粒子径は、核となる赤リン粒子の大
きさに影響を受けるが、通常1〜500μm、好ましく
は50〜300μmの範囲である。
【0032】かかる赤リン含有球状樹脂粒子は、安定で
取扱い易く且つ優れた難燃効果を有し、各種高分子材料
に対して難燃剤として使用することができる。難燃性を
付与する高分子材料としては、特に制限はなく熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂の種類を問わない。熱硬化性樹脂と
しては、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹
脂、フタル酸ジアクリル樹脂またはポリウレタン樹脂等
が挙げられる。
【0033】一方、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンのようなポリα−オレフィン、α−
オレフィンを少なくとも含む他のモノマーとの共重合
体、ポリスチレン、メタアクリル樹脂、スチレン−アク
リルニトリル共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリ塩化
ビニル、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリカ
ーボネート、ポリアセタール、熱可塑性ポリエステル、
酢酸セルロース(セルロース樹脂)、ポリスルホン熱可
塑性ポリイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリブチレ
ンアイオノマー樹脂等が挙げられる。
【0034】本発明に係る赤リン含有球状樹脂粒子は、
赤リンを逆相懸濁重合法でマイクロカプセル化した粒子
である。しかも赤リンの分解に伴うホスフィンガスの発
生を実質的に完全に抑制し、かつ赤リン固有の濃い暗赤
色を隠ぺい、消色するために各種無機粒子をカプセル化
しているために、白色化した赤リン含有球状粒子とな
り、添加する微細無機粒子の特性により赤リンの難燃効
果のみでなく、その他に熱分解温度を上昇させる等の機
能も同時に付与することができる。
【0035】また、該赤リン含有球状樹脂粒子が熱硬化
性樹脂で形成されているために、各種高分子材料に配合
するのも容易であり、難燃剤として工業的に優れた機能
性粒子である。
【0036】図2にかかる赤リン含有球状樹脂粒子の製
造法につき前記で説明したもののフローチャートを示
す。すなわち、赤リン等を硬化剤(PTS)、フェノー
ル樹脂プレポリマーの水溶液に分散させたS/W相を形
成させ、これをO相に注入して分散させることにより、
(S/W)/O相の分散系が形成される。この際に初期
液滴径を調整後、加熱すると、粘度が上昇して、いわゆ
る逆相懸濁重合が起こる。この場合、樹脂マトリックス
により赤リン等をカプセル化する径の大きさは、撹拌速
度に左右されるが、基本的には赤リンの一次粒子によっ
て設計される。
【0037】また一方、加熱により重合が進行すること
によって粘性が増加する。この粘性の増加は液液分散系
を形成するときには、分散抵抗が働き最終カプセル径に
影響を及ぼす。
【0038】すなわち、マイクロカプセル径は分散相粘
度に対し依存性もあることから、結局のところ最終カプ
セル化の球状粒子径は赤リン粒子の一次粒子径、初期滴
調整時の撹拌条件、硬化剤濃度、無機添加剤等によって
主体的に影響を受け、これらをコントロールすることに
より本質的には任意の粒径のものを設計することが可能
である。
【0039】
【実施例】以下に、本発明の実施例を比較例と対比して
具体的に説明する。
【0040】実施例1〜7 表1および表2に示す赤リン又は赤リン及び微細無機粒
子を50〜65wt%のp−トルエンスルホン酸水溶液
20mlに添加し、攪拌混合する。次いで、フェノール
樹脂モノマー10mlを添加して(S/W)分散系を調
製した。油溶性界面活性剤であるSpan80(ソルビ
タンモノオレエート)2.0wt%を含有したシリコン
オイル300mlに、先に調製した(S/W)分散系を
添加して(S/W)/O分散系を調製した。これを恒温
槽中で60℃で6時間逆相懸濁重合を行った。重合終了
後、常法により分離、乾燥し本発明の赤リン含有球状樹
脂粒子を得た。
【0041】得られた赤リン含有球状樹脂粒子の平均粒
子径、目視による外観を表1および表2に併記する。図
3に実施例4で得られた赤リン含有球状樹脂粒子の電子
顕微鏡写真(SEM写真、倍率:200倍)を示す。ま
た、図4に実施例6で得られた赤リン含有球状樹脂粒子
の電子顕微鏡写真(SEM写真、倍率:200倍)を示
す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】試験例1 次に、実施例1〜7の各種赤リン含有球状樹脂粒子及び
比較例1(市販品)につき、これのホスフィン(PH
)発生量を測定した結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】(注) (1)ホスフィン発生量の測定値は、N2 ガス雰囲気中
の密栓容器中に、Pとして2.0gを封じ込み、250
℃、1時間保持した後、容器内のガスをサンプリングし
てホスフィンガス検知管(ガステック検知管:検知濃度
0.15ppm、北澤産業(株)製)にてホスフィン
(PH3 )濃度を評価するガス検知測定法で行った。 (2)比較例1はAl被覆赤リンを用いた。Al被覆赤
リンは、平均粒子径20μmの赤リンをAl(OH)3
として10wt%表面被覆したものを用いた。
【0047】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によって提供
される赤リン含有球状樹脂粒子は、赤リンのみならず各
種無機粒子を熱硬化性樹脂マトリックスにカプセル化し
ているために、安定な赤リン組成物を構成しており、赤
リンの難燃効果のみでなく、赤リンによる暗赤色の着色
を消色させる機能も同時に付与することができる。
【0048】また、該粒子が熱硬化性樹脂で形成されて
いるために、各種高分子材料に配合するのも容易であ
り、難燃剤として工業的に優れた機能性粒子である。さ
らに、本発明に係る製造方法によれば、工業的に有利に
赤リン含有球状樹脂粒子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る赤リン含有球状樹脂粒子の構造を
示す概略図である。
【図2】本発明の赤リン含有球状樹脂粒子の製造法を示
すフローチャート図である。
【図3】実施例4で得られた赤リン含有球状樹脂粒子の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(倍率:200倍)であ
る。
【図4】実施例6で得られた赤リン含有球状樹脂粒子の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(倍率:200倍)であ
る。
【符号の説明】
1 熱硬化性樹脂マトリックス 2 赤リン粒子 3 TiO2 層 4 TiO2 粒子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球状樹脂粒子のマトリクス中に赤リン粒
    子又は赤リン粒子及び微細無機粒子を10〜80wt%
    含有させて多核カプセル化してなることを特徴とする赤
    リン含有球状樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 前記球状樹脂粒子のマトリクスが熱硬化
    性樹脂からなる請求項1記載の赤リン含有球状樹脂粒
    子。
  3. 【請求項3】 前記微細無機粒子が赤リン含有球状樹脂
    粒子の表面に微細無機粒子層を形成している請求項1記
    載の赤リン含有球状樹脂粒子。
  4. 【請求項4】 前記微細無機粒子は二酸化チタン、酸化
    亜鉛、アパタイトから選ばれる少なくとも1種以上であ
    る請求項1または3記載の赤リン含有球状樹脂粒子。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかの項に記載の
    赤リン含有球状樹脂粒子からなることを特徴とする難燃
    剤。
  6. 【請求項6】 赤リン粒子又は赤リン粒子及び微細無機
    粒子と硬化剤および熱硬化性樹脂モノマーを水中に分散
    して分散溶液を調製し、次いで該分散溶液を有機相中で
    逆相懸濁重合を行うことを特徴とする赤リン含有球状樹
    脂粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記熱硬化性樹脂モノマーはシリコンオ
    イルである請求項6記載の赤リン含有球状樹脂粒子の製
    造方法。
JP24512295A 1995-08-31 1995-08-31 赤リン含有球状樹脂粒子、その製造方法及び難燃剤 Pending JPH0967467A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11972886B2 (en) 2018-04-18 2024-04-30 Shpp Global Technologies B.V. Magnetic nanoparticles embedded in polymer microparticles

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11972886B2 (en) 2018-04-18 2024-04-30 Shpp Global Technologies B.V. Magnetic nanoparticles embedded in polymer microparticles

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